Title
パラグアイにおける野鳥による野菜被害 1.被害の様相
Author(s)
外間, 数男; フアナ, カバゼ一ロ; グラシエラ, エスティガリ
ビア; エンリケ, ゴンザレス
Citation
沖縄農業, 43(1): 67-78
Issue Date
2009-08
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/4781
Rights
沖縄農業研究会
パラグアイにおける野鳥による野菜被害
1.被害の様相外 間 数 男1)・フアナ カバゼ一ロ 2)・グラシエラ エスティガ リビア2) ・ エンリケ ゴンザ レス2)
(1)JICAシニアボランティア ・JICAパ ラグアイ事務所, 2)パラグアイ農牧省農業普及局)
Da丘oscausadosporpaJarOSenhortalizasenParaguay. (1)As pectosdeda丘oscausadosporpajaros.
KazuoHOKAM A l',JuanaB.CABALLERO 2),GracielaV.ESTIGARRIBIA2', EnriqueGONZALEZ2)
(1'seniorVoluntariodeJICA -Paraguay, 2'paraguay,MinisteriodeAgricultura yGanaderia,Direcci6ndeExtensi6nAgraria)
Resumen
El da丘o de hortalizas por paJarOS Se observa en elarea completa delaRegi6n OrientaldelParaguay.Comoresultadode haberinvestigado33especiesdehortalizas dellfamilias,elda丘ofueinventariadoen 25especies.Altoindicededa丘oseregistr6 en br(icoli y coliflor perteneciente a Brassicaceae.Sin embargo,poco da丘o se observ6ennabojapon6sy repolloroJO.
Elplmientoverdepresent6da丘oen una hoja y en frutas,estado pint6n.Tomate present6da丘oen lafructificaci6n,sin em-bargo, berenJena no. Guisante present6 da丘oen hojasyvainas.En Cucurbitaceas y en periodo decrecimiento inicial,hojas presentaron da丘os y luego la planta se sec6.Me16npresent6da丘oenfrutamadura. No fueron registradosda丘osen Apiaceas, LiliaceaeniPoacea.
En cuantoalrastro(tipo)deda丘odela hoja,seregistraron trestipos:da丘oen la punta de una hoja que ocurri6 en la pnmera etapa decrecimiento,da丘o en el contorno,o borde de la hoja y da丘o en
forma de un agu]ero.Lechuga y mostaza presentaronda丘osleves.
Seobserv6muchoda丘oenbr6colicuando se compar6 con los producidos en la colinor.Estopodriaserdebidoaladureza de la hoja de la coliflor en la que se observaronabundantesheridasimprovisadas. Peque丘osda丘osenformaderaspadurasse observaron en repolloro
J
O
,COmparadocon repollo comdn en el cual el da丘o fue menOr.は じめに
パ ラグアイは南緯19.3度か ら27.6度 に位置す る.南 回帰線23.26度 の北は熱帯,南は亜熱帯
