ショッピングモールにおけるグループ来訪者にお互いの気持ちの理解を促進するための買い周り行動振り返りの試み
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(2) ŔđÎǃĤªǛǨđú IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-HCI-171 No.9 2017/1/23. Ŕm1LJKNM 2 ȿ1M7m8 ǛǨ5. ". 0řŔŰħ5JLJKNM [3, 4]ƍŢƯ17 0 1 . . . . mQ³LJ$Mǃlj2"0 ÄȕǛǨ1LJ**7" .BK47ijĽ+18 ÅÛ!N*l\cn7Ĉǰ. %. 27Ǻ<.ŀ Șɷȅ7řŔQǏǜ5ȗ$21. '. . 042ŞŎ!N*Russell 7ËDŽřŔm1. .. . (. . & . ,/ / !. . 2Ȅ*B* Witvliet & Vrana 7ǛǨJL ôȴɝQĐ.
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(4) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-HCI-171 No.9 2017/1/23. ③地図. ②で抽出した 4 つの区間に被験者が滞在していた場所を した が推測 ち あなた の気持 同行者. した が推測 ち あなた の気持 同行者. した が推測 ち あなた の気持 同行者. した が推測 ち あなた の気持 同行者. 示し、その場面を思い出す補助として示した。これは、図 あなたが推測した 同行者の気持ち. あなたが推測した 同行者の気持ち. あなたが推測した 同行者の気持ち. あなたが推測した 同行者の気持ち. 5 に示すように施設に 230 箇所程度設置した Bluetooth Low Energy 機器(BLE 機器)からのビーコン受信の記録を取得 し、その時間に滞在していたエリアを計測している。 ④写真 2 時間程度の買い周り中に撮影した写真から、時間的に. 図 3 振り返りシートの構造. 偏りが無いように手動で 8 枚写真を選び、シート下部に配 置した。 3.4 買 い 周 り の 振 り 返 り に 用 い る 写 真 買い周りの振り返りに用いるため、各々の被験者の一人 称視点画像を一定時間おきに撮影する。被験者がスマート フォン上で提示されるアンケートに回答した時間ごとに分. 割して区間と定義する。振り返りでは、被験者に区間単位 で買い周り中に得られた一人称視点画像を提示する。人は 感情の変化が大きく、高ぶる体験ほど想起しやすく他人に 伝えたくなると言われている[6,7]。そこで、3.4 節で述べる 提案手法の振り返りの Step 1, Step 2 で提示する一人称視点 画像も買い回りの様子をより想起しやすいように買い周り 図 4 振り返りシート台紙. 中に取得した被験者の気持ちと結びつけて提示する。具体 的には、被験者が買い周り中に回答した気持ちの入力を感 情値として数値化し、ラッセルの感情円環モデルの中で“喜” の象限に当てはまる感情で感情値が一番高かった区間の一 人称視点画像群を用いる。この区間をこの本稿では、 “特徴 区間”と呼ぶ。 さらに、楽しかった区間を振り返りに用いる理由として、 同行者が買い周り中の楽しいと感じていた体験を共有する ことで、その日の買い物にポジティブな印象を与える。ま た、同行者が買い回り中に楽しいと感じる行動や事柄を知 り、自分の考えとの相違の有無を気づかせ理解させること ができると考えた。. 図 5 アウトレットパーク 滋賀竜王のフロアマップ. 3.5 買 い 周 り か ら 振 り 返 り の 手 順 3.1~3.4 節で述べた事柄を用いて以下の Step 1~Step 4 手順. ① 基本情報 このエリアには、自身と同行者の名前、買い周り時間、 施設名を記載する。 ② 気持ちの推移 このエリアには被験者がスライドバーで回答した買い周 り中の気持ちの推移を可視化したグラフと被験者の入力し た気持ちのテキストの回答を記載した。この 4 つの区間は、 被験者が回答した気持ちから感情値を数値化し、象限に関 係なくその中でも値が高い 4 つの区間を抽出した。気持ち の推移を表したグラフは横軸が時間、縦軸が“快—不快”を 表しており、円の直径と色は“覚醒-眠気”の値から決定す る。このシート上では、覚醒に分類される回答をピンク、 眠気に分類される回答を青で示した。. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. で振り返りを行った。以下に Step ごとの詳細を記す。 l. Step 1 まず、被験者はショッピングモールで自由に買い回り. を行う。その時、被験者は 3.1 節で述べた手法を用いて 買い周り中の気持ちのアンケートの回答しながら、買い 周りを行う。 l. Step 2 買い周りを終えた被験者は個別に分かれて、買い回り. の振り返りを行う。説明の便利のため、2 人の被験者を それぞれ A, B とよぶ。ここでは、振り返りシートと買い 周り中に A の視点で撮影された一人称視点画像のうち、 図 7 内の特徴区間に撮影されたものを自由に閲覧する。 このとき、Think Aloud 法によって、そのときの出来事や 感想を自由に述べるように依頼した。図 7 は、A, B の感. 3.
