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ITの活用による農業分野の知的財産のデータ化

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平 成 2 7 年 1 月

農林水産分野における知的財産の

戦略的な保護・活用の推進について

(2)

Ⅰ.日本再興戦略及び農林水産業・地域の活力創造プランにおける知的財産の位置付け

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ.農林水産分野における知的財産の戦略的な保護・活用をめぐる課題と対応

1.食料産業のグローバル展開に資する知的財産の保護・活用

・・・・・・・・・・・・・・ 2

2.食料産業における国際標準への戦略的対応

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

3.地理的表示保護制度の活用の推進

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

4.知的財産の総合的な活用の推進

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

5.新品種・新技術の開発・保護・普及

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

6.種苗産業の共通課題の解消策の総合的な推進

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

7.ICTの活用による農業分野の知的財産のデータ化及びその活用の推進

・・・・・・・ 15

(3)

Ⅰ.日本再興戦略及び農林水産業・地域の活力創造プランにおける知的財産の位置付け

日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定) 二.戦略市場創造プラン テーマ4:世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現 Ⅱ) 解決の方向性と戦略分野(市場・産業)及び重要施策 ○農商工連携等による6次産業化の推進 ・新品種・新技術の普及・開発や知的財産の保護と積極的な活用に より「強み」のある農畜産物の創出を進め、年内に品目ごとの新品 種・新技術の開発・保護・普及の方針を策定・公表する。また、海外で の遺伝資源獲得の円滑化や知的財産の侵害対策等、我が国の種苗 産業の共通課題の解消を総合的に推進するための取組体制を整備 する。 ○食文化、食産業のグローバル展開 ・ビジネス環境の整備、人材育成、知的財産の侵害対策、出資によ る支援等を通じて、日本の「食文化・食産業」を海外展開(Made BY Japan)する。 ○新技術による農林水産物の高機能化、生産・流通 システムの高 度化 ・IT・ロボット技術等を活用した農林水産物の生産・流通システムの 高度化(大規模・省力・軽労化栽培・生産体系の開発)、微生物やバ イオマスによるエネルギー資源生産技術の開発・普及を目指して、研 究開発や大規模実証を推進する。 日本再興戦略改訂2014(平成26年6月24日閣議決定) 第Ⅱ.3つのアクションプラン 二.戦略市場創造プラン テーマ4:世界を惹きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現 (3)新たに講ずべき具体的施策 iii)輸出の促進等 ①輸出環境の整備 ○ 我が国農産物の食品としての安全性向上と食産業の競争力強 化のため、国際的に通用する規格の策定と我が国主導の国際規格 づくりに取り組む。 農林水産業・地域の活力創造プラン(平成25 年12月10日 農林水産業・地域の活力創造本部改 訂) Ⅲ 政策の展開方向 2.6次産業化等の推進 ○ 異業種連携による他業種に蓄積された技術・知 見の活用、ICTの活用、新たな品種や技術の開発・ 普及、知的財産の総合的な活用、生産・流通システ ムの高度化等により、農業にイノベーションを起こ す。 農林水産業・地域の活力創造プラン(平成26 年6月24日 農林水産業・地域の活力創造本部改 訂) Ⅲ 政策の展開方向 1.国内外の需要を取り込むための輸出促進、地 産地消、食育等の推進 ○ オールジャパンでの輸出体制の整備、国際規 格認証の取得支援や策定の推進 (中略) を通 じ、輸出環境整備に取り組みつつ、 (中略) 日 本の農林水産物・食品の輸出拡大(Made IN Japan)を一体的に推進する(FBI戦略)。 2.6次産業化等の推進 ○ 地理的表示保護制度の導入等による農林水 産物・食品のブランド化を進めることにより、農林 水産物の付加価値向上を図る。 ○ 異業種連携による他業種に蓄積された技術・ 知見の活用、ロボット技術やICTを活用したスマー ト農業の推進、新たな品種や技術の開発・普及、 知的財産の総合的な活用、生産・流通システムの 高度化等により、農業にイノベーションを起こす。 ○地理的表示保 護制度の活用の 推進 ○食料産業のグ ローバル展開に資 する知的財産の保 護・活用 ○食料産業におけ る国際標準への戦 略的対応 ○ICTの活用によ る農業分野の知的 財産のデータ化及 びその活用の推進 ○知的財産の総 合的な活用の推 進 ○種苗産業の共 通課題の解消策 の総合的な推進 ○新品種・新技術 の開発・保護・普 及