68 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009) である. またパ ラグアイ川か ら西地域はチ ャコ と呼ばれる半乾燥地帯であ り,東部地域は湿潤 亜熱帯である.東部地域は降水量が多 く肥沃で あることか ら農業地帯が形成 され 高地 には森 林域が分布す る.アス ンシオ ンの年平均気温は 23.2℃であるが,夏は40℃近 くまであが り酷暑 となる. しか し秋か ら冬,春 にかけては,概 し て凌 ぎやすい天候である. この時期 に野菜栽培 が多 く種類 も多様 になる.パ ラグアイの野菜栽 培は冬作型 といえる. 冬期の野菜畑 には野鳥が襲来 し,葉や実 を加 害す る.加害は活着期か ら収穫期 まで見 られ 生育収量に大 きな影響を及ぼ し,商品価値 を著 しく損なっている.野鳥 による野菜被害は全国 的にみ られるが,被害の実態は明 らかでない. また野鳥 による野菜被害 について も詳細な報告 はない. 今回パ ラグアイにおける野鳥 による野菜被害 について調査 を行 ったので報告する.調査はセ ン トラル県 を中心に,主 としてパ ラグアイ農牧 省農業普及局展示圃やアス ンシオ ン大学農学部 台湾技術支援農場で行 った. 調査方法 野菜の被害分布調査は2008年 6月か ら11月に かけて,現地調査及び聞き取 りによって行った. 聞き取 り調査 はJICA青年海外協 力隊員及び関 係者に対 して行 った. 被害状況の調査は,セ ン トラル県の野菜生産 地及びサ ンロレンソ市 にある農牧省農業普及局 及びアス ンシオ ン大学農学部台湾技術支援農場 で適宜行 った.調査は数
m
B規模の家庭菜園か ら 1,000m2以上を対象 に,50m2未満 については全 株調査, 100m2以上は圃場 内数 ヶ所か らランダ ムに100-200株 を抽出して行 った.葉菜類およ び結球性野菜は葉身および結球部,カブ, ビー トな どは葉身, ウ リ類,ピーマ ンは葉身及び果 実,イチゴ, トマ ト,ナスは果実,エ ン ドウは 葉および莢,スイー トコー ンは絹糸抽出部 を対 象に調査 を行 った. 生育ステージと被害 については, レタス とカ ラシナを対象 にアスンシオン大学農学部台湾技 術支援農場で調査 を行 った. レタスは本葉 5-6枚期 を生育初期,それ以降か ら結球 までを生 育期,結球開始以降を結球期 とした. またカラ シナは本葉 5- 6枚期 を生育初期,本葉15枚前 後 を生育中期,25枚前後 を後期,30枚以降を収 穫期 とした. ブ ロッコリー とカ リフラワーの被害調査は, アスンシオン大学農学部台湾技術支援農場で行っ た.調査圃場は隣接地を対象として開花前に行っ た.調査 は2008年 6月18日,6月26日,7月 2 日に行 い,30-50株の全葉 を調査 した. また被 害推移の調査は,2008年 8月 5日植付 け圃場で 行 った.調査圃場の畝幅は160cm,株間40cm, 列 間40cmの 3列植で あった. 調査 は2008年 8 月9日か ら9月25日の収穫期 まで適宜行 った. 調査は1区80株の全集調査 とした.また葉の引っ 掻 き傷の調査は被害推移調査圃場で10月 1日に 行 い,30株の全葉 を調査 した. キ ャベツの被害調査はアス ンシオ ン大学農学 部台湾技術支援農場で,普通キ ャベツと紫キ ャ ベツを対象に行 った.調査圃場は任意 に選び, ランダムに抽出した各30株の全集 を調査 した. 調査は外葉部 に限 り,結球部は除いた.調査は 2008年 6月か ら9月にかけて 6回調査 した. 結 果 1)被害の分布 野鳥 による野菜被害は,調査 したほぼ全域で 見 られた (図1
)
.
被害は小規模菜 園か ら大規 模 まで見 られ 家庭菜園的な圃場で 目立つ傾向外間 ・カバゼ一口 ・エスティガリビア ・ゴンザレス :パラグアイにおける野鳥による野菜被害 69
図1.野鳥による野菜被害の分布.
FiguraL Zonasdedistribuci6ndelda丘ocausadoporpa]aros ● :被害確認地点 Puntoestabanda丘osconfirmados
にあった.特 にイチゴは商品価値 を著 しく損な う点か ら注意 されるが,葉菜類は被害そのもの を認識 しない場合 もあ り,虫害 と見誤 ることも あった. しか し野鳥加害の恒常化 した地域では ネ ッ ト掛けや案山子な どの防止対策 を採 ること もあった. 2)野菜の被害 11科33種の野菜 について被害調査 を行 った結 果,25種で被害が確認された (表1,2).被害 程度はブロッコリー とカ リフラワーで高 く,ハ クサイやカブ,カイ ランな どアブラナ科野菜で 多かった. しか しダイ コンや紫キャベツでは程 度が低かった. またキク科の結球 レタスは被害 程度が高いが,チ リメンチシャや茎チシャは低 かった.アカザ科 のホウ レンソウで被害は多い が, フダ ンソウは低 く,テ ンサイは確認 されな かった. しか しその後 の調査で活着期の加害が 確認 された.イチゴは着色すると同時に加害 を 受け,熟果で被害が多かった.大学農場では6 月に50%以上の被害果率を示す こともあった.
