• 検索結果がありません。

アドホックネットワークのための蓄積型フラッディングプロトコルの提案

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "アドホックネットワークのための蓄積型フラッディングプロトコルの提案"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

『マルチメディア通信と分散処理ワークショップj 平成11年12月

アドホックネットワークのための蓄積型フラッデイングプロトコルの提案

萩 野 浩 明 原 隆 浩 塚 本 昌 彦 西 尾 章 治 郎

大阪大学大学院工学研究科情報システム工学専攻

f

E

-

mail: {hagino,hara,tuka,nishio }@ise.eng.osaka・u.ac.jp

本稿では,アドホックネットワークにおける移動体聞の接続性向上のための蓄積型フラッヂイングプロ トコルを提案する.アドホックネットワークでは,一般にパケットをフラツデイングすることで通信を 実現する.蓄積型フラッデイングプロトコルは,パケットのフラッデイング時に,移動体が受け取った パケットを一定時間保持しておき,その聞に接続した全ての移動体にパケットをフォワードする.これ によって,通信開始時に,通信を行う 2つの移動体の聞に通信経路が存在しない場合でも,その聞に位 置する移動体が移動して.パケットを物理的に中継することで通信が可能になるため,接続性の大幅な 向上が期待できる.

P

r

o

p

o

s

a

l

o

f

t

h

e

S

t

o

r

e

-

a

n

d

-

F

l

o

o

d

i

n

g

P

r

o

t

o

c

o

l

f

o

r

Ad-hoc Networks

Hiroaki HAGINO Takahiro HARA M槌ahikoTsukamoto Shojiro Nishio

Department of Information Systems Engineering

Graduate School of Engineering

Osaka Universityt

In this paper

in order to improve the connectivity in ad-hoc neもworks

we propo田 anew routing

protocol called the store-αnd-ftooding protocol. In conventional ad-hoc networks

packets are Hooded amonginもerconnectedmobile hosts to find the destination host. In our proposed protocol

if a rnobile host other than the destination host receives the packets

it stores the received packets for a while

and forwards the packets to mobile hosts which newly enter its communication range. As a result

even if a rouもefrorn the sender host to the de抗inationhost does not exist

when the sender starts to flood the packets

the packets can reach the destination via other hosもswhich move and relay山e packets. Thus

our proposed protocol can drastically improve the connectivity in ad-hoc networks. を 移 ッ ト が ホ ツ 体 ド ケ 動 ア パ 移 で が る こ 体 す そ 動 継 移 中 う る を ま す ト し 置 ツ て 位 ケ し こ . 、 . 市 巴 即 J 劉 の め が そ た 路 , の 経 は そ 信 合 ・ 通 場 る と る す る れ 継 す わ 中 動 -フフ ン J ' 線 無 ぴ ト 4 F お レ r u , 4・ ・ 量 軽 レ し Ji 型

+-e'

l

年 近 噌 i ストラクチャの整備により いつでもどこでもネット ワークにアクセス可能な移動体計算環境が急速に普及 しつつある.移動体計算環境は,移動体が必ず基地局 を経由して固定ネットワークにアクセスする環境と, 移動体自身がパケットを中継して相互に通信を行う環 境とに分類される.後者はアドホックネットワークと 呼ばれ,研究が盛んに行われている

[

1

]

[

3

]

[

9

]

.

アドホックネットワークでは,各移動体がルータの 機能をもち,直接接続していない移動体問で通信が行 f〒5o5・0871大阪府吹田市山田丘 2・1

t

2-1 Yamadaok王,a弘Suita, Osak王a,Japan, 565・0871

クネットワークでは,通信時にフラッデイングと呼ば れる技術が利用される.フラッデイングとは,宛先を探 すための制限っきプロードキャストのことを指し,パ ケットを受け取った移動体は,その宛先が自局でなく パケットのホップ制限が満たされていないなら,その パケットを,さらに自局と直接接続している移動体へ フォワードする.最終的に,宛先までパケットがフォ ワードされると経路が発見される. しかし,ユーザが自由に移動する環境では,通信し たい相手との聞に通信経路自体が存在しない可能性も あり,そのような場合にはフラッデイングを行っても 通信経路を発見できない.そのため,単純なフラッデイ

