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公文書管理法制の現状と課題(寺田友子教授退任記念号)

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公 文書管理法制 の現状 と課題

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目 次 は じめ に 二 公 文書 管理 法 の問題 点 1 9 自 ∩ δ 4 組織 の定 め方(国 立公 文書 館等) 現用 文書 の定 め方(行 政文 書 ・法 人文書) 他 の法令 との関係 移管 ・廃 棄対 象文 書 の決定(評 価 ・選別) 三 お わ り に キ ー ワ ー ド 公 文 書 管 理,国 立 公 文 書 館 等,行 政 文 書,法 人 文 書, 移 管 ・廃 棄

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は じ め に 公 文 書 等 の 管 理 に 関 す る 法 律(以 下 「公 文 書 管 理 法 」 とい う 。)が2011 (平成23)年4月1日 に全 面 施 行 され て か ら3年 近 くが 経 過 した 。 同 法 の 施 行 に よ り,現 用 文 書 た る 行 政 機 関(同 法2条1項)・ 独 立 行 政 法 人 等 (同条2項)の 管 理 す る文 書 は,そ れ ぞ れ,「 行 政 文 書 」(同 条4項)・ 「法 人 文 書 」(同 条5項)と して,非 現 用 文 書 た る 国立 公 文 書館 等(同 条3項) の 管 理 す る 文 書 は 「特 定 歴 史 公 文 書 等 」(同 条7項)と して,「 法 律 」 に よ くの り管 理 され る こ と とな っ た。 同法 が施 行 さ れ る まで,公 文 書 等 の 管 理 は,行 政 機 関 の 保 有 す る 情 報 の 公 開 に 関 す る法 律(以 下 「行 政 機 関 情 報 公 開 法 」 とい う。),独 立 行 政 法 人 等 の保 有 す る情 報 の 公 開 に関 す る 法律(以 下 「独 立 行 政 法 人等 情 報 公 開法 」 とい う。),公 文 書館 法,国 立 公 文 書 館 法 を根 拠 と して な され て きた が,様 々 く ラ な問 題 点 を抱 え る もの で あ っ た 。 公 文 書 等 を法 律 に よ り管 理 し,従 来 存 在 して い た 問 題 点 を解 決 す る た め の 制 度 を整 備 した とい う意 味 で,公 文 書 管 理 法 が 制 定 され た意 義 は大 きい と評 価 す る こ とが で きる 。 と こ ろ で,公 文 書 管 理 法 は,行 政 文 書 ・法 人 文 書 ・特 定 歴 史 公 文 書 等 か ら な る 「公 文 書 等 」(同 法2条8項)の 管 理 に つ き定 め る もの で あ る が, この 管 理 は,行 政 機 関 ・独 立 行 政 法 人 等 ・国 立 公 文 書 館 等 にお い て な さ れ る も の で あ る。 そ の た め,同 法 に よ っ て規 律 され る の は,基 本 的 に 行 政 機 関 ・独 立 行 政 法 人 等 ・国 立 公 文 書 館 等(そ の 長,役 員,職 員 を含 む 。)で あ る。 そ の 意 味 で は,公 文 書 管 理 法 は,一 般 の 法 律 の よ う に 国民 に 対 して 義 務 を課 す る もの で は ない 。 む し ろ,行 政 庁,内 閣,行 政 機 関 とい う行 政 に法 律 上 の 義 務 を課 す,行 政 手 続 法 と類 似 す る側 面 を持 つ と もい え よ う。 行 政 手 続 法 が,上 述 の 組 織 に法 律 上 の 義 務 を課 す る こ と に よ り,行 政 運 営 にお け る公 正 の 確 保 と透 明 性 の 向 上 を 図 り,も っ て 国 民 の 権 利 利 益 の 保 護 に資 す る こ と(同 法1条1項)を 目的 と して い る の と同 じ よ う に,公 文 書 管 理 法 は,上 述 の 組 織 に 法 律 上 の 義 務 を課 す る こ と に よ り,「 行 政 が 適 正

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か つ 効 率 的 に運 営 され る よ う に す る と と も に,国 及 び独 立 行 政 法 人 等 の 有 す る そ の諸 活 動 を現 在 及 び将 来 の 国 民 に説 明 す る責 務 が 全 う さ れ る よ う に す る こ と」(同 法1条)を 究 極 の 目 的 と して い る 。公 文 書 等 が,「 健 全 な民 主 主 義 の 根 幹 を支 え る 国民 共 有 の 知 的 資 源 」(同 条)で あ る こ と に か ん が み れ ば,公 文 書 管 理 法 に よ り上 述 の 組 織 に課 され た法 律 上 の 義 務 が 適 切 に 履 行 さ れ る こ と の重 要性 は,多 言 を要 しな い で あ ろ う。 も っ と も,公 文 書 管 理 法 を子 細 に検 討 す る と,同 法 に よ り規 律 され る, ① 組 織 の 定 め 方(国 立 公 文 書 館 等),② 現 用 文 書 の 定 め 方(行 政 文 書 ・法 人 文 書),③ 他 の 法 令 との 関係,④ 移 管 ・廃 棄 対 象 文 書 の 決 定(評 価 ・選 別)な どに つ い て,い くつ か の 疑 問 が 生 じて くる。 そ こで 本 稿 で は,同 法 の 解 釈 上,実 務 上 問題 と な り得 る(あ る い は,既 に な って い る)事 項 を指 摘 し,そ の 改 善 策 を探 る こ とに した い 。

公文書管理法の問題点

1組 織 の 定 め方(国 立 公 文 書 館 等) (1)国 立 公 文 書 館 等 の 種 類 と機 能 「公 文 書 等 の 管 理 に関 す る法 律 」 とい う法 律 名 が 示 す 通 り,同 法 は 「公 文 書 等 」 の 管 理 につ い て 定 め る もの で あ る 。 「公 文 書 等 」 は,① 行 政 文 書, ② 法 人 文 書,③ 特 定 歴 史 公 文 書 等 の3種 類 の 文 書 か らな っ て い る(同 法2 条8項)。 この う ち③ 特 定 歴 史 公 文 書 等 は,以 下 の4種 類 の 文 書 か ら構 成 され て い る 。 a.行 政 文 書 フ ァイ ル 等(相 互 に密 接 な 関 連 を有 す る 行 政 文 書 の 集 合 物 の   及 び単 独 で 管 理 され て い る行 政 文 書)の う ち,国 立 公 文 書 館 等 に移 管 さ れ た 歴 史 公 文 書 等(同 法2条7項1号,8条1項) b.法 人 文 書 フ ァイ ル 等(相 互 に密 接 な 関 連 を有 す る 法 人 文 書 の 集 合 物 く   及 び単 独 で 管 理 され て い る法 人 文 書)の う ち,国 立 公 文 書 館 等 に移 管 さ れ た 歴 史 公 文 書 等(同 法2条7項2号,ll条4項) c.行 政 機 関 を 除 く国 の 機 関 か ら内 閣総 理 大 臣 を経 由 して独 立 行 政 法 人

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国立 公 文 書 館 の設 置 す る公 文 書 館 に移 管 され た歴 史 公 文 書 等(同 法2 条7項3号,14条4項) d.法 人 そ の 他 の 団 体(国 及 び 独 立 行 政 法 人 等 を 除 く。)か ら 国立 公 文 書 館 等 に寄 贈 ・寄 託 さ れ た歴 史 公 文 書 等(同 法2条7項4号) こ こ に い う 「歴 史 公 文 書 等 」 と は,公 文 書 管 理 法2条6項 に お い て, 「歴 史 資 料 と して重 要 な公 文 書 そ の 他 の文 書 をい う」 と定 義 さ れ て い る。 この 定 義 は,当 該 文 書 の 作 成 者 ・所 有 者 を問 わ ず,ま た 当 該 文 書 が 現 用 で あ るか 非 現 用 で あ る か も問 わ な い 。 した が って,行 政 文 書 フ ァイ ル 等 で あ れ,法 人文 書 フ ァイ ル等 で あ れ,行 政 機 関 を除 く国 の機 関 の 文 書 で あ れ, 私 人 ・地 方 公 共 団体 の 文 書 で あ れ,あ らゆ る文 書 が 「歴 史資 料 と して重 要 」 で あ れ ば,歴 史 公 文 書 等 に該 当 す る。 ま た,こ こ にい う 「国 立 公 文 書 館 等 」 は,機 関 で は な く施 設 を 意 味 す る くら  と解 され て お り,公 文 書 管 理 法2条3項 に よ っ て,「 独 立 行 政 法 人 国 立 公 文 書 館(以 下 「国立 公 文 書 館 」 とい う。)の 設 置 す る公 文 書 館 」(1号 。 以 下,本 稿 に お い て も 「国 立 公 文 書 館 」 とい う。)と,「 行 政 機 関 の施 設 及 び 独 立 行 政 法 人 等 の施 設 で あ っ て,前 号 に掲 げ る施 設 に類 す る機 能 を有 す る も の と して政 令 で 定 め る もの 」(2号)の,2種 類 が 定 め られ て い る 。 後 者 は,行 政 機 関 の 施 設 と して の 国立 公 文 書 館 等(以 下 「行 政機 関公 文 書 館 」 とい う。)と,独 立 行 政 法 人 等 の施 設 と して の 国 立 公 文 書 館 等(以 下 「独 くの 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 」 と い う。)の2つ に分 類 す る こ とが で き る。 以 上 か ら,歴 史 公 文 書 等 の うち,国 立 公 文 書 館 等,す な わ ち,国 立 公 文 書 館,行 政 機 関 公 文 書 館,独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 の 管 理 下 に置 か れ た文 書 の み が特 定 歴 史 公 文 書 等 で あ る とい う こ と に な る 。特 定 歴 史 公 文 書 等 は, 原 則 と して 「永 久 に 保 存 」 さ れ(公 文 書 管 理 法15条1項),同 法16条1項 が 定 め る利 用 請 求 権 の対 象 とな る 。 ま た,国 立 公 文 書 館 等 で な け れ ば,行 政 文 書,法 人 文 書 の 移 管 を受 け る こ とは で きず,国 立 公 文 書 館 等 に 移 管 さ れ な い行 政 文 書,法 人 文 書 は廃 棄 され る こ と に な る(同 法8条1項,ll条 4項)。 そ の た め,い か な る 施 設 が 国 立公 文 書 館 等 と な る か は,「 国 及 び独 立 行 政 法 人 等 の 有 す る そ の 諸 活 動 を… … 中 略 … … 将 来 の 国 民 に説 明 す る責