70 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009)
表1.野鳥 による野菜の被害状況.
Table1.Promediodecomparaci6ndedaF10Senhortalizas.
科 種 類 被害葉率 % 1) Familia Especie % deDanos ナス科 トマ ト Tomate 0.3 Solan aceas ナスピーマン PiBemirenejntenao 1
0
3.7 アブラナ科 Brassicaceae キャベツ 紫キャベツ ハクサイ ブロッコリー カリフラワ-カブ カラシナ ダイコン タイサイ チンゲンサイ カイラン Repollo RepolloRqjo ColChina Br6coll Coliflor Rabanito Mostaza Colnabo Paitsai ChlngenSai Kailan 9 7 3 6 7 3 9 8 9 6 4 4 7 0 7 5 8 1 1 1 1 2 1 3 6 4 2 1 1 2 2 アカザ科 ホウレンソウ Espinaca Chenopodiaceae テンサイ Remolacha フダンソウ Acelga キク科 レタス LechugaRepollado Astieraceas チ リメンチシャ LechugaMorada 茎チシャ LechugaTallo セ リ科 _ノン/ Zanahoria Apiaceas パセ リ Perejil マメ科 Fabacerae エン ドウ GulSanteユ リ科 タマネギ Cebolla Aliaceas ネギ Cebolladehqja ニラ Nira バラ科 Rosaceae イチゴ Frutilla 8.1 イネ科 Poaceae スイー トコーン Maizdulce 0 1)被害菓数/調査薬数×100(%)
1)NlimerosdehoJaSdeda丘oS/NlimerosdehojasdeinvestlgaCi6nXIOO (%)
表2.野鳥 によるその他の野菜被害.
Table2.HortalizasdedaFIOSCauSadosporpaJarOS.
科 Familia 種 類 Especie ウリ科 Cucurbitaceae キュウリ Pepino
スイカ Sandia
メロン Me16n カボチャ Zapalito
アオイ科 Malvaceae オクラ Okra
ナス科では,ピーマ ンが苗床時 と本圃定植後 に 害は生育 に大き く影響 し枯死 に至る場合 もあっ 葉が加害されたが (図2),果実は着色果でわず た. また トマ トは葉の加害がな く,果実が加害 か に加害 を受 けた (図3).生育初期 の葉 の加 されたが程度は低かった.加害 を受けた果実は
外間 ・カバゼ一口 ・エスティガリビア ・ゴンザレス :パラグアイにおける野鳥による野菜被害 71 中身が綺麗 にな くな り,皮だけが吊 り下がった 状態 になった (図
4)
.ナスは幼苗期 の葉がわ ずかに加害 されたが,果実の加害はなかった. エ ン ドウは葉 と英が加害 されたが,程度は極め て低かった.セ リ科やユ リ科,イネ科では被害 が確認 されなかった. 図2.ピーマン定植株の葉の被害. Figura2.DaF10dehojasdeplmiento. 図3.ピーマンの果実被害.Figura3.DaF10defrutosdepimiento.
図4.トマ トの果実被害.
Figura4.DaFIOdefrutosdetomate.
またウ リ科では,表2に示すように主なウ リ 類で葉の加害があった.加害は着果前の生育初 期 に多 く,キュウ リでは定植直後か ら加害を受 け,本葉が展開するたびに加害 を受け枯死 に至 る場合があった. またメロンもキュウリ同様 に 加害され枯死に至る場合 もあった (図5).キュ ウ リの果実被害は未確認であるが,マスクメロ ンでは熱巣 に被害があった (図6). カボチ ャ は定植直後の葉が加害 されたが,生育 に大 きな 影響がな く,加害 を受けて も伸長生長 を続 け, 被害が不明瞭 となった.スイカも生育初期 に葉 の加害があったが,程度は低かった. 図5.メロン定植株の葉の被害. FIgura5.DaFlodehoJaSdemelon.
図6.メロンの果実被害.
