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〈特集(再録)〉外部機関との原子炉共同利用による研究活動と学生実習

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Academic year: 2021

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(1)Vol.49(2012). 近 畿大学原子力研究所年報. 特集(再 録). 外部機 関 との原 子炉 共 同利用 によ る研 究活動 と学生実 習. 若林. 源 一郎. は じめ に. 者 に よ る共 同研 究 を受 け 入 れ て き た 。 昭 和 五 六 年. 近 畿 大 学 原 子 炉(UTR-KINKI)は 本 に お け る 民 間原 子 炉 第1号. 一 月か らは. 、日. 、 大 阪 大 学 が 窓 口 とな っ て 「 近 畿大 学. で あ り、 教 育 ・研 究. 原 子 炉 等 利 用 共 同研 究 」 が 開 始 され 、 国 の 助 成 の. 用 原 子 炉 と して これ ま で 五 〇 年 間 に わ た っ て 活 用. 下 で 原 子 炉 の 利 用 を促 進 しな が ら共 同 研 究 を 推 進. され て き た 。 現 在 で は 、 国 内 に 残 る 二 つ の 大 学 原. す る 体 制 とな っ た 。この 体 制 は 規 在 も続 い て お り、. 子 炉 の うち の 一 つ と して 、 京 都 大 学 の 原 子 炉 と と. 全 国 の 様 々 な 分 野 の 研 究 者 に 広 く利 用 され て 今 口. も に 日本 の 原 子 力 教 育 を支 え て い る。. に 至 っ て い る。 ま た 、 国 内 の 数 少 な い 教 育 用 原 子. 近 畿 大 学 原 子 炉 の 最 大 の 特 徴 は 、 熱 出 力 が1㍗. 炉 を 使 用 で き る貴 重 な機 会 と して 、 共 同研 究 の 枠. と極 め て 低 い こ と で あ る。 原 子 炉 運 転 中 で あ っ て. を 利 用 して 多 くの 大 学 の 学 生 の 原 子 炉 運 転 実 習 が. も炉 心 へ の接 近 が 可 能 な た め 、 教 育 や 研 究 で の 利. 行 な わ れ て い る 。 さ ら に 平 成 一 九 年 度 か ら四 年 間. 用 を 大 変 容 易 に して い る。 ま た 、 同 じ理 由 か ら ウ. は 、経 済産 業省 に よる原子 力 人材 育成 プ ロ グラム. ラ ン燃 料 の 燃 焼 も ご く微 量 で あ り、 燃 料 中 の 核 分. 事 業 に採 択 され 、 主 に 西 日本 を 中 心 に 九 大 学 が 原. 裂 生成物 の 蓄積 が少 な い た め、燃 料 体 の放射 能 も. 子 炉 を利 用 した 実 習 を 行 っ た 。. 非 常 に 弱 く 、 取 り扱 い が 容 易 で あ る。. 筆 者 は 現 在 の 職 に 就 く 前 は 九 州 大 学 に 勤 務 して. さ らに 、 事 実 上 温 度 上 昇 の な い 原 子 炉 で あ る た. お り、 近 畿 大 学 原 子 炉 の 一 ユ ー ザ ー と して 共 同 利. め 、 冷 却 機 能 を 必 要 と し な い とい う こ と も大 き な. 用 研 究 を 行 う と と も に 、 原 子 力 や 放 射 線 を学 ぶ 学. 特 徴 で あ る。 構 造 が 非 常 に シ ン プ ル で 、 原 子炉 と. 部 学 生 を 引 率 して 毎 年 原 子 炉 運 転 実 習 を 実 施 して. して 最 小 限 の 構 成 要 素(燃. 料 、制御 棒 、減 速 材 、. き た 経 験 を持 つ 。 本 稿 で は 、 外 部 機 関 との 原 子 炉. 反 射 体 な ど)か ら構 成 され て お り、 原 子 炉 の 原 理. 