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プラウデン報告書 : イングランド初等教育制度改革案の意義

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Academic year: 2021

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(1)Title. プラウデン報告書 : イングランド初等教育制度改革案の意義. Author(s). 小泉, 正美. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 19(2): 135-146. Issue Date. 1968-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4586. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第 19 巻. 第 2号. 昭和43年12月. 北海道教育大学紀要(第一部C). プ ラ. ウ. デ. ン. 告. 報. 書. -- イ ングラ ンド初等教育制度改革案の意義. 泉. 小. 正. --. 美. 北海道教育大学旭川分校教育学研究室 Masami KolzUMI:. ions icat The P1owden Report【ts lmpl. i t imary Educa on i i t em of Pr sh Syst for the Reform of the Br. ABSTRACT. th someofthe 虻lost signi行cant features of the RePort of the Th i s wi s paper deal i i l for Educat on in England. CentraI Advisory Counc. i Because of the econonl c. icat i on ofthe Report i i ing the Br t t sh Governmentlong beforethe publ troubl es assaul l i i t ed ce any ofi s deta (en thus far to put into pract no measures have been tal. n January ions s t was submiはed to the Governmenti Recom mendat 1 t 1cei ,1967. t i i i ec ed the t i i負 ce wh ch has rea i ter The present wr r , recogn zes s sgn can , however ftheearly ion o i i earning--the nursery educat ionary theor ces in l es and pract revolut i l ix. lti rthtos sthecharacteristic developmentofthetleories n learning agesfronlbi ・ ’ in the l ate l950 s and l960s all over the world. teri he wri s of theopinion that ly s temmedf lt has obvious rom Jean Piaget , but t fscienti6c h i h 1 ld VVar1 w c wasa waro i t was a natural development after the VVor d ml f i ore l l igence d t fthe human inte h . Educat on or mlore an weapons ,t e pro uc s o i l T he b l d as early and as fast as Poss e. f the chi l l inte igence requi res the growth o i ately after on im medi l l be the organi zed nursery educat l wi s to be takel next 魂ep ion o f education toward theend ofthetwentieth ld--the revolut i the b rth of the chi century!. 1. 報 告 書 の 概 要 ) から, 初等教 育を r Edward Bo e 1963年 8月, 当時 の 教 育 科 学 相 エ ドワ ー ド・ ポ ィ ル 卿 (Si. ) よう諮問を受けたイ ングラ ン そのあらゆる側面におい て考究 し, 中等教育への移行を検討 する1 l i and)) は, 1966年10月28日, i lf on (Eng IAdvisory Counc or Educat t r a ド中央教育審議会 (Cen ) 2 l and) に 答 申, 1967年 1 月10日 一 般 に 公 表 せ ら れ た . ク ロ ス ラ ン ド教 育 科 学 相 (Anthony Cros そ れ が, い わゆ る ブ ラ ウ デ ソ報 告 書 で あ る. idget P 1 owden) を議長と する審議会は, 大学教授8 ブ リ ジ ッ ト, プ ラ ウ デ ン女 史 (Lady Br. 人, 幼児・初等・中等教育実際家7人, 教育行政担 当者6人, 家庭の主婦2人, 雑誌編集者1人 -135-.

(3) . 小. 泉. 正. 美. という構成 で, 議長を含めて25人 である (報告書 VOI ) こ のほ か教 育科 学省視学 .1 , pp .v . , vi (H. M.lnspectorat e) 及 び 視 学 補 佐 (H. M.1 s) 7人 が 審 議 会 に 協 力 した. (報 告 書 . Asessor VOI .1 . 484) ,p. 19 63年8月諮問を受けて, 同年10月活動 を開始 1966年10月28日の答申まで満3年 調査費・ , , 旅費及び報告書出版 費等に12万ポ ンド余 (1億2千万円) を要 したという (VO I i ) .1 .v ,p . 国内の初等・中 等学校2 75校, 各地方教育行政当局, 各大学の教育学 部及び教員養成 カレジ等 14校 を 訪 問 懇 談 し, さ らに 外 国 に お け る 調 査 は デ ンマ ー ク ・ フ ラ ンス ・ ス ウ ー , ェ プ ン・ ソ ビ ェ. ト連邦・アメ リカに及び, それぞれの国の教育専門家及び教育行政当局者等と懇談討議 し 数多 , くの学校その他幼児教育機関 を視察 している (VO I .1 , Annex C,pp.522-536).. 報告書 によれば, 初等教育は 他のいかなる教育の領域にもま して 全教育 費から見ても国家財 , 政から見ても, 然るべ き分け前を確保 していないという感 を強くすると指 摘 し (Vo l 1 3 .1 .4 ,p , S ,1170) , 将来は, 全教育予算の中 でも, 初等教育にはさ らに高い優先権が与え られる べきであ 00万の小学校児童 のうち数多 くのものが, 現在極めて 貧弱な条 って, それは当然の権利である. 4 件のもと で教育を受けているが, この現状に満足しているものは一人もいないはず である 小学 . 校の学令にある子供た ちにこそ, さ らに多くの資金を使 うべ きであ て それを憎ん で 彼等が っ , , 成長 してか ら多額の金 を費しても, それは浪 費に終る であろうと 述べている点は 注目に値 しょう (p . 460, S .1231), 報 告 書 の 勧 告 (Recommendat i ons)は, 197ヵ 条 に わ た っ て い る が, 大 別 して 次 の よ う な 5項目. にまとめ られ, 政府な らびに各地方教 育行政当局は , 何れもこ の順序に優 先的に処理すべきであ る と して い る (p . 441 .1201) ,S . a. 教 育 優 先 地 域 の 設 定 (Es鎧bl i shment of ed”cの われZPγわγメリ αγ卿s) .. b. 教員の助手 (彰α乾 けぎ 諺α B S ) を採用 し, さ しせま って必要な事項の手助けとすること . c 小学校校 舎の改造 を可及的速かに行 なうこと. .. d. 幼児教 育の拡充--教 員の養成と建物 の準備を急ぐこと . e. 小学校入学期の変更と 初等教育の前後期移行 の年令に関する計画 (Vo l 41 .1 .4 ,p ,S . 1201) .. (1) 教育優先地域 の設定について 文化的に も経済的にも 貧困な家庭環境の故に , 極めて 不利な条件のもとにある子供た ちの通学 する学校に対 して, 積極的優遇措置をと ることを国家 の政策と して樹立することを , 報告書は最 も強く提案 してい る (p .66) . 狭い街路に絶 え間ない騒音, 近所の荒地は ゴミ捨て場 , 学校には勿論, 近辺にも緑の遊び場 は なく, 気味悪 いような建物, 内部は うす暗く 廊下は狭い 寒 ざむと した狭苦 しい便所 屋根も な , , い戸外の洗面所, 狭い職員 室, 貧弱な教具 子供たちの活動にも体育にも不充分なスペー , ・ ス”=・ 挙げれば際 限のない悪条件. これでは 子供たちが犠牲にな るのみな らず 普通の教員は耐え , ら , れない, 欠員があ っても後任が得 られず また 学校を率いて指導する校長に人材が られな , 得 , い (pp.50‐51 3 ) .133‐134), ,S. 36- ・一1.