Figura6.DaRodefrutosdemelon. 葉の加害痕跡は3タイプに分けられる (図
7
)
.
葉先の加害は植 え付け初期 に見 られ (図8)
, 生育が進む と葉の側面か ら加害 を受けるように72 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009) な る (図9). またキ ャベツや ブ ロ ッコ リーな 害痕 には鋸歯状の切 り込みが見 られ る.その大 ど大型 の葉では葉 の上か ら加害す るので葉脈 に きさか ら加害種 を推定す る こともできると思わ 区切 られ た穴状 の被害痕跡 とな る (図10). 加 れ る.
葉先加害
Enpunt
a
\† __
菓縁加害
Enc
o
nt
o
r
no
穴状加害
Enag
uj
e
r
os
図7.野鳥による葉の加害痕跡タイプ. Figura7.tipodedaFIOSCauSadosporpaJarOS外間 ・カバゼ一口 ・エスティガ リビア ・ゴンザレス :パラグアイにおける野鳥による野菜被害 73
図8.葉先の被害痕 (カラシナ). Figura8.DaFIOdepunta (Mostaza)
図9.葉緑の被害痕 (キャベツ). Figurag.DaFlodecontorno (Repollo)
図10.穴状の被害痕 (ブロッコリー). Fjgura10.DaFIOdeagujeros(Brocoli)
3)
生育ステージと被害 野菜 の生育ステー ジと被害程度 をカ ラシナ と 結球性 レタスで検討 した. レタスは,植 え付 け 直後か ら活着期 にかけて被害が多 く,生長す る につれて少な くな る傾 向 にあった (表 3). 結 表3.レタスの生育段階と被害程度.Table3.Comparaci6n de daF10 en Plantasde lechugarepo‖adoendiferentesperiodos dedesarrollo. 生育段階 被害葉率 (%) 1) periodosdedesarrollo Porcenta)ededa丘os(%)1' 生育初期 Perioddeenraizado 生育期 Perioddecrecimiento 結球期 Period de formaci6n 7.2 decabeza 1)被害乗数/調査乗数×100(%)
1)Ndmerosdehojasdeda丘oS/Ndmerosde
hoJaSdeinvestigaci6nXIOO (%)
球期以降の加害は外柔 の加害のみで,結球部 に は見 られないか,極 めて少なかった.商品 とな る結球部 に加害が少ない ことか ら被害量 として は軽微 になる. しか し活着期 の加害は著 しく生 育不良をきた し,枯死 にいたる場合 もあった. またカ ラシナで も生育初期 に被害が多 く,生 長す るにつれて少な くなる ことは レタス と同 じ で あった (表4). 生育初期 に20.1%の被害葉 率 を示 して いたが, 生育 中期 には2.0% に急減 し,収穫期 にはほとん ど被害が見 られな くなっ た. 表4.カラシナの生育段階と被害程度.
Table4.Comparaci6n de daF10 en diferentes periodosdedesarrollo en plantasde mostaza. 生育段階 被害葉率 (%) 1) periodosdecrecimiento Porcentajededaaos(%)1' 生育初期 Primerperiod 生育中期 Periodmedio 生育後期 Segundamitad 収穫期 Perioddecosecha 20.1 2.0 2.3
0
1)被害葉数/調査乗数×100 (%)1)Ndmerosdehojasdeda丘oS/Ndmerosde
74 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009) 4)ブ ロッコ リー とカ リフラ ワーの被害比較 ブ ロッコ リー とカ リフラワーの被害 (図11) は, ブ ロッコ リーで被害程度が極 めて高 い(表 5). カ リフラワー はブ ロ ッコ リー の加害 がか な り進行 した後 に被害が 目立つよ うになった. またブ ロッコ リー とカ リフラワーの被害の推移 を図12に示 した.生育初期 の被害程度はいずれ も低 いが, 中期以降か らブ ロッコ リーの被害が 急増 し, 開花期 には60%近 くの葉 に加害があっ た. これ に対 しカ リフラワーは開花期 まで被害 が極 めて少な く, 開花期以降か ら被害が増加す るが,程度はブ ロッコ リー に比べて低 く推移 し た. 図11.ブロッコリーとカリフラワーの被害状況.
