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Title
ネットワークを介した共同作業の支援環境構築にむけ
て
Author(s)
落水, 浩一郎
Citation
Research report (School of Information Science,
Japan Advanced Institute of Science and
Technology), IS-RR-97-0017S: 1-36
Issue Date
1997-04-11
Type
Technical Report
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/10119/8430
Rights
Description
リサーチレポート(北陸先端科学技術大学院大学情報
闘
ネ ッ トワ ー ク を介 した共 同作 業 の 支援 環 境 構 築 に む け て
落 水 浩 一 郎 1997年4月11日 IS-RR-97-00175 北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 情 報 科 学 研 究 科 〒923-12石 川 県 能 美 郡 辰 口 町 旭 台15 [email protected] OKoichiroOchimizu,1997 1SSNO918-7553騨
ネ ッ トワー ク を介 した共 同作 業 の支援 環境 構 築 に むけ て
落 水 浩 一 郎 北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 情 報 科 学 研 究 科 〒923-12石 川 県 能 美 郡 辰 口 町 旭 台1-1 Phone:x-81-761-51-1260 Fax:-1-81-761-51-1149 e-mail:[email protected] 概 要 本論 文 で は 、 ソフ トウ ェア ・プ ロセス実行 の支援 と コ ミュニ ケ ーシ ョンの支援 を統 合 した機構 を提 供 す る こ とで 、ネ ッ トワー クを介 した共 同作 業 を円 滑 に支 援す る計算 機支 援 環境 の参照 モ デ ル を提 案す る。環境 開発 の 目標 は 、開発 方 法論 の 明解性 、個 人の作 業環境 の独 立性 、コ ミュニ ケー シ ョンの円滑性 、作 業場 所 の 任 意性(計 算環 境 の携 帯性)、 作業 遂 行 に必 要 な知 識 ・ツー ルの獲得 容 易性(遍 在 情報 へ の ア クセス容 易 性) の五 つ の特性 で特徴 づ け られ る 「快適 性 の向 上 」で あ る。 環境 の構 成 は以 下 の通 りで あ る。共 同作 業 を通 じて生 成 ・変更 されて い く中 間成果 物 や決 定事 項 とそれ 等 の状 態 を、現 実世 界 の状 況 を正 確 に反映 しつつ 管理 す る情 報 リポ ジ トリを中心 に置 く。次 に 、そ の まわ りに共 同作 業者 間 の協 調 や調 整 を可 能 にす る 目的 で、 中間生 成物 や決 定事 項 の矛盾 に満 ち た状 態 を把 握 し、 そ れ を減少 させ る ため の機 能 を配 置 す る。 その よ うな機 能 の支 援 の 下 に 、チ ーム構 成 員 の分 散 度 や作 業 の 規 模等 のパ ラ メー タに応 じてCASEツ ー ルやグ ループ ウェア を配 置す る機構 を置 き、さ らに、上 記環 境 の 種 々の 内部状 態 を視 覚 的 に把 握 す るこ と を支援 す るユ ーザ イン タフェ ース を置 く。 本 報告 で提 案す る 「自在 」CSCSDモ デ ルは 、上記 環境 の構成 に対 す るフ レー ム ワー クで あ り、また 、そ の よ うな環境 を容易 に構築 す る ための オブ ジ ェク ト群 を整 備 してい くた めの 手掛 りで もあ る。 以下 、1章 で は 、「自在 」 プ ロ ジェ ク トの 目的 と目標 を明 らか にす る。2章 で は 、モ デ ル を定義 し、環 境 を構 築 す るた めの原則 と考 え方 を明確 にす るため に 、ソフ トウェア設計 方 法論 、CSCW、 ・ソフ トウェア ・ プ ロセ ス ・モデ ル に関 す る現状 の問題 点 と今 後 の課題 を検 討 す る。3章 で は 、「自在」CSCSDモ デ ルの構 成 と詳細 を説 明 す る。4章 で は 、r自在 」CSCSDモ デ ル に従 って 開発 中の 自在 プ ロ トタイプ の進捗 状 況 を 紹 介 す る。5章 で今後 の課題 を ま とめ る。一
目 次
1「 自在 」 プ ロ ジ ェ ク トの 目的 3 2ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 方 法 論 、CSCW、 ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス の 研 究 分 野 に お い て 解 決 さ れ る べ き い く つ か の 課 題 2.1ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 方 法 論 に お け る ソ フ ト ウ ェ ア ・ ア ー キ テ ク チ ャ の 役 割... 2.2コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は い つ 、 ど の よ う な 条 件 下 で 成 立 し 、 か つ 進 行 す る の か?... 2.3ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス ・モ デ ル で は 何 を 記 述 す べ き か?... 2.42章 の ま と め..._... 3 3 5 6 8 3CSCSDモ デ ル 3.1決 定 事 項 の 管 理 に 基 づ く プ ロ セ ス と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 の 統 合... 3.1.1決 定 と は..._.... 3.L2会 話 の 何 を 記 録 す べ き か..._... 3.1.3中 間 生 成 物 間 の 粗 粒 度 レ ベ ル の 依 存 関 係 を 統 合 の 土 台 と す る こ と に つ い て... 3.1.4粗 粒 度 レ ベ ル の 依 存 関 係 を 基 に し た タ ス ク と ソ フ ト ウ ェ ア ・ プ ロ セ ス の 定 義.... 3.1.5ソ フ ト ウ ェ ア ・ プ ロ セ ス の 実 行 と 発 生 す る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 関 係 に つ い て... 3.2情 報 リ ポ ジ ト リ へ の 要 請... 3.2.1各 自 の 責 任 範 囲 を タ ス ク と し て 定 義 す る こ と に つ い て..._... 3.2.2粒 度 の 異 な る 決 定 事 項 を 系 統 的 に 管 理 す る こ と に つ い て... 3.2.3討 議 空 間... 3.2.4討 議 プ ロ セ ス... 3.2.5討 議 の 型... 3.2.6グ ル ー プ ウ ェ ア ベ ー ス... 3.3共 同 作 業 の モ デ ル:CSCSDモ デ ル... 9 11 11 11 12 12 13 14 14 16 16 17 17 21 21 4自 在 プ ロ ト タ イ プ の 研 究 現 状 4.1携 帯 性 向 上 の た め のCSCSDサ ー バ... 4.2独 立 性 を 保 証 す る た め の 分 散 サ ー バ...。... 4.3円 滑 性 を 提 供 す る た め の グ ル ー プ ウ ェ ア ベ ー ス... 4.4探 求 的 学 習 を 支 援 す る ア ク テ ィ ブ チ ャ ネ ル..._ 4.5評 価 の た め の プ ロ ト コ ル 解 析 実 験... 4.5.1分 散 に 依 存 す る 問 題 と そ の 評 価 尺 度 の 発 見... 4.5.2快 適 性 を 特 徴 づ け る 特 性 と そ の 評 価 尺 度 の 発 見... 4.63章 の ま と め..._... 23 23 24 25 25 29 29 30 30 5ま と め と 今 後 の 課 題 5.1一 貫 性 管 理 層 を 追 加 し たCSCSDモ デ ル に よ る 調 整 支 援... 5.2オ ブ ジ ェ ク ト 管 理 シ ス テ ム の 構 成 法... 5.3分 散 に 依 存 す る 問 題 の よ り 精 密 な 把 握... 5.4分 散 開 発 時 代 に 適 合 す る 方 法 論 と プ ロ セ ス モ デ ル の 定 義... 30 31 32 32 33一
1「
自在 」 プ ロ ジ ェ ク トの 目的
ソ フ トウ ェ ア 諸 技 術 を 、 明 解 な構 成 原 理 を持 つ 建 築 や 音 楽 の よ うに 、 よ り健 全 で 我 々 の 感 動 を 呼 ぶ もの に す る た め に は 、我 々 は今 、何 をす るべ きで あ ろ うか?ま ず 、小 島 氏 に よ る イ タ リ ア の 建 築 に関 す る 随 筆 [29]を 紹 介 し よ う。 彼 の 建 築 論 に 関 す る 考 察 は 、 ソ フ トウ ェ ア 環 境 論 の 考 察 に あ た っ て 、 類 推 に よ り得 られ る い くつ か の 有 用 な視 点 を我 々 に 示 唆 して くれ る だ ろ う。 ・ 建 築論 とは、建 築 に よって何 を表現 す るか?、 よい建築 とは何 か?、 そ して いか に よい建築 を作 るか? で あ る。古 代 ローマ 帝 国 にお け る建 築が 表現 し続 け てい たの は 「力」 で あ った。 「力 」 は物 量す なわ ち 「大 きさ」 に よって表 現 され た。物 理 的 な大 きさ を建 築の 「大 きさ」 と して感 じさせ るため 、形 体 は単 純化 され た。古代 ローマの建 築 は幅 、奥行 、高 さな どの比率 が 注意 深 く検 討 され た直方 体 と円筒 を基 本に してい る。 そ れ を可 能 した技 術 は セ メ ン トで あった。 ル ネサ ンス の建 築 に求 め られ た もの は 「調和 」 であ った 。「調 和 」 とは空 間全 体 が塑 理 され 、秩序 が感 じられ る状 態 とい って よい。 この 「調 和 」 は 「比 例 」 に よって つ く りだ された 。建築 の各 部分 の寸 法が そ れぞ れ比 例 に よって整 え られ 、 そ れ に よって空 間の秩 序 が つ くられ た。初 期 のル ネサ ンス建 築 では最 も単 純 な比例 、1:1が 基本 とな っ た。 