共 同利 用 に よ る研 究 と教 育 に つ い て 、 筆 者 の 外 部. を学 ぶ た め の 教 育 プ ロ グ ラ ム や 、 原 子 炉 物 理 に 関. ユ ー ザ ー と して の 経 験 を 交 え な が ら紹 介 す る。. わ る 基 礎 的 な 実 験 ・研 究 に適 した も の とな っ て い る。 構 造 上 の 利 点 と して は 、 二 分 割 炉 心 で あ る こ. 近 畿大 学 原子 炉等 利 用共 同研 究. と が 挙 げ られ る。 照 射 場 と して 用 い る 分 割 炉 心 問. 「 近 畿大 学原 子炉 等利 用 共 同研 究 」 は、全 国 の. の 空 間 が 広 く、 中 性 子 束 分 布 が 平 坦 に な る よ う設. 研 究 者 に 近 畿 大 学 原 子 炉 を 利 用 した 照 射 実 験 等 を. 計 され て い る。 こ の よ うに 数 多 くの 特 徴 を持 つ 近 畿 大 学 原 子 炉. 推 進 して も ら うた め の 仕 組 み と して 、 昭 和 五 六 年 一 月 に 開 始 され た も の で あ る 。 利 用 申 し込 み 資 格. は 、 設 置 当初 か ら学 内 だ け で な く広 く学 外 の 研 究. は 、国公 私 立大学 、 国立研 究機 関及び独 立行 政 法. この再 録 は 月刊 エ ネ ル ギ ー ・レ ビュー 「特 集 」2012年7月 号,「 原 子 力 教 育 研 究 の 半 世 紀 」 に 掲 載 され た もの を,株 式 会社 エ ネ ル ギー レ ビュ ー セ ンタ ー の 許 可 を得 て転 載 す る も の で あ る。. 31.

(2) 外 部 機 関 との 原 子 炉 共 同利 用 に よ る研 究 活 動 と学 生 実 習. 人 機 関 の 教 員 、 研 究 者 ま た は これ に 準 ず る者 と さ. 平 成 二 三 年 度 に は 、 全 国 か ら二 四 の 大 学 ・研 究. れ 、 文 部 科 学 省 の 予 算 で 運 営 され て い る。 毎 年 課. 機 関 に よ る 利 用 が あ り、原 子 炉 の 年 間 の 全 運 転 時. 題 の 募 集 が 行 わ れ 、 全 国 の 多 くの 研 究 者 に利 用 さ. 間 に 占 め る 共 同 利 用 の 割 合 は 約 六 三%で. れ て 現 在 に 至 っ て い る。 表 に これ ま で 共 同 利 用 を. 以 下 、 最 近 の も の を 中 心 に 各 分 野 に お け る研 究 課. 行 っ た 大 学 ・研 究 機 関 等 の 一 覧 を 示 す 。. 題 の 一 部 を紹 介 す る。. 国立大学. 大 阪 大 学 、 岡 山大 学 、金 沢 大 学 、岐 阜 大 学 、九. (1)物 理 系. 州 大 学 、京 都 大 学 、熊 本 大学 、神 戸 大 学(神 戸. 物 理 系 は 、 最 近 で は 中性 子 測 定 技 術 に 関 わ る も. 商 船 大 学)、 島根 大学 、東 京 工 業 大 学 、東 京 大 学 、徳 島大 学 、名 古屋 大 学 、鳴 門 教 育 大 学 、新 潟大学、広島大学、兵庫教育大学、福井大学. 公私立大学等. の が 多 い 。 従 来 の 原 子 力 分 野 だ け で な く、 物 質 科. 大 阪 市 立 大 学 、大 阪府 立 大学 、和 歌 山 県立 医 科. 学 や が ん 治 療 、 非 破 壊 検 査 、 テ ロ対 策 な ど様 々 な. 大学、福井工業高等専門学校、大阪産業大学、 大 阪 信 愛 女 学 院 短 期 大 学 、大 阪 薬 科 大 学 、関西 大 学 、関 西 学 院 大 学 、慶 応 義 塾 大 学 、産 業 医科. 研究所 表. あ った。. 分 野 に 中 性 子 利 用 技 術 が 拡 大 して い る こ と が 背 景. 