• 検索結果がありません。

肺高血圧の治療により労作時呼吸困難が憎悪した間質性肺炎の一例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "肺高血圧の治療により労作時呼吸困難が憎悪した間質性肺炎の一例"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

肺高血圧の治療により労作時呼吸困難が

増悪した間質性肺炎の一例

増 渕 裕 朗, 須 賀 達 夫, 神 戸 将 彦

相 澤 智 弘, 上 野

学, 原

一郎

青 木

暁, 青 木

望, 前 野 敏 孝

倉 林 正 彦

要 旨 症例は 55歳女性. 2001年 1月より非特異性間質性肺炎に対してプレドニゾロンと免疫抑制剤による治療 を行っていた. 2009 年 10月, 肺高血圧症の合併による労作時呼吸困難の増悪を認め. ボセンタンとシルデナ フィルの治療を導入した. 治療開始後, 肺血管抵抗は著明に改善したが, 呼吸困難はむしろ増悪し, 症状の日 内変動を認めた. この原因として, ボセンタンとシルデナフィルによる肺血管床の拡張により, 換気・血流不 衡が増悪したことが えられた. 肺高血圧症は間質性肺炎の予後不良因子の一つである. その治療によって呼吸状態が改善することが示さ れている一方で, 増悪する症例も報告されている. 血管拡張薬は, 慢性呼吸器疾患による低酸素血症に対する 代償反応として生じている肺血管の収縮反応を解除することで, 換気に関与しない肺胞への血流を増加させ てしまい, 換気・血流不 衡を増大させる, という機序が想定されている. 間質性肺炎の治療において, 合併 した肺高血圧症への治療により呼吸状態が増悪する可能性を 慮しなくてはならない.(Kitakanto Med J 2013;63:159∼164) キーワード:間質性肺炎, 肺高血圧症, 低酸素性肺血管攣縮, 換気・血流不 衡 緒 言 間質性肺炎に合併する肺高血圧症は特発性肺動脈性肺 高血圧症とは異なり, 慢性低酸素血症に伴う肺血管収縮 や血管の破壊, リモデリングによって誘導された二次性 の肺高血圧である. 右心カテーテルで評価した肺高血圧 の存在は予後不良因子の一つとされており, ステロイド や免疫抑制剤による原疾患の治療に加えて, 様々な治療 薬が試みられている. 中でもホスホジエステラーゼ 5阻 害薬 (シルデナフィル), エンドセリン受容体拮抗薬 (ボ センタン) が注目されており, シルデナフィルによる肺 血管抵抗の低下や QOL の改善, ボセンタンによる 6 間歩行距離の改善 などが報告されている. しかし, 多くの症例が肺血管抵抗の低下に伴い呼吸状 態が改善する中で, 血管拡張効果によってむしろ呼吸困 難が増悪する場合があることを Olschewskiらが言及し ている. 今回, 間質性肺炎に合併した肺高血圧症に対して, 肺 高血圧治療薬により著明に肺血管抵抗が低下したもの の, 呼吸困難が増悪した一例を経験したので報告する. 症 例 患 者:55歳, 女性. 主 訴:労作時呼吸困難. 既往歴:虫垂炎, 気管支喘息, マイコプラズマ肺炎, 下肢 静脈血栓症, 咳漱による肋骨骨折, 帯状疱疹. 1 群馬県前橋市昭和町3-39-15 群馬大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科 2 群馬県藤岡市藤岡942-1 立藤岡 合病院呼 吸器内科 3 群馬県高崎市高 町36 国立病院機構高崎 合医療センター呼吸器科 平成25年2月18日 受付 論文別刷請求先 〒370-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-15 群馬大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科 増渕裕朗

(2)

家族歴:特記事項なし. 輸血歴:なし. アレルギー歴:ヨード造影剤で発熱. 嗜好歴:喫煙なし, 飲酒なし. 現病歴:2001年 1月より, 眼瞼浮腫, 怠感, 微熱, 右下 肢疼痛, 軽度の労作時呼吸困難を認め近医に入院した. 間質性肺炎と診断されメチルプレドニゾロン 1000mg/ 日によるステロイドパルス療法を施行されたのち, 当院 へ転院となった.膠原病 (筋炎類似疾患)関連間質性肺炎 と診断し, プレドニゾロン 10mg/日の内服にまでステロ イドを減量し, 在宅酸素療法を導入して退院した. 以降, 増悪と軽快を繰り返していたが, 2009 年 10月, 労作時の 呼吸困難が増悪し, 安静時の SpO2の低下も認めたため, 精査・加療目的に 2009 年 10月 13日当科再入院となっ た. 入院時現症:血 圧 114/80mmHg, 脈 拍 118回/ (整), SpO2は O2 3L/min 鼻カヌラ投与下で 96%であった. 胸 部の聴診では両側で fine cracklesと squawkを聴取した.