(4) . プ ラ. ウ デ. ソ 報 告 書. 生物体と しての人間にと っては, 恵まれたよい環境のもとでならば成育発展するはずの才 能や 能力 が, 貧困の故に恵まれない環境のもとでは, 充分成長しない ばかりか, またある場 合には望 ま しくない方向に発展するかも知れない, 生物体は, 生後ある÷ 定の決定的な時期に 適切な営養 と刺激を受けて, はじめて正常に成育する. それは, その生物体の成長に必要, 且つ不可欠が経 験であると言 ってもよい. 例えば, ねずみの子は, 生後数日の間のある時期に, 雄の親ねずみの 率丸から分泌される, ある物質を吸収して, それが子ねずみの頭悩の中にはいりこみ, 下部視床 (勿Po劫α卿粥硲)と呼ばれる部分の構造に変化を起こさせ, それによって男性という知識 が下部 視 床 に 植 え つ け られ る. こ う して 定 ま っ た 性 は, そ の ね ず み の 生 涯 を 通 じ て 変 る こ と が な い. も. し, 生後5日間このような知識の移入を防止すると, そのねずみの性は, その後どんなにその物 質を注入しても未決定のままであると言う. このように, 生後数日間がねずみの成長発展には決 定的な時期であることが明らかである (p ゞS . 26) . .12 また, 鴨の雛は, 曙化後最初に見る大きな物体につい て行く習性をもっている. それは 通常親 鳥 で あ る が, 実 験 者 コ ソラ ド・ ロ レ ソッ (K0nrad Lorenz) 教 授 を 最 初 に 見 た か も の 子 は, そ の. 生涯執勘に人間に愛著を示 したと言う (p .12 . ,S . 27) ものが, 人間の成長に どのように存在 し , 生物体のこのような, 成長発展の決定的な時期という ているか, それは明らかではないけ れども, それは確かに存在するであろう. ともかく, 報告書 は, このような立証を数多く並べて, 故に, 乳幼児期には適切な時期に, 適切な刺激即ち経 験を 与えなければ, 潜在する多くの 可能性を失うこと となる, 経済 ・社会的条件の故に恵まれない 地 i i i iminat i t on) 最 も 高 い 優 先 権」 を 与 え て 改 善 しよ う と す る. 域 を 「積 極 的 に 区別 し (pos scr ve d. 第一次大戦 以前には, 満足な食物も与え られなくては満足な教育は行なわれないと して, 学校 給食が行なわ れるようにな った, 今日必要なものは, 豊かな知的営養である. 給食と牛乳が, 子 供たちの栄養に大きく貢献 したように, 経済・社会的に恵まれない地域を優先させる 「計画 的且 970年代の子供たちの教育を大きく進展させることが つ積極的区別」 による豊かな 知的営養が, 1 で き る であ ろ う と して い る (p .57, S , 152).. i ved areas) を 設 定 す る 規 準と しては, 対象となる 「恵まれない地域」(depr ③ 職業--非技能ない し半技能労働者 ⑩ 家族構成-- 家族数と社会的階層とは密接に関連 している. 「4人またはそれ以上の子供 をもつ人は, 最低賃金労働者に多い. また, 家族数は知能テス トの結果と相関 している. 」 即ち, 家族数が多ければ, それだけ子供たちの指数は低い, ◎ ④ ◎. 現金支給--家庭事情によって給食費を支給すること. 住んでいる 家屋の状況 欠席とさぼり--家庭事情によることが多い,. ⑧. 遅進児, 非行児, 身体不具児の割合 不完全家庭 --死亡またはその他の事情に よる片親または両親のない家庭. ⑤. 移 民 の 子 供 た ち で 英 語 を 話 す こ と の で きな い 者. ①. (p .58, S, 153). 以上のようなお よそのめやすを立てているが, 報告書は, 家庭の年収を明示 して標準とは して いない, しかし, 教育優先地域が指定せられても, 有能なスタフを確保することが困難であると 0ポ ンド (約12万円) の手 当を支給す して, 報告書は, この地域に勤務する教員に対 して年額12 る こ と を 提 案 し, ス コ ッ トラ ン ドの ロ バ ー ツ 委 員 会 (The Dame lean Roberts Com mittee) の 意 見 に 類 似 してい る 点 に 言 及 して い る (pp .60‐61, SS . こ の た め, 1968年 に は 約50万 . 158-159) 一137.