具体 的 に は平 面 な ら正 方形 と円 、立体 で は立 方体 と球 の形 を とる 類 推 に よ り、我 々 は ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 環 境 に よ っ て何 を表 現 す る か?、 よい ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 環 境 とは 何 か?、 そ して い か に して よ い ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 環 境 を作 る こ と が で き る か?と い う 問 い か け を 設 定 す る こ とが で き る 。何 を表 現 す べ きか を明 らか に す る こ と は 、 時 代 の 共 感 を呼 び次 の 時 代 に生 き残 る ソ フ トウ ェ ア 開 発 環 境 を創 出 す る た め に必 要 で あ る。 ソ フ トウ ェ ア工 学 の 世 界 で は 、速 さ 、 堅 牢 さ 、柔 軟 性 な ど の 目標 が 検 討 さ れ 続 け て き た 。 著 者 は 、 次 の 時 代 に重 要 と な る 一 つ の 目標 は 「快 適 性 の 向 上 」 で あ る と考 え る 。 目標 達 成 の た め の 技 術 課 題 を設 定 す る た め に は 、 快 適 な ソ フ トウ ェ ア 開 発 環 境 が 持 つ べ き特 性 を論 じる こ とが 必 要 で あ る 。。 著 者 は 、少 な くと も明 解 性 、独 立 性 、円 滑 性 、携 帯 性 、増 幅 性 の五 つ の 要 因 が 必 要 で あ る と考 え て い る 【50】。 明 解 性 と は 、 「設 計 対 象 が 評 価 可 能 で あ り、 開 発 手 順 が 明 確 か つ 具 体 的 で あ る こ と」。 独 立 性 とは 、 「必 要 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を保 証 しつ つ も 、個 人 の 作 業 の 独 立 性 が 保 持 で き る こ と」。 円 滑 性 とは 、 「チ ー ム の 構 成 員 間 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンが 円 滑 で あ る こ と」。 携 帯 性 と は 、「活 動 の 場 か ら 、必 要 な 情 報 に 迅 速 に ア ク セ ス で き る こ と 、 さ ら に は活 動 の 場 に そ れ を 支 え る情 報 が 追 随 で き る こ と」、増 幅 性 と は 、 「ネ ッ ト ワ ー ク上 に 遍 在 す る 作 業 遂 行 に 必 要 な 情 報 に タ イム リ ー に ア クセ ス で き る こ と」、 を そ れ ぞ れ 意 味 す る 。2ソ
フ トウ ェア 設 計 方 法 論 、CSCW、
ソ フ トウ ェア ・プ ロ セ ス の 研 究 分
野 に お い て解 決 さ れ る べ き い くつ か の 課 題
本 章 で は明解性 、円滑性 、独 立性 が1央適 性 の重 要 な要 因で あ る と考 え る にいた った理 由 を述べ る。携 帯 性 と増 幅性 につ いて は第4章 で述べ る。 2.1ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 方 法 論 に お け る ソ フ ト ウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ の 役 割 小 島氏 の 随筆 に戻 ろ う。 ・ 建 築 の様式 とは 、「空 間 の組 立て方 」 と 「特 徴 的 な細 部 」 とか らなる 。細部 の少 ない建 築 は様 式 の変 革期 に現 われ 、空 間の組 み立 て方 を中心 と した新 しい様式 が生 み だ され た。 一方 、変 革 の ない時代 に は、多様 な細 部 が発 展 した。一方 、変革 を推 し進 め なか っ た建 築 もあ った。 ビザ ンテ ィン、 ゴシ ック な どに分類 され る中世 の建 築 やバ ロ ッ クの建 築 は建 築空 間 に支 配 され な い多様 な細 部 を持 って い る。 建 築 に お け る 「空 間 の 構成 法 」 は 、 ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 に お い て は 「ソ フ トウ ェ ア ・ア ー キ テ クチ ャ」 に 対 応 す る 。 著 者 は ソ フ トウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ に 関 す る 研 究 を充 実 させ る こ とが 、 開発 対 象 お よ び 設 計 方騨
法 論 の 明 確 化 に 最 も貢 献 す る と考 え て い る 。 こ こ で 、 ソ フ トウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ と い う用 語 を吟 味 して み よ う。 ソ フ トウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ と い う用 語 の 定 義 は 人 に よ り様 々 で あ る 。CMUのDavidGarlanは 、 彼 の 論 文 中 で[17]、 大 規 模 シ ス テ ム の 設 計 に お い て ク リテ ィカ ル な 問題 、計 算 要 素 と そ れ ら要 素 間 の 相 互 作 用 を高 レベ ル の 抽 象 度 で 構 成 す る こ と 、 を論 じた 。 彼 は 、SEIの 研 究 グ ル ー プ に よ る定 義 に基 づ き 、 ソ フ ト ウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ の 定 義 を 以 下 の よ う に 与 え て い る 。 「プ ログ ラ ム や シ ス テ ム の 構 成 要 素 の 構造 、 構 成 要 素 間 の 相 互 関 係 、設 計 や そ の 変 更 を支 配 す る原 理 や ガ イ ド ラ イ ン 」。 彼 は 、 ソ フ ト ウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ に 関 す る研 究 動 向 を以 下 の 二 つ に分 類 し た 。 1.複 雑 な ソ フ ト ウ ェ ア ・シ ス テ ム を構造 化 す る た め の手 段 、技 法 、 パ ター ン 、 い い ま わ し(idioms)な ど の 、設 計 者 間 で 共 有 さ れ る様 々 な 共 有 レパ ー ト リー を 開 発 す る。 こ れ ら の 用 語 は シ ス テ ム の 厳 密 な 定 義 を与 え る こ と は ほ とん どで き な い が 、 シス テ ム の 全 体 像 を 理 解 可 能 に す る抽 象 を 用 い て 、複 雑 な シ ス テ ム を 設 計 者 た ち が 記 述 す る の を 可 能 にす る 。 2.一 群 の 製 品 に 対 して 再 利 用 可 能 な フ レ ー ム ワ ー ク を提 供 す る特 別 な ド メ イ ン を 開 拓 す る 。 そ の根 拠 は 、 「共 有 さ れ る デ ザ イ ン を実 体 化 す る こ とで 、 互 い に 関 連 す る 一 群 の シ ス テ ム の 共 通 部 分 を 、比 較 的 低 コ ス トで 構 築 で き る 」 とい う考 え 方 に あ る 。 代 表 的 な 例 と して は 、 コ ンパ イ ラ の 標 準 的 分 解 、標 準 化 さ れ た 通 信 規 約 、 第4世 代 言 語 に お け る 共 通 パ タ ー ン な ど が あ げ られ る 。 彼 は ま た 、 ソ フ ト ウ ェ ア ・ア ー キ テ クチ ャ に 関 す る研 究 の 関 心 を以 下 の よ う に 整 理 し た 。 ・ 全 体 的 構 造 と大 域 的 制 御 構 造 ● 通 信 プ ロ ト コ ル 、 同 期 、 デ ー タ ・ア ク セ ス ・ 設 計 要 素 へ の 機 能 の 割 り当 て ・ 物 理 的分散 ● 設 計 要素 の構 成法 ・ 規模 へ の対 応 と性 能 ・ 設計 代 替案 の選択 お お ざ っ ぱ な言 い 方 を す れ ば 、設 計 方 法 論 お よ び ソ フ トウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ 共 、 そ の 目的 は 、要 求 と実 現 の 間 の ギ ャップ を埋 め る こ と に あ る 。違 い は 以 下 の 点 に あ る 。 ソ フ ト ウ ェ ア設 計 方 法 論 は あ る 問 題 ク ラ ス を そ の 解 に 変 換 す る ス テ ップ を定 義 す る 。 ソ フ トウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ は 要 求 と実 現 の 間 に独 立 して 存 在 し、D.Garlanに よ っ て 与 え られ た 論 点 を検 討 し、可 能 な ア ー キ テ ク チ ャ の ク ラ ス か ら最 適 な もの を選 択 す る こ と を 可 能 にす る 。 設 計 方 法 論 と ソ フ トウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ は 互 い に補 完 的 な役 割 を果 す 。 筆 者 等 は 、 設 計 方 法 論 の 効 果 と問 題 点 を認 識 す る た め に 、SA/SDやOMTな どの 既 存 の ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 方 法 論 を 実 世 界 に お け る 大 規 模 モ デ リ ン グ 問 題 や 設 計 問 題 に適 用 した 経 験 を持 つ 【31]、[32]、[43】。 し か し 、 ほ と ん ど の既 存 の 設 計 方 法 論 は 、 ソ フ ト ウ ェ ア ・ア ー キ テ クチ ャ 設 計 フ ェ ー ズ を 明 解 か つ 具 体 的 に 定 義 し て い な い の で 、 以 下 の よ う な評 価 を既 存 の 方 法 論 に 与 え た 。 ・既 存 の 設計 方 法論 は、問題 依 存 の解 を類形 化 された部 品(例 えば 、オ ブ ジ ェク ト ・ラ イ ブラ リ)に 接 続 す る役 割 を果 たす にす ぎな い 次 に 、 ソ フ ト ウ ェ ア ・ア ー キ テ クチ ャ の 柔 軟 性 の 問 題 を論 じ よ う。 