(4)

(1)世界の食市場の拡大 340兆円(H21)→680兆円(H32) (2) 農林水産物・食品輸出額目標 5500億円(H25)→1兆円(H32) (3) 日本食への高い人気 JETROの調査では、対象7カ国のうち6カ国において、 日本料理が好きな外国料理として1番人気 (1) 海外での模倣品、技術流出の問題 -我が国食品企業が、海外で受けた模倣被害の8割は商 標権侵害 - 国別では、中国・韓国・台湾で9割 (2) 知財の問題に係る体制 食品企業では、1社あたりの知財担当者数は 1.8人で あり、全産業平均(3.8人)と比較すると少ない現状 (1)海外における模倣品の調査 官民合同組織の「農林水産・食品知的財産保護コンソーシアム」を通じた、 アジア諸国における模倣品の調査への支援 (2) 模倣品対策強化の働きかけ (1)の結果も踏まえ、様々な外交機会を通じ、アジア諸国等に対して模倣品 対策の強化を働きかけ (3) 海外市場における知的財産侵害に迅速・的確に対応するための国別相 談窓口の設置、ジャパンブランド防衛のための共同監視体制の整備等に より国際展開を支援 (4)アセアン諸国の主要大学に寄附講座を開設、民間企業からの講師派遣 により実践的な知識・技術に関する講義を提供し、人材育成を支援

現状

取組方向

今後10年で倍増が見込まれる世界の「食市場」(340兆円→680兆円)の戦略的な獲得に向け、 ①世界の料理界で日

本食材の活用促進(Made FROM Japan) 、②日本の「食文化・食産業」の海外展開(Made BY Japan)、③日本の農

林水産物・食品の輸出(Made IN Japan)の取組を一体的に推進。

2,038 2,168 2,359 2,678 2,883 2,637 2,865 2,652 2,680 3,136 88 92 90 104 118 93 106 123 118 152 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 (億円) 農産物 林産物 水産物 3,609 4,920 4,454 5,078 5,160 4,490 4,008 4,511 4,497 5,505 (参 考)農林水産物・食品の輸出額の推移

○食料産業のグローバル展開の促進には、官民連携による進出先

における知的財産の的確な保護が不可欠

1.食料産業のグローバル展開に資する知的財産の保護・活用

課題

(参考)我が国食品企業の海外からのロイヤリティ収入の推移 ●近年、我が国食品企業の知的財産権による 海外からのロイヤリティ収入は、増加傾向。 ●企業が正当な経済活動によりロイヤリティ 収入を確保していくためには、知的財産権 の侵害対策が重要。

Ⅱ.農林水産分野における知的財産の戦略的な保護・活用をめぐる課題と対応

116億円 159億円 0 40 80 120 160 1 2 2010年 2013年 ( 特許庁 「知的財産活動調査」 )

(5)

(参考)知的財産の侵害事例

巧妙化する模倣品

商品パッケージだけではなくハラル認証マークを含めて模倣

【真正品】

AJI-NO-MOTO

表面 裏面 ハラル 認証マーク

【模倣品A】

NINJA-DE-MOTO

表面 ハラル 認証マーク ハラル 認証マーク 表面 裏面

【模倣品B】

PREMIER

【いぐさ「ひのみどり」】 ○熊本県が育成し、平成13年に品種登録したいぐさの品種。最高級畳表に使用。 ○従来の品種より茎が細いため、畳表にした際にはきめ細やかで見た目も美しい。 ○い草の主産地である熊本県で59%の普及面積を誇る重要品種。

育成者権侵害物品(いぐさ「ひのみどり」)の

水際差止等の事例

税関で輸入差止(水際措置) ○平成15年、熊本県が長崎税関に関税 定率法に基づく輸入差止を申し立て。 ○長崎税関は、中国産「ひのみどり」の 原草を発見・摘発し、関税法違反(輸 入禁制品の輸入未遂)で刑事告発 し、その後起訴。 リーフレットによる周知徹底 ○平成23年6月、熊本県が中国産「ひのみどり」の疑 いのある畳表を種苗管理センター品種保護Gメン と共に現地調査。 ○平成23年7月、種苗管理センターのDNA検査の結 果、「ひのみどり」であることを確認。 <その後の対応> ●税関との連名によるリーフレットを作成・配布し、国 内関係業者等へ周知徹底。 ●中国政府に対し、中国国内で「ひのみどり」の栽 培、我が国への輸出を行わないよう要請。 DNA判別機器 ▲ひのみどり 直径約1.10㎜ ▲一般品種 直径約1.35㎜

