• 検索結果がありません。

摩砕された酸化亜鉛粉末の分光吸収

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "摩砕された酸化亜鉛粉末の分光吸収"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 摩砕された酸化亜鉛粉末の分光吸収. Author(s). 貞広, 嘉和; 清水, 清. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. A, 数学・物理学・化学・工学編, 19(1) : 45-48. Issue Date. 1968-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5887. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第19巻. 第1号. 北海道教育大学紀要 (第二部A). 3年9月 昭和4. 摩砕された酸化亜鉛粉末の分光吸収 貞. 嘉. 広. 和. 函 館 工 業 高 等 専 門 学 校 清. 水. 清. 北海道教育大学函館分校物理学教室. Absorpt ion Spectrum of Ground Zinc oxide Powder by. Yoshikazu sADA日工Ro and Ki 丁 yoshi s日工MIDzt. SI. 緒. 言. 酸化亜鉛の摩 砕による格子不整, 結 晶粒怪, および触媒活性などの物性変化については良く知 1 ) られている( . こ れらの物性変化に加えて, 酸化亜鉛は摩砕により, 色相が純白から濃い赤黄色 に変化する. 筆者らは, この色相変化に起因する分光吸収を測定し, 60 0mg から 400m” の可視 域に, 摩砕による強い分光吸収の変化が認められ, またこの吸収が, 摩砕試料を加熱すると回復 す る こ と が認 め ら れ た の で, こ れ ら に つ い て 報 告 す る,. S 2,. 実. 験. 方. 法. 2・1 摩砕方法. 摩砕は乾式ポールミルによっ て行なっ た, ミルの回転数は毎分15 7回転, 試 ( 2 ) 料のミ ル装入量は 60g である, 試料の調整方法およびX線分析方法は先報 と同じである, 3 )は積分球により, 粉体の反射率を測定し, これが固体 の分 2・2 反射減衰率の測定 早川ら( 光吸収に対応することを示した, 筆者らは伊藤超音波 KK の QU‐ 3型分光光電光度計に同社製積 分球を装着し, 固体の分光吸収係数に対応させることの容易な反射減衰率を測定した. また, 積 分球付属の試料皿に, すり切れに酸化亜鉛粉末を入れ, ろ紙をあてて十分に庄着したものを測定 oC であ た 試料とした, 測定時の室温は1 5℃±2 っ , 2 )と同じである. 試料を300oC に加熱した後質量減少と反射 2.3 加熱方法 加熱装置は前報( oC に加熱してから同様の測定を行 減衰率を測定した, その後ふたたび試料をルッポに入れて500 o なった. 加熱時間は3時間, 加熱温度は常温から 10oo C ま で の 範 囲 で あ る, S 3,. 実. 験. 結. 果. 3・1 摩砕による分光吸収の変化 酸化亜鉛粉末の摩砕による格子不整および結晶粒径の変化 を図1に示す,.これによれば, 摩砕時間の増加とともに格子不整が増加し, 結晶粒径が減少する, これら の変化は, 摩砕の初期に著しく, 後期には少ない. 摩砕された酸化亜鉛粉末の分光反射減. (45).