Figurall,ComparacidndedaFIOentrebrdcoIIy coliflor.
表5.ブロッコリーとカリフラワーの被害状況.
Table5.ComparacidndedaFIOdelashojasenbrdcoliycoliflor
種 類
Especie
被害葉率 (%)l' porcentajededa丘os(%)l'
2008.6.18 2008.6.26 2008.7.02
プロッコリ- Br6coli 79.2 99.1 18.7
カリフラワー Coliflor 28.3 29.1 8.9
1)被害乗数/調査薬数×100 (%)
‖Ndmerosdehojasdeda丘oS/Ndmerosdehojasdeinvestigaci6nXIOO (%)
60 50 ⊂ qJ 8 40 撒 害 宣 誓 2書UU 呈 ;:10
0
-二_一一 -lll一l■ --9Ago.16Ago.20Ago.29Ago.4Sep.13Sep.25.Sep. 調 査 時 期 Fechadeinvestigaci6n
図12.ブロッコリーとカリフラワーの被害棄率の推移.
外間 ・カバゼ一口 ・エスティガ リビア ・ゴンザレス :パラグアイにおける野鳥による野菜被害 75 カ リフラワーの葉 には多数 のかす り傷が観察 され る (図13).加害時 に嘴を何度 も葉 に立て た傷跡である. 引っ掻 き傷 はカ リフラワーで多 く,ブロッコリーで極めて少ない (表6).引っ 図13.カリフラワーの引っ掻き傷.
Figura13.Raspadoenlashojasdecoliflor.
5)キ ャベツ系統間の被害比較
紫キ ャベツはカ リフラワー 同様 に引っ掻 き傷 が多 くみ られ る (図14).引っ掻 き傷は普通キ ヤ
図14.紫キャベツ引っ掻き傷.
Figura14.RaspadoenlashojasderepolloroJ O.
考 察 パ ラグアイの東部地域は緯度および気象条件 か ら沖縄 に類似す る.秋期か ら冬,春期 にかけ て野菜栽培が集 中す る, いわゆる冬作型である 点 も共通す る. またその時期 に野鳥が襲来 し野 掻 き傷 は葉の硬 さを示す と思われ る. カ リフラ ワーの葉はブ ロッコ リー に比べてやや硬 いもの と推測 され る. 表6.ブロッコリーとカリフラワーの引掻き傷率.
Table6.ComparacI6nderaspadodelashoJas enbr6collyCOliflor. 種 類 Especie 引掻き傷率 (%)1) Porcentajederaspado enl乱shojas(%) 1) ブロッコリー Br6coli 2.4 カリフラワー Colinor 29.1 1)被害乗数/調査乗数×100(%)
]'NdmerosderaspadodelashojaS/Ndmeros dehoJaSdeinvestigaci6nXIOO (%)
ベツで も見 られ るが,紫キ ャベツに比べて少な い.被害程度 は紫キ ャベツでやや低か った (表
7
)
.
表7.キャベツと紫キャベツの被害状況. Table7.ComparacidndedaFIOen2variedades
delrepollo. 種 類 被害葉率 (%) 1) 2Variedadesdelrepollo Porcentajededa丘os(%)1' キャベツ repollo 14.0 紫キャベツ repollorojo 7.7 被害乗数/調査薬数×100(%)
Ndmerosdehojasdeda丘oS/Ndmerosde hojasdeinvestigaci6nXIOO (%)
菜 を加害す る ことも同 じである. しか し南 アメ リカ大陸のほぼ 中央部 に位置す る内陸国である 点は異なる.海洋島の沖縄 と内陸国パ ラグアイ の野鳥 による野菜被害 を比較検討す る ことは生 態 を知 るうえで も貴重である.
