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教師のバーンアウト傾向と教職生活意識との関係

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Academic year: 2021

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(1)教師 のバ ー ンアウ ト傾 向 と教職 生 活意識 との 関係 漬. 本. 良. 子. 要旨 :本 論文 ではバーンアウ トした教師 としてい ない教師ではバーンアウ ト状況で どのようなイメー ジや考 えを持 っているのか とい う認知 を調べ ることを目的 とした。つ まり,教 師のバーンアウ トを. ,. 教職生活 に関す る主観的な認知 とその個人の もつ認知構造 を関係 づ けることにより,明 確 に しようと したものである。バーンアウ トの有無 の判断 を提 えるためバーンアウ ト尺度 を使用 し,バ ーンアウ ト 状況 での個人の認知 を捉 える方法 としては半構造化面接 を した。そ して,現 職教師 32名 の うち該当 す る 18名 をバー ンアウ ト群 と健常群 の 2群 に分 け,両 群 の意識 の違 い ・認知構造 の違 い を検 討 し た。その結果 ,両 群 とも共通 の意識 を多 く含 む ものの次 の点 で違 いが見 られた。バーンアウ ト傾向群 では「何度 も同 じ指導 をしな くてはいけない とい うことに関 して,生 徒 をネガテイブに評価 し怒 りを 感 じてい るが,内 面 ではそのことに葛藤 を感 じていて,自 己否定 してい る。そ ういった 日々の葛藤 の 蓄積 を長期間抱 えてい るとバーンアウ ト傾向へ と結 びつ く」 とい うことが示唆 された。 また,健 常群 では,「 根気 よ く生徒 に関わ り続けるとい う信念 に基づ き,疲 弊 しそ うな状況 では今 は無駄 に見 えて もいつか生徒 が理解 して くれる日がある,な どとい う 《見方 の変換》 を して現状 を受け入 れてい る」 とい う意識が示唆 された。一方 ,各 個人の面接内容 の解釈 による認知構造 を比較するとバー ンアウ ト 傾向群 は 2通 り,① 日々の教育資源 の欠如 と無力感 の状態が続 くことがバ ーンアウ トに結 びついてい る,② 日常 をはるかに越えた大 きな出来事 に遭遇 して,急 速 に教育資源がな くなる ことがバーンアウ トにつ ながる,で あ った。健常群 では,各 々が どんな小 さな ことであろ うとも将来へ の何 らかの期待 や希望 を持 っているとい う 《将来へ の可能性 》 をもつ構造 が基 となる。 さらに特徴別 に分けると 4通 り,① 教師 として 自負す るものが ある. (自. 負型),② 子 どもの可能性 を信 じる. (信 頼型),③ 見方 の変. 換 をはか り現状 を何 とか受 け入れ よ う とす る (受 容型),④ 人には関われない世界 が あ る. (関. わり. 型), となるようである。 このような個人 による信念 があるため,疲 弊 しそ うな状況 にあ って もきわ めて教職生活が安定 してい ると推測 される。. 払 雨. 序. 義 して い る。 日本 で も多 くの研 究者 に よつて概念 や測 定 ,ス トレス との違 い な ど看護婦 のバ ー ンア ウ ト研 究 を中心 に深 め られて きて い る。 一 方 ,教 師 の バ ー ンア. Frcudcnberger(1981)は ,信 条 ・生 き方 ,人 間関係. ウ ト研 究 は,ス トレス研 究 の枠 に入 ってお り,バ ー ン. にひたす らうちこんだあげ くに期待 した成果が得 られ. アウ トと して調査 されて きて い る もの は看護婦 の研 究. ず疲労 と失意 の状態 にあるとき,人 はバーンアウ トす. に比 べ 少 な い 。教 師 の 多忙 と関連 づ け た研 究 で は. るといってい る。特 に対人専門職 における社会奉仕的. 「 自己犠牲」 的教 師像 が強 い ほ どバ ー ンア ウ トが 強 ま. な職業 に携 わる人などは,人 のために何 か役立つ こと. る (久 富 ,1995)こ とを明 らか に して い る。 自己犠牲. をしたい と理想 に燃 えてい るが,そ うい う仕事 には失. 的教 師 とは,自 分 は こんなに頑張 って い るの に ど う し. 敗 や落胆がつ きものであ るためバーンアウ ト状態が多. て子供 は い う こ とを聞 か ないの か とい う慢性 的 な苛立. く見 られる。 また,Maslach and Jackson(1981)は 長期 にわた り人を援助す る過程 で,心 的エ ネルギーが. ちの姿 で あ る。 そ して,岩 井 (1997)は バ ー ンアウ ト の 問題 は忙 し さ を つ く りだ して い る 教 師 の 仕 事 の. 絶 えず過度 に要求 された結果 として生 じ,極 度 の心身. “質 "と “ 量 "の 関係 ,つ ま り忙 しい仕 事 を させ られ. 疲労 と感情 の枯渇 を主 とする状態 とバー ンアウ トを定. て い る と感 じた ときに無気力 に陥 り,燃 え尽 きて しま. ,. ,.