(5) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-HCI-171 No.9 2017/1/23. ーンのうち、Step 2 で見た写真が含まれていないシーン が、B がこの買い周りの中で楽しいと感じていた特徴区 間の写真群だった事を伝えた。インタビューでは、作成 したシートどの項目が振り返りに役立ったか、写真を見 て振り返った感想を中心に質問した。. 4. シ ョ ッ ピ ン グ モ ー ル で の 実 験 4.1 グ ル ー プ の 買 い 周 り の 振 り 返 り 実 験 の 概 要 3 章で提案したグループで買い周りの振り返りを行うこ とが、お互いに同行者の気持ちを考えるきっかけ与え、気 持ちを理解し合う支援として有効性であるか検証するため、 三井アウトレットパーク 滋賀竜王において実験を行った。 被験者は、2016 年 12 月 10 日、11 日、17 日のいずれかの. 図 6 Step 3 の振り返りの様子. 日程で実験に参加した。図 5 にしめすように、三井アウト. レットパーク 滋賀竜王は 3 フロアに分かれており、200 店. 1.6 1.4. 舗以上のテナントが屋外の通路に連なって並んでいる。衣. 1.2. 類のテナント以外にも、フードコートやキッズスペースな. 1 0.8. どを含んだ大型商業施設である。. 0.6. 4.2 被 験 者. 0.4 0.2. 被験者は、夫婦 2 人グループ 3 組友人 2 人グループ 3 組. 0 1.6. 1.4 1.2. の計 6 組 12 名である。 4.3 実 験 手 順. まず、被験者に事前アンケートとして、その日の買い物. 1 0.8. の目的や当該アウトレットパークへの来訪経験の有無を訪. 0.6 0.4. ねた。その後、3.5 節に述べた振り返りの手順に沿って実. 0.2 0. 験が進められた。被験者は 2 時間程度買い周りを行う。グ ループの被験者には、常に一緒に行動することを強いず、. 図 7 感情値の推移と特徴区間の例. 普段通りの状況を心がけてもらう。買い周り中の被験者の 行動データ取得にはスマートフォン端末と Narrative Clip. 情値の推移を横軸が時間、縦軸が感情値として表した例. (ウェアラブルカメラ)を用いる。被験者には、図 8 のよ. である。. うに機器を持つように指示した。ウェアラブルカメラは被. l. 験者が操作することなく自動的に 10 秒間隔で撮影を行う. Step 3 Step 3 では、図 6 のように A, B が一緒に 2 つの区間の. よう設定し、各被験者の一人称の写真を撮影する。また、. 写真を見てその時の振り返りを行う。ここでは、図 7 内. 買い周りの途中には、スマートフォンから 15 分おきに通知. の A-Step 3 区間と B-Step 3 区間の 2 つの区間における A,B. が発せられ、その度に被験者はその時の買い物状況と気持. 