76 沖縄 農 業 第43巻 第1号 (2009) 今 回の調査 はサ ンロレンソ市 にあるパ ラグア イ農牧省農業普及局展示 圃およびアス ンシオ ン 大学農学部台湾技術支援農場で行 った ものであ り,地域限定的 にな らざるを得ない. しか し被 害 の実態 は他 の地域で もほぼ 同 じと思われ 限 られた地域 の調査か らで も他 を類推す る ことは 可能 と思われ る. 調査地 の2地点 は1km以 内 の近接地 にあ り,周 囲は樹木が生い茂 り,冬春 期 に多様な野菜が栽培 され る点で共通す る. ま た野鳥 の生息環境 として も最適な条件 を備 え, 常 に野鳥が野菜畑 に侵入 し加害 を繰 り返す常襲 地域 になって いる.野鳥 による野菜加害 を調査 研究す る うえでは好適な条件 といえる. パ ラグアイ における野鳥 による農作物加害は, ハ トに よ る 豆 類 の 被 害 が 知 られ て い る . Schonemann (1982)は冬か ら春 にか けては野 生の採餌植物 の減少で野鳥 による豆類 の被害が 多 くな ると報告 している. またEIsam (2006) は野菜 を加 害す る野鳥 としてはHavia spな ど 5種 を挙げて いる. しか し被害 の詳細な報告 は ない. 今 回野鳥 による野菜被害がほぼ全国的でみ ら れ る ことが明 らか になった.被害程度は不明で あるが,地域間差 のある ことも否定できない. 野鳥 による野菜被害は,都市近郊 だけでな く, 樹木 の生い茂 る野生寄主 の豊富な地域で も見 ら れ る. また木 々に囲まれた圃場で被害 のない こ ともあ り,加害の生態 を把握す ることは難 しい. しか し調査 を繰 り返す ことで基礎データを集積 し論議 を深める ことは重要である. 野鳥 による加害がブ ロッコ リーで多 く, アブ ラナ科や レタスで被害程度が高 い点 は沖縄 のシ ロガ シラによる加害 と共通す る (外間 ・村上, 1999).しか し トマ トで被害が少な く, ピーマ ンやウリ科,オクラで葉を加害 し,スイー トコー ンで被害が見 られない点は シロガ シラと大 き く 異なるものである.特 に トマ トは どんな対策 を して もシ ロガ シ ラが侵 入 し加 害 を繰 り返す が (外間,1999),パ ラグアイでは露地であって も 被害は極 めて少ない. またセ リ科やユ リ科な ど 香辛野菜 に加害がない ことはシロガ シラと同 じ である. パ ラグアイで野菜等 を加害す る野鳥 は数種知 られ て いる (EIsam,2006).今 回の調査地点 における加害鳥 は特定 にいたってお らず, また 沖縄で問題 となるシロガ シラや ヒヨ ドリとも種 が異な り,加害鳥が数種 いるなかで被害 を比較 す る ことは難 しい ことであるが,葉 を加害す る 点か ら検討す る ことは必要である. 葉 の加害は野菜 にとどま らず,パパイヤやケ イ トウ,バ ジル, ある種 の樹木で も見 られた. また雑草の花弁 を食餌す ることも観察 している. 街路樹や公 園な どの樹木 に実が鈴な りになって いて も,野鳥が群れて食餌す る ことも見 られな か った.カ ンキツの熟果があって も側 のキ ャベ ツに加害 を繰 り返す ことな ど,果実食であるは ず の野鳥が葉 を優先的 に食餌す る ことは理解 し がたいものである. またシロガ シラは冬期 に野 菜 を加 害 し, 春 期 以 降か ら加 害 が な くな るが (外間 ・村上,2005),パ ラグアイでは夏 に植 え たスイカや メロン,キ ュウ リの葉が加害 され枯 死 にいたる こともあった.パ ラグアイでは周年 何 らかの葉が採餌植物 になっているよ うである. 果実食 を基本 にす る野鳥が葉 を周年食餌 にす る ことは,野生の採餌植物 の多寡で説明す る こと は難 しい.今後詳細な調査が必要である. 今回調査 したカ ラシナや レタスは生育が進む につれて被害が軽微 になる ことは シロガ シラと 同 じで ある (外間 ・村 上,1999).しか しシロ ガ シラは結球期以降 もレタスを加害す る ことが あった. レタスは活着期 に加害 を受 けると著 し く生育不 良をきた し収穫不能 になるが, 中期以
