- 数学 31 - 第3学年B組(じっくりコース) 数学科指導案 日 時 平成28年6月13日(木) 場 所 3年A組 指導者 染谷 翔太郎 1 単元名 平方根 2 単元について (1) 単元観 学習指導要領では、本単元において「正の数の平方根について理解し、それを用いて表現し考察する ことができるようにする」とある。具体的には「数の平方根の必要性と意味を理解すること」,「数の平 方根を含む簡単な式の計算をすること」,「具体的な場面で数の平方根を用いて表したり処理したりする こと」を目標としている。 小学校では、ものの数を数えるために必要な自然数や0という数の概念を学ぶとともに、四則演算の 意味やその性質について理解を深めてきた。整数だけでは表すことが不便な場面に遭遇したときに、小 数や分数といった新しい数の概念を学び、それについても四則演算の意味を理解する学習が行われてき た。 中学校第1学年においても小学校のときと同様に負の数の概念を学び、四則演算までできるように学 んできた。数を拡張することは,新しい数が導入され,これまで表わすことができなかったものが思考 の対象になることを意味する。第2学年では,具体的な場面への適用や方程式,関数などについての学 習を通して,正の数と負の数の数についての理解を深め,その計算の習熟を図ってきている。第3学年 では,正の数の平方根の必要性と意味を理解し,それを用いて表現し考察することができるようにして いきたい。平方根についての理解は,二次方程式や三平方の定理などを学習する際に不可欠であるため, 平方根の意味や必要性について理解させていきたい。そして,高等学校での数と集合や因数分解,不等 式,複素数の学習へつなげられるような授業を行っていきたい。 ・系統図 小学校 1年 ○整数の概念,整数の表し方 ○100 までの数,100 を超える数 ○1位数の加法・減法 ○簡単な2位数の加法・減法 2年 ○10000 までの数 ○分数の意味と表し方 ○2位数の加法・減法 ○乗法の意味 ○九九,簡単な2位数の乗法 3年 ○1億までの数・整数の加法・減 法・乗法 ○除法の意味・小数の意味,表し 方 ○簡単な分数の加法・減法 4年 ○1億を超える数(億,兆) ○概数,四捨五入・整数の四則演 算のまとめ ○分数の加減・同分母分数の加 法・減法 5年 ○偶数,奇数,素数,倍数,約数 ○分数と小数,整数の関係 ○分数の乗除 ○小数の乗除 ○異分母分数の加減 6年 ○分数の乗除 ○分数,小数の混合計算 ○分数,小数の計算のまとめ
- 数学 32 - (2) 生徒の実態 本学級のじっくりコースは男子2名,女子2名の合計4名からなっている。昨年度に比べてノートへ の取り組みは良く,積極的に学習内容をまとめている。しかし,中には考え方や途中の計算を省いてし まい、その後その部分でつまずいてしまう生徒もみられる。 生徒は数学に自信がないため、受け身的になりがちだが,授業を一生懸命聞き問題に取り組もうとし ている。1年次は通常授業、2年次はTT、3年次に少人数指導という形態で授業を受けてきている。 今年度は少人数のため、一人一人の状況を良く見て指導することができる。したがって、状況に合わせ てきめ細かく指導していくようにしたい。 以下のようなアンケートを実施した。 ●情意面 A:そうである B:どちらかといえばそうである C:どちらかといえば違う D:違う 生徒M 生徒K 生徒N 生徒Y ①数や式の計算をするこ とが好きである。 B B C D ②数量の関係を見つけ,式 で表すことは好きであ る。 B B C D ③図形について学ぶこと は好きである。 C B C D ④物事を理論的に考える ことは好きである。 D C C C ⑤統計データをまとめた り、統計データから考察 することは好きである。 D B C D ⑥数学を学習することは 好きである。 A B C D 3章 二次方程式 ○二次方程式とその解 き方 <中学3年> 1章 多項式 ○多項式の計算 ○因数分解 <中学校2年> 1章 式の計算 ○式の計算 ○文字式の利用 <高等学校> 数学Ⅰ ○数と集合(実数,集合) ○式(式の展開と因数分解, 一次不等式) ○図形と計量 ○三角比 数学Ⅱ ○いろいろな式 ・整式の乗法,除法 ・分数式の計算 ・二項定理 ・等式と不等式の証明 ・複素数と二次方程式 ・円の方程式 ○いろいろな関数 累乗根 数学Ⅲ ○平面上の曲線と複素数平面 ○極限 ○積分法 <中学校3年> 2章 平方根 ○平方根 ○平方根の値 ○素因数分解 ○根号を含む式の乗法, 除法 ○根号を含む式の計算 <中学校1年> 1章 正負の数 ○正負の数 ○負の数の加減乗除 ○正負の数の利用 7章 三平方の定理 ○三平方の定理 ○三平方の定理の利用