(5) . 小. 泉. 正. 美. ポ ンド (約5億円) 00万ポ ンド (約30億円) の予算を要すると見こんでいる (p , 1972年には約3 . 436, S ,448 zα”β 40) . 1186;P ,. ・ また, 校舎の修理, 便所 500万円) , 洗面所等の改善のため一校5000ポ ンド ( , 優先地域見こみ の 約2100校 (全 小 学 校 の10パ ー セ ン ト) に つ き 1968年 か ら1972年 ま で 毎 年210万 ポ ン ド 1972年 , , 1の 定 39) ま で に 総 計1,050万 ポ ン ド (約105億 円) を 要 す る と 言 う (p. 437 p 447 7 , . .. この報 告書の 一 大特色である幼児教育の領域 では, 特に優先地域においては 4才から5才ま , での幼児に全 員少なくともパート・タイ ムででも 幼児教育機関において教育を受ける機会を与え る こ と と し, お よ そ50パ ー セ ン トの 者 は フ ル ・ タイ ム で 教 育 を 受 け さ せ る こ と と す る (p 63 S . ,. 165) と 予 定 して い る. 教 育 行 政 措 置 と して, 1968年 に ス タ ー ト して1972年 に ピ ー ク に 達 す る 5 年 間 に , ⑧ ス タ フ を 増 員 して 一 学 級30人 以 下 と す る こ と.. ⑥. 優先地域の教員には, 年間120ポ ンドの手当を支給すること, 助手は, 2学級に一人の割合とすること,. ④. 校舎改造工事のため, 1968~69年度からの5年間に一校につき5 ,000ポ ンドの予算を確保す. ⑤. る こ と. ◎. 4才 な い し5 才 の 幼 児 に 対 す る 教 育 を 充 実 し, 全 国 平 均50パ ー セ ソー ・以 上 の フ ル , タイ ム. 出席を確保すること. 以上の5項目を勧 告 し, その実施に当っては, 1972~73年度までに, 公立小学校教育の全経常費 1,100万 ポ ン ド (約110億 円) の 増 加 を 見 こ ん で い る (p 64, S 70;p 65 S . , こ の よ うな . . , .71). 問題地域, 報告書の言う教育優先地域に住む子供たちの数は, 全国の児童生徒の5分の1になん なんとする数に及んでいると推定せられている, 社会・経済 的事情によ って, 恵まれた子供たち と恵まれない子供たちとの, 教育を受けるあ らゆる機会のギャッ プを縮め, 閉鎖 しなければなら ない, そのためには, 余分の資源と余分の技能 をこの課題解決のために投入しなければな らない と して い る (p .65, S . . 173). (2) 幼児教育の拡充 子供は満5才になる頃には, 既に多くのことばを使い, いろいろな本や玩具・音楽な どに親し んでいる. 問題は, それ以前に, 両親の心遣りと同じく専門家の指導のもとに, 正 しい条件で, 正 しい設備と教材を使 って, 他の子供たちとの交わりのうちに教育が行なわれるべきではないか と い う こ と で あ る (p. 118, S . , 300). しか し, 明 らかなことは, 社会・経済 的に恵まれた家庭環境, その他文化的条件に恵ま れた環 境の中に成長 した子供は, 身体的にも知能的にも, 一般的に優 っている. 貧しい環境に育った幼 児は, 言語に関係する能力において貧弱で, 従 って学習も他の子供たちよりも遅れる. 言語能力 の遅れをとりも どすことは, 出来る限り早い時期に なされなければな らない, 労働者階級の子供 たちには, 豊かで広範な語桑をもった言語能力を作りあげるような刺激も経験も不足であ って, 言語に基 づいて形成される思想も貧しく, 従 って, あ ることを理解するとか, いろいろな事 項の 理解に基づいて一般化するとか, 時間・空間等に関する抽象的概念を把握するとかいうようなこ とが 困 難 であ る (p. 119, S . , 302). 故に, 結論は, 社会・経済的に恵まれない環境にある子供たちに, できる限り早期に豊か7 経 -138-.

(6) . ブ ラ ウ デ ソ 報 告 書. 験を与える幼児教育を実施 しなければな らないというにある. さらにまた, 経済 ,社 会的に不遇な環境のみな らず, 20世紀後半, 特に世紀末に向 っての社会 的変化は, 英国におい ては幼児をもつ母親に も職業をもつことを余儀なくする. いくつかの調査 によれば, 結婚 して子供をも ってから何程かの 期間フル・タイ ムの職業をも った女子は, 5才以 下 の 子 供 をも つ 母 親 の13ノミー セ ン トに 及 ぶ とい う 数 字 が 出 て い る (p. 120, S . 生活水準 の . 305). 向上という圧力は, 収入 の増加のために結婚後も女子を働かせることとなる. 結論と しては, と もかく働く母 親のために, その子供たちに保育と 幼児教育施設の拡充及びそれ らの教育的管理が 緊急な必要事であると報告書は強調 している. しか し5才以下の幼児の組織的教育については, 反対意見もあることは 事実である. それは, 幼児をあまり早期に母 親のもとから長時 間離れさせることは, む しろ有害ではないかと の危倶で ある. 生後およそ3年 間く らいは, 子供はいつも顔を見ている人, すなわち母 親あるいは母親同 様に世話をする人を見 ていなければ安定感が得られない. 不馴れな環境, 見知 らぬ大人や子供, 未知の出来事等々, す べて 不安のもととなる. そのような不安感が継続 し, 定着すると, 健全な 1 P ,S , 独立心とか自然な対人関係を養う どころか, 反対の結果を招くような恐れもある ( . 12 307),. このような事情を考 慮して, 報告書は, 漸進的且つ大規模幼児教育計画を勧告する, 最初の段. 階 に お い て は,. 幼 児 教 育は パ ー ト・ タイ ム で 行 な わ れ る べ き で あ っ て, 出 席 は 週 1 日 で も 2 日 で. もよく, その子供に適 した時刻に適 した時間出席すればよいことと し, 担当の教師と両親との協 力によ って, それぞれの子供に適 したスケ ジュールを作ればよい. 「保育学校は, よい家庭の代 りをする場所ではない. その主たる機能は, ……家 庭がその子供に捧 げるサー ビスを補い, 家庭 における自然な, そ してまた欠くべからざる養育と, 広く一般社会の生活との間の結合の役目を 果 たす こ と で あ る.」 (p. 121, S, 309 (a);p. 121, S . 317). 3才か ら5才までの子供たちのために, 20人 定 員 の保 育 グ ル ー プ (nursery groups) を設 け, es) を 構 成 す る, 各 保 育 グ ル ー プは, 常 に 有 資 格 r 2な い し3 グ ル 【 ブ で セ ン タ ー (nursery cent. 教育の管理下におくことと し, そこには 2年間の訓練を受けた保育 助手を配属し, 10人の幼児に 1 人 の割 合 で 助 手 を お く (p. 122, S . , 311). 報告書の勧告によれば, 3才 以上5才の就学までの子供のうち希望する者は, す べて保育教育 を受けるとい う想定の下に, その施設とスタフの準備を急く こ と. イ ン グラ ン ドに お け る 同 年 令 の グ ル ー プ の子 供 の 数 は, 1970年 代 に お よ そ88万 人, 1980年 代 に は90万 人 と 見 込 ま れ て い る. 3. 才児で保育を受ける希 望の者は, 恐らく半数以下であろう, 4才児は最高90パーセ ントの者 が希 望するであろうという. また, 5才以下の子供をもつ働く母親は, ほとん どす べてその子供たち パ の保 育 教 育 を 希 望 す る で あ ろ う, こ れ を 約 5 パ ー セ ン トと 見 込 み, さ らに ま た, 10 ー セ ン ト の. 母親は, 調査によれば, 自らの子供を充分世話し得ない, そのような 子供たちには, フル・タイ ムの保育を必要とする. 貧困家庭, 片親家庭, 母親の病気等のために保育を必要とする子供たち の 数は, 容 易 に と らえ 難い. こ れ らを 含 め て 約15パ ー セ ン トの 子 供 た ち は,,フ ル ・ タイ ム の保 育 を 受 け る べ き であ る と 報 告 書 は 述 べ て い る (p. 127, S. 329),. そこで, 1975年までには少なくとも74万6千人, 1971年までには77万6千人の幼児を収容する 属し, 60人の幼 1) 8, S 施設が必要であり (p , 各保育 グルー プには経験ある保育助手を配 . 33 .12 97 9年までには 8 75年までには8万 2千人, 1 児に1人の割合で有資格教員を置くこととする. 19 6) 6,S 万5千人の保育助手を必要 とすると見 込んでいる (p , . 33 . 13 9一 一13.