下 浮腫は見られず, その他に明らかな異常所見はな かった. 血液検査所見 (Table 1):Hb11.6g/dlと軽度の 血を認 めた. 白血球は 10600/μlと軽度増加していたがステロ イド内服中のためと えられた. LDH の上昇は 215U/I と軽度であった. CRPは 0.29mg/dlと軽度上昇してい た. KL-6は 1710Umlと上昇を認めているものの, 呼吸 困難増悪前とほとんど変化はなかった. BNPは 29.2pg/ mlとほぼ正常であった. 動脈血ガス 析では, O2 3L/ min 鼻 カ ヌ ラ 投 与 下 で は 73.8Torrで あ り, PaCO2 66.4Torrと高値であった. 入院時画像所見:胸部レントゲン (Fig.1) では肺容量の 減少が著しく, 両側の肺野全体に網状影を認めた. 胸部 CT (Fig.2) では胸膜直下と気管支血管束を中心とした 広範囲な肺の線維化やスリガラス影とともに牽引性の気 管支拡張がみられ, 非特異的間質性肺炎 (NSIP) の所見 であった. また, 肺動脈の拡大を認めた. なお, 呼吸機能 検査は危険性が高いと判断したため実施しなかった. 経 過:入院時の間質性肺炎治療は, PSL17.5mg/日, シ クロスポリン 120mg/日の内服であった. 呼吸困難悪化 の原因として, 間質性肺炎の増悪, 感染症, 肺高血圧症を 含む心疾患, の 3点が鑑別として えられた. 間質性肺 炎の増悪と感染症に関しては, 検査結果や症状の変化な どから否定的であった. 心疾患に関しては, 肺水腫は明 らかではなかったが, 肺動脈の拡張から肺高血圧症の存 在が疑われたため, 心機能や肺高血圧症の評価を行った. 心エコーでは右心系の拡大が見られ, 右心カテーテルで は肺血管抵抗と肺動脈圧の上昇が見られたため肺高血圧 症と診断した. また, NO投与で改善が見られた (Table 2).なお,心エコーでは左室壁運動は EF 78%と正常範囲 内であり弁膜症も見られなかった. 以上より, 呼吸困難増悪の原因は肺高血圧症の合併に よるものと診断し,ベラプロストナトリウム 120μg/日か ら治療を開始した. 240μg/日へと増量すると顔の火照り

Table 1 Laboratory data on admission Hematology RBC 387×10 /μl Hb 11.6g/dl WBC 10600/μl Neu 77.6% Eos 2.7% Bas 0.2% Mo 7.4% Lym 10.2% Plt 26.5×10 /μl Coagulation-Fibrinolysis Fib 293mg/dl PT 129% APTT 24.4sec FDP 3.5μg/ml Biochemistry TP 6.3g/dl Alb 3.4g/dl T-Bil 0.5mg/dl AST 16IU/l ALT 13IU/l LDH 215IU/l ALP 251IU/l UA 5.5mg/dl BUN 21mg/dl Cr 0.92mg/dl Na 144mEq/l K 4.6mEq/l Cl 100mEq/l Ca 9.6mg/dl Serology CRP 0.29mg/dl KL-6 1710U/ml

Arterial Blood Gas Measurements (O2 nasal 3L/min)

pH 7.353 PaCO2 66.4Torr PaO2 73.8Torr HCO - 31.9mmol/l BE +8.2mmol/l P/F 246 A-aDO2 56Torr

Fig.1 Chest x-ray film

A decrease in lung capacity was remarkable, and diffuse reticulation was seen in the bilateral lungs

(3)

