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日本語のテンスについての一考察

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考察に先だって、 本章では、 動詞の現在形(以下「ール」と表 従来の研究について . 日 本語動詞のテンスについて論じる湯合、 そのアスペクト的機 能をどう位四づけるか とい うことが問題になる。 本稿は、 この機 能の実現すろ条件・環焼について考察することによって、 この問 図を解決する手がかりを得ようとするものであろ。考察は、 次の よう な視点をもって行われる。 日本語動詞のテンス は、 時指示の 機能とアスペクト的機能とを選択的に実現すろ。 よって、 後者が 実現するのは、 時が問坦とならない場合である。 終止用法におい て時が問題とならないのは、 文の伝達的な機能が時の分化を抑止 する場合である。 これについては第三章で述ぺる。 連体用法にお いて時が問因とならないのは、 時が主節の表す

m

態との関係にお いて規定される場合である。 これについ ては第四率で述ぺろ。 はじめに 記)と過去形(以下「ーク」と表記)の対立を、 比較的最近の研 究がどのように捉えているかについて、 概観しておくことにすろ。 便宜的に、 立場を、 テンス説、 アスペクト説、 テンス/アスペク ト説に三分するが、 この立場の対立は、 「ール」「ーク」の ア ス ペクト的機能をどう位図づけるかという視点の違いに結びついて いると思われる。 テ ンス説は、 言語学研究会に所瞑する研究者たちによって、 徹 底した形限論的な観点から提唱されている。 この立場では、 「I ル 」は現在未来形(非過去形)、 「ータ」は過去形と呼ば れ、 テ ンス的 な対立を有すろが、 アスペクト的には、 ともに「完成相」 であって対立しないと考えられていぶ。 しかし、 この立場の代表 者である、 鈴木重幸氏も芯橘太郎氏も、 「ール」と「ータ」の対 立がアスベクト的になる場合のあることを認めないわけではない。 たとえば、 高僑 1973 , 1974 では、 連体形を対象として、 その ことがむしろ積極的に述ぺられているし、 鈴木 1976 , 1979 で (2) も、 過去の変種として「ペルフェクト的な過去」が認められてい

日本語のテンスについての

考察

宮崎和

-

(2)

82-ジ) る。ただし、彼らは、動詞の基本的な統語論的機能は終止的な述 語になることであろと考え、規定語的な性格をもつ連体形のテン ス・アスペクトを終止形のそれからはっきりと区別している。ま た、ペルフェクト的な過去も、,アクチュアルな過去という基本的 なテンス的意味をもっていて、それと排他的な関係にあろのでは ないことを鈴木氏は断っている。 これに対して、アスペクト説は、終止用法以外の述話もすぺて 同等に扱おうとするためか、,佐川197 2、井上19 7 6、国広1980 l982、安藤1982のような意味論的な研究が目立つ。これらの 研究に共通すること は、 完了・未完了(非完了)のアスペク トが、 発話時碁準的になることによって、二次的にテンス的意味を実現 させると考えられているというこ とである。国広哲弥氏は次のよ うに述ぺていろ。