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務 」(同 法1条)が 全 うで きる か 否 か を左 右 す る,重 要 な事 項 で あ る と い え る。 こ の 国 立公 文 書 館 等 の う ち,独 立 行 政 法 人 国 立 公 文 書 館 が 設 置 す る公 文 書館(国 立公 文 書 館)に つ い て は,そ の範 囲 が 明 確 で あ る た め特 に 問 題 と くの な ら な い で あ ろ う。 これ に対 して,行 政 機 関 公 文 書 館 及 び 独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 に つ い て は,政 令 で定 め られ る必 要 が あ る(公 文 書 管 理 法2条3 項2号)。 同 号 に よ る 政 令 で の 定 め を受 け,行 政 機 関公 文 書 館 と な っ た 施 設 と して は,宮 内 庁 書 陵 部 図書 課 宮 内 公 文 書 館(公 文 書 管 理 法 施 行 令2条 1項1号 に基 づ く宮 内庁 長 官 の 指 定 に よ る。以 下 「宮 内公 文 書館 」 とい う。), 外 務 省 大 臣 官 房 総 務 課 外 交 史 料 館(同 項2号 に基 づ く外 務 大 臣 の指 定 に よ る。 以 下 「外 交 史 料 館 」 と い う。)が あ る。 ま た,「 独 立 行 政 法 人等 の 施 設 で あ っ て,法 第15条 か ら第27条 まで の 規 定 に よ る特 定 歴 史 公 文 書 等 の 適 切 な管 理 を行 うた め に必 要 な設 備 及 び 体 制 が 整 備 さ れ て い る こ とに よ り法 第 2条 第3項 第1号 に掲 げ る施 設 に 類 す る機 能 を有 す る もの と して 内 閣 総 理 大 臣が 指 定 した もの」(公 文 書 管 理 法 施 行 令2条1項3号),す な わ ち独 立 行 政 法 人等 公 文 書 館 と な っ た施 設 と して は,東 北 大 学 学 術 資 源 研 究 公 開 セ ン タ ー史 料 館 公 文 書 室,名 古 屋 大 学 大 学 文 書 資 料 室,京 都 大 学 大 学 文 書 館, 大 阪 大 学 ア ー カ イ ブ ズ,神 戸 大 学 附 属 図書 館 大 学 文 書 史 料 室,広 島 大 学 文 書館,九 州 大 学 大 学 文 書 館,日 本 銀 行 金 融 研 究 所 ア ー カ イ ブ の8施 設 が あ (s) る。 独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 の 指 定 を 内 閣 総 理 大 臣 に よ ら しめ て い るの は, 「独 立 行 政 法 人 等 の業 務 の 性 格,内 容 が 多 岐 に わ た る こ と を踏 ま え,行 政 機 関 の場 合 よ り も柔 軟 な対 応 が 可 能 とな る よ う」 に との 考 え方 に 基 づ く も の で あ り,指 定 に 当 た っ て は 「施 設 の 機 能 や 体 制,書 庫 の ス ペ ック 等 を踏 ゆ   ま え,総 合 的 に 判 断 す る こ と に な る 」 と さ れ て い る 。 (2)内 閣 総 理 大 臣 の 指 定 を巡 る諸 問 題 現 在,公 文 書 管 理 法 の 適 用 を受 け る独 立 行 政 法 人 等 に は,独 立 行 政 法 人: 100法 人,国 立 大 学 法 人:86法 人,大 学 共 同 利 用 機 関 法 人:4法 人,特 殊

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法 人:9法 人,認 可 法 人:4法 人,そ の 他 の 法 人:1法 人 の,計204法 人 く   が あ る。 先 に述 べ た よ う に,独 立 行 政 法 人等 公 文 書 館 は8施 設(8法 人) しか な い た め,196法 人 に は保 存 期 間 が 満 了 した 法 人 文 書 を 移 管 す べ き施 設 が ない こ とに な る。 もっ と も,法 人 文 書 の 移 管 先 は,「 国 立 公 文 書 館 等 」 で あ れ ば よ く,当 該 独 立 行 政 法 人 等 が 設 置 した 国 立 公 文 書 館 等 に 限 定 さ れ て は い な い た め(公 文 書 管 理 法ll条4項),理 論 的 に は,独 立 行 政 法 人 国 立 公 文 書 館 が 設 置 す る公 文 書 館(国 立 公 文 書 館)に 移 管 す る こ とが 可 能 で くユつ あ る 。 し か し な が ら,国 立 公 文 書 館 は,職 員 数47人(2012(平 成24)年 度 末 定 員),書 架 延 長 約72Km(本 館 ・つ くば 分 館 合 計),延 床 面 積 約23,000 く  ラ m2(本 館 ・つ くば分 館 合 計)と い う コ ンパ ク トな 組 織 で あ る。 そ の た め, 法 人 文 書 の 移 管 を受 け る余 力 が あ る とは考 え られ な い 。 現 に,2010(平 成22)年10月19日 に 開催 され た文 部 科 学 省 に よる公 文 書 管 理 法 等 に 関 す る説 明 会 で は,文 部 科 学 省 及 び 内 閣府 公 文 書 管 理 課 と,国 立 大 学 法 人 ・大 学 共 同利 用 機 関 法 人 との 問 で 交 わ さ れ た 質 疑 応 答 に お い て, 「今 回 『国 立 公 文 書 館 等 』 の指 定 を受 け られ なか っ た場 合,残 した い 文 書 は ど うす れ ば よい か」 とい う 自然 科 学 研 究 機 構 核 融 合 科 学 研 究 所 の 質 問 に 対 して,「 保 存 期 間 で対 応 して 欲 しい 。 国 立 公 文 書 館 へ の 移 管 は,基 本 的 に行 政 文 書 が 中心 で,独 法 に つ い て は 『極 め て 重 要 な もの 』 に 限 定 す る の で,極 め て 少 ない と認 識 して い る 」(傍 点 は筆 者 に よ る。)と の 回答 が な さ くユヨ  れ た とい う,広 島大 学 文 書 館 公 文 書 室 主 任 ・村 上 淳 子 氏 の 報 告 が あ る。 こ こで い わ れ て い る 「保 存 期 間 で対 応 して欲 しい 」 とは,保 存 期 間 を延 長 す る こ とに よ り廃 棄 しな い 方 向 で対 応 して欲 しい と い う意 味 で あ ろ う。 公 文 書 管 理 法 上,法 人 文 書 の保 存 期 間延 長 につ い て 直 接 定 め る 条 文 は存 在 しな い 。 も っ と も,独 立 行 政 法 人 等 が 法 人 文 書 を管 理 す る に あ た って は, 同 法4条 か ら6条 ま で の 規 定 に 「準 じて」 適 正 に管 理 す る こ とが 要 求 さ れ て い る(同 法ll条1項)。 そ して,同 法5条4項 は,行 政 文 書 の 保 存 期 間 及 び保 存 期 間 の 満 了 す る 日 を,政 令 で 定 め る と こ ろ に よ り延 長 す る こ とが で き る 旨定 め て い る 。公 文 書 管 理 法 施 行 前,行 政 文 書 の 保 存 期 間 の 延 長 に つ い て は,基 本 的 に は行 政 機 関 の 長 の 裁 量 に完 全 に委 ね られ て い た が,公

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文 書 管 理 法 は こ れ を 政 令(同 法 施 行 令9条)に よ り規 律 す る こ と と して い く  ラ るの で あ る 。 保 存 期 間 の 延 長 を 法律 ・政 令 に よ り規 律 した の は,国 立 公 文 書 館 等 に 移 管 す べ き文 書 が 不 合 理 に長 期 に わ た り現 用 文 書 扱 い され る こ と くユの が,当 該 文 書 の 紛 失,破 損 ・汚 損 を招 きか ね ない た め で あ る と考 え られ る。 この よ うな 事 態 は,行 政 文 書 の み な らず 法 人 文 書 に つ い て も懸 念 され る も の で あ る た め,法 人 文 書 の 保 存 期 間 の 延 長 につ い て の 判 断 は,公 文 書 管 理 法5条4項 及 び 同法 施 行 令9条 の 規 定 に 「準 じて」(同 法ll条1項),適 正 に な さ れ る べ き筋 合 い の も の で あ る。 先 に述 べ た よ うに,公 文 書 管 理 法 上,国 立公 文 書 館 等 に移 管 され ない 法 人 文 書 は廃 棄 さ れ る 。 そ の 唯 一 の例 外 が 保 存 期 間 の延 長 で あ る が,業 務 上 の 必 要 性 とい う積 極 的 理 由 で は な く,移 管 先 が 無 い とい う消 極 的 理 由 に基 づ く延 長 の 場 合,当 該 法 人 文 書 の 管 理 に対 す る役 員 ・職 員 の 意 識 は 低 下 せ ロ ラ ざ る を得 ず,そ の紛 失,破 損 ・汚 損 が 懸 念 され る。 法 人 文 書 の 国 立 公 文 書 館 へ の 移 管 を 「極 め て 重 要 な もの 」 に 限 定 す る と い う,2010(平 成22)年10月19日 説 明 会 で の 回 答 は,現 実 の もの に な っ て い る。 す な わ ち,2011(平 成23)年 度 に保 存 期 間が 満 了 した(当 初 満 了 予 定 で あ っ た が保 存 期 間 を延 長 した も の を含 む 。)法 人 文 書 フ ァ イ ル等 は, 969,678フ ァ イ ル あ っ た が,そ の う ち 国 立 公 文 書 館 に 移 管 さ れ た の は僅 か くユの 9フ ァイ ル に と ど まっ て い る の で あ る。 独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 の存 在 は,不 合 理 な保 存 期 間 の 延 長 を避 け,歴 史 資 料 と して 重 要 な法 人 文 書 を確 実 に残 し,将 来 の 国 民 に対 す る 説 明 責 務 を果 たす(公 文 書 管 理 法1条)上 で 必 要 不 可 欠 な もの で あ る とい え よ う。 しか し,先 に指 摘 し た とお り,196法 人 に は独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 が 存 在 せ ず,国 立 公 文 書 館 等 に移 管 す る こ とが基 本 的 に で き ない 状 態 に あ る。 で は,な ぜ この よ うな事 態 が 生 じて しま っ た の か 。 結 論 か ら述 べ る な ら ば, そ の 原 因 は,独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 に な る た め に 要 求 され る 内 閣 総 理 大 臣 の 指 定(公 文 書 管 理 法 施 行 令2条1項3号)を 受 け る た め のハ ー ドル が, 非 常 に高 く設 定 さ れ た こ と に あ る と考 え られ る。