オ ペ レー テ ィ ン グ ・シ ス テ ム や オ ン ラ イ ン ・リ ア ル タ イ ム ・シ ス テ ム な どの 様 々 な モ ニ ュ メ ン トが 構 築 され た 時 代 に お け る価 値 感 は 、「大 き さ 」 に あ っ た 。 ソ フ トウ ェ ア 工 学 は 「大 き さ」 と 「複 雑 さ 」 を制 御 す る た め に生 ま れ た 。 そ の た め の 原 理 と し て一 は 「分 割統 治 」や 「機 能 の階層 構成 」が採 用 され た。階層 は 「抽 象 の レベ ル分 け 」 に よっ て達 成 され る。階 層 構成 にお いて は 、あ る特定 の層 の実 装法 を効 率改 善 のため に変 更す る こ とは容 易 で あ る。 しか し、 ソフ ト ウェア にお け る抽 象 は 「最 適化 」 を伴 な うため 、「階層 構造 自体 の 再構 成」 は困難 であ る[44]。細 部 の手 直 しの 積み 重 ね に よっ ては 「空 間 の再構 成 」 は な しが た い。 その反省 を受 け 、「類 形化 」 を目標 とす るオブ ジェ ク ト指 向技術 が試 み られて い る。その構 築原 理 は 「型」 の概念 に基 づ く。デザ イ ンパ ター ンに関す る研 究の成 果 を待 った上 で結論 を下 す必 要 が あ るが 、オブ ジ ェ ク ト指 向方 法論 にお い て は シス テ ムの構 築 が ボ トムア ップ に な り空 間 の構成 が 困難 で あ る。 さ ら に、 ネ ット ワ ー ク時 代 におい て は 、計 算 要 素 間 の相 互通 信 か らな るネ ットワー ク に またが る計 算 構 造 の柔 軟性 を保 証 す る、新 しい 目標 と構 成 原理 が 必 要 であ る。 次 の時代 にお け る 「計 算 」 が以 下 に述 べ る形態 を とる こ とに関 して は、我 々は合 意 で きる と思 う。 ・ 計 算 要 素 は オ ブ ジ ェ ク トに よ り表 現 され 、 そ の 間 の 相 互 作 用 は メ ッ セ ー ジ 通 信 に よ っ て な され る(全 体 的 構 造 と大 域 的 制 御 構 造)。 制 御 は 分 散 制 御 に な り、 制 御 お よ び デ ー タ の授 受 に 関 す る通 信 プ ロ ト コ ル は 標 準 化 さ れ る 。 永 続 オ ブ ジ ェ ク トの 管 理 は 一 貫 性 保 持 の 目 的 か ら多 分 集 中 管 理 され る だ ろ う。 CSCWア プ リ ケ ー シ ョ ン の発 展 に よ り、 ア プ リケ ー シ ョン オ ブ ジ ェ ク ト と永 続 オ ブ ジ ェ ク ト間 の 交 信 は ロ ン グ トラ ンザ ク シ ョン が 主 流 と な る だ ろ う[9]。 ネ ッ トワ ー クの 遅 延 を考 慮 に 入 れ た書 き込 み 制 御 技 術 も発 展 す る だ ろ う[10】。 上 記 の 諸 機 能 を 実 現 す る た め の 基 礎/応 用 研 究 は す で に 、世 界 の 各 地 で 実 施 さ れ て い る 。 こ れ らの 研 究 が あ る レベ ル に ま で 達 した 時 、 次 に 問 題 に な る の は何 で あ ろ うか? と くに 、 ネ ッ ト ワ ー ク を 介 した 共 同 作 業 を支 援 す る分 野 に 話 題 を 絞 る 時 、 重 要 な 問 題 の 一 つ と し て 「規 模 へ の対 応(ア ー キ テ ク チ ャ を規 模 対 応 に整 備す る こ と)」 が 挙 げ られ る 。 ア ー キ テ ク チ ャ の 設 計 に お い て 、 「規 模 」 を 特 徴 づ け る 主 要 な パ ラ メー タ は何 で あ ろ うか?「 遅 延 時 間 」 は重 要 な パ ラ メ ー タ の 一 つ で あ る 。 「遅 延 時 間 」 は ネ ッ トワ ー クの 規 模 に よ り大 き く異 な り、 シ ス テ ム の 性 能 に 大 き な 影 響 を 与 え る 。 「規 模 」 に 応 じた ソ フ ト ウ ェ ア ・ア ー キ テ ク チ ャ の ク ラス 分 け を まず 実 施 し 、次 に 、設 計 者 に シ ス テ ム 構築 の 枠 組 と部 品 を提 供す る た め に 、全 体 的 構 造 と大 域 的 制 御 構 造 、通 信 プ ロ ト コ ル 、 同 期 、 デ ー タ ・ア ク セ ス な どの 諸 機 能 を支 援 す る 制 御 オ ブ ジ ェ ク ト を整 備 ・提 供 す る必 要 が あ る 。 こ の 時 、 分 散 度 を考 慮 しつ つ 、ア プ リケ ー シ ョ ン ・ド メ イ ン の オ ブ ジ ェ ク トを 、物 理 的 配 置 に割 り当 て る 設 計 方 法 論 お よ び記 述 言 語 を 開発 す る必 要 が あ る 。 2.2コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン は い つ 、 ど の よ う な 条 件 下 で 成 立 し 、 か つ 進 行 す る の か? グ ル ー プ ウ ェ ア は 以 下 の よ うな 技 術 を 開発 す る こ と に よ り、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お け る 時 間/空 間 分 散 を 克 服 す る 手 段 を 我 々 に提 供 して き た[11]。 す な わ ち 、 リア ル タ イ ム ・グ ル ー プ ウ ェ ア に よ る即 時 性 、臨 場 感 の 向 上 。 マ ル チ メデ ィア に よ る 適 切 な情 報 表 現 手 段 の 提 供 。 人 間 間 のface-to-faceコ ミュ ニ ケ ー シ ョン の 前 段 階 に お け る コ ー デ ィネ ー シ ョ ン ・コ ス トのe-mailに よ る低 減[13】。 各 自の 仕 事 の独 立1生を保 証 しつ つ 必 要 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を達 成 させ る 非 同期 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン(電 子 メ ー ル)の 効 果 も広 く世 の 中 に 受 け 入 れ られ て い る 。 しか し、 こ れ らの 効 果 だ け で は膨 大 な ネ ッ トワ ー ク設 備 に 対 す る社 会 的 コス ト投 入 の 見 返 りが 少 な す ぎ る 。 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン にお け る 「知 性 増 幅 」 の 道 具 と して 、計 算 機 と ネ ッ ト ワ ー ク を最 大 限 に活 用 す る ア プ リ ケ ー シ ョ ン分 野 を 、我 々 は さ ら に 開 拓 す る必 要 が あ る 。 新 しい 領 域 を 開 拓 す る一 つ の 手 掛 りは 、 「会 話 の 背 景 状 況 」 を 明 示 的 に 取 り扱 い 、 か つ 関 係 者 間 で 共 有 させ る こ と に あ る 。 例 え ば ソ フ ト ウ ェ 開 発 に お い て は 、 ほ とん どの 会 話 は膨 大 な量 の 文 書 や 設 計 者 や プ ロ グ ラ マ の 知 識 の 一 部 分 に 関 連 して お り、 そ れ 等 の 状 態 に 基 づ い て 様 々 な 活 動 や 会 話 が 駆 動 され る 。 既 存 の グ ル ー プ ウ ェ ア は 、頼 む 、伝 え る 、説 明 す る な ど の 一 つ 一 つ の 会 話 を支 援 す る こ と は で き る が 、 そ の 背 景 情 報 や 状 態 関 して は 、例 え ば 文 書 を例 に と る と 、今 、我 々 が で き る こ と は 、関 連 す る 文 書 を ス ク リー ン に 表 示 し 操 作 す る程 度 の こ と で あ る 。 ソ フ ト ウ ェ ア 文 書 の 量 が 膨 大 で あ り、記 述 内 容 の 相 互 関 係 も複 雑 で あ る こ と を
一 考 え に い れ る と、既 存 の グ ル ー プ ウ ェ ア の 能 力 は 必 ず し も十 分 で な い よ うに 思 え る 。 大 量 の 情 報 とそ れ に付 随 す る状 況 を参 加 者 間 で 共 有 で き 、 か つ フ オ ア グ ラ ン ドで 取 り扱 う こ とが で き る よ う な機 能 を グ ル ー プ ウ ェ ア は 充 実 す べ き で あ ろ う。 以 上 述 べ た 問題 点 を 明 確 に指 摘 した 論 文 が あ る 。C.Ellisは[12】 、 ソ フ ト ウ ェ ア ・モ デ リ ン グ に 関 す る 研 究 成 果 に基 づ い て 、 グ ル ー プ ウ ェ ア に対 す る 三 つ の ユ ー ザ 視 点 モ デ ル を定 義 ・検 討 す る こ と に よ り、上 記 の 問題 点 に 関 す る今 後 の 研 究 方 向 を示 唆 した 。 そ れ らは 、ユ ー ザ が 操 作 可 能 な オブ ジ ェ ク トの 静 的 記 述 で あ る オ ン ト ロ ジ カ ル モ デ ル(OntologicalModel)、 ユ ーザ に よ っ て 実 行 さ れ るべ き活 動 を 構 造 的 に表 現 した 調 整 モ デ ル(CoordinationModel)、 シ ス テ ム とユ ー ザ お よび ユ ー ザ 問 の イ ン タ フ ェ ー ス で あ るユ ーザ イ ン タ フ ェ ー ス モ デ ル で あ る 。 オ ン トロ ジ カ ル モ デ ル に よ っ て 、 会 話 の 背 景 情 報 の 内 、 静 的 情 報 を 保 持 す る リポ ジ ト リ を 定 義 す る 。 一 般 に誰 も全 体 の こ とは 知 ら な い 。 多 くの 場 合 、各 会 話 参 加 者 は リポ ジ ト リの 内 容 の 一 部 を 知 っ て お り、 さ ら に 、 そ れ ら の 情 報 の 一 部 は 他 人 と共 有 され て い る 。 誰 か が 各 自が 保 持 す る 情 報 内 容 の 理 解 に差 が あ る こ と を 認 知 した 時 に 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 契 機 が 成 立 し、情 報 の 均 一 化 の 試 み(会 話)が 始 ま る 。 会 話 の 内 容 は 、各 参 加 者 が 持 つ コ ンテ ク ス トに 依 存 して 理 解 され る 。構 造 的 コ ンテ キ ス ト(structualcontext)は 「リ ポ ジ ト リの 動 的 状 態 」 を 表 現 す る。 