(3) . . 摩伸された酸化亜鉛粉末の分光吸収. 0 8. 0 1:2 7時間廉碑 1 ′ ′ 2:& 2 〃 3;4 4:原 試 料. ガ. 0 6 .. 欝 緒. 3 4 0 .. 膜. 4 0 2 .. 0. 摩. 砕. . . . . 長 (m“). 波. 時. . 図I. 図2. 摩砕による酸化亜鉛の格子不整と結 晶粒径の時間変化.. 摩砕された酸化亜鉛の分光反射減衰 率の変化.. 1. 0 0 6 1 3 :4 m ′ ′ , ‐ 矧 2:5 1 0 m ′ 3:5 9 0 n p .. 1. 0 6 1:4謁m . ‘ ′ 2:5 0m 1 ‘ ′ 9 Gm 3;5 戸. ー I )0 ′ ・. ー 、 oA 2. の. 2. 鴬 は 02. .02. . . 3. 3 2. 4. 6. l 0 x l o 8 1. 格 子 不 整 (任位単位) 図3. 図4. 』時 酸化亜鉛の分光反射減衰率の摩溺. 酸化亜鉛の分光反射減衰率と格子不. 間による増加の傾向.. 整の関係,. 衰率を図2に示す, 原試料では約400m” まで反射減衰率はほとん ど零であるが, 400m” よりも 短波長では反射減衰率が急 、激に増大する, これは 3 .3eV の禁止帯を越えて伝導帯に上がる電子に 4 ( )摩砕された試料では, 可視域にも広範囲にわたっ て吸収が現 よる吸収として 良く知られている. われ, 摩砕時間の増加にともなっ て, 吸収が増加する. 図3に摩砕時間と 反射?成衰率の関係の- 例を示したが, これによれば, 長波長側では摩砕が相当進んでか ら僅かに反射減衰率が増加する のに対し, 中波長 領域 から短波長領域では, 摩砕時間の増加にともなっ てかなり急速に反射減衰 率が増加す る. この増加の傾向は格子不整の増加の傾向と類似し, 図4に示す如く, 中波長領域 および短波長 領域 では, 格子不整の増加に良く対応して反射減 衰率が増加する, 摩砕による結晶 (46).

(4) . 貞 広 嘉. 6 0 0. 波. 0 5 5. 5 0 0. 和 ・ 清 水. 清. . 0 i 5 ‘. 長 (m”). 波. 波‐ 長 @の. 長 (m”). 園5. 図6. 00Cまで加 摩砕された酸化亜鉛を常温から50 熱したときの分光反射減衰率の回復の傾向,. 0oC以上の温度で加 塵砕された酸化亜鉛を 70 熱したときの分光反射減衰率の増加の傾向.. 粒径の変化に比 べて格子不整の変化は著しいので, 反射減衰率の急激な増加は格子不整の増加に 依存すると思われる. これは酸化ニッ ケル粉末の場合にも同じように見られる傾向である。 3・2 熱処理による反射減衰率の変化 42時間摩砕した試料を熱処理した後, その反射減衰率 を測定した, その結果を図5および図6に示す, 300oC までの加熱で, 全可視域にわたり反射減 衰率は僅かに減少した, 5 00oC までの加熱で, 約450mゑ よりも長波長側では反射減衰率はほとん ど原試料の程度まで回復する, 加熱温度がさらに高くなると反射減衰率はふたたび増加する. 酸化亜鉛粉末は, 原試料では純白色であるが, 摩砕されると赤黄色になる, この赤黄色の摩砕 された試料を加熱すると, 300oC ではうすい赤黄色となり, 5000C では白黄色となる, 原試料は 1 )ので, 赤黄 色に色相が変化するものと思われるが, 加熱により 摩砕により過剰酸素が増加する( 原試料の色相に近い白黄色に なるのは, この過剰酸素の離脱に起因するものと思われる. すなわ ち, 加熱により反射減衰率が原試料の程度まで回復するのもこのためと思われる, 加熱温度が 700oC 以 上 に な る と, 次第に黄色となり, 9000C 以上で緑黄色となる, 純 白色の原 0o ooC まで加熱しても色相は変化し ない, したがっ て, 酸化亜鉛粉末は摩砕されると, 試料を 1 0 500 C 程度の加熱温度で原試料の程度まで色相お よび分光反射減衰率が回復するに も か か わ ら ず, 700oC 以上の加熱温度でふたたび色相および分光反射減衰率が変化するので, 加熱によっ て 摩砕の効果を消滅きせることはできない. さきに筆者らは酸化ニッケルの摩砕効果は加熱に より 2 ) 消滅することを報告したが( , 色相および分光反射減衰率の変化は, 摩砕による格子不整のみに 影響されるのではなく, その非 晶質化にも依存するものと思われる, すなわち, 酸化ニッ ケルは 5 ) 摩砕によりほとんど非晶質化しないのに対し, 酸化亜鉛は非 晶質化する( , そのため酸化亜鉛は 加熱によっ て完全に原試料の状態に回復せず, 加熱とともにふたたび分光反射減衰率が増加する こ と は, 図 7に よ っ て も 理 解 で き る.. 図8に質量減少の加熱温度による変化を示す, 加熱温度の増加とともに質量減少は増加し, そ の増加の割合は加 熱温度が 300oC か ら 500oC の間で著しい, この事実は色相および分光反射減. (47).