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(3)特 定 歴 史 公 文書 等 の 保 存,利 用 及 び 廃 棄 に 関 す る ガ イ ドラ イ ンの 問題 点 「特 定 歴 史 公 文 書 等 の 保 存,利 用 及 び 廃 棄 に関 す る ガ イ ドラ イ ン」(以 下 「特 定 歴 史公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン」 とい う。)は,2011(平 成23)年4 月1日 内 閣 総 理 大 臣決 定 と して 定 め られ,翌2012(平 成24)年 の3度 の 一 部 改 正 を経 て 現 在 に至 っ て い る 。 公 文 書 管 理 法27条1項 は,国 立公 文 書 館 等 の 長 に 「特 定 歴 史 公 文 書 等 の 保 存,利 用 及 び 廃 棄 に関 す る定 め(以 下 「利 用 等 規 則 」 とい う 。)」を設 け る こ とを義 務 づ け て い る。 こ の利 用 等 規 則 に記 載 す べ き事 項 は,同 条2項 に列 記 され て い る。 そ し て,利 用 等 規 則 を定 め る に 当 た っ て,国 立 公 文 書 館 等 の長 に は,あ らか じめ,内 閣 総 理 大 臣 に協 議 し,そ の 同意 を得 る こ と が 義 務 づ け られ て い る(同 条3項)。 そ の た め,独 立 行 政 法 人 国 立 公 文 書 館 が 設 置 す る公 文 書 館(国 立 公 文 書 館),行 政 機 関 の施 設 と して の公 文 書 館(行 政 機 関 公 文 書 館)の み な らず,国 か ら は独 立 の 法 人 格 を有 して い る 独 立 行 政 法 人 等 の施 設 で あ る独 立 行 政 法 人等 公 文 書 館 で あ っ て も,利 用 等 規 則 に つ い て 内 閣総 理 大 臣 の 同 意 を得 な け れ ば な らな い 。 逆 に い え ば,利 用 等 規 則 に つ い て 内 閣 総 理 大 臣 の 同 意 を得 られ な い 限 り,公 文 書 管 理 法 上 の 「国立 公 文 書 館 等 」 と な る こ とが で きな い とい う こ と に な る 。 特 定 歴 史公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ンは,国 立 公 文 書 館 等 の 長 が 利 用 等 規 則 案 く  ラ を作 成 す る に当 た り参 考 とす る た め に,内 閣 府 が 示 した もの で あ り,公 文 書 管 理 法 上 の 根 拠 を持 つ も の で は ない が,事 実 上 は,内 閣 総 理 大 臣 に よ る 利 用 等 規 則 の 同 意 基 準(同 法27条3項)と して の 機 能,ひ い て は,内 閣 総 理 大 臣 に よ る国 立 公 文 書 館 等 の指 定 基 準(同 法2条3項2号,同 法 施 行 令 2条1項3号)と して の 機 能 を有 して い る とい え る。 内 閣 総 理大 臣 の 同意 ・ 指 定 は,特 定 の 施 設 に公 文 書 管 理 法 上 の 国 立公 文 書 館 等 と して の 地位 を賦 与 す る行 為 で あ る た め,そ の法 的 地 位 に直 接 的 な影 響 を与 え て い る とい え る。 当該 行 為 は,行 政機 関 に属 す る宮 内公 文 書 館,外 交 史 料 館 との 関 係 で は,「 行 政 機 関相 互 間 の 行 為 」(最 一 小 判1959(昭 和34)年1月29日 民 集13 巻1号32頁)と 位 置 付 け る こ とが で き よ うが,国 とは 異 な る法 人格 を有 す

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る独 立 行 政 法 人 等 との 関 係 で は処 分 類 似 の効 力 を有 す る と解 す る余 地 が あ ろ う。 す る と,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドライ ン は,行 政 手 続 法2条8号 ロ, 同 法5条 の 定 め る審 査 基 準 に類 す る と も考 え られ る 。 こ の よ うな 機 能 を有 す る特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン につ い て は,公 文 書 管 理 法 施 行 前 か ら歴 史 公 文 書 等 の 保 存 ・利 用 に 当 た っ て きた施 設 の 職 員 か ら,様 々 な問 題 点 が 指 摘 され て い る。 第 一 の 問 題 点 は,そ の 拘 東 力 で あ る。 特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン は, 国 立 公 文 書 館 等 が 利 用 等 規 則 を 定 め る に 当 た っ て の 「規 定 例 を示 す と と も く    に,留 意 事 項 と して実 務 上 の留 意 点 につ い て 記 した もの 」 で あ る 。 そ の 内 容 は,総 則,保 存,利 用,廃 棄,研 修,雑 則 の 計6章 か ら な っ て お り,規 く の 定 例 の み な らず 詳 細 な留 意 事 項 が 記 さ れ て い る。 特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ド ラ イ ン は,法 律 か らの委 任 の な い,文 字 通 りガ イ ドラ イ ンで あ る 。 しか し なが ら,そ の 事 実 上 の拘 束 力 は非 常 に強 い もの が あ る よ うで あ る 。 例 え ば, 独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 の 指 定 を受 け た京 都 大 学 大 学 文 書 館 の西 山伸 教 授 は,「 こ の ガ イ ドラ イ ンの 項 目や 留 意 事 項 は,文 書 館 整 備 の た め の単 な る 目安 で は な い 。 利 用 等 要 項 作 成 をめ ぐる や りと りや,内 閣 府 に よる 実 地 視 察 にお け る議 論 の 中 で,こ れ らの 項 目や 留 意 事 項 通 り に整 備 を行 う よ う強 い 指 導 が あ った 。 今 回 指 定 を受 け た 各 施 設 の 『利 用 等 規 則 』 が,皆 ガ イ ド ラ イ ン の作 成 例 とほ とん ど 同 じに な っ て い る の が,そ の何 よ りの証 拠 で あ く の る」 と述 べ て い る。 この 指 導 は,い わ ゆ る行 政 指 導 で あ り,国 立 公 文 書 館 等 へ の指 定 を希 望 す る独 立 行 政 法 人 等 に対 して 法 的拘 束 力 を持 つ もの で は ない が,保 存 期 間が 満 了 した法 人 文 書 の廃 棄 を避 け,自 ら特 定 歴 史 公 文 書 等 を保 存 し,利 用 に供 した い と考 え る独 立 行 政 法 人 等 との 関 係 で,「 あ く まで も相 手 方 の任 意 の 協 力 に よっ て の み実 現 さ れ る もの で あ る こ とに留 意 」 (行 政 手 続 法32条1項)し て行 わ れ た もの とい え る か,疑 問 な し とは しな い ○ 第 二 の 問 題 点 は,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ンが 要 求 す る,文 書 を受 け 入 れ る た め の 措 置 の水 準 が 高 度 す ぎる こ と に あ る 。特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ンB-1及 びB-2は,行 政 機 関 ・独 立 行 政 法 人 等 か ら移 管 され て

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くる歴 史 公 文 書 等 及 び私 人 等 か ら寄 贈 ・寄 託 され た歴 史 公 文 書 等 の 保 存 に つ き,① くん 蒸 そ の他 の 保 存 に必 要 な措 置,② 識 別 番 号 の 付 与,③ 利 用 制 く  ラ 限 事 由該 当 性 に 関す る事 前 審 査,④ 目録 の作 成 と い っ た 処 置 を施 した 上 で, 「原 則 と して 受 入 れ か ら1年 以 内 に排 架 を行 う もの とす る」 と して い る。 これ らの う ち,実 務 上 特 に 問題 視 され て い る の は,④ で あ る。 く ヨ  「平 成23年 度 公 文 書 等 管 理 状 況 」78頁 に よれ ば,国 立 公 文 書 館 等 の う ち, 民 間 そ の他 の 団 体 か らの 寄 贈 ・寄 託 を受 け た の は 国立 公 文 書 館,名 古 屋 大 学(名 古 屋 大 学 大 学 文 書 資 料 室),京 都 大 学(京 都 大 学 大 学 文 書 館),神 戸 大 学(神 戸 大 学 附 属 図 書 館 大 学 文 書 史 料 室)の4施 設 で あ る。 そ して,そ れ ぞ れ が 受 け入 れ た 件 数 は,国 立 公 文 書 館:llO件,名 古 屋 大 学:3,288件, 京 都 大 学:4,371件,神 戸 大 学:264件 で あ る。 一 見 して,独 立 行 政 法 人 等 く    公 文 書 館 が 受 け入 れ る 寄 贈 ・寄 託 文 書 が 多 い こ とが 分 か る。 こ の デ ー タ は, 「同 じ国 立公 文 書 館 等 で あ っ て も,国 立 公 文 書 館 な ど と異 な り,大 学 ア ー く の カ イ ブ ズ は 所 蔵 資 料 全 体 に 占 め る 個 人 ・団体 文 書 の割 合 が 高 い」 との 指 摘 を裏 付 け て い る と解 され よ う 。 行 政 文 書 ・法 人 文 書 につ い て は,原 則 と して 現 用 段 階 で 分 類,名 称 付 与 が 済 ん で い る た め(公 文 書 管 理 法5条1項 ・3項,ll条1項 ・2項),そ く    れ が 適 切 に な さ れ て い る こ とを前 提 とす れ ば,④ 目録 の 作 成 の手 間 は 大 幅 に低 減 され る。 そ の た め,「 原 則 と して受 入 れ か ら1年 以 内 に排 架 を行 う」 とい う特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン の要 求 は,そ れ ほ ど厳 しい もの で は ない と も考 え ら れ る 。 こ れ に対 して,寄 贈 ・寄 託 文 書 に つ い て は,「 個 別 の 文 書 群 に よ っ て数 量 も形 態 も保 存 状 況 も全 く異 な る 寄 贈 ・寄 託 文 書 を, (筆 者 注:行 政 機 関 ・独 立 行 政 法 人 等 か らの 受 入 文 書 と)同 一 の 基 準 で 整 理 させ,排 架 させ よ う とす る の は 通 常 の体 制 で は無 理 な 注 文 で あ る と言 え く の る」 との指 摘 が な され て お り,傾 聴 に値 し よ う。 筆 者 は,1974(昭 和49)年 度 に 宮 内 庁 か ら国 立 公 文 書館 に移 管 され た, 極 東 国 際 軍 事 裁 判 関係 の 資 料 の 目録 作 成 業 務 に一 部 携 わ っ た経 験 が あ るが, 64の ダ ンボ ー ル 箱 に 入 っ て い た 資 料 の 目録 作 成 に,2000(平 成12)年1月 く  ラ か ら2002(平 成14年)12月 ま で,実 に3年 近 くの 期 間 を 要 し た 。 予 算 ・人

