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5. 独居癌患者の在宅ホスピスケア(第22回群馬緩和医療研究会)

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Academic year: 2021

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5.独居癌患者の在宅ホスピスケア 萬田 緑平 (緩和ケア診療所 いっぽ) 「緩和ケア診療所 いっぽ」は在宅支援診療所として, 癌患者の在宅ホスピスケアを中心に再出発して 2年 4ヶ 月. 在宅癌患者は 270人, 在宅看取り率は 95%となる. 独居の方は一般の方より在宅で過ごしたいという気持 ちが強く, 在宅ケアを希望する方は想像以上に多い. も ちろん在宅ホスピスケアでは独居の方のケアは介護の手 段が限られているから困難症例だといわれている. 一方, 在宅ホスピスケアでは独居の方がケアしやすい面もあ る. 家族の満足を える必要がないからだ. 意志の強い 本人さえ満足していればいいのだから. 患者さんがどん なに不 そうだろうが, 寂しそうだろうが本人がその生 活がいやならやめればいい. 心地良ければ続ければいい のだと思う. 独居と言っても, 天涯孤独型独居 (身寄りな し) から,孤高希望型独居 (子供と同居拒むタイプ),そし て家族支援型独居 (家族が通う独居), 家族内独居 (事実 上独居), その他いろいろな形態がある. 何で一人暮らし を続けたいのか. 寂しくないのか. 孤独死を望んでいる のか? 独居とは何だろう.そしてどうやって独居を支援 するか.今回 25例の独居 (ほぼ独居) 症例 (約 1割)をタ イプ別に 類し, その転機を 析, 症例を えて報告し ます. 6.悪性リンパ腫長期入院患者への在宅へ向けた関わり 中沢まゆみ,飯塚さち子, 田 智恵 楠 恵,黒澤 亜弥,羽鳥裕美子 椎名美智子,徳淵真由美 (独立行政法人 国立病院機構 高崎 合医療センター 緩和ケアチーム) 【はじめに】 入院が長期化した患者に多職種が関わるこ とで, 在宅療養 へ 移 行 出 来 た 1例 に つ い て 紹 介 す る. 【事例紹介】 対象 : 70歳女性 A 氏 悪性リンパ腫 1 人暮らし経過 : 2008年 8月∼11月の間に入退院を繰り 返し, 化学療法を行った. その後脊髄転移が出現し, 照射 及び化学療法実施の為再入院となった. 治療は奏功した が, 下半身麻痺が残った. 【看護展開】 2008年 11月の 再入院より, 主治医と病棟看護師が症状緩和を行ってい たが, 疼痛コントロールが図れずに緩和ケアチームへ依 頼した.症状のコントロールを図ることができ,B病院へ 転院した. 1か月後, 当院へ再入院となる. 退院支援看護 師が介入し, 在宅療養には消極的であった家族と面接を 繰り返し, 本人が帰りたいという思いを理解してもらう ことができた. その結果, 家族の気持ちに変化がみられ た. 本人は, 下半身麻痺となり在宅療養は一人ではでき ないと思っていたが, 残存機能を訓練し生かすことで QOL の向上を図ることができる」という認識と, リハビ リをすれば帰れる」という前向きな発言が聞かれた. そ の後, 試験外泊を 2回行い, 1年 6ヶ月の入院生活を終え て在宅療養へと移行することができた. 【 察】 多 職種が関わることで, 1人暮らしという不安な環境でも 安心して帰れるという自信をつけることができた. その 中で緩和ケアチームは, 本人の心の迷いや今後どのよう な毎日を送りたいのかという思いに寄り添うことができ たと えられる. 【まとめ】 本人と家族が安心して在 宅療養を迎えるためには, 多職種が連携し関わっていく ことが重要である. 7. よかった」と思える死 加藤恵理子 (群馬大医・附属病院・臨床研修センター) (緩和ケア診療所 いっぽ) 【はじめに】 よかった」と思える死がある.研修医とし て在宅での看取りに立ち会い, はじめて知った. 家で看 取った家族は, 本人の願いを叶えられてよかった」と, 涙しながらも笑顔を見せてくれる. 家族には喪失感だけ でなく, 満足感が残っている. それだけでなく, 私たちス タッフの心にまで「よかった」という思いが湧いてくる. 私にとって, 関われて幸せだったと感じた何人かの患者 さんの中の一例を紹介する. 【事例紹介】 52歳女性, 直腸癌肝転移で入院中だったが, 中 3と小 6の子供たち と過ごすため, X-12日, 在宅療養を開始した. 予後は短 く,子供たちにどう伝えるか悩んでいた.医師が「両親か ら真実を伝えることが理想的だが」と助言すると, 二人 はその夜に家族会議を開いた. 子供に「お母さん死ん じゃうんだよ.」とありのままを伝えた. 子供たちは最後 まで話を聞いて, 家族 4人で団結式をした. そして久し ぶりに皆で一緒に寝た. 翌日から子供たちは普段通り学 に通い, 母と自然に接しながら看病をした. X-2日, 苦 痛のためモルヒネ座薬の頻回 用が必要となり, X-1日, 塩酸モルヒネ持続皮下投与を開始した. 子供たちと別れ の挨拶をした後にモルヒネ流量を漸増した. X 日早朝, 子供たちを呼び, 二人がお母さんの子供で, お母さんは 本当に嬉しい.ありがとう.」と言い,子供たちも「ありが とう」と返した. その後入眠し, 家族に見守られて亡く なった. 2週間後の訪問時, 夫は「家に帰るという本人の 希望を叶えることができて本当によかった」と振り返る. 子供たちは「お母さんに心配を掛けない」と,元気に,部 活に精を出していた. 【 察】 事例では, 家で子供た ちと過ごし, 愛情を伝えるという本人の願いを実現し, 家族の団結力が強まった.毎日「いってらっしゃい」と子 供に言うことは, 入院中では難しい. しかし, 病院におい ても, 本人の希望するいき方を応援するために何ができ るかを常に意識していきたい. 85

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