内モンゴルフルンボイル地域モンゴル族の社会変動と民族生活の変容
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(2) ら離れた若者たちの意識の変化などを明らかに. していることが挙げられる。. する。. フルンボイル市は、2003年、r中国優秀観光都 市と全国及擁模範町」(中国優秀旅遊城市と全国. 四、研究の成果と課題. 及擁模範城)の称号を得た。また、2007年には、. 国家に「中国魅力都市」と評価され、ト番民族 1)研究の成果. 特色都市賞」(最具民族特色城市)も獲得した。. フルンボイルのモンゴル族は、他の少数民族と. その後、自治区の外部の地域、特に中国南方地域. の交渉や交流を経るなかで、各方面でさまざまな.. から数多くの外来人口がやってくるようになっ. 文化を吸収しつつ、北辺境でのユニークな民族文. た。草原特色観光は国内外の旅行客と労働者を引. 化を形成してきた。中国の東北国境地域として、. きっけるようになったのである。. また内モンゴルのなかでも]番東北の地域とし. こうした状況のなかで、地元民はさまざまな変. て、フルンボイル地域は独特の多民族共生文化を. 化に直面している。遊牧地域から離れて都市に移. 育んできたのである。北側はロシア、西側はモン. 住する人々が増えて、生活様式は純遊牧、半遊牧. ゴル国と接しており、両国から受けた影響は広範. 半定住、半農半牧から、完全に都市生活者へと移. 囲にわたる。歴史的に交通の要衝であったことも. 行するようになった。一面、都市生活は遊牧民族. 大きい。清朝の時からフルンボイル地域はハイラ. の教育環境を拡大、充実するが、反面、元の伝統. ル市、満州里市、ガンジュル廟等をはじめ東北地. 的な遊牧生活から切り離された若者たちは遊牧. 域の重要な関所を有していた。また、満州国の時、. 知識をまったく持たないようになっている。ある. 旧東清鉄道建設ではハイラル市と満州里市に駅. いは、両親から教えてもらうことよりも、資料な. が設置され、その後の貿易の繁栄を推進した。日. どから勉強したりすることのほうが多くなり、若. 本の関東軍占領期には、ハイラル市の東山に軍用. 者の思想は、前代よりも外部文化を受け取る能力. 空港が建設された。今日、この空港は、国内外の. においては強くなっている。. 諸都市を結ぶ国際空港として重要な役割を果た. 2)課題. している。. フルンボイル市のモンゴル族社会に対して、歴. 今後の課題として、21世紀以降のフルンボイル. 史的に何度も繰り返された部族移動や独立運動. 地域モンゴル族の社会変動、民族生活の変容、民. は多大な影響を与えてきた。また清朝の八旗制度. 族教育の変遷を、具体的なデータを収集するなか. や、ロシアあるいは満州国時代の日本の侵入、新. でさらに精綴に分析を進めていきたい。こうした. 中国における文化革命、70年代漢族の大量人口流. 作業からは、各モンゴル部族の生活環境の変容と. 入等によって、フルンボイル原住民モンゴル族は. ともに、モンゴル族の若者たちが学校を卒業した. 非常に大きな影響を受けてきた。いろいろな試練. 後に辿る進路について浮き彫りになるだろう。フ. と変容を経るなかで、現在のフルンボイル地域の. ルンボイルのモンゴル族の若者たちの「生きてい. 特有な地域文化が構成されてきたのである。. く道」は草原からの「脱出のための道」になるの. 一方、近年のフルンボイル市が直面している深. かにっいて考えてみたい。. 刻な問題のひとつに、「地下資源開発によって、. 草原は迷路のように掘り起こされてしまった」こ とによって、地下資源の乱開発がフルンボイル草. 主任指導員 首藤明和. 原の砂漠化、環境汚染、牧草地の退化を激しく進. 指導教員 首藤明和. め、純牧民の生存にとって恐ろしい威嚇をもたら. 一293一.
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