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員 の 確 保 が で き れ ば,寄 贈 ・寄 託 文 書 に つ い て も 「原 則 と して受 入 れ か ら 1年 以 内 に排 架 」 す る こ と は可 能 か も しれ な い が,そ の よ う な状 況 にあ る 独 立 行 政 法 人 等 は 限 られ て い る で あ ろ う。 そ の た め,こ れ が 独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 の 指 定 を受 け 控 え る 要 因 の 一 つ と な り,結 果 と して歴 史 公 文 書 等 の 紛 失 ・散 逸 ・廃 棄 につ な が っ て い く可 能 性 は否 定 で き な い で あ ろ う。 第 三 の 問 題 点 は,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ンが 要 求 す る保 存 環 境 の 水 準 が 高 度 す ぎる こ と に あ る 。 同 ガ イ ドラ イ ンB-4(2)は,特 定 歴 史 公 文 書 等 を 保 存 す る専 用 の 書 庫 につ い て,「 温 度,湿 度,照 度 等 を適 切 に 管 理 す る と と も に,防 犯,防 災,防 虫 等 の た め の 適 切 な措 置 を講 ず る もの とす る」 と して い る。 この 温 度 湿 度 管 理 や 防 災 等 の 措 置 に関 して は,「 所 蔵 す る特 定 歴 史公 文 書 等 の種 類,量,館 の 置 か れ た 環 境 等 に よ り異 な る た め, 具 体 的 な 数 値 や 方 法 を ガ イ ドラ イ ンで 指 定 す る こ とは して い な い が,そ れ ゆ ラ そ れ の館 の 事 情 を踏 ま え て適 切 に 行 う必 要 が あ る」 と説 明 さ れ て い る。 「そ れ ぞ れ の 館 の事 情 を踏 ま え て 」 と され て は い る もの の,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン8頁 で は,国 立 公 文 書 館 にお け る 書 庫 環 境 整 備 状 況 等 が 「例 え ば 」 と して記 載 さ れ て い る。 そ こで は,温 度22℃,相 対 湿 度55%, 紫 外 線 除去 され た蛍 光 灯 の 使 用,イ ナ ー ジ ェ ン ガ ス等 に よ る 自動 消 火 設 備 の 設 置,排 気 を 出 さな い 高 性 能 フ ィル タ ー を使 用 した掃 除 機 に よる 週 一 回 の 全 書 庫 の ク リ ー ニ ン グが 例 示 され て い る 。 ま た,内 閣 府 公 文 書 管 理 課 か ら国 立 大 学 法 人 に発 送 され た とい う 「国立 大 学 法 人 か らの 質 問事 項 」 で は, 国 立 公 文 書 館 等 に指 定 され る施 設 の 設 備,人 員 体 制 に つ い て 「施 設 の 設 備 と して は,受 付 窓 口 が 整 備 さ れ て い る こ と,専 用 の 閲 覧 ス ペ ー ス が 設 け ら れ て い る こ と,専 用 の 書 庫(特 定 歴 史 公 文 書 等 を永 久 保 存 す る た め の 温 湿 度 管 理,清 掃 等 が な され て い る必 要)等 が 整備 さ れ,人 員 体 制 に つ い て は りの 専 任 の職 員 が 配 置 され て い る こ と な どが あ げ られ る」 と され て い る 。 い ず れ に つ い て も,相 応 の予 算 措 置 が 必 要 と な る の は 明 ら か で あ る。 し か しな が ら,「 国 立 大 学 法 人 か ら の 質 問 事 項 」 で は,「 公 文 書 管 理 法 を所 管 く    す る 内 閣府 で は,特 段 の 予 算 措 置 は 考 え て い ない 」 と され て い る 。 この 点 につ き,京 都 大 学 大 学 文 書 館 の 場 合 は,「 た ま た ま新 書 庫 の建 設 と重 な っ

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た た め,予 算 や 工 法 上 の 問 題 が比 較 的 ス ム ー ズ に処 理 で き たが,経 常 的 な くヨ   経 費 に よる な らば この よ う な整備 は不 可 能 で あ っ た とい って過 言 で は な い」 との 指 摘 が な さ れ て い る。 (4)検 討 以 上,公 文 書 管 理 法2条3項 が 定 め る 「国 立 公 文 書 館 等 」 を巡 る 問 題 を い くつ か挙 げ て きた が,こ の よ う な問 題 は なぜ 生 じて い るの で あ ろ うか 。 この 点 に つ い て は,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ンが 「国 立 公 文 書 館 を念 頭 に置 い て作 成 さ れ た もの で あ り,独 立 行 政 法 人 や 国 立 大 学 法 人等 の こ と くヨヨ  は 考 慮 され て い な い 」,独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 へ の公 文 書 管 理 法 の ミス マ ッチ は,同 法 が 「国 立 公 文 書 館 の み を念 頭 に作 られ た た め で あ る と考 え く  ラ ら れ る 」,「『理 想 』 か らの 偏 差 で 現 実 を判 断 し,裏 付 け(財 政 的 な)と 計 画 性(『 理 想 』 へ の 段 階 的 な発 展 計 画)を 持 た な い ま ま,『 理 想 』 を現 実 に くヨの し よ う と した 手 法 に 問題 が あ っ た と言 わ ざる を得 な い」 とい っ た,公 文 書 管 理 法 施 行 前 か ら歴 史公 文 書 等 の 保 存 ・利 用 に従 事 して き た者 か らの 指 摘 が,正 鵠 を射 て い る と考 え られ る 。 こ れ ら を法 的 に敷 桁 す る と,以 下 の よ う に な ろ う。 特 定 歴 史公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ンが,上 述 の よ う な高 い ハ ー ドル を国 立 公 文 書 館 等 の 指 定 に際 して 要 求 した の は,公 文 書 管 理 法15条1項 で 「永 久 保 存 」 が 定 め られ て い る こ と に よ る と考 え ら れ る 。 す な わ ち,「 特 定 歴 史 公 文 書 等 を永 久 保 存 し得 る施 設 」 で な け れ ば,国 立 公 文 書館 等 足 りえ ず,公 文 書 管 理 法 施 行 前 に お け る我 が 国 にお い て,特 定 歴 史公 文 書 等 を永 久 保 存 して い た の は 国 立 公 文 書 館 で あ る か ら,国 立公 文 書 館 と同 じ く特 定 歴 史 公 文 書 等 を永 久 保 存 す る 施 設 た る 国 立 公 文 書 館 等 に は,そ れ と 同 じ水 準 を要 求 す べ き との 思 考 が 存 在 して い た と考 え られ るの で あ る 。 しか しな が ら,文 書 の 永 久 保 存 を定 め る法 令 は,公 文 書 管 理 法15条1項 だ け で は な い 。 例 え ば,不 動 産 登 記 規 則28条 に よ れ ば,「 地 図 及 び 地 図 に 準 ず る 図 面(閉 鎖 した もの を含 む 。)」(同 条2号),「 建 物 所 在 図(閉 鎖 し た も の を含 む 。)」(同条3号)の 保 存 期 間 が 「永 久 」 と さ れ て い る。 また,

