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国際労働者協会と組織原則II : ジュネーヴ大会とローザンヌ大会

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(1)Title. 国際労働者協会と組織原則II : ジュネーヴ大会とローザンヌ大会. Author(s). 荒川, 繁. Citation. 北海道教育大学紀要. 人文科学・社会科学編, 51(2): 145-159. Issue Date. 2001-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/704. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . . 北海道教育大学紀要 (人文科学・社会科学編) 第51巻 第2号. 平成 13 年 2 月. Journa lofHo ぉ永山doUnivers ) Vo iけof Educat i i i ia ISc i l t on (Ht皿an esandsoc ences .2 ‐ 51, No. Febma ry, 2001. 国際労働者協会と組織原則虹 ソ ユ ネ ー ヴ大会と ロー ザンヌ 大会 (上). 荒. 川. 繁. 北海道教育大学釧路校社経研究室. 工 = A. ジ ュ ネ ー ヴ大会. ) 国際労働者協会創立期の中央評議会の論議 1 ) ロ ン ドン協 議 会 1865年9月25~29日 2. ) 中央評議会の論議 3 4 ) ジ ュ ネ ー ヴ大 会 1866年9月3~8日. ) 大会後の総評議会での論議 5 以上, (上) B‐ ロー ザンヌ 大 会. ) 総評議会での論議 1 ) ロ ー ザンヌ 大 会 1867年9月2~8日 2. ) 大会後の総評議会での論議 3 m 以上, (下). 20世紀の社会主義の歴史的経緯は, マルクスの組織論を重要な課題として提起しているといえよう‐ 本稿 は, 国際 労働 者 協 会の 創 立 期 をな す1866年 の ジ ュ ネ ー ヴ大 会 と1867年 の ロー ザ ンヌ 大 会 を検 討 する こ と で , ) マル クス の 組 織 論 を考察 せ んと する も の である1 ‐ 1864年 9月 に 設立 さ れた 国際 労働 者 協 会の 「創 立 宣 言」 で マル クス は ま ず1848年 から1864年の最 も工 , ,. 業と商業が発展した時期に, 労働者の貧困が減少しなかったこと, 経済的進歩の時代にあって イギリス帝 , 国の 首都 で餓 死 が日 常 時 で ある こと, そ して 商 工業 恐 慌 a conune lcns i rc凪 andi ndus館a s と いう 疫 病 が 頻. 繁に繰り返されるようになったことを指摘したのち,1 848年革命以降の運動の歩みを次のように総括した. 一つ は, イ ギリス の労 働者 階級 が30年 間 にわ た り 闘 っ た のち 勝ち と っ た 十 時間法 案 で ある 十 時 間法案 は . ,. 大きな実践的成功であるだけでなく, 原理の勝利であった. 中産階級の経済学 (需要供給の法則の盲目的支 配) が, 労働者階級の経済学 (社会的先見によって管理される社会的生産) に始めて屈伏した ‐ さらに, 所有の経済学に対する労働の経済学の勝利として協 同組合運動があった 協同組合運動は次のこ . と を 示 した‐ 第 一 に, 大 規 模 に営 ま れる生 産 は 主 人の 階 級 がいなく て も や っ て い ける と いう こ と 第二 に , , ,. 労働手段は, 支配の手段として独占される必要はないこと, 第三に, 賃労働は, 奴隷労働 農奴の労働と同 , じように, 一時的な, 下級的な形態にすぎず, やがては自発的な結合労働に席をゆずり, 消滅するであろう 145.

(3) . 荒 川. と いう こと である. この よう に1848年 か ら1864年 ま での運 動の 歩 み を総括 した あ と, さ ら に運 動 を前 進せ しめ る ため に. 「政治. 権力を獲得すること t oconquerpoロロcalpower が労働者階級の偉大な義務となった」 と述べる. こ れに対 して労働 者 階 級 は成 功 の 一つ の 要 素 をも っ ている‐ 人数 である. しか し, 人数 は団 結 によ っ て 結 合 さ れ, 知識 によ っ て導 か れる場 合 に だ けもの をいう. イ ギリス, フラ ンス, ドイ ツ, イ タリ ア で運 動の復 ) ki ng medsp無げ の政 治 的再組 織の ため の努 力 がな さ れて いる2 活 がおこり, 労働 者 党 伍ewor ‐ で は, こ れらの 課題 を実現 する 国際労 働者 協 会の組 織 と はいか なる もの であ っ たの か‐ マルクス は, 国際. 労働者協会の確立期に, どのように運動を編成しようとしたのであろうか‐ 国際労働者協会における大会の 意義を, すなわち国際労働者協会における意志決定の機構を, ジュネーヴ 大会とローザンヌ大会を中心に } して考 察 する3 ‐. A. ジ ュ ネ ー ヴ大 会 1866年. ) 国際協会創立期の中央評議会の論議 1 1864年10月 5 日に, 最初の委員会が開かれた‐ オッ ジャーが議長となった. 国際労働者協会の原理が議 論 と な っ た. そ の 後, ウ ェ ス トン やメ ジ ャ ー ウ ォ ルフ か ら草 案 がだ さ れ, 委員 会の 討 議 を経 て 論議 さ れた. } そ して1864年11月1日の 中央評議 会 で, マル クス の 起草 した創 立宣 言, 規 約, 前 文 が承認 さ れた4 ‐. 暫定規約の第3条で 「 1865年に, 国際協会に加盟した労働者諸団体の代表をもって構成される一般労働者 大会をベルギーで開催するものとする. 大会は, 労働者階級の共通の志望をヨーロッパ にむかって宣言し, 国際協会の規約を最終的に決定し, 協会の活動の成功のために必要な方策を審議し, 協会の中央評議会を任 命すべきものとする‐ 一般大会は年一回開催するものとする」 と述べる. また第8条で 「第1回大会が開催されるまでは,1 864年9月28日に選出された委員会が, 暫定中央評議会と して行動し, さまざまな全国的労働者協会との連絡をはかり, 連合王国内で会員を獲得し, 一般大会の召集 を準備する措置をとり, 大会に提出されるべき主要な問題について, さまざまな全国的および地方的団体と 協議するであろう」 と述べる‐ 0条で 「国際協会に加盟する労働者諸団体は, 兄弟的協力の永遠の紳で結 ばれるとともに, その 最後の第1 既存の組織をそのまま維持する」 と記し, 国際労働者協会の基礎組織単位としての労働者団体を重視すると ともに, 各国の労働者諸団体の 「全国的な中央機関に代表される全国的な団体への結合」(第7条) を提起 した. 中央評議会は, これらの労働者諸団体の 「国際的仲介機関」(第6条) として行動するのである‐ 規約第4条には, 中央評議会はロンドンに置かれ, 各国の労働者から互選されること, また議長, 書記長, ) 会計, 各国担当通信員 が事務を担当すると述べられた5 ‐ 中央評議会の会議では, 議長 (オッジャー) あるいは副議長 (エッカリウス) が司会を勤めた‐ また, 会 議にさいして前回の議事録が確認された. マルクスは, ドイツ担当通信書記に選出された. 1865年にはいると, 国際協会の暫定規約を受けとめ, 加入を希望する諸団体が各国で次第に増えてきた. また, 賃上げ闘争のストライキをめぐる報告がリヨンの労働組合からも報告された. 他方, 中央評議会でも, 労働組合による賃上げ闘争についてウェストンから問題提起され, 論議された‐ 1 86 5年5月30日の中央評議会で, マルクスは, 中央評議会が, 今年ベルギーで開催予定の労働者大会の準 備 に力 をそ そ ぐべき である と述 べ た‐ 6月13日の 中央評議 会 で, ジ ュ ネ ー ヴか らの 手 紙 が報 告 さ れた‐ そ れ は, 大 会の 日程 およ び議 題 につ いて 146.