(2) 人間科学研究編 (2003年 3月. ). う とい う こ とをい ってい る。 これ は,教 師 が どの よう. 究 を加 える こ とで教 師 バ ー ンア ウ トの 内面 を掘 り下 げ. に 自分 の仕事 を考 えて い るか (教 職 生 活 意識 ),そ し. る こ とがで きる と思 われる。. て , どの ように 自分 の生 活 に仕事 を位 置 づ けて い るか. この研究では,バ ーンアウ トした人 としてい ない人 で どうい う違 いがあるのか とい う探索的 な研 究 とな. とい う こ とで もある。 教職意識 に関 しては岡東 ・鈴木 (1990)の 研究 が. ,. る。特 に見てい く所 は,バ ー ンアウ トした人 としてい. バ ー ンア ウ トとの 関連 を扱 って い る。Pinesの バ ー ン. ない 人 の教職生活意識 には精神 的な領域 に違 いがあ. ア ウ ト尺度 によ りそ の 回答者 をバ ー ンア ウ ト強度 4段. り,そ れが どのような意識 と関連 してバーンアウ ト傾. 階 に分 け,教 職生活意識 との 関係 を比較 して い る。大. 向 になった りならなか った りしてい るのか とい う点で. きな差異 が あ ったの は,「 教 師 と して の 仕事 に満足 が. ある。その関連 を詳 しく考察するために,教 職生活意. い ってい る」「 自分 が 持 ってい た教 育観 や教 育 的信 条. 識 の 中で違 いのある点 をはっ きりさせる。. に混乱 が生 じて い る」「教職 に就 く前 と後 で ,自 分 の 描 い た教 師像 と現実 との ギ ャ ップ を感 じた」「教 職 以. 予. 備. 調. 査. 外 の職業 に転職 しようと思 った り,や めた い と思 った 師 が教職生活 を どの よ うに捉 えて い るか とい う教 師 の. 本研究 は,バ ーンアウ トについての個人の認知 を調 査す ることに重点 がおかれる。そのため,「 バー ンア. 内面 にか な り関係 が あ る よ うで あ る。 そ して ,Fned―. ウ ト」 についての認知 を聞 くことが重要である。そ こ. man(2000)は 期待 され る職務遂 行 と現 実 の 不満足 と. で,個 人別 に態度構造 を測定す るために内藤 (1993). の 間 に起 こる深 い ギ ヤ ツプを個 人が ど う認知す るかか. によって開発 された個人別態度構造分析 (PAC分 析. らバ ー ンア ウ トは生 じる と言 ってい る よ うに,自 分 の. を使用す る。 この予備調査 では,PAC分 析 で使 用す. 中 でその問題 を どの よ うに考 えて い るか とい う こ とが. る 「バーンアウ トしやすい」状況 をイメージで きる刺. バー ンア ウ トをす る人 としない 人 を分 けて い る と推. 激語 を決定す る。予備調査 を 3回 し,そ の結果 を通 し. 経験 が あ る」 だった。 この よ うにバ ー ンアウ トは,教. 1員 1. ). で きる。 しか し,今 まで に教 師 バ ー ンア ウ トに関 して. てでて きた問題点 を改 善 して本調査 をす る ことに し. 個 人 の認知 を取 り上 げ た研 究 はほ とん どな く,教 職 生. た。. 活意識 との 関連 は あ ま りわか ってい ない。 また ,バ ー ンア ウ ト尺度 に よつて分 けたバ ー ンア ウ トした人 にの. 本. 調. 査. み 焦点 が あた ってお り,バ ー ンアウ トして い な い 人 の 特徴 は詳 しく取 り上 げ られて い ない 。 バ ー ンア ウ トし. 目的. やす い状況 で バ ー ンア ウ トす る人 としない 人 との認知. 現職教 師 を予備調査 で得 たバ ー ンア ウ トしやす い状. の特徴 を比較す る こ とは教 師 バ ー ンア ウ トを理 解す る. 況 で ある 「 ある 目的 に対 して一 生 懸命努力 したが期待. 上 で 役 に立 ち,今 後 の 対 処法 に有 用 で あ る と思 わ れ. した結果 や満足が あ ま り得 られ ず疲労感 や欲 求不満 を. る。 そ こで ,本 研究 で は現職教 師 をバ ー ンア ウ トした. 感 じた」 (刺 激 語 は 荻 野 (1999)に よ っ て 訳 さ れ た. 人 と して い ない 人 に分 け ,2群 での教職 生活意識 の 違. Freudnbergcr(1974)の 定義 を参 考 に作 成 した もの で. い を比 較検 討 し,さ らに認 知 構 造 との 関連 を見 て い. あ る)時 に,バ ー ンアウ トした人 と して い ない 人 に分. く。. け 2群 での教職生活意識 の違 い を比較 検討 し,さ らに 認知構造 との 関連 を見 て い く。 白 勺 方法. 本研究 で は,現 職教 師 で バ ー ンア ウ トす る人 と しな. 被験者. X県 の 公 立 小 ・中 学 校 教 師 32人 H人 )で あ った。経験 年 数 の平均. (男. 性 21. い 人 の バ ー ンア ウ トしやす い状況 での教職生活 に関す. 人 ・女性. る意 識 や認知 構造 を比較検討す る こ とを 目的 とす る。. SD 5。. 個 人が現実 とのギ ャ ップを どう認知 して い るか を明 ら. 本 オ米斗. か にす るため に事例記 述 的 な方法 を とる こ とにす る。. ①MBI(久 保 ・田 尾 ,1994):Maslach and Jackson. 今 までのテ ス トや測定法 で取 り上 げ られて い る要因 や. (1981)に よる Maslach Bumout lnventory(MBI)を. 次元 以外 にバ ー ンアウ トす る個 人 の 問題 と直結 す る要 因 もあ るだろ うと思 われ る。そ して ,先 行研 究 に本研. 14.9年. ,. 9年 ,範 囲 (1-36年 )で あ った。. 翻訳修正 したもので「情緒的消耗感」「脱人格化」 「個人的達成感」の 3因 子,17項 目からなる。 この.

(3) 漬本. 良子 :教 師のバー ンアウ ト傾向 と教職生活意識 との関係. 尺度 は看護婦用 に作 られた もので項 目中の「患者」. や 言葉 を思 い 浮 か んだ順 に教 えて下 さい 。『あ る 目的. を「生 徒」 と修正 して用 い た。回答 は「いつ もあ. に対 して一生 懸命努力 したが期 待 した結果 や満足 が あ. る」「 しば しばある」「ときどきある」「まれにある」. ま り得 られず疲労感 や欲求 不満 を感 じた』 とあなたが. 「ない」 の 5件 法 である。「情緒的消耗感」 とは,単. 思 う場面 や状況 ,そ の時 ど う感 じて い たか ,そ の 時 ど. なる肉体的疲労ではな く,心 理的要素が中心 になっ. んな行動 を した い と思 い が ちか ,ま たは実際 に ど う行. て起 こる疲労感 ,虚 脱感 のことである。「脱人格化」. 動 しが ちだ ったか」. とは,ク ライエ ン トとの煩 わ しい接触 を避けた り ,. ②. 