Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
Relationship between DMF, lifestyle, and cariogenic
bacteria in school students in Ichikawa city
Author(s)
國島, 眞希子
Journal
歯科学報, 116(6): 506-507
URL
http://hdl.handle.net/10130/4174
Right
論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 食習慣の欧米化が進行し,学齢期から生活習慣病のリスクをもつ児童生徒が増えており,成人期における生 活習慣病の発症につながっていることが知られている。食育の推進は,このような学齢期からの生活習慣病の リスク低減に効果があるものと考えられ,学校保健活動の重要な活動になってきた。学校歯科保健活動におい ての重要な課題は食育の推進である。しかしながら,学齢期の食育の推進に関連する研究は少ない。本研究 は,齲蝕有病の有無と齲蝕原性菌(S. mutans,S. sobrinus,lactobacilli)の検出に関連する食生活を含めた生活 習慣や口腔保健行動を統計学的に解析し,学校歯科保健活動における食育の意義やその役割を位置づけること を目的とした。 2.研 究 方 法 本研究の対象者は,本学の倫理委員会の承認(№178)を受け,本調査の実施について保護者の承認を得たも のである。解析は,2008年度に行った対象者(総数:1,525名(小学生:825名,中学生:700名)について,う蝕 と齲蝕原性菌の検出の有無に関連する要因(生活習慣,とくに食生活,齲蝕に関連する口腔状態)についてロジ スティック解析(ステップワイズ法)を行った。なお,齲蝕有病状態は,学校歯科健診の結果を用いた。 3.研究成績および考察 対象者の齲蝕有病状態は,歯科疾患実態調査や学校保健統計調査の値よりも小さい値であった。う蝕の有無 に関連する要因は,朝食の欠食(オッズ比:2.05),就寝前のおやつ(1.46),歯肉炎(1.80),歯列不正(1.35), 咬合状態(1.32),S. mutans の検出(1.62),乳酸桿菌の検出(1.63)であり,S. mutans の検出に関連する要因 は,定期的な歯科健診をしない(1.35),就寝前の清涼飲料水の摂取(1.58),清涼飲料水の摂取(1.27),歯肉炎 (1.43)であった。S. sobrinus の検出に関連する要因は,就寝前の清涼飲料水の摂取(1.43),就寝前のおやつの 摂取(1.39),昼食後の歯磨きをしない(1.66),生活習慣病の知識が無い(1.69)であった。乳酸桿菌の検出に関 連する要因は,高頻度の間食(1.33),昼食後の歯磨きをしない(1.60),生活習慣病の知識が無い(1.29),歯肉 炎(1.51),混合歯列(2.11)であった。これらの研究結果は,小中学生のう蝕の有無やう蝕原因菌の検出に食習 慣が大きく関連しており,小中学生での食育の推進には学齢期の齲蝕予防に大きく関与することが示された。 また,これらの要因についての保健調査は,カリエスリスクの高い児童生徒の早期発見や保健指導に用いるこ とができると考えられる。 氏 名(本 籍) くに しま ま き こ
國
島
眞 希 子
(岐阜県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 1871 号(乙第738号) 学 位 授 与 の 日 付 平成22年7月7日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当学 位 論 文 題 目 Relationship between DMF, lifestyle, and cariogenic bacteria in school students in Ichikawa city
論 文 審 査 委 員 (主査) 松久保 隆教授 (副査) 東 俊文教授 石原 和幸教授 中川 寛一教授 新谷 誠康教授 歯科学報 Vol.116,No.6(2016) 506 ― 58 ―
4.結 論 齲蝕有病の有無は,食習慣が齲蝕原因菌のレベルよりも高いオッズ比を示すこと,また,齲蝕原因菌の検出 についても食習慣に関連する要因が高いオッズ比を示すことから,本研究によって学齢期における食育の推進 が学校歯科保健活動においても有用であることが示唆された。 論 文 審 査 の 要 旨 食育の推進は,学齢期の生活習慣病の予防など学校保健の重要な課題であり,学校歯科保健においても重要 な課題と考えられているが,その根拠を示す報告は多くない。本論文は,学校歯科保健における齲蝕予防に食 育の推進が重要であることの根拠を統計学的に示した。 本審査委員会は,論文の表題,研究方法の記載方法,朝食の欠食と他の調査項目との関連性,統計解析の方 法,文献の引用などの討論を行い,さらに追加すべき事項についても検討を加えた質疑が行われ,概ね妥当な 解答が得られた。 以上より,本研究で得られた結果は,今後の歯学の進歩,発展に寄与するところ大であり,学位授与に値す るものと判定した。 本審査委員会は主題ならびに関連問題について最終試験を行った結果,十分な学識を有することを認め,合 格と判定した。なお,英・独2カ国語につき試験を行った結果,合格と認定した。 歯科学報 Vol.116,No.6(2016) 507 ― 59 ―