• 検索結果がありません。

児童の喫煙、飲酒、セルフエスティームに関わる自己評価の縦断的変化に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "児童の喫煙、飲酒、セルフエスティームに関わる自己評価の縦断的変化に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)児童の喫煙,飲酒,セルフエスティームに関わる自己評価の縦断的変化に関する研究 学校教育研究科 教科・領域教育学専攻 生活・健康・総合内容系コース. M10225F 陰山 幸司. の調査結果を個別に対応できる形式をとった。分析. I はじめに  近年の社会の急激な国際化,情報化に伴って,青. 対象は,4回分すべての調査がそろっている3∼5年. 少年の乱用薬物も,有機溶剤や覚せい剤に加えて,. 生の101名とした。. 大麻,コカイン,合成麻薬など多様化している。一.  質問項目については,セルフエスティームに関す. 方,喫煙,飲酒行動は,ゲートウェイ・ドラッグと. る項目としては,ローゼンバーグの尺度,ホープら. して低年齢層と女性への拡大が懸念される。これら. の尺度,ハーターの尺度等があるが,これらの中で. の行動は相互に関連が強いため,喫煙,飲酒防止教. 代表的と思われる項目とした。これらの項目につい. 育には,薬物乱用防止としての意義もある。喫煙,. ては,背景を探るために,因子分析を調査毎に繰り. 飲酒行動のきっかけのほとんどが学齢期に重なる10. 返し,因子に複数回含まれる項目を取り上げた。喫. 代であり,子どもたちを守る観点から,子どもの喫. 煙,飲酒に関する項目は,飲酒,喫煙に対する意識. 煙,飲酒行動の実態,関連要因,発達段階,学校や. や,誘われた時の対処の自信等とした。分析にはPASW. 地域の状況等を踏まえて,喫煙.飲酒防止教育に早. Statistics18を使用し,計4回分の比較には対応. 期に取り組む必要がある。. のある検定を行い,関係性については相関分析をお.  喫煙等の行動の関連要因の一つとして,セルフエ. こなった。. スティームが注目されている。喫煙や飲酒行動とセ. 皿 結果. ルフエスティームの間には有意な関連が見られ,と. 1)セルフエスティーム,喫煙,飲酒に関する項目の   状況. りわけr家族」に関するセルフエスティームとの間.  セルフエスティームに関する項目(16項目)で有. には密接な関係が認められたとしている。しかし,. 意差のあった項目はr自分のことが好きか(p<.01)」. セルフエスティームと喫煙,飲酒行動の関連性を縦. 「もっと他の子のようにかっこよく(可愛く)ない. 断的に研究したものは少ない。そこで本研究では,. りたいと思うか(p<.05)」「自分の顔や体つきが好. 小学生を対象に,喫煙,飲酒の意識や行動,セルフ. きか(p<.01)」の3項目であった。喫煙,飲酒に関. エスティーム等について縦断的に調査し,その関連. する項目(14項目)で,複数回答・喫煙,飲酒経験. 性を明らかにする。. 率を除いた項目で有意な差があった項目は「20歳以. I 研究方法. 上で喫煙すると思うか(p<、01)」r20歳以上で飲酒.  2009年9月∼2011年2月に,兵庫県内A小学校3. すると思うか(p〈、01)」「友だちや先輩から飲酒を. 年∼6年生138人に,喫煙,飲酒とセルフエスティ. 勧められたら断ることができるか(p<.01)」3項目. ームに関する質問紙調査を4回繰り返して実施した。. であった。両項目とも,有意に減少するものであっ. 回答の妥当性を高めるために各調査は無記名とした が,子どもたちに個別のIDを割り当てており,各人. た。また,有意な差はなかった項目においても,肯 定的回答の割合が減少傾向を示した。これは,セル. 一414一.