被験者 に自分 の思 い 浮 かんだ こ とを 自由連想 させ話. あるい はクライエ ン トー 人一人 の個人差や人格 を無. させ た。調査者 はその言葉 を被験者 の言 った順 に短冊. 固人的達成 視 し,機 械的 に対応す る傾 向 を指す。「イ 感」 は,仕 事 の結果 に伴 って感 じる成功感や効力感. 5cmの 紙 )に 書 き込 ん で い っ た。被 験者 の言葉 がす べ てで終 わうた ら短冊 (項 目)を 被験. である. 者 の前 に並 べ た。被験者 に肯定 か否定 かの方 向 に拘 り. PAC分. 析 (内 藤. ,1997):Personal Attitude ConstrLICt. (お. よそ 3cm×. な く重要順 と感 じる順 に項 目を並 べ 替 え させ た。調査. 人別態度構造 )の 略称 で あ り,認 知 や イメ ー ジ. 者 は項 目に赤 ペ ンで重要順 を書 き込 んで い った。 つい. の構造 ,心 理 的場 フ ア ンビ ヴ ァレ ンッ,コ ンプ レッ. で項 目間 の類似度距離行列 を作 成す るため に,連 想項. クス まで測 定 で きる と言 われて い る。 これ は,当 該. 目間 の対 を選 びなが ら,以 下 の教示 と 5段 階評定尺度. テ ーマ 「教 師生 活 にお い て 『あ る 目的 に対 して一生. に基 づ い て類似度 を評定 させ た。教示 は,下 記 の 〈教. 懸命努力 したが期待 した結果や満足が 得 られず 疲労. 示 と評定尺度 〉が 印刷 された用紙 を被験者 に提示 した. 感 や欲 求不満 を感 じた』」 に関す る 自由連想. まま,日 頭 で読 み上 げ る ことで な された。. (個. (ア. ク. セス),連 想項 目間 の類似 度評 定 ,類 似 度 距 離行 列. 「 あ なた 自身 の 『あ る 目的 に対 して 一 生 懸命 努 力 し. に よるクラス ター分析 ,被 験者 に よるクラス ター構. たが 期待 した結果 や満足 があ ま り得 られず疲 労感 や欲. 造 の イメー ジや解釈 の報告 ,実 験者 に よる総合 的解. 求不満 を感 じた』 に関す る もの と してあげた イメ ー ジ. 釈 を通 じて ,個 人 ご とに態度 や イメ ー ジの構造 を分. や言葉 の組 み合 わせが ,言 葉 の意味 で はな く,直 感 的. 析 す る方法 で あ る。. イメー ジの上 で どの程度似 て い るか を判断 し,そ の近. ③質問紙. (聞. き取 り):予 備調査 において PAC分 析. だ けで は個 人 を支 える背 景 が 見 えて こなか ったので 補足 質問 と して加 えた。. さの程 度 を下 記 の 尺度 の 該 当す る記号 で 答 えて下 さ い。 ・A 非常 に近 い ‥. ・B どち らか とい う と近 い ¨. ④録音テープ. どち らともい えない…C. 手続 き. どち らか とい う と遠 い…C. 非常 に遠 い…E. 」. 小 学校 ・ 中学校教 師 に対 し,バ ー ンア ウ ト (燃 え尽. 上記 の類似度評定 の うち,同 じ項 目の組 み合 わせ は. き症候群 )に 関す る調査 の依頼文 を送 り,そ の調査 に. 0,Aは 1,Bは 2,Cは 3,Dは 4,Eは 5と い つ よ う に,0か ら 5点 までの得 点 を与 える こ とで作 成 され た 類似度距離行列 に基 づ き,被 験者別 にウ ォー ド法 で ク. 協 力 の意志 を示 した教 師 32名 に対 して 実施 した。面. 接内容 は,① 現在 6ケ 月以内の MBIの 記入→②PAC 分析→③質問紙→④PAC分 析 でのイメージ時 の MBI. ラス ター分析 した。 つい で ,そ の コンピュー タ画面 に. の記入, とい う順番で行 った。. 析 出 されたデ ン ドロ グラム を見 なが ら被験者 とともに. ①最近 6ケ 月の状態での MBIの 評定 :被 験者 に黒ペ ンで記入させる。 (フ ェースシー ト:経 験年数 ・職名 ・性別 ・配偶者 の有無 ・担任 の有無 ◆校務分掌 を含. クラス ター構造 の確認 を し,ま とま りの あるクラス タ ー分 け を した。 そ して机 の上 に項 目を被験者 が 納得 し. む. 以下 の手順 で被験者 の解釈 や新 た に生 じた イメ ー ジに. ②PAC分 析 :ま ず はじめに連想刺激 として,以 下 の. つい て 質問 した。 まず ,実 験者 は ま とま りの あ る クラ. ように印刷 された文章 を提示するとともに,日 頭で読. ス ター をクラス ター. み上げて教示 した。. 番号 をつ け,ク ラス ター 1の 項 目を読 み上 げ全体 に共. ). た クラス ター ご とに並 べ て,そ れ を両者が見 なが ら. ,. 1・. クラス タ ー 2… とい う よ う に. 「教 師生活 にお い て ,『 ある 目的 に対 して一 生懸 命努. 通す るイメー ジやそれぞれの項 目が併 合 された理 由 と. 力 したが期 待 した結 果や満足 が あ ま り得 られず疲労感. して考 え られ る もの ,こ の クラス ター全体 が意味す る. や欲 求不 満 を感 じた』 とい う こ とを思 い 出 して下 さ. 内容 の解釈 につ い て 質問 した。 これ をクラス ター 2・. い。下記 の 質問 につい て ,頭 に浮 か んで きたイメ ー ジ. クラス ター 30… と繰 り返 し聞 い て い き,す べ ての クラ.

(4) 甲南女 千大学大学院論集倉1刊 号 人間科学研究編 (2003年 3月. ス ターが終 了 した後 , クラ ス ター 1と クラ ス ター 2, クラス ター 1と クラ ス ター 3・ ¨とい う よ うに,各 クラ ス ター 間 を比較 させ て イメー ジや 解釈 の異 同 を報告 さ せ た。 この 後 さ らに,全 体. (ク. ラ ス ター. 1・. クラ ス タ. ー 2・ クラ ス ター 3… )に つ い ての イメ ー ジや 解 釈 に つ いて 質問 した。続 い て ,実 験者 として解釈 しに くい. 表. 1. ). イメー ジ時 の. MBI得 点別 人数. 情緒的消耗感 大丈夫 平均 的 注 意 要注意 危 険. ‐ 下. (40%以 60%) (60∼ 80%) (80∼ 95%) (40∼. (95以. _L). ). 15. 47%). 4. 13%). 2. 6%). 6. 19%) 16%). 5. 脱 人格化. (38%) (16%) (19%) (13%) (16%). 個人的達成感. 14(44%). 5(16%) 5(16%) 5(16%). 3(9%). 個 々の項 目を と りあげて ,個 別 の イメー ジや併 合 され た理 由 につい て補足 的 に質問 した。最後 に,各 連想項. し,す べ てが bと い う段 階 に入 った「bOb・. 目単独 での イメ ー ジが プラス,マ イナ ス , どち らとも. 験者 をバ ー ンア ウ ト傾 向群 と した。 それ に該 当 しなか. い えない (0)の い ず れ に該 当す るか を回答 させ た。. つた 14名 は 除外 した。 