(2)

ングでは接続性の点において,ユーザの要求を満たす ことは困難である. そこで本稿では,アドホックネットワークにおける移 動体問の接続性の向上を目的として,蓄積型フラッデイ ングプロトコル(SFP:Store-and-Flooding Protocol) を提案する.SFPでは,パケットを受け取った移動体 がそのパケットを一定時間保持しておき,新たに接続 した移動体を検出するとその移動体にもパケットをフォ ワードする.これによって,通信開始時に,通信を行 う2つの移動体の聞に通信経路が存在しない場合でも, その聞に位置する移動体が移動することで,パケット を物理的に中継することができ,接続性の大幅な向上 が期待できる. 以下では,

2

章において,これまでに提案されてい るアドホックネットワークにおけるルーテイングプロ トコルについて説明する.3章で本稿で提案する SFP について説明し, 4章でSFPの性能評価のために行っ たシミュレーション実験について述べる.5章で,性能 以外の観点からSFPを考察し,最後に6章で結論と今 後の課題を述べる.

2

関連研究

体が一定ホップ内の経路情報を定期的に獲得し,それ 以上離れている移動体に対してはフラッデイングを用 いて通信する方式が取られている. これまでに挙げた全てのプロトコルでは,通信発生 時に通信元移動体と宛先移動体の聞に通信経路が存在 しなければ通信はできない.一方,提案プロトコルで は通信経路が存在しなくても,移動体が物理的にパケッ トを運ぶことで通信が可能になる場合がある.そのた め,移動体聞の接続性が大幅に向上するものと考えら れる. 文献

[

6

]

では,モーパイルエージェントを用いて,ア プリケーション層でアドホックネットワークを実現す るアプローチが提案されており,実際にDSRをモーパ イルエージェントシステムを用いて実現している.こ のシステムでは,エージェントがデータとしてパケッ トと必要な状態情報を保持し,移動体問を移動するこ とで,状態情報の処理を容易にしている.また,エー ジェントが他の移動体の接続を待って,その移動体へ 移動することで,本研究と同様にフラツデイングの際 にパケットを蓄積することができる.しかし,このア プローチはアプリケーション層で実現されているため, 汎用性が低い. 1 ETF (In terneもEngineeringTask Force)では,'"

3

蓄積型フラッディングプロトコル

ドホックネットワークにおけるルーテイングプロトコル がいくつか提案されている.フラッデイングを用いない プロトコルとしては, DSDV (Destination-Sequenced Distance Vector)[lO]が提案されている.DSDVは,定 期的なプロードキャストにより経路情報を獲得する距 離ベクトル型ルーテイングプロトコJレである.このプロ トコルでは,トポロジが変化する度にネットワーク全体 で経路情報の更新が行われるため,移動体が頻繁に移動 するアドホックネットワークでは有効ではない.逆に通 信時にフラッデイングしか用いないプロトコルとして,

AODV (Ad Hoc On Demand Distance Vector)[l1]と DSR (Dynamic Source Routing) [2]がある.これらの プロトコルは,通信時に経路要求パケットのフラッデイ ングを行うことで経路情報を獲得し,その情報に基づい て通信を行う.しかし,通信時にフラッデイングで経路 を発見するため,通信が頻繁に発生する環境では有効で はない.そこで.ZRP (Zone Routing Protocol)[4]や CBRP (Cluster Based Routing Protocol)[5], ULSR (Uni-directiona.l Link State Routing)[8]では,各移動 本章では,筆者らの提案する蓄積型フラッデイング プロトコル (SFP)について説明する.SFPはIPパ ケットのオプションフィールドを用いて実現する.移 動体の移動が頻繁な環境を想定した従来のルーテイン グプロトコルでは,通信時に経路要求パケットをフラツ デイングして宛先への経路を発見し,その情報に基づ いて通信を行う.そのため,移動体の移動によって,通 信中にその経路が利用できなくなると,新たな経路を 発見するために再ぴフラッデイングを行わなければな らない.特に,本研究のように移動体の移動によって パケットを中継することを想定する場合は,経路要求 パケットが宛先へ到着した時点で経路の一部が既に断 線している可能性が高い.このような環境では,経路 要求パケットをフラッデイングするのではなく,デー タパケットを直接フラッデイングして宛先まで届ける 方が接続性が向上するものと考えられる.そこで,提 案するSFPでは,直接データパケットをフラッデイン グする.なお, ZRPやCBRP. ULSRなどのプロト