(4) . 国際労働者協会と組織原則ロ ジュネーヴ大会とローザンヌ大会 (上). 質問していた. 大会について論議されたが, この問題は小委員会に委ねられた. 7月18日の中央評議会で, デュポンは大会に関するフリ ブルクからの手紙を提出した. その問題の検討は ) 次の会議に延期された‐ その会議で小委員会が報告すること, また書記は総会の召集を指示された6 . な お, パ リ の 委員 会 は, す でに フラ ンス の 新 聞 で 次 の 議 事 日程 をも っ た 大会 開催 の 呼 びか けを公 表 して , い た. 1 ) 国際協 会の 目 的 は, い か なる も の か. そ の 活動 方 法 は, いか なる もの か. 2) 労働, そ れらの 衛生 的か. ) 衛生と道徳の見地から工場での婦人労働と児童労働‐ 4 つ道徳的な結果, 万人の労働義務‐ 3 ) 失業, その ) ストライキとその成果‐ 6 救済手段‐ 5 ) 労働組合, その原理と実践. 7 ) 初等教育と職業教育‐ 8 ) 資本と } ) 外国との競争, 通商条約‐ 10 労働との関係. 9 ) 生産の見地からの常備軍7 ‐ 7月25日の 中 央評議 会 で, 大 会 につ いて論 議 さ れ た. フ ォ クス が次 の小 委員 会の報 告 を提 出 した‐ ヨー ロ ッ パ の プロ レタリ アー トの利 害一 般 を討 議 する ため, 今 年 ブリ ュ ッ セル で大 会 を 開催 する と いう, 国際協 会 創 立 時の 公 約 を実 現 す る こ と を求 める フ ラ ンス と スイ ス 担当 の 通 信 書 記 か らの 意 見 に 鑑 み 問題 を検 討 し , , 次 の提 案 をこ こ に述 べる. 1. 現 在, 大 会 を ブ リ ュ ッ セルや ロン ドンで 開催 する こ と は困 難 である の で こ れに代 えて協 議会 をロ ン , ドン で, 9月25日の月 曜 に開 催 する こ と を提案 する.. 2‐ 我々の主張に好意的な大陸及びイギリスの新聞に次の声明文が公表される. 国際協会の中央評議会は , ブ リ ュ ッ セ ル で労働 者 の 大 会 を開 催 する こ と を延 期 する こと を決 議 する そ の 理 由 は 第一 大会 に提 出さ ‐ , ,. れるべき大会議案を扱う予備的な協議会を, 大陸の主要な支部の幾人かの代表と開くことが 賢明であると , 考 え たこ と, 第 二 に, イ ギリス で は改革 運 動 産 業 博 覧 会 総 選 挙 そ して フラ ンス で はス トライ キが 労 , , , ,. 働者階級のエネルギーと注意を吸収し, 国際協会の成熟を押し止めていること, 第三に 今年 ベルギーの , , 首都で, 国際協会により大会あるいは協議会開催の計画を妨害する性格の外国人法が通過したからである ‐ 3. 協議 会 で は, すべ て の 中央機 関か ら二 人の 代表 リ ヨン か らも 二 人の 代表 が 召集 さ れる 代表 者 の交 , ‐ 通費 は選挙 人 によ っ て負 担 さ れ, ロン ドンでの費 用 は 中央 評議 会 によ っ て 負 担 さ れる , ‐ 4‐ 費 用負 担 につ いてユ ン グ氏 か ら住 居へ の宿 泊の 提 案 があ り ま た寄 付 会員 カ ー ド等 の販 売 に よる 捻 , , 出 がある.. 5‐ 小委員会は, 次の大会議案を提出した‐ ) 大 会 問題 1. ) 国際協会の組織 2 ) 資本と労働の様々な国民的闘争における国際協会による運動の統合 3 ) 労働 組合, その 過去, 現在 未 来 4 ,. ) 協同組合労働 5 ) 直接税と間接税 6 ) 労働時間の短縮 7 ) 婦人労働と児童労働 8 ) ロ シ アの ヨー ロ ッ パ への 侵 略お よ び完 全 に独立 したポー ラ ン ドの 再建 9. ) 常備軍と生産階級へのその影響 1 0 6‐ 委員会と共に開かれる代表の予備的な会議および中央評議会とともに開かれる最終の会議 ‐ 7. 9月28日 に次 の 三つ の 目的 で夜 会 が 開か れる 第 一 に 国際協 会の創 立 を 祝う ため 第二 に 大 陸 の . , , ,. 代表者に敬意を表して, 第三に, アメリカでの連邦制度と自由労働の 勝利を祝して 夜会には 茶 演説 ‐ , , , 147.

(5) . 荒 川. 繁. 懇談 会, ダンス がある. ウイ ッ トロ ッ ク とメ リ マ ン は述 べ た. ロ シアの侵 略の 議 案 は, 社 会的 な性 質の 他の 議案 と異 なり, 政治 的 な議 案 であり, 末 尾 に配置 さ れる べき である. 承認. 教 育 問題 がフラ ンス の 議案 に 含ま れて い たよう に, 中. 央評議会の議案に含まれるべきである. 不承認. 以上の大会議案は承認された‐ 9月1 2日の中央評議会で, 協議会の詳細な検討は,19日まで延期すること, また協議会の討議のための特 9日の中央評議会で, マルクス は, ドイツから代表が参加しな 別の集会を開くことが話された‐ そして9月1 いこと, しか し活 動の報 告 が送付 さ れて おり, か れ はそ れ を協 議会 で読 むと述 べた‐ ま た, スイ ス か らの 二. ) 6年に一般大会を召集することが決議された8 人の代表, 参加費用, 夜会について話された‐ また186 . ) ) ロ ン ドン協議 会 1865年 9月25日 ~29日9 2. 9月25日 大陸の代表と常任委員会の会議 ユ ン グ が議長 と な っ た. 最 初 に, 国際協 会の会 計 が論 議 さ れた‐ ベ ル ギー, フ ラ ンス, スイ ス 支 部の 会計. 報告, また大会参加費用について論議された‐ 9月25日 協議会 小委員 会の代 表 が参 加 した. オ ッ ジ ャ ー が議 長 につ き, ユ ン グが副議 長と して 通訳 を担当 した‐ フラ ンス, イ タリ ア, ベ ル ギー, ドイ ツ, スイ ス, ポー ラ ン ド, ス ペイ ンか ら代 表 が参 加 し, イ ギリ ス から は労働 組 合 の代表 が参加 した. クリ ー マ によ っ て, イ ギリス で は経 済 問題 に 取り組 む労働 組合の 活 動 が, フラ ンス か ら. は政治問題より社会問題を重視する状況について, スイス からは労働者の自己解放の必要性が報告された. ポーラ ン ドの 独立 問題 が, フラ ンス, スイ ス の代 表 から話 さ れた‐. 新聞も論議され 「ワーキングマンズ・アドボケイト」 が, 国際協会の機関紙として決められた. 9月26日 大陸代表との小委員会 ユ ン グが議 長 につ い た‐ マ ルクス は, 中 央 評 議 会 を代 表 して, 大 会 を ジ ュ ネ ー ヴで開く こ と を提 案 した‐. 外国人に関する法律に鑑み, 大会をベルギーでなく, ジュネーヴで開催することが協議会で論議された. 大 会 開催の 時期 が 問題 と な っ た が, マルクス は, 翌 年の9月 開催 を提案 した‐ フラ ンス の代 表 か ら4月 開催 が 提起 さ れた‐ ドイ ツ, ス ペイ ン, イ タリ ア で国際協 会 が広 ま っ てい ないこと から 9月開催が支持されたが,. パリ委員の要請で5月開催となった‐ 国際協会の組織が問題となったが, 国際協会の組織は協議会の問題でなく, 大会の問題であることが確認 された‐ 次に, マルクスとフライ ブルクは, 大会議案として, 協同組合労働, 労働時間の短縮, 婦人労働と 児童労働, 直接税と間接税を提案し, 支持された. また次の議案も支持された. 各国での資本と労働の闘争における国際協会による運動の統合‐ 労働組合, その過去, 現在, 未来. 常備軍, 生産階級の利害へのその影響. 9月26日 協議会 オ ッ ジ ャ ー が議 長 で, ユ ン グが通 訳 と副 議 長 を勤 めた. クリ ー マ が先 の 二つ の小 委員 会の 報告 をおこ な い,. 協議会に問題を託した. ) 150ポ ン ドが, 宣伝 と 大会 の 費用 にあて ら れる. 承認‐ 1 2) 大 会 は, ベ ル ギー でなく, ジ ュ ネー ヴで開 か れる. 外 国 人排 斥 法の ため. 承認‐. ) 大会をベルギーからジュネーヴに移したのは, ベルギーで成立した非市民的な外国人排斥法が原因で 3 148.