- 数学 33 - ⑦数学を学習することは 楽しいと思う。 B B C D ⑧数学を学習することは 将来役に立つと思う。 A B B A ●学習面 前提学力調査として,以下のような小テストを実施した。 【考察】 生徒M・・・将来の夢を明確に持っているため、必要なことは嫌でも頑張ろうとする意志がある。指数 の計算に関しては完全に2乗を2倍と混同して覚えているため、このような計算結果にな った。振り返りをしっかり行い、必要なことを思い出させてから、新しい課題に取り組め るむようにさせていきたい。 生徒K・・・指数の計算の基本はできていたが、符号の扱いについての理解が不足している。普段から 声を出して話すことを苦手としているが、意欲がないわけではない。字が汚くノートをま とめるのが苦手である。補助プリントなどを出して、手助けをしていきたい。 生徒N・・・4人の中では一番計算力があるが、普段から落ち着いて授業を受けることが苦手なので、 話を聞き洩らしていることが多い。少人数になり、個別に支援する時間を多くとることが できるので、集中力を切らさないように声をかけていきたい。 生徒Y・・・数学が必要であるとは感じているが、数学に対する意欲は低い。6番の問題ではおそらく 36をさらに2乗してしまったものだと考えられる。自分なりに考えて、結論を出そうと しているので、正しく考えられるように丁寧に導いていきたい。 (3) 指導観 平方根の導入として、正方形の一辺の長さや対角線の長さについて考え、新しい発見をさせていく。 生徒たちは、計算さえできればよいと考えてしまいがちだが、図形などを利用して、視覚的に平方根の 数量関係をとらえさせていきたい。そのために自分の手で切る・貼る・折る・動かすなどの操作を行う ことによって、なぜそうなるのかを感じ取れるようにさせていきたい。生徒たちはアンケートによって、 自分たちから少人数コースを選択している。自分の力に合わせて、振り返りなどを丁寧に行っていきた いと考えているので、個別にあった学習方法を模索し、学力を高めるための手助けをしていきたい。 また、平方根がより身近なものである例として、教科書やノートの縦横比、ミロのヴィーナスやパル テノン神殿などの黄金比の中にも平方根が含まれていることなどをあげ興味関心を持たせていきたい。 問題 生徒M 生徒K 生徒N 生徒Y 1 82 16 64 16 16 2 (-4)2 +8 16 16 16 3 -32 -6 9 -9 6 4 -3a+b+5a-2b +2𝑎 − 𝑏 2𝑎 − 𝑏 2𝑎 − 𝑏 −15𝑎 − 2 5 −2𝑥𝑦 × 5𝑥2 −10𝑥3𝑦 −10𝑥3𝑦 −10𝑥3𝑦 −10𝑥3𝑦 6 1辺が6cm の正方形 の面積を求めよ。 36𝑐𝑚2 36 24𝑐𝑚2 1296𝑐𝑚2
- 数学 34 - 3 単元の目標 ○様々な事象を数の平方根でとらえたり,それらの性質や関係を見いだしたりするなど,数学的に 考え表現することに関心をもち,意欲的に数学を問題の解決に活用して考えたり判断したりしよ うとしている。 【数学への関心・意欲・態度】 ○数の平方根についての基礎的・基本的な知識や技能を活用して,論理的に考察し表現するなど, 数学的な見方や考え方を身に付けている。 【数学的な見方や考え方】 ○数の平方根をふくむ簡単な式の計算をしたり,数の平方根で表現したり処理したりするなどの技 能を身に付けている。 【数学的な技能】 ○数の平方根の必要性と意味などを理解し,知識を身に付けている。 【数量や図形についての知識・理解】 4 指導計画 16時間扱い(本時1/16) 時 目標 学習活動 評価規準 1 平 方 根 1 ( 本 時 ) 2 乗して 50 になる数を調 べ,これまで学んだ数では 表せない数があることを理 解する。 ・1 辺が 10cm の正方形の紙を 折って,面積が半分の正方 形を作り,その 1 辺の長さ を調べる。 ・2 乗して 50 になる数を調べ る。 ○2 乗して 50 になる数に関心をもち, どんな数かを調べようとしている。 