よって ,バ ー ン ア ウ ト傾 向群. ③ 質 問紙 三PAC分 析 の 後 す ぐに,以 下 の よ うに印 刷. は 7名 (経 験 年 数 M=8。 7年 ,SD=5。 9年 ,イ メ ー ジ. された文章 を提 示す る とともに口頭 で読 み上 げて質問. M=0.7年 前 ,SD=1.0年 ),健 常 群 は H名 (経 験 年 数 M=17.6年 ,SD=9。 7年 ,イ メ ー ジ 時 M=0.9年. した。. 「あなた 自身の 『ある目的に対 して一 生懸命努力 し. b」. の被. 時. 前 ,SD=1.8年. )の 計 18名 を分析 の対象 とした。. たが期待 した結果や満足があまり得 られず疲労感や欲. (1)バ ーンア ウ ト傾 向群 と健 常群 の意識 の比較. 求不満 を感 じた』 に関す ることをおたずね します。. バ ー ンア ウ ト傾 向群 と健常群 を比 較す るため に面接. 長期 にわた り抱 えてい る問題 があ りましたか,何 で も 話せる同僚がい ましたか,教 師 としての楽 しみ ・や り. 内容 (手 続 き② C)を KJ'去. がいは何 で したか,教 職以外 の趣味や楽 しみ ・生 きが. て 分類 した。 KJ法 で 分類 した教 職 生活 意識 の 内容 を. いは何 で したか,仕 事 を離れたときに付 き合 う仲間が. 健常群 とバ ー ンア ウ ト傾 向群 の両群 の異 同 とい う観点. い ましたか,日 常生活 で誰 と話す ことによって癒 され. で 見 て い くこ とにす る。. ましたか, どんなことを して気分 を落ち着けてい まし. [両. たか,現 在 もこうい う状況 はあ りますか」. 師生活 に入 ってす ぐの学校 生 活全体 へ の混乱 ,生 徒 と. ④ 『ある目的に対 して一生懸命努力 したが期待 した結 果や満足 があ ま り得 られず欲 求不満 を感 じた』時 の. 教 師 の安定 した関係 へ の意欲 ,保 護者 か らの協 力 が欲. MBIの 評定 :被 験者 に① でやった MBIの 用紙 に赤ペ. メー ジに沿 った教育 を目指す ,楽 しみは子 どもとの コ. ンで記入させた。. ヽ の支 え,わ りき り (ど う ミュニ ケ ー シ ョン,家 族 は′ 亡. 期間 2001年 7月 27日 ∼8月 31日. に もな らない ときは しか た な い ),の 9項 目が両 群 に. (川. 喜 田,1997)に よっ. 群 共通 に見 られ る もの]指 導 の あ り方 の 反省 ,教. しい ,教 職員 の不仲 ,自 分達 の 中 ・高時代 の学校 の イ. 共通 に見 られ る もので あ った。. 結. [バ ー ンア ウ ト傾 向群 に見 られ る もの]思 い 通 りにな. 果. らない事 へ の責任転嫁 と自己嫌悪 (働 きか けに対 す る. PAC分 析 にお けるバ ー ンア ウ ト状 態 (イ メー ジ時 で ,バ ー ンア ウ ト傾 向 であるかそ うで な い か を判 断す. 面 での教 師 の 葛藤 ,管 理職 との相互疎通性 の な さ, し. るため に MBIを. 使 用 した。 田尾 ・久 保 (1997)は 看. ん どい状況が早 く終 わ って欲 しい ,生 活 と仕事 が一緒. 護 婦 の MB13因 子 の 得 点分布 か ら各得 点 の 標 準 得 点. にな り疲 れ果 て る,の 5項 目が バ ー ンア ウ ト傾 向群 に. を求 め ,そ れ に基 づ い て彼 らの全 体 の なかで の相対 的. のみ 見 られ 7人 中 3人 が思 つてい る意識 で あ った。. 位置 を推定 し 5段 階健康度 に分 けた。 表 1は 今 回 の教. [健 常 群 に見 られ る もの]気 長 に生 徒 と関 わ り合 い続. MBIの デ ー タを下 位 尺 度 ご. ける こ とが 大事 ,教 師 として 自分 を支 えて い る ものが. とにそれぞれ得点化 し,5段 階健康 度 に分類 した もの. あ る,の 2項 目が健常 群 11人 中 6人 以 上 に見 られ る. で あ るc MBIの 3因 子 と も「平 均」「大 丈 夫」 が 約 6. 意識 で あ ったcま た,教 師 として責任 が 果 たせ て ない. 割前後 とな り,「 危険」 が 約 1割 前後 であ った。. ので は とい う不安 ,子 どもの 能力 はす ごい ,生 徒 の こ. ). 師 32名 の イ メー ジ 時 の. 反応 の な さ・生 徒 へ の 責任転嫁 と 自己嫌 悪 ),怒 る場. 次 に,5段 階健 康 度 を 2つ に分 け て ,「 大 丈 夫 /平. とを理 解 で きなか ったので は とい う反省 ,何 で も話せ. 均 的」 を a,「 注 意 ∼危 険」 を bと した。MBIの 3因. る人物 が必 要 ,最 終 的 な (将 来 も含 めて )子 どもの成. 子 (情 緒 的消耗感 ・脱 人格化 ・個 人的達 成感 )す べ て. 長が楽 しみ ,学 校 の こ とは家 に持 ち込 まない ,身 が 持. が aの 段 階 に入 った 「a・. たな くなる ときの考 え方 を もってい る,肯 定 的 な見方. a・ a」. の 被 験 者 を健常 群 と.

(5) 漬本. 良子 :教 師のバー ンア ウ ト傾向 と教職生活意識 との関係. 25. 3,70 呈 巨高 性. 気持 ちに余裕 が なか った. (一. ). 1.00. 学校 に来 た くな くな った. (―. ). 1.73. 授業なんかが一本調子. (一. 家庭訪問 した 生徒指導 図. 表. 2. 重 要順. 事例. (―. 1. (―. 2.24. ). うま くいかなかった. (―. 3.70. ). 1.00. ). 3。. ). 70. Cの デ ン ドロ グラム. 被験 者. Cの 類似度距離行 列. を取 り巻 く周囲 まで もうまくいかな くなって くる様子 が うかがえる。 た くさんある教師の仕事 をうまく消化. 1. で きな くな り無気力 になってい くとい う 《教育資源の. l. 欠乏 と無力感》のクラスターである。 クラス ター 2は. 1. 「家庭訪間をした」「生徒指導」 の 2項 目 :被 験者が長. 1. 期間 この問題 と関わ り続けた 《意味のある出来事》の クラスターであ る。何年 も家庭訪間を続けたが生徒 ・ 保護者 との関係 がで きなか ったとい う教師の責任 を果 1. たせ なか ったとい う事実が被験者 をむな しくしてい る ように思われる。全体 として :被 験者が 《意味のある. の 変換 をす る,の 8項 目が健 常群. H人 中 4人 に見 ら. 出来事》に関わ つたが,今 までの経験 が役 に立たず長. れる意識 であ つた。. い年月打 つ手がな く気持 ちの余裕 もないので,他 の仕 事へ も影響 を及ぼ してい くとい う 《教育資源の欠乏 と. (2)バ ー ンア ウ ト傾 向群 と健 常群 の各 事例 の解 釈 と認. 無力感》へ とつ なが っている。 また,こ の時職員 は学. 事例 別 にバ ー ン ア ウ ト傾 向群 (事 例 A∼ G),健 常. 校全体 として方向性 がな く,被 験者一人で問題 を抱 え る事 になってい る。学校全体 が難 しいケースであるだ. 