各々の一人称視点画像を時系列に並べシーン 1、シーン 2. ちについてアンケートに回答する。15 分おきではなくても、. として提示する。つまり、シーン 1 は、A が Step 2 で提. 被験者は気持ちの変化があった時に自由にアンケートに入. 示された一人称視点画像と、その区間と同じ時間帯に撮. 力するように指示した。被験者は買い周りを最低でも 2 時. 影された B の視点の画像で構成される。この時も、Step 1. 間行い、買い周りが終了したら集合し、その日の買い周り. と同様に見ている画像がどの区間で撮影されたか等の情. 中の同行者とのコミュニケーションについて買い周り直後. 報は被験者に伝えない。. の事後インタビューを行う。3.5 節の Step 2 以降は、買い. Step 3 では、A の視点の画像だけでなく、B の視点の画 像も混ぜ、同じシーンであっても B の視点から画像を見 ることで、同行者の行動や視線などの気づきを得ること. 物をしたその日または 2 週間以内の後日に行った。 4.4 実 験 の 結 果 実験での振り返りから、我々は被験者が買い周り時の行. を促した。. 動をどのように振り返り、次の買い周りで活かせる気づき. l. を得たのかを分析した。被験者が買い周り中のアンケート. Step 4 Step 4 では再度、A, B 別に、買い周り後の振り返りをし. と事後インタビューで回答した内容や、グループの被験者. た感想を聞いた。この時、Step 3 のときに見た 2 つのシ. が振り返りを行っている様子から得た結果を、買い周り中. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. 4.
(6) ŔđÎǃĤªǛǨđú IPSJ SIG Technical Report.
(7) . Vol.2017-HCI-171 No.9 2017/1/23. ȶƾ5ə$MªȪQ"0*2P-* 7ƩŨ7S_n5ÅÛ$M*E5 ǓŢ73 5ưǑ"0*2ȹĄ18 5öȕȅ7ȗ ŔHȤȓ7ÊĬHȕàQƃƦ7ƞġ2ƨ?0Űƴ" 0*22P-*ȯǏ58 öȕȅ N8342Ƣ5ȊÐ5Ũ-0*L$M 2*7"(+42ŐHļ7Ù5*-0ȊÐ7 QŇ-0M2 Ɯ"4!(+42Ő-*2 ĈǰQʼn*(N¦ė58 öȕȅ7ȗŔK8 řŔȰCðN4-**E ȊÐǍN0*2 5öȕȅFǍN0M71842Űƴ"0* 2ȘɷȅF*. Č 8 ĨɷƂ5ȘɷȅŨ.