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卵殻形成との関連におけるカルシウム結合蛋白質 (CaBP-D28k) 遺伝子発現

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Academic year: 2021

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Title

卵殻形成との関連におけるカルシウム結合蛋白質 (CaBP-

D28k) 遺伝子発現( 内容の要旨 )

Author(s)

後藤, 尚也

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 乙第063号

Issue Date

2002-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2308

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の.要件 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 後 藤 尚 也 (愛知県) 博士(農学) 農博乙第63号 平成14年3月13日 学位規則第4条第2項該当 卵殻形成との関連におけるカルシウム結合 蛋白質(CaBP・D28d遺伝子発現 主査 岐阜大学 教 授 副査 信州大学 教 授 副査 静岡大学 薮 授 副査 岐阜大学 教 授 治 乙 也 滋 道 珠 哲 吉 野 坂 谷 上 小 高 大 論 文 の 内 容 の 要 旨 日本の養鶏産業界において、鶏卵の生産から末端消費者に至る過程において生ずる破卵 による経済的損失は年間約300億円以上と見積もられている。このため、鶏卵の卵殻質

を強化し破卵率を減少させることによる経済的利益は高く、卵殻質改善のため、卵殻形成

の盛んな時期にカルシウム((冶)含量の高い飼料を給与する方法が報告されている。しかし、 大規模羽数飼育の養鶏場においての報告は見当たらない。また、卵殻質改善のためのCa 給与法におけるCa代謝と卵殻へのCa沈着に関与することが知られているCa結合蛋白 質(CaBP-D28K)遺伝子発現に関する報告も当たらない。さらに、産卵鶏において卵殻腺部 CaBP-D28KmRNA発現に対する性ステロイドホルモンの影響についてはまだ明確にされ ていない。本研究では、これらのことを明らかにしようとして、4種類の実験を行った。 最初の実験では、大規模羽数飼育の養鶏場において、120日間にわたり、1日のCa摂 取量を通してCa含量3.8%の通常飼料をした場合と1日のCa摂取量を同等となるよう にして卵殻の形成が行われていない午前にCa含量1.00%の低Ca飼料を、卵殻の形成が 行われている午後にCa含量6.1%の高Ca飼料を給与した場合とにおいて、種々の卵殻 質と共にGPセンターにおける破卵率を比較調査した。その結果、これらのCa給与法に よって産卵成績に影響を及ぼすことなく、卵殻割合と卵殻表面積当たりの卵殻重が午後に 高Ca飼料を給与することにより有意に増加し、GPセンターにおける破卵率が減少し、 3万羽規模の鶏群で1日約1.7万円収益性が向上することを示し、大規模養鶏生産農場に ・おいても、Ca含量の低い飼料を午前に、Ca含量の高い飼料を午後給与することにより、 卵殻が改善されて破卵率が減少し、収益性が改善されることを明らかにした。2番目の実

験では、Ca給与時期による卵殻質向上がCa代謝と卵殻腺部CaBP-D28KmRNA発現の

如何なる影響によるのかを明らかにしようとして、まず、卵殻形成との関達における血中

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Ca濃度と卵殻腺部CaBP-D28KmRNA濃度の変動の様相を明らかにしようとした。その 結果として、産卵鶏の排卵周期中において、排卵14∼16時間後に相当する20∼22時に 血衆総Ca濃度と非透過性Ca濃度のピークが認められたのに対して、血祭Caイオン濃 度は、卵殻形成時に相当する時期において有意に減少しすることを明らかにした。一方、 休産鶏においては、何れの血祭Ca濃度についても有意な変動は認められず、また、プロ スタグランジンF2αを投与して放卵を誘起することにより、血衆Caイオン濃度の低下が 認められなくなり、さらに、アミノグルテチミドを投与して性ステロイドホルモシの合成 を抑制することにより、血祭総Ca濃度と非透過性Ca濃度のピークが認めらなくなるこ とを見出した。さらに、卵殻腺部におけるCaBP-D28鱒mRNA濃度は、血祭Caイオン濃 度の変動の様相とはほl式逆の様相をもって変動していることを明らかにした。これに対し て、十二指腸におけるCaBP-D28KmRNA濃度は、卵殻形成との関連で有意な変動は見 出されていない。これら甲結果から、卵殻腺部におけるCaBP-D28KmRNA発現は、卵殻