社 会 的 コ ン テ キ ス ト(socialcontext)や 組 織 コ ン テ キ ス ト(organizati・nal context)は 、 「会 議 参 加 者 の 動 的 心 理 状 態 と社 会 的 背 景 情報 」 を そ れ ぞ れ 表 現 す る 。 コ ン テ クス ト に よ り会 話 の 流 れ が 制 御 さ れ る 。 話 合 い の ル ー ル や 常 識 的 な手 順(プ ロ セ ス)を 調 整 モ デ ル が 表 現 す る 。 ユ ー ザ イ ン タ フ ェ ー ス モ デ ル が 、 関 連 資 料 、 会 話 の 内 容 、 会 議 の 進 行 状 態 な ど を視 覚 的 手 段 で 会 話 参 加 者 に提 供 す る 。 こ こ で 、 考 察 の 範 囲 を 「会 話 に 通 じて 下 され る 決 定 事 項 」 に 限 定 し よ う。 例 え ば 、 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 過 程 は 「決 定 の 積 み 重 ね 」 で あ る と み な し う る 。 各 自 は 各 自 の 仕 事 の 責 任 範 囲 に お い て 、 み ず か ら が 下 した 決 定 を管 理 して い る 。 例 え ば 、 ソ フ ト ウ ェ ア設 計 者 は 、設 計 対 象 に 関 す る 仕 様 を作 成 しプ ロ グ ラ マ に 引 き 渡 す 。 プ ロ グ ラ マ は そ の仕 様 に従 っ て デ ー タ構 造 や 制 御 構 造 を 設 計 しコ ー ド を書 く。 決 定(引 き渡 さ れ る仕 様)は 、 引 き渡 され た 時 点 か ら、 設 計 者 とプ ロ グ ラマ の 問 で 共 有 さ れ る こ と に な る 。 引 き渡 さ れ た も の の 内 容 の 理 解 に 関 して ギ ャップ が宥 在 す る 時 に 、 い ろ い ろ な種 類 の 会 話 が 発 生 す る 。 ま た 、プ ロ ジ ェ ク トマ ネ ー ジ ャ とデ ザ イ ナ や プ ロ グ ラマ 達 と 、主 に 時 間 資 源 の 管 理 に 関 す る 決 定 につ い て 様 々 な 話 題 が 生 じる 。 こ の 時 、 会 話 の 流 れ を 円 滑 に す る た め に は 、 以 下 よ う な情 報 が 必 要 に な る 。 ・ 決定 事 項 の全体 像 の表現 ・ プ ロジ ェ ク トの 目標 に対 す る進捗 状 況 ・ あ る話題 に対 す る 、部 分的決 定 の積 み重 ね の構造 とそれ らの決 定の 際 に存 在 した さま ざまの前提 条件 ・ 一つ の部 分 的決 定 に関す る確 信度 と手 間 これ らの 要請 は 、相 互 理解 や決 定 の変 更管 理支援 のた め に、決 定事 項 とその状 態 を、そ の全体像 か ら詳 細 レベ ル にいた る決定 の粒 度 で 、系 統 的 に管理 で きる ソフ トウェ ア ・リポジ ト リの必 要性 を示唆 してい る。 リポジ トリの モデ リング にお い ては 、決 定の 時 間的特性 を考慮 に入 れ るべ きであ る。多 くの場合 、決定 は一 時的 な もので あ る。時 間 がた ち 、状 況 がコ.化 す るにつ れて 、合意 が不 合意 にな り、不 合意 が 合意 に変化 す る こ とは しば しば経 験 され るこ とで あ る。 決 定事 項 の管理 技術 を現在 の グ ループ ウェア の成 果 に併 合す るこ とに よ り、長期 間 にわ たる会 話 を円滑 に し、参 加者 の 間 に一体感 を作 りだす効 果 を期待 で きる。 2.3ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス ・モ デ ル で は 何 を記 述 す べ き か? ソフ トウェア ・プ ロセ ス に関す る研 究 分野 におい て は、「プ ロセ ス記 述言 語 とその実 行環 境 」お よび 「プ ロセス成 熟度 」 に関す る二つ の主 要 な研 究成 果 が あ る。前 者 は開発工程 設計 の 道具 を与 え、後者 は 、組織 の 開発 能力 の判 定基 準 、開発 プ ロセ ス改善 へ の ガ イ ドライ ンを与 える[45]。本 節 で は 、ソ フ トウェ ア ・プ ロセ ス ・モデ リングの必 要性 、有 効 性 に関す る筆 者 の意見 を も とに 、今 後 の研 究方 向 を論 じる。
ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス 記 述 の ね らい の 一 つ は 、 ソ フ トウ ェ ア設 計 方 法 論 の 形 式 化 に あ る 。 こ れ は 成 功 す る で あ ろ うか?こ の 議 論 を進 め る に あ た り、 ソ フ トウ ェ ア 設 計 方 法 論 そ の もの の 有 効 性 と 、 ソ フ トウ ェ ア 設 計 方 法 論 の 形 式 記 述 の 有 効 性 の 問 題 は 注 意 深 く区 別 す る 必 要 が あ る 。 ほ と ん どの ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 方 法 論 は ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 に あ た っ て の ガ イ ド ラ イ ン を 与 え て い る に す ぎ な い の で 、 ソ フ トウ ェ ア ・プ ロ セ ス ・モ デ ル(ソ フ ト ウ ェ ア設 計 方 法 論 の 形 式 記 述)も 当 然 同 じ欠 点 を持 つ 。 こ こ で 我 々 が 議 論 した い こ と は 、 形 式 的 記 述 そ の もの の 存 効性 で あ る 。 本 題 に 戻 ろ う。 「ソ フ トウ ェ ア 設 計 方 法 論 の 形 式 化 が 有 効 で あ る か?」 と い う問 い は 、 「手 続 きの 抽 象 は 有 効 で あ る か?」 とい う問 い と 同 じ意 味 を持 つ 。 ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロセ ス ・モ デ ル は 、(操 作 、 入 力 、 出 力) の3組 で 表 現 され る 「活 動 」 の 集 合 と 、 そ れ ら を構 造 化 す る制 御 構 造 か ら な る 。(操 作1、 入 力1、 出 力1) と(操 作2、 入 力2、 出 力2)に 、 「型 」 と 「ポ リモ ル フ ィズ ム 」 の概 念 を適 用 す る こ とに よ り、 抽 象 表 現(操 作 、 入 力 、 出 力)を 得 る こ とが で き る 。 オ ブ ジ ェ ク ト指 向 法 で は 、 さ ら に 、(操 作 一x,di,do)と(操 作 一y,di, do)を(【 操 作 一x,操 作 一y],di,do)と して ま と め る こ と に よ り一 つ の 表 現 単 位 を得 る 。 しか し 、 こ れ ら は プ ロ グ ラ ミ ング 言 語 分野 で の 成 果 で あ り、 ソ フ トウ ェ ア ・プ ロセ ス ・モ デ リ ン グ に 固 有 の もの で は な い 。 制 御 構 造 に 関 して は 、 ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス ・モ デ リ ング に特 有 な特 徴 を い くつ か 観 測 で き る 。 そ の 一 つ に 「反 復 」 ま た は 「バ ッ ク トラ ッ キ ン グ 」 が あ る 。 ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス に お い て は 、 反 復 に お け る戻 り先 は 、 そ の 非 決 定 性 の 特 徴 よ りあ らか じめ 決 定 す る こ と は で き な い 。 戻 り先 は動 的 に決 定 さ れ る[42】、[28】。 プ ロ セ ス の 実 行 時 変 更 も ソ フ トウ ェ ア ・プ ロ セ ス ・モ デ リ ング に 特 有 の 性 質 で あ る 。 人 間 の 行 動 は 不 確 実 で 再 現 性 が な い の で 、プ ロセ ス 実 行 時 に そ の 実 行 順 序 や 実 行 内 容 が 状 況 に 応 じて しば しば凌 更 さ れ る 。 す な は ち 、 「非 決 定 性 」 や 「不 確 定 さ」 の 記 述 が 、 プ ロ セ ス ・モ デ リ ン グ に 固 有 の 特 徴 で あ る[25】。 こ れ らの 制 御 構 造 を記 述 す る見 返 り と して 我 々 は 何 を期 待 で き る の で あ ろ う か?こ の 点 に つ い て 、 は っ き り した 見 通 し を我 々 は 持 た な い よ うに 思 え る 。 例 え ば 、 ウ オ ー タ フ ォ ー ル ・モ デ ル に お い て も オ ブ ジ ェ ク ト指 向 開 発 法 に お い て も 、 「反復 」 は 必 ず 出 現 す る 。 繰 り返 しは 、前 者 で は悪 で あ り、 後 者 で は善 で あ る 違 い が あ る だ け に す ぎな い 。 ソ フ トウ ェ ア ・プ ロ セ ス を形 式 的 に記 述 す る こ とは 、 ウ ォー タ フ ォー ル ・モ デ ル の 欠 点 を定 量 的 に評 価 す る こ と を可 能 に す る の だ ろ う か?オ ブ ジ ェ ク ト指 向 ソ フ トウ ェ ア 開発 に お け る プ ロ ト タ イ ピ ン グ ・ア プ ロ ー チ に対 して 、有 用 で 具 体 的 な ガ イ ド ラ イ ン を提 供 で き る の だ ろ う か?柔 軟 な 標 準 開発 工 程 の 設 計 を助 け て くれ る の で あ ろ うか?そ の よ うな 効 果 を期 待 で き な い とす る と 、形 式 化 は 、 実 世 界 の 活 動 を別 の 世 界 の 言 葉 で 単 に 表 現 しな お して い る にす ぎ な い 。 問 題 の 起 源 に 立 ち 帰 る 必 要 が あ る 。 人 間 は 完 全 な もの を一 度 に は 完 成 で き な い の で 、繰 り返 しが 発 生 す る 。 そ の 度 合 は 、 ソ フ トウ ェ ア の 規 模 が 増 大 す る につ れ て大 き くな る 。 ま た 、人 間 は 機 械 で は な い の で 、 そ の振 舞 い を 予 測 し再 現 す る の が 困 難 で あ る 。 ソ フ トウ ェ ア ・プ ロ セ ス ・モ デ リ ン グ に お い て は 、 こ れ ら の 人 間 要 因 を考 慮 に入 れ る 必 要 が あ る 。 