JAIST Repository: Cat-CVD a-Si:H 膜をプリカーサとした多結晶シリコン薄膜トランジスタに関する研究
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(2) A17p7. Cat-CVD a-Si:H 膜をプリカーサとした多結晶シリコン 薄膜トランジスタに関する研究. FWHM of Crystalline Signal (cm-1). 余頃 祐介(松村研究室) 【はじめに】 現在、液晶ディスプレイ (LCD : Liquid Crystal Display) は、ノートパソコンから携帯電 話、 薄型テレビに至るまで様々な分野で実用化されている最も重要なフラットパネルディスプレイである。 この LCD では、その各画素を PECVD (Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition) 法により形成 されたアモルファスシリコン (a-Si:H) 膜を用いた薄膜トランジスタ (TFT : Thin Film Transistor) によ り駆動されている。しかし、高精細な LCD を得るためには、移動度の高い多結晶 Si を用いた TFT が 必要とされている。この多結晶 Si を形成する方法としては、PECVD a-Si:H 膜をエキシマレーザアニー ル (ELA : Excimer Laser Annealing) する方法が検討されている。しかし、PECVD 法により堆積された a-Si:H 膜を ELA や急速熱アニール (RTA : Rapid Thermal Annealing) により結晶化させる際には、膜 中の水素含有量が 10 at.% 程度と高いため、膜中の水素に起因するバブリングを防止するために、事前加 熱による脱水素処理を施している。一方、Cat-CVD (Catalytic Chemical Vapor Deposition) 法により作 製された a-Si:H 膜は、膜中の水素含有量が 2 ∼ 3 at.% 以下と少ないため ELA や RTA 処理により結 晶化させる際に、脱水素処理工程を施す必要がない。よって多結晶シリコン膜を得るのに Cat-CVD a-Si:H 膜を用いることは、工程の簡略化に直結し、加熱処理による膜の劣化を防ぐことができる技術として注目 されている。 そこで、本研究ではプリカーサとして低水素含有量の Cat-CVD a-Si:H 膜を用いて、脱水素処理を施さ ずに ELA や RTA 処理により結晶化させ、その結晶性を評価し、高移動度の TFT を作製するための基 礎的検討を行った。 8 【実験と結果】 Cat-CVD 装置の触媒体―基板間距離を 30 mm Cat-CVD C =2.8at.% ←60nm Cat-CVD C =1.3at.% 7 まで近づけて堆積することにより膜中の水素含有量が 1.3 at.% 50nm→ の a-Si:H 膜を得ることに成功した。図 1 には、Cat-CVD 法 6 PECVD 50nm 40nm→ により作製した膜中水素量が 1.3 at. %ならびに 2.8 at. %の 5 ←50nm a-Si:H 膜に対して脱水素処理を施さずに ELA 処理を施して 40nm→ ←60nm 4 得られた poly-Si 膜における、結晶相に起因するラマン信号の ←Crystalline-Si 半値幅、レーザエネルギー密度依存性を示す。膜中水素量が 3 200 250 300 350 400 1.3 at.% の Cat-CVD 法による a-Si:H 膜を用いた場合に 2 Laser Energy Density (mJ/cm ) は、PECVD 法により得られた a-Si:H 膜に脱水素処理を施 図 1. poly-Si 膜のラマン半値幅の した場合よりも小さい半値幅が得られた。このことから、 ELA エネルギー密度依存性 Cat-CVD 法により得られた a-Si:H 膜をプリカーサとして 用いた方が、得られる poly-Si 膜の結晶性が優れていること が明らかとなった。また、この膜を活性層に用いた TFT で 1000 C、300 s は 200 cm2 / Vs 以上の移動度が得られた。図2には、RTA 処 1000 C、240 s 理前後のラマンスペクトルを示す。すべての条件においてバ 1000 C、180 s ブリングは観察されなかった。また、5 s という短時間加熱 1000 C、60 s 1000 C、30 s 処理でも 300 s の場合と同様に充分結晶化がされているこ 1000 C、15 s とが示されている。この RTA 処理により得られた poly-Si 1000 C、5 s before annealing 膜を用いてボトムゲート型 TFT の作製を行い、それが動作 400 450 500 550 600 650 することを確認した。 Raman Shift (cm-1) 【まとめ】Cat-CVD a-Si:H 膜を用いることにより脱水素処 図 2. RTA 処理前後の試料の 理工程を施さずに結晶化させることが可能であり、この膜は ラマンスペクトル TFT 材料として有望であることを明らかとした。 H. H. Intensity (arb. units). o. o. o o o o. o. Keywords : Cat-CVD、poly-Si TFT、脱水素処理工程、RTA、ELA、アブレーション、バブリング Copyright:(C) 2003 by 余頃 祐介.
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