ドイモイ期を中心としたベトナムの経済発展過程
2
0
0
全文
(2) く民間の貿易会社の設立の許可、競争原理によ. 終章では、第1章と第2章の分析を踏まえて、. る効率の追求の可能性を明らかにした。さらに. ベトナムの持続的な発展のための所得格差、地. 国営企業改革では、国営企業の広範な自主的な. 域問格差、教育格差、環境汚染の緩和のあり方. 運営認可、市場経済活動への参加などを明らか. と課題を示した。. にした。. 第3節では、ドイモイ展開期のベトナム経済. 4.成果と課題. 改革の変化について外資導入と国際貿易、生産. 本論文では、ベトナムにおける社会主義化が. 構造の変化を検討した。その結果、南部を中心. 重視された時代から市場経済への移行期に至. とした外国直接投資の加速によって経済が発. るベトナム経済発展過程について考察すると. 展し、ベトナム経済の中で重要な位置を占めて. ともに、経済発展に伴うさまざまな問題点を明. いることが明らかになった。また、生産額では. らかにした。. 工業が農林業の生産額を上回り、農工転換が実. ドイモイによって経済活動は以前よりも活. 現した。しかし、雇用構造では変化が見られず、. 発となり、ベトナム経済は長期間に渡って高い. 抜本的な人材育成が求められているという課. 成長率を維持している。本論文では、GD Pが. 題を明らかにした。. 以前に比べて高くなったベトナム経済は、依然. 第2章では、第1章での考察結果を踏まえ、. として開発では低い段階にあり、資金も技術も. 経済発展過程で生じた問題点やその改善策を. 不足していることを明らかにした。また、発展. 検討した。. 過程で生じた貧困格差や地域間格差、工業化に. 第1節では、ドイモイ期のベトナムの経済発. 伴う環境汚染問題などさまざまな問題を明ら. 展過程における問題点として、所得格差、教育. かにした。. 格差、汚職・腐敗、環境汚染問題などを中心に. 今後の研究課題は、本論文で明らかにしたベ. 検討した。その結果、地域間の所得格差では南. トナム経済の問題点の改善策をより詳細に検. 部工業地帯は他の地域と比べ高い所得水準を. 討することである。例えば、経済発展の質を重. 示しているが、その理由として過去に実施され. 視し、自然との調和、社会との調和を考慮に入. たインフラ投資導入と高い外資導入率などに. れた省エネルギー型、自然・環境保全重視型の. よることを明らかにした。. 改善策、社会公正を実現できる改善策であると. 第2節では、ドイモイ期のベトナム経済発展. 思われる。また、教育の質的向上と人材育成の. 過程における問題点とその改善策を検討した。. 改善策などについての検討を考えている。. 改善策としては、経済未発展地域への重点的な. 直接的資源の投下や貧困地域における経済・社. 会インフラと教育への投資の集中が必要だと. 主任指導教員 難波 安彦. いうことを明らかにした。. 指導教員 難波安彦. 一325一.
(3)
関連したドキュメント
経済学類は「 経済学特別講義Ⅰ」 ( 石川 県,いしかわ学生定着推進協議会との共
この小論の目的は,戦間期イギリスにおける経済政策形成に及ぼしたケイ
経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を
経済特区は、 2007 年 4 月に施行された新投資法で他の法律で規定するとされてお り、今後、経済特区法が制定される見通しとなっている。ただし、政府は経済特区の
平成28年度の日本経済は、緩やかな回復軌道を描いてきましたが、米国の保護主義的な政
民間経済 活動の 鈍化を招くリスクである。 国内政治情勢と旱魃については、 今後 の展開を正 確 に言い
第三に,以上に得られた複数年次の 2 部門表を連結し,それと,少し長期の経済状態を
経済学・経営学の専門的な知識を学ぶた めの基礎的な学力を備え、ダイナミック