(7) . 小. 泉. 正. 美. (3) 小学校の編成がえについて 現 在 は, 5 才 に 達 した 直 後 の 学 期 にイ ンフ ン ト . ス ク ー ル ( i l 小学校前期) に入 nfantschoo ァ 学 す る こと に な っ て い て 4 ヵ月おきに秋・冬・春の3回新入学児童 を受けいれている.そ して, 7 , 才 に 達 した 直 後 の 9月 の 新 学 期 か ら同 時 に juni or school 小学校後期 , ジュ ニ ア ・ ス ク ー ル (. ). に進 むこと にな っている . そ う す る と, 5 月 か ら 8 月 ま-で の 間 に 生 ま れ た 子 供 は, 9 月 か ら12月 ま で の間 に 生 ま れ た 子 供 よ り も 2 学 期 間 も 短 か い 修 学 で ジ ニ ア .ス ク ー ル に 進 む こ と と な り, ュ. それが後の学 習に大きな影響を及ぼし 子供たちには非常に 不利な条件となる ( , 5‐13 6 pp , . 13. SS . 344-351) .. そ こ で, 報 告 書 は, 2 月 1 日 か ら8 月31日 ま で の 間 に 5 才 に 達 した 子 供 は 9 月 の学 期 か ら, ま. た9月1日から次の年の1月31日までの間に 5才に達 した者は4月の学期から小学校 に入学さ せ 満6 才 に な る ま で は, 両 親 が 希 望 す る な らば 半 日 だ け の 就 学 で も よ い こ とと し Fi S h l(現 t c oo s , r l 在の lnfant Schoo ) の就学期間を3年と して, 満8才に達 した直後の9月 の学期か ら Middl e School(現在の Juni or School ) に 移 す こ と と す る (pp 139-141 S 358”364) 「い わ ゆ る11- , , . .. は, あたかも1066年という年が英 国人の胸に刻まれた年であるように 」 過去の歴史上 のも , ・ , 議論の 分かれたところであ ったとのこと であるが , 何れをと っても, 必ず しもすべての子供に適切な年 令ではあり得ない. 発育には個 人差があ ると共に 一般に女子は男子よりも ααo毎s c e“” が2年 ,. plus. のと な り 得 る か 否 か. Secondary Educat ion への分岐点 を1 2才とす るか13才とするかは. な い し3 年 早 く な っ て い る か ら で あ る (pp 15‐16 SS 39-41 ;p. 142, S. 377;p. 146, S. . , . 385) . Secondary Educa i t on へ の移 行 の 時 期 は, そ こ で 12才 に 達 した 直 後 の 9 月 の学 期 か らと す る ,. .. そうすると, 子供たちの平均年令は, 12才6ヵ月 となる 平均年令5才6 ヵ 月 か ら 3 年 コ ー ス , , l へ, 8才6 ヵ 月 か ら 4 年 コ ー ス の Mi の First Schoo dd l l へ 進 み 12才 6 ヵ 月 で Secon- e Schoo ,. dary Schoo l に進 む と い う 編 成 と な る (p 146 S 385) , . , .. 小学校教育の新 しい編成 では, 学校の名 称変更も望ま しいとして 報告書は 8才にも な った , , 子供たちが 粥ヂαれお と呼ばれることは, 親も子供も喜ばないであろう し 12才になる子供たちは , 兄や姉が Secondary School に い る の に, ブ”〃わγs と言われることを喜ばないであろうと述べ , 5才 から 8才 ま で の グ ル ー プ は Fi tSchool r s ddl e Sch 1 , 8 才 か ら12才 ま で の グ ル ー プ は Mi oo. という名称 を与えたいと提案 している ( p 1 eSchoo ,S. 406). ま た, FirstSchoo1 と Middl . 151 とは原則と して分離 してそれぞれ独立 した学校と し 田舎の村落な どでは併設 しなければ らな な , い 場 合 も あ ろ う と 報 告 書 は 述 べ て い る (p 159 S 426) , . , .. 学校規模としては, 校長が全校生 徒は勿論 彼等の両 親と家庭の事情にま でも通じ得る程度 に , 小さく, また他方スタフに多様な才能の持主を集め学校 内の組織 を充分柔軟な らしめ得る程度に 大. あ. べ. き く る き で あ る (pp. 167‐168, SS 451‐453) 報 告 書 の提 案 に よ る Fi tSchoo l は, 各 r s . . 学年2学級編成 で生徒数約24 M d d i l S 0人, l で は 2 な い し3 学 級 編 成 で 約300人 な い し450人 e choo 位 が 適 当 であ る と して い る (p 172 S 467) , . . .. (4) 助 手 (Teachers Aides) 及 び 保 育 助 手 (Nursery. Ass i stant. 有資格者教員の不足 していることも事 実であるが 教育の能率をあ げるために 報告書は保 育 , , -14 0一.