3

雨が降った 。 ⑮ 雨 が降引。/ よ く降引 なあ。 ⑧のような単文で ^過去時>が表わされるのは、発話に必 然的に結び付けられる^発話時基準>というil-0c�tionary forceの一部とみなされろ意味要素と^完了>というアスペ クトが結び付けられろためであり、⑥で^現在の状況>あろ いはA未来時>が表わされるのはA発話時基準>と ^未完了 >の結 び付きによる、 . と説明できる。 (国広1980272ペー 以上のような、述語形限とカテゴリーを基本的に一対一の関係 で捉えようとする説に対して、「ール」「ータ」にテンス .. アス ペクトの両機能を認めろ考え方がある 。代表的な研究としては、 寺村1971 , 1973 , 1982 , 1984、 Nakau 197-6、中右 198 0、紙谷1977 , 1978 , 1979をあIfることができろ。寺 村秀夫氏、中右実氏は、それぞれ、従屈節の独立性、従辰接続洞 や動詞の内在的性質を、テンス・アスペクトに関係づけ、「ール」 「ーク」の機能がrandomでないことを明らかにしている。 一方、結果として、「ール」「1夕」がテンス的窯味も、アス ペクト 的意味も実現することを認めるものの、原理的に前者は後 者から導かれろものであると考えろ立場があろ。尾上1982は、 根源的アスペクトである「最広義完了」から対象的意味としての テンス・ア スペクトが分化すると考え、大鹿1982は、 ア ルコト における未完了・完了の分化態であろアスペクトからデキゴトに (4) おける未来と過去の時称が展開すると考えている。 終止用法と伝連のムード テンス・ムードは、文の成立・存在に重要な 役割を果たす文法 カテゴリーであろ。日本語において、これが文末の述語形限に最 もよく発達していることは、これまでの日本語の文構造の研究成 果を見ても、十分に迎解されるであろう 。 そこで、次のような場 合における「ール」と「ーク」の対立は、テンス的意味(未来・

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(3)

-過去)を表していると言って差し支えないと思う。 ①a 明日は会議がある。 b 昨 日は会議があ っ た。

®a

来年の秋にその人と結婚します 10 b 去 年の秋にその人 と結婚しました。 アスペクト説に立つ安藤貞雄氏は、「1ク」の意味記述におい て、一過去に完了した勁作・状態を表す」(傍点引用者)という 用法を認め、「ータ」の文法的意味は、A動作・状態がある甚準 時に完了したという話し手の判断を表す>(傍点引用者)という ことであると考えているが(安藤 1982) 、 ③、さっき外に出た 時には 、まだ雨は降っていたよ。 において、話し手は降雨の継続状態の完了したことを判断 してい ると言えるだろうか。また、次のような例になると、何の完了か がはっきり しない。 ④作日はテレビ を 見 な か っ た。 そして、完了の時刻を示す副詞的成分が共起してもよさそうなも のだが、これが継続動詞と共起すると` ⑤?昨日は十時に勉強した。 . . .. のように、不自然になり、あえて解釈すれば、開始時を示すこと (5) になろ 。 同じく 、佐川誠義氏も、完了ということに注目し、意義素とし て、「ール」に^動作・状態が或一時点を基準にして、未だ完了 (仁田 1980 7ページ)6 文類型

.

演 訴表 述 え出 型 型型

.

. .

. .

. .

状; :

腐! [

写; :

文; :

: . : : 他対自 他対自. . . 称称称 称称称人 詞詞詞 詞詞詞称 、 ののの制 みみみ限

..

Voice · Aspect · Tence 判 断の Moo d していないことを表現すろ> ( 傍点引用者)、「ータ」に^或一 時点を基準にして、動作・状態がすでに完了していることを表現 する> ( 傍点引用者)ということを仮定していろのだが(佐川 l 972) 、「未だ」「すでに」という言栗からは、基準時以前•以 後という考え方がよみとれろ。そして、多くの場合、基準時は発 話時に臨かれるとも言う。佐川氏は、未完了と非完了を区別し、 非時間的な「ール」が「ータ」と対立しないことを指摘していろ ので、氏の 考えろ「ール」と「ータ」の文法的な内容は、結果と して、非過去.過去に近くなるように思われる。 ①ふのような例にまで‘未完了・完了の意味を認める根拠は ないだろう。

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仁田義雄氏は、文の表現類型(伝達のムード)と.、主格の人称 指定および文末の文法カテゴリーの現れ方との間に、次のような 関係の存することを指摘している。 文末構造のあり方 Voice · Aspect Voice ··Aspect Voice ··Aspect· Tence