(2) フェスティームは調査を重ねるにつれて減少傾向で. 項目どうしで有意な相関を示した。. あることを示している。.  以上の結果より,セルフエスティームに関わる項. 2)1回目の回答結果と2回目以降の回答結果との関   連結果. 目と後の喫煙,飲酒の意識項目の間には,弱いなが.  意識に関する縦断的な関連性を知るために,1回. らも有意な関連が見られたことからも,セルフエス. 目の回答結果が,2回目以降の回答結果とどれほど. ティームが高い児童は,喫煙,飲酒を誘われた時,. 相関するか調べた(表1)。その結果,「自分のこと. 断れる自信があることが考えられる。. が好きか」「自分の顔や体つきが好きか」「家族に大. 4)教育との関連性. 切にされていると思うか」「毎日宿題をしているか」.  4回分の各調査の間でセルエスティームを高める. のセルフエスティーム全般・家族・学習の項目につ. ような教育や自分にあった喫煙,飲酒を誘われた時. いて,2∼4回目との相関が0,407∼O.622を示し,1. の対処などの学習をおこなっている。セルフエステ. 回目の回答結果が,後まで影響することが暗示され. ィームの比較であるが,割合だけでみてみると全体. た。一方,飲酒,喫煙に関する項目では4回目との. 的にもセルフエスティームは増加傾向がみられるが. 相関がO.4以下を示し,全体的に相関が弱く,変動. 有意な差ではなかった。自分に対する評価・家族と. が大きいと考えられた。. の関係の幾つかの項目で有意な差が見られたが,全. 3)喫煙,飲酒関連項目とセルフエスティームに関. て減少した。喫煙,飲酒を誘われた時の対処の自信.   する項目との関連. においては,全体的にr断れると思う」r多分断れる」.  まず,各調査での関連では,1回目の調査では項. と答えている客1」合が高いことが分かった。前後の比. 目間での相関は低い値を示したが,2・3・4回目で. 較においては,有意な差はなく,全体的に減少した。. 喫煙,飲酒関連項目とセルフエスティーム項目間の. 1V考察. 多くで有意な相関を示した。特に2回目での項目ど.  教育に対する効果は統計的には認められなかった. うし相関で0.2からO.3で有意な相関を示した。こ. が,セルフエスティームの各項目において縦断的に. の結果は,自分に対する評価・家族との関係に関す. 相関が高いため,セルフエスティームについては早. る項目のセルフエスティームと喫煙,飲酒の意識・. 期から育成を図ることが大切であると考えられる。. 行動と関係を示している。また,セルフエステイ』. 喫煙,飲酒に対する意識や行動については,変動す. ムと喫煙,飲酒行動等との関連を縦断的に調べるた. る可能性が高いため,防止教育を継続的に実施する. め,1回目のセルフエステイ』ム関連項目と,4回目. 必要があると考えられた。また,セルフエスティー. の喫煙等関連項目の関連性を調べた。その結果,4. ムと喫煙,飲酒関連項目間での相関が認められるこ. 回目のr友だちや先輩からお酒を勧められたら断れ. とからも,セルフエスティームを高めることが,児. るか」との相関係数は,1回目のr自分のことが好. 童の喫煙,飲酒行動の防止・喫煙,飲酒に対する意. きか」0,214,「自分にはよいところがあると思うか」. 0,328であった。「家族など大人からお酒を勧められ. 識やスキルを高めることに重要であるとことが示唆 された。. たら断れるか」との関連では,1回目のr自分の顔・.            主任指導教員 松村 京子. 体が好き」0,262,r自分にはよいところがあると思.            指導教員西岡伸紀. うか」o,229であった。(P<0.05)縦断的に見ても. 一4!5..

(3)

参照

関連したドキュメント

専攻の枠を越えて自由な教育と研究を行える よう,教官は自然科学研究科棟に居住して学

 21世紀に推進すべき重要な研究教育を行う横断的組織「フ

大学教員養成プログラム(PFFP)に関する動向として、名古屋大学では、高等教育研究センターの

小学校学習指導要領総則第1の3において、「学校における体育・健康に関する指導は、児

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

職員参加の下、提供するサービスについて 自己評価は各自で取り組んだあと 定期的かつ継続的に自己点検(自己評価)

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

 履修できる科目は、所属学部で開講する、教育職員免許状取得のために必要な『教科及び