外間 ・カバゼ一口 ・エスティガリビア ・ゴンザレス :パラグアイにおける野鳥による野菜被害 77 降軽微 になることはシロガ シラで も同じであっ た. ブロッコ リー とカ リフラワーはキ ャベツの一 変種であ り,生育初期 に両者 を区別することは 難 しい.慣れると容易であるが,野鳥は両者を 明瞭に区別 している.ブ ロッコリーは生育初期 か ら加害を受け,葉がな くなるまで加害を繰 り 返 し,葉脈だけになることはシロガ シラで も同 じである.隣接す るカ リフラワーは,ブロッコ リーを食い尽 くしたあと加害が増える.その理 由は引っ掻き傷か ら,葉の堅 さにあると思われ た. しか し硬度計での計測値ではないので今後 の検討課題である. また紫キャベツは引っ掻き傷が多 く,普通キャ ベツに比べて被害 も少ない.紫キ ャベツは普通 キ ャベツに比べて葉が堅いことになるが,実測 値でないことはカ リフラワー と同じである. 要 約 野鳥 による野菜被害は,パ ラグアイ東部のほ ぼ全域で見 られた.11科33種の野菜 を調査 した 結果,25種で被害が確認 された.被害はブ ロッ コ リーやカ リフラワーな どアブラナ科野菜で多 いが,ダイ コンや紫キャベツでは少なかった. ピーマ ンは苗床,本圃で葉の被害があ り,着色 果 もわずかに被害があった. トマ トの果実被害 は極めて少な く,ナスは被害がなかった.アカ ザ科のホウレンソウやキク科の レタスで被害が 多いが,テ ンサイや フダ ンソウで少な く,チ リ メンチシャや茎チシャも少なかった.エ ン ドウ は葉 と莢がわずかに被害あった.イチゴは熟果 で被害が多 く,被害果率は50%を越す こともあっ た. ウ リ類は生育初期 に葉が加害 され 枯死 に 至る場合 もあった.セ リ科やユ リ科,イネ科で は被害が確認されなかった.葉の加害痕跡は, 活着期の葉先の加害,生育期の側面加害,生育 後期の大型葉の穴状加害の3タイプに区別でき た. レタスやカラシナは生育が進む と被害が少 な くなる傾向にあった.ブロッコリーはカ リフ ラワーに比べて被害が極めて多い.カリフラワー は引っ掻き傷が多いことか ら葉の硬 さに関係す ると推測 した. また紫キャベツも引っ掻き傷が 多 く,普通キャベツに比べて被害は少なかった. 謝 辞 調査 に当たっては,アス ンシオン大学農学部 台湾技術 支援農 場 のEduardo tsie氏, Elena Arias氏,BlasOtazu氏,RomuoldoRios先生
に協 力を頂 いた. またJICA青年海外協 力隊の 野菜隊員 にも調査 に協力 して頂き,併せて感謝 の意 を表す. なお本研究 はJICAボ ランテ ィア 活動の一環 として行 ったものである.関係者 に 対 し厚 く感謝の意 を表す. 引用文献
1)EIsam,R.2006.GuiadeAvesdeChaco hdmedo. Richard EIsam y Juana De EgeaJuvinel.Asuncion.Paraguay.
2)
外間数男 1999.沖縄県のシロガ シラ被害 対策.植物防疫 53 (2):68-69.3)
外間数男 ・村上昭人 1999.シロガ シラに よる露地野菜の被害 と対策 1.被害の実態. 九州病害虫研究会会報 45:84-87. 4)外間数男 ・村上昭人 2005.シロガ シラに よる露地野菜 の被害 と対策 4. シロガ シラ によるレタスの加害消長,沖縄農業 39(1): 59-63.5)Narosky,T.andD.Yzurieta2006.Aves deParaguay.VazquezMazziniEditores. BuenosAires.Argentina.
6)Schonemann,P.1982.Principalesplagas yenfermedadesenelcultivodehortalizas.
78 沖縄 農 業 第43巻 第1早 (2009)
CooperacionT6cnicaAgropecuaria.Paragua y-Alemania.Asuncion.Paraguay.