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-すなわち、①\④の「ール」「1夕」が時指示の機能を実現すろ ことの根拠は、これらがテンスを分化させろ^演述型>の判断文 の述語であろという

m

実に求められろことになろ。仁田氏の指摘 は、終止用法における「ール」「ーク」の機能の実現 の仕方を一 般化すろ上で有効であろう と思われろ。そこで、次のような見通 しを立ててみよう。あろ文が^浪述型>であろ限りは、テンス指 示の道具立てが必須で あろ。 したがって、「ール」「ーク」には、 時指示の機能が要求される。しかし 、「ール」「ータ」が^表出 型VA訴え型>の文の述語になる場合には、すでにテンス指示の 義務から解放されていろ。アスペクト的機能が実現すろのは、こ の日況においてではないか 。以下、この見通しについての検証を 行 う。 次のような「ータ」は、完了を表して いる。 ⑥ずいぷん髭が伸びましたね。 ⑦見てとらん。61が 即糾T切 よ。 ⑧(空を兄上げて)星が出た。 これらは状況陰題の判断文 であると考えられる。囮目はそれぞれ、 聞き手の容貌、窓 外の情景、夜空であろ。だとすれば、先の見通 しの反例になろわけであろが、 これについては次のように説明す ることができる。これらの国目 は、発話時に現前 すろ、話し手の 知党対象である。そ れについて解説すろという性格をもつ、これ らの文のテンス は現在でなければならない。つまり、テンスが認 謡論的に指定されろことによって、「ーク」はアスペクト的機能 を実現すろことができるのである。しかし 、これは動詞の語羹的 怠味(変化)と判断のムード(断定)に条件づけられている。次 例の「ーク」は、予想通り、テンス的機能を実現するのであろ 。 ⑨(湛れた路上を見て)ゆうぺ雨が開ったらしい。 認識活動と「ール」「ータ」のアスベクト的機能との相関関係 は、あろ程度一般化できそうである。次のような文も、話し手の 知党作用に動機づけられて発苫される。 ⑩ぁ、誰か {ll}! ⑪ぁ、小烏が一門}! これら は、何かについて解説し、判断するとい った性質の文では なく、話し手が、視党や菌党を通して捉えた外界の状況を、知笈 の瞬間にそのまま苫語汲現化した、全体が新情報の文である。し かし、話し手との関係を触れて存在し得ないという意味で、状況 描写文 であろとは言えない。これらの発話は、話し手の知党作用 の現れ であろと見なければならない。対象化されるill象は話し手 についてのものであり、その目語表現化が心的な情恋の表出を意 味することか ら、⑩、⑪石^表出型>の文であると考えろ。 また、次のような文は、聞き手めあてに発言され て いる。

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-85-「ール」はテンス指示の機能 おい、誰か一剖切}ぞー・ この場合には、聞き手の注意を換起す ろという伝述のムードをも ち、A訴え型>の文として機能す ることになろ。 ⑩人⑫の伝述のムードは、感動詞、終肋詞、音閥の助けを偕り て表されるという点で、独立語文のそれによく似ている。 ⑬ う わあ、すとい風 1 ・ ⑭.おい、流れ旦! つまり、表現形式としては、iJJ位のあり様を述ぺたに過ぎず、「 ール」は将然、「ータ」は完了というアスペクト的迎味を表して いる。 次のような例が^表出型>であることは、説明す るまでもない だろう。 ⑮ あ あ 、創mm 。 ⑯ ま いったなあ。 ⑰ 腹 へ った。 ・⑩\⑲)が外的現象の知党に動機づけられていたのに対し、これら は内 的感笈、感情の自党に動機づけら れている。そして、予想通 り、アスペクト的機能を実現している。 次に、ムード的なテンスとアスペクトについて触れておこう。 .. ムード的なテンスは^油述型> の文に、ムード的なアスペクトは ^汲出型> ^訴え型>の文に現れろ。 次のような文は判断文であって、