中国における地名等の

商標登録出願事例

中国で地名が商標登録されてしま うと、日本の農林水産物の海外展開 に悪影響を与えるおそれがあること から、商標出願を監視し、不当な出願 には異議申立てを実施。 以下の事例については、いずれも 日本からの異議申立てが認められて いる。 出願商標名 青森 青淼(図形との組合せ) 鹿児島 静岡 山梨勝沼 チンミャオ

(6)

(1)我が国の農林水産物・食品は、海外において も一般的に安全で高品質なものとのイメージを 持たれているが、国際的な標準への適合は他 国に比べ高いとは言えない (2)食品に関する国際規格としては、Codex規格、 ISO規格等が存在 (1)我が国の農産物・食品を国際的に流通させるため、安全性・品質を 裏打ちする各種国際規格の普及を図り、国際的に信頼されるブラン ドを構築 (2)国際的に通用する規格の策定と国際規格化の推進 我が国の食品や食品事業者が世界で通用する基準で評価されるとともに、 世界の食品安全等の取組に貢献していくため、 ①食品安全を目的とした管理に関する規格・認証の仕組みの構築を推進 ②HACCP等の食品安全対策の知識を有する人材及び国際団体や会議 などで国際標準規格の策定に参画できる人材の育成 ③海外への情報発信 を官民連携して実現していく。

現状

取組方向

既存の国際規格の普及を図るとともに、新たな国際標準規格の策定に向けた取組を戦略的に進めることにより、

我が国の農林水産物・食品の輸出及び食料産業の海外展開の環境整備を図る。

2.食料産業における国際標準への戦略的対応

(1)我が国の農林水産物・食品の大幅な輸出拡大 を図っていくためには、国際標準への適合によ る信頼の確保が必要 (2)さらに、国産食品の輸出促進や我が国食品企 業の海外進出に資するため、我が国食料産業 の実態を踏まえた国際標準規格の策定に向けた 取組の推進が必要

課題

農林水産物・食品のブランドの高度化(イメージ) 我が国の 農林水産 物・食品 + 安全に対する 信頼 + 品質に対す る信頼 = 信頼される国際的に ブランド

<農産物・食品の安全性・品質に係る国際規格の例> ●HACCP:原材料の受け入れから最終製品までの各工程ごとに、危害を予 測(危害要因を分析)し、危害の防止につながる特に重要な工程 (重要管理点)を継続的に監視・記録する工程管理システム。 ●ISO9001:民間国際機関が制定した品質管理システムの国際規格。製品 そのものではなく、品質管理体制を規定するための規格。 GLOBALG.A.P:大手小売業者がそれぞれ策定していた取引条件としての 規格を民間団体である欧州小売業組合(EUREP)が主体と なり、標準化した規格。世界中の認証取得数の多さから、 事実上の国際標準となりつつある。

(7)

東町漁協高付加価値工場施設 アメリカ向けブリ切り身

養殖ブリをそのまま、あるいは切り身として、和食レストラン等

の寿司ネタ、刺身商材として輸出。肉質だけでなく、安全性、鮮

度保持性、おいしさ、栄養性など総合的に良質なものを提供。

【輸出実績等】

平成24年 輸出量519トン(平成元年比194%)

生産に占める輸出割合 約13%

【イノベーションのポイント】 ○シーフードショー、食品見本市出展によるPR。 ○平成17年にオリジナル飼料を開発。稚魚から出荷まで一貫生産を行い、種苗・ いけす・餌・病気の管理等、品質管理の徹底。

イノベーションの効果】 ○平成10年、加工場対米HACCP認証 ○平成15年、対EU水産物輸出施設認定 ○平成16年、かごしまのさかなづくり推進協議会から「かごしまの さかな」ブランド として認定。 ○国内外向け加工品について徹底した衛生管理を行っており、その結果、信頼を 得ている。

