84 1.カフェイン酸エステルによるタンパク質リジン 残基(ε一アミノ基)の呈色反応とその応用 (生化学)○堀川 博朗・降矢 榮 アミノ酸の弱アルカリ性溶液をカフェイン酸エステ ルの存在下でincubationすると溶液は緑色を呈して くる.この反応機構についてはすでに本学会で報告し アミノ酸が2分子のカフェイン酸エステルと縮合して 生ずる色素であることを明らかにした(東女医大誌49 巻10・11号1011∼1017頁1979年).この反応はタンパク 質でも起こりアミノ酸と同様に緑色溶液を呈する.こ の場合,反応基としてタンパク質構成アミノ酸の側鎖 である酸アミド基一CONH2(アスパラギン,グルタミ ン),グァニジン基(H2N)2CNH一(アルギニン),ε一ア ミノ基(リジン)およびN一末端アミノ基が予想される がε一アミノ基以外の側鎖とは反応せず,またN一末端 アミノ基は反応性が低くなる結果を示した.したがっ てタンパク質での呈色は主にリジン残基(ひアミノ基) に基づく反応であり,タンパク質の呈色反応として繁 用されているBiuret反応, Lowry法とは異なった特 徴をもっている. ところで生体内で起きている糖によるタンパク質の 非酵素的修飾すなわちnonenzymatic glycosylation は糖のアルデヒド基とタンパク質のリジン残基(ε・ア ミノ基)間の反応が主たる反応であり,加齢に伴う結 合組織などに認められる生化学的変化の原因と考えら れている.演者らは,この緑色反応を利用することに よってnonenzymatic glycosylationによるリジン残 基(ε一アミノ基)の減少を容易に測定することができる のではないかと考え,定量性について検討した, 2.Molony virusに対する日本脳炎ウィルスの干 渉作用について (微生物学)○厳 小智・町明美奈子・ 中野 寿夫・吉岡 守正
Molony sarcoma virus(MSV)はレトロウイルス の一種であり,マウスに肉腫を誘発し,試験管内では 線維細胞にtransfomlationをおこし, focusを形成す る.我々は,マウスに脳炎をおこす日本脳=炎ウィルス (JEV)によって, MSVが勿。勿。及び劾θ♂飽で干 渉されるかをみた. 材料と方法:MSVはマウス肉腫組織から精製して 使用した.JEVは中山(NIH)株を接種したマウスの 脳乳剤をウィルス液とし,56℃30分加熱不活化したも のと,同株をホルマリンで不活化した市販ワクチンを 用いた.勿η勿。の実験は3∼4日齢ddYマウスの背 にJEV O.05miを皮下注射し,一定時間後,同じ部位 にMSV O.05m1を接種,7∼10日間観察し,肉腫の有 無を観察した.勿碗名。の実験は3T3細胞を用い,1日 培養後,JEVを接種,90分間吸着させた.その後, MSV を接種し37℃で培養,7日後にフォーカスの有無を観 察した.培地は2∼3日後に一度交換した. 結果と考察:勿θ勿。の実験では加熱不活化,ホルマ