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土 地 改 良登 記 規 則3条2項,土 地 区 画 整 理 登 記 規 則4条2項,立 木 登 記 規 則31条1号,木 材 統 計 調 査 規 則16条1項 ・2項,特 定 放 射 性 廃 棄 物 の 最 終 処 分 に 関 す る法 律18条2項 な ど,文 書 の 「永 久 」 保 存 を定 め る法 令 は 多 数 存 在 す る 。 これ らの文 書 す べ て に つ い て,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン と 同 じ よ うな 管 理 が な され て い る と は思 わ れ ない 。 そ もそ も,特 定 歴 史公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン を順 守 した と して も,特 定 歴 史 公 文 書 等 を文 字 通 り 「永 久 」 に 保 存 す る こ と は,物 理 的 に不 可 能 で あ ろ う。 た とえ,国 立 公 文 書 館 の よ う な温 度 湿 度 管 理 等 を 施 し た と して も,そ れ は紙 文 書 の 劣 化 の進 行 を遅 らせ る に役 立 つ に と どま り,そ れ を止 め る も くヨの の で は な い 。 ま た,デ ジ タ ル 化 ・マ イ ク ロ フ ィ ル ム 化 さ れ た 文 書 で あ っ て も,ハ ー ドデ ィ ス ク を 始 め と す る 有 体 物 に 記 録 さ れ て い る 以 上,そ の 物 理 くヨの 的 限界 は存 在 す る。 つ ま り,公 文 書 管 理 法15条1項 が 要 求 す る 「永 久 保 存 」 は,一 種 の フ ィ ク シ ョ ンで あ り,現 在 の科 学技 術 水 準 か らす る 「目標 」 で は あ り得 て も,実 現 可 能 な 「義 務 」 で あ る と解 す る こ と はで きな い と思 わ れ る の で あ る。 換 言 す れ ば,同 項 が 要 求 す る 永 久 保 存 は,過 渡 的 な概 念 と して の永 久 保 存 で あ る と解 す べ きで あ る。 しか ら ば,公 文 書 管 理 法15条1項 が 要 求 す る 永 久 保 存 は,「 で きる 限 り 永 久 に」 とい う意 味 で 解 す べ きで あ ろ う。 この 「で きる 限 り」 は,施 設 の 置 か れ て い る状 況 に応 じ て相 対 的 な もの で あ る。 なぜ な ら ば,国 立公 文 書 館 と い う独 立 行 政 法 人 国 立 公 文 書 館 に置 か れ る施 設,宮 内 公 文 書 館 ・外 交 史 料 館 とい った 国 の行 政 機 関 に 置 か れ る施 設,国 立 大 学 法 人 を始 め とす る 独 立 行 政 法 人 等 に置 か れ る施 設 で は,予 算 ・人 員 ・施 設 の 状 況 ・保 存 す る 文 書 の種 類 等 と い っ た 前 提 条 件 が そ れ ぞ れ 異 な る た め,「 で き る 限 り」 の 内 容 が 異 な って 当 然 だ か ら で あ る 。 前 提 条 件 を揃 え る の で あ れ ば と もか く, そ れ が な され て い な い 現 状 に お い て,国 立 公 文 書 館 と同 じ保 存 水 準 を他 の 「国 立 公 文 書 館 等 」 に一 律 に 要 求 す る こ とは 現 実 的 で は ない 。 も ち ろ ん,国 立 公 文 書 館 と同等 の 特 定 歴 史 公 文 書 等 の 管 理 レベ ル を他 の 国 立 公 文 書 館 等 のす べ て に要 求 す る こ とは,公 文 書 管 理 法16条1項 が 定 め る特 定 歴 史 公 文 書 等 を利 用 す る権 利 を確 保 し,「 国 及 び独 立 行 政 法 人 等 の

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有 す るそ の 諸 活 動 を … … 中 略 … … 将 来 の 国 民 に説 明 す る責 務 」(同 法1条) を(で きる 限 り)全 うで き る よ う にす る とい う意 味 で は,合 理 性 を持 つ と くヨ   解 す る こ とが で きる 。 しか し,独 立 行 政 法 人 等 公 文 書 館 が 圧 倒 的 に 少 な く, 法 人 文 書 の 受 入 れ に 国 立 公 文 書 館 が 消 極 的 で あ る とい う現 在 の状 況 にか ん が み る と,国 立 公 文 書 館 等 と して の 指 定 を受 け る た め の ハ ー ドル を高 く設 定 した こ とは,法 人 文 書 の 紛 失 ・散 逸 ・廃 棄 を招 く要 因 と な っ て お り,か え っ て公 文 書 管 理 法1条 の 目 的 を阻 害 して い る と評 価 す る こ とが で き る。 国 立 公 文 書 館 と 同等 の 保 存 レベ ル と い う 「100」 を求 め て,結 果 と して 法 人 文 書 の紛 失 ・散 逸 ・廃 棄 とい う 「0」 を招 こ う と して い る の が,現 在 の 状 況 で あ ろ う。 こ の 問題 を解 決 す る 上 で 参 考 に な る と思 わ れ る の が,全 国 歴 史 資 料 保 存 利 用 機 関 連 絡 協 議 会(以 下 「全 史 料 協 」 と い う。)の 調 査 ・研 究 委 員 会 が 提 唱 して い る,ミ ニ マ ム ・モ デ ル,ゴ ー ル ド ・モ デ ル とい う考 え 方 で あ る。 全 史 料 協 は,1976(昭 和51)年 に 発 足 した,文 書 記 録 を中 心 とす る 記 録 史 料 を保 存 し,利 用 に供 し て い る機 関 会 員(文 書 館,公 文 書 館,図 書 館,歴 史 資 料 館,自 治 体 史 編 さ ん室,大 学 資 料 室 等)と,同 会 の 目 的 に 賛 同 して 入 会 した個 人 会 員 で構 成 す る全 国 団 体 で あ る 。 全 史 料 協 調 査 ・研 究 委 員 会 で は,公 文 書 管 理 法34条 に よ り地 方 公 共 団体 に課 さ れ た 文 書 管 理 に 関 す る 努 力 義 務 の う ち,歴 史公 文 書 等 に 係 る義 務 を全 国 の地 方 公 共 団体 が 果 た す 上 で は,公 文 書 館 を設 置 す る こ とが 必 要 とな るが,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン と同 等 の保 存 レベ ル を 要 求 す る こ と は,厳 しい 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 等 に か んが み現 実 的 で は な い と考 え,ま ず は歴 史 公 文 書 等 を廃 棄 か ら救 う た め に ミニ マ ム ・モ デ ル(公 文 書 館 機 能)を 備 え,将 来 的 に ゴ ー ル ド ・モ デ ル(公 文 書 館 的 機 能)を 目指 す こ と を提 唱 して い る。 本 稿 で 述 べ た 「過 渡 的 な 概 念 と して の 永 久 保 存 」 を,そ れ ぞ れ の 団 体 の 置 か れ て い る 状 況 に応 じて 求 め る とい う点 で は,国 立 公 文 書 館 等 に 要 求 さ れ る水 準 を再 ゆ ラ 検 討 す る 上 で,参 考 に な る もの と思 わ れ る 。

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2現 用 文 書 の 定 め方(行 政 文 書 ・法 人 文 書) (1)一 般 に 入 手 可 能 な文 書 行 政 文 書 ・法 人 文 書 の 定 義 は,そ れ ぞ れ,公 文 書 管 理 法2条4項,同 条 5項 で 定 め られ て い る が,い ず れ にお い て も,「 官 報,白 書,新 聞,雑 誌, 書 籍 そ の他 不 特 定 多 数 の 者 に販 売 す る こ と を 目的 と して 発 行 さ れ る もの 」 (以 下 「販 売 目 的 文 書 」 とい う。)が 除 外 され て い る(公 文 書 管 理 法2条4 項1号,同 条5項1号)。 文 言 上,販 売 目 的 で は な い 文 書,す な わ ち,国 ・ 独 立 行 政 法 人 等 が 作 成 し,無 料 配 布 す るパ ン フ レ ッ ト等 は,行 政 文 書 ・法 く  ラ 人 文 書 に 入 る と解 され よ う。 販 売 目的 文 書 が 行 政 文 書 ・法 人 文 書 か ら除 か れ,公 文 書 管 理 法 に 基 づ く 管 理 を 受 け な い こ と と さ れ た理 由 の 一 つ と して,「 行 政 機 関 が 発 行 す る官 報 及 び 白書 につ い て は,国 立 国 会 図 書 館 法(昭 和23年 法律 第5号)に 基 づ き,国 立 国 会 図 書 館 へ の 納 入 が 義 務 づ け られ,同 図書 館 にお い て 図 書 と し く の て 適 切 に管 理 さ れ,一 般 の 閲覧 に 供 さ れ て」 い る こ とが 挙 げ られ て い る。 理 論 的 に は そ の よ う にい え る で あ ろ うが,国 立 国 会 図 書 館 へ の,い わ ゆ る 納 本 制 度 の 運 用 実 績 か らす る と,こ の 理 由 は 説 得 力 を持 た な い と考 え ら れ る。 納 本 制 度 につ き定 め る国 立 国 会 図 書 館 法10章 及 び11章 に よ れ ば,国 の 諸 機 関 及 び そ れ 準 ず る法 人(同 法24条)並 び に地 方 公 共 団 体 諸 機 関 及 び そ れ に準 ず る法 人(同 法24条 の2)に は,当 該 機 関 ・法 人 に よ り発 行 され た 出 版 物,又 は,当 該 機 関 ・法 人 の た め に発 行 され た 出版 物 を,そ の他 の 発 行 者(同 法25条)に は,自 らが 発 行 した 出版 物 を,国 立 国 会 図 書 館 に 納 入 す る こ とが義 務 付 け られ て い る 。 2005(平 成17)年 刊 行 の 出 版 物 を対 象 と して,国 立 国 会 図 書 館 が2007 (平成19)年 度 に行 っ た サ ンプ ル 調 査 の結 果 に よ れ ば,国 立 国会 図 書 館 へ の 納 入 率 は,取 次 経 由 の 図 書 が88%,自 費 出 版 の 図書 が67%,雑 誌 ・新 聞 が85%,音 楽 ・映 像 資 料 が39%,市 販 さ れ て い る政 府 刊 行 物 が90%,市 販 され て い な い 政 府 刊 行 物 が46%,地 方 自治 体 の 刊 行 物 が42%(最 高94%, 最 低9%)と な っ て い る。 ま た,大 学 の 出版 物 につ い て は,全 体 と して8