をもつ。 ⑱ ぽ くは明B映画に行く。 ⑲沼はさっさと席●っく。 話し手が、一人称および二人称の未来の行為について断定的に述 ぺることによって、意志、令令のムード的意味が生じる。 次 の文も、基本的には判断文であり、「ーク」は時指示の機能 を尖現していろ。 ⑳今日は第二土咄日だった。 ⑪ こ の本はもう説 んだんだった。 これらは^

x

ハYダトイウコトニナッテイ タ>という内容(す な わら、命凶の過去における成立)を表現し、想起の ムード的意味 を実現している。 以上は、 ムード的なテンスで あろ。ムード的なアスペク ト は、 まず、命令を表す^訴え型>の文に認められる。 @ ら ょっと糊Td.,. ⑳ さ あ、いそいだ、いそいだー・ これを⑲の場合と比ぺるなら、強制度が低く、聞き手に対する鋭近 (9) 感を伴い、主格の位応に二人称名詞がまず現れな いと いう違いが ある。それは、⑲が述比文であろのに対して、⑫、⑳はいわば独 立語文化し、テンス .. ムードを形式的に分化させていないという ことによる。⑫が単語の一部に組み込まれるのも、そのためであ る。 -

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86-前箪での考察によ って、終止用法における「ール」「ーク」の 機能が伝逹のムードに規定されていろことが明らかになった。し かし、迎体修飾節は伝達のムードをもたず、A表出型VA訴え型 VA演述型>の対立は問題にならない。そこで、迎体用法につい て論じるためには、別の視点が必要になってくる。 従屈節のテンスは、構文的な特徴との関係にお いて論じられな e�) ければな らな い 。たとえば、中右1980には、知党動詞構文の補 文のテンスについて次のような指摘がある。 第一に、知党動詞は、その補文の動詞(のテンス)にアスペ クト的機能を要求すろ。 第二に、そのアスペクト的機能は、二つの事態の閻の同時的 解釈を許すアスペクトに限られる。

⑭ 次のような^表出型>の文にも、ムード的なアスペクト が 認め られる 。 ⑮ な くした消しゴム が こんなところにあった。 これは発見のムード的意味をもち、存在の完了ではなく、知党の 完了を表していろ。したがって、アスペクト的意味としては、次 例の「1ク」に等しい。 ⑱ あ 、ハレー彗星が見えた。 連体用法と同時的解釈の制約 待.った無しの勝負 第一二に、この同時的解釈の制約は、知笈動詞のもつ内在的性 質による。 (中右1980132ページ)

この同 時的解釈の制約は、空閥関係詞構文にも認められると苫う。 本邸では、この制約の適用範囲をさらに拡 張し、 「ール」「1夕」 の機能との関係について、 より一般化した形で述べてみたい。 最初に、 「トキ(二)」節をもつ構文を取り上げ ろ。 「トキ( 二)」節が主節の表す

m

態を時閥的に規定すろ成分であろことを 考えるなら、この構文に同時的解釈の制約の存することは十分に 予想される。しかし、この場合、制約は動院の内在的性質による ものではないから、 アスベクト的機能のみが要求されるわけでは ない 。 ⑰明日発表する時に、スライドを使用します。 ⑱ こ の前会った時は、彼は元気そうだった。 ⑰、⑱に同時的解釈の制約が存すろことは、テンスの一到が義務 づけられること、主節は従節から独立した 時の副詞をとることが できないことによって明らかであろ。 '⑰*明日

11

時に、スライ・ドを使用しました。 . ⑱*この前会った時は、彼は元気そうだ。 "⑰*判町発表すろ時に、

Wi

スライドを使用します。 囀⑳*この前会った時は、昨日彼は元気そうだった。 n) そして、次の例では、 「ール」「ータ」のアスペクト的機能が 同時的解釈を保証している。 87

(7)