群 (事 伊lH∼ R)を それぞ れ 各 クラス ター の 内容 を吟. けに方向性 をだせず被験者にまかせ っき りになった と. 味 した後 ,そ れ らの 関係 や全体 的特徴 を総 合的 に解釈. 推測 されるが,被 験者 にとっては職員か らは批判 はさ. Lを 見 る こ と にす. れるが援助 はない とい うや りに くい状況 であ り孤独感. PAC分 析 で の 各被 験 者 の 類 似 度 距. を強 めていったと思 われる。 この時,被 験者 を支えて. 知構造 の比較. した。 こ こで は,事 例 Cと 事 例 る。表 2,表 3は. いたのは配偶者な ど家族 の存在 であ る。. 離行列 で あ る。. C(教 師歴 20年 中学校 図 1の 被 験 者 Cの デ ン ドロ グ ラ ム を見 る と,全 項. 事例. ). 事例. L(教 師歴 24年. 中学校. ). 図 2の 被験者 Lの デ ン ドロ グラム を見 る と,全 項. 目数 の 1/3に あたる重要順 の上 位 2位 まで を順 番 にあ. 目数 の 1/3に あたる重要順 の上位 3位 までを順番 にあ. げ る と①気持 ちに余裕 が無 くな った② 学校 に来 た くな. げると,① 花②肥や し③責任 , となる。 これ らの項 目. くな った , となる。 この項 目か ら今 まで経験 で得 て い. か ら,生 徒 の能力 を発揮 させるためには無駄 なように. た事 が 通用 せ ず ,何 を して も良 くな ってい く兆 しが見. 見えて も自分のやるべ きことをしっか りや らない とい. えない状態が長 くつづい て い るこ とが バ ー ンアウ トと. けない し,今 発揮 しな くて も将来役 に立って欲 しい と. 結 びつい て い てい る と考 え られる。次 に全 項 目の単独. い う見方 の変換 が見受け られる。次 に全項 目の単独 で. での イメ ー ジを見 る と,す べ てが マ イナ ス にな り被験. のイメー ジを見 ると,プ ラスが 5,マ イナスが 5と 均. 者 自身 の否定感 が感 じられ る。. 衡 してい る状態 であ り,心 の中はゆれてい ると推測 さ. (被 験者. Cに つい ての総合 的解 釈〉 クラス ター 1は. 「気持 ちに余裕 が なか った」∼「 うま くい か なか った」 の 4項 目 :生 徒指導 の問題 に関わることで,経 験 で得 られた教育技術が通用せず気持 ちに余裕 がな くな り ,. 授業が単調 にな り学校 に来た くな くなるとい う被験者. れる。 (被 験者. Lに つ いての 総合的解 釈)ク ラス ター 1は. 「花」「肥や し」 の 2項 目 :自 分 のや ったことが今 は徒 労 か も知れないが肥や しにな り,一 生懸命関わって く れた人がい るとい うことがその子 の将来 につ ながって.

(6) 甲南女 予大学大学 院論集創刊号. 26. 人間科学研 究編 (2003年 3月. ). 7.99 距 離 1. 花 (+). 2. こや し. 3. 責任 (+). 4. 受容 (+). 5. 無駄 な こ とはな い. 1.00 (十. 3.07. ). 1.00 1.00 (十. 不登校. 6. り. 1責. 8. 不理解 徒労. 10. (―. (一. 7. 7.99. ). 2.00. (一. (一. 2.00. ). ). 2.00. ). 4。. ). 将来性 の な さ. 9. 図 2 被験 者. ). 29. 7.99. Lの デ ン ドロ グラム. 表 3 事例 Lの 類似度距離行列 重 要順. (―. て い る ことが いつ かその子 の役 に立 つ 日が来 るか もし れ ない と信 じようとして い る。 また,そ の生 徒 以外 の. l. 他 の生 徒 と関 わる こ とでが んばれて い た とい う面 もあ. 1. る。. l. 次 の 表 4は バ ー ン ア ウ ト傾 向群 の 事 例 A∼ Gの 各 l. クラ ス ター を,表 5は 健 常 群 の 事 例 H∼ Rの 各 ク ラ l. l. 1. 1. ス ター をまとめ た ものであ る。 1. バーンアウト傾向群では 2つ の大きな認知構造の流れ が見えた。事例 ABDEGに 見られる① 《 期待す る生 ⇒ ⇒《 教育資 感情表出の回避》 徒像 と現実のギャップ》 《. l. 意味ある出来 源の欠乏 と無力感》 と,事 例 Cの ② 《 ⇒《 教育資源の欠乏と無力感》である。つまり,① 事》 期待 に応 えて くれ ない生徒 に対す る怒 りを生徒 に向け る こ とに罪悪感 が あるが , ど うす る こと もで きない現. い くのではないか とい う 《 将来 への可能性》のクラス 「無駄 な こと ター とい える。 クラスター 2は 「責任」∼. 時点 での教育技術 の な さや無力感が そ の教 師 を取 り巻. はない」 の 3項 目 :そ の子 のことを もっと理解 して見 方 を変えれば受け止めれるん じゃないか とい う 《見方. ウ トヘ と結 びついてい る。 また,② 日常 をはるかに越 えた大 きな出来事 に遭遇 して現 時点での教育技術 のな. の変換 による受容》の クラ ス ター とい える。 この場. さと無力感がその教師を取 り巻 く周 りの状況 と絡 んで. 合,そ の子 の 3年 間 とい う見方 ではあせ りもでるが 一生 とい う考え方 だと違 う見方 もで きるとい うもので. 悪 くな ってい くことがバー ンアウ トにつ なが ってい. ある。その子 の一生 を視野 に入れた考 え方 は今その子. である学級崩壊 などは② に関連す るもの と思われ,経. にとって必要な ことを見極 めることにもつ なが り,教. 験年数や年代 にかかわ らずバーンアウ トする教師がで. 師自身の指導 の方向性 に 自信 を与 えると推測で きる。 クラス ター 3は 「不登校」∼「将 来性 の な さ」 の 5項. てい る。本研究 の認知構造 では教師の職務関連事項 で. ,. く周 りの状況 と絡 んで悪 くな ってい くこ とが バ ー ンア. る, とい う 2パ ターンが考 えられる。現代 の教育問題. ある日々の教育活動 ,特 に対生徒場面でのことが主要 因 となる。そ して,生 徒へ の対応 に関す る葛藤 の蓄積. 目 三生徒 の将来性 も見えず働 きかけが報われなか った 徒労》のクラス り,保 護者や職員か らの不理解な ど 《. が精神的な領域 に及び,そ れが大 きくなって しまった. ター とい える。全体 として :自 分 のやってることが無. ものがバーンアウ トしたとい うことになると考 えられ. 駄 に思 えて きて 《徒労》 だけを感 じるようになるが. る。事例 Eは その典型例 で あると思 われ,《 期待す る. ,. そ う思 いた くないので 《徒労》を受け入れる長 い 目で 見 た場合 の 《見方 の変換 による受容》をす る。そ し て,そ の子 の 《将来 への可能性》 として自分達がや っ. ⇒《 ⇒《感情表出の回避》 教 子 ども像 と現実 のギャップ》 へ へ ⇒ の の の と人生 迷 否定 育資源 欠乏 と無力感》 《教職 い》 とい う流れになっている。.