(3)

o

7 15 23 31(ピット) Header

~_LEN

I

HL LT ID 図 1:ヘッダフォーマット

!

一 O -4E ・ E ・ 0 一仰一 3 7 (ピット)

屯可

1 図2:オプションコード コルにおいて,パケットをフラッデイングする部分に のみ拡張を加えることで,

SFP

を,グループ化を用い る手法に容易に拡張できる.以下では,各移動体は一 定間隔でハローパケットを送出し,その交換によって, 直接接続している移動体を検出できるものとする.

3

.

1

ヘッダフォーマット

SFP

においてフラッデイングするデータパケットの ヘッダフォーマットを図 1に示す.図中の各フィール ドは以下の通りである.

Header:

通常の

I

P

ヘッダ.

OC:

オプションコード.

1

バイト.

HL:

ホップ制限.

2

バイト.

LT:

パケットの生存時間

.4

バイト.

I

D

:

パケット

I

D

.

各移動体が独立に設定する.Header に含まれる通信元アドレスとの組みでパケットを識別 できる. オプションコードは,図2に示すように, 3つのフィー ルドから成る.

CP:

コピーフラグ.

1

ピ・ット.

1

に固定.

OCl:

オプションクラス.

2

ピット.

0

に固定.

ON:

オプション番号.

5

ピット.

1

8

に固定.

3

.

2

プロトコルの動作

SFP

における通信の手

l

l

}

買を以下に示す. 1.通信を行う移動体は,送信するパケットに,ホッ プ制限とパケットの生存時間を設定し,フラッデイ ングを開始する.フラッデイングするパケットは 破棄せずに蓄積しておく.なお,この際の下位層 の宛先

MAC

アドレスはブロードキャストアドレ スを用いる. 2.パケットを受信した移動体は,自身が宛先の場合 はパケットを受け取り,フラッデイングを停止す る.自身が宛先でないなら,ホップ制限をデクリ メントし,それが

1

以上で,パケットの生存時聞 が終了していなければ,フラッデイングを続ける. またこのとき,フラッデイングしたパケットを蓄 積する.もし,パケットを蓄積する領域(パッフア) に空きがなければ,蓄積しているパケットのヘッ ダをチェックし,生存時聞が終わっているものを破 棄して新しいパケットを蓄積する.全てのパケッ トの生存時聞が終わっていない場合は,最も古く に受け取ったパケットを破棄する. 受け取ったパケットのホップ制限が 0,もしくは, パケットの生存時聞が終了しているなら,パケッ トを破棄してフラッデイングを停止する. 3.パケットを蓄積している移動体は,新たに自身に 接続した移動体を検出すると,まず蓄積している 全てのパケットのヘッダをチェックする.そして, その中で生存時間が終了していないパケットのみ を,検出した移動体に対してフラッデイングする. 生存時聞が終了しているパケットはフラッデイン グせずに破棄する.

4

シミュレーション評価

本章では,提案プロトコルの有効性を検証するため に行ったシミュレーション評価の結果を示す.提案プ ロトコルの比較対象としては,従来のフラッデイング によるルーテイング方式を用いた.

4

.