大 学 、摂 南 大 学 、東海 大 学 、福 井 工 業 大 学 、福 山 大 学 、北 陸 大 学 、名城 大学 、立 教 大 学 、早 稲 田 大 学 、 日本 分 析 化 学 専 門 学 校 、. に あ る。 ま た 、 中 性 子 そ の もの を 利 用 す る技 術 で. 核融合科学研究所、放 射線 医学総合研究所、島 根 県立衛生公害研究所. ー で 大 強 度 の 荷 電 粒 子 ビー ム の 利 用 が 拡 大 して お. な くて も 、加 速 器 技 術 の 進 歩 と と も に 高 エ ネ ル ギ. これ ま で近 畿 大 学 原 子 炉 を 利用 した 大学 ・研究 機 関. り、 核 反 応 に よ っ て 二 次 粒 子 と して 生 じ る 中性 子 の 測 定 に 対 す る ニ ー ズ も増 して い る。 こ の よ うな. 研 究課 題 の募 集 は 、大 阪大 学 大学 院 工学研 究 科. 背 景 を受 け て 、 共 同 利 用 研 究 に お い て も様 々 な ア. が 窓 口 とな って行 われ 、近 畿 大学 原子 炉利 用 共 同. イ デ ィ ア に 基 づ く中 性 子 測 定 法 が 試 み られ て い る。. 研 究 運営 委 員会 に よる審査 を経 て採択 課題 が決 定. 最 近 の 研 究 課 題 で は 、 中性 子 の 方 向 分 布 を 測 定 す. され る。研 究 課 題 は 、応 募 の 際 に 物 理 系 、化 学 系 、. る 検 出 器 の 開 発 や 、 中性 子 の エ ネ ル ギ ー 情 報 を位. 生 物 系 の 三 分 野 の い ず れ か を選 択 す る こ と に な っ. 置 情 報 に 変 換 して 簡 便 に 測 定 す る 技 術 、 中 性 子 と. て お り、 各 分 野 の 研 究 総 括 責 任 者 が 取 りま とめ を. ガ ン マ 線 の 混 在 場 に お い て 中性 子 を 識 別 す る技 術. 行 う。 採 択 され た 課 題 に は 、 内 容 に 応 じて 原 子 炉. 開 発 な どが 行 わ れ て い る。 そ の 他 、 中性 子 イ メ ー. の マ シ ン タ イ ム が 割 り振 られ る ほ か 、 希 望 に よ っ. ジ ン グ 技 術 に 関 す る 課 題 や 中性 子 線 量 測 定 の 高 精. て 放 射 線 測 定 器 や 分 析 装 置 な どの 設 備 を利 用 す る. 度 化 のた めの 技術 開発 も多い。. こ とが で き る 。 ま た 予 算 の 範 囲 内 で 交 通 費 や 滞 在. 中性 子 測 定 に 次 い で 、 古 くか ら継 続 的 に 行 わ れ. 費 が 支 給 され る こ と に な っ て い る。 図 一1に 募 集. て い る の は 原 子 炉 物 理 に 関 す る 基 礎 研 究 で あ り、. 分 野 別 の 課 題 数 の これ ま で の 推 移 を 示 す 。. 原 子 炉 の 特 性 評 価 に 関 す る 実 験 が 行 わ れ て い る。 最 近 では 、制 御棒 価 値や 原 子炉 内 中性 子束 分布 を. 31〕. 慧 霧 姜1 慧 耀1. 25. 継 続 的 に調 査 す る もの や 、 未 臨 界 状 態 の 原 子 炉 で. ll〕. 謡雛羅整麗馨. 蟹. 毒 、鱈藝 嚢 隷謹 護 臨嚢 隅醗騒襲 譲 騒. 15・ 数. " 嚢. 灘 羅 ー. 課題. 嚢 嚢 塗 譲 羅 馨 蟹馨 馨. 2〔1・. 制 御 棒 を移 動 させ た と き の 反 応 度 の 変 化 を リア ル タ イ ム で 評 価 す る た め の 研 究 が行 わ れ て い る。 ま た 、 原 子 炉 中性 子 は 核 分 裂 連 鎖 反 応 に 伴 っ て 生 じ る の で 、 通 常 の 放 射 線 源 と異 な りそ の 発 生 は 完 全. 1〕 耀 認 紹 昭 賭 曙 ㎎ 昭 昭 畢 平 畢 準 箪 箏 畢 畢 畢 率 箏 畢 畢 畢 畢 學 畢 箪 畢 平 平 箪 嚇 秘翻 蒋恕 5%65ヲ 魑 樋 駕灘 戴邸 灘 澱蔑 壌鍵 麓. 