(7) 漬本. 27. 良子 :教 師のバーンアウ ト傾向 と教職生活意識 との関係. 表 4 バーンアウ ト傾向群 の事例 の各 クラスターの まとまり 各 クラスターの名前. 事例. ・ 教師としての 自信のなさ》 避)》 。生徒の反応に対する 《. A. 心の休養 問題に直面するのを避ける 《 生徒の反応が 《 教師としての評価》. B. 期待する生徒像 と現実のギャップ》。生徒へ向かう怒 り 《責任転嫁》 自分の思い通 りに動かない生徒 《. C. 教育資源の欠乏と無力感》・問題行動 のある生徒への対 経験が通用せず全てが うまくいかなくなる 《 応《 意味のある出来事》. D. 教育 期待 しているとお りに動かない生徒 《期待する生徒像 と現実のギャップ》・経験が通用 しない 《 資源の欠乏と無力感》・教師 として出すべ きではない生徒 に対する怒 り 《感情表出の回避》. E. 何度言 ってもわからない生徒 《無力感 (嫌 悪)》 。期待す る生徒像 として 《生徒の自主性 を求める》・ 教職への否定と人生の迷い》 自分が どうしていいのかわからない 《. F. 管理職からの重圧》・管理 生徒を預かる 《担任 という責任ある役割》・ベテランの教師 と比較される 《 い の授業 の えな 職 期待に添 教育委員訪間 《 》. G. 生徒に対する怒 りを抑える 《感情表出の回避》・怒 りに対 して過剰な反応を抑えようとする 《怒 りの 蓄積》. (回. 表 5 健常群 の事例 の各 クラスターの まとまり 事例. 各 クラ ス ターの 名前. H. 教師としての自分の支え》・思いは同じだが微妙に 目的があるようでない 《 教育活動》0教 科研究が 《 職員集団の微妙なズレ》 ずれる話 し合い 《 精神的な疲 れ》・学習指導が 生徒に還元するための 《自由にできる時間の確保》0時 間が無駄になる 《 《 教師としての自分の支え》 心からの達成感》・生徒が喜ぶため 生徒に寄 り添 ってい く 《生徒の気持ち》・続けることで最後には 《 にも 《指導の継続》. K. 授業中の生徒への 《不満》・教師の工夫 《生徒への指導法》・工夫が通用 しない生徒 《いっても聞かな い生徒への不満》. L. 徒労》・見方 を変えると受けとめ られる 《見方 の変換 による受容》0教 自分 のやってい ることが無駄 《 へ の の可能性》 の一生 わ 将来 懸命 関 り 《 師. M. 価値》・教職の仕事 はどれも大事 《目立たない仕事》。日立たない仕事 に対す 同僚間での仕事の比重 《 る 《無理解》. N. 将来への可能性》 徒労》・生徒 の次 のステ ップを模索 《 指導 した ことが報 われない 《. O. 教師 失望》。自分のカラーを出す 《 担任 として受け とめる 《生徒 とのよい関係》・思いが伝わらない 《 の個性の必要性》. P. Q R. 人と関わること 《 教育活動》0-部 の生徒に踏み込んで関われない 《関わりの限界》 ` 生 生徒の能力のすば らしさ》・将来を見据 えて学んでほしい 《 能力のすばらしさを気づいて欲 しい 《 徒への期待》・能力のすばらしさを気づかせるための 《指導の継続》 根気 よくやると道が開ける 《人生観》。ゆっくりとした時間の中で育まれる 《人との関わり》・自分が 入 り込めない世界 《関わりの限界》. ⇒《将来への可能 見方の変換》 健常群では全事例 に 《 性》が見 られる。各々が疲弊 しそうな状況でもそこに. 《見方 の変換》 をして,こ れ以上関わる と自分 自身が 崩壊す る限界 を知 っていて,《 関 わ りの 限界》へ とつ. 教師 と 意味を見いだそうとしている。《 指導の継続》《. なが っているもの もある。 この流 れは,も しかすると 表 にはでていないが健常群全てが内在化 してい るもの. しての自分の支え》《 見方の変換 による受容》など ,. それをきっかけにどんなに小 さなことであろうと自分 自身の存在が自分 と生徒の将来に何 らかの役 に立つの ではないかと考 えている。事例の教師の中には,こ の 大 きな流れの中に 〈身が持 たな くなるときの考 え方 (わ. りきる,関 われない世界があ る,な ど)〉 を含 む. ではないか と思われる。少 し細 か く見 てい くと,健 常 群 の認知構造 は 4つ に分 け られる。①事例 H・. O(0):教 師 として 自負 している ものが あ る. 10M. (そ. れは. 人によってさまざまな もので ある)=自 負型 ,② 事例 J・. Q(I・. LON):子. どもの可 能性 を信 じ指導 の継続.