1

シミュレーションモデル

シミュレーション評価ではJ 10x 10のXY座標平面 上に移動体を

5

体配置し,それぞれの移動体が平面上 を自由に移動する環境を用いた.各移動体の移動の方 向は単位時間ごとに.ランダムに決定し,移動距離は平 均

5

の指数分布に基づいて決定した.各移動体が,単 位時間ごとに生成するパケットの個数を,平均

COAJ

(4)

0.7 雪0.6 商0.5 ま0.4 yO.3 0.1

u 0.5 、¥. 唱0;;;;;;;;;;;;二三Z 1・・・・・・・・・・・・・・ 1.5 COM 図3:通信頻度とパケット到達率 2 のポアソン分布に基づいて決定した.ここで,平面上 において,各移動体を中心とする半径2の円内を,そ の移動体の通信電波が到達可能な範囲とした.

S

F

P

に おいて,パケットの生存時間を 100単位時間,ホップ 制限を 10に設定し,各移動体はパケット BUF個分 のバッファをもつものとした.

4

.

2

シミュレーション結果

4.1節のモデルに基づいてシミュレーション評価を 行った.まず始めに ,BUFを10とし ,COMを変化 させたときの移動体聞の接続性を調べた.その結果を 図3に示す.ここで,パケット到達率は,ネットワー ク内の移動体が生成したパケット数に対する,宛先ま で到達したパケット数の割合として定義している.ま た,実線のグラフは

SFP

を,点線のグラフは従来のフ ラッデイングを示している.この結呆より,提案プロ トコルによって,パケットの到達率が大幅に向上する ことがわかる.特に,通信類度が非常に小さいときに は,到達率が約

6

倍となっている.また,従来のフラッ デイングでは,通信頻度が到達率にほとんど影響しな いのに対して,

S

F

P

では,通信頻度が大きくなるにし たがって,パケット到達率が小さくなっている.これ は,通信量に対して,バッフアサイズが十分ではない ため,パケットが宛先に届くまでに破棄されてしまう ことを示している.この結果から,

SFP

において接続 性を向上させるためには,通信量に応じた十分なサイ ズのバッファが必要であることがわかる. 次に, COMを0.5としt BUFを変化させたとき のパケット到達率の変化を調べた.その結果を図 4に 示す.まず,従来のフラッデイングではパケットの蓄 積を行わないため,バッフアサイズを変化させても, パケット到達率が変化していない.一方,

S

F

P

では, 0.5 0.45 0.4

0.35 璽 0.3 :L 0.25

t

0.2 て0.15 0.1 0.0

5

o

4 3.5 s 橿U .L

t

2 て1.5 Q.5

o

o

ノど

2 4 8 8

BUF 到達率

. /

./

/

/

/イケ

./

2 " 8 8 10 12 BUF 図

5

:

バッフアサイズとパケット量 パッフアサイズが大きくなると,パケット到達率が大 きく向上している.これは図 3とは逆に,十分なパッ フアサイズが得られれば,接続性が大幅に向上するこ とを示している. 以上の結果から,

S

F

P

では,バッフアサイズが接続 性に大きな影響を与えることがわかる.そこで最後に, 提案方式のオーバヘッドを調べるために ,BUFを変化 させたときの,各移動体が単位時間に受け取るパケッ ト数を調べた.その結呆を図

5

に示す.バッフアサイ ズが小さいときは,従来のフラッデイングと

SFP

の聞 の差は大きくないが,バッフアサイズが大きくなるに したがって,従来のフラッデイングと

SFP

との差が大 きくなっている.特に,バッフアサイズが 10のとき は,パケット数が9倍程度になっている.これによっ て,各移動体のパケット処理能力も大きく低下するた め,通信性能が劣化する.そこで,

SFP

では,移動体 聞の接続性仁通信性能とのトレードオフが重要な問 題であることがわかる.

5

考察

S

F

P

では,パケット送信時に通信経路が存在しない 場合でも通信が可能なため,移動体聞の接続性は向上

(5)

するが,従来のフラッデイングと比較してトラヒック が大きくなってしまう.本章では,このような問題点 を含めて,いくつかの観点から

SFP

について考察を 行う.