(5) . 摩砕された酸化亜鉛粉末の分光吸収. 0 0 5. 0. 加. 熱. 0. 1 0 0 0. 温 度 (Co ). 0 0 0 1. 加. 熱. 0 0 2. 3 Q 0. 0 0 4. 0 0 5. ) 温 度 (Co. 図7. 図8. 摩砕された酸化亜鉛の分光反射減衰率の加熱 温度による変化.. 摩砕された酸化亜鉛を加熱したときの, 加熱 温度による質量減少の増加の傾向,. 衰率の加熱による変化に良く対応する, したがっ て, 摩砕によっ て酸化亜鉛に 入っ た過剰 酸素が 加熱により脱離して, 分光反射減衰率が回復したものと 考えられる. しかし, 非晶質化した酸化 亜鉛が存在しているために, 完全に回復せ ず, 7000C 以上の加熱温度 で何らかの新たな変化を生 じたものと思われる. S 4.. 語. 結. 酸化亜鉛粉末は, 摩砕により格子不整は増加し, 結 晶粒径は減少する, また格子不整の増加に ともなっ て,.可視域における分光反射減 衰率は増加する, 摩砕された酸化亜鉛粉 末を加熱すると oC で色相および分光反射 ・減衰率は摩砕されていな い試料の程度に回 復するが, これは座砕 約50o o により 酸化亜鉛中に入っ た過剰酸素の離脱によるものと思われる. さらに, 700 C 以上に加熱す ると酸化亜鉛粉末の色相は緑黄色となり, 分光反射減衰率も増加する. これは 摩砕により酸化亜 鉛が非 晶質化し, それが加熱により何 らかの構造変化を生じたものと思われるが, なお検討を要 す る. 献. 女 1 ( } 2 { ) 3 ) ( ) 雑 ) ( 5. 高橋 浩 : “粉体セミナー” ,45 , 粉体粉末冶金協会, (1965)p . 968 75 )4 貞広嘉和・清水 清 : 材料,17(1 . 19 59)2 早川宗八郎 : 応用物理, 28(19 , N,B. Hannay: ”Semicondactors“, Reinhold,(1959) p,301, ’ 応用物理学会 (196 8)p 潜水 清 : ”第15回応用物理学関係連合講演会予稿集第二分冊’ .8 .. (48).

(6)

参照

関連したドキュメント

 がんは日本人の死因の上位にあり、その対策が急がれ

カルといいますが,大気圧の 1013hp からは 33hp ほど低い。1hp(1ミリバール)で1cm

青色域までの波長域拡大は,GaN 基板の利用し,ELOG によって欠陥密度を低減化すること で達成された.しかしながら,波長 470

それゆえ、この条件下では光学的性質はもっぱら媒質の誘電率で決まる。ここではこのよ

次亜塩素酸ナトリウムは蓋を しないと揮発されて濃度が変 化することや、周囲への曝露 問題が生じます。作成濃度も

口文字」は患者さんと介護者以外に道具など不要。家で も外 出先でもどんなときでも会話をするようにコミュニケー ションを

光を完全に吸収する理論上の黒が 明度0,光を完全に反射する理論上の 白を 10

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の