へCa竜積のみならず、それと関連した血中Caイオン濃度も関与している可能性が示唆

された。3番目の実験では、4週間、1日を通してCa含量3.10%の通常飼料を給与した

場合(対照鶏)に対して、摂取量が同等となるように調節して、午前にCa含量1.00%の低

Ca飼料を、午後にCa含量4.82%の高Ca飼料を給与した場合(試験鶏)における影響を卵

殻質、血中Caイオン濃度七卵殻腺部CaBP-D28KmRNA濃度において検討した。結果と して、最初の実験と同様に、産卵成績に影響を与えることなく、卵殻強度は試験鶏では増 加傾向を示し、卵殻Ca含量は試験終了時においては対照鶏に比べて試験鶏の方が有意に 高くなることが見出された。また、卵殻腹部におけるCaBPND28KmRNA濃度は卵殻形 成が盛んと見なされる時期に対照鶏に比べ試験鶏において有意に高いことを見出された。 これらの結果から、こ中本実験で用したCa給与法で、卵殻腺部におけるCaBfLD28K

mRNAの増加を介し、卵殻へのCa沈着量が増加して、卵殻質が向上すると推察される。

最後の実験では、性ステロイドホルモンが産卵鶏の卵殻腺部におけるCaBFLD28KmRNA 発現におよぼ影響を明らかにするために、性ステロイドホルモンの分泌を刺激することが 知られている妊馬血清性腺刺ホルモン(ⅢSG)を5日間毎日投与して、内因性の性ステロ イドホルモン分泌を増加させた場合において、卵殻腺部におけるCaBP-D28k mRNA濃 度が有意に減少することが見出された。さらに、.まだ卵殻形成が認められない時期と卵殻 形成の盛んな時期にそれぞれエストラジオール(E2)、テストステロンmとプロジエステ ロン(P4)の性ステロイドホルモンを投与することにより、卵殻形成の盛んな時期にP4 を投与した場合においてのみ、卵殻重量、卵殻Ca含量と卵殻腺部CaBFLD28KmRNA濃 度が有意に低くなること明らかとなった。これらの結果より、性ステロイドホルモンが産 卵鶏の卵殻腺部におけるCaBP-D28K遺伝子発現を刺激する可能性は少なく、むしろP4 が抑制因子であることが明らかとなった。 以上の結論として、午前に低カルシウム含有飼料を午後に高カルシウム飼料を給与する ことにより、卵殻へのカルシウム蓄積が増加して卵殻質の改善がもたらされるが、その改 善は血中カルシウムイオン濃度の変動と卵殻腺部のCaBP-D28kの遺伝子発現が関与し ていること、また、産卵鶏の卵殻腺部のCaBP-D28kの遺伝子発現に性ステロイドホル モンが促進的に関与する可能性は少なく、むしろプロジエステロンが抑制的に関与してい ることが明らかとなった。

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審 査 結 果 の 要 旨 日本の養鶏産業界において、鶏卵の生産から末端消費者に至る過程において生ずる破卵による経 済的損失は年間約300億円以上と見込まれている。従って、鶏卵の卵殻質を強化し破卵率を減少さ せることによる経済的利益は高く、このため改善策の一つとして、卵殻形成が盛んな午後にカルシ ウム含量が高い飼料を給与する方法が報告されている。一方、卵殻へのカルシウム沈着にはカルシ ウム結合蛋白質(CaBP-D28k)が関与していることが報告され、しかも卵殻腺部においてはCaBP-D28k濃度とこのmRNA線度はほぼ平行的に変動していることが明らかにされている0 本研究は、かかる背景を基にして、午前に低カルシウム含有飼料、午後に高カルシウム含有飼料 を給与することにる卵殻巽の改善策を大規模羽数飼育の養鶏場において検討すると共に、この給与 法による卵殻質と血中カルシウム濃度に及ばす影響と卵殻腺部CaBP-D28k遺伝子発現に対する影 響を明らかにするため、大きく分けて4つの実験が行われている。 最初の実験では、1日のカルシウム摂取量を同一として、卵殻形成が行われていない午前にカル シウム含有1%の低カルシウム飼料を卵殻形成期の午後にカルシウム含有6.1%の高カルシウム飼料 を給与することにより、大規模羽数養鶏場において卵殻質の向上がなされるかを検討している。 結束として、このカルシウム給与法により産卵成績には影響を及ぼすことなく、GPセンターにお ける破卵率が減少し、3万羽規模の鶏群で1日約1.7万円収益性が向上することを明らかにしてい る。この結束はまとめて、基礎論文の1として、印刷中である。 2番目の実験では、卵殻形成との関連において血中カルシウム濃度と十二指腸と卵殻腺部におけ るCaBP-D28kmRM濃度の変動の様相を検討している。この結果において、卵殻形成との関連 において、十二指腸におけるCaBP-D28kmRNみ濃度の変動は認められないが、卵殻腺部におけ るCaBP-D28kmRM濃度は変動し、しかもこの変動の様相が血中カルシウムイオン濃度の変動 の様相と掛ま逆の関係を示していることから、卵殻腺部におけるCaBP-D28kmRNAの発現は、 卵殻へのカルシウム沈着のみならず、それと関連した血中カルシウムイオン濃度も関与している 可能性を示唆している。この結果はまとめて、基礎論文の2として、印刷中であるd 3番目の実験では、1日のカルシウム摂取量が3%のカルシウムを含有する通常飼料を給与した 場合(対照鶏)と同等になるように午前にカルシウム1.00%含有の低カルシウム飼料を午後にカル シウム4.82%含有の高カルシウム飼料を給与した場合(試験鶏)で実験を行っている。結果は、こ のカルシウム給与によって、産卵成績に与えることなく、卵殻強度が改善される傾向が認めら れ、しかも卵殻におけるカルシウム含量が増加することを見出している。また、対照鶏に比べ て、低カルシウム含有飼料が与えられている時期と高カルシウム含有飼料に切り替えた初期にお いて血中カルシウムイオン濃度が減少し、さらに卵殻形成が盛んと見なされる時期において、卵 殻腺部CaBP-D28kmRm濃度が高くなることを見出している。これらの結果から、この実験で