鹿児島県 東町漁業協同組合 (養殖ブリを米国、台湾、香港、EUへ)

(鹿児島県長島町)

(参考)HACCP認証の取得によるブランド価値の向上と輸出促進の取組

(8)

3.地理的表示保護制度の活用の推進

・ 地理的表示法が26年6月に成立 ・ 27年6月までの施行に向け、準備中 ・ 我が国としては新しい知的財産分野であり、制度 自体が生産地・産地に十分認知されていない。 ・ 登録された地理的表示は、単に地名を冠した商品 というだけではなく、「品質保証付き商品」であることを 需要者に周知する必要。 (1) 地理的表示への登録申請支援 ○ 説明会の開催や相談窓口の活用により地理的表示への登録申 請をサポート (2) 地理的表示保護制度の周知活動と適切な制度運用を通じた、 地理的表示産品の信頼価値の創出 ○ GIマークのPR等を通じた地理的表示保護制度の普及啓発 ○ 登録産品を活用したPR活動の実施 (3) 新たな地域ブランド戦略づくりに向けた気運の醸成 ○ 伝統野菜等、地域で育まれた農林水産物・食品について保護す る新たな法的な枠組みが生まれたことから、各地域においても新 たな地域ブランド戦略の展開が可能に。 (例) ・ 地理的表示制度の持つ、「地域との結びつき」「地域共有の 知的財産」という点に着目した、地域ぐるみでの取組推進 ・ 将来的な地理的表示への登録を見据え、新しい地域ブランド 産品を育成者権、地域団体商標等で保護しつつ育成すると いう中長期的な戦略づくり (4) 海外における地理的表示産品の保護 ○ GIマークの海外商標登録により、真正品を海外でも判別可能に ○ 国際協定等を通じた、諸外国と相互に地理的表示産品を保護す る枠組みづくりを促進 現状 課題 取組方向

地理的表示法(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)が

27年6月までに施行され、我が国の特色ある

農林水産物・食品等を保護する新たな仕組みの運用が開始。地理的表示(GI)が登録された産品は、その地域の

自然的特性や人的特性と結びついた独自性を持ち、一定の品質が保証される産品であり、その高い価値が維持・

向上されるよう、周知活動を行うとともに、適切な制度運用を行う。

地域団体商標を取得している農林水産物等の状況(309品目) (H26.10現在)

(9)

(参考)

農林水産物・

食品の輸出促進

地域ブランドの

保護・活用によ

る農山漁村・地

域の活性化

消費者の利益

の保護

○ 地域ブランド産品として差別化が図られ、

価格に反映

一定の品質を満たす産品のみ

が地理的表示を付すこと

ができ、地域ブランド産品の

品質を保証

[EUの具体例]

○ 仏の「ブレス鶏」は一般品の4倍の価格で取引。

「ブレス鶏」とは、仏中東部のブレス地方の鶏。5週齢以上になると 放牧する等、伝統的な方法で飼養。

品質を守るもののみが市場に流通。

※ 地理的表示の登録を受けた産品にGIマークを貼付す

ることにより、

輸出先国においても我が国の真正な特

産品であることが明示

され、差別化が図られる。

EUのマーク タイのマーク

○ 不正使用に対して

行政が取締りを行う

ことで、生産者にとっては、

訴訟等の負担なく、自分たちのブランドの保護

が可能。

地理的表示保護制度導入のメリット

○ 真の日本の特産品の

海外展開に寄与。

※ GIマークにより、

他の産品との差別化

が図られる。

○ 仏の「エスプレット唐辛子」は、取組の成果により

① 価格や生産者が倍増するとともに、

② 観光客の増加が図られている(年間60万人来訪)

「エスプレット唐辛子」とは、仏南西部のエスプレット等の地域の唐辛子。 古くから地域の伝統料理に用いられ、コショウに似た、辛さと甘みの合 わさった味わいが特徴。

(10)