(6) . 国際労働者協会と組織原則ロ ジュネーヴ大会とローザンヌ大会 (上). ある こと を記 録する‐ 承認‐ ) 大 会 は, 次 年度の5月 に開 か れる‐ 論議 が起 こり 多数 は支 持 した が 反 対 が残 っ た. 4 , ,. ) 大会議題について. 一つを除き, 先の会議の議題が承認された‐ また大会参加者を各支部の代議員に 5 のみ限定するのか, それとも国際協会に加盟しない労働諸団体の参加を認めるのか, あるいは討議への参加 を認めるが投票権を認めないのかで論議された. 9月27日 協議会 オ ッ ジ ャ ー が議 長 を務め, ユ ン グが通訳 と副議 長 を担当 した.. マルクスは, 小委員会と代表との集会の報告を朗読した. 承認‐ 1 ) ジ ュ ネ ー ヴでの 大会の 後 に, 集 会 を開く こ と. 承認‐. ) 病人, 孤児, 老人に支援金を与える問題は, 大会に委託された‐ 承認. 2 ) 国際的な信用協会の設立‐ 承認‐ 3 4) ロ シ アの ヨ ー ロ ッ パ への 侵 攻 を止 め, ポ ーラ ン ドの 独立 再 建 を支 援 する こ と‐ 議 論 が別 れ た. オ ッ ソ ャ 一 は, 国際協 会の創 立 集 会 で は, イ ギリス と フラ ンス の 労働 者 はポ ーラ ン ドを支援 した, ポ ー ラ ン ドを支援 すべき である と述 べ た‐ ) 宗 教 問題. 5. 9月29日 大陸代表者と常任委員会の会議 宣言を全ての支部に送付することが承認された‐ 150ポン ドの利用. マルクスが議事録を朗読し 承認さ , れた‐. ) 中央評議会の論議 3 1865年10月3日 の 中 央 評議 会 で, ロン ドン協 議 会 の 報 告 が 論議 さ れた カ ータ ー と リ ュ ベ ッ ツ は マル ク ‐ ,. スが協議会活動報告を編集することを提案し, 承認された‐ 11月21日の中央評議会で, マルクスは, 報告書作成の撤回を提案した. 国際協会の創立一年を経て 国際 , 協会の活動報告を作成することが協議会で決議されたが, 一つに, フランスの代表は すでに報告書を岬つ , 公表しており, また現時点での報告書の出版は時宜に適していないので 5月まで延期すべきである ベル , . ギーの通信員とユングには, 決議と議題の写しは贈ってある‐ 報告書を作成するという決議 は撤回された ‐ 1866年1月23日の 中央評 議 会 で, ウ ェ ス トン は 中央 評議 会 が大 会の 議 題 に含ま れて いる 原理 につ いて議 , 論 を 始める べ き と述 べ た‐ マ ルクス は最 初 に議論 の 方 法 を決 め る べ き である こ と そ して 第一 に 創 立 宣言 , ,. と暫定規約に含ま れている国際協会の一般原則と目的をロンドン協議会で提起された諸問題の討議に先立っ 0 て 明確 にする こ と を提 起 した1 1 4月 3 日の中央評議会で. , ユングは, 二つの手紙が大会について問い合わせてきたと述べた. それは, 大 会開催の正確な日時, 代議員の費用, 運営方法について尋ねていた. 手紙は 中央評議会が 複数の言葉で , , 回状を発行し, 大会で論議されるべき問題を明確に公表すべきことを求めていた ‐ 4月10日の中央評議会で, 大会は6月の最初の月曜日に開催すること また大会の会期は5日であること , が, ユ ン グから提 案 さ れた‐. 4月24日の中央評議会で, ユングは, 9月への大会の延期を求める手紙を読んだ イタリアの団体の大会 ‐ 参加の動きが伝えられ,またパリに大会延期について手紙を書くことになった そして常任委員会の報告で . , ) 1 創立宣言と暫定規約の再発行が述べられた1 ‐ 149.

(7) . 荒 川. 繁. 5月1日の中央評議会で, パリからの手紙は, 大会開催延期には反対であることを伝えていた‐ 5月の大 会 開催 を求める パ リ か らの手 紙 と延 期 が論議 さ れ, 大 会 は9月 の第 一月 曜 日に決 定 さ れた‐ マルクス は, こ. の決定を速やかに伝えることを, 各国通信書記に求めた‐ 常任委員会は, 中央評議会の会員が, 労働団体を訪問し, 国際協会への加入と大会経費への資金援助を求 めること, また, 大会に代議員を派遣する総ての団体は, 代表の費用を負担することを報告した. 5月 8 日の 中 央評議 会 で, リ ヨ ン から, 5人 の 大 会代 表 が決 ま っ た こと, ま た議案 討議 の 委 員 会 がつく ら. れたことが報告された. ジェノアからの書簡は, かれらの労働者協会連合についての報告と, 国際協会の原 理 と方 策 につ いて, も っ と知 りた いと伝 えて い た. 5月29日に, 大 会の 議案 討議 を, 次の 会議 か ら始める こと が決め ら れ た. 6月26日に, 現 在の プ ロシア とオ ース トリ アの 戦 争 に反 対 する 論議 が行 わ れた‐. 7月10日に, 少なくとも4人の大会代表を中央評議会から派遣することが決められた‐ 7月17日に, 次の 中央 評議 会 で, ジ ュ ネ ー ヴ大 会 で討議 すべき 問題 を論議 する こと にな っ た‐ 議 題 は, 国. 際労働者協会の組織, 資本と労働の各国の闘争における, 国際協会による運動の統合である‐ 7月23日の 中央評議 会 で, ジ ュ ネ ー ヴか ら, 代表 の受 入 れ準備 をお こなう ため に委 員 会 がつく られ た こと. が伝えられた. また大会で, どのように問題が提起され, 論議されるのかを尋ねてきた. そして中央評議会 が, 大会で問題を報告し, 提起する人を任命すべきであること, 議事報告が作られ, 三つの言葉で印刷され, 国際協会の総ての支部に配付すべきである こと, 中央評議会が, 大会の召集と議案を, すべての支部に伝え るべきことを述べた‐ 提案は, 常任委員会で討議されることになった. 議事日程が論議された. また, 中央 2 1 評議 会 を, ロ ン ドンに置く こと が マル クス から提 起 さ れ, 承認さ れた1. 7月31日の中央評議会で, マルクスは大会問題に関する常任委員会の報告を提出した. 1‐ フランス語の議事日程で公表された日程を推薦する‐ 但し, 最後の問題と最初の問題を組み合わせる ) 資本と労働 ) 国際協会の組織 2 ことを付け加える‐ 承認‐ フランス語の議事日程は次のとおりである‐ 1 ) 労働組合, その ) 婦人労働と児童労働 5 ) 労働時間の短縮 4 の闘争での国際協会による運動の統合 3 ) 人民の自治権の行使お ) 国際的信用制度 9 ) 直接税と間接税 8 ) 協同組合労働 7 過去, 現在, 未来 6 よ び 民主 的 かつ 社 会的 基礎 の 上 に ポー ラ ン ドを再建 する こ と で, ヨー ロ ッ パ への ロ シア の影 響 を根 絶 する必. ) 相互支援協 2 社会的, 政治的, 知的運動へのその影響 1 ) 3 会の設立 国際協会の孤児への精神的かつ物的な支援1 .. ) 宗教 ) 生産との関係での常備軍 1 1 然性 10. 2‐ 書記は, 協会員数, 収入と支出の一般報告書を作成することを指示される‐ 承認. 3‐ 大会が, 労働者階級に関する調査をおこなうことを勧告する. 承認. 8 月2 1日の中央評議会で, ユングは, 大会議案に関する常任委員会の報告をおこなった. 労働時間を8時 間とする決議案が承認された. また, 婦人と児童の雇用に関して議論があった‐ 次回の会議で, 大会議案を 決定し, 中央評議会からの代表を選出することが決められた‐ ) 4 8 月28日に, 中央評議 会の6名 の代 表 が選 出さ れた1 .. そして,8月末にマルクス は 「個々の問題についての暫定中央評議会代議員への指示」 を執筆した. それ は前年のロンドン協議会および中央評議会での論議を踏まえたもので10項目からなり, 国際協会の組織及び ) 5 労働 運 動の 具体 的課 題へ の提 言 を示 し, ジ ュ ネ ー ヴ大 会議案 の 指 針を示 さ んと する もの で あ っ た1 . 150.