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用いたカルシウム給与法で、卵殻腺部におけるCaBP-D28kmRMの増加を介して、卵殻へのカ ルシウム沈着量が増加して卵殻質が向上する可能性を推察している。この結果はまとめられ、基 礎論文の3として、印刷中である。 最後の実験においては、卵管機能に影響与えることが知られている性ステロイドホルンが産卵 鶏の卵殻腺部におけるCaBP-D28kmRM発現におよぼす影響を検討している。結果は、産卵鶏 においては、性ステロイドホルモンが卵殻腺部におけるCaBP-D28k遺伝子発現を刺激する可能 性は少なく、もしろ性ステロイドホルモンの1つであるプロジエステロンが抑制することを明ら か.にしている。この結果はまとめられ、基礎論文の4として、印刷中である。 以上の述べてきたように、午前に低カルシウム含有飼料を午後に高カルシウム飼料を給与する ことにより、卵殻へのカルシウム蓄積が増加して卵殻質の改善がもたらされるが、その改善は血 中カルシウムイオン濃度の変動と卵殻腺部のCaBP-D28kの遺伝子発現が関与していること、ま た、産卵鶏の卵殻腺部のCaBP-D28kの遺伝子発現に性ステロイドホルモンが促進的に関与する可 能性は少なく、むしろプロジエステロンが抑制的に関与していることを明らかにしおており、養 鶏産業界に寄与することが大である。 以上について、審査委員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文と して十分価値あるものと認めた。 基礎となる学術論文 1産卵鶏におけるカルシウムの給与時期が生産農場の卵殻質や破卵率に及ぼす影響. 後藤尚也、江利川智己、高田勝広、田上雅之.日本家禽学会誌、印刷中 2 卵殻形成における血奨カルシウム濃度と卵殻腺部のカルシウム結合蛋白質(C嘘P-D28k) mRNAの発現.後藤尚也、田上雅之、水野雅司、亀岡絵都子、武石 勝、山村奈美子、土井 守、上告道治.日本家禽学会誌、印刷中 3 カルシウムの給与時期が卵殻形成と血衆力ルシウム濃度および卵殻腹部におけるCaBP-D28kmRNA濃度におよぼす影響・後藤尚也、田上雅之、有賀美保子、高間智浩、武石勝、山 村奈美子、上書道治.日本家禽学会誌、印刷中 4 ニワトリの卵殻腺部におけるCaBP-D28kの遺伝子発現におよぼす性ステロイドホルモン の影響.後藤尚也、田上雅之、伊奈佐江子、荒川仲代、山村奈美子、武石 勝、上書道治.日 本家禽学会誌、印刷中

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既発表学術論文 1 Secretionofinhibinbychickengranulosace11s血Vftt・0.Akas昆ba,H.,Taya,K., Sasamoto,S.,Goto,H.,Kamiyoshi,M.,Tanaka,K.PoultryScience67:1625-1631, 1988. 2 Effectsoftestosteroneandestradioト17βonprogesteroneproductionby granulosaceusofthehen.Caiscedo,R.E.,Fukaya,M.,Goto,H.,Kawashima,M., kamiyoshi,M.JapanesePoultryScience34:147-157.1997. 3 産卵鶏に対する緑茶温湯抽出物給与の影響.山根哲夫、後藤尚也、高橋大三、武田英嗣、 乙脇研ニ、土田孝雄 日本家禽学会誌 36:31-37,1999. 4 Expressionofmessengermforgonadotrqpinreceptorinthegranulosalayer durir唱theovulatorycycleofhens.Yamamura,N.,Takeishi,M.,Goto,H.,Tagami,M., Mizutani,T.,Miyamoto,K.,Doi,0.,Kamiyoshi,M.ComparativeBiochemistryand PhysiologyPartA129:327-337.2001

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