(8) . プ ラ. ウ デ. ソ 報 告. 書. 助 手 (nur sery assistant と 助 手 教 員 (t eacher i des) 及 び ミー ト ・ タイ ム sa 勤 務 の教員 を大 量 に採 用 す る こ と を強 力 に 求 め て い る (Chapt er24 , pp. 324-338) . 日 本 の幼 稚 園 保 母 に 略 々 相 当 す る ナ ー ス リ ー ・ ナ ー ス(nu rsery nur ses) の 養 成 は 既 に60余 ヵ , 所において行 なわれ 全国保 母試験 委員会(Na , i t I Nursery Examination Bo d ona ar )の定 め て い る. 科目 を修め 同委員会の実施す , る試験 を経て, 有資格者となる者は 00名に及ぶ(p 3 , 毎年20 8 S , .6 . 1029) . また, 同様な保育専門家養成のカ レジも9校あり 入学 者の 最低 年令 , は 1 6 才 であるが 多くは17才 で 特別 の入 学資格 , を定め ているわ けではないが 多 く の学 生は GCE の ○-Level , での合格科 目を一つも しくはそれ以 上もっ ている 修学 期間は普通2 ヵ 年 で あ る (/鰯α) そ し . .. て, 保育助手は5才ない し6才ま での幼児を, 助手教員は5才 から 満13才近 くまでの子供た ちを 対象と して仕 事するよ う予定 し てい る. 従っ て その養成に当 , っ ても 訓練 の強調点 に多 少の相違 は あ ても 略 々 共. 通 であ る 報 告書 は 現在 行 っ , . な わ れ て い る Nat , ionaI Nursery Examinatio Board の 様 式 を 推 奨 し n , 主 と して 子 供 の 発 育 に 関 す る コ ー ス と 保 育セ F ンター i , t 及び rs Scho l Mi o dd l e School を訪問 して観察参 , 加すること, またそこ で用 い られ てい る教 材教具 就 中視 聴覚 教 育 の 実際 的 訓 練 ブ ラ ス 一 , 般教 育等 が主な内容とな て , っ い る (pp.370‐371 謎 1036‐1044) , . こ のよ うな訓練 を受 けた有資格 . 助手を, Fi r l では4 stSchoo 0人ない し80人 (2学 級) の児 童に 対 し1 人, Middl S h e c ool では1 20人ない し160人 (4学級) に対 し1人の割 合で配当 しよ うとす る (P 331 S 923) . , . . また, 結 婚 して 教 職 を 退 い た 婦 人 を, パ ー ト ・ タ イ ム 教 員 と して 学 校 に 復 帰 さ せ 特 に 音楽 ・ 体育 ・裁縫・演劇等 の領域 , (p. 326 S 912) , . .. 専攻 の教員 を, 既婚婦人 の教壇復 帰に. よっ て手助け しょ うと している. さきにあ げた保 育セ ンター助 手と同様 の訓練 を受け 同じ地位 をもつ教員助手の果たす 役割は ,. パ ー ト ・タイ ム の 教. 員 のそれと 同 じよ うに , お よ そ 次 のよ う であ る. . a) 教室におい ても 教室外に おい ても, 子供たちは 各個 でまた , は グループで活動する 1人 の教 師 では と て も 手 が . ま わ らな い . 物 語 を 読 ん で も らい た い も の, テ ー フ ・ レ コ ー ダ ー を利 用 して い る も の , 単 独 で 学 習 して い る も の 等 々‐ ‐ … 何 れ に して も 絶 え ず お と な の , 手 助 けと 激励が. なくてはならない . 教材教具の準備 ・後始末・手入れな ど 教 室の内外 を問 わず 助手 , のなすべ き仕事は多し ・ . また, 校外に観察に出 かけると いうよ うな 場 合に は , 助手は担 任教 師と共に子供たち に同 行する . b) さきにもあ げたよ うに , 音楽 ・裁縫・遊 戯・演劇・図書 室・児童用 図書 の世話 等のような 特技を要する領域 では 特にパ ー ト・タイ ムの助 手が必要 であ る , 学 習時 間のみな らず ク . ラブ活動 にも殊にそのよ うな 補助は , , 学級担任教 師を大いに手助 けする であろ う c) 放 課 後 帰 . ,. 途 に つ く ま で の子 供 た ち の 監 督 . (p. 332, S. 922). 学級担任の教師 を手助けする助. 手を採用すること によ て 教員の っ , 負担 を軽 減 し教育効 果をた かめ ようとする報 告書の提案は , 一般に好 意的に受 けいれ られているけれども 一 方助 手の導入 , によっ て, かえっ て教 育の質を稀 薄に し低下さ せはせぬかという心 配は 理解 し得ることであ て っ いかなる場 合にも , 決 して無 資格教員 である 助手に 子供た ちの 全責任をもた せるよ うなことを , して は な らな い と 報 告 書 は 強 調 して い る (p 331 S . , . 926) .. (5) 勧告案に 基づく経 費. 【14 1-.

(9) . 小. 泉. 正. 美. i t 教育は 「集約労働」(Labou ens ve) であ って, 人件費が諸経費のうちで大きな割合を占め ri n 経済全体系の中で人的資源は益々寡少且つ高価なものとなる一方, 物的資源は益々豊富且つ比較 的低廉とな る傾向 がある。 一般労働者の収入の増加につれて, 教員のそれも略々同じ傾向をた ど り, それにくらべて教材 ・教具・書籍・視聴覚資料等は総じて割安傾向となるものと予想される (p. 434, S. 1180), と 述 べ, 報 告 書 は, さ らに, 急 速 に 変 化 して 行 く 経 済 の 中 で, 働 き 生 き ぬ. いて行けるように, 子供たちによりよい教育を提供 して, 彼等の将来の生活の準備をさせなけれ ば ならない. 19世紀とは違っ て, 現代及び未来の社会は, 極めて柔軟な, 適応力の強い, 教養あ る労働力を必要と している. ある技術に熟練 しているのみならず, 自ら新 しい 技術を学び, 新 し 33, S ) い機械を駆使 し得る労働者を要求 している (p . . 1174 .4 ins 報告書は, 現代の教育には開発せらるべく して, まだ開かれていない能力を残してい Robb 172) ることを指摘 している (p 32 ,S . 現代社会は, 教育によって人的資本の蓄積を益々増 .4 .1 大 し, 教育投資が如何程経済 の発展に寄与 しているか, 正確に測定することは出来ない けれども 殆ん ど限界を知らぬ程発展し得る人間の能力を開発するものは教育, 就中幼児・初等教育である こ とを 指 摘 してい る P1 owden 報 告 書 (pp. 431‐432, SS. 1168-1171) の こ の 点 は, 筆 者 の 最 も 注 目す る と こ ろ で あ る.. 67~68年度から, 児童出徒の増加と, 予想される人口の移動 に伴い, 学校建築計画 として, 19 1969~70年 度 ま で の 3 ヵ 年 間 に は, 年 間 そ れ ぞ れ4400万 ポ ン ドな い し4500万 ポ ン ド (邦 貨 約440~. 6年物価基準) 74~75年度までの5 ヵ 年 間 に は, そ れ ぞ れ4000万 ポ ン ドを 4 50億円)( 196 , さ らに19 見 込 ん で い る. Secondary S chool の 建 築 の 基 本 計 画 と して は, 1970年 ま で は 年 間 約4000万 な い し5000万 ポ ン ド. 000万ポンドを加えると, 全学校建築の経費は, 70年まで年間それぞ 975年まで年間7 70年から1 19 れ9000万 ポ ン ド,. 35, S. 1183). そ の 後75年 ま で 年 間 そ れ ぞ れ1100万 ポ ン ドで あ る と い う (p. 4. 500人, 教育優先地域における学校の, 1学級児童数を30人に減少するためには, 1968年には1 1972年 に7300人 の 教 員 増 加 を 必 要 と し, そ の 手 当 年 間 単 価 120 ポ ン ドと して, 68年 に は60万 ポ ン ド, 72年 には 320 万 ポ ン ドが 必 要 で あ る. また, 採用 予 定 の 助 手 は, 1968年 には700人, 1972年 に は3700人,. こ の 給 与 が72年 には 約300万. ポ ン ドと な る.. こう して勧告案に基づい て, 諸計画 が実施せられるとすれば, 追加されるであろう全経費は, 1968年910万 ポ ン ド, 69年1830万 ポ ン ド, 70年2770万 ポ ン ド, 71年3430万 ポ ン ド, 72年4190万 ポ ン l ド… … そ し て79年7940万 ポ ン ドと e 40). ,予 定 して い る (p. 448, Tab. その後の推移 報告書発表後数ヵ月にわたっ て, プラウデ ン委員会は各地で公聴会を開催 し, その趣旨を説明 するとともに, 各方面の意見を聴取 している. その根本的教育理論については, ほとん ど異論は聞かれず, 宗教教育に関する少数意見は, す でに, 報告書 第1巻末尾に添付せられていて, 大方の異議ある筋の意見を代表 していたようであ ) る4 .. 体罰の廃止について, 賛否両論があ ったことは興味深い. 委員会内部においてさえも, ベイ リ ー142-.