我 々 の ア プ ロ ー チ で は 、 手 順 を書 き 下 す こ と で は な く、 仕 事 の 静 的/動 的 コ ン テ キ ス トを 定 義 す る こ と に 力 点 を置 く。 試 行 錯 誤 は 自然 な も の で あ る と して 、 達 成 目標(品 質 基 準)、 犯 し て は な らな い 制 約 や 規 則 、 他 人 との 仕 事 の つ な が り とそ の 優 先 度 な ど を各 自 の 作 業 環 境 の ま わ りに 配 置 す る 。 品 質 基 準 は オブ ジ ェ ク トベ ー ス 中 の オ ブ ジ ェ ク トの属 性 とす る 。制 約 、規 則 、他 人 と の 仕 事 の 関 係 は 作 業 イ ン タ フ ェ ー ス の 属 性 と す る 。 上 記 の 事 柄 に 違 反 した 際 の 調 整 支 援 は 今 後 の 重 要 な研 究 課 題 で あ る 。 プ ロ セ ス 成 熟 度 に 関 す る 関 す る研 究 は 、 実 世 界 に お け る様 々 な 開 発 プ ロ セ ス を 改 善 す る た め の 有 用 な ガ イ ド ラ イ ン を提 供 し う る だ ろ うか?F.Cattaneoは 論 文[5]で 、CMMの 適 用 が 必 ず し も現 実 の 改 善 に は つ なが りな い こ と を指 摘 して い る 。 何 が 原 因 な の で あ ろ うか? い くつ か の 可 能 性 の う ち 、 こ こ で は 、 問 題 発 生 源 の 一 つ と して 、 個 人 の 活 動 とチ ー ム の 目 標 の 間 の 「調 整 」 の 問 題 を吟 味 して み よ う。例 え ば 、他 人 の や っ た仕 事 を引 き継 ぐ 。 他 人 に仕 事 を引 き渡 す 。 社 内 や プ ロ ジ ェ ク ト固 有 の 規 則 を 順 守 す る 。 一 定 の 品 質 が 保 証 さ れ た プ ロ ダ ク ト を生 成 す る な どの 例 が あ る 。 最 も重 要 な こ と は 、 これ らす べ て の こ と を 納 期 に あ わ せ て 、 限 られ た 時 間 資 源 で 実 行 しな け れ ば な ら な い こ と で あ る 。 個 人 の 目 標 をプ ロ ジ ェ ク トの 目標 の 間 に は大 き な ひ ら きが あ る 。 前 者 は 、 「自 身 の 能 力 の 範 囲 内 で 納 得 し なが ら 良 い 仕 事 を楽 にす る」 と い う 自己 中 心 の 仕 事 の タ イプ を容 認 し、 後 者 は 、 「限 られ た 時 間 範 囲 内 に 騨
す べ て の 仕 事 を 終 了 す る」 と い う 自己 犠 牲 、 献 身 型 の 仕 事 の タ イ プ を要 求 す る 。 双 方 を 同 時 に達 成 で き る 人 もい る が そ れ は稀 な例 で あ る 。 わ れ わ れ は 、 そ の よ う な ノ ウハ ウ の 共 有 を 可 能 に す る 理 論 と シ ス テ ム を 、 事 例 推 論 とモ デ ル推 論 を利 用 して 開 発 した こ と が あ る[46】、[55】。 しか し、 膨 大 な コ ス トを必 要 とす る の で 現 在 の と こ ろ 実 用 化 の 見 通 しは な い 。個 人 の 目標 とプ ロ ジ ェ ク ト ・チ ー ム の 目標 を つ な ぐ こ と が で き る調 整 支 援 の た め の プ ロ セ ス ・モ デ ル が 必 要 で あ る 。 2.42章 の ま と め 本 章 で は 、 ソ フ トウ ェ ア ・エ ン ジニ ア リ ン グ 活 動 を対 象 と して 、計 算 機 ネ ッ ト ワ ー ク を介 した 共 同 作 業 支 援 の た め の モ デ ル を 定 義 し 、環 境 を構築 す る に あ た っ て の 基 本 方 針 と原 理 を述 べ た 。 我 々 の 目標 は 、以 下 の 五 つ の 特 性 で 特 徴 づ け られ る 「環 境 の 快 適 性 の 向 上 」 に あ る 。 明 解 性:中 間 成 果 物 の 評 価 が可 能 で あ り、 そ の 手 順 が 明 確 か つ 具 体 的 で あ る 設 計 方 法 論 を 利 用 で き る こ と 独 立 性:必 要 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を保 証 しつ つ も 、個 人 の 作 業 の 独 立 性 が 保 持 で き る こ と 円 滑 性:チ ー ム の構 成 員 間 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン が 円 滑 で あ る こ と 携 帯 性 活 動 の 場 か ら 、必 要 な情 報 に 迅 速 に ア ク セ ス で き る こ と 、 さ ら に は活 動 の 場 に そ れ を 支 え る 情 報 が 追 随 で き る こ と 増 幅 性:ネ ッ ト ワ ー ク上 に 遍 在 す る作 業 遂 行 に 必 要 な情 報 ・ツ ー ル に 要 求 に 応 じて タ イム リ ー に ア ク セ ス で き る こ と。 す な わ ち 、個 人 の 能 力 を拡 大 し得 る よ う な ツ ー ル が 必 要 で あ り、 そ れ を 開発 で き る 環 境 が 整 い つ つ あ る 。 次 に 、 今 後 解 決 され る べ き研 究 課 題 を洗 い だ す 目的 で 、 ソ フ ト ウ ェ ア 設 計 方 法 論 、CSCW,ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス ・モ デ リ ン グ の 分 野 に お け る研 究 現 状 を 吟 味 し た 。 そ の 結 果 、 以 下 の よ う な課 題 を認 識 し た 。 ・ ネ ッ トワー クに またが る計 算 構造 を前 提 と して 、規 模 に応 じた ソフ トウェ ア ・アー キテ クチ ャ ・クラ ス を整 備す る こ と ・ 長 期 間 にわ たる会話 を円滑 に し一体 感 を生 み だす ため に、 リポ ジ トリ管理 技術(特 に決 定事項 の管理 技術)を 既 存 の グ ループ ウェ アの研 究 成果 に融 合 させ る こ と。 この 際 、決 定 事項 に関 す る状 態(確 信 度 、完 遂度 な ど)を 合せ て管理 す る こ とが必 要 であ る。 ・ 個 人の 目標 とプ ロジ ェク ト ・チ ー ムの 目標 をつ な ぐこ とが で きる調 整支 援 を目的 と したプ ロセス ・モ デ ル を開発 す る こ と ・ 予 測不可 能性 、非 再現性 、不 完全性 な どの 人間要 因 を上 記 のモデ ルや環境 の開発 にあ た って十分 に考 慮 す る こ と 一
一
3CSCSDモ
デ ル
我 々 の 共 同 活 動 の 主 要 な 要 素 は何 で あ ろ うか?そ れ らは ど の よ う に 関 連 して 共 同 活 動 を 成 立 させ て い る の だ ろ う か?少 な く と も、 プ ロ ダ ク ト、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 プ ロセ ス 、 人 間 の 四 つ を挙 げ る こ とが で き る。 本 節 に お け る考 察 の 目標 は 、 こ れ ら そ れ ぞ れ の 要 素 が 共 同 作 業 で 果 た す 役 割 を 吟 味 し、 要 素 間 の 相 互 関 係 を 定 義 す る こ と で あ る 。考 察 の 結 果 と して 、CSCSDモ デ ル と名 付 け た 共 同作 業 の 参 照 モ デ ル を提 案 す る 。 著 者 は す で に 、 ソ フ トウ ェ ア ・エ ン ジ ニ ア リ ング 諸 活 動 を支 援 す る た め に ソ フ ト ウ ェ ア ・リポ ジ ト リ で 管 理 さ れ るべ き情 報 を検 討 し、(コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 、プ ロ セ ス 管 理 支 援 、 プ ロ ダ ク ト管 理 支 援)x(個 人 レベ ル 、 チ ー ム レ ベ ル 、 プ ロ ジ ェ ク ト レベ ル)の9つ の 分 類 した 【47]。本 論 文 で は 、 そ れ に 加 え て 、 第2 章 で 議 論 した 以 下 の 要 因 を加 味 した 考 察 を行 な う。 ・ 一 体 感 を生 み だ し、かみ くだ く過 程 を支 援 す る こ との必 要性 ・ その振 舞 い は予測 しに く く、完全 な もの を一度 に は完成 で きず 、そ の過程 に は、一 般 に再 現性 が ない とい う人 間 の能力 の 限界へ の配慮 ・ 個 人(自 身の 能力 の範 囲 内で 仕事 を進 め る)と プ ロ ジェ ク ト(限 られ た期 限 内 に成 果物 を達 成 す る)間 の 目標 の ひ ら き こ れ らの 要 請 を 満 た す 筋 道 の 通 っ た 解 が存 在 す る の で あ ろ うか?も し存 在 す れ ば 、 そ れ がCSCSDモ デ ル構 築 の 基 礎 を与 え る。 そ の 解 の 実 行 に あ た っ て 、計 算 機 の 特 徴 を活 用 で き る 場 面 は 何 で あ ろ うか?こ れ は 「自在 」 環 境 設 計 の 基 礎 を与 え る 。 本 節 で は 、 まず 、 分 散 計 算 シ ス テ ム 上 に共 同 作 業 支 援 環 境 を構 築 す る に あ た っ て の 一 つ の 切 り口 を示 す こ とか ら始 め 、決 定 事 項 の 管 理 を基 に した ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ セ ス 実 行 支 援 と コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 の 統 合 法 を 検 討 しつ つ 、 上 記 問 題 解 決 へ の 一 ア プ ロ ー チ を ま とめ る 。 そ の 考 察 結 果 を 基 に して 、共 同 作 業 支 援 の 参 照 モ デ ル で あ る 「CSCSDモ デ ル 」(ComputerSupportedCooperativeSoftwareDevelopmentmodel) を提 案 す る。 