と下痢が出現したが, 対症療法で自制内となったため, さらに 360μg/日へと増量した.増量後に火照りが増悪し たため, 240μg/日へと減量した. 症状の安定を待って換 気血流シンチを行った (Fig.3). 両側下葉を中心に換気 は低下していたが, その部 は血流も低下していた. 肺 胞構造の破壊が強い部 の血流は少なく, 破壊の弱い部 には血流は多くなっていた. 右心カテーテルでは, 肺 血管抵抗は改善していたが依然高値であったため (Fig. 4), シルデナフィルを追加することとした. シルデナフィルは 60mg/日 ( 1朝食後) で開始し, 80mg/日へ増量した.すると,午前中は明らかな副作用は 認めないものの, 午後になると火照り, 怠感が出現す る, という副作用の日内変動を認めるようになった. ま た, 副作用の強い時間帯では呼吸困難の増悪も見られた. 症 状 が 強 い 時 間 帯 で 血 液 ガ ス 析 を 行 う と, PaO2,

Fig.2 Chest high-resolution CT film

Fibrosis and the ground glass shadow of a wide range of lungs were seen in bronchial vascular bundles if right under a pleura. In addition, tractional bronchodilatation was found in both lungs.

Fig.3 Ventilation perfusion scintigraphy

In both lungs, perfusion and vwntilation were equally discributed.

Table 2 Result of Swan-Ganz catheter examination.

NO Mean PAP CO PVR

− 48mmHg 5.64 454 dynes・sec・cm +1.0L 44mmHg 5.46 395 dynes・sec・cm

(4)

AsDO2が悪化していた (Table 3). シルデナフィルの用 法を 2回 服に変 したところ, 副作用および呼吸困難 の持続時間が短くなった. 右心カテーテルで肺血管抵抗 はさらに改善を認めた (Fig.4). その後, 間質性肺炎の増悪が見られたため免疫抑制剤 をシクロスポリンからシクロフォスファミドに変 し た. このため, ボセンタンの投与が可能となった. 副作用 軽減の目的で, シルデナフィル, ベラプロストナトリウ ムのいずれか中止する方針とした. まずはシルデナフィ ルを中止し,ボセンタンを 62.5mg/日で開始したが,これ らの副作用はほぼ変化しなかった. 次にベラプロストナ トリウム中止すると副作用は軽減し, シルデナフィルを 再開しても増悪しなかった. 最終的にはボセンタンを 250mg/日まで増量した. 右心カテーテルでの肺血管抵抗 は改善を認め, Fick法では治療前の約 3 の 1程度と なった (Fig.4). その後, 肺高血圧症はボセンタンとシルデナフィルの 併用で安定していたが, 気胸の発症を契機に呼吸状態, 全身状態ともに悪化し, 肺炎を併発し永眠した. 病理解剖所見:剖険所見では蜂巣肺の形成が見られ, 死 因は間質性肺炎による呼吸不全とされた. 肺動静脈につ いては肥厚, 狭窄, 血栓形成はなく, 明らかな異常は見ら れなかった (Fig.5).

Fig.4 Change of the pulmonary vascular resistance

Fig.5 Microscopic analysis of lung specimes obtained by autopsy

The honeycomb lungs were formed,and expansion of the bronchus and pulmonary artery were seen. No abnormalities were found in the vessels.

Table 3 Data of arterial blood gases analysis under an inha-lation of 3L/min oxygen by nasal cannula.

AM 9 :00 PM 15:00 pH 7.369 7.366 PaCO (Torr) 62.7 59.5 PaO (Torr) 80.9 62.1 BE (mmol/l) +8.2 +6.4 HCO (mmol/l) 35.4 33.3 A-aDO 69.4 92.2

(5)