(10) . プ ラ. ウ デ. ソ 報. 告 書. ‐委員は, 体罰を用いることはなげかわ しいけれども, 全廃 してしまって子供たちが体罰を用 い てはならないことを知るということは, ある地域の学校では教育の仕事を困難にすると少数意見 ) を報告書に述べている5 . 一方また, 体罰の廃止な ど思いも及ばない, 「馬鹿馬鹿 しい勧告だ! 体罰は残しておかねばならない, 使うため ではなくても, なければならん, わたしは, 極めて稀 ) に しか答は使わない」 という校長先生もいる6 . 体罰の廃止に賛成 ではあっても, 実際には, な か なか 思 い 通 りに 行 か ない と い う こ と で あ る よ う だ.. 報告書で提案された花大な予算については, 当然のことなが ら, ジャーナリズムが一斉にこ れ 1 をとりあげて, その実現の可能性を危ぶんだ. r卿 方粥B ゑe S βα綿 の め〃αZ S”夢汐Z例解夕” は, 7 1 C”鯖 ば溺れ s r卿 〆 E 鮎 r卿 Z 7 f S Z c eW 7 z S あ S o z o “ 2 ‘ 〃 粥B り G に掲載された批判 の O や意見の大 , , , ) 5 要を伝え, 何れも趣旨には賛成であ っても, 実現は極めて困難であることを示唆している7 , 万人に及ぶ助手をどこから見つけて来るのか, 一体何をするように, どう訓練するのかと嘆息を ) もらすようなコメ ントもあらわれた8 , あたかも, 来るべき経済危機を予知 していたかのような 言 説 で あ っ た. そ して, N. U. T.(全 国 教 員 組 合) の, し・わ ゆ るイ ース タ ー 大 会 にお い て も 組 , i 合事務局長グール ド脚 (S r Ronald Gould) は, 「ブラ ウ デ ン報 告書 は, す で に, 無 視 さ れ た ま ) と評 し ま 徐々 に 死 に瀕 して い る」9 , ま た, こ の 大 会 にそ な え て, 下 院 で の ゴ ー ドン ・ ウ ォ ー カ ー 教 育 相 と 保 守党 教 育ス ポ ー ク ス マ ンた る ポ ィ ル卿1(Si r Edward Boyl e) と の 間 の 議 論 の や り と. りの中でも, 報告書の勧告をどのように実施するかについては, 何等具体的計画は示され ないま o ) ま に終 っ たl ,. 1月, 遂にポンドの切下げが行 なわれ, 英国経済 の疲弊は蔽ぅべくもな く, 「乞 その年の秋, 1 IQ 諸外国は, もはや相手には しない 食のように椀をささげて, 生活水準の保障を求めても」 , 1 2 ) 「イギリス共和国は消えて行く」 とさえ告白せざるを得なくなった. タイ ムズのこの記事を見 て, 嘆息を禁じ得ないのは独り著者のみではあるまい. 自分のお金ですること ならば, 誰も文句 はなかろうが, 外国 の援助がなければやって行けないと言いながら, 諸外国よりもはるかにぜい たくな教育をしていれば, 他人はお やと思いはじめるのは知れたことである. 小学校就学は多 く の国 よ り も 1 年 早 く, あ る 国 々 よ り は 2 年 も 早 い. 西 ヨ ー ロ ッ パ の どこ の国 を 見 て も, イ ギ リ ス. 程大学を寛大に支持している国はありはしない. 西 ドイツでは, 半数以上の大学生が何らの援助 も受けていない, アメリカでは70%以上の学生が全然親の負担か, もしくは学生自身の努力に よ っ てい る. フ ラ ンス で は 国 の 補 助 を 受 け て い る 者 は22% に 過 ぎ ない, と こ ろ が, 英 国 で は, ほ と. 1 ) ん ど全部の学生が国家の補助を受けている1 . ポ ンド切下げの発表直後, 1 1月19日ウィ ルス ソ首相はテレビ放送の際学校建築の予算はカッ ト ’ と い う こ と ば は 口 に しな か た と い う1 3 ) 「政 府 に 歓 迎 i しない と 述 べ た け れ ども, “educat on’ っ .. せられ, 原則と して受けいれられた報告書は, 今や永久未決の運命を背負わされ, 初等教育に関 ) 年明けて1 1 4 96 する プラウデン報告書弔いの鐘は, は っきり鳴らされた. 8年, 報告書発表後満1 」 ) 1 5 年, 1月16日, 政府は教育予算の大幅削減を発表 した . まず, 1970一71年度実施予定であ った義務教育年令を16才まで引上げる計画 を, 19 73年まで延 l の生 徒 期す る こと と し, こ のた め の割 当 予 算1600万 ポ ン ドを 返 還 す る. 次 に Secondary Schoo 1 パ に対する / 3 イ ント の牛 乳 無 償 供 給 を1968年 9 月 か ら 停止, こ れ に よ っ て1968~69年 度300万 ポ ン. ド, その後毎年500万ポ ンドの節減となる, 小学校児童に供給さ れる牛乳は従来通り. 因みに, 学 校給食費も, 一食1シリ ング (引下げ後約86円) であったか, 1 96 8年4月から1シリ ング6ペ ソ ー1 43-.