さて 、技 術 的 、経 済 的 に以下 の よ うな利 点 を持 つ 分散計 算 システ ムは 、今後 ます ます 普及 して い くもの と思 われ る 国: ・ 分散 アー キテ クチ ャは 、多 くの アプ リケ ー シ ョン とその利用 者 に固有 の 、地 理 的分 散 をよ り良 く反映 す る ・ 複雑 な問題 を、複数 の計 算 機上 で並 列 に解 くこ とで性 能 向上 が達 成 され た ・独 立 な ジ ョブ を異 な る計 算機 上 で並 行 実行 す るこ とに よ り、ス ル ープ ッツが敬 善 され た ・情 報 、プ ロ グ ラム、プ ロセ ッサ等 の共 有 に よ り、資 源効 用 が増大 した ・ デ ー タ資源 や プ ログ ラム資 源 を複写 す る こ とに よ り、可 用性 が増 大 した ・ プ ロセ ッサ や記 憶装 置 を、増 大 す る負 荷 に応 じて 、増 強 す る こ とが呵 能 にな った ・ 冗長 な計 算 資 源 に よ り信 頼性 が増 大 した 他 のエ ンジニ ア リング分 野 と同様 に、分散 シス テム設計 にお け る中心 的課題 は コス トに対 して利益 をバ ラ ンス させ るこ とで あ る。単 一 の計 算 機設 計 に比べ て 、分 散 アー キテ クチ ャは並 行 性、可用 性 、故障 許容 性 等 にお いて利 益 を与 え るが 、 これ らの利 益 は アー キテ クチ ャの複雑 さや性 能 オーバ ヘ ッドの増 大 の代 償 の下 に達 成 され る もので あ る(図1下 部 参 照)。DistributedComputingEnvironment(Tools) -Obゴect-OrienしedModel -ProcessGroupModel -LanguageModel FunctionalServicesforDistribut二edSystems -Client-ServerModel -CommonServices locationtransparencybyanameserver accesscontrolbyanauthenticat二ionserve resourcemanagement fault-torelantservicebycheckpointing ModelsforDistribtedCommunication -Functioncallmodel(RPC) -Message-passingmodel withhelpofDataTranslation ErrorHandling 工ssuesondistributedcomputingenvironments -Locatingprogramsanddataresoucesacross computersinanetwork -Establishinginter-programcommunication overanetworktointeractwithremote applicationsordataresources -Coordinatingtheexecutionofprograms acrossdistributedprocessors -Maintainingconsistencyacrossdistribut二ed , replicateddatastores -Managingrecoveryfrompartialfailuresin anordelyandpreditablemannerreliability) -Protectingprogramsanddatafrom unauthorizedaccesssecurity) 図1:分 散 計算 環 境 にお け る課 題 と研 究成 果 と こ ろ で 、資 源 共 有 、 一 貫 性 保 持 、 仮 想 計 算 機 構 が 実 現 され た と仮 定 して 、 問題 」 は何 で あ ろ うか?そ の 一 つ と して 安全 性、耐故 障性 、負荷 バ ラ ンス等 の 問題 を理 想 的 に解決 す る分散 人間 間の協 調作 業の実 現 にあ たって それで も残 る 「分 散 に依存 す る 、 「協調 活動 の状 態 を共有 す る こ との困難 さ」が 挙げ られ る(図2)。 ThePlesantnessofSDEs -Definiteness -Independentness -Smoothness -Portability CSCSDModel(FunctionalViewofSDEs) -areferencemodelforcooperativeworks -cluesしofindtheobゴect二libraries Managementofthestatesofcooperativeworks -decisionmanagementforsmoothcommunication -art二ifacts/productsmanagementforcont二roユling anenactmentofasoftwareprocess IdealDistributedComputingEnvironments 図2:CSCSDモ デ ル の 役 割 例 えば 、決定事 項 とそ の状 態 の共有 は コ ミュニケ ー シ ョンを円滑 にす るた め に重 要 であ り、 また中 間生 成 物 とその状 態 の 管理 と関係 者 間で の 共有 は作 業 の進 行 を適 切 に制御 す るた め に必 要 で あ る 。CSCSD モ デ ル の狙 い は 、明解性 、独 立性 、円滑 性 、携 帯性 、増 幅性 の諸 要 因 を支援 す るため の情 報 リポ ジ トリの
一 構 成 とそれ を利 用 した調 整 機能 を、協 調 活動 に関す る状 態の 共有 に基づ い て構築 す る ことに あ る。 この 際 、 人 間要 因 をモデ ル化 の直接 の対象 とは しない。 ここ まで述 べ て きた協 調 を阻害す る、様 々な人 間要 因 に基づ く混乱 を低減 また は緩和 させ得 る もの を土 台 に置 く。 す なわ ち 、共 同作 業 に よって生 成 され る 「もの」(中 間生 成 物 や決 定事 項 な ど)を基 に してモデ ル化 を試み る。 3.1決 定 事 項 の 管 理 に 基 づ くプ ロ セ ス と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 の 統 合 ソフ トウェ ア ・プ ロセス の実行 時 に下 され る様 々な決定 と、プ ロダ ク トや コ ミュニ ケ ー シ ョン との 関係 を明 らか に しつ つ 、決 定事 項 の記 録 ・管理 法 につ い て考察 す る。 3.1.1決 定 とは ソフ トウェア開発 におけ る決定 事 項 は2種 類 あ る。一 つ は 、設 計者 やプ ログ ラマ に よって作 成 され 、検 査 チ ー ム に よって検 証 され る中間生 成物 や製 品 であ る。 も う一つ は 、その よ うな中間生 成物 や 製 品 を作 成 し て い く過 程 で な され る決 定 、す な は ちい くつ か の代 替案 の 中か らの一 つ の案 を選 択 す る過程 で な され る決 定 で あ る。前 者 は 、後 者 が複 数個 集 ま って構造 化 され た もの であ る。後 者 の型 の決定(デ ザ イ ン ・ラ ッシ ョ ナ レ)は 伝 達 コス トの安 い会 話 に よ ってな され る傾 向が あ る。 共 同 作業 におい て は、参 加 者各 自が 、現 在 の状 況が全 体 目標 に対 して どの よ うな位 置づ け にあ るの か を 理 解 で きる こ とが重 要 であ る。 また、「完 全 な もの を一 度 には作成 で きない」 とい う人間 の特 性 に起 因 して 、 決 定事 項 は しば しば変 更 され る。 そ こで 、決定 は多 くの場合 一 時 的で あ り、「完全 な決 定 」 はあ りえな い。 決 定 の変 更 とその波 及 の解析 が容 易 に行 な える記録 ス キー マが 必要 で あ る。 会 話 に よ って なされ る決定 事項 を、中 間生 成物 とその依存 関係 に統合 す る形 で記 録 ・管 理 す る こ とが必 要 で あ る。 両者 の型 の決 定 を どの よ うに記 録 管理 すべ きで あ ろ うか?こ れ がCSCSDモ デ ル 定義 にあ た っ ての 主要 な論 点 とな る。 3.1.2会 話 の何 を記録 すべ きか ほ とん どの研究 者 は 、デ ザ イン ・ラ ッシ ョナ レを管理 す るの に 、会 話 内容 その もの をその 流 れ に沿 って 記録 す れ ば 良い 、 また は、すべ ての会 話 内容 を構 造 的 に記 録 す れば 良い とい う立 場 を取 る 同 。 しか し、 こ れ は冗 長で あ る。なぜ な らば 、この よ うな会話 は、内容 をか み くだい て説 明 した り(パ ラフ レー ジ ング)、正 確 に内容 を理解 して も らうた めの 質疑応答 を数多 く含 む か らで あ る。 まず 、コ ミュニ ケー シ ョンの重 要 な要 因 であ る、「か み くだ く過 程 の支援 」 や 「一体 感 の形 成」 につ い ての取 り扱 い を明確 にす る必 要 が あ る。共 同 問題 解決 活 動 に携 わ る場 合 、結論 にい た る速 度 、質 は人 に よ って異 な る。 早 く達 成 した人 が 、ゆ っ く り、 か み くだ くよ うに、要点 を 「他 人 の 能力 」 を勘 案 しつ つ説 明 す る状況 が話 合 いで は 良 く出現 す る。 これ を 「か み くだ く過程 」 と呼 ぶ こ とにす る。 かみ くだ く過程 は、話者 相 互 間で 、理 解 の差 や決定 内 容 に 関す る く い違 いが 自覚 され 、それ をな くそ う とす る努 力が な され て い る場 合 に も生 じる。 か み くだ く過程 におい て発生 す る会 話 を記録 す る こ とは、 その 内容が 人 の経験 ・知識 ・体 調等 に依存 す る もの であ り再現 性 が ないので 、あ ま り意義 は ない と思 われ る。 もち ろん、か み くだ く過 程 を支 援 す る こ と は重 要 で あ り、参加 者 の 間 に 「一体 感 」 を生 み 出 し、進行 状 況 や次 の議論 の 目的(決 定 事項 と未 決事 項)の 共有 を助 け る。か み くだ く過 程 の支援 はグ ループ ウェ アやユ ーザ イ ンタフ ェース の役 割 であ る と判 断 す る。 会話 の流 れ は会 話参 加者 の 関心 の推 移 を表現 す る。 そ こでは参 加者 の 間で 最 も関心 の高 い事項 か ら会話 が始 まる。 その会 話の前 提条件 の 欠落 に途 中で気 付 き、一時 話題 が そ ち らに移 るこ と もあ る。 あ る話題 につ い て話 が 一段 落 した時 、続 い て話合 うべ き こ とが話 題 と して持 ち上 が る。 一度 の話 し合 い で は結論 に達 せ ず話 を中断 す る こ ともよ くあ る。 この時 、別の話 題 に話 が移 った後 で 、突 然 、あ る こ とに気付 いて 、話 題 が もとに戻 る こ と もあ る。 この よ うな 会話 の 流れ の 中で 決定 され てい く事項 を どの よ うに記 録 す れ ば良 い の だ ろ うか。 日記 を書 くよ うに、会話 の流 れ に沿 って記録 す る こ とは一番 容易 で あ るが 、決 定事 項 問の 因果 関 係 を明 示 的 に表現 で きない欠 点が あ る。