【関心・意欲・態度】 ○2 乗して 50 になる数は,これまで学 んだ数では表せない数であることを 理解している。【知識・理解】 1 平方根の意味を理解し,あ る数の平方根を求めること ができる。 ・平方根の意味を知る。 ・ある数の平方根を求める。 ・√𝑎2,(√𝑎)2を,根号を使わ ずに表す。 ○ある数の平方根に関心をもち,その数 について調べようとしている。 【関心・意欲・態度】 ○平方根の意味を理解している。 【知識・理解】 1 平方根の大小を,不等号を 使って表すことができる。 ・正方形の 1 辺の長さを比べ て,平方根の大小を調べる。 ・平方根の大小を,不等号を 使って表す。 ○平方根の大小を,不等号を使って表す ことができる。【技能】 ○平方根の大小関係を理解している。 【知識・理解】 1 有理数,無理数の意味を理 解し,これまで学んだ数を 有理数と無理数に分類でき る。 ・これまで学んだ数を振り返 って,有理数と無理数に分 類する。 ・有理数や無理数と,数直線 上の点との対応について考 える。 ○これまで学んだ数を有理数と無理数 に分類できる。【技能】 ○有理数と無理数を合わせると,数直線 上の点に対応する数をすべて表すこ とができることを理解している。【知 識・理解】 1 素因数分解の意味を理解 し,ある数を素因数分解す ることができる。また,素 因数分解を利用して,ある 数の平方根を求めることが できる。 ・根号のついた数が無理数か どうかを調べる方法を考え る。 ・素因数分解の意味を知る。 ・ある数を素因数分解する。 ・素因数分解を利用して,あ る数の平方根を求める。 ○根号のついた数が無理数かどうかを 調べる方法に関心をもち,その方法を 考えようとしている。 【関心・意欲・態度】 ○素因数分解を利用して,ある数の平方 根を求めることができる。【技能】 1 基本の問題 教科書P48
- 数学 35 - 2 . 根 号 を 含 む 式 の 計 算 1 根号をふくむ式の乗法や除 法の計算ができる。 ・面積が 5cm2の正方形を 4 つ 並べてできる正方形の 1 辺 の長さを,いろいろな考え で求める。 ・平方根の乗法の計算方法を, 具体的な数や近似値を使っ て考える。 ・根号をふくむ式の乗法や除 法の計算をする。 ○根号をふくむ式の乗法や除法の計算 ができる。【技能】 ○根号をふくむ式の乗法や除法の計算 方法を理解している。【知識・理解】 1 根号のついた数を変形する ことができる。また,根号 のついた数を変形して,近 似値を求めることができ る。 ・𝑎√𝑏を√𝑎2𝑏の形に表したり, √𝑎2𝑏を𝑎√𝑏の形に表したり する。 ・根号のついた数を変形して, 近似値を求める。 ○𝑎√𝑏を√𝑎2𝑏の形に表したり,√𝑎2𝑏を 𝑎√𝑏の形に表したりすることができ る。【技能】 ○根号のついた数を変形して,近似値を 求めることができる。【技能】 1 ある数の分母を有理化する ことができる。 ・分母を有理化することの意 味を知る。 ・ある数の分母を有理化する。 ○ある数の分母を有理化することがで きる。【技能】 ○分母を有理化することの意味を理解 している。【知識・理解】 1 根号をふくむ式の乗法や除 法を,くふうして計算する ことができる。 ・根号をふくむ式の乗法や除 法を,くふうして計算する。 ○根号をふくむ式の乗法や除法を,くふ うして計算することができる。【技能】 1 同じ数の平方根をふくむ式 を,簡単にすることができ る。 ・√2 + √3 = √2 + 3と計算し てよいかどうかを,近似値 や面積図を使って考え,説 明する。 ・同じ数の平方根をふくむ式 を,簡単にする。 ○根号をふくむ式の加法や減法に関心 をもち,計算方法を考えたり,計算し たりしようとしている。 【関心・意欲・態度】 ○√2 + √3 = √2 + 3と計算できないわ けを,近似値や面積図を使って考え, 説明することができる。【見方や考え 方】 1 異なる数の平方根をふく む式を変形してから,加法 や減法が計算できる。 ・𝑎√𝑏の形に変形してから, 加法や減法の計算をする。 ・分母を有理化してから,加 法や減法の計算をする。 ○異なる数の平方根をふくむ式を変形 してから,加法や減法を計算できる。 【技能】 1 分配法則や乗法公式を利 用して,根号をふくむ式を 計算したり,式の値を求め たりすることができる。 ・分配法則や乗法公式を使っ て,根号をふくむ式を計算 する。 ・根号をふくむ式の計算を使 って,式の値を求める。 ○根号をふくむ式の形から,どの乗法 公式を使えばよいかを考えることが できる。【見方や考え方】 ○分配法則や乗法公式を利用して,根 号をふくむ式を計算できる。【技能】 1 身のまわりにあるものか ら平方根を見いだすこと ができる。 ・A4 判のコピー用紙の,短い 辺と長い辺の比を,紙を折 ったり,面積図を使ったり して調べる。 ○身のまわりに平方根が利用されてい ることに関心をもち,調べようとし ている。【関心・意欲・態度】 ○A4 判のコピー用紙の短い辺と長い辺 の比を調べて,平方根を見いだすこ とができる。【見方や考え方】 1 基本の問題 教科書P61 1 章の問題 教科書P62
- 数学 36 - 5 本時の指導 (1)目標 【関心・意欲・態度】 ○2乗して50になる数に関心をもち,どんな数かを調べようとしている。 【知識・理解】 ○2乗して50になる数は,これまで学んだ数では表せない数であることを理解している。 (2)授業観 本時の授業では数の世界を広げてきた経緯を確認し、面積が50㎠である正方形の一辺の長さを求め るという活動を通して、今までの知識だけではまだ表せない数があることを知る。そのような数を知り、 新しい表現方法を扱うことによって、今まででは表しにくかった概念を表しやすくなったことを体感し てもらいたい。正方形という身近な図形の中にそのような数があることを知り、興味を深めさせていき たい。 時配 学習内容と学習活動 ☆支援 ○評価(方法) 資料 5 [見出す] ①今までに習った数を確認する。 (整数、小数、分数、負の数など) ②小数や分数が登場した経緯を紹介し 今日の課題を紹介する。 2 0 [調べる] ①一辺が10cm の正方形の紙を折って、 面積が半分になる正方形を作る。 教科書のP273の紙を1枚切り取 って、どのように折れば面積が半分の 正方形になるかいろいろと折ってみ る。 (早く折れた生徒には、なぜその折り方 だと良いのか説明できるように考え させる。) ②生徒全員が上の折り方で折ってでき た正方形が50cm2になることを納得 したら、一辺の長さがどれくらいにな るか調べてみる。 <予想される反応> ①定規で図ってみる ⇒7cm か 7.1cm と答える生徒が大半 であると思うが、その値を2乗して ☆大きな紙を黒板に用意してイメ ージをしやすくする。 ☆教科書P38の折り方を実際に 折ってこれでは面積が4分の1 になってしまうことを伝える。 誤答例 ☆7cm、7.1cm と答えた生徒に対し て、実際にそれを2乗したら 50 になるか電卓で計算させてみる。 ○2乗して50になる数がどんな 数になるか調べようとしている。 【関心・意欲・態度】 折り紙 巨大 折り紙 電卓 定規 1辺が10cmの正方形の紙を折って,面積が半分の正方形を作っ たときの一辺の長さを調べよう。
- 数学 37 - もぴったり50にならないことに 気付かせる。7cm と 7.1cm の間で あり、定規では測れないことがわか る。 ②2乗して50 になる数字を電卓で探 す。 ⇒はじめは適当な数を2乗し探すが、 途中から7.01、7.02 などの数が近 い数になることに気付き、細かく求 めていくが、最終的に電卓でも求め ることができないことに気が付く。 ☆場合によっては筆算をさせるこ とで、どんなに細かい小数まで計 算してもぴったり50にならな いことに気付かせる。 15 [深める] 正方形の一辺の長さを 𝑥cm とおく と、𝑥2= 50という式が成り立つ。この𝑥 の値がどんな値になるか考える。 72 = 49 7.12 = 50.41 であることから、𝑥が 7.0 より大きく 7.1 より小さいことがわかる。よって、𝑥の 一の位は7、小数点第一位は 0 であるこ とがわかる。 問題 電卓を使って、𝑥の小数点第2位 を求めよう。 7.012= 7.022= 7.032= 7.042= 7.052= 7.062= 7.072= 7.082= ☆電卓の×ボタンを2回押したあ と、=ボタンを押すと2乗できる ことを紹介する。 電卓 10 [まとめあげる] 𝑥を小数で表そうとすると、かぎりなく 続く小数になり、正確に表せないことに 気が付く。 そこで新しい記号√を導入する。 まとめ 「2乗して50になる正の数」 のことを「√50」と表し、「ルート 50」 と読む 記号「√」を