(8) . 国際労働者協会と組織原則ロ ジュネーヴ大会とローザンヌ大会 (上). 1‐ 国際協会の組織 暫定中央評議会は, 暫定規約で示された組織計画 伍eplanoforgamsadon を提案 する この 組 織計 画 が正 ‐ しいもの である こ と は, 二 年 間の 経験 で証 明 さ れて いる .. 2‐ 労資の闘争での国際協会による国際的な運動の統合 従来さまざまな国の労働者階級が, ばらばらに行ってきた解放の努力を結合し 普遍化するということが , , 協 会の 目的 である. ス トライ キや ロ ッ ク ア ウ トの 場 合 に 資本 家 は現地の 労 働者 と 闘う 道具 と して 外 国 人 , ,. 労働者を悪用するが, この資本家の 陰謀を阻止することが 本協会が これまで効果的に果たしてきた特別 , , の機能の一つである‐ 「国際的協力」 の一大事業は, 労働者階級自身の手で すべての国の労働者階級の状態の調査をおこなう , ことである. 活動において成功をおさめるためには, 活動の対象となる素材を知らなければならない 労働 ‐ 者 は, こ の 活 動 で, 自 分 自 身 の 運 命 を 自 分 の 手 に に ぎる 能 力 abi l i尊 t herovm f t ot aket a ei nt otheir ovvn h組ds. をもつことを証明するであろう‐. 3. 労働日の制限 労 働 日の 制 限 位m磯ロono f位e workiog d …汐 は, そ れ な しに は, 一 層 すす ん だ改 善 や 解放 の 試 み が, すべ. て失敗に終わらざるをえない先決条件である‐ それは労働者階級 すなわち各国民中の多数者の健康と体力 , を回復するため にも, また労働者階級に, 知的発達をとげ 社交や社会的・政治活動に携わる可能性を保障 , すためにも必要である‐ 我々は, 8時間労働を提案する‐ これは アメリカ合衆国の労働者が全国的に要求 , しているもので, 本大会の決議は, それを全世界の労働者階級の共通の綱領とするであろう戦 ’ b 4. 年少者と児童 (男女) の労働juveml 1ndrensl a our (Bo故 Sex eandcr 男女の児童と年少者を社会的生産の大事業に協力させる近代工業の傾向は 資本のもとでは歪められてい ,. る と はいえ, 進 歩 的 で, 健全 で 正 当 な傾 向 である と我々 は考 える , .. 児童と年少者の権利は守られなければならない‐ かれらは 自分でそれを守るために行動することはでき , ない‐ だから, かれらに代わって行動することが 社会の義務である 児童と年少労働者を 現制度の破壊 , . , 的影響 か ら救 っ てや らな け れ ばな らな い こ れ は 社 会 的理性 soc i頭r i頭角r eason を社 会 的力 soc ce に転 ‐ ,. 化することによってのみなしとげられ 現在の事情のもとでは 国家権力によって施行される一般的法律に , , よるしかない‐ 労働者階級は, ばらばらな個人的努力では無駄なものを 一般的な-行為でなし遂げるので , ある. 我 々 は労働 が 教 育 educadon と 結 合 さ れ な い 限り 年 少 者 の 労 働 を許 して はな ら な い 教 育 は第 一 に , ‐ ,. 知的. ment副 educaロon,. 第二に, 体 育 bo(逓yeducaロon, 第三 技 術 教育 に. で構成され る‐ 有給の生産的労働, 知育, 肉体の鍛錬および総合技術教育の結合は 労働者階級を上流階級および中流 , 階級の水準をはるかに越えた水準に高めるであろうm. 5‐ 協 同 組 合 労 働. ru ]ologc副 官須山mg t ec. co ‐ operaロvel abour. 国際労働 者 協 会の 任務 は, 労働 者 階 級の 自 然発生 的 な運動 spont 印Qeousmovemen t s を結 合 し, 普 遍 化 す. ることであっ て, なんであるうと, 空論的な学説 を運動に指示したり 押しつけたりすること ではない , ‐ 我々は, 協同組合運動が, 階級対立に基礎をおく現在の社会を改造する諸力のひとつであることを認める . この運動の大きな功績は, 資本に対する労働の隷属に基づく 窮乏を生み出す現在の専制的制度を 自由で , , 151.