(

1

)

他のプロトコルとの関連性

SFP

における,フラッデイングの際にパケットを蓄 積するというアプローチは,従来のフラツデイングの 概念を拡張したものである.そのため,フラッデイン グを利用しているプロトコルであれば,そのプロトコ ルに蓄積型フラッデイングを導入することは容易であ る.ただし,従来のプロトコルの多くが,経路要求パ ケットをフラッデイングするため,データパケットの フラッデイングも可能にするような機能拡張が必要で ある. また,経路発見のためのフラッデイングと蓄積型フ ラッデイングは必ずしも排他関係にあるわけではない. パケットの生存時間を短く設定すれば,蓄積型フラッ デイングを用いて発見された経路を以後の通信に利用 できる可能性が高くなる.そこで,蓄積型フラッデイ ングにおいて通信経路の再利用性を高める方法として, 宛先からの応答が得られた場合に,まずパケットが宛 先まで届いた際の経路情報に基づいてパケットをルー テイングし,経路が途切れていることを検出すると, そこから宛先に対して蓄積型フラッデイングを行うこ となどが考えられる.

(

2

)

応用について 蓄積型フラッデイングを用いた応用としては,様々 なものが考えられる.以下にいくつかの例を示す. -提案プロトコルは,災害時などにおいて,ユーザ が助けを求める際などに利用できる.災害時には 固定ネットワークが破壊される可能性が高いため, アドホックネットワークの利用が有効であると考 えられているが,さらに蓄積型フラツデイングを 導入することによって,ユーザの送信するパケッ トが宛先へ到達する可能性が高まる. ・通信手段として,赤外線ポートのみをもっ

2

つ の計算機が,互いの赤外線の通信可能範囲よりも 遠くに位置している場合,直接通信することはで きない. しかし,

2

つの計算機の聞を移動体が行 き来しパケットを中継することで通信が可能にな る.これは,フロッビーディスクやファイル転送 を用いることでも実現できる.しかし,蓄積型フ ラッデイングプロトコルを用いることで,ユーザ は複雑な操作を意識せずに,通常の通信と同様に パケットを中継することが可能である.

• 2

つめの応用例を恋意的な利用とするとJ

1

つめ の応用例は恋意的ではない利用といえる.恋意的 な利用と怒意的でない利用の中間の応用例として, 道路に沿って 2つの移動体が位置している場合の 通信が考えられる.つまりJ

2

つの移動体が道路に そって離れた場所に存在する場合,インターネッ トに接続できない状況でも,道路を走る車が移動 体問で交換されるパケットを中継することで,通 信が可能である.

(

3

)

ネットワークに対する負荷 提案プロトコルは

I

P

を拡張することで実現される. そのため,移動体が

I

P

ルータとして機能する必要が あり,移動体に対する負荷が増加する.しかし,提案 プロトコルでは,経路情報の交換など,本来

I

P

}レー タが行うべき処理を必要としないため,増加する負荷 は実用上,問題にはならないものと考えられる. また,提案プロトコルでは,経路要求パケットをフ ラッデイングする従来のプロトコJレと比較すると, 1 回の通信でフラツデイングが行われる回数が多い.し かし,ユーザが自由に移動する環境では,トポロジの 変化が頻繁に発生するため,その度に経路要求を行わ なければならない従来プロトコルと,提案プロトコル との差は小きくなる. さらに,パケットがネットワーク内に長時間存在す るため,他のユーザの計算機資源を長時間占有してし まう.また,新たな移動体が接続する度に,パケット のフラッデイングを行うため,無線通信による電力消 費が大きいという問題もある. これらの問題点を緩和する方法として,

GPS

などか ら得られる位置情報を利用することが考えられる.文 献[可では,以前の通信時に獲得した宛先移動体の位置 情報に基づいて現在の位置を推測し,推測位置から遠 ざかる方向へはパケットをフラッデイングしない方法