一 我 々 は 、話 合 いの途 中で 、 そ こまでの話 を整理 し、解決 された問題 とそ うで ない もの を整 理 した上 で次 に話 し合 うべ きこ とを決定 す る よ うな場 面 を よ く経験 す る。 この時 、我 々 は以 下 の よ うな情報 を整理 してい る こ とが多 い 。 ・ す で に決 定 され た こ とと、 これか ら決 定 され るべ きこ とに対 す る全 体像 ・ 全体 像 に対 す る 、現 状 の位置 づ け ・ 最終 目標 に対 す る進 捗状 況 ・次 に話 し合 うべ き話 題 この よ うな事柄 は当然記 録 の対 象 とすべ きで あ ろ う。 と ころで 、議論 が 進 む につれ て その よ うな整 理 結 果が 変化 す る こ とを考 慮 に入 れ る必 要 が あ る。 また 、 い ったん決 定 したこ とが不 完全 で あ ったこ とに後 に なって気付 くこ と もしば しばあ る。討議 結果 の 再構 成や 蒸 し返 しを支 援 で き る情 報 も記 録 の対 象 に入 れ るべ きで あ る。 その ため には以 下の よ うな情報 を記 録 して お くこ とが必 要で あ る。 ・ あ る話題 に対 す る、部分 決 定の積 み重 ね の構 造 とそ れ らの決 定 にあ た って必要 な さま ざまの前提 条 件 ・ 一 つ の部 分 的決定 に関す る確 信度 と手 間 さ ら に、話 し合いの話 題 はソ フ トウェ ア ・オブ ジェ ク トに起 因す るので 、 ・ 中間 生成 物 や中 間生成 物 間の依 存 関係 との関 連 を記録 対 象 とす る必要 性 は明 白 であ ろ う。 3.1.3中 間 生成 物間 の粗 粒度 レベル の依 存 関係 を統 合 の土台 とす る ことにつ い て 分析 ・設計 活動 におい て は、あ る中 間生成 物 が入 力 され 、既 存 の成果 物 、標準 規 約 、品 質基準 等 を参 照 しつつ 、 ツール に よる変換 や人 間 の思 考 に よって 、出力 となる中 間生成物 や製 品が 生成 され る。す なわ ち、 中間生 成物 や製 品の 間 には入 出力 に関す る依存 関係 が存 在 す る。 粗粒 度 レベ ルの依存 関係 は 、仕 様 書や 設計 書 な どの文書 間の入 出力依 存 関係 を定 義す る。細粒 度 レベ ル の依 存 関係 は 、それ ら文書 中の項 目間の 「利 用す る/さ れ る」 また は 「参 照す る/さ れ る」 とい う依 存 関係 を定義 し、設 計根拠 を理 解す るための基 礎 を与 える。 この ような理 由で 、我 々 は、中間生 成物 間の粗粒 度 レ ベ ル の依 存 関係 をソフ トウェア ・プ ロセス ・モデ ルの定義 とコ ミュ ニケ ーシ ョンの記 録 を統 合す る基礎 とし て採 用 す る。 もち ろ ん、 中間生成 物 間の粗粒 度 レベ ル の依存 関係 が上 記 の機能 実現 の土 台 と して必 要十 分 であ る とは い いが た い。 しか し、変換 作業 の実行 順序 の設計 にあた って制 約 を与 え、会話 の発 生順序 に関す る概 略 を与 えて い る意味 におい て 、統 合 の主 要 な土 台の 一つ で あ る と考 え る。 3.1.4粗 粒 度 レベル の依存 関 係 を基 に したタス ク とソ フ トウ ェア ・プ ロセ スの定 義 中間生 成物/製 品 の部分集 合 を、チ ーム構成 員 それ ぞれ に各 自の役割 に応 じて割 り当て る。 これ を タス ク と呼 ぶ。 それ ぞれの タス クは 、例 え ば 、割 り当 て られた 中間生成物 や製 品の記 述 に関す る様式 や規約 、作 業遂 行上 の制約 、他 人 との仕事 の関係 、 タス ク開始/終 了 条件 、品質基 準 な どの属性 を持 つ。属性 定 義 の詳 細 は個 々の 組織 やプ ロ ジェ ク トに依存 す るの で 、こ こでは 、プ ロジェ ク ト ・マ ネー ジ メン トに有 用 な 、す べ て の タス ク属 性 定義 に必 要 とな る共通 性 質 を検討 す る。少 な くとも、以 下の機 能 の 実現 に必要 な情 報 を タ ス ク属 性 と して定 義す べ きで あ る と考 える。 ・ 順 守す べ き制 約事項 が妥 当で 明確 であ る こ と。
一 ・ 制 約 が 犯 され た場合 には 、 システ ムが それ を検 知 で きる こ と。 ● 制 約 違 反 に対 して は 、シス テ ムが適 切 な対 応 を指 示 で きるこ と ・ そ の処置 が 他 人 に悪 影響 をお よぼ す場 合 に は、 その調 整 をシス テムが 支援 で きる こ と。 中間生 成 物/製 品 間の粗粒 度 レベ ル の依存 関係 に基づ き、そ れ を基 に して作 業遂 行者 へ の仕事 の割 り当 て を定 義 した タス ク間 に、実 行順 序 を付加 す る ことに よ り、 ソフ トウェ ア ・プ ロセ ス を定義 す る。 プ ロジェ ク ト全 体 に割 り付 け られ る時 間資 源 と、能 力 や容 量 に応 じて各 自が必 要 とす る時 間 資源 をバ ラ ンス させ る と ころ にプ ロセス定 義 の難 しさが あ る。 3.1.5ソ フ トウ ェ ア ・プ ロ セ ス の 実 行 と発 生 す る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 関 係 に つ い て と こ ろ で 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を通 じて 決 定 さ れ て い く事 柄 の 間 の 因 果 関 係1と 、 タ ス ク間 の 時 間 的順 序 関係 は 同 じ構 造 を持 つ の で あ ろ う か?後 の 例 に述 べ る よ う に 、話 題 が 状 態 に 依 存 して 発 生 す る こ とが あ る の で 、 討 議 空 間 の 構造 は タス クの 実 行 順 序 の構 造 と必 ず し も一 致 しな い 。 そ こ で 、 「決 定 事 項 問 の 因 果 関 係 」 と 「タス ク の 実 行 順{序関 係 」 は そ れ ぞ れ独 立 に 管 理 す る 必 要 が あ る 。 討 議 の流 れ と タスク の実行 構造 が対 応 す る場 合 タス クに割 り当て られ た人 間が複 数 人で あ る場合 と、 タス ク間で 中間生 成物 が直 接 また は間接 に共 有 さ れ る場 合 にコ ミュニ ケー シ ョンが発 生 す る。発 生 す る コ ミュニ ケ ーシ ョンにはい くつか の種 類 があ る。例 え ば以 下 の例 は代 表 的で あ る。 ・ 複 数 人 で一 つの仕 事 を共 同で実 施 す る場 合 、それ ぞれが持 つ専 門知識 を交 換 す るため 、代 替案 の 中か ら解候 補 を選択 す るた め、ス キル や経験 の差 を補 うため(か み くだ く過 程)に コ ミュニ ケー シ ョンが発 生 す る ・ タス ク問 で 中間生 成物 が共有 され てい る場 合 、生 成物 の伝 達 の ため 、伝 達 内容 に関す る合 意形 成 の た め 、中 間生 成 物 の不 完全 さに起 因す る誤 りを検 知 ・修 正 す るため に コ ミュニ ケ ーシ ョンが 発 生 す る この場 合 、討 議 の流 れ は、 タス クまた は タス ク間 の構造 に直接 関係 す る。 討 議 の 流 れ と タ ス ク の 実 行 構 造 が 対 応 し な い 場 合 機 能 仕 様 書 は 複 数 の 機 能 要 求 か ら成 り立 っ て い る 。 設 計 段 階 にお い て 、 そ れ らの 機 能 の 内 、一 部 は 性 能 要 求 を満 たす た め 早 い プ ロ セ ッサ に割 り付 け られ 、残 りの 機 能 は 遅 い プ ロ セ ッサ に 割 り付 け られ る 。 そ れ ぞ れ は ま とめ られ て モ ジ ュ ー ル に な る。 そ れ らの モ ジ ュ ル ー 間 の イ ン タ フ ェ ー ス が 決 定 され 、大 域 デ ー タ と各 モ ジ ュ ー ル の デ ー タ構 造 が 決 定 さ れ 、各 モ ジ ュ ー ル が 実 装 さ れ る 。 テ ス ト時 に ロ ー ド モ ジ ュ ー ル が 十 分 な 性 能 を 出 せ な か っ た と し よ う。 す で に な され た 以 下 の2種 類 の 決 定 を変 更 し な け れ ば な らな い 。 ・ 粗 粒 度 レベ ル の 決 定:機 能 仕 様 書 、性 能 仕 様 書 、 プ ロ セ ッサ の 選 択 、 二 つ の モ ジ ュ ー ル 、 ロ ー ド モ ジ ュ ー ル 。 ・ 細 粒 度 レベ ル の 決 定:あ る機 能 の プ ロ セ ッサ へ の 割 りつ け 、 割 りつ け ら れ た機 能 の モ ジ ュ ー ル へ の 統 合 、 モ ジ ュ ー ル 間 イ ン タ フ ェ ー ス ・デ ー タの 選 択 、 デ ー タ構 造 と ア ル ゴ リズ ム の 選 択 。 プ ロ セ ッサ の 選 択 は 妥 当 で あ っ た か?機 能 の 振 り分 け は妥 当 で あ っ た か?デ ー タ や ア ル ゴ リズ ム の 選 択 は 妥 当 で あ っ た か?と い う疑 問 に 関 連 す る決 定 事 項 を再 検 討 し な け れ ば な ら な い 。 結 果 と し て 、 さ ま ざ まの 仕 様 書 や プ ロ グ ラ ム を変 更 す る必 要 が で て くる 。 これ に対 して は 、独 立 した 討 議 を起 動 し、 そ の 討 議 の サ ブ 討 議 と して 、関 連 す る 仕 様 書 や プ ロ グ ラ ム に 関 す る 決 定 内 容 を検 討 し 、必 要 な ら変 更 し た上 で 、変 更 結 果 をそ の 理 由 と共 に追 加 記 録 す る こ と に な る 。 1これ を後 に討議空間として定義する