ơƎ 2(7ň5Ð0Ȧ$18 6 ǸňUgw ūLɂLQǷ* 2 Ǹ G1 G2 5.0đú$M( N)N7ǸQƝş$M 2 ÷7ȘɷȅQ A, B 2Ȧ$G1 8 50 ¥7ĚĞ7^{ G2 8 G2-A 20 ¥ G20-B 10 ¥7ì¡7^{1M Step 1 50 G1 8J( 2 Ƃɘ 30 Ð G2 8J( 2 ƂɘȶûLQȕ-*(N)N7Șɷȅ8ȶûL J( 15 Ð5 1 ĈS_n5Ĉǰ"*G1, G2 K( N)N 10 » ɻ2 ÷ȥ 20 »ɼ 7 »ɻ2 ÷ȥ 14 »ɼ7S _nĈǰQʼn* (1) Step 1 17ȶûL7ƩŨ,7ÅÛ5.0 ȊÐ7ƩŨ,7ǃljQɃ?Ml\cn7Ĉǰ18 ęÐ0(7¡ȊȾ öȕȅ DŽēȻĉ"*ÊĬ L (71FƉȶ0Ġ"%-2Ǫ -0M71ǍÞÏ0*ǯ7(7¡ȊȾ5Ȼĉ "*řŔHȕà5.07Ĉǰ-*öȕȅ5Ȼ ĉ$MÊĬ18ǍN*K©C*28öȕȅ5Ȥ 5HɻöȕȅQɼŇ-0M+1 .BK 42ĈǰŪKNM öȕȅ5.0Űƴ"0(7ǃlj7Ĉǰ18 . BK4!(*7"(43 öȕȅ7ƩŨ, Qƴ"*ĈǰĘ %-2Ǯɱ1M43 (7¡7ǀŚQĈǰ"0MF7F-* (2) ȶûLǒň7ňUgw 7Ugw18 ȶûL7ɢ7öȕȅ27 `q_a 5.0 öȕȅ7ƩŨ,QŰƴ $Mɢ5ŢL2"*2 ¢ŽÆ¯7ȶƾ7Ƶ ȼĽQŋ5Șɷȅ5į6* öȕȅ27`q_a 2"08 5 ăĀ5.0`n"õ2H Ʉ-0M2 5SotUcHȶJ5ȈQŤ"0NM43. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. ȶûL7ƵȼĽ8Șɷȅ5(7Ž7ȶƾ5ƹ ŷQ.M21Ĉǰ"0FK-*~blTz4ƹ ŷǃlj2"08ȊÐ7|c1I-LȝKN* F7ĥȶ*ǯ7ȶƾ5ə$Mǃlj2 ªȪ8%R1Ɯ"-*2öȕȅ27` q_a 5ə$MǃljŪKN*r[lT z4ƹŷ4ǃlj18 áE*ăĀQȶ-0FK4 -*ƩQ³-0*K2öȕȅ5Ȼĉ $Mǃlj2 FIJ"ȝ*-* ƥǍN* Mļ7dc|cȀı"0*Kǯ7(7 Ž7ȶƾHŻȨ5Į$MǃljŪKN* (3) Step 2 17 1 ¡1ȕȶĈL7ūLɂL7ƞġ Șɷȅ5ūLɂLan2ȊȾ7ƿħãɘ7ÍǕ1 ŃƂ7ƞġQŐÏ&0Mį6* Șɷȅ8anQɈLȝ*ň Ugwȅ5a n2ƽK"õP&4Kűǝ!N0MÍǕQȝ 0(7Ƃ7ƞġ5.0 7ƂȊÐ3"0* öȕȅ3"0*QÍǕQɅL4Kȯſ "* ȶƾQȕ-*ǒň5ūLɂLQȕ-* G1 8 ƿŊ ãɘ7ÍǕ+1(7Ƃ7ĒšHƂɘQŐÏ"* "" ȶƾQȕ-0ɋɘ¦ǹɍ"* G2 8 ÍǕ+18 (7Ƃ72QŐÏ&% ūLɂL anÊ7ƩŨ,7l\cn2ĎČ7ŔđQõP& 0(7Ƃ7ĒšQŐÏ$210*B* ɋɘň5ūLɂLQȕ-* G1 8ÍǕ+QȝM 2 ÆɐƜ"(+42ŐR1$3 ūLɂLa nQȝM2 ǜ5R4řŔ+-*4ɻ. N0*4ɼ-0Ʃ/B$62Ĉǰ" ūLɂ Lan5Ȧɀ!N*ÊĬÍǕ+18ŐÏ& 4ƣǜ4ȦŝQŕȻ!&0M2P-* (4) Step 3 17 2 ¡ǽ5ȕōûL7ūLɂL7ƞġ 2 ¡ǽ1ȕūLɂL7ɢF5 7C&#G4ʀ7ăĀòŘ-*R+J %-27ļ5*4435űǝ!N*ãɘ1 7ȶûL7ƞġ7ÇƈQȕ-0*B* ȊȾ. 5.