4.知的財産の総合的な活用の推進

(1)知的財産を事業に活用し収益をあげるとの意識が不十 分 (2)6次産業化事業者や中小食品事業者等において、事業 化を意識した知的財産の権利化や秘匿の検討が不十分 (1)高品質な我が国農林水産物・食品の「強み」を保護する ためには、複数 の知的財産の活用等の戦略的知財マネジ メントを普及する必要 (2)ビジネスモデルと知財マネジメントの基本についての理 解が必要 「戦略的知的財産活用マニュアル」(平成26年4月)の普及 ○ 育成者権と商標権の組み合わせ等による戦略的なブランドの強化 ○ ビジネスモデルやマーケティング戦略を明確にした知的財産の戦略的な 保護・活用 ○ F1(ハイブリッド)品種を活用したビジネス展開 現状 課題 取組方向

産業振興の観点から、育成者権、商標権等の知的財産のそれぞれの特徴を生かした組み合わせによる活用、ビジ

ネスモデルの明確化とそれを支える知財マネジメントの展開を推進する。

オープンとクローズの使い分け・組合せ ☑どこまでを開示するか、どこまでを秘匿するかを 事前にしっかりデザイン ☑特許出願による技術開示は敵に塩を送ることに なりかねない! ☑クローズド領域の形成による収益確保 ☑オープン領域の確保による市場形成の加速化 (妹尾,2014) ★目的に合わせて、それぞれの知的財産の特性を踏まえて、複数の知的 財産権を組み合わせるなど戦略的な活用が重要 【知的財産権】 育成者権、商標権、特許権、実用新案権、意匠権等 ★保護期間の違いの把握 ★有効な知的財産権の組合せの検討 ★権利の許諾によるロイヤリティ収入の確保 水稲「みつひかり」の事例 母系 父系 F 1 ・超多収 大手外食産業 卸 実需等のニーズに対応して、新品種・技術 の開発から保護・普及までを一貫して実施 し、「強み」のあるブランド農産物を作出 ・製粉業者と連携し、とんこつ ラーメンに適した品種を育成 ・製粉業者からの分析データ をもとに、栽培や品質管理を 徹底 ・品種名「ちくしW2号」と異な る名称「ラー麦」を商標登録 ・ラー麦を使ったラーメン店の みに商標の使用を許諾 ラー麦の事例

(11)

(参考)知的財産の戦略的活用(ゼスプリ ~育成者権+マーケティング戦略~)

11

植物新品種の育成

・2005年12月に登録。

・ゼスプリインターナショナルリミテッ

ドが育成。

・黄色い果肉で食味良好。

・ニュージーランド産を日本産の端境期に

出荷できる。

品種登録:「

Hort16A」

日本国内でのライセンス契約

・2001年 県農えひめ及び東予園芸農業

協同組合と生産契約締結

・2002年 愛媛県中央農業協同組合と生産

契約締結

・2004年 佐賀県の生産者とも同契約締結

栽培契約面積:愛媛県 85ha

佐賀県 55ha

生産者数 :愛媛県 約440名

佐賀県 約160名

①プロダクツ(製品):統一規格と高度商品管理による「甘い食べ頃果実」 の安定提供 ②プライス(価格):効率的な物流と商品管理による買いやすい価格設定 ③プレイス(販売場所):指定スーパーマーケット等を中心とした流通戦略 ④プロモーション(販売促進):効果的なテレビCMと積極的販売促進支援 態勢の構築(写真1)

マーケティングの基本の4つの

Pを確実に押さえる

「ゼスプリ」 「ZESPRI」 「ゼスプリ・ゴールド」 「ZESPRI GOLD」 Zespri」

「ZESPRI GOLD KIWIFRUIT」

日本国内のキウイフルーツマーケットの拡大

スウィートグリーン サンゴールド

複数の商標を取得

新たな品種の育成

グリーンとは違っ た新しい甘さとフ レッシュ感! ゴールドキウイよ りも甘く栄養価が 高いのが特長

(12)

ハンバーガーのバンズとして活用 一般的な「なす」の3~4本くらいの大きな 「萩たまげなす」の特徴を生かし、輪切りに したものに衣をつけてバンズとして活用。 季節限定販売だが、売れ行きは好調。 奈良県の伝統野菜を伝統産業である素麺に練り込み、職人技で美しく曲げて、 3色の手延べ素麺として商品化。 昨年度大手デパートそうめんの売れ筋ランキング第1位。

大和野菜(奈良県)

萩たまげなす(山口県)