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割 弱 とい う納 入 率 で あ る も の の,講 演 会 報 告,調 査 研 究 報 告 とい っ た 非 継 く の 続資 料 の納 入 率 が 低 い との こ とで あ る 。 す る と,国 立 国 会 図書 館 へ の納 入 ・ 同 館 で の利 用 可 能 性 に期 待 し,販 売 目 的文 書 を公 文 書 管 理 法 に基 づ く管 理 対 象 か ら除外 す る こ と は,一 定 割 合 の 販 売 目的 文 書 の利 用 可 能 性 を奪 う こ と につ な が りか ね な い と評 価 で き る。 ま た,グ ロ ーバ ル 社 会 に突 入 した今 日で は,行 政 機 関 ・独 立 行 政 法 人 等 の 諸 活 動 の 参 考 とな っ た,販 売 目的 で 発 行 さ れ た 海 外 書 籍 ・文 献 等 が 多 数 存 在 す る と考 え られ るが,そ れ ら につ い て は納 本 制 度 の対 象 と は な っ て い な い。 確 か に,販 売 目 的文 書 ・海 外 書 籍 等 に つ い て は,そ の 特 定 部 分 を抜 粋 す る形 で 行 政 文 書 ・法 人 文 書 を作 成 す る上 で利 用 さ れ る の が ほ とん どで あ ろ (43) う と思 わ れ る。 そ の た め,そ の全 部 を公 文 書 管 理 法 に よ る管 理 の対 象 と し な くて も よい と の考 え 方 に は,確 か に一 理 あ る よ うに も思 え る 。 しか し, 特 定 部 分 を抜 粋 す る形 で 作 成 され た 行 政 文 書 ・法 人 文 書 の 妥 当性 を検 証 し よ う とす る 場 合,不 適 切 な引 用 ・解 釈 が な され て い な い か を確 認 す る必 要 が あ る。 そ の た め に は,そ こ で用 い られ て い る販 売 目的 文 書 ・海外 書 籍 等 を,「 抜 粋 で は な い 形 」 で 検 証 す る こ とが 必 要 不 可 欠 で あ る 。 そ の 意 味 で は,少 な くと も,行 政 文 書 ・法 人 文 書 に一 部 抜 粋 の形 で 利 用 さ れ た 販 売 目 的 文 書 ・海 外 書 籍 等 につ い て は,「 当 該 行 政 機 関 にお け る経 緯 も含 め た 意 思 決 定 に至 る過 程 並 び に当 該 行 政 機 関 の事 務 及 び事 業 の 実 績 を合 理 的 に跡   ラ 付 け,又 は検 証 す る こ とが で きる よ う」(公 文 書 管 理 法4条)に す る た め に必 要 な文 書 と して,行 政 文 書 ・法 人 文 書 に含 む こ とが 望 ま しい の で は あ る ま い か 。 また,販 売 目的 文 書 ・海 外 書 籍 等 の 一 部 が行 政 文 書 ・法 人 文 書 に含 ま れ る とい う こ と は,そ れ らが 国 立 公 文 書 館 等 へ の 移 管 の対 象 に な り (45) 得 る とい う効 果 も持 つ こ と に な る 。 こ れ に よ り,販 売 目的 文 書 ・海外 書 籍 等 を特 定 歴 史 公 文 書 等 化 す る こ とが 可 能 とな り,現 在 の み な らず 将 来 の 国 民 に対 す る 説 明 責 務 が 一 段 と果 しや す くな ろ う。 ② 歴 史 資 料 等 保 有 施 設 行 政 文 書 ・法 人 文 書 の 定 義 に つ い て,公 文 書 管 理 法 は, そ れ ぞ れ,行 政

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機 関 情 報 公 開 法 ・独 立 行 政 法 人等 情 報 公 開法 が 定 め る行 政 文 書 ・法 人 文 書 (46) の 定 義 と,平 灰 を合 わ せ て い る 。 そ して,行 政 文 書 ・法 人 文 書 の い ず れ に つ い て も,当 該 行 政 文 書(法 人 文 書)の 「歴 史 的 若 し くは文 化 的 な 資 料 又 は 学 術 研 究 用 の 資 料 と して 」 の 「特 別 の 管 理 」 が,そ れ ぞ れ,「 政 令 で 定 め る研 究 所 そ の 他 の 施 設 」(公 文 書 管 理 法2条4項3号),「 政 令 で定 め る 博 物 館 そ の 他 の 施 設 」(同 条5項3号)た る歴 史 資 料 等 保 有 施 設 で な さ れ く フ  て い れ ば,行 政 文 書 ・法 人 文 書 か ら除 か れ る こ と に な る 。 と こ ろ で,公 文 書 管 理 法 上 は,行 政 機 関 の 職 員(独 立 行 政 法 人等 の 役 員 又 は職 員)が 作 成 ・取 得 し,組 織 的 に用 い る もの と して 保 有 して い る文 書 が,行 政 文 書(法 人 文 書)で あ る と さ れ て い る(同 法2条4項 本 文,5項 本 文)。 した が っ て,行 政 機 関(独 立 行 政 法 人 等)に 属 す る歴 史 資 料 等 保 有 施 設 の 職 員(役 員)が 職 務 上 作 成 ・取 得 した 文 書 で あ っ て も,上 述 の 「特 別 の管 理 」 が な され て い れ ば,そ れ らは行 政 文 書(法 人 文 書)で は な い 。 そ の た め,当 該 文 書 は 国立 公 文 書 館 等 へ の 移 管 の 対 象 と な らず,特 定 歴 史 公 文 書 等 に対 す る利 用 請 求権 の 対 象 に も な ら な い こ と に な る 。 歴 史 資 料 等 保 有 施 設 につ き,こ の よ うな行 政 文 書(法 人 文 書)か らの 適 用 除 外 が 定 め ら れ た の は,公 文 書 管 理 法 制 定 附 則5条 に よ る改 正 前 の 行 政 機 関 情 報 公 開 法2条2項2号 が これ と同様 の 定 め を置 き,宮 内庁 書 陵 部, 外 務 省 外 交 史 料 館,防 衛 庁 防衛 研 究 所 図書 館(史 料 閲 覧 室)等 が保 有 す る 文 書 を 「行 政 文 書 」 か ら除 外 して い た こ と,同 じ く,公 文 書 管 理 法 制 定 附 則6条 に よ る改 正 前 の独 立 行 政 法 人 等 情 報 公 開 法2条2項2号 も これ と同 様 の 定 め を置 き,独 立 行 政 法 人 国 立 公 文 書 館 の 公 文 書 館,独 立 行 政 法 人 国 立 文化 財 機 構 の博 物 館,国 立 大 学等 の 附属 図書 館,日 本 銀 行 金融 研 究 所 ア ー カ イ ブ等 が保 有 す る文 書 を 「法 人 文 書 」 か ら除 外 して きた と い う経 緯 に基 く    つ い て い る 。 本 稿 で言 及 した施 設 と して は,上 述 の施 設 の う ち,宮 内 庁 書 陵部 図 書 課 宮 内 公 文 書 館,外 務 省 外 交 史 料 館,独 立 行 政 法 人 国立 公 文 書 館 の公 文 書 館, 日本 銀 行 金 融研 究 所 ア ー カ イ ブ が,公 文 書 管 理 法 上 の 「国 立 公 文 書館 等 」 と な っ た の に 対 して,宮 内 庁 書 陵 部 図書 課(図 書 寮 文 庫),防 衛 庁 防 衛 研

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究 所 図書 館(資 料 室)の 後 身 た る 防 衛 省 防衛 研 究 所 戦 史研 究 セ ン ター(資 料 室)は,公 文 書 管 理 法2条4項3号,同 法 施 行 令3条1項 に基 づ く歴 史 資 料 等 保 有 施 設 に,独 立 行 政 法 人 国 立 文 化 財 機 構 の博 物 館 は,同 法2条5 項3号,同 法 施 行 令5条1項1号 に基 づ く歴 史 資 料 等 保 有 施 設 に な って い る。 つ ま り,公 文 書 管 理 法 施 行 前 まで は 同 じ く歴 史 資 料 等 保 有 施 設 で あ っ た も の で も,同 法 施 行 後 に 国立 公 文 書 館 等 と な っ た もの と な らな か った も の が あ る の で あ る。 繰 り返 し に な るが,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 の 保 有 す る 文 書 は行 政 文 書(法 人 文 書)で は ない た め,国 立 公 文 書 館 等 へ の 移 管 対 象 に な らず,し た が っ て 公 文 書 管 理 法16条1項 の 定 め る利 用 請 求 権 の 対 象 に は な ら な い 。 つ ま り, 特 定 の文 書 が 歴 史 資 料 等 保 有 施 設 にお け る 「特 別 の管 理 」 下 に置 か れ る と い う こ とは,特 定 歴 史公 文 書 等 利 用 請 求 権 の 射 程 範 囲 を画 す る とい う意 味 ゆ ラ を持 つ の で あ る。 先 ほ ど述 べ た よ う に,行 政 機 関(独 立 行 政 法 人 等)に 属 す る歴 史 資 料 等 保 有 施 設 の 職 員(役 員)が 職 務 上 作 成 ・取 得 し,組 織 的 に用 い る もの と し て 保 有 して い る文 書 で あ って も,「 特 別 の 管 理 」 が な され て い れ ば行 政 文 書(法 人文 書)と して の 管 理 を し な くて も良 い 。 こ こで い う 「保 有 」 とい う概 念 は,当 該 文 書 を所 持 して い る こ と を い い,所 持 とは,「 物 を事 実 上 支 配 して い る状 態 を い い,当 該 文 書 を書 庫 等 で 保 管 し,又 は倉 庫 業 者 等 を して 保 管 させ て い る場 合 に も,当 該 文 書 を事 実 上 支 配(当 該 文 書 の 作 成, 保 存,閲 覧 ・提 供,移 管 ・廃 棄 等 の 取 扱 い を判 断 す る権 限 を有 して い る こ と。 … … 中 略 … … 。)し て い れ ば,『 所 持 』 に該 当 し,保 有 して い る とい う く    こ とが で き る」 と解 され て い る 。 法 的 に見 れ ば,国 ・独 立 行 政 法 人等 に お け る文 書 の取 得 は,職 員(役 員) く    で は な く,法 的 主 体 た る国 ・独 立 行 政 法 人等 の み が な し得 る はず で あ る。 し たが っ て,公 文 書 管 理 法 は,取 得 した文 書 につ き,当 該 文 書 の 法 的 取 得 主 体(国 ・独 立 行 政 法 人 等)で は な く,事 実 上 の 取 得(所 持)主 体 に よ り, 行 政 文 書(法 人 文 書)と して管 理 す るか,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 の 文 書 と し て 管 理 す る か を分 け て い る とい え る。