(8) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-HCI-171 No.9 2017/1/23. Step 2 で見た写真に写っていたものを説明したり、あ. 写真に多かったなと思いました。自分の写真の中に. る特定の商品が写っている写真を探したりしていた。. は相手が選んでいる写真は無いけど(実際には選ん. また、その商品に関する最近の出来事の話題など、直. でいたが)、相手の(画像の中)にはあったので、. 接買い周りに関係のない会話も観察された。. ぼくは見てないけど、相手は(僕を)みているなっ. (5) Step 4 での振り返り後のインタビュー. て」と同行者の自分に対する行動について回答した。. 最後の個別のインタビューでは作成したシートどの項. また、2 人で振り返ることで、ひとりで振り返るよ. 目が振り返りに役立ったか、写真を見て振り返った感想 を中心に以下の 3 項目についてについて質問した。以下、. りも鮮明にその時の事を思い出せたと回答した。 (ウ) 振り返りを行って、次回同じ同行者と買い物に来. それぞれについての回答を記す。. た際の改善点や、気をつける点はあるか. (ア) 提示した情報の中で、提示した区間の買い周りを. G1-A は、改善点として、振り返りシートの自分の. 思い出す手助けとなったものはなにか. 気持の推移のグラフから、自分が同行者の買い物に. この質問に対して、G1-A は、提示した一人称視点. 付き合えなくなる事を例に上げて、「嫁さんの買い. の画像の中の商品を見ることで、その日の買い周り. 物に付き合えない段階まで来たら、分かれて買い物. を思い出したと答えた。G1-B は、振り返りを行っ. をして、最後にもう一度 2 人で買い物をするってい. たのが買い回りの直後だったため、提示した区間内. うね」と次回の買い回りの際の行動での改善点を挙. で G1-A が購入した帽子そのものを見ると、その時. げた。 G1-B は、振り返りシートの地図の部分を見て、 「こ. のことを思い出されると回答した。 買い周りから一週間後に振り返りを行った G2 グ. の日は、かなり行ったり来たりして、疲れたので、. ループの G2-A は、提示した一人称画像でその時の. 周り方を考えたいな」と移動順路について改善を上. 様子は思い出されると回答した。もしも、買い周り. げた。. の直後に振り返りを行った場合は、振り返りシート. G2-A は、振り返りから得られる改善点はなかった. 内の気持ちの推移を表したグラフとテキストだけ. が、「調査自体に制限時間があったため、ゆっくり. でも思い出せると思うと回答した。一方で G2-B は、. 見られなかったので、次回は同じメンバーでももっ. 振り返りシートと画像の両方を合わせることで、そ. としっかりゆっくりみたいと思いました。」と実験. の時の様子が思い出されると回答した。この理由と. の条件で行動が制限された事を挙げた。 G2-B は、2 人での振り返りの際に同行者から、 「こ. して、画像だけではその時の気持ちまではわからず、 シートを見ることで、その時の気持ちまで思い出せ. こでずっと悩んでみてたよね」とコメントしており、. るからだと回答した。. 自分のために待ってくれていたことにきづき、次回. (イ) 2 人で同行者視点の画像を振り返ることでどのよ. は同行者も自分の買い物を気楽にしてもらえる雰. うな気づきを得たか. 囲気作りをしたいと、自身の行動に対する反省点を. G1-A は、「自分と別行動しているときに、わたし ならこの服選ばないなっていう服を(妻が)えらん でいるんで、僕の知らない嫁さん姿だなと思うんで. 挙げた。. 5. 考 察. すね。」と同行者の好みについて、新しく発見した. 5.1. ことが今日の買い物で良かったことだと回答した。. 我々がこれまでに行った実験において、買い周り中にア. 買い周り中の支援. G1-B は、「2 人分の写真をみると、おんなじ店に. ンケートを行うことそのものが、同行者を意識するきっか. いても大分視線がちがうんだなと思いました。私が. けとなることが示唆された [2]。本研究においてはアンケ. 服を合わせてみているときは、(夫が自分の方を). ートと同時にウェアラブルカメラを装着してもらい、買い. 見てくれてるんだなと思いました。自分の写真には. 周り中の様子を撮影した。ここでは、アンケートの実施や. 全然相手が写っていないのに、相手のには私がいっ. ウェアラブルカメラの装着が被験者の買い周りに対してど. ぱい写っていて、私も(買い周り中)連れ回してい. のような影響を与えるのかについて考察を行う。. るのかもしれない」と同行者の行動について回答し た。. 多くの被験者は 15 分おきのアンケートの実施は買い回 り行為そのものを阻害することはないと答えている。一方. G2-A は、「相手の写真には、自分の後ろ姿が写っ. で、ある被験者は「やっぱりいつもと違って緊張したなっ. ていて、自分が様々な店に連れていっていたんだな. て… やっぱり全部見られているし、あれやっぱり A さん. と思いました」と自分の買い周り中の行動について. でも緊張するのかって(G2-B)」と答えている。また同行. 再認識したと回答した。. 者にアンケートに書かれる内容を気にするかという質問に. G2-B は「自分が商品を選んでいる写真が、相手の. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. 対しては「気になってました。でも行動を変えるとかはし. 6.