(8) 甲南女子大学大学院論集創刊号. 28. 人間科学研究編 (2003年 3月. ). N:見 方 の変換 をはか り 何 とか受 け入れ ようとす る=受 容型 ,④ 事例 P・ R・. 大 きい よ うだ。 バ ー ンア ウ ト傾 向群 の 事 例 にお い て. 人間にはそれぞれの世界があ り,関 わ りの限界. も,管 理職 に相談 して も無反応 であ った り,学 校 とし. をする=信 頼型 ,③ 事例 (0)三. L・. も,同 様 の結果 がでて い るが ,特 に管理職 との 関係 は. を感 じてい る=関 わ り型 , とい うものであ る。 これ ら の健常群 か らは,確 固 とした教育観 ・信条があるとは. 該教 師 に不信感 を持 たせ る よ うな行動 で あ る, と思 わ. 、 い い きれず ,時 や場 合 に よって は いつ も ぐら ぐ ら と″ 亡. れ る。 そ のため ,管 理職 に期待 で きない とい う思 い か. の 中 は ゆ れ て い て 悩 み なが ら教 師 生 活 を して い る こ と. ら否 定 的 に な ら ざ る え な い と 推 測 さ れ る。児 玉. が うか が え る 。 しか し,そ れ ぞ れ の 価 値 観 の 中 で ,あ. (1998)は. ての対応策 を打 ち出 さず まかせ き りにな った りと,当. る 程 度 安 定 した認 知 構 造 を保 っ て い る よ う に思 わ れ. ,人 間関係 のス トレス を癒 す の は人 間関係 しか な く,管 理 職 の 呆 たす 役 割 は 大 きい とい って い. る。. る。 そ して , 日頃か らリレー シ ョンを大切 に して い れ ば ,部 下 は困難 や困 りご とを相談 しやす く,よ い上 司. 考. が 人 をや る気 に させ ,人 を育 てる と言 ってい る。反対. 察. に,親 身 に相 談 にの って もらっていて も理解 して もら えない と自分 か ら一 線 引 い て い る教 師 もい て ,周 りの. ●生徒 との 関係 「怒 る場 面 の教 師 の 反応」 とい うの は対 生 徒 との 間 で生 じる もので あ る。 岡東 ・鈴木 (1990)は. 同僚 と自分 との違 和感 を感 じて い る場合 もある。健常. ,バ ー ン. 群 で は ,何 で も話せ る 同僚 はい ない と答 える教 師や小. ア ウ ト強度 の高 い教 師 は子供 をネ ガテ イブに理 解す る. さな接 点 を見 つ けて 目的 に 向 か ってい た らお も しろ. 傾 向 が強 い ,と い ってい る。本研 究 の バ ー ンア ウ ト傾. い ,一 人だけで も自分 を認 めて くれ る信頼 関係 ので き. 向群 で も,「 同 じこ とを何度 も指 導 しな くて は な らな. た人が い れば いい とい う回答が あ った。実際 ,両 群 と. い」 とい う生徒 の 自主性 の な さや反応 の な さにネ ガテ. も同僚 を仕事 の つ きあ い と して割 り切 ってい る よ うな. イブな評価 を して い る。 しか し,こ の生 徒 の 反応 は 自. 、 を許 せ る人が い た らいい と考 えて 亡 感 じで ,一 人で も″. 分 自身へ の評価 とつ なが る と思 わ れ ,西 村 ら (2001). い る よ うに思 われ る。. は,規 制維持 の 要請 が と りわ け強 く,統 率 の取 れた行. ●満足 を得 る対 象. 動 が とれ る こ とが 教 師 の 「指導力」「力量」「技量」 で. バ ー ンアウ ト傾 向群 の事例 の 多 くが ,ク ラスの子 ど. あ る とい う価値観 が非常 に強 く,そ の ことが教 師 自身. も全員 の 反応 に注 目 して評価 を して い る。例 えば,暖. の 自己評価 を厳 しい もの にす る可 能性 が大 きい と指摘. か い クラス作 りを して きたが 今 回 で きなか った こ とで. して い る。 さらに,怒 る場面 での教育者 と して の あ り. 自信 を失 った , と言 ってい る。 しか し,健 常群 では. 方 ,気 まず さな ど教 師 自身 の 自己 の 内面 か らで る教 師. 個 人 を相 手 に して い る ことが 多 い。 それ は,こ れだけ. 像 との葛藤 によって 自己否定 し,最 終 的 に生 徒 をネ ガ. は 自分 自身が頑張 ってい る とい うもので も自分 で コン. テ イブに見 て しまう こ とが推測 され る。 この教 師像 と. トロール可能 な もので ある教科研 究や生徒 の学習指導. い うの は,自 分が よい と思 ってい る (理 想 とす る)教. な どとい った もので あ る。失敗す ればシ ョックで ある. ,教 師 が理想 とす る. が ,失 敗 も次 へ の 良 きス テ ップになる と思 えば ,ま た. 面 へ の評価が バ ー ンア ウ トと関連 しやす い こ とを明 ら. や る気 に もなるであろ う。 また ,生 徒全員 を対 象 と し. か に して い る。 一 方 ,健 常 群 で は,「 根 気 よ く生徒 と. てないの で ,あ る生 徒 と うま くい か な くて も,他 の生. 関 わ り続 ける こ とが 大事 で あ る」 とい う考 え方 が生徒. 徒 の存在 が あ るので気持 ち の落 ち着 ける ところを持 っ. を否定 的 に見 る こ とを抑 えて い る。教 師 が どんな状況. て い る こ とも考 え られ る。 しか し,〈 身 が 持 た な くな. で も生徒 との 関 わ りを続 ける こ とは ,難 しい こ とと思. る ときの考 え方 〉もあ り,相 手 にのめ り込 むの を自分. われ る。 しか し,こ の信念 は,〈 肯 定 的 に見方 を変 え. で抑 制 しない と危険 だ とい う自分 の 限界点 も知 ってい. る〉 ,つ ま り自分 の や ってい る こ とは無 駄 で は な く. る ようだ。事例 に よる と,教 師生 活初 めの 頃 ,ク ラス. いつ か生 徒 が わか って くれ る 日が あ る と考 え,〈 最 終. 全体 を意識 しす ぎ,自 分 を見失 った とい う反省 か ら く. 的 にその子 がわか って くれた ら満足 〉とい う願望 の上. る もの もあ った。 また , 満足 と して , バ ー ンア ウ トイ 頃. に成 り立 ってい る と思 われる。. 向群 で は,日 の前 の生 徒 に対 しての結果 で判 断 して い. ●職員 との 関係. るが ,健 常群 で は 〈最終的 に生 徒 が わか って くれた ら. 師像 と思 われる。伊藤 (2000)は. ,. ,. 先行研 究 による と,バ ー ンア ウ ト傾 向が高 い教 師 ほ. 満 足 〉 しよ う とい う人生 とい う視 野 か らの評 価 が あ. ど職場 の 雰 囲気 を否 定 的 に評 価 して い る。本研 究 で. るcこ れは,教 育 とい うす ぐに結果 ので ない ものの特.