肺動脈性肺高血圧症 (pulmonary arterial hyperten-sion : PAH) は, 血管病として, 疫学的危険因子, 病理組 織像, 原因遺伝子により特徴づけられる. 危険因子とし ては, 膠原病, 門脈圧充進症, HIV感染, 薬剤 (やせ薬な ど) の内服, 左右短絡を伴う先天性心疾患などが挙げら れる. 病理学的には, 特に重症の場合に前毛細管性肺細 動脈の閉塞機転を伴う叢状病変 (plexiform lesion) が特 徴として挙げられる. PAH の進展のメカニズムは不明 な点が多いが, plexiform lesionを代表とする血管リモデ リングは, 平滑筋細胞, 内皮細胞線維芽細胞, さらに血小 板などの関与により形成されるが, この病態メカニズム の中心をなす細胞増殖, 抗アポトーシス, 血管収縮にか かわるさまざまな 子の発現異常が報告されている. そ れに対し, 間質性肺炎に合併する肺高血圧症は, 慢性低 酸素血症に伴う肺血管収縮や血管の破壊, リモデリング によって誘導された二次性のものであるとされ, その発 生機序は異なるものと えられる. 肺循環系は体循環系 とは異なり, 低酸素状態により平滑筋収縮が惹起される. 低酸素状態によって肺胞気酸素 圧が低下すると, その 領域では肺血管が収縮して血流が減少する. これは低酸 素性血管攣縮と呼ばれており, 体循環では低酸素に対し て血管拡張を来すこととは対照的で, 肺血管に特異的な 反応である. 換気の良好な領域には血流を増加させ, 換 気の不良な領域には血流を減少させるという, 少ない酸 素供給をより有効に利用するための生理反応である. 呼吸器疾患や高地環境のような包括的低酸素状態では, 低酸素性肺血管攣縮によって肺動脈圧は上昇し, 肺高血 圧を惹起することが報告されている. 本症例では治療によって肺高血圧の著明な改善が見ら れた. しかし, 肺血管抵抗が下がったにも拘わらず呼吸 状態が悪化した点と, 剖検では肺動脈に異常が見られな かった点が問題となった. 副作用, 呼吸状態の悪化には日内変動があり, 肺高血 圧治療薬の内服時間をずらすとそれらの時間帯も変化し た.実際,副作用の強い時間帯の血液ガス 析では,SpO2 や PaO2, A-aDO2が悪化していた. この事実から, 本症 例では血管拡張作用による肺動脈血流の変化が, 結果と して低酸素血症を悪化させているものと えられた. 副 作用の少ない時期に施行した換気血流シンチ所見では, 肺構造の破壊が比較的弱い部 へは血流が多く, 破壊が 強い部 には血流が少なくなっており, 換気能および拡 散能の障害程度に合わせて血流が再 配されていたこと がわかる. 剖検では, 肺高血圧症の特徴である血管壁中膜の肥厚, 内膜肥厚, 叢状病変といった血管リモデリングは見られ なかった. このことから, 肺高血圧の原因として, 肺動脈 の解剖学的リモデリングよりも, 間質性肺炎による慢性 的な低酸素血症による血管収縮の関与の方が大きいと えられる. Ghofraniらは, 血管拡張薬の投与は hypoxic vasoconstriction を抑制することで肺内の低換気の部 への血流を増やし, 換気・血流不 衡を悪化させると述 べている. 本症例では呼吸状態が悪化した時期に換気 血流シンチを施行できなかったため確認はできなかった が, 肺高血圧治療薬で低酸素によって収縮した肺血管を 拡張した結果, 肺動脈血流の再 布のバランスが破錠し たと えられる. 換気機能と拡散能が低下していた部 への血流が増加して換気・血流不 衡の増大がおこり, 結果として呼吸状態を悪化させたものと推測される. 結 語 肺高血圧の治療により肺血管抵抗が有意に低下したも のの, 呼吸状態の日内変動が惹起され, 自覚症状はむし ろ増悪した間質性肺炎症例を経験した. 間質性肺炎など 慢性の呼吸器疾患により肺内の換気・血流に不 衡が生 じている場合には, 肺高血圧治療による相対的換気・血 流不 衡の増加によって呼吸状態が悪化する可能性があ ることも 慮しなければならない. 参 文 献

1. Ryu JH, Krowka MJ, Pellikka PA, et al. Pulmonary hypertension in patients with interstitial lung diseases. Mayo Clin Proc 2007; 82(3): 342-350.

2. Hamada K, Nagai S, Tanaka S, et al. Significance of pulmonary arterial pressure and diffusion capacity of the lung as prognosticator in patients with idiopathic pulmo-nary fibrosis. Chest 2007; 131(3): 650-656.

3. 渡辺尚宏, 谷口博之, 近藤康博等, 間質性肺炎における Sildenafil療法の検討. 日本呼吸学会雑誌 2011; 49(3): 151-155.

4. Galie N, Ghofrani HA, Torbicki A, et al. Sildenafil citrate therapy for pulmonary arterial hypertension. N Engl J Med 2005; 353(20): 2148-2157.

5. Wilkins MR, Paul GA, Strange JW, et al. Sildenafil versus Endothelin Receptor Antagonist for Pulmonary Hypertension (SERAPH) study. Am J Respir Crit Care Med 2005; 71(11): 1292-1297.