畢 畢 秘魏 稲覇 疑 礁㍊ 雌礁雌 薦輔 鋏縫 藤砿 麟鵡 講 蘇載純 薦績 鱗蕪 縫綾 紬 鴉 韓 劔 鷺 曾3"$鵬7a幻 漁 樽 捻 鴬 矯 霊5翼s‡7綿鞍2@斜 綻 瀞2" 潭母 灘零 彰邸 葬 年零鐸 憲韓 藩蝶 難 無駕鐸 葺 韓灘翠 鐸 寒年鋒 灘琿 蔑農 簾澱 縫蔑 繊巌 薦震 蕨蕨 縫麗 鷹農 癬蕊 蔑 農癬縫 虜艘 震麓 農震. に ラ ン ダ ム で は な く相 関 を持 っ て い る。 こ の こ と を利 用 して 原 子 炉 の 未 臨 界 度 を評 価 す る 方 法(原 子 炉 雑 音 測 定)の. 図一書 近 畿 大 学 原 子 炉 等 利 用 共 同 研 究 の 分 野 別 採 択 課 題 数 の 推 移 (昭 和62年 度 以 前 は 分 野 別 の 募 集 が 行 わ れ て いな いの で 、全 課 題. 研 究 も これ ま で 精 力 的 に 行 わ れ. て き た 分 野 で あ り、 実 物 の 原 子 炉 を使 用 して 実 験. 数 を 示 して い る). が で き る とい う共 同 利 用 研 究 の 特 徴 を 活 か した 研. 32.

(3) Vo1.49(2012). 近畿大学原 子力研究所年報. 究 分 野 で あ る と言 え る 。. 性 子 に よ る被 ば く の 生 物 学 的 効 果 比(RBE)の. そ の他 の 最 近 の 物 理 系 の 課 題 と して は 、 宇 宙 放. 評 価 な どの 研 究 が 継 続 的 に 行 わ れ て い る。 一 方 、. 射 線 の測 定 に 用 い る熱 蛍 光 線 量 計 の 中 性 子 に 対 す. 損 傷 を 受 け たDNAの. 修 復 作用 や 、低線 量被 ば く. る応 答 の 調 査 や 、 放 射 性 廃 棄 物 の 管 理 に 用 い るI. が 生 体 に 有 益 な 効 果 を もた らす とす る 「 放 射線 ホ. Cタ グ の 放 射 線 耐 性 評 価 、 物 理 教 育 に 関 す る課 題. ル ミシ ス 効 果 」 の 検 証 な ど、 放 射 線 に 対 す る 生 物. と して イ ン ター ネ ッ トを 用 い た 遠 隔 実 験 技 術 の 開. の 耐 性 や 有 益 な 効 果 に 関 す る実 験 も ま た 多 く行 わ. 発 な どが あ る。. れ て い る。 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の事 故. (2)化 学 系. 後 、 低 線 量 被 ば くの 健 康 影 響 が 国 民 的 関 心 事 に な っ て お り、 今 後 も こ の 分 野 の 研 究 に 近 畿 大 学 原 子. 化 学 系 は課 題 数 が 少 な い が 、 研 究 課 題 と して は 主 に 放 射 化 分 析 が 行 わ れ て い る 。 様 々 な食 品 中 の. 炉 が 活 用 され る こ と を期 待 して い る。. ナ トリ ウ ム含 有 量 の 測 定 や 、 古 代 エ ジ プ ト遺 物 中. そ の 他 の 生 物 系 課 題 と して は 、 放 射 線 の 生 物 影. の微 量元 素 の分析 が近年 継 続 的 に行 われ て い る課. 響 を 指 標 と して 線 量 評 価 を行 うバ イ オ ドシ メ トリ. 題 で ある。 ま た一 九八 〇年 代 に は、広 島の原 爆線. ー に 関 す る研 究 な どが あ る。. 量 の 再 評 価 の た め 、 広 島 市 内 各 地 か ら集 め られ た. (4)原 子 炉 運 転 実 習. 被 ば く試 料 中 の 残 留 放 射 能 の 調 査 が 行 わ れ た 。. か つ て わ が 国 で は 五 大 学 が 原 子 炉 を 保 有 して い. こ れ は 、 試 料 中 に 含 ま れ る ユ ー ロ ピ ウム(Eu). た が 、 維 持 管 理 の 問題 な どか ら徐 々 に 数 が 減 り、. 