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渋谷駅周辺の路上生活者の生活と健康

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Academic year: 2021

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838 第46巻 日本公衛誌 第9号 平成11年9月15日

渋谷駅周辺の路上生活者の生活と健康

タニモト サリナ 谷本佐理名 ミノワ マ ス ミ 簑輪 眞澄  東京23区内の路上生活の数は3,200∼3,300人と集計されており,その中で健康状態の悪さや路 上死などが報告されてきている。しかし,その多くは施設などを利用した者を対象としており, 実際に路上生活を営んでいる者を対象とした場合,健康に関する調査はほとんどなされていな い。そこで,実際に野宿をしている路上生活者を対象にその生活状況および健康状態を調査し明 らかにすることを目的に本調査を行った。  対象は渋谷駅周辺および代々木公園で野宿生活をしている路上生活者とした。調査内容は質問 票,血圧測定,および血液検査で,結果は野宿生活をしていない対照群と比較した。  路上生活者は男性49人,女性4人の計53人であった。平均年齢は52歳で,50代が約半数を占め たが,19歳から72歳と幅広い年齢分布であった。野宿歴は5年未満が49.1%で,5年以上10年未 満および10年以上が共に24.5%であった。職業歴は建築関係が50.9%と半数以上を占め,職業が 無かったと答えた者は1人であった。現在の職業は73.6%がないと答えた。食事の入手法につい ては食品店の残りが最も多かった。1日の食事回数は2食以下が56.6%と半数以上であった。困 った時に世話をしてくれる仲間がいると答えた者は64.2%を占めていた。喫煙率は88.6%で半数 が1日20本以上吸っていると答えた。  路上生活者群は対照群に比べて一日の食事回数が「3回」より「2回以下」が多く,困ったと きに世話をしてくれる仲間「あり」は約6割と比較的多かったものの,対照群に比べれば少なか った。一日の喫煙本数は路上生活者群で多かった。既往歴は胃十二指腸潰瘍と外傷が路上生活者 群で多かった。SF36は身体的役割が路上生活者群で対照群より低く,精神的健康が路上生活者 で高かった。また,拡張期血圧が路上生活者群で高く,白血球数,血小板数が多かった。  以上の結果より,社会環境の影響を受けて路上生活を始めた状況がうかがえた。また,路上生 活者は経済的社会的障壁により,生活状況および健康に対する予防する機会等は制限を受けてい ることが考えられた。当事者の能動性,主体性をどのように重視していけばいいのかなどの具体 的な援助方法は,当事者および彼らの身近にいるボランティアの意見を聞きながら考えていく必 要がある。 Key words : 路上生活者,生活,健康,SF36,血液検査

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参照

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