和食の世界文化遺産登録や時代のニーズが追い風となり、『伝統野菜』へと目を向ける機運が現在高まっている。 当省では、平成25年度に「にっぽん伝統野菜フェスタ」・料理教室・セミナーなどを開催したほか地域の魅力ある産品の データベースの構築も併せて整備中であり、伝統野菜の魅力の発信と普及啓発に努めているところである。 ・ 「にっぽん伝統野菜フェスタ」 in 東京交通会館 平成26年3月10日(月)に伝統野菜の魅力を全 国に発信するため「商談会」・「テストマーケティン グ」・「ワークショップ」を開催。 商談数は、約1,000件にのぼり、今後に期待。 【個性豊かな伝統野菜】左上:源助大根 左下:紅大根 中:相模 半白節成 右:松代一本ねぎ

各地における活用事例

【下北春まな】 【大和まな】 【大和いも】 素麺の原材料として活用

農林水産省での取組状況

(参考)伝統野菜の活用事例

10

(13)

5.新品種・新技術の開発・保護・普及

(1) 多様化・高度化する実需者や消費者のニーズに対応 した農産物づくりが重要な課題 (2) 一部の品種は海外に流出 (1) 品種開発段階から実需者、産地、研究機関、行政な どの連携を強化し、「強み」のある新品種や技術を開発 する必要 (2) 育成された品種、技術を知的財産の戦略的活用によ り保護する必要 (1) 「強み」を生み出す 産学官の技術力を活かし、実需者等のニーズを踏まえた新品種を開発 (2) 「強み」を活かす 新技術の活用による栽培・品質管理の高度化等によりブランド産地を形成 (3) 「強み」を守る 育成者権と商標権の組合せ等の戦略的な知的財産の活用により、農産物を 保護 (4) 「強み」を支える 品種供給の鍵となる種苗の機動的な供給体制の整備などにより、強みが 発揮できる環境を整備 現状 課題 取組方向

新たな品種や生産技術を用いて、消費者や実需者のニーズに的確に対応するとともに、知的財産を戦略的に活用

し、品質・ブランド力など「強み」のある農畜産物を日本各地に続々と生み出す。

(具体例) 実需等のニーズに対応して、新品種・技術の開発 から保護・普及までを一貫して実施し、「強み」のあるブラ ンド農産物を作出。(福岡県:ラー麦) ・製粉業者と連携し、とんこつラーメンに適した品種 を育成 ・製粉業者からの分析データをもとに、栽培や品質 管理を徹底 ・品種名「ちくしW2号」と異なる名称「ラー麦」を商標 登録 ・ラー麦を使ったラーメン店のみに商標の使用を許諾 1 「強み」を生み出す 実需者・産地と連携したマー ケットイン型育種への転換等によ り、新品種等を次々と生み出す 2 〈品種開発の加速化〉 「強み」を活かす 〈産地化支援〉 IT等の新技術の活用による栽培・ 品質管理の高度化等により、「強み」 を活かした産地を全国に形成 3 「強み」を守る 〈知的財産の保護・活用〉 育成者権、商標権等の知財 を組み合わせるなど知財の戦 略的な保護により産地の「強 み」を保護 品種開発から産地化まで一連の取組を戦略的に推進するためのコンソーシアムを各地に形成 実需者 研究機関 種苗・IT等の民間企業 生産者・産地 行政・普及 4 「強み」を支える 〈強みが発揮できるようにするための環境作り〉

11

● 海外遺伝資源の戦略的収集による育種素材の確保 ● オランダの取組をモデルとした種苗会社を 支援する体制の整備 ● 埋もれている品種や技術の発掘 ● 品種供給の鍵となる種苗の機動的な供給 体制の整備 新品種・新技術の開発・保護・普及の方針 育成者権:品種登録することにより新品種を保護。保護期間25年(更新不可)。 稲、麦、大豆は都道府県が育成者権を有していることが多い。 商 標 権:保護期間10年(更新可能)。更新を繰り返すことにより永続的に名称 を使用可能。

(14)

○海外における権利取得と輸出促進

○国内における取組(

育成者権と商標権を活用

した戦略的ブランド展開)