152の 比 放 射 能(152Eu/Eu)の. 測 定 を 目的 と した も. 現 在 原 子 炉 を保 有 す る大 学 は 近 畿 大 学 と京 都 大 学. 有 量 の 定 量 の た め 、近 畿. の 二 大 学 の み と な っ て い る。 一 方 で 原 子 力 は わ が. 大学原 子 炉 を使 っ た放射 化 分析 が行 われ た。 これ. 国 の 主 要 な エ ネ ル ギ ー 源 の 一 つ で あ り、 ま た 医 療. に よ り、 爆 心 地 か らの 距 離 と 中 性 子 線 量 の 関 係 が. な どの放射 線 利用 技 術 まで含 めれ ば 、社会 は常 に. 再 評 価 され 、 後 の 原 爆 線 量 評 価 シ ス テ ム の 改 善 に. 原 子 力 ・放 射 線 の 専 門 技 術 者 を 必 要 と して い る。. 活 か され る こ とに な っ た 。 そ の 他 最 近 の 新 しい 課. 全 国 に は こ の よ うな 人 材 を 育 て る た め の 学 科 を持. 題 と して は 、 中性 子 照 射 に よ る物 性 変 化 に 関 す る. つ 大 学 が い くつ か あ る が 、 残 念 な が ら各 大 学 で 原. 研 究 な どが あ る。. 子 炉 を 使 っ た 実 験 や 実 習 を 行 う こ とは で きず 、 教. (3)生 物 系. 科 書 の 上 で の 学 習 や シ ミュ レー シ ョ ン計 算 に 頼 ら. の で 、試 料 中 の 安 定Eu含. ざ る を 得 な い 状 況 で あ る。. 近 畿 大 学 の 原 子 炉 は極 低 出 力 炉 で あ る た め 、 室. そ こ で 、 多 くの 大 学 が 共 同 利 用 研 究 の マ シ ン タ. 温 ・大 気 圧 下 で 生 物 試 料 を 炉 内 に 設 置 し、 核 分 裂 照 射 す る こ とが で き る と い. イ ム を 貴 重 な 機 会 と して 活 用 し、 研 究 の た め の 実. う、 他 に 例 の な い ユ ニ ー ク な 照 射 環 境 を 持 っ て い. 験 と並 行 して 学 生 の た め の 原 子 炉 運 転 実 習 を行 っ. る。. て き た 。 これ ま で に 、 近 畿 大 学 で は 主 に 学 部 学 生. 中性 子(速. 中性 子)を. 生 物 系 の 分 野 で は この よ うな 特 徴 を 活 か して 、. 向 け の 基 本 的 な 実 習 を 担 当 し、 京 都 大 学 原 子 炉 実. 低 線量 の 中性子 被 ば くに よる生 物 への影 響 を詳 し. 験 所 が 大 学 院 生 レベ ル の よ り高 度 な 実 習 を 担 当す. く調 べ る た め の 照 射 装 置 と して 原 子 炉 を利 用 した. る と い う役 割 分 担 が な され て い る。 現 在 、 共 同 研. 研 究 が 多 い。照 射 対 象 は 、植 物 の培 養 細 胞 や 種 子 、. 究 の枠 組 み で学生 実 習 を行 って い る大学 は 、神 戸. マ ウス 、 シ ョ ウ ジ ョ ウバ エ な どの 小 動 物 、 動 物 細. 大 学 、・ 名古屋 大学 、大 阪大 学 、九 州 大学 、徳 島大. 胞 な ど多 種 多 様 で あ る。 こ れ らの 生 物 試 料 を 照 射. 学 、福 井 大学 、福 井 工業 大 学 、東 海 大学 、摂 南 大. す る こ とに よ っ て 、DNA損. 傷 な ど細 胞 レベ ル で. 学 の計 九 大学 で あ る。 実施 の方法 は大学 に よって. の 放 射 線 の 有 害 作 用 を調 査 す る研 究 や 、 核 分 裂 中. 異 な る が 、 単 位 を与 え て 大 学 の 正 規 の 授 業 の 一 環. 33.