-⑳彼は本を読む時にメガネを外す。 ⑳今度会った時に話すよ。 ⑳は主節の事態が成立する時に従節の事態が将然的な局面にある ことを含意し、⑳は 王節の時に従節 の事態が完了した局面にある ことを含意している。すなわら、このような用法の一ール」「 ー タ」は、主節の事態が従節の事態のどの局而と同時的に存在する かを表すもの であり、決して、主節と従節の時間的な前後

oo

係(

相対的なテンス)を示 すもので はない。主節と従節の時を切り離 .せば、もはや同時的解釈は成り立たない。 艇係節においても、同時的解釈の制約が「ール」「ータ」にア スペクト的機能を要求する場合がある。 ®昨日、旅行に

111

友人に駅で出会った。 これは次のような文の表す内容を含意している。 ⑮昨日、友人が旅行に行くところに駅で出会った。 ®の従節は空間関係詞節である。従節の表す事態は「出会うべき 場藉」として主節の事隈と同時に存在しなければならない。 相対的なテンスが実現するとすれば、それは同時的解釈の制約 の存在しない場合である。 ⑮客が

ti

前に、貿い物をした。 ®映画を設た後で、食串をしよう。 これらは、 「マ工」「アト」によって、主節と従節の時に前後関 係のあろことが積極的に示されている。したがって、⑲ぽ主節以 五 お わりに 後、⑮は主節以前を表していろと苫ってよいだろう。また、主節 動洞の語梨的性格によって、相対的なテンスが実現することもあ る 。 ⑭返事が来ろのを首を長くして待った。 ⑮コンピューターが地設の起こる日時を予測した。 「待ツ」「予測スル」といった 行為の対象となるのは、将来にお いて実現する出来事であり、行為と対象の存在とは同時的ではな 、 , 0 最後に、前章で考察したことと、第三浮で考察したこととが、 理論的にどう包括されるかについて述べる。 まず、^表出型>^訴え型>の文に存する主格の人称制限につ いて再検討してみよう。 ⑮私は水が飲みたい。 これは一見、典型的な^表出型>の文である。しかし、ここに現 れた「私」は、発話行為の主体としての話し手と等価ではなく、 いわば対象化された話し手であろう。そのように、対象世界のも のとして客体的に捉えられた「私」について語られる文は、もは や判断文ではないか。 @*―[}は水が飲みたい。 -

(8)

88-君は行け。 君糾行 け。 このように、 ^表出型>^訴え型>の文には、 文末の文法カテ ゴリーのみならず、格の分化にも制限があ ろ。 この見かけ上の不 完全さは、 この類の文の発話自体が行為的意味をもつCとに基因 していろ。 すなわ ち、行為としての発話は、 行為者としての話し 手、.行為の受手としての問き手との関係を孵れては成立しない。 そして、行為の成立時は発話時以外ではあり得ず、行為の中にい ろ話し手は行為内 容について客殴的に判断することができない。 b ⑰が不適格であろのは、 話し 手が他人の感党について断定的な判 断を下すということが不自然であるからであろ。 「\ハ\タイ」 という文一般が判断文であるこ とは、 テンス・ムードを形式上に 分化させることから明らかである。 ⑱彼は水が飲みたかったらし い。 もちろん、 次のような文が^汲出型>であることについては、 異 論がない。 ⑲ あ あ、水が飲みたいなあ。 すな わち、 主格(一人称)の源在化しないことが、^表出型>の 文の構造上の特徴であると考えら れる。 また、^訴え型>の場合 にも、 たとえば、 命令文の主格(二人称)が顕在化 するのは、 対 照の「ハ」、 総記の「ガ」によって行為者が特定される場合に限 られろ。

@a

(僕は居る。) (他の人は居ろ。)