一 この例 の よ うに、予 測不 能 な異 常状 態 が 出現 した場 合 に は、 ソフ トウェア ・プ ロセス とは独立 した討議 を起動 す る必 要 があ る。す なわ ち、一般 に 「決 定事 項 間の 因果 関係 」 と 「タス クの 実行 順序 関係 」 は異 な る もので あ る。 3.2情 報 リ ポ ジ ト リ へ の 要 請 「自在 」環 境 の 中核 となる情報 リポ ジ トリにお い ては 、「共 同作 業 を通 じて生 成 ・変 更 されて い く中間 成 果物 や決 定 事項 とそれ等 の状 態 を、現 実世 界 の状 況 を正 確 に反 映 しつ つ管 理 す る こ と」 を目標 に して い る。 す で に述べ た よ うに 、予 測不 可 能性 、非 再 現性 、不 完 全 性な どの人 間要 因に基 づ く混 乱 を軽 減 させ る 一つ の手段 は、共同作 業 に よって生 成 され てい く生 産物 とその状 態 を関係 者 間で 共有 させ る こ とが 「自在 」 情 報 リポ ジ トリの 目的 であ る。 この と き、粗 粒度 レベ ルの文書 間の依存 関係 を、作業 遂行 に関す る基 本 的 な制 約 と しつ つ も、 1.共 同作 業 参加 者 の各 自の責任 範 囲 と他者 との 関係 の明 示 2.共 有情 報 の生 成 と変更 の管 理 3.そ れ ら に 関 して 発 生 す る コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 円 滑 な支 援 等 が 情報 リポ ジ トリ設計 の基本 的な要 請で あ る。 この ため 、 自在 にお ける情報 リポ ジ トリで は、中 間生成 物 や 決定 事 項 にそれ ぞ れ状 態 遷 移図 を付 加 す る こ とに よ り、状 態 に関 す る情報 を明示 的 に記 録 ・管理 し、 ま た、それ に よ り現 実世界 の状 況の変 化 を正 確 に反 映す るこ とを試 み る。最 終 的 には 、振舞 い に関 す る制 約 の 基 に並 行動 作 す る 自律 オブ ジェ ク ト群 の管 理機 構 と して定 式化 す る ことが 目標 で あ り、故 障 オブ ジ ェ ク ト の 出現 に ともな うネ ットワー クワ イドな故 障検 出機 構 と して調整 支援 機能 を実 現 す る こ とが 目標 で あ るが 、 ここで は その 目標達 成 の ための 基礎 考察 を行 な う。 3.2.1各 自の 責任 範囲 をタス ク と して定 義 す る こ とにつ いて 独 立性(独 立性 とい う用語 は 「他 人 との 間で不必 要 な コ ミュニ ケー シ ョンや相 互 干渉 を持 つ こ とな く、各 自が 自身 の仕 事 を進 め られ るこ と」 とい う意 味 合い で使用 してい る)と い う目標 を達 成す るため の一つ の課 題 と して 、共有 情報 の 管理法 が挙 げ られ る。 ネ ゴ ンエ ー ン ヨ ンの 支援 機 構
頭餓
結果の反映 開発者2 開発者i (共有情綴の変更) 自律 メデ ィ エー タ\
呈
開発者n 82 、 … β 二1.。一.β …1 プライベー ト作業空間1=開 発者 開発作業 責任範囲の管理機構 ワ ー ク スペ ー ス マ ネ ージ ャ 成果物オブジェクト 作業空間轡 騨iiii
♂ ㌧66磁
緊
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図3:共 有情 報 の管 理機 構 図3に 我 々の アプ ロー チ を示す。 図3に お い て 、共 同作業 で生成 され る 中間 成果 物 オブ ジ ェ ク ト(文 書 等)全 体 の部 分集 合 を 「仕 事 の責任範 囲」 と して定義 し、各参 加者 に割 り当て る。 この 部分 集合 を分散 作 業空 間(ま た は タス ク)と 呼 び 、作 業 空 間 管 理 者 オ ブ ジ ェ ク トが 管 理 す る ・ 共 有 情 報 は 分 散 作 業 空 間 の 積 集 合 と して 定 義 し こ れ を共 有 作 業 空 間 と呼 ぶ 。 共 有 作 業 空 間 に属 す る 中 間 成 果 物 オ ブ ジ ェ ク トは そ れ ぞ れ ア ク セ ス リス ト を持 ち 、許 可 さ れ て い な い ア クセ ス に対 して は 作 業 空 間 管 理 者 オブ ジ ェ ク トを 介 し て 自律 メデ ィ エ タ ー ・オ ブ ジ ェ ク ト を起 動 し、 関 連 者 間 で の 一 時 的 な権 限 の 委 譲 に 関 す る ネ ゴ シ エ ー シ ョ ン を支 援 す る 。 我 々 は す で に 、作 業 空 間 管 理 オ ブ ジ ェ ク ト、 自律 メ デ ィエ タ ー と名 付 け た 二 つ の 制 御 オ ブ ジ ェ ク ト を定 義 ・開 発 した[20]、[21】。 作 業 空 間 管 理 オ ブ ジ ェ ク ト、 自律 メデ ィエ タ ー の 主 な 特 徴 を 図4に 示 す 。
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発注者 、○ \ 一 開発の依頼鰻鐘
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発注者分散作業空 間 ' 要求仕様書 、蒸
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l醗 責任者/1 /○ \ \ 響 者/○ 、 !\ ・、き/,/'/\ rヲヨヲ亨 瀦 \ .艇 様書 ソ 誘 ム_プ 。グラムb 仕様書 設計者分散作業空間 プログラマA分 散作業空 間 ライブラ1 '{荏 藩 ラ勿 仕様書 、¥. ・隔隔四_._..__ノ 亀一 マ
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さ 一呈
プロ グ ラマB ⑰ ・自律 ・デ ・エ ー ・ ○ ・ワー ・・ペ ースマネージ ・ ○ ・成果物 オブ ジ・ク ト (共有作業空間) ○ ・成果物オブ ジ・ク ト (プ ラ イ ベ ー ト作 業 空 間) 一 一一 一い: :プ ラ イベ ー ト作 業 空 間 か ら共 有 作 業 空 間 へ の移 動 成 果 物 オ ブ ジ ェ ク ト間 の 依 存 関 係 :開 発 者 と ワ ー クス ペ ー ス マ ネ ー ジ ャ また は 、 自律 メ デ ィエ ー タ間 の 対 話 処 理 自律 メ デ イエ ー タ ワ ー ク ス ペ ー ス マ 不 一 ン ヤ 成 果物 オ ブジ ェ ク ト ベ ー ス オ ブ ジ ェ ク ト ・開 発 者へ の 問 い合 わせ ・他 の オ ブ ジェ ク トの メ ソ ッ ド呼 出 し ・作 業空 間 属 内 の成 果 物 オ ブ ジェ ク トの 管理 (プ ラ イベ ー ト⇔ 共 有 作業 空 間 の 移動 とそ れ に伴 うア クセ ス 権の 変 更) ・開 発者 に よる成 果 物 オ ブ ジ ェク トへ の ア ク セス 要 求の 受付 け ・中間 成 果物 の 管 理 メ タオ ブ ジェ ク ト ・ハ ー フプ ロ トコル(椀 態 遷 移 図)に よ るベ ー ス オ ブ ジェ ク トの メ ソ ッ ドの 起動 制 御 ・共 有 作業 空 間 に属 す る成 果物 オ ブジ ェ ク トへ の変 更 許 可 を求 め る 、管 理 責任 者 の メ タ ワ ー ク スペ ー ス マ ネー ジ ャ との ネ ゴ シエ ー シ ョン ・ネ ゴシエ ー シ ョ ンを支 援 す る ため の 自律 メデ イエ ー タの起 動 ・開 発 者毎 の メ ソ ッ ドレベ ル の ア クセ ス制 御 図4:各 オ ブ ジ ェ ク トの 役 割 図4に お い て 、 1.作 業空 間管理 者 オブ ジ ェク トと中 間成果 物 オブ ジ ェ ク トは 囲 を規 定 し、共 有デ ー タの管 理 を支援 す る 、ソ フ トウ ェア 開発 者各 自の仕事 の責任 範 2.自 律 メデ ィエ タ ー ・オブ ジ ェ ク トは 、 共 有 デ ー タの 変 更1 の ネ ゴ シ エ ー シ ョン を支 援 す る こと も な っ て発 生 す る ソ フ ト ウ ェ ア 開発 者 間 3.そ れ ぞ れ の オ ブ ジ ェ ク トは,対 応 す る メ タ ・オ ブ ジ ェ ク トを持 ち 、状 況 に応 じて 適 切 な 振 舞 い を 動 的 に 選 択 す る こ と を可 能 に す るこれ らの オブ ジェ ク トを利 用す る こ とに よ り、 ソ フ トウェア技術 者 が 、彼 の責任 範 囲 に直接 関係 す る知 識 と、彼 とデ ー タを共有 す る人 との関連 のみ に注意 を払 って仕事 を進 めれ る よ うにす る こ とが 目標 であ り、 この と き、デ ー タ共 有 に関す る方 針 を協 調 的か つ柔軟 に変更 す る こ とを支援 す る こ と も目標 で あ る。 中間成 果 物 オブ ジ ェ ク トに図5に 示 す状 態遷 移 図 をそ れぞ れ内 蔵 させ る こ とに よ り、 中間成 果物 の進 捗 状 況 を反 映 させ る。 pre-conditionsneedfor satisfiede veloping -→ or modifying detecting errors testing theresul pot二entialityof errors change finished reづected accepted formalreview completed 図5:中 間生 成物 に付加 され る状 態 遷移 図 3.2.2粒 度 の 異 な る 決 定 事 項 を系 統 的 に 管 理 す る こ と に つ い て 会 話 を通 じて な さ れ る決 定 事 項 を 、 図6に 示 す よ う に 、 討 議 空 間 、 討 議 プ ロ セ ス 、 討 議 の 型 か ら な る3 層 記 録 ス キ ー マ で 管 理 す る[23】、[48】。 DeliberationSpace DeliberationProcess DeliberationType RawData 図6:会 話 を通 じて な され る決 定事項 の管理 法 上 記 ス キ ー マ を持 つ リポ ジ ト リ をグ ル ー プ ウ ェ ア ・ベ ー ス と呼 ぶ 。 次 節 以 降 に 、 討 議 空 間 、討 議 プ ロ セ ス 、 討 議 の 型 を そ れ ぞ れ 説 明 す る 。 3.2.3討 議 空 間 ・ そ れぞ れの話 題 に対 す る決定事 項 間 の因果 関係 を討議 空 間 で表現 す る。 その役 割 は 、決 定事 項 の全 体 像 と最終 目標 に対 す る現 在 の議論 の適切 な位 置 づ け を我 々 に提 供 す る こ とにあ る。 討議 空 間 は、後 に定義 す る討議 プ ロセス のグ ラフであ り、節 は討 議 プ ロセス 、枝 は討 議プ ロセス発 生 の 原 因 を表 現 す る。 図7は 討議 空 間 の一例 を示 して い る。長方 形 の箱 は討議 プ ロセ ス を表 わ して い る。正 方形 の箱 は、長 方 形 で表現 され た討議 プ ロセス を遂行 す る ため に発 生 した子討 議 プ ロ セス を表 わ してい る 。 枝 に は三 つ の型 が あ る。