(4) 外 部機 関 との 原 子 炉 共 同利 用 に よ る研 究 活 動 と学 生 実 習. と して 行 う方 式 の 大 学 も あ れ ば 、 希 望 者 の み が 参. 強 す る意 欲 を 強 く し、 そ の 後 の 進 路 に 大 き な 影 響. 加 す る方 式 の 大 学 も あ る 。. を与 えた 例 も多数 あった。. ま た共 同利 用研 究 の枠 組 み では 、旅 費 の支給 が あ る の は 実 験 計 画 の 申請 者 で あ る 教 員 お よび 大 学. 経 済産 業 省 に よる原 子 力人材 育成 プ ログラム. 院 生 の み で あ り、 学 部 学 生 に は旅 費 を 支 給 す る仕. 平 成 一 九 年 度 か ら四 年 間 に わ た り、 経 済 産 業 省. 組 み が ない。 そ のた め、実 習 のた め にで近 畿 大 学. に よ る原 子 力 人 材 育 成 プ ロ グ ラ ム 事 業 と し て 全 国. に来 るた め の旅 費 は各 大学 で別 途 用意 す るか、学. の 大 学 の 学 生 向 け に原 子 炉 実 習 を 実 施 した。当 時 、. 生 が 自費 で 支 払 う こ とに な る。 筆 者 が 以 前 在 籍 し. 原 子 力 ル ネ サ ン ス と言 わ れ た 世 界 的 な 潮 流 の 中 、. てい た九 州大 学 で は、 毎年 工 学部 エ ネル ギー 科 学. 二 酸 化 炭 素 を ほ とん ど排 出 し な い エ ネ ル ギ ー 源 と. 科 三 年 生 を対 象 と して 夏 休 み 期 間 中 に 実 習 を 行 っ. して の 原 子 力 が 見 直 され 、 わ が 国 で も平 成 一 八 年. てい た が、遠 方 の た め学生 全員 を連れ て行 くこ と. に 原 子 力 立 国 計 画 が 策 定 され る な ど、 原 子 力 産 業. は で きず 、 希 望 す る 学 生 だ け が 自費 で 旅 費 を 工 面. を 推 進 す る機 運 が 高 ま っ て い た。 一 方 、 そ れ ま で. し て 実 習 に参 加 す る方 式 で あ っ た 。 そ れ で も実 物. 原 子 力 分 野 は就 職 先 や 進 学 先 と して の 人 気 が 低 迷. の 原 子 炉 を運 転 して 学 ぶ とい うチ ャ ン ス は 学 生 に. して お り、 ま た そ れ に 加 え て 大 学 の 改 組 の 動 き に. と っ て 大 変 貴 重 な 機 会 で あ り、 毎 年 一 定 数 の 参 加. よ っ て原 子 力 専 門 教 育 を 行 う学 科 が 減 少 し、 教 授. 者 が あ っ た 。 図 一2に 平 成 一 〇 年 度 以 降 の 学 生 実. 人 材 が 他 分 野 へ 流 出 す る な ど した た め 、 原 子 力 分. 習 参 加 者 数 の 推 移 を示 す 。. 野 の 人 材 育 成 が 困 難 で あ る と の認 識 が 背 景 に あ っ. ヨむむ. 250}. ダ  .  . い           .   . へ  ち.  . へ      .  .    .  .   .   ヤ  .  .  .  .  .  . た。.     . 1 醸入材 育成 ブロ グラム. こ の よ うな 状 況 に 対 処 す る た め 、 大 学 や 高 等 専. 鵬共同. 門 学 校 の 原 子 力 分 野 に お け る人 材 育 成 を 充 実 させ る た め の 事 業 と し て 、 平 成 一 九 年 度 か ら原 子 力 人 材 育成 プ ログ ラム事 業 が始 ま った。 近 畿大 学 は事 業 の 中で 「 原 子 力 産 業 や 研 究 現 場 の 実 態 と魅 力 を 知 る機 会 の充 実 を図 るため 、教 育研 究炉 を活用 し. 就 誠戚ゐ く戚践べべ戚戚どべ〆 図一2平. 成10年. た 実 践 的 な 実 習 教 育 」を行 う こ と を 目的 とす る 「 チ. 度 以 降 の 学 生 実 習 参 加 者 数 の推 移. ャ レンジ原 子 力体 感 プ ロ グ ラム」 に全 国の 七大 学 (大 阪 大 学 、 名 古 屋 大 学 、 九 州 大 学 、 神 戸 大 学 、. 実 習 の 内 容 は 、 共 同利 用 研 究 の 内 容 や ス ケ ジ ュ 徳 島 大 学 、 福 井 大 学 、 福 井 工 業 大 学)と. ー ル な ど も考 慮 し な が ら各 大 学 の 担 当 者 と近 畿 大. と も に応. 募 し、 採 択 され た。 平 成 二 〇 年 度 に は さ らに 東 海 学 の ス タ ッフ が 相 談 して 決 め て い る が 、 基 本 的 に. 大 学 と摂 南 大 学 が 加 わ り、 計 九 大 学 が この プ ロ グ. は 原 子 炉 の 起 動 か ら臨 界 ま で の 運 転 操 作 と停 止 の ラ ム に 参 加 す る こ とに な っ た。 体 験 、制御 棒 価値 の測 定、放 射 化 法 に よる原 子炉. 原 子 力 人 材 育 成 プ ロ グ ラ ム 事 業 に よ り、 参 加 学. 内 中性 子 束 分 布 の 測 定 、臨 界 近 接 実 験 な どで あ る。 生 の 交 通 費 、 滞 在 費 が 支 給 され る こ と に な り、 こ 教 科 書 で し か 勉 強 した こ とが な か っ た 原 子 炉 物 理 れ ま で 旅 費 が ネ ッ ク とな っ て い た 遠 方 の 大 学 の 学 学や 放 射線 計 測学 の 知識 を実際 の原 子 炉 を使 っ て. 生 も希 望 者 は 全 て 参 加 で き る よ うに な っ た 。ま た 、. 実 践 的 に 駆 使 す る とい う経 験 は極 め て 教 育 効 果 が 従 来 か ら行 っ て い た 様 々 な 実 習 項 目を 整 理 して 、 高 い 。 筆 者 の 経 験 で も多 く の 学 生 が 旅 費 を 負 担 し 参 加 大 学 が 使 用 す る 共 通 の 実 習 テ キ ス トな ど、 教. て で も 参 加 した 価 値 が あ っ た と考 え て い た よ うだ. 材 の 整 備 も合 わ せ て 行 わ れ た 。. し、 こ の 経 験 が 刺 激 と な っ て 原 子 力 ・放 射 線 を 勉 34.