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以 上 を前 提 とす る と,何 らか の 文 書 を取 得 した法 的 主 体(国 ・独 立 行 政 法 人 等)が,そ の管 理 を ど の施 設 で 行 わせ る か に よ り,行 政 文 書(法 人 文 書)で あ る か 否 か が 左 右 さ れ る こ と に な る 。行 政 文 書(法 人 文 書)は,行 政 機 関情 報 公 開 法 ・独 立 行 政 法 人 等 情 報 公 開 法 に基 づ く開 示 請 求 の対 象 と な る の み な らず,保 存 期 間満 了後 に は 国立 公 文 書 館 等 に移 管 さ れ,特 定 歴 史 公 文 書 等 と して永 久保 存 さ れ,公 文 書 管 理 法 に基 づ く利 用 請 求権 の 対 象 と な り得 る もの で あ る 。 こ れ に対 し,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 の 文 書 に つ い て は,明 文 で 開 示 請 求 権 ・利 用 請 求 権 を定 め る 法 律 は存 在 し な い 。 そ の た め, 歴 史 資 料 等 保 有 施 設 は,「 請 求 権 に 基 づ く利 用 を 避 け る た め の 施 設 」 と し て 用 い られ る危 険 性 を有 して い る とい え る 。 も っ と も,こ の点 に関 して は,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 にお い て な され て い る 「特 別 の 管 理 」 の 内 容 と して,公 文 書 管 理 法 施 行 令4条3号,6条3号 が 定 め る事 由 以 外 で の 「一 般 の利 用 の 制 限 が行 わ れ て い ない こ と」 が 求 め られ て お り,特 に 問題 に な らな い との 見 解 もあ り得 よ う。 しか しな が ら, そ の よ うな 見 解 を採 る と して も,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 が 保 有 す る 文 書 の 利 用 拒 否 に つ き処 分 性 が 認 め られ る か 否 か とい う問 題 が あ る。 こ の 問 題 は, 公 文 書 管 理 法 制 定 前 にお い て 問題 と な っ て い た,国 立 公 文 書 館 が保 存 す る 文 書 の利 用 請 求 拒 否 に処 分 性 が認 め られ る か 否 か とい う論 点 と共 通 性 を有 す る と解 され よ う。 当 該 論 点 に つ い て は,処 分 性 を肯 定 す る見 解 と否 定 す る見 解 が あ った と ころ で あ る が,公 文 書 管 理 法16条1項 が 利 用 請 求 権 を明 ゆ ラ 記 した こ と に よ り立 法 的 に解 決 した 。 しか し なが ら,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 で 管 理 され る文 書 に つ い て は,立 法 的 解 決 が 図 ら れ て い ない た め,今 後, 検 討 の必 要 が あ ろ う。 なお,公 文 書 管 理 法 施 行 令4条3号 ・6条3号 が 定 め る利 用 制 限 事 由 を, 公 文 書 管 理 法16条1項1号 ・2号 と比 較 す る と,前 者 の 方 が 利 用 制 限 事 由 が 少 な い 。 そ の た め,利 用 請 求権 が 明 記 され た 国立 公 文 書 館 等 に 移 管 さ れ る よ り も,利 用 請 求 権 が 明 記 され て い な い歴 史 資 料 等 保 有 施 設 で保 有 して も ら っ た 方 が,利 用 者 の 立 場 か らす る と,利 用 の 範 囲 が 広 が り望 ま しい と い う 「逆 転 現 象 」 が 生 じ て い る よ う に思 わ れ る点 も問題 で あ ろ う。

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ま た,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 で 管 理 さ れ て い る文 書 に つ い て は,公 文 書 管 理 法 施 行 令4条3号,6条3号 が 認 め る事 由 以 外 に も,著 作 権 法 上 の 利 用 制 限,具 体 的 に は公 表 権(同 法18条),氏 名 表 示 権(同 法19条,90条 の2), 複 製 権(同 法21条)と の 関 係 で利 用 制 限 が 生 じる と解 され る点 も問 題 で あ る。 紙 幅 の都 合 上,公 表 権 に つ い て の み 若 干 の 検 討 を 加 え る こ とに す る。 例 え ば,私 人 が 作 成 した歴 史 的 公 共 施 設 の 未 公 表 の 設 計 図 が,国 立 公 文 書館 等 で利 用 に供 され るケ ー ス を考 え て み よ う。 こ の場 合,当 該 設 計 図 が, ① 行 政 文 書 が 移 管 され た も の で あ る と きに は 著 作 権 法18条3項1号,② 法 人 文 書 が 移 管 さ れ た もの で あ る と き に は 同項2号,③ 寄 贈 ・寄 託 され た も の で あ る と き に は 同項4号 に よっ て,公 文 書 管 理 法16条1項 の規 定 に よ り 国 立 公 文 書 館 等 の長 が 当 該 著 作 物 を公 衆 に提 供 し,又 は 提 示 す る こ と につ い て,原 則 と して 同 意 した もの とみ な され る(著 作 権 法18条3項 柱 書)。 そ の た め,国 立 公 文 書 館 等 に お い て は,公 表 につ い て個 別 的 な 同 意 を得 ら れ て い な い 著 作 物 に つ い て も,公 表 権 を侵 害 す る こ とな く利 用 に供 す る こ とが で きる 。 こ こ で,公 文 書 管 理 法16条1項 の み が 示 され て い る こ とか ら, 歴 史 資 料 等 保 有 施 設 が 当 該 設 計 図 を保 有 して い る場 合 に は,公 表 に つ い て るヨラ 著 作 者 の 許 諾 を求 め な け れ ば な ら ない こ と と な ろ う。 こ れ に対 して,著 作 権 法18条3項3号 ・5号 で は,公 文 書 管 理 条 例(地 方 公 共 団体 又 は地 方 独 立 行 政 法 人 の 保 有 す る 歴 史 公 文 書 等 の 適 切 な 保 存 及 び 利 用 に つ い て 定 め る 当 該 地 方 公 共 団 体 の 条例)に 基 づ き地 方 公 文 書 館 等 (歴史 公 文 書 等 の適 切 な保 存 及 び利 用 を 図 る 施 設 と して 公 文 書 管 理 条 例 が 定 め る施 設)に 移 管 され た文 書 を,公 文 書 管 理 条 例 の 規 定(公 文 書 管 理 法 16条1項 の 規 定 に相 当 す る規 定 に 限 る)に 基 づ い て,地 方 公 文 書 館 等 の 長 が 当 該 著 作 物 を公 衆 に提 供 し,又 は 提 示 す る こ と に つ い て,原 則 と して 同 意 した もの とみ な して い る(著 作 権 法18条3項 柱 書)。 こ こ で い う 地 方 公 文 書 館 等 をい か な る レベ ル の もの とす る か につ い て は,特 定 歴 史公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ンの よ うな もの が 存 在 しな い た め,当 該 地 方 公 共 団体 が 「地 方 公 共 団体 又 は 地 方 独 立 行 政 法 人 の 保 有 す る歴 史 公 文 書 等 の 適 切 な保 存 及 び 利 用 に つ い て 定 め る 当 該 地 方 公 共 団 体 の 条 例 」 で,「 歴 史 公 文 書 等 の 適 切

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な保 存 及 び利 用 を 図 る施 設 」 を 定 め れ ば よ い(同 項3号)。 そ の た め,特 定 歴 史 公 文 書 等 ガ イ ドラ イ ン の 要 求 水 準 を充 た す こ とが で きず,国 立 公 文 書 館 等 に は な れ な い歴 史 資 料 等 保 有 施 設 と同 等 の 水 準 の 施 設 で あ っ て も, 地 方 公 共 団体 が 条 例 で 定 め れ ば,公 表 権 を侵 害 す る こ と な く当該 設 計 図 を 利 用 に供 す る こ とが で き る こ とに な る。 著 作 権 法18条 は,行 政 機 関 情 報 公 開 法 ・独 立 行 政 法 人 等 情 報 公 開 法 に基 づ く開 示 請 求 権,公 文 書 管 理 法 に基 づ く特 定 歴 史 公 文 書 等 の 利 用 請 求 権 との 関係 で 改 正 が 重 ね ら れ て きた が, 現 行 の公 文 書 管 理 法 を前 提 とす る 限 り,歴 史 資 料 等 保 有 施 設 との 関係 で も く  ラ 再 度 の検 討 が 必 要 で あ る と思 わ れ る。 3他 の 法 令 との 関係 公 文 書 管 理 法3条 は 「公 文 書 等 の 管 理 に つ い て は,他 の 法 律 又 は これ に 基 づ く命 令 に特 別 の定 め が あ る場 合 を 除 くほ か,こ の 法 律 の 定 め る と こ ろ に よ る」 と定 め,同 法 が 公 文 書 等 の 管 理 に 関 す る一 般 法 で あ る こ と を示 し て い る。 公 文 書 管 理 法 の 特 別 法 に 該 当 す る もの の 例 と して は,刑 事 確 定 訴 るの 訟 記 録 法 が あ る。 公 文 書 管 理 法 は,「 健 全 な民 主 主 義 の根 幹 を支 え る 国 民 共 有 の 知 的 資 源 」 た る行 政 文 書,法 人 文 書,特 定 歴 史 公 文 書 等 を管 理 す る こ と に よ り,「 行 政 が 適 正 か つ 効 率 的 に運 営 さ れ る よ う にす る と と もに,国 及 び独 立 行 政 法 人 等 の有 す るそ の諸 活 動 を現 在 及 び 将 来 の 国 民 に説 明 す る責 務 が全 う さ れ る よ う にす る こ と を 目的 」 と して い る(同 法1条)。 そ の た め,同 法3条 に よ り同法 の 管 理 対 象 か ら一 定 範 囲 の 文 書 を除 外 す る 特 別 法 は,当 該 目 的 を果 たす た め の 別 の制 度 が 備 え られ て い る もの,又 は 当 該 目 的 に優 る 目 的 に資 す る た め の もの で あ る必 要 が あ ろ う。 本 稿 執 筆 時 点 で は,「 特 定 秘 密 の保 護 に関 す る法 律 案 の概 要 」(以 下 「特 定 秘 密 保 護 法 案 概 要 」 とい う。)し か 公 表 され て お らず,そ の 詳 細 は 不 明 で あ る が,特 定 秘 密 が 記 録 さ れ て い る文 書 が,公 文 書 管 理 法3条 に よ っ て 同 法 の適 用 除 外 とな る こ と は避 け るべ きで あ る。 特 定 秘 密 保 護 法 案 概 要 に よ れ ば,行 政 機 関 の 長 は,「 別 表 に 該 当 す る事