2

そして、完成相とは、 「勁洞のあらわす勁作(広義)、また は、その一定の屁面を分割することなく、 始発から終了まで ふくめて、 まるCとのすがたでさしだすことであろ9(高梃 1985 33ページ) 「いわゆる完了と過去と は、ともに過去における突現であ って、 そのちがい は、 大まかにいって、実現ののち、すなわ シテイル シテイク Jレ 現在未来形 シ ク 過去形 ^表出型> ^訴え型>の文における伝達のムード は行為であろと 理解されよう。 そこで、これらの文が、話し手の表出行為、訴え 行為を表す上位構速に支配されていろと仮定してみよ釘 6 この上 位構造は、述語に表出行為動詞、 訴え行 為動詞をもち、各々、〔主 /話し手〕、〔主/話し手、目探/闘き手〕という格体制をとる。 また、 その内在的性質によって、補文の述語に「ール」「ー ク 」 が現れる場合には、これにアスペクト的機能を汲求する。 つまり、 表出される内容、 . 訴 えられ る 内容は、 表出行為、 訴 え行為と同時 的に存在しなければならない。 この立場では、 テンス、 アスベクトの紺形は次のようにま とめられている。

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アオリスト的な過去とよんでおこう。」(鈴木1976 国広哲弥氏は、 国広1967の段陪では、 「ール 」 を「確突 形」、 「ータ」を「実現形」と見てい る。 完了・未完了とい ぅ捉え方は、 困広1980以降である 。 4 大 臨頚久氏は、 大鹿1983において、 連体法ではアスペク ト・時称が抑止さ れ、 Aktionsa rtが前面に出てくると考え ている。 その場合の「勉強スル 」 は、 変化動詞である。 それぞれの型について、 仁田1985を要約すろ形で簡単に 説明しておく。 A表出型>話し手の心的な情意の表出。 邸望・意志゜ A訴え型>話し手の聞き手に対する要求実現の慟きかけ・訴 えかけ 。希求・依顆・命令・禁止。 A演述型>外界の様子や判断などの情報を述ぺ伝え る。 状況 . 描写 ・ 判断。 「伝逹のムードは、 話し手の描き取った召火事態をどのよ うに通達・伝達するか といった話し手の伝逹的な態度のあり 6 5 ジ) 55ベー ち親在に結果や状限がのこっている(なん らかの 形で現在の 状態を規定していろ)か、 ある いは過去におけ る実現だけを 問図にして、 現在の状態とのOO係はとわないかのちがいだ。 とりあえず、 ここでは前者をペルフェクト的な過去、 後者を 参 照。 文) ぽ<は〔森がうつそぅと茂る〕中をひとり散歩した o (空 IIOOO係詞構文) ll ⑳ には、 「メガネを外した状態で本を続 む」 という解釈も 成り立つ。 しかし、 その凸合の「ール」にアスペクト的機能 一 90 を認めることについては粒問がある。 「本を読むのはよいこ とだ」「本を脱む部歴が欲しい」などと同じ用法ではないか。 12 テ ンス説において認められている概念であろ。 「述語のし めす動作や状態のなりたつ時を基準にして、 それより以前か 以後か、 またそれと同時かをあらわすことである。」(高僑 l 9 7443ページ) 13 文 が報告行為を表す上位構造に支配されているという諮治 (Performative analysis)については、 Rossl970を 引用文献 安藤貞雄1982「日本語動詞のアスペクトー日英語対照研究 10 方を表したものである。」(仁田1985 43ページ) 仁田氏の場合、 深囮格を指すようである。 「二人称複数十ハ」のふ合に限って、 現れ得るようである。 お前たらは早く行った1・ 中右氏は、 次のような例をあげている。 〔山々に雪が高く栢もった〕のが見える。

8

(知党動詞構

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褐店 紙谷栄治1977 「助動詞「た」の一解釈ーー形式名詞「とき」 につづく場合を中心にー」「京都府立大学学術報告・人文」29 197 8「迎体用法におけるテンス

