連続な区分的多項式における重複度比n : mの2点テ
イラー展開について
著者
島田 光一郎
2014 年度 修士論文要旨
連続な区分的多項式における重複度比
n : m
の
2
点テイラー展開につ
いて
関西学院大学大学院理工学研究科 数理科学専攻 北原研究室 島田 光一郎 関数 f (x) が与えられており, xy 平面上の有限個の点 (xi, f (xi)) を通る多項式を補間多項式 という. さらに, 関数 f (x) の x = xiにおける 1 階導関数値まで与えられているなら, f (x) の x = xiで f (x) の導関数値と同じ導関数値をもつ多項式を考えることができる. これがエルミー ト補間多項式である. 一般に, エルミート補間多項式は, 標本点 xiにおいて, 関数 f (x) の関数値と同じ関数値をも つだけでなく, f (x) の n 階までの導関数値と同じ導関数値をもつ多項式であり, これは f (x) の 一つの近似多項式と考えることができる. そして, エルミート補間多項式はテイラー多項式の 1 つの一般化になっている. 実際, 標本点が x0だけの場合を考えると, x = x0で関数 f (x) の関 数値と同じ関数値をもち, さらに x = x0で f (x) の n 階までの導関数値と同じ導関数値をもつ 高々n 次多項式は, x0を中心とするテイラー多項式である. そこで, エルミート補間多項式を用いて, テイラー多項式の一般化である 2 点テイラー多項式 を定義する. すなわち, 2 点 x0, x1で無限回微分可能な関数 f (x) に対して { f(j)(x0) = P (j) (m+n)ℓ−1(x0), j = 0 . . . nℓ− 1 f(k)(x 1) = P (k) (m+n)ℓ−1(x1), k = 0 . . . mℓ− 1 を満たす高々(m + n)ℓ− 1 次多項式 P(m+n)ℓ−1(x) を, 中心 x0, x1で重複度比 n : m の 2 点テイ ラー多項式と定義する. また, 2 点 x0, x1で無限回微分可能な関数 f (x) について, f (x) が中心 x0, x1, 重複度比 n : m, 区間 I で 2 点テイラー展開可能であるとは, 各点 x∈ I について lim ℓ→∞|P(m+n)ℓ−1(x)− f(x)| = 0 が成り立つことである. 本論文では, 次を示した. p(x), q(x) を高々k 次多項式とし, α, β ( α < n− m n + m < β ) を |(x + 1)n(x− 1)m| = 2n+m· nn· mm (n + m)n+m の解とする. また, 関数 f (x) = p(x) x∈ [ n− m n + m,∞ ) q(x) x∈ ( −∞,n− m n + m ] における中心 x =−1, 1, 重複度比n : mの高々(n+m)ℓ−1次の2点テイラー多項式をP(n+m)ℓ−1(x) とする. このとき, 次の (1)∼(3) が成り立つ.(1) 各点 t∈ [ α,n− m n + m ) ∪ ( n− m n + m, β ] について lim ℓ→∞|P(m+n)ℓ−1(t)− f(t)| = 0 が成り立つ. (2) f (x) が x = n− m n + m で連続ならば, t = n− m n + m について lim ℓ→∞|P(m+n)ℓ−1(t)− f(t)| = 0 が成り立つ. (3) a, b を α < a < n− m n + m < b < β を満たす任意の実数とする. このとき, ある定数 C が存在し て, 任意の t∈ [α, a] ∪ [b, β] について |f(t) − P(n+m)ℓ−1(t)| ≤ C · 1 √ ℓ が成り立つ. すなわち, 関数列{P(n+m)ℓ−1(x)}ℓ∈Nは f (x) に [ α,n− m n + m ) ∪ ( n− m n + m, β ] で広義一 様収束する.