(5) Vo1.49(2012). 近 畿大学原 子力研 究所 年報. 「 チ ャ レ ン ジ原 子 力 体 感 プ ロ グ ラ ム 」 は 平 成 ニ ー. 事 故 に よ り、 わ が 国 の原 子 力 を 取 り巻 く環 境 は 一一. 年 度 ま で 三 年 間 実 施 され た 後 終 了 し、 平 成 二 二 年. 変 し、 脱 原 発 が 叫 ば れ る社 会 情 勢 の 中 で 原 子 力 の. 度 には新 た に 「 原 子力総 合技 術 プ ログラム」 と し. 将 来 を悲 観 す る よ うな意 見 も 聞 か れ る よ う に な っ. て 原 子 炉 運 転 実 習 を継 続 した 。 一 連 の プ ロ グ ラ ム. た。 大学 の原 子 力 関係学 科 は志 望す る学生 が減 少. に よ っ て 、 四年 間 で 全 国 の 九 大 学 か ら七 三 八 名 の. す る な ど、 早 く も 多 方 面 に影 響 が 及 ん で い る と聞. 学 生 が 実 習 に参 加 した 。 先 に も述 べ た よ うに 実 物. く。 しか しな が ら 、 今 後 本 格 化 す る 廃 炉 や 環 境 回. の原子 炉 を使 った 実習 の教育 的効 果 は高 く、参加. 復 の 過 程 で は 、 様 々 な 新 しい 技 術 が 必 要 と され る. した 大 学 に は 大 変 好 評 で あ り、 ま た ア ン ケ ー トの. は ず で あ り、 そ こ で 中 心 的 な 役 割 を 果 た す 次 世 代. 結 果 か ら も多 くの 学 生 が原 子 力 や 放 射 線 分 野 に 対. の 技 術 者 ・研 究 者 の 育 成 は 必 要 不 可 欠 で あ る。. す る興 味 ・関 心 を 刺 激 され た こ とが うか が え た 。. 世界 に 目を 向けれ ば 、ア ジ アの新 興諸 国 を中心. 写 真 に実習 の様 子 を示す。. に 原 子 力 の 導 入 が 続 い て お り、 教 育 ・研 究 分 野 に お け る 日本 へ の 期 待 は 福 島 の 事 故 後 も相 変 わ らず 高 い 。 ま た 、 医 療 や 産 業 分 野 に お け る放 射 線 利 用 は 拡 大 し続 け て お り、 技 術 開 発 は 今 後 も着 実 に続 い て い く も の と考 え られ る。 幸 い に して 、 近 畿 大 学 原 子 炉 は 誕 生 か ら五 〇 年 以 上 経 過 した 今 日 も健 全 性 を 保 っ て お り、 これ か らの 教 育 や 研 究 に お け る ニ ー ズ に 十 分 応 え る こ と が で き る。 我 々 は 今 後 も 貴 重 な 大 学 原 子 炉 の 維 持 ・管 理 に 努 め な が ら、 で き る だ け 長 期 に わ た っ て 原 子 力 教 育 ・研 究 に貢 献 で き る よ う、 意 欲 と情 熱 を も っ て使 命 を果 た し て い き た い と考 え て い る。. 福 島 第 一一 原子 力発 電 所事 故 後 の平成 二 三年 度 以 降 は 、 残 念 な が ら原 子 力 人 材 育 成 プ ロ グ ラ ム 事 業 の 内 容 が 変 わ り、 教 育 用 原 子 炉 を 活 用 した プ ロ グ ラ ム の 募 集 が な くな っ た た め 、 原 子 力 人 材 育 成 プ ロ グ ラ ム に よ る 原 子 炉 運 転 実 習 は行 わ れ て い な い 。 現 在 で は 、 平 成 一一八 年 度 以 前 と 同様 に 、 先 に 述 べ た 共 同利 用 研 究 の マ シ ン タ イ ム を利 用 して 一一部 の 大 学 が 実 習 を続 け て い るが 、 原 子 力 発 電 所 事 故 の 影 響 と旅 費 が 支 給 され な くな っ た こ と に よ っ て 参 加 者 は 大 幅 に 減 少 し、 原 子 力 人 材 育 成 プ ロ グ ラ ム が 始 ま る 以 前 の 数 に 戻 っ て い る。. お わ りに 本 稿 で は、外 部機 関 との原子 炉 共 同利用 に よ り 実 施 され て い る研 究 と、 原 子 炉 運 転 実 習 の 実 績 と 現 状 に つ い て 紹 介 した 。 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の. 35.

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【 大学共 同研究 】 【個人特 別研究 】 【受託 研究】 【学 外共同 研究】 【寄 付研究 】.

関西学院大学産業研究所×日本貿易振興機構(JETRO)×産経新聞

向井 康夫 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 牧野 渡 : 東北大学大学院 生命科学研究科 助教 占部 城太郎 :

山階鳥類研究所 研究員 山崎 剛史 立教大学 教授 上田 恵介 東京大学総合研究博物館 助教 松原 始 動物研究部脊椎動物研究グループ 研究主幹 篠原

Doi, N., 2010, “IPR-Standardization Interaction in Japanese Firms: Evidence from Questionnaire Survey,” Working Paper, Kwansei