(9) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-HCI-171 No.9 2017/1/23. なかったですね、ありのままで(同 G2-B)」と答え、同行. とで、ある瞬間に自分は何をしていて、そのとき相手が何. 者によって観察されることへの意識がみられ、アンケート. を見ているのかがわかると回答した。G1 においては、「自. の実施やカメラの装着が買い回り行為に何らかの影響を与. 分と別行動しているときに、わたしならこの服選ばないな. える可能性が示唆された。. っていう服を(妻が)えらんでいるんで、僕の知らない嫁. 相手の気持ちをどのような要素から推測したのかという. さん姿だなと思うんですね。(G1-A)」 「2 人分の写真をみる. 質問に対しては、多くの被験者が表情や声のニュアンスと. と、おんなじ店にいても大分視線がちがうんだなと思いま. いった非言語情報を多くあげていた。アンケートの実施に. した。私が服を合わせてみているときは、 (夫が自分の方を). よって相手のことをよりよく観察することがあったかとい. 見てくれてるんだなと思いました。自分の写真には全然相. う質問に対して「それはありましたねー(G1-A)」と答え. 手が写っていないのに、相手のには私がいっぱい写ってい. た。今回の被験者は夫婦や普段から行動を共にする友人で. て…(G1-B)」というように相手が自分に対してどのように. あったため、 「(いつも一緒にいるので)なんとなく(G2-A)」. 振る舞っているか、あるいは、自分が相手に対してどのよ. それらの非言語情報から相手の気持ちを想像できたものと. うに振る舞っているかを内省する機会を与えることができ. 推測されるが、初めて一緒に買い物に来るようなグループ. たと考えられる。G2 については、「僕が商品を選んでいる. の場合には事前知識が無いため気持ちの推測が難しくなる. 写真が、A さん写真に多かったなと思いました。僕の写真. 事が考えられる。この場合、事後の振り返りはお互いの気. の中には相手が選んでいる写真は無いけど、A さんの(画. 持ちを推測するための知識獲得の場として活用できる可能. 像の中)にはあったから…(G2-B)」という気づきとそれ. 性がある。. に対して「…自分のために待っていて、でも A さんも(商. 5.2. 買い周り後の支援. 品を)選べるような雰囲気を作りたい。…自分(A さん). 買い周り後の支援においては、被験者 A, B がそれぞれに. のために時間を費やせるようにするというか…(同 G2-B)」. 振り返りシートと一人称視点画像を見て振り返るフェーズ. と同行者を考慮するコメントが得られた。これらのことは、. と、A, B の双方が同一のシーンにおいて、お互いの一人称. 本研究で行った振り返りがグループでの買い周り行動に対. 視点画像が混在したものを見ながら振り返りを行うフェー. して何らかのポジティブな気づきを与えられたことを示唆. ズの 2 フェーズでの振り返りを行った。ここではどのよう. している。. な要素が振り返りのために作用していたか、また、どのよ うな要素がグループ来訪者にとって有益な気づきをもたら すのかを考察する。. 6. ま と め 我々は、グループでの来訪者について、同行者が買い周. 振り返りを行うためには、各々の被験者に自身の買い周. り時にどのようなことに対して喜びを感じるのか、あるい. りを思い出してもらう必要がある。4.4 の結果の項でも説. は不満を持つのかを、相互に理解することがそのグループ. 明したように、G1 のように当日に振り返りを行う場合は、. にとってよりよい買い周り体験を与えると考える。そこで、. 画像のみでも十分に振り返りができることができることが. 本研究ではグループで買い周りを振り返るアプローチを提. わかった。一方で、1 週間後に振り返りを行った G2 の場合、. 案する。本稿では、提案手法を用いてショッピングモール. 当日を思い出すために役立った者について尋ねると「(振り. での実験を行い、買い周りの振り返りを通してグループメ. 返り)シート。