(9) . 荒 川. 平等な生産者の連合社会. 繁. lproducers i theassoc abonofをeeand equa. という, 福祉をもたらす共和制度とお. きかえることが可能だということを, 実地に証明する点にある. 社会的生産を, 自由な協同組合運動の巨大な調和ある一体系に転化するためには, 全般的な社会的変化 社会の全般的条件の変化が必要である‐ この変化は, 社会の組織された力, すなわち 資本家と地主の手から, 生産者自身の手に移す以外の方法では決して実現することはできな. lsoc im change genera. 国家権力を, 8 ) L)1 ‐. 6. 労働組合. その過去, 現在, 未来‐ i副f t 資本 は, 集積 さ れた社 会 的 な力 concenせa orce であるの に, 労働者 が処理 できる edsoc t は, 決 して公 正 な条件 に の は, 自分の 労働 力 だ け である. 従 っ て, 資本 と労働 との あ い だの契 約 con官ac 基づ い て結 ばれる こ と はあり え ない. 労働 者 の 持つ 唯一の 社 会 的力 は, そ の 人数 である‐ しか し, 人数の 力 その 過去‐. は, 不団結によって挫かれる‐ 不団結は, 労働者自身のあいだの避けられない競争によって生み出される‐ 最初, 労働組合は, この競争をなくすか, 少なくとも制限して, よりましな状態に労働者を引き上げるよ う な契 約 条件 を 闘いと ろう と いう, 労働 者 の 自 然 発生 的 spont組eous な試 みか ら生ま れた‐ 労働 組 合の 当. 面の目的は, 日常の必要を満たすこと, 賃金と労働時間の問題に限られていた‐ 労働組合のこのような活動 は, 正当である ばかりか, 必要でもある. 現在の生産制度が続く限り, この活動なしではすますことはでき ない.. 他方で, 労働組合は, 労働者階級の組織化の中心となってきた. 労働組合は, 資本と労働とのゲリラ戦に とって必要であるとすれば,賃労働と資本支配との制度そのものを廃止するための組織された道具としては, さ らに 一 層重要 である‐. その現在. その未来.. 労働組合は, 一般的な社会運動や政治運動からあまりにも遠 ざかっていた‐ 労働組合はあらゆる政治運動と社会運動を支援しなければならない‐ 労働組合は農業労働者. 9 } のような, 賃金の最も低い業種の労働者の利益を細心にはからねばならない1 ‐ 7‐ 直 接税 と 間接税.. 8‐ 国際 的信 用.. 9. ポーラ ン ド問題.. IQ. 軍 隊.. こうして大会議案の準備が整えられたが, 大会議案の作成は, すでに暫定規約で述べられていた‐ すなわ 4年9月28日に選出された委員会が, 暫定中央評議会とし ち第8条は 「第一回大会が開催されるまでは,186 て行動し」,「さまざまな全国的労働者協会との連絡をはかり, 一般大会の招集を準備する措置をとり, 大会 に提出されるべき主要な問題について, さまざまな全国的および地方的団体と協議するであろう」 と述べて い た. そ して1865年 7月25の 中央評 議会 で, 1865年 に大 会 を ブリ ュ ッ セ ル で開催 する こと に代 えて, 協 議 会 をロ. ンドンで開くこと, そこで大会議案について, 大陸の主要な支部の代表と協議することが確認されたのであ る. また, この中央評議会で大会議案が提起され, さらに, それは大陸の有力な代表と中央評議会によって 1865年9月 に開 か れたロ ン ドン協議 会 でも討 議 さ れたの である‐. そして大会直前の1866年7月31日の中央評議会で, 大会議案は最終的に確認されたが, この大会議案に指 針を与えたものが, マルクスによって書かれた 「個々の問題についての中央評議会代議員への指示」 であっ た‐ それはあくまで大会代議員への指針であり, 決議は大会討議に委ねられたのである. 「代議員への指示」 は, 創立宣言と暫定規約で述べられた運動をさらに前進せしめるもので,『資本論』 執筆の過程で獲得された資本主義的市場経済の分析を踏まえ, 経済闘争を重視し, そのうえに労働運動の方 152.

(10) . 国際労働者協会と組織原則亘 ジュネーヴ大会とローザンヌ大会 (上). 向を模 索する もの であ っ た‐. 国際協会の組織については, 暫定規約の正当性を, 国際協会の二年間の歴史を踏まえて主張した‐ また, 児童労働との係りで, 児童教育が国際協会の大会議題に含まれていることは, 国際協会の性格を理解するう え で貴 重 である.. このように国際協会の最初の大会では, 大会議案の作成は, 主要な支部と討議しつつ, 中央評議会を中心 に おこ な わ れた か, しか し, 各 国支 部, 特 に パ リ は1865年 に大 会議案 を作成 し, しか も 新 聞 で公表 して お り,. また早急な大会開催を求めていたのである‐ こうして大会前に, 大会開催地のジュネーヴから, 中央評議会 主導の大会運営をもとめる手紙が届けられていたのである. 4) ジ ュ ネ ー ヴ大 会 1866年9 月 3 日~8 日. ) 0 以下では, 大会議事録をもとに大会論議を再構成する2 ‐ 9月 3 日の会議 デュ プレーが議長‐ ジュネーヴ支部が, 中央評議会の委託で委任状の審査にはいった. 支部の代議員は45 名 で, 加 盟 団体の 代議 員 は15名 であ っ た‐ 信 任 状 を 持 た な い 数 名 が, パ リ 支 部の 代 表 と して 大 会 に 参 加 する こ と を求 め て き た‐ フ ラ ンス で は 活 , 動 が法 律 で制 限さ れ て いるの だか ら, こ れ を認め る という 意 見も ださ れた が イ ギリス の代表 か ら 自分 ら , ,. は多数の会員の団体を代表しており, 代表制度は国際協会の基礎にあるのだから, 討議には参加することを 認めるが, 投票権は代表に制限されることを提案し, 承認された. 大会議長の選出に移り, 中央評議会の代表であるユングが, 大会討議を運営するために選出された. デュ プ レー と ベ ッ カ ー が副議 長 に ク レー カ ル ト ブル ドン モ レ が書記 に選 出 さ れた , , , . , 一 日 に二つ の 会議 があり, 第 一の 会議 は朝の 9 時か ら 第二 の 会議 は午後 の 2 時 から 始 める こ と が決め ら , れた‐ ク リ ー マ は, 提案 する 人 は, 説 明に15分の み を持ち, 反 論 に は10分 で答 える こ と が できる こ と そ し , て, こ れに質 問 しよう とする 人 は10分の みを 使う こと を提 案 し, 承認 さ れた‐ 9月4 日の会議. 午前の会議‐ ユ ン グ が議 長. クリ ー マ が, ロ ン ドンの 中 央 評 議 会の 運 営 報 告 を おこ な い す で に様 々 な職 業 の25173人 ,. が国際協会に入会していること, またイギリスでは国際協会による精神的影響が大きいことを報告した ‐ 大会参加者の求めで, デュ ポンは, 中央評議会によって作成された報告書を通訳した. それは大会議題に 関する総ての問題を含んでいた. 他方, シュマレは, パリ支部の名前で, すべての討議問題を含んだ報告書 を朗読した‐ これは, 閉会時間で打ち切られた‐ 午後の会議 シ ュ マ レ は パ リ 支 部 の報 告 を続 けた‐ 総て の報 告 が三 カ 国語 で読 ま れ 次 に討議 が始ま る こ と に な っ た エ , ‐ ッ カ リ ウス は, 中 央評 議 会 の報 告 を ドイ ツ語 で朗 読 した‐ カ ル トは, 規約 を討議 する ため の 委員 会の 設 置 を提 案 し 英 仏 独 スイ ス の 会員 か らなる 構成 委員 が , , , ,. 選出された. 9月 5 日の会議 午前の会議. ユングが議長. カルトは, 議案を項目ごとに討議すること, また問題ごとに決議を作成し, それを公開討 153.