果実の販売

・2002年にJA全農が

商標登録。

・「

かい」「

るい」「

おきい」「

まい」の頭

文字をとった「

あまおう

」の名称で販売。

・福岡県とJA全農ふくれんが一体となって

ブランド化。

商標:「あまおう」

植物新品種の育成

・2001年福岡県が品種登録

出願。2005年1月に登録。

・福岡県農業総合試験場で育成。

・厳冬期にも赤く色づき、果皮の張りが良く

光沢が優れる。

・丸く形が整っており、糖度が高い。

品種登録:「福岡S6号」

福岡県は JA全農ふくれん と契約。 香港 輸出促進 タイ ・福岡県産農産物の輸出用ブランドマーク で商品価値を高める取組を展開。 ・香港、台湾を中心に福岡フェア等を開催。 東京都内での販売価格 約800円(H26年12月) (注)1パック(300g)の小売価格(聞取り))

権利取得の状況

・福岡県が中国において育成者権を取得。韓 国では出願審査中。 品種登録:「福岡S6号」 ・JA全農が香港、中国、韓国及び台湾において 商標登録。 商標:「あまおう」 シンガポール 台湾

(参考)育成者権と商標権の活用によるブランドの強化

12

タイでの販売価格 3,600円(H26年12月)

(15)

6.種苗産業の共通課題の解消策の総合的な推進

種苗産業は、優良な新品種の高品質種苗の供給を通じ、農業生産・食料安全保障をその基盤から支える産業。他

の先進国と比して個々の規模は小さい我が国種苗産業の産業構造に即した対策を推進。

(1)世界の市場と貿易の拡大 <世界の種苗貿易> 30億ドル(1990)→100億ドル(2012) (2) 育成者権の利用拡大 <育成者権の出願件数> 日本は毎年約1,000件(世界5位) 海外への品種登録出願件数は、年々増加傾向 (1)事業の国際化、育種競争の激化 - 輸出先の制度・規制の把握、無病性の担保 - 新品種育成に不可欠な海外遺伝資源の確保の困難化 (2) 海外における知財の保護 - 新品種に係る育成者権の保護制度は、東アジア等諸国では 未整備・不十分 (1)オランダの取組をモデルとする体制 (2) 海外での育成者権保護の強化に向けた取組 東アジア諸国等に対し、 ① 様々な外交機会を通じ、育成者権保護制度の整備・充実に向けて働きか け ② 国際協力を通じ、育成者権保護制度運営能力の向上について支援

現状

課題

取組方向

(参考)東アジア地域における「植物新品種保護国際同盟 (UPOV)」加盟の状況 UPOV91年条約:全ての植物品種が保護対象 UPOV78年条約:保護対象品種は限定的ああ UPOV未加盟 (育成者権の保護制度がない) ○ 種苗産業の振興には、産官学連携による総合的な体制構築と、育成された新品種 の育成者権の的確な保護が不可欠 ※UPOV条約:植物の新品種の保護に関する国際条約

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東アジア地域の品種保護制度の整備を 進めるため、日本が主導し、ASEAN+日 中韓の13カ国から成る「東アジア植物品種 保護フォーラム」を平成20年に設立し、技術 協力、情報交換を実施。(フォーラム本会合 は各国持ち回りで開催) プランタム ○世界第1位の種苗大国であるオ ランダで は、プランタム(約 400の 種苗会社で構成される組織) が中 心となり、遺伝資源の収集や知的 財産の保護、種苗のマーケッティ ング等を行うなど、産学官連携に より種苗産業を 支援。 プランタムのオフィス 先進事例(オランダ) 優良な新品種、高品質な種苗の供給基盤及び権利の保護・ 活用を強化することにより、農業の成長産業化に貢献 「東アジア植物品種保護フォーラム」第7回会合 (2014年8月7日、於ラオス) 東アジア植物品種保護フォーラム KeyGene ○ オランダ政府と種苗会社の共同 出資により、先端技術研究・育種の 拠点として設立。DNAマーカー育種 等のサービスを実施。 ①遺伝資源の収集・提供、海外との交渉 ②オープンラボ(検疫証明書に必要な病害検 査等の代行、DNAマーカー選抜等) ③輸出先の制度等の調査・提供 ④種苗の増殖・供給のあっせん等 ⑤育成者権の許諾・ロイヤリティ回収の代行 ⑥育成者権の侵害対策 種苗産業の取組体制