(6)

を提案している.提案プロトコルにも,このような拡 張を加えることで, トラヒックを低減できるものと考 えられる.さらに

GPS

だけでなく,カーナピゲーショ ンのように目的地を設定できるシステムを利用すれば, 移動体の現在地を高精度に推測できるため,トラヒッ クをより低減できる.ただし,提案プロトコルに拡張 を加える場合は,ある移動体が宛先から遠ざかる方向 に存在しても,その後で宛先の存在する方向へ移動す る可能性を考慮する必要がある.そのため,移動体の 位置だけでなく,移動の方向や速度なども考慮してフ ラッデイングを行わなければならない.また,通信元 移動体と通信先移動体の位置関係を考慮して,方向に よってパケットを蓄積する時間を調整するアプローチ も考えられる.例えば,通信先移動体が存在する方向 を予想して,それとは反対方向に位置する移動体はパ ケットを蓄積せずに普通のフラッデイングを行うよう にし,通信先移動体と同じ方向に位置する移動体でパ ケットを蓄積することなどが考えられる.

6

おわりに

本稿では,アドホックネットワークにおける移動体 聞の接続性の向上を目的として,蓄積型フラッデイン グプロトコル

(SFP)

を提案した.

SFP

では,パケット をフラッデイングする際に,各移動体がパケットを蓄 積しておき,新たに接続した移動体を検出すると,蓄 積しておいたパケットを再びフラッデイングする.こ れによって,通信時に経路が存在しない場合でも,宛 先にパケットを送信することが可能となる. さらに,シミュレーション評価によって,提案プロ トコルが移動体聞の接続性を大幅に向上させることを 示した.また,提案したプロトコルに関して考察を行 い,その有効性および問題点について議論した. 今後は,提案プロトコルを実装し,実測評価を行う ことで,実環境における有効性を検証する必要がある.

参考文献

[

1

]

Broch

J

.

M

a

l

t

z

D

.

A

.

Johnson

D

.

B

.

Hu

Y

.

C

.

and J

e

t

c

h

e

v

a

J

.

:

A P

e

r

f

o

r

m

a

n

c

e

Com-p

a

r

i

s

o

n

o

f

Mul

.t

i

-

H

o

p

V

V

i

l'

e

l

e

s

s

Ad Hoc Network

Rou

.t

i

n

g

P

l'

o

t

o

c

o

l

s

"

P

r

o

c

.

l

1

f

o

b

'

i

c

o

m

'

9

8

p

p

.

1

5

9

-1

6

4

,1

9

9

8

.

[

2

]

Broch

J

.

J

o

h

n

s

o

n

D

.

B

.

and M

a

l

t

z

D

.

A

.

:

Dynamic S

o

u

r

c

e

Ro

u

t

i

n

g

i

n

Ad Hoc W

i

r

e

l

e

s

s

N

e

t

w

o

r

k

s

"

I

n

t

e

r

n

e

t

D

r

a

f

t

d

r

a

f

t

-

i

e

t

ι

m

a

n

e

t

-

d

s

r

O

O

.

t

x

t

1

9

9

8

.

[

3

]

Chen

T

.

W. and G

e

r

l

a

M

.

:

G

l

o

b

a

l

S

t

a

t

e

~ρut­

i

n

g

:

A

New Rρu

t

i

n

g

Scheme f

o

r

Ad-h

o

c

W

i

r

e

l

e

s

s

N

e

t

w

o

r

k

s

"

P

r

o

c

.

IEEE ICC'98

1998.

[

4

]

Ha

Z

.and P

e

a

r

l

m

a

n

M

.

:

The Zone R

o

u

t

i

n

g

P

r

o

t

o

c

o

l

(ZRP) f

o

r

Ad Hoc N

e

t

w

o

r

k

s

"

I

n

t

e

r

n

e

t

Dra

β

d

r

a

f

l

レi

e

t

f

mane

・も

z

o

n

e

-

z

r

p

-

O

l.

t

x

t

1

9

9

8

.