6. Rubin LJ,Badesch DB,Barst RJ,et al. Bosentan therapy for pulmonary arterial hypertension N Engl J Med 2002; 346(12): 896-903.

7. Olschewski H, Ghofrani HA, Walmrath D, at al. In-haled Prostacyclin and Iloprost in Severe Pulmonary Hypertension Secondary to Lung Fibrosis. Am J Respir Crit Med 1999 ; 160(2): 600-607.

8. Simonneau G,GalieN,Rubin LJ,et al. Clinical classifi-cation of pulmonary hypertension ; J Am Coll Cardiol

(6)

2004; 43: 5S-12S.

9. 嶋慎吾. 肺動脈性肺高血圧症における血管内皮異常,

PPARγの役割. 子心血管病 2008; 9(4): 355-360. 10. 小泉知展.低酸素における肺循環の適応と臨床.日本医事

新報 2004; 4204(11): 8-13.

11. Weir EK, Lopez-Barneo J, Buckler KJ, et al. Acute

oxygen−sensing mechanisms. N Eng J Med 2005; 353: 2042-2055.

12. Ghofrani HA,Wiendemann R,Rose F,et al. Sildenafil for treatment of lung fibrosis and pulmonary hyperten-sion : a randomised controlled trial. Lancet 2002; 360(9337): 895-900.

A Case of Interstitial Pneumonia whose

Symptoms were Exacerbated by Treatment

of Pulmonary Arterial Hypertension

Hiroaki Masubuchi,

Tatsuo Suga,

Masahiko Kanbe,

Tomohiro Aizawa,

Manabu Ueno,

Kenichiro Hara,

Fumiaki Aoki,

Nozomi Aoki,

Toshitaka Maeno

and Masahiko Kurabayashi

1 Department of Allergy・Respiratory Medicine, Gunma University Hospital, 3-39-15 Showa-machi, Maebashi, Gunma 371-8511, Japan

2 Department of Respiratory Medicine, Fujioka General Hospital, 942-1 Fujioka, Fujioka, Gunma 375-8503, Japan

3 Department of Respiratory, National Hospital Organization Takasaki General Medical Center, 36 Takamatsu-cho, Takasaki, Gunma 370-0829, Japan

A 55-year-old woman has been receiving prednisolone, the immunosuppressive medication for non-specific interstitial pneumonia since January 2001. Her respiratory symptoms had been stable until October 2009,when she started to experience the exacerbation of dyspnea on exertion due to pulmonary arterial hypertension (PAH). After treatment with bosentan and sildenafil was initiated,the pulmonary vascular resistance was significantly improved. On the contrary,dyspnea was rather aggravated. Every episode of severe dyspnea and hypoxemia occurred after she took bosentan and sildenafil. We reasoned that either bosentan or sildenafil, or both of these medications caused exacerbation of the mismatching of ventilation and perfusion of the regions of the lung by dilating constricted vessels, which had been contributing to the balanced ventilation and perfusion. Our case led us consider that treatment of PAH may aggravates dyspnea and hypoxemia by increasing a mismatching of ventilation and perfusion of the lung in the patients with abnormal ventilation and perfusion balance at baseline.(Kitakanto Med J 2013;63:159∼164)

Key words: interstitial pneumonia, pulmonary hypertension, hypoxic vasoconstriction, ventilation-perfusion mismatch

参照

関連したドキュメント

Standard domino tableaux have already been considered by many authors [33], [6], [34], [8], [1], but, to the best of our knowledge, the expression of the

The edges terminating in a correspond to the generators, i.e., the south-west cor- ners of the respective Ferrers diagram, whereas the edges originating in a correspond to the

H ernández , Positive and free boundary solutions to singular nonlinear elliptic problems with absorption; An overview and open problems, in: Proceedings of the Variational

Keywords: Convex order ; Fréchet distribution ; Median ; Mittag-Leffler distribution ; Mittag- Leffler function ; Stable distribution ; Stochastic order.. AMS MSC 2010: Primary 60E05

We show that a discrete fixed point theorem of Eilenberg is equivalent to the restriction of the contraction principle to the class of non-Archimedean bounded metric spaces.. We

In Section 3, we show that the clique- width is unbounded in any superfactorial class of graphs, and in Section 4, we prove that the clique-width is bounded in any hereditary

Inside this class, we identify a new subclass of Liouvillian integrable systems, under suitable conditions such Liouvillian integrable systems can have at most one limit cycle, and

Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A