Icoo

する意味につい て」「京都府立大学学術報告・人文I30 1979「終止用法におけろテンスとアスペクトについ て」「国語学』118 国広哲弥1967「B英両語テンスについての一考察」「構澁的 意味論」 l ―一省堂 19sor日英語比較講座2文法』 l ー 2 日本語・英語」 r講 ー」『月刊言語」11ー9 井上和子19 7 6 ,f変 形文法と日本語g�」大修館也店 大鹿照久1982「未完了・完了・未来・過去ーー終止法の述語 におけるーー」天理大学『山辺道』26 1983「連体法述語における時の箱日」大阪大学「話 文』40 尾上圭介1982「現代語のテンスとアスペクト」 (編者補説)大作館 19. 82「5テンス・アスペクト 座日本語学11』明治苔院 佐JII絨義1 972「日本語のテンスについて」r言語研究』61 鈴木重幸1976「日本語動詞の時について」Fn刊宮語」5112 「日本語学』 中右 『日英語比較講 197 9「現代日本語の動詞のテンス1終止的な述語 につかわれた完成相の叙述法断定のばあいー」言語学研究 会編r苫語の研究』むぎ困房 硲僑太郎1973「動詞の迎体形「する」「した」についての一 rことばの研究』4(国立国梧研究所論集4)秀英出 考察」 格のOO係」 r教育国語』39 1985『現代日本語のアスペクトとテンス』 語研究所報告82)秀英出版 寺村秀夫1971「

5

の意味と機能ーアスペクト・テンス・ム ードの構文的位四づけーー」「言語学と日本語問四」くろし お出版(寺村1984所収) 19 7 3 「 テンス・アス ペ クト・ヴォイス」 「 日本 語 と 日本語教育(文法編)」文化庁 1982「テンス・アスペクトのコト的側而とムード的 側面」r日本語学」112 19 84「日本語のシンタクスと意味II』くろしお出版 Nakau、Minoru 1976 Tense , Aspect , and Modality S逹

R3ミ

約man tics 5: Japanese generative g,ammar , Academic press. 実1980「テンス、アスペクトの比較」 (国立国 1914 r述体形のもつ統栢論的な機能と形態論的な性 版

-

(11)

91-日本文芸学(8本文芸学会) 8本文芸研究(関西学院) 第四号 第十四号 第二十二 第三十六巻第三号 第四号 座2文法」大修館由店 仁田義雄1980「文の表現類型ーー結合価文法の拡 のために |」m菜綸的統語論』明治苔院 cし 1985「主格の優位性ーー伝逹のムードによる主格の 人称指定l」r日本語学」4ー10 ,John R .Ross 1970

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On Declarative Scnten<"es n R . Jacobs and P. Rosenbaum(eds .) &adings in English

研究室受贈図書雑誌目録(七)

日本文学研究(帝塚山学院大学) 日本文学ノート(宮城学院女子大学) 日本文学論災(大東文化大学大学院) 日本文学論究(国学院大学) 第四十四冊 第三号 七務第一号 第二号 日本文芸論稿(東北大学文芸談話会) 日本文芸論叢(東北大学文学部) (本学大学院院生) 第三十 日木文芸縮巣(山梨英和短期大学) 能楽研究(法政大学能楽研究所) 第十号 花園大学研究紀要 第十六丹 梅花女子大学叫 二十因年記念論文集 弘学大語文(弘前学院 第二号 広島女子大国文 宮士論叢(宦士短期大学) 文学論相(九州大学 文学論荻(東洋大学) 文芸研究(日本文芸研究会) 文芸と批評(文芸と批評の会) 文芸論沼(大谷大学) 第二十三号 文献ジャーナル(窟士短期大学) 文莫(鈴木服学会) 文林(松陥女子学院大学) 第三号 第五号 第十二号 第三十巷第一号 第二十四粒第十一号 三田図文(三田国文の会) 武印川国文(武叩川女子大学国文学会) 百舌烏国文(大阪女子大学大学院) 第二十号 第九号 第十号 第十五号 0染 文芸と思想(福岡女子大学) trscfoi-i9Sl5

ー·

第四号 第十九号 第四十九号 第六 巻第一号 第一〇八集 筍三十一号 第五十九号 第十一号 第二号 第十三号 第一〇九集 第二十四号 第二号 第二十五 第十 -

参照

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