(11) . 小. 泉. 正. 美. 6 ) ス (約129円) に 値上 げ せ られ た1 ,. 7 ) 学校建築予算も, 3600万ポ ンドの削減と なり1 , いわゆる教育優先地域 については, 報告書の 勧告な ど教育科学省には, 明確には理解されてもいない, 予算の配分など思いも及ばぬ, と プラ 8 ) ウデソ女史は失望 してし・る1 , 義務教育在学年令引上げを1973年まで延期することによ って節約 し得 る1600万 ポ ン ドを 学 校 建 築 に ふ り む け る と い っ て も,. そ れ はす べ て の タ イ プ の 学 校 の こ と で. あ っ て, 教 育 優先地域 の教育改善 と何かの関係がありそうなことをほのめかすウォーカー教育科 ) 9 学 相 は, 全 く 偽 善 的 で あ る, と タイ ム ズ は 厳 しく 批 判 す る1 ,. このよ うに, 財政的裏 づけがほとん ど皆無に等しい ブラウ デソ報告書の勧告は, 当面実現の見 通 しは立 .た ないけれども, その内容の重要 性を見逃してはならない. m.. む. す. び. すでに述 べたように, この報告書に強調せられた幼児教育の革命的改善 と, それに関連 して, 貧民街の恵まれない子供たちに対す る 教育の改善を ,まっ さきにとりあげていることに注目 しなけ ればならない. そこには, 社会福祉的教育政策というよりは, む しろ人間能力, 特に人間知 生の 開発に, 根本的改善を加えよ うとする強力な意図をうかがうことが出来る. 教育は, 誕生の瞬間から始まるにもかかわらず, 教育論は概ね学校教育か, せいぜい幼稚園教 育 を そ の対 象 と してい る.. 4才 な い し5 才 で 幼 稚 園 に は い る か, 6.才 に な っ て 小 学 校 に就 学 して. は じめてその教育について論議される. 保育園・保育所等にあっ ては, その名称が示すよ うに, 母親に代って子供を世話することがその主目的であり, 幼稚園においても, 子供たちの遊びを通 じての人間関係, いわゆる社会性を養うことを主な目的と して, カリキ ュラムは遊びがその大部 分を占めている, 保育園ない し幼稚園以前のことは, 育児であっ て, そこでは身体的発育の方が 重視せられ, 知性の教育は見逃されている, 幼児教育は, 今や根本的に改革せられるべきであ っ て, それは先進諸国の趨勢でもある. ブラウデ ソ報告書の提案もその一つのあ らわれである, ional sc i lns負tut ジ ェ ネ バ の教 育 科 学 研 究 所 ( ) 教 aget ences) の ピ プ ジ ェ (Jean Pi e of Educat. 授 の研 究 は, 余 り に も 有 名 で あ る が, そ の アメ リ カ 版 と い わ れ る,. ハ ー バ ー ド認 知 研 究 セ ンタ ー. ive Stud i Jerome t (Harvard Centerfor Cogni esl960年 設 立) の ジ ェ ロ ウ ム ・ フ ル ー ナ ー 教 授 ( s . Bruner) の研 究 も 近 年 日 本 に も 知 られ て い る, 彼 は 最 近 ウ ィ リ ア ム ・ ジ ェイ ム ズ 行 動 科 学 研 究 l l i i 所 (Wi am James Hau for BehavioraIS ) を開設 し, 誕生直後の新生児から研究をは じ c es enc 0 ) ま た 認 知 心 理 学 者 た ち の バ イ ブ ル と ま で 評 せ ら れ た マ ッ ク ビー・ノ・ め て い る と の こ と で あ る2 , . Zを8ヵ” α7 ce 2〆 EズPeγ卿z s) が 出 版 さ ) の 『知 能 と 経 験』 (ヱ〃ZBZ ソ ト (Mcv. Hunt , Ronald Pres 1 ) イ リノ イ 大学 ハ ント れ た のは1961年 で, 出 版 後 ほ と ん ど一 夜 に して ベ ス ト ・ セ ラ ー と な っ た2 .. 教授によ れば, 「全国民の大多数の人々の知能 のレベルを高めよ うと企てることは, 道理にかな 2 ) ピ ッ ツ バ ー グ 大 学 オ マ ー ル K. ム ー ア 教 授 の, 「も の 言 う タイ プ ラ っ た こ と で あ る」 と い う2 .. イター」 を使 っての実験では, 3才児が読み書きを学習 し, 物語や詩を書く程の実績をあげてい 9 ) コネ ティ カッ1 ・州 グリ ニ ジ の ラ ム プ ッ シ ュ 夫 人 (Nancy McCortnick Rambusch) の 新 モ る2 . ) 4 ンテ ッ ソ リ ー ・ ス ク ー ル で は 2 才 児 か ら組 織 的 な教 育 を行・な い, 4才 で は も う 遅 す ぎる と い う2 .. これら幼児教育研究の先駆者たちは, 子供の社会性というよりは, む しろ知性の早期開発を目 ‐ ざ し, 着実にその成果をあげつつある点に注目 しなければならない. 今世紀初頭 「20 世紀は子供 5 ) の世紀」 といわれたが2 , 今世紀の末にかけては, いよいよ 誕生直後の子供たちに, 今日の学校 -1 44-.