(11) . 荒 川. 繁. 議の材料にすることを提案し, 承認された‐ 午後の会議 議長は, イギリスの新聞 「タイム ズ」 と 「デイリーニューズ」 が, 大会と国際協会について記事を書くこ とを伝えた. ) 規 約 は一 条 ごと に討 議 さ れる こ と に な っ た 書 記 長 に 関する 1 ク レ は, 規約 委員 会の 報告 を お こ な っ た2 . ‐. 第1条が討議された. 書記長を大会で任命するのか, 総評議会で任命するのかで意見が分れたが, 後者の意 見が支持を得た‐ 大会に関する第2条が読まれた. カルトは, 大会の日時と場所の選定は, 中央評議会に委ねることを提案 した‐ 討議され, ムラは大会の日時は, 最終的に大会によって決定され, 場所の選定は中央評議会に委ねら れることを提案し, 承認された. トー レン は, 議 事の 運営 方 法 につ い て報 告 した. そ れ は, フラ ンス の立 法 部 ある い は他 国の議 会 で用 い ら. れている方法で, 様々な提案に対しなされた修正案は, 文書で書かれ, それを議長が論議に提起するという 方法である. 提案は, 論議の後, 承認された‐ 大会 につ い て, ク リ ー マ とオ ッ ジ ャ ー は, 毎 年, 大 会 を 開く こと は役 に た た な い と 述 べ た が, 大 会毎 に. 国際協会は活気を受け, 多数の会員を引きつける, これで行動手段をより容易に見つけることができるよう になるという意見が述べられた. 大会は, 毎年開催することが承認された 第 4, 5, 6 条 は承認 さ れ た‐. 第7条で, 協会員の他国移動についての支援が論議され, また国際協会への加入条件を記した第8条で, ueurma 手 労働 者 廿掴a n l を, 資格要件に追記するかで論議されたが, 労働者階級に参与することを認め nue た人は, 国際協会の会員として認められる, が支持された‐ 第9, 10, 11条 は承認 さ れた.. 9月 6 日の会議 午前の会議‐ ユング議長. 第1議案 国際労働者協会の組織. 国際労働者協会の細則を作るために5人からなる委員会 が設 置 さ れ た. そ して 大 会 報 告 書の 作 成 は, ロ ン ドンの 総 評 議 会 に委 託 さ れた. ま た, イ ギリ ス, ドイ ツ,. フランスの代議員の報告も全文大会報告書に記載されることになった‐ 諸支部の刊行物も, 国際協会の記録 を作るために総評議会に送られることになった. 午後の会議. ユング議長‐ 第2議案. 資本と労働との様々な社会的闘争にとっての国際協会による運動の統合‐. 各国の労働者の状態 (賃金, 労働時間, 労働条件) について統計をとることが論議された. 英国で資本家 は, ストライキで労働者と闘うために賃金格差を利用 して外国から労働者を動員する‐ 大陸での賃上げが必 要であり, また労働者の状態について, 各国の労働者の相互理解が重要である‐ 他方, フランスでは, イギ リスと異なり, 法律的にみて, ストライキより協同組合が有効である‐ また中央評議会によって提起された 統計についての決議は承認された‐ 第6議案 労働組合, その過去, 現在, 未来 フライ ブルク と シ ュ マール は報告 した. 過 去, ギル ド, 労働者 の奴 隷制 度‐ 現在, 不 団結, 資本 への 服従.. 将来, 労働者は協同組合で自己の生産物の所有者である. デュポンは, 中央評議会の報告を朗読した. 労働 組合は, 賃金制度を改造し, 資本の独裁を破壊する中心として組織された‐ 提案は, 大会で承認された.. 154.

(12) . 国際労働者協会と組織原則n ジュネーヴ大会とローザンヌ大会 (上). 9月 7日 の会議‐ 午前の会議. ユング議長. 第 5議 案. 協 同組 合‐ エ ッ カ リ ウス が中央 評議 会 の 報告 をお こ ない, 承認さ れ た‐. 第6議案 第7議案 直接税と間接税‐ 中央評議会の提案が朗読され, 論議された‐ 第 8議 案. 国際 的信 用. フライ ブ ルク が提 案 をおこ ない, 承認 さ れた.. 第3議案 労働時間の短縮. デュポンが, 中央評議会の報告をおこない, 労働時間の短縮は労働者解放の第一歩であり, 8時間労働を 提案した‐ 続いてフランス代表が,10時間労働および最低賃金の確定について報告した‐ 午後の会議‐ オ ッ ジ ャ ー は, 最 低賃 金 は困難 であり, 他 方, 8 時間労働 は機 械 の 進 歩 で可能 である と述 べた‐ クリ ーマ は, 最 低 賃 金 は困難 であり, 8 時間労 働 日 獲得 に集 中 すべ き と述 べ, アメ リカ の 例 を示 した‐ カ ル トは, イ ギリス を例 と す べき でな いと して14時 間労働 を述 べた‐. ブルクリは, 中央評議会を支持した. 教育を望む者は, 8時間労働を支持すべきである‐ 帰宅後, 本を開 く時間が必要であると. ムラは, 各国で産業の発展も異なり, 労資の対立も多様である. すべての国にあて はまる 決議 はす べき でな いと述 べた. フリ ブル は, 時 間の 短 縮 を望 まな い, 労 働 が, そ れらの 能 力の 自 然 的発 展 にと っ て不 都 合 でな け れ ばよ い. と述べた‐ 労働時間短縮を求めた中央評議会の提案が投票され,10票の反対をもって承認された. パリの代 表は, 最低賃金を確定することに国際協会は力を尽くすことを提案し, 承認された‐ 第4議案. 婦人労働と児童労働‐ デュポンが, 婦人労動と児童労働に関する中央評議会の報告を朗読した. 道徳的, 社会的, 生理的見地か ら, 工場での婦人労働の諸問題が各代議員から報告され, 中央評議会の提案が承認された‐ 婦人労働のため, 協同組合生産を提案したパリ代議員の意見は否決された‐ 児童の教育について, フランスの代議員 が, 職業 教育は理論的でかつ実践的であることを提案し, 承認された. 9月8日の会議 午前の会議. ユング議長‐ 第10議案 常備軍と生産との関連. デュポンが, 中央評議会の報告を朗読した‐ 常備軍が社会進歩に反すること, 戦争との関連, 民兵組織が 論議された‐ 報告者の主張が認められ, 決議が承認された‐ 第11議案. 宗教, その社会的, 政治的, 個人的発展への影響‐ フランスの代議員が提案を朗読した‐ 宗教と道徳との関連, 教会と政府の分離, 学校教育での宗教の排除, 良心の自由, 科学の進歩と宗教的偏見等が論議された. 大会参加者が, 宗教的偏見からの人間の解放で一致 して いる こ と を確認 して, 議 事 を終 えた‐. 第9議案. 自己の運命を自由にする民族の権利の行使で, 民主的かつ社会的な基礎のうえにポーランドを 再建することで, 専制的で絶対主義ロシアのヨーロッパへの影響を廃棄する必然性につ いて‐ カ ル トと ベ ッ カ ー は, こ の 問 題 を宣 言 す べ き と 主 張 した‐ しか し 大 会 は そ れ が 政治 問 題 に 含 ま れる , , と考 え, ポー ラ ン ド再建 を支 持す る ベ ッ カ ー提案 へ署名 する権利 を ドイ ツ とスイ ス の 会員 に委 ね 討議 を , ,. 打ち切った. 国際労働者協会の発展と強化で, 専制主義はなくなることを踏まえ, 民主的かつ社会的なポー ラ ン ド再建 は生 じる で あろう‐. 155.