[

5

]

J

i

a

n

g

M.

L

i

J

.

and Tay

Y. C

.

:

Clu

s

-も

e

rB

e

dRou

t

i

n

g

Protocol(CBRP) F

u

n

c

t

i

o

n

a

l

S

p

e

c

c

i

o

n

"

I

n

t

e

r

n

e

t

D

r

a

f

t

d

r

a

f

t

-

I

e

t

ι

m

a

n

e

t

-c

b

r

p

-

s

p

e

c

0

0

.

x

t

1

9

9

8

.

[司河口信夫,外山勝彦,稲垣康普: “モパイルエ ージェントによるアドホックネットワークの構 築

J

'

ソフトウェア科学会

SPA'99

論文集,

URL:

h

t

t

p

:

/

/

w

w

w

.

s

o

f

t

l

a

b

.

i

s

.

u

k

u

b

a

.

a

c

.

j

p

/

s

p

a

9

9

p

r

o

c

/

0

2

6

-

k

a

w

a

g

u

c

h

i

.

p

d

f

1

9

9

9

.

[

7

]

Ko

Y

.

B

.

and V

a

i

d

y

a

N

.

H

.

:

L

o

c

a

t

i

o

I

Aided

Routing(LAR) i

n

M

o

b

i

l

e

Ad Hoc N

e

t

w

o

r

k

s

"

P

r

o

c

.

MOBICOM'98

1998.

[

8

]

西

i

畢正稔,萩野浩明,原隆浩,塚本昌彦,西尾章治 郎:“アドホックネットワークにおけるリンク状態 を考慮した片方向リンク対応ルーテイング方式" 情報処理学会マルチメディア,分散,協調とモー パイルシンポジウム論文集,

p

p

.

2

1

3

-

2

7

8

1

9

9

9

.

[

9

]

Park

V

.

and C

o

r

s

o

n

S

.

:

A H

i

g

h

l

y

A

d

a

p

t

i

v

e

D

i

s

t

r

i

b

u

t

e

d

R

ρ

u

t

i

n

g

A

l

g

o

r

i

t

h

m

f

o

r

M

o

b

i

l

e

W

i

r

e

-l

e

s

s

N

e

t

w

o

r

k

s

"

P

r

o

c

.

INFOCOM'97

1997.

[

1

0

]

P

e

r

k

i

n

s

C

.

and Bhagwat

P

.

:

D

e

s

t

i

r

i

o

n

-S

e

q

u

e

n

c

e

d

D

i

s

t

a

n

c

e

-V

e

c

t

o

r

"

I

n

t

e

r

n

e

t

Dr

a

β

d

r

a

f

t

-i

e

t

f

-

m

a

n

e

t

-

d

s

d

v

O

O

.

t

x

t

1

9

9

8

.

[

1

1

]

P

e

r

k

i

n

s

C

.

and R

o

y

e

r

E

.

:

Ad Hoc On D

e

-mand D

i

s

t

a

n

c

e

V

e

c

t

o

r

(AODV) Ro

u

t

i

n

g

"

I

n

-t

e

門 'J.

e

tDra

βI

d

r

a

f

レi

e

t

f

-

m

a

n

e

t

.

-

a

o

dv

0

2

.

x

,も

1

9

9

8

.

参照

関連したドキュメント

  BCI は脳から得られる情報を利用して,思考によりコ

2021] .さらに対応するプログラミング言語も作

前章 / 節からの流れで、計算可能な関数のもつ性質を抽象的に捉えることから始めよう。話を 単純にするために、以下では次のような型のプログラム を考える。 は部分関数 (

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

脱型時期などの違いが強度発現に大きな差を及ぼすと

すべての Web ページで HTTPS でのアクセスを提供することが必要である。サーバー証 明書を使った HTTPS

個別の事情等もあり提出を断念したケースがある。また、提案書を提出はしたものの、ニ

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば