• 検索結果がありません。

日本語小節における格助詞脱落の可能性とproの有無

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "日本語小節における格助詞脱落の可能性とproの有無"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)日本 語 小 節 にお け る格 助 詞 脱 落 の可 能性 とproの. 井. 石. 0.は. 隆. 有無. 之. じめ に. 一 般 に文 中で. ,意. 味 的 な 主 述 関 係 を な す 構 造 を 小 節 と呼 ぶ 。. (1)a.JohnconsidersCheranhonestgirl]. b.ジ. ョ ン は[彼. 女 を 正 直 な 少 女 と]み. 英 語 で も 日 本 語 で も[]の. な して い る 。. 部 分 が 小 節 で あ る 。 小 節 の 特 徴 と し て,次. の2つ. が 挙 げ られ. る 。1) (2)a.主. 述 関 係 が あ るの に時 制 を超越 して い る。. b.主 まず,第. 語 が 主 格 で は な く,対 ユ節 で,生. 考 え 方 を 概 説 し,本 第2節. 格 で標 示 され る 。. 成 文 法 に お い て も種 々 の 提 案 が 存 在 す る 小 節 の 構 造 に つ い て,こ. れ まで の. 稿 の主 張 を示 す 。. で 日 本 語 に お け る 「格 」 と 「格 助 詞 」 の 問 題 を 扱 い,名. 詞 の 認 可 に対 す る原 理 で あ る. 「格 フ ィ ル タ ー 」 に つ い て 再 考 す る 。 第3節. で,日. 本 語 に お け る 省 略 の 現 象 を,英. 象 は,次. の2種. 類 を 想 定 す る こ とが で き る 。. (3)a.主 b.格. 語 や 目的 語 の 省 略 助詞脱落. 例 え ば,(4a)は. 主 語 の 省 略,(4b)は. 目 的 語 の 省 略,(5a)は. の 格 助 詞 脱 落 で あ る 。 但 し,(4a)のproは 示 し て い る 。 ま た,φ (4)a.昨 b.僕. 語 と比 較 し な が ら論 じ る 。 日本 語 に お け る 省 略 現. もpro勉. 主 語 の 省 略 部 分,(4b)のproは. は 格 助 詞 の 省 略 箇所 を示 す 。. 日,pro英. 語 を 勉 強 し た よ。 強 した よ。. (5)a.昨. 日,僕. φ,英. b.僕. も,英. 語 φ勉 強 し た よ 。. 主 格 の 格 助 詞 脱 落,(5b)は. 語 を勉 強 した よ。. 一27一. 対格. 目的 語 の省 略 部 分 を.

(2) 近畿大学語学 教育部紀 要3巻1号(2003・U) 日本 語 の 小 節 にお い て,格 助 詞 脱 落 の可 能 性 とproの 存 在 の 有 無 につ い て,第4節. で ま とめ る。. 以 上 述 べ た 論 理 的 展 開 に基 づ き,生 成 文 法 にお け る分 析 が ま だ完 全 で は な い と思 わ れ る 日本 語 の 「小 節 」 の 特 性 を,格 助 詞 の 脱 落 とproの 存 在 の2点. に焦 点 を絞 り,小 節 の 統 語 的 特 徴 を原 理. 的 に説 明 す る方 法 を提 案 す る こ とが,本 稿 の 目的 で あ る。. 1.小. 節 の 内 部 構 造. 1.1.小. 節 の 内 部 構 造 の2つ. の見 方. 小 節 の 内 部 構 造 に つ い て は,伝. 統 的 に2つ. (ユ96ユ)に 代 表 さ れ る 「単 一 構 成 素 分 析 」 で,も. の 考 え 方 が 存 在 し て い る 。1つ. は,Jespersen. う 一 つ はSonnenshein(1916)に. 代 表 され る. 「分 離 構 成 素 分 析 」 で あ る 。 生 成 文 法 の 立 場 か ら も,上 Williams(1980,1983)が. 1.2.Stowellの. 記 の2分. 析 が 存 在 す る が,前. 者 は. 代 表的な論考である。. 分析. X'図 式 に お け る 指 定 部 内 の 要 素 は,そ つ ま り,主. 者 はStowell(1981,1983),後. 語 はIP(=文)の. の 範 躊 内 の 主 語 と して 機 能 す る と い う 考 え 方 が あ る 。. 指 定 部 内 の み な ら ず,他. こ の 発 想 に お け る 主 語 は,範 え に 基 づ く の が,Stowellの. の 範 躊 に も存 在 す る と い う発 想 で あ る 。. 疇 横 断 的 主 語(subjectsacrosscategories)と. 呼 ば れ る が,こ. の考. 分 析 で あ る。. (6)a.[IPJohncriticizedMary] b.CNPJohn'scriticismofMary] 範 疇 横 断 的 主 語 の 考 え 方 に よ る と,IP主. 語 で あ る(6a)のJohnは,そ. れ に 対 応 す るNP内. で. も主 語 に な って い る。 先 に 挙 げ た(ユa)文 Stowellの. は,[]内. がNPで,NPの. 主 語 がherで. あ る と 分 析 で き る と す る の が,. 解 釈 で あ る。. Stowellは,APやPPす. ら主 語 を持 つ と考 え る 。. (7)a,Iconsider[aPthemayor[a'honest]]. b.工expect[ppthatsailor[P'offmyship]]. ま た,(8)の. 観 察 に よ り,considerが. 導 く小 節 は,NPとAPし. きる の で あ る 。 (8)a.*Iconsider[ppthatsailor[P'offmyship]コ.. 一2$一. か 選 択 しな い と考 え る こ とが で.

(3) 日 本 語 小 節 に お け る 格 助 詞 脱 落 の 可 能 性 とproの. 有無. b.*Iexpect[aPthemayor[a'honest]].. 1.3.Stowellの Stowellの. 分 析 の 問題 点 分 析 は,considerとexpectの. 求 め る 発 想 に 基 づ き,概. 統 語 的 振 る 舞 い の 違 い を,そ. し て 原 理 的 説 明 が 可 能 で あ る が,反. そ の 一 例 と し て,Kitagawa(1985)が expectがPPを. の補部の範躊選択の差 に. 例 も 数 多 く存 在 す る 。. 指 摘 す る よ う に,considerがAPを. 取 れ な い 場 合 や,. 取 れ な い場 合 が 存 在 す る。. (9)a.*Thedoctorconsiders[aPthatpatientCa'dead]tomorrow]]. b.*Iexpect[PPthatisland[P'offtheroute]]. (7a),(8a),(9a)を 法 的 で,変. 眺 め る と,意. 化[(8a)及. (8b),(9b)か. ら,expectの. を 示 す 場 合 は,非. 1.4.Williamsの Williamsの. び(9a)]を. 味 的 視 点 か ら,considerの 示 す 場 合 は,非. 補 部 が 変 化[(7b)]を. 文 法 的 な の で あ る 。 つ ま り,文. 補 部 が 状 態[(7a)]を. 表 す な ら文. 文 法 的 で あ る こ と が 分 か る 。 ま た,(7b), 表 す な ら 文 法 的 で,状. 法 性 は,意. 態[(8b)及. び(9b)]. 味 に よ る と判 断 で き る の で あ る 。. 分析 分 離 構 成 素 分 析 で は,(7a)は. 次 の よ う に分 析 で きる。. (10)ICvPconsiderCNPthemayor]CaPhonest]]. NPとAPは1つ. の 構 成 素 を な し て い な い 。1つ. 能 で あ る 。 生 成 文 法 で は,主 確 認 で き る の で,こ. 述 関 係 は,相. の 構 造 は,主. 互 にc統. の 構 成 素 を な し て い な く て も,主. 述 関 係 は可. 御 し て い る こ と が 条 件 で,(11)に よ り,そ. れが. 述 関係 を持 って い る と言 え る。. (11)IP /I II' /¥ IVP l V' /\considerNPAP DO themayorhonest. 1.5.'UVilliamsの WiUiamsの. 分 析 の 聞題 点. 分 析 も ま た,多. くの 反 例 が 指 摘 さ れ て い る 。 例 え ば,小. (12)Weconsider[thisbedsleptinbyEinstein].. 一29一. 節 内 で 受 身 文 が 可 能 で あ る。.

(4) 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要3巻1号(2003・11). ま た,小. 節 自体 が 主 語 位 置 に来 る こ とが あ る。. (13)Workersangryaboutthepayisjustthesortofsituationthattheadcampaignwas designedtoavoid. [Safir(1983)] 更 に,小. 節 の 主 語 は移 動 可 能 で あ る とい う現 象 もあ る。. q4)a.agirl;Iconsidert;honest. b.Who;doyouconsidert;thebestplayerinyourteam? [Radford(ユ988)] ω の 現 象 は,IPに る よ う なIPと 部 がIPで. お い て 可 能 な 現 象 で あ る か ら,小. 節 は 分 離 構 成 素 と い う よ り,⑮. に見 られ. い う 単 一 構 成 素 に よ っ て 成 立 し て い る と 考 え ら れ る の で あ る 。 ⑮ に お い て[]. あ る。. (15)a.agirli工think[tiishonest] b,Who;doyouthink[t;isthebestplayerinyourteam]?. 1.6.IP分. 析 の 矛盾. 1.2∼1.5で. 見 た よ う に,Stowellの. あ る 。 し か し,構. 単 一 構 成 素 分 析 もWilliamsの. 成 素 を な し て い な い わ け で は な い と 思 わ れ る 。 そ の 理 由 と し て,IPと. 性 が こ れ ま で に 指 摘 さ れ て い る 。 小 節 に は ⑯ の 特 徴 が あ る こ と が,そ 体 的 に 通 常 のIPを q6)a.小. 分 離 構 成 素 分 析 も不 十 分 で. 用 い た 場 合 と比 較 し て み る 。. 節 が 主 語 の 位 置 に ま と ま っ て く る こ とが あ る 。. b.小. 節 の 主 語 は移 動 で きる。. c.小. 節 の 述 語 は最 大 投 射 範 疇 で あ る。. d.小. 節 に は文 副 詞 が 入 りう る。. ⑰a.Workersangryaboutthepayis_〈. 小 節 〉[(13)]. b.Thatworkersareangryaboutthepayis... (18)a.agirlIconsiderhonest〈. ノ』、貨首〉[(14a)]. b.agirlIthinkishonest (19)a.Iconsiderher[NPanhonestgir1].<ノ. 』、負行>. b.工thinkthatshe[vPisanhonestgirl]. (20)a.Iconsidersurprisinglyheranhonestgirl.〈. 刀、負衡〉. 一30一. の 共 通. の 根 拠 で あ る 。 ⑰ 一⑳ で 具.

(5) 日 本 語 小 節 に お け る 格 助 詞 脱 落 の 可 能 性 とproの. 有無. b.Ithinkthatsurprisinglysheisanhonestgirl. 以 上 の こ と か ら,小 を 見 る と,小. 節 はIPと. 節 とIPが. (17b)か. ら,CPが. の 並 行 性 が 見 ら れ る と 通 常 考 え ら れ て い る 。 と こ ろ が,⑰. 並 行 的 と い う よ り も,CPと. ∼⑲. 並 行 的 なの で あ る。. 主 語 位 置 に 来 る と考 え られ る 。. ⑳a.*[lpWorkersareangryaboutthepay]is... b.CcPthat[iPworkersareangryaboutthepay]]is... IP自. 体 が 主 語 に 来 る こ と は な い の で,(17a)に. た,(18b)の. 構 造 もCPが. お け る 小 節 もCPと. 関 係 し て い る こ と は,埋. 考 え るの が 自然 で あ る。 ま. め 込 み 文 の 目 的 語 を 関 係 詞 化 す る とthatが. 出. 現 して よ い こ とか ら も明 白 で あ る。 (22)a.agirlIthink[cPCiPishonest]][(lSb)] b.agirlIthink[cPthat[iPJohnmet]] ま た,(19a)の. 小 節 と 並 行 的 な の は,や. は りCPで. あ る こ とが 分 か る 。. (23)a.Iconsider[cP[zPher[NPanhonestgirl]]]. b.Ithink[cPthat[IPshe[vPisanhonestgirl]]] 以 上 の こ と か ら,小. 1.7.CP分 1.6.で. 節 と 並 行 的 な の はCPで. あ る こ とが 明 らか な の で あ る。. 析の説明力 小 節 はCPで. 節 内 のIPが. あ る 可 能 性 を 示 し た が,そ. れ で もCPはIPを. 含 む こ と に は違 い な い。 小. どん な性 質 を持 っ て い る の か を 考 察 す る 。. (24)a.IconsiderheraprettygirL b.*Iconsiderherprettygirls. c.*Iconsiderthemaniceguy. d.Iconsiderthemniceguys. ⑳ か ら,小. 節 に は 時 制 は 感 じ ら れ な い が,数. の 一 致 現 象 が あ る こ と が 言 え る 。 従 っ て 他 のIP. と比 較 し て み る 。 ㈱a.[lpNPI[+Tense,+Agreement]VP](定. 形 節). b.[lpNPI[+Tense,-Agreement]VPコ(不. 定 詞 節)2). c.[lpNPI[-Tense,+Agreement]XP](小. 節). こ こ で 注 意 す べ き な の は,定. 形 節 や 不 定 詞 節 の 上 位 にCPが. こ れ は 定 形 節 に 疑 問 文 が あ る こ と や,不. 存 在 して い る とい う こ とで あ る。. 定 詞 節 に 意 味 上 の 主 語 が 現 れ る 場 合 にCP主. 一31一. 要 部 にfor.

(6) 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要3巻1号(2003・11) が 必 要 とな る こ とか ら も明 白 で あ る。 ㈱a.[cpWhat[c・did[lpyou[1'[vpdo]]]]]?(定. 形 節). b.[cp[c'for[lpyou[rto[vpdoit]]]]](不 小 節 のCP分. 析 は,英. 語 の 場 合,小. 定 詞 節). 節 の 意 味 上 の 主 語 が 主 格 に な ら ず,対. 格 に な る理 由 を 原理. 的 に説 明す る。 (27)a.Iconsiderherhonest. b. IP /1 工1' /\ 工VP l V' /¥ considerCP /I herC' /¥ CIP /I t21' /¥ IAP /I tlA' / honest. honestの 意 味 上 の主 語 と して のsheがAP指 を満 た す が,格 が 小 節 のIP主 上 位 のVP主 小 節 のCP分. 定 部 に生 じ,AP主. 要 部 か ら θ役 を受 け,θ 基 準. フ ィル ター に抵 触 す る の で,格 の 授 与 を 求 め て,IP指 要 部 は格 付 与 能 力 が な い の で,更. 要 部 か ら対 格 を付 与 さ れ,herと. に,格 を求 め てCP指. 定 部 に移 動 す る。 と こ ろ 定 部 に移 動 す る。 す る と,. して具 現 す る。3). 析 は,日 本 語 の小 節 に対 す る説 明力 を発 揮 す る。 例 え ば,(lb)の. 助 詞 の 「と」 の 入 る位 置 が 存 在 す る こ とを説 明 で きる。. 一32一. 日本 語 にお い て,.

(7) 日本 語 小 節 に お け る格 助 詞 脱 落 の可 能 性 とproの 有 無 ㈱a.ジ. ョン は彼 女 を正 直 な少 女 とみ な して い る。. b.IP /1 ジ ョ ン は1' /¥ 工VP l V' /¥ CPみ. な して い る. /1 彼 女 をCl /¥ IPと /1 t2 1' / \ 1 VP /¥ tlv' /\ NP(で. あ る). l N' /¥ 正直 な 日本 語 の. 少女. 「と」 は,英. 語 で はthatに. 当 た る こ と が 多 い 補 文 標 識 に 相 当 し,小. 入 っ て い る と 考 え られ る 。 こ れ は,that節. 節 のCP主. 要部 に. を 日 本 語 訳 す る場 合 に も 現 れ る 。. 9)a.Johnthinksthatsheisanhonestgirl. b.ジ. ョ ンは彼 女 が 正 直 な少 女 で あ る と考 え て い る。. (29b)の. 「と」 もCPの. 主 要 部 に 入 っ て い る 。 こ れ はthatも. 同 様,CP主. 要 部 に入 って い る の. と 共 通 して い る 。. 2.「. 格 」 の 問 題. 2.1.「. 格 」 に 関 す る 日英 比 較. 次 の(30a)文. を 前 置 詞 を 用 い て 名 詞 化 す る と(30b)に. な る。. (30)a.JahngaveMaryadoll. b.thegiftofadolltoMarybyJohn (30a)と. 比 較 す る と,(30b)に. お け るofadoll,toMary,byJohnは. そ れ ぞ れ,対. 格,与. 格,主. 格 で あ る と判 断 で き る 。 英 語 表 現 を そ の 日本 語 訳 と比 べ て み る と,前 こ と に な り,興. 味 深 い 。 ち ょ う ど,ofが. 置 詞 が 助 詞(別. 「を 」,toが. 一33一. 名 後 置 詞 と も 言 え る)に. 「に 」,byが. 相当する. 「が 」 に 相 当 し て い る 。.

(8) 、 己・ 、. 近畿 大学 語 学教 育 部 紀 要3巻1号(2003・ll) (31)a.thegiftofadolltoMarybyJohn b.ジ. ョ ンが メ ア リー に 人 形 を あ げ る こ と. 英 語 は 文 を 生 成 す る と き,主 が ほ と ん ど で あ る の に 対 し,日 英 語 で は,主 例 え ば,道. 格,対. 格,与. 具 格 の 場 合,英. あ る と い う 点 で,日. 格,対. 格,与. 格 の 順 に前 置 詞 が 消 失 す る可 能 性 を秘 め て い る こ と. 本 語 で は,通. 格 以 外 は,前. 常 助 詞 が 必 要 で あ る。. 置 詞 を 伴 う こ と が 殆 ど な の で,日. 語 で は 前 置 詞 のwithが. 必 要 で,日. 本 語 の 事 情 と重 な る。. 本 語 で は 後 置 詞 の 「で 」 が 必 要 で. 英 が 共 通 して い る。. (32)a.Billopenedthedoorwiththekey. b.ビ. 2.2.抽. ル は そ の 鍵 で ドア を 開 け た 。. 象 格 と形 態 格 の 区 分. 日本語 に お い て は,「 は じめ に」 で 示 した よ う に,格 助 詞 脱 落 と い う現 象 が あ る。 三 原(ユ998) は,以 下 の例 を 挙 げ て格 助 詞 脱 落現 象 を 説 明 して い る 。 φは 脱 落 して い る こ とを 示 す 。 ㈱. 太郎 ち ゃ ん{が/φ}お. 一 般 に ,IP指 VP主. 菓子{を/φ}食. 定 部 に 入 る 主 語 に 対 して,IP主. べ ち ゃっ た 。 要 部 が 主 格 を与 え,VP補. 部 に入 るNPに. 対 し,. 要 部 が 対 格 を与 え る もの と考 え られ て い る。. こ の格 につ い て は,日 本 語 の場 合,抽 象 格 と形 態 格 とい う区別 を想 定 で きる。 通 常,日 主 語 に は 「が 」 をつ け た形,目. 本語 は,. 的語 に は 「を」 をつ け た形 で現 れ る。 こ の よ うな助 詞 をつ け た形. を形 態 格 と呼 ぶ 。 と こ ろが,㈱ 文 の よ う に,日 本 語 で は 「が 」 や 「を」 をつ け な くて も文 法 的 で あ る とい え る場 合 が あ る。 そ の よ う な場 合 は,形 態 格 と して具 現 化 して い な い だ け で,や は り格 は与 え られ て い る と発 想 す べ きで あ る。 とい うの は,全 て のNPは. 格 を持 た な け れ ば な ら ない とす る 「格 フ ィル. ター 」 に抵 触 す るか らで あ る。 そ こ で,形 態 格 と して 具 現 して い な い 形 を抽 象 格 と呼 ん で 区 別 す る。 だ か ら,IP主. 要 部が抽. 象 格 を与 え る と助 詞 が 具 現 せ ず,形 態 格 を与 え る と助 詞 が 具 現 す る と考 え る こ とが で き るの で あ る。 英 語 の場 合 は,NPは. 形 態 を 変 え る こ とは な い の で,抽 象格 の み 与 え る もの と考 え る 。n>. 2.3.『 抽 象 格 ・形 態 格 二 元 論 』 の矛 盾 2。2.で. 述べ た 『 抽 象格 ・形態 格 二 元 論 』 は 矛盾 を は らん で い る 。 日本 文 に よっ て は,抽 象 格. が与 え られ な い,或 は,抽 象 格 が形 態 格 と して 具現 しな け れ ば な らな い例 が 数 多 く存 在 す る が,. 一34一.

(9) 日本語 小 節 に お け る格 助 詞 脱 落 の 可 能性 とproの 有 無 何 故,あ. る 場 合 に は 抽 象 格 と 形 態 格 の2つ. が 可 能 で,あ. る場 合 に は形 態 格 のみ が 選 択 さ れ る の か. を原 理 的 に説 明 で き な い。 例 え ば,(1b)の 鋤a.ジ. 「を 」 が 省 略 で き な い こ と を 確 認 し よ う 。. ョン は彼 女 を正 直 な少 女 とみ な して い る。. b.*ジ. ョ ン は 彼 女 φ正 直 な 少 女 と み な し て い る 。. 三 原(ユ998)で. は,こ. で は な い か ら,省. の 「を 」 は,(他. 動 詞 が 与 え る)抽. 略 で き な い と し て い る 。 即 ち,こ. で あ る と規 定 し て い る 。 だ か ら,こ [=(35a)]や,そ. の 他 の 後 置 詞,例. の. の. 象 格 が 形 態 格 と して 具 現 す る. 「を 」. 「を 」 は 提 示 機 能 を 果 た す 後 置 詞 の. 「を 」. 「を 」 が 省 略 で き な い の は,同. え ば 対 格 で は な く,道. じ提 示 機 能 を 有 す る. 具格 を表す. 「が 」. 「で 」 な ど[=(35b)]. が省 略 で きな い の と同 じで あ る と説 明 して い る。 ㈲a.象{が/*φ}鼻 b.太 更 に,三. が 長 い よ。. 郎 が ナ イ フ{で/*φ}ケ 原(1998)の. ー キ を切 っ た。. 考 え 方 に よ っ て,(34b)を. 図 式 化 す る と次 の よ う に な る。. P. ㈲. 幅. \殖. p/ 。 餌. 盤. 女 彼. \凧. \ 鞭/. /は ン ヨ ジ. すると 「 彼 女」 の 位 置 は,VP(主. 要 部)か. が 与 え られ る と格 フ ィル タ ー を満 足 させ,こ. ら対 格 を与 え られ る位 置 で,(対 格 とい う)抽 象 格 の文 が 認 可 さ れ て しま う。 文 の意 味 か ら,提 示 機 能. の 「を」 が 必 要 で あ る こ とは,別 の 原 理 を立 て て説 明 しな けれ ば な らな い。 三 原(1998)で. は,「 を」 の付 い た形 の 説 明 は 可 能 で あ る が,「 を」 を省 略 で きな い こ とを根 本. か ら は説 明 で き ない 。 また,「対 格 」 は抽 象 格 と形 態 格(=「. を」 と して具 現)の 両 方 が 可 能 で,. 例 えば 「提 示 機 能 」 の 「を」 は形 態 格 しか 受 け入 れ ない 理 由や,提 示 機 能 は,一 体 ど ん な種 類 に 属 す る格 で あ るの か な ど も説 明 で き ない 。5) また,そ. もそ も助 詞 を 「格 助 詞 」 と 「後 置 詞 」 の2つ. に分 け る必 然 性 も説 明 す るの が 難 しい と. 思われる。 更 に,(36)の図 式 で は 補 文 標 識 の 「と」 を入 れ る 場 所 が な い 。. 一35一.

(10) 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要3巻1号(2003・11) 2.4.『. 格 二 元 論 』 の廃 止 と. 2.3.で. 論 じ た 矛 盾 を解 消 す る た め に は,形. 生 成 文 法 で は,格 [-U,-N]の N]で. 『 格一元論』の提案. を与 え る 範 躊 は[-N]の. 態 格 とい う発 想 を廃 止 す る必 要 が あ る と思 わ れ る。 素 性 を 有 す る も の,即. 前 置 詞 が 格 を 与 え る 。 ま たIP主. ち,[+V,-N]の. 要 部 は 主 格 を 与 え る が,こ. 動 詞 と,. れ も 素 性 と し て は[-. あ る こ とに は違 い な い。. 英 語 の 前 置 詞 に 相 当 す る の が,日 ら,日. 本 語 の 助 詞 で あ る 。 但 し,NPの. 本 語 の 場 合 は 後 置 詞 と呼 ば れ る 。 本 稿 で は,全. 後 置 詞 は,英. 語 の 場 合 と 同 じ よ う に,素. 後に助詞が来 るのであるか. て の 助 詞 を 後 置 詞 と し て 考 え る 。 そ し て,. 性 は[-V,-N]で. あ る と 考 え ら れ る の で,後. 置詞 も. ま た 格 を 与 え る 能 力 を 持 つ も の で あ る と考 え る の が 自然 で あ る 。 「文 法 は 数 個 の 原 理 と パ ラ メ ー タ で 記 述 で き る 」 とす る の が,生 の で,英. 成 文 法 の基 本 的 考 え方 で あ る. 語 と 日本 語 の 違 い は パ ラ メ ー タ に よ り規 定 で き る 。. IPやVPの. よ う な 文 の 中 心 を な す 範 躊 に よ っ て 与 え ら れ る 格 の 格 付 与 傾 向 が,英. (「強 い 」 と い う 意 味)で,日 さ れ て い る と 考 え れ ば,次. 本 語 は マ イ ナ ス(「 弱 い 」 と い う 意 味)の. 語 は プラス. よ う にパ ラ メ ー タが 設 定. の 現 象 が 説 明 で き る 。6). eのa.JohnlovesMary. b.*ByJohnlovesofMary. ㈱a.ジ. ョ ン が メ ア リ ー を 愛 して い る 。. b.?ジ. ョン φ メ ア リー φ愛 して い る。. 日 