(9) 漬本 良子 :教 師のバーンアウ 卜傾 向 と教職 生 活意識 との 関係. 一方,健 常群は,教 育活動 は根気 よく生徒 と関わって い くことだとい う信念をもち,疲 弊 しそうな状況では. 徴 であるか も知 れない 。 ●本研 究 の 問題点 もの を掘 り下 げ て見 る こ とはで きた。 しか し,バ ー ン. 見方 の変換》 を行 っている。そ れには2通 りあ っ 《 て,自 分のやっていることはいつか必ず役 に立つ とい. アウ トしやす い状況 が 過去 の もので あ り,過 去 の イメ. う《 将来への可能性》 とい う見方 と,〈 身が持 たない. ー ジの 中 に,今 の解釈 を入れて再 構築 して い る と思 わ. で あ る反応 バ イアス が あ る。肯定 的あ るい は否定 的が. ときの考え方〉である 《関わ りの限界》 という認知の 見方の変 仕方である。しかし,健 常群では全事例に 《 ⇒《 将来への可能性》が見られる。各々がどんなに 換》 小さなものであろうと,将 来への何 らかの期待や希望. わか る項 目の多 い尺度 で 反応 のバ イアスが生 じて しま. を持っているということが示唆された。. 本研 究 は事例 中心 であ り,教 師 バ ー ンアウ トとい う. れ る。そ して ,MBIの 記 入 も回想 な の で 確 か な もの と言 い 切 れ な い ところが あ る。 また,MBIの 問題 点. い やす い (久 保 ・ 田尾 ,1992)。. そ の ため か事例 の 中. に,そ の 時 にはひ どい状況 で も現在前 向 きに捉 え直 し て い るのか ,バ ー ンア ウ ト傾 向群 に入 らな い事例 が 2 例 あ った。 そ して ,今 回 は調査 対象 に しなか ったが. 引用文献 jα ′お― r′ α ′げ Sθ ε Freudenberger,Ho J。 1974 Sta∬ burn― out.カ タ. s′ ,. MBIの 3因 子 に よる事 例 の 違 い に よる特徴 も今 後 の. `s, 30, 159-165。. Freudenberger,H。. くらな い 生 き方 ン ドローム. 課題 となった。 ● バ ー ンア ウ トヘ の介入. Friedman, I, A。. バ ー ンア ウ ト傾 向 で あ る教 師が か な りい るに も関わ らず ,教 師 の メ ンタルヘ ルス とい う言葉 は現場 の外 の 話 で あ る。病休教 師 が増 える一 方 で ,例 えば,不 適応 教 師 の 問題 ,配 置 転換 な どに 関 わ る教 師 へ の 評 価 な ど,教 師へ の 関心 は厳 し くな りが ん じが らめであ る。 今後 ます ます誰 で もが バ ー ンアウ トしやす くな り,バ ー ンアウ トして い く教 師 を支:え る研 1参 が必 要 となって くる。八並 ・新井 (1998)は. ,バ ー ンアウ ト低減効果. として ,イ ンシデ ン トプ ロセス を提案 して い る。 これ. (著 )り │1勝 久 (訳 )1981. ス ラ ンプ をつ. バ ー ンア ウ ト・ シ. 燃 え尽 き症 候 群. 三笠書房 2000 Burnout in teachers: Shattered dreams. of impeccable professional performancc,及. ,“. r4α ′(√ C′ j4jθ α ′. θgy,56(5)595-606. Psyθ ttθ ′. 1995. 久富善之. 教 師 の バ ー ン ア ウ ト (燃 え 尽 き)と. 「 自己犠牲」 的教 師像 の 今 日的転換 一 日本 の 教 員 文 化 ・ そ の 実証 的研 究 (5)一. 一橋 大 学 研 究 年 報. 社 会学研. 究 34,3-42.. 2000. 教 師 の バ ー ン ア ウ トを規 定 す る 諸 要 因 に関す る探 索 的研 究 ―経 験 年 数 ・教 育 観 タ イ プ に. 伊 藤 美 奈子. 注 目 して 一 岩井貞雄. 教育心理学研 究 48,12-20.. 1997. 尽 き症候群. 岩井 貞雄 の教 育 時評. 8. 教 師 た ちの燃 え. 解放教育 27(6),94-97.. 1997. 創 造 性 開発 の た め に. は事例 を使 用 して ,み んなで指導 の方 向性 や方法 を検. 川喜 田 二 郎. 討 して い く共通理解 を得 やす い方法 で あ って ,脱 人格. 燃 え尽 き症 候 群 "先 生 教 児 玉 隆 治 1998 減 らそ う “ 育 ジャー ナル 7月 号 久保 真 人 ・ 田尾 雅 夫 1992 バ ー ンア ウ トの測 定 心 理. 化 にお い て有意 な差 が 見 られた。 この よ うな方法 は. ,. バーンアウ ト傾向群の 《 教育資源の欠乏 と無力感》を. 中公. 新書. 学評論 35,3,361-376。 久保 真 人 ・田尾 雅 夫 1994 看 護 婦 にお け る バ ー ン ア ウ. 取 り除 く役割 をすると考 えられる。 結. 発想法. トース トレス とバ ー ンア ウ トとの 関係 ― 百田. 実験 社 会 心. 理学研 究 34,1,33-43. Maslach,C。 ,and Jackson, S,E。. 教 師 バ ー ンアウ トは,教 職生活意識 との 関 わ りが強. pericnced burnout Jθ. い。 バ ー ンアウ ト状況 でのバ ー ンアウ ト傾 向群 と健常. -113.. 群 の教職意識 には共通点 も多 く見 られたが ,次 の よ う. 内藤 哲 雄. な違 い が あ った。 バ ー ンアウ ト傾 向群 は ,生 徒 との 関 わ りを持 つ場面 ,特 に怒 る場面 で 自分 の 中 での な りた い教 師像 との葛藤 が あ り自分 の感情 を抑 えた り,そ の 場面 を回避す るな ど適切 な対処がで きて い ない 。教 師 の生活 で は,生 徒 の 反応 によっては,対 立 場面 は 日常 的 な もので あ る。 そ うい う日々の葛藤 と教 師像 とのギ. ャップの蓄積 による 《 教育資源の欠乏と無力感》が 教師をバーンアウ ト傾向に導いていると示唆された。 ,. 1993. 科学論集. (信. 内藤哲雄 1997 技 法 へ の招待 西村. r72α. “. 1981 The measurement of ex―. jθ jθ れ 夕42,99 α′B`力 αソ θ 夕 ′qf θε ρα′. 個 人別 態 度 構 造 の 分 析 に つ い て. 人文. 州大学 人文学部 ),27,43-69.. PAC分 析実施法 入 門 「個」 を科学 す る新 ナ カニ シヤ. 肇 ・小 谷 英 文 ・井 上 直 子 ・西 川 昌弘 ・石 黒 裕 美 子. ・ 中川 岡1太 ・能. 幸夫. 2001 教 師 の 対 人 ス トレ ス 対. 処 方略 に 関す る臨床 心 理学 的研 究 (4)児 童 ・生徒 との 関係 にお け るス トレス と対 処 方 略 の 類 型 化 の 試 み 育研 究. 国際 基 督 教 大 学 学 報. 教. 国際基 督教 大 学 教 育 研. 究所 43,3,69-79. 荻 野佳代 子. 1999. バ ー ンア ウ ト研 究 の 課 題 と展 望 一そ.

(10) 30. の 概 念 を中心 に一 早 稲 田 大学 教 育 学 部 学 術 研 究 (教 育心理学編. )47,57-72.. 岡東寿隆 ・鈴木邦治. 1990 教 師 の バ ー ンア ウ トに関す る研究 (I)一 研究 動向 の レビュー と Pines尺 度 の 適 用 一 教育学研究紀要 中四国教育学会 36,1,349-359.. 岡東寿隆 0鈴 木邦治 1997 教 師 の 勤務構造 とメ ンタル 0ヘ ルス 多賀出版 -472. 鈴木邦治 1992 教師 のバー ンアウ トに関す る研究 (Ⅲ ). ―バー ンアウ ト症候 の構造的要因 をめ ぐって一 広 島 大学教育学部紀要 1,41,183-190。 田尾雅 夫 ・久保真 人 (著 )1997 バー ンアウ トの理 論 と 理学的アプローチ 誠信書房 実際 花、 。 八並光俊 新井 肇 1998 高校教 師 の バ ー ンア ウ トに 関する研究. 中四国教育学会 教育研究紀要 44,1,463.

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参照

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