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○八幡平市がりんどうの新品種を開発し、国内外で知的財産権(育成者権、商標権)を取得、「安代りんどう

をブランド化。

○生産者と専用利用契約を結び、種・苗の供給、栽培指導を行うほか、ロイヤリティを回収し、新品種育成

資金を確保。

○南半球での契約栽培により、世界市場へ周年供給が可能。さらに、ニュージーランドと合同育種を実施。

(参考)知的財産の戦略的活用(安代りんどう ~国内外で知的財産を取得~)

EU市場

米国市場

チリ

周年供給

切り花輸出

4万本)

ニュージーランド

生産者数:3

栽培面積:2.0ha

販売金額:11万NZドル

生産者数:5

栽培面積:6.0ha

販売金額:13万USドル

種・苗供給

ロイヤリティ回収

(販売金額の3%)

4万本)

ピーク時販売金額

4,500万円(2008年)

近年は

販売縮小

日本市場

切り花輸出

30万本)

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2011年のデータ に基づき作成

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7.ICTの活用による農業分野の知的財産のデータ化及びその活用の促進

(1)農家の高齢化とともに重要な知的財産の喪失が危惧 (2)農業分野でのIT活用は限定的 (1)ノウハウデータ等の知的財産の取扱ルールがないことか ら、データの高度利活用が困難である上、海外へのノウハウ 流出等が懸念される。 (2)データのインターオペラビリティ(相互運用性/移植性)や ポータビリティ(可搬性/自主運用性)が確保されていない。 (1)AIシステム等を用いた知的財産の継承による農業の産業 競争力の向上 (2)データでつながるバリューチェーンの構築による市場開拓・ 販売力強化 (3)周辺産業における知的財産の活用による、農業関連産業 の高度化

現状

課題

取組方向

重要な知的財産である篤農家の匠の技をICTによりデータ化し、新規就農者等に円滑に継承するとともに、収益向

上や周辺産業の活性化等に活用。

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情報の創成・ 流通促進 農業の産業 競争力向上 関連産業の 高度化 市場開拓・ 販売力強化 農林水産物輸出額 1兆円の達成 情報・ノウハウの価値 に関する普及啓発 農業情報の相互運用性・可搬性の確保に資する標準化や情報の取扱いに関する本 戦略に基づくガイドライン等の策定 情報・ノウハウの海外流出防止のための 留意事項に関する普及啓発 平成26年6月3日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定

(参考)農業情報創成・流通促進戦略の概要

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(参考)農業情報科学(AIシステム)を活用した学習支援システムの開発

~科学の力で技能を継承~ (JAふくおか八女)

1 概要 ・福岡県八女市のカンキツ産地では、被覆資材(マルチ)と点滴灌水(ドリップ)を組み合わせ た栽培法を一部で導入。 ・生産者の高齢化に伴い、熟練農家が長年の経験により蓄積してきた栽培ノウハウの継承が課題。 ・マニュアル化が困難とされていた熟練農家の高度な生産技術を、ITを活用して「見える化」 し、新規就農者の学習に活用する実証試験を平成24年度から実施中。 2 取組の特徴 ・ 熟練農家の着眼点を記録するアイカメラや、動きを捕捉する位置情報・動作センサー等のI Tを活用して、熟練農家のノウハウをデータ化して蓄積。 ・ 蓄積したノウハウデータをタブレット端末等で参照して学習することで、新規就農者等が短 期間で熟練農家並みの高度な栽培技術を身につけられる。 ・平成26年度の実証においては、ミカンの摘果作業のポイントを、AIシステムにより学習する ことで、新規就農者が栽培するミカンの最終の品質(評価点)が9%向上。 ・ 全ての生産者が熟練農家と同等の技術をもってミカンを栽培する環境を作出し、地域全体と して収量や品質の向上に取り組む。 3 今後の展開方向 ・主要作業のうち、摘果作業については学習システムが完成し、有効性を検証する段階にあるが、 その他作業についてもデータ蓄積・検証等を進め、統合したカンキツ栽培学習システムの構築を 図る。 福岡県八女市 気づきデータ 写真、対象箇所、判断 理由 タブレットを用いて新 規就農者が栽培技術の ポイントを学習するシ ステムの導入により、 ミカンの品質が向上

参照

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