(13) . 荒 川. 繁. 午後の会議 相互支援協会設立について. 国際協会の会員による孤児への道徳的かつ物的な支援. デ ュ プ レ は, 各地 で作 ら れた種々 の 支援 団体の 国際 的な組 織化 を進める こ と を求め た‐ ドイ ツ, フラ ンス,. イギリスの代表から賛同の意見が述べられ, 中央評議会が, このための諸方策を検討することになった‐ 第1 3議案 細則論議‐ 第 1 ~3条 は承認 さ れた‐. 国際協会の個人会費について規定した第4条で, 国際協会に加盟する団体は, その団体の会員数にもかか わ ら ず 同 じ会 費 でよ いの か が 論 議 さ れ た. 論 議 の 後, 会 費 は186667年 に 限 り, 個 人 につ き, 30サ ンテ ィ ー ム にな っ た. 第5 ~10条 は, 承認 さ れた.. 国際協会のどの会員も投票権があり, 被選挙権があるを規定した第11条について討議された‐ トーレン, ペ ラ シ ョ ン は ブル ジ ョ ア ジー との 闘 争 に 鑑 みて 労働 者 だ け が国際協 会の 会員 に なり 被選 挙権 がある こ , , ,. とを主張した. ヴィ リュミエは, 労働者に制限することは, 国際協会への個人の自由な加入を認めた規約と矛盾すると述 べ た. クリ ー マ は, 中央 評議 会 に は肉体労働 の職 につ いて い な いも の も いる. か れらの 援助 がな けれ ば 国 ,. 際協会はイギリスでこのような成功をおさめなかった. マルク ス は, 労働者 階級 の 勝利 の ため に人 生 を 捧 げて いる‐ カ ータ は述 べ た. マル クス は, 最 初の 国際労. 働者協会の大会に, 労働者のみが代表として選ばれることの重要性を理解していた. それで, かれは中央評 議会での大会代表への指名を拒否した. しかし, これは改正の理由にならない‐ 労働者階級の立場から経済 学を研究した人物を大会に参加させよう. 中産階級の経済学の虚構が打ち砕かれるであろう‐ 代議員の資格として肉体労働者であることを求めたトーレンの改正案は, 否決された‐ 第11条は原案のま ) 2 ま反 対10で承認 さ れた. 12~15条も 承認 さ れた2 . 中 央 評議 会 の 位 置 は, 1866~1867年 も ロ ン ドン に な っ た‐ リ ュ ベ を除 き, 前 年 の 中 央 評議 会 は承認 さ れ, そ の 人数 は50人 で, 次 期 大 会ま でその 権威 を認め ら れた‐ 次の 大 会 は1867年9月 に ロー ザンヌ で開く こ と が. 決められ, 議長は, 閉会を宣言した‐ 1865年 にロ ン ドン協 議会 を終 え,翌1866年9月 に は国際労働 者 協 会の 最初 の 大会 がジ ュ ネー ヴで開 か れた.. ジュネーヴ大会では, 代議員の資格, 議事の討議方法, 英語, 独語, 仏語への通訳等, 労働者自身による大 会運営も準備されていた‐ 大会運営で中央評議会の役割が大きかったが, 同時にフランス支部も間達であっ た. 中央評議会の報告と同時に, フランスからも大会議案が提起された. 国際協会の組織について規約および細則が論議され,暫定規約は国際協会の規約として大会で承認された. 3 規約作成は, マルクスの 「大会代議員への指示 国際協会の組織」 を踏まえておこなわれた2 1 な おこ の 論 議で国際協会における大会の役割が確認され, また国際協会の会員の資格も論議されたことが注目される. 大会議案のうち特に, 労働組合, 協同組合, 労働時間の短縮, 婦人労働と児童労働は, 資本主義的市場経 済の根幹にかかわる問題である‐ ジュネーヴ大会で, 資本主義的市場経済での経済闘争が, 労働運動の課題 と して提 起さ れたの である.. 大会で, 決議は, 各国の取組の相違を論議しつつ承認され, 共通の課題として受け入れられるとともに, 各国の運動への指針を提示した. 他方, 他の諸問題のうちポーランドの独立問題は, ジュネーヴ大会では政 治的問題であるとして論議された. なお大会で, 現在の中央評議会が承認され, 次期大会の開催地がローザンヌに決められた‐ 156.

(14) . 国際労働者協会と組織原則ロ ジュネーヴ大会とローザンヌ大会 (上). ) 大会後の総評議会での論議 5 ジュネーヴ大会後の総評議会で, 大会の成果が確認され, またパリ支部の動きに対し, 総評議会による大 会報告書の作成が確認された‐ そして大会討議を受けて, 総評議会での討議の方法も論議された‐ 1866年9月18日の 総 評議 会 で, オ ッ ジ ャ ー は, ジ ュ ネ ー ヴ支 部の 代 議 員 歓 待 を讃 え, 大 会 で成 果 が 多 か っ た こと, ま たユ ン グが議 長 と して 活 躍 したこ と を伝 え た. ロー レ ンス は, ロー ザ ンヌ での 闘争 につ いて 説 明 し, ま た協 同 組 合 につ い て 大 陸 で は, イ ギリス より先 ん じて いる と述 べ た‐ マ ル ク ス は、総評 議 会 を代表 し. てジュネーヴ大会に参加した代議員への感謝の投票を提案し, 承認された. 9月25日の総評議会で, 大会は, 現在の総評議会の構成員をリュベを除いて, 再確認したことが報告され た‐ 総評議会の議長にマルクス が推薦されたが, かれは頭脳労働者 ahead worker で あり, 肉体労働 者 a handworke r でな いか らと いう こ と で辞 退 し, オ ッ ジ ャ ー を推薦 し, 承認 さ れた‐ 副議 長 にエ ッ カリ ウス が, 総書記 にフ ォ ッ クス が選 ばれた‐ また 各 国通信 書記 も選 出さ れた‐ マルクス は,. クリーマに, 二年間にわたる無報酬の書記の仕事に対し感謝状を送ることを提案し, 承認された‐ さらにマ ルクスは, 現在の常任委員会の当座の存続を提案し, 承認された‐ 10月9日の総評議会で, デュポンは, 大会の報告書を刊行するために大会議事録を求めるパリ支部からの 手紙を伝えた‐ マルクスは, 大会報告書刊行の仕事は, その団体から総評議会に任されたのであるから, こ れに反対した‐ さらにデュポンは, パリ支部が, 大会の文書が総評議会に手渡されることを記した大会規定 に違 反 して報 告 書 を持 っ て いる と述 べ た‐ 総 書 記 は, この こと を手 紙 に書く こ と にな っ た‐ 11月6日の 総評議 会 で, 一 人 の婦 人 が 「コモ ン ウ ェ ルス」 で, 「フ ォ ア ボーテ」 に公 表 さ れた ジ ュ ネ ー ヴ大 会の 報告 を翻訳 して いる こ と が話 さ れた‐ ま た, 書 記 は, パ リ 支 部 から ジ ュ ネ ー ヴ大 会 で読 ま れた文 書 を受 け取 っ た こと を述 べ, その 内容 を報 告 した‐. 常任委員会の提案が討議された‐ 第一に, 総評議会の会議では, 一人の話す時間は5分をこえてはならな い. 不承認‐ 第二, 理由もなく総評議会の会議を4回以上欠席した者は, 総評議会の名簿から削除される‐ 不承認‐ 11月27日の 総評議 会 で, ユ ン グ はデ ュ プリ からの 手 紙 を紹 介 した. デ ュ プリ は, 大会 議事 録 が各方面 か ら 4 ) 求め ら れて いる の で, その 印 刷 を急 ぐよう に求 めて き た. 遅 延 は, 国際 協 会 にと っ て 有 害 である と2 ‐. 注 ) 大会を中心に国際協会の組織規約の変遷を検討したものに拙稿 「国際労働者協会と組織原則 総評議会と大会を中心に」 1 『マルク ( 『釧路論集』 第31号1 9年1 9 9 1月) がある‐ また 「国際労働者協会と組織原則韮 大会決議の作成を中心にして」( ス ・エンゲルス ・マルクス 主義研究』 第34号2000年) は, 国際労働者 協 会での意 志決定の見地 から1868年の ブリ ュッ セル 大会と1869年の バー ゼル大会を考察 したもの である‐ ) MEG庄 2. 工/20, 1992, S‐ 3~12 ‐ マルクス は1859年に刊行 された 『経済学批判』 序 文 で, 生産諸力と生産諸関係との矛. 盾から歴史の変動 を説 明 し, そ れに続 いて資本論草 稿 を執筆 している‐ MEGA2 =/2, 1980, S‐ 99~103 ‐ な お1840年. 代の運動についてはフ ン トの論文が示唆にとむ‐ Ma n血. Hu1 i tatder deut terbewe罫i 1dt, Zur Konbnui schen Arbe 1gv 1 om. i鴫s i t i r te BundderKommu enzurEi senacherPa , BZGI969-. ) 共産主義者同盟成立過程での大会の意義を論じたものに 3. Gerhard Winkler, Zur Entstehu1 ischer 1g kom munist. orgmi i l s血onsp中 頃penundP額te norn qen, Mar叉 -EI I sJahrbuch41981が あ る. ge. ) MEG伴 工/20, S‐ 266,277 4 . ) Ebenda, S‐ 14f. 5 ) Ebenda, S‐ 328,332, 341 6 ‐. 157.