(12) . プ ラ ウ デ. ソ 報 告 書. 教育のよ うな組織的教育機関を設け, 早期幼児教育専門家を配置するよ うな新教育制度が樹立せ られ る こ と と な る で あ ろ う. NOTES. 1) P1owden 報告書は, 2巻になっていて, Vo l ume l: Report; Volume 2: Research and Surveys , その. Ti l P 肌ARY SCHOOLS A rePor t i eoま, CHILDRBN and the r PRI t是l the Cent I Advi l i ra sory Counc , for Educa l i t i i ice 是1 5s 0d Ne i and) on (Eng onary oR e sがs Stat ce t , Her Ma , Pr ,1967 と な っ てい る, Vo lume l 開巻へき頭に当時 ( 1 0月) の教育科学相 Ant 966年1 l hon Cros and の序文が掲げられて. y. い. る.. 2) T粥 ”’ ”e s βば堀α加 加Z S物〆加瑠 . day Januar Fr i T y 13 た 7T Z OO Mz O Pαッ ぞoγ Z c ‘ , 1967 ,96 , P , 7. lなどの小学校は 現在なお 英国にはこんな学校がある 3) ロ ン ドン市東部の East End とか Whi t echaPe , , のかと驚くような状態である. イ トス ト・ エ ン ドの ウ ール モ ァ′ lmore Pr imary S ・学 校 (Woo 」 l ) choo . 多くの場合母親だけ, 両親そ i t IAs i ろっていても父親は政府の生活扶助 (Na t ona s s anc e) を受けている. 子供たちはほとん どみな政 府の衣服無料支給を受け, 25 0人の児童のうち76%のものが給食 (朝・ひろ・晩) 無料支給という状態・ 児童の移動が頻繁で, あるものは, 1週間で他に移って行く, 昨年度 (1 965~6 6) 9カ月間の児童移動率 (t urnover) は75% で あ っ た, と アイ レ ッ ト校 長 (Mr l t t ) は い う. e . H. A.1 ス タ フ 8人のうち, 3人はもう5年以上勤続であるが, 今年度中 ( 967年) に5人が他に転出予定で, t ス タ フの タ ー ンオ ー バ ー も50% で あ る,. PTAなどはないが, アイレット校長は, 親たちに, 「うろうろ学校にも, やって来い」 と奨励 しても なかなか来ない. 来るときは, 何か女句のある時だけだ. けんかの際の悪口雑言なら, 自分も育ちが育ち だから, ひげはとらない, と校長先生はいう. それでも, 親たちとの間はうまく行っている 夜の会合に . は来る者もいる. ひろ間は大切だからである. また, 朝早くやって来るものもある だから アイレッ ト , . 校長は, いつも朝7時前には学校に来ているのだそうである. ホ ワ ィ トチ ャ ペ ル に あ る, ス チ ュ ワ ト・ ヘ ドラ ム 小 学校 (St imary Schoo t Headl l ewar am Pr ) の ブラ. 0人の児童のうち, 1 0人が無料給食該当者, 父親はたいてい ドッ クの労働 3 ックモア校長の話によると, 15 者, 母親はオフィスの掃除婦, 7人から1 0人くらいの子供をもつ家庭は珍 しくない, 15人もの子供をもつ . 母親もいる. 両親がなくて祖父母に育てられているもの, 4人も5人もの子供がありなが ら母親が家出 して しまった もの, 何人もの男と関係をもって, その度に子供をもった母親等々. 「中には, 愚かで, 略奪的な男にな ら, 誰にでも利用される女もいるのです」とブラックモア校長先生は説明する.(r彰 T卿e s gd“cのめ”αZ S”めP毎朋蹴る Fr day January 20 i A 1 P Z 2 d 7 …D β ヂ彰 卵 “ 劫 『 D γ o w e p “ z U o 7 z 餌 z z e ゆ“の縦) , , 1967 , , ,. l 4) Vo ume l s g γりのま伽 o” 尺8”倉海淵 βほ粥のめ” .489‐493 , pp , 那o招 け Re , A.J , By prof . Ayer . C. , Dr R.Bya P f V i D D M t t r o th, Prof o n n s o n r s , , . , . E. V.Smi .J . M. Tannerand Dr , . M. Young . l 5) Vo l ume l eo Z P“煽動“徳川,By Miss M. F. Bai f 尺窃8かのぼ り”o免 C l oゆリ ブ α ey .493 ,P , Mo . i day January 20 6) T海 加悌 互は”鉱物 伽‘S“カメ8粥如f L i t ー echape , Fr .172 , 1967 ,P . ondon 東部の Wh l にある Stewart Head di am 小学校の B1ackmore 校長の談話. ”Corporalpunishment? A r l i cu ous i ined t mus t be re ecommendat ta r on! l l . Notto be used y usethe . l very rare ,butto be there “ cane . i day January 20 i 7) r棚 罰加g o テ娘‘Sは力め詑用例『 s gd”鯛Z .176 , Fr , 1967 ,p . d 8) 効′ . .137 , Com粥鋤Z ,P . iday Mar ・ i f 9) r彰 万創g “カメ靴粥7 S Eα“仰ぎ ch 31 D伽ZS z f s gr C妨げ好例c郷‐ , 1967 , Pp , Fr .1056一1057 , βα N. U. T.. 10) r卿 毒”e ‘ day March 24 i s 互は”鯛” z ‘ i ”d S カメeme昭, Fr e s m扇 P姻戚e “ .986 , 1967 ,P , PのZ . i 11) r彰 βα“cのぼ F d f J i り”〆 s z zの〆β粥g z r a a z nuay 12 y o“〆: WANTING FOR IT. .99 , , 1968 ,P , 丑d i 12) r海 βα day February16 2にα飾り”牧ZS“ゑ卿朋伽ず ldatl arge: Co ’ 算粥o%w加島庵 , 1968 .519 , Fr ,p , The Wor 13) r乃e rd加g ZS“姿汐毎粥禦ご day November24 i S Eα郷α飾り”α , Fr .1212 , 1967 ,p . i 14) T彰 rぜ加e ! day November17 s Ed粥鑑 1105 り ァ〆 S“姿弱em釧Z t: P“鉱含増 P卿ジ P l l ー , Fr , , 1967 , , Comme 15) 〇汐 . 切り January l9 .133 , 1968 , PP , 171 , 172 . 〆 16) あす .. -14 5-.

(13) . 小. 泉. 正. 美. iday February 9 f ZS“姿弱e粥雛z 17) T卿 r i粥榔 互冴郷研ぎ伽α .442 , 1968 ,P , Fr . f ed, i f 18) 0力.c o z odg“ Dsα力めo ”ず . ,90 , 上αdy PZ , 1968 ,P ,January 12 19) Zるば・ .57 , Comment ,P . Zz l i Z % shers γ s fγo粥 鰯γ豹 Z OS 20) Pi nes , Harper & Row, Pub , , Maya: R勿o賜物” 鋼 乙弧γm”g, 秋8 Iα み β ば ル 妬 メ C T ゐ 入 定 h ー e γ s New York 1 6 t 3 8 粥 9 叫 7 a e r p , , , 21) 〇汐 .46 . “すん P . i b i z d 22) 。汐 .G . ,省 . ま ま 23) 〇力 r 5 丁海 扇顔”g ryPezwγ紡げ. e .G . , ChaPt Z 24) 0汐.c仏, Chapt o”f e s s o“ S物oo er6 丁毎 A加釧に””i細”o” of ル名 .. アメリカにおけるモソテッソリー運動の復活は注目に値するものがある. 今世紀はじめ, 1912年モンテ ミ ッソリー女史訪米の後の隆盛を凌ぎ, 幼児教育に革命的一時期を画 しつつあるとのことである. マヤ・′ 00校以上のモソテッソリー・スクールが開設せられた. (妨餌〕 ィソズ夫人によれば, 過去数年間に3 1 900年であった. (原田実 18 1 6 25) BI 4 9‐ 92 en Ke ) の 『児童の世紀』 がスエーデンで出版せられたのは, 1 y( 52年 まえがき 4頁) 著 「エレン・ヶィ 児童の世紀」 福村書店発行 19 .. 46一 -1.

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