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項(公 に な っ て い な い もの に 限 る 。)で あ っ て,そ の漏 え い が 我 が 国 の 安 全 保 障 に著 し く支 障 を与 え る お そ れ が あ る た め,特 に 秘 匿 す る こ とが 必 要 で あ る もの を特 定 秘 密 と して 指 定 」 し,「 指 定 に係 る事 項 が 記 載 さ れ た 文 書 に特 定 秘 密 の 表 示 をす る こ とそ の 他 の 当該 事 項 が 特 定 秘 密 で あ る 旨 を明 らか に し,及 び こ れ を保 護 す る た め に必 要 な もの と して 政 令 で定 め る措 置 を講 ず る もの とす る 」(1頁)と さ れ て い る。 そ の た め,特 定 秘 密 が 記 録 され た文 書 の管 理 方 法 につ い て は,政 令 で定 め られ る と考 え られ る。 法 律 ・ 政 令 の定 め られ 方 に よ っ て は,公 文 書 管 理 法3条 に該 当 す る と して,特 定 秘 密 が 記 録 され た文 書 の 管 理 は,行 政 機 関 の 長 に全 面 的 に委 ね られ る こ と に な りか ね な い 。 そ して,2011(平 成23)年8月8日 の 「秘 密 保 全 の た め る   の 法 制 の在 り方 につ い て(報 告 書)」13頁 で は,「 例 え ば 」 と い う留 保 付 き で は あ るが,「 特 別 秘 密 に係 る 文 書 ・図 画 ・物 件 の 作 成 ・取 得,運 搬 ・交 付,保 管 ・利 用,廃 棄 ・移 管 の 手 続 及 び方 法 」 につ い て 保 全 措 置 を講 ず る こ とが 適 当 で あ る と され て い る 。 この 方 向 で 法 律 ・政令 等 が 整 備 され る の で あ れ ば,特 定 秘 密 が 記 録 さ れ た 文 書 は,や は り公 文 書 管 理 法 の適 用 を受 ゆ   け な い とい う こ とに な りそ う で あ る。 行 政 機 関 情 報 公 開 法5条3号 が 規 定 す る よ う に,「 国 の 安 全 が 害 され る お そ れ」 の あ る情 報 を,当 該 「お そ れ 」 が存 在 す る 限 りにお い て秘 密 に し て お くこ と 自体 は,正 当 化 で き よ う。 しか し,当 該 「お そ れ 」 は,時 の 経 過 に よ り減 少 して ゆ き,最 終 的 に は 消 滅 す る はず の もの で あ る 。現 在 にお い て 「お そ れ 」 が あ る た め 開示 す る こ とが で き な い情 報 で あ っ て も,当 該 「お そ れ 」 が 消 滅 した 将 来 に お い て 「国 民 に 説 明 す る 責 務 」(公 文 書 管 理 る ラ 法1条)を 全 う させ る こ と は可 能 で あ る。 そ れ を可 能 にす る た め に は,当 該 文 書 が保 存 期 間満 了等 を理 由 と して 廃 棄 され る こ とな く,特 定 歴 史 公 文 書 等 と して 保 存 さ れ る こ とが 必 要 で あ る。 この よ うな観 点 か らは,仮 に特 定 秘 密 が記 録 さ れ た文 書 を公 文 書 管 理 法 の適 用 か ら除外 す る と して も,当 該 文 書 を確 実 に 国立 公 文 書 館 等 に移 管 し,「 お そ れ 」 が な くな っ た の ち に 利 用 させ る 制 度 が 整 え られ るべ きで あ る とい え る。 こ の よ うな 視 点 か ら参 考 に な る の が,逗 子 市 情 報 公 開 条 例 で あ る 。 逗 子

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市 情 報 公 開 条 例 で は,同 条 例5条2項1号 か ら4号 に掲 げ る非 公 開 情 報 が 記 録 さ れ て い る こ と を理 由 と して 非 公 開 と され た情 報(同 条 例3条1項) につ い て,「 非 公 開 と され た 年 度 の 翌 年 度 か ら起 算 して20年 を経 過 した も の は,そ の 時 点 で 情 報 公 開請 求 が ない 場 合 で あ っ て も,当 該 情 報 を1年 間 公 表 す る もの とす る 」 と定 め て い る(同 条 例6条 の2第1項,第2項)。 ま た,そ の 時 点 で も個 人 の 権 利 ・利 益 を侵 害 す る情 報 につ い て は,な お 「公 表 しな い こ とが で きる 」 と しつ つ も,当 該 個 人 情 報 に つ い て は,「 非 公 開 と した 年 度 の翌 年 度 か ら起 算 して50年 を経 過 す る まで10年 ご と に公 表 の 可 否 に つ い て 判 断 を行 う もの とす る」 と して い る(同 条 例6条 の2第1 項)。 公 開 請 求 が あ っ て か ら20年 以 上 が 経 過 した情 報 に つ い て,公 開 の 可 否 の 判 断 をす る とい う こ と は,当 該 文 書 が保 存 さ れ続 け て い る こ と を意 味 し よ う。 特 定 秘 密 保 護 法 制 にお い て 「特 定 秘 密 」 と され た文 書 につ い て は,当 該 文 書 に係 る 説 明 責 務 を全 う させ る た め,逗 子 市 に お け る 個 人 情 報 が 記 録 さ れ た文 書 の よ う に,い つ か 公 開 で き る 日が 来 る ま で保 存 し続 け る 制 度 が 必 要 で あ る 。 補 論 本 稿 校 正 中 の2013(平 成25)年12月6日,特 定 秘 密 の 保 護 に 関 す る法 律 (以下 「特 定 秘 密 保 護 法 」 とい う。)が 成 立 し,同 月13日 に公 布 さ れ た 。 同法 は,「 我 が 国 の安 全 保 障(国 の 存 立 に関 わ る外 部 か らの 侵 略 等 に対 し て 国 家 及 び 国 民 の 安 全 を保 障 す る こ と を い う。 以 下 同 じ。)に 関 す る情 報 の う ち特 に秘 匿 す る こ とが 必 要 で あ る もの につ い て,こ れ を適 確 に保 護 す る体 制 を確 立 した上 で 収 集 し,整 理 し,及 び活 用 す る こ とが 重 要 で あ る こ と に鑑 み,当 該 情 報 の 保 護 に 関 し,特 定 秘 密 の 指 定 及 び 取 扱 者 の 制 限 そ の 他 の必 要 な 事 項 を定 め る こ とに よ り,そ の 漏 え い の 防 止 を 図 り,も っ て 我 が 国及 び 国 民 の安 全 の 確 保 に資 す る こ と を 目的 とす る 」 も の で あ る(同 法1条)。 こ こ で い う 「情 報 」 が,「 行 政 機 関 の 職 員 が 職 務 上 作 成 し,又 は 取 得 した 文 書 」(公 文 書 管 理 法2条4項 本 文)に 記 録 され て い れ ば,当 該

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情 報 は公 文 書 管 理 法 にい う行 政 文 書 に該 当 す る。 した が っ て,特 定 秘 密 保 護 法 及 び そ の 委 任 を受 け た 政 令 等 に お い て,「 情 報 」 の 「収 集 」 「整 理 」 「活 用 」 の た め の 「必 要 な事 項 」 を 定 め る こ と に よ り,公 文 書 管 理 法3条 にい う 「特 別 の 定 め」 を な し,同 法 の 適 用 除外 とす る余 地 が あ る 。 も っ と も,特 定 秘 密 保 護 法 を見 る限 りに お い て,当 該 「特 別 の 定 め 」 に 該 当 す る よ う な具 体 的 な規 定 は 見 当 た らな い た め,当 該 「情 報 」 が 記 録 さ れ た行 政 文 書 につ い て は,基 本 的 に公 文 書 管 理 法 の適 用 が あ る と解 す る こ とが で きる 。 こ の こ と は,衆 議 院 にお け る修 正 で 追 加 され た特 定 秘 密 保 護 法4条6項 が,秘 密 指 定 の 有 効 期 間 の 延 長 を通 算30年 を超 え て す る た め に 同 条4項 に よ っ て要 求 され る 内 閣 の 承 認 を得 られ な か っ た 行 政 文 書 フ ァイ ル 等 を,公 文 書 管 理 法8条1項 の 規 定 に 関 わ らず 「これ を国 立 公 文 書 館 等 (同法 第2条 第3項 に規 定 す る 国 立 公 文 書 館 等 を い う。)に 移 管 しな け れ ば な らな い 」 と規 定 した こ とに よ り,明 確 に な っ た とい え よ う 。 そ の 意 味 で は,本 稿 で 危 惧 して い た,特 定 秘 密 が 記 録 され た文 書 が,全 面 的 に公 文 書 管 理 法 の 適 用 除 外 と な る とい う事 態 は避 け られ て い る 。 しか しな が ら,特 定 秘 密 が 記 録 され た行 政 文 書 フ ァイ ル 等 に つ い て,現 在 及 び将 来 にお け る説 明 責 務 を全 う させ る た め の 制 度 が 完 全 に は確 保 さ れ て い な い 点 は,問 題 で あ る。 上 述 した よ う に,特 定 秘 密 保 護 法4条6項 は,同 条4項 に よ っ て 要 求 さ れ る秘 密 指 定 の 有 効 期 間 延 長 に係 る内 閣 の承 認 を得 られ なか っ た行 政 文 書 フ ァ イ ル等 につ い て は,国 立 公 文 書 館 等 へ の 移 管 義 務 を定 め て い る 。 こ の 規 定 か らす る と,同 項 の 適 用 を受 け な い行 政 文 書 フ ァイ ル 等,す な わ ち, 秘 密 指 定 の 有 効 期 間 が30年 以 下 で あ る もの,内 閣 の承 認 を得 て秘 密 指 定 の 有 効 期 間 が30年 を超 え て 延 長 され た もの に つ い て は,国 立 公 文 書 館 等 へ 移 管 さ れず,保 存 期 間満 了 を理 由 と して 廃 棄 され る可 能性 が 残 さ れ て い る こ と に な る 。例 え ば,秘 密 指 定 の有 効 期 間 と当 該 秘 密 が 記 録 さ れ て い る行 政 文 書 フ ァイ ル 等 の保 存 期 間が 一 致 し,か つ,保 存 期 間 満 了 後 の措 置 が 「廃 棄 」 とさ れ て しま え ば,行 政 機 関 情 報 公 開法 ・公 文 書 管 理 法 に基 づ く開 示 請 求 ・利 用 請 求 の機 会 を国 民 に 与 え る こ とな く,当 該 行 政 文 書 フ ァ イル 等

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