(15) . 荒 川. 繁. ) MEG庄 1/20, Appa 7 t s‐ 1414 ra ) MEG岸 工/20, S. 342~344, 353~355 8 . マルクス は1865年7月31日付のエ ンゲルス宛の 手紙 で, 大会に代 えて協 議会を 開く ことにな っ たことを伝えて いる‐ MEW, Bd . 31, S. 133 . ) MEG庄 工/20, S. 455~476 9 . 10 ) Ebenda, S. 356, 365 . マルクス は, 1865年11月20日付のユ ン グ宛の 手紙で, ロ ン ドン協議 会で確認さ れたジ ュ ネー ヴ 大会の議案について伝えている. MEW, Bd . 31. S. 486f. 11 ) MEG伴 工/20, S‐ 381, 382, 397,399, 403 ‐ マルクス は, 1866年4月 6日付のエ ンゲルス 宛の手紙で, 5月に開催さ れ る予定の大会の成否につ いて相談 している‐ エン ゲルス は4月10日付のマルクス宛 の手紙 で大会の議案につ いて返答して いる. MEW, Bd. 31, S. 205, 207 ‐ 4月23日付けのエ ン ゲルス宛の手 紙でマルクス は, ジュ ネー ヴ大会の成功にでき る限り協力する が, 大会に は参加 しないことを伝えている‐ MEW, Bd . 31, S‐ 210 ‐ 12 ) MEG庄 1/20, S. 405~407,410~411, 419, 427, 431,435~437 . ) フラ ンス語の議事録につ いてはEbenda, S 13 ‐ 224 . ) Ebenda, S 14 39,448, 450 .4 . 1866年8月23日付のクー ゲル マン宛の手紙で, マルクス はジ ュ ネー ヴ大会の準備 に時間を費 やしていると述べている‐ MEW, Bd . 31, S. 521 . さ らに ベ ッカー宛の8月31日付の手紙で, マルクス はユ ン グを大会 の議長にすることを提案 している. ユ ングが中央評議会を代表 しており, オ ッ ジ ャ ー は中央評議会で選出されたの ではな いと伝えている. MEW, Bd ‐ 31, S. 524 . ) 1/ 15 MEG岸 20, S. 225~235 .. ) 労働日の制限は 「創立宣言」 で, すでに原理の勝利として述べられていた. 「指示」 は, これをさらに発展させたもので 1 6 ある.. ) 児童の教育問題は,その後の大会でも継続して論議されている‐ 国際労働者協会で近代国民教育が論議されていたことは 1 7 , 国際協会の性格を知るうえで重要である. 人間の進歩と社会の経済的改造の問題を関連づけて捉えていたのであろうか‐ マルクスは1 8 6 7年刊行の 『資本論』 第一部 「機械と大工業」 で工場法の教育条項に注目している. 「工場法の教育条項は, 全体として貧弱に見えるとしても, それは初等教育を労働の強制的条件として宣言した」 . MEG庄 n/5, S. 395‐ なお 近代教育思想については, 小笠原道雄監修 『近代教育思想の展開』(福村出版20 00年),『近代教育の再構築』(福村出版 2000年) 参照‐. 8 ) 協同組合労働も 「創立宣言」 で述べられていた‐ 協同組合は, 労働者による資本主義的市場経済の改造を具体的に示すも 1 のと して大会へ提起さ れたのである.. ) 労働組合決議は,1 1 9 8 6 5年6月に中央評議会でおこなわれたマルクスとウエストンとの論議 ( 「賃金, 価格および利潤」 )を 継承するものである. 決議は, 資本主義的市場経済での労働組合の意義を確認し, 労働組合を経済闘争の核として位置づ けたのである. これについては, 拙稿 「国際労働者協会と労働組合÷マルクスによるイギリス労働組合主義批判」( 「マル クス・エンゲルス ・マルクス 主義研究19号」 1993年) 参照. ) MEG庄 1/20, S. 651~679 20 t erendu du ‐ S. 683~712‐ S‐ 1747~1760 . メ ガ収録のジ ュ ネー ヴ大会の議事 録 Comp esdeGeneve As Congr l i n =eur t soc adoni n emabona edes官wa s は1871年にマルクス がおこな っ た規約改定 でも ジュ ネー ヴ 2 工/22 S 393 411 なお 同議事 録 は Jacques Freymond La Premiere 大会議 事録と して 利用 さ れて いる. MEGA , ‐ , . lnt l em 誠ona ome l l962 pp‐ 25~84 にも含まれている. e, t. 2 工/20, Apparat s. 1249~1258 を参照. ) 規約作成委員の構成および規約論議へのマルクスの関与についてはMEGA 2 1 1866年の大会規約 (独語版) につ いて は MEGA2工/20, Appa 264~1 266 参照. な お, マルクスの手になる同規 ts. 1 a r 約については, MEG庄 1/20, S. 236~240 ‐ 22 ) 大会 で作られた規 約細 則 につ いて は, ラ ウラ ・マ ルクス の援 助 による 英語 版、 およ びラ フ ァ ル グによ る仏 語 版 がある‐ MEG厚 1/20, S. 644~645 ‐ S‐646~647. 23 ) ジ ュ ネー ヴ大会につ いて は W副en Jnowa Der Ge低er Kongr l be i i tmas印d t eβ derint emadona en 山「 erassoz adon, M m(一 l Enge buch51982 がある‐ 同論文では大会で規約の細部の変更はなされたが 規約は基本的には変更されておら s-Jahr ,. ず, 暫定規約は保持されたとしている‐ 他方, 新メガ注解は, 規約委員会により暫定規約第3条が削除され, その結果, 労働者階級の意思を表 明する という大会の規定が規約で失われたことを指摘 している‐ MEG伴 工/20, 均P 1270 t s‐ r a pa . なおジ ュ ネー ヴ大会につ いて は次 の論文も参照. Ro d l 1 b k M m(unddere lntemadona l f Du e t e r s e Kon ー#eβ er l. ,. 158.

(16) . 国際労働者協会と組織原則紅 ジュネーヴ大会とローザンヌ大会 (上) ika ste荊ke l Be iαagezu1 Ma 1 【一Enge s一Forschung 211987. Mon 1. l I Marxund d i inesrevo Kar ‐ uロonar e Fo立国enmg e. a膚a l kemsim Gene t tde emaロonme r rl n eロ=dschen F欲出血gs pro . 上記論文では, ジ ュ ネー ヴ大会 で規 約が規定さ れ, 組 .l 織論としての 「民主集中制」 が確立 したとされている. ) MEG伴 1/20, S. 479~483 24 . 1866年10月9月 付のクーゲルマン宛の手紙 で, マルクス はジ ュ ネ ‐ 485f, 492, 501f, 509 ー ヴ大会が成功 したこと, ま たロン ドンの代議員 に綱領 を書き, そ こでは 「労働者 の直接的な相互理 解と協力を促 し, 階. 級闘争および労働者を階級に組織すること」 に必要な項目に限定したと述べている‐ 他方, パリ支部について, かれらは ブルードンの影響を受けており, 革命的行動をすべて退け, 集中的, 社会的な運動、 したがってまた政治的手段 (法律で S 31 529f‐ 労働日を短縮する こと) によ っ て実現できる運動をすべて退けている と伝えて いる‐ MEW, Bd ‐ . ,. 159.

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