シートのコメント、気持ちの推移を見てコ. ンバーの気持ちの理解を促せたかどうか有効性を調査した。. メント読んでわかるって感じ。写真だけだとわかんない。. 提案手法では、来訪者には買い周り中と買い周り後の 2. 全然思い出せない。 (G2-B)」と回答した。このように事後. 回の振り返りの機会を与える。具体的には、買い周り中に. に振り返りを行う際には、写真だけではなく、時刻や気持. は一定時間間隔でアンケートを提示し、アンケートに回答. ち、コメント、地図が記載されたシートと写真を相互に参. する毎に買い回りの振り返りを促す。また、買い周り後の. 照することで、当日を思い出す場合があった。また、A, B. 振り返りでは、買い周り中に取得したアンケートデータを. 二人で振り返りを行うことで、相互に当日の様子を思い出. 可視化したシートと撮影した写真を用いて振り返りを行っ. す様子も観察された。ここでは写真を見ながらお互いに当. た。. 日のエピソードと交えて話すことで、当初は記憶違いをし. 6 組のグループ来訪者についてアウトレットパークで実. ていたものが解消されていく場合があった。二人での振り. 施した実験を通して、(1) 買い周り中のアンケート入力に. 返りの際にはお互いの記憶が相補的になり、1 人での振り. よって、同行者の行動をより意識的に観察することが示唆. 返りよりもシーンの想起が促される可能性がある。また、. された。(2) 事後の振り返りから、自身だけでなく同行者. 記憶違いのエピソードについても、そのエピソードに関連. の視点から買い周りを捉えることができ、自身や同行者に. する画像を参照した際に再度話されることがあった。. ついて新たな発見(理解)が促されることが示唆された。. 本論文で分析の対象とした G1, G2 ともに、二人での振り. 一方で、実験中にウェアラブルカメラを使用して撮影を行. 返りの際にお互いの一人称視点画像が交互に表示されたこ. うことで、他の来訪者のプライバシーの問題、普段とは違. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. 7.
(10) 情報処理学会研究報告 IPSJ SIG Technical Report. Vol.2017-HCI-171 No.9 2017/1/23. うことをしているという気持ちが自由な買い周りを阻害し ている可能性も示唆された。この点において今後は、使用 する人が負担を感じにくいよう手法を確立する必要がある。 謝 辞 三井不動産株式会社、三井不動産商業マネジメン ト株式会社、三井アウトレットパーク 滋賀竜王の協力を頂 いた。. 参考文献 [1]. [2]. [3]. [4] [5]. Consolvo, Sunny, and Miriam Walker. "Using the experience sampling method to evaluate ubicomp applications." IEEE Pervasive Computing 2.2 (2003): 24-31. 若尾あすか, 松村耕平, and 野間春生. "ショッピングモール におけるグループ来訪者の連続的な気持ちの調査." 研究報告 ユビキタスコンピューティングシステム (UBI) 2016.3 (2016): 1-6. 増田恵, 加藤昇平, and 伊藤英則. "ラバン理論に基づいたヒ ューマンフォームロボット身体動作の動作特徴抽出と表出感 情推定." 日本感性工学会論文誌 10.2 (2011): 295-303. 鈴木直人, 濱治世, and 濱保久. "感情心理学への招待-感情・情 緒へのアプローチ." (2001). 武田十季, et al. "体験記録のハイライトに向けた体験時の感 情状態の分析 (映像メディア, メディア・コミュニケーション の品質と福祉, 及び一般)." 電子情報通信学会技術研究報告. IMQ, イメージ・メディア・クオリティ 112.472 (2013): 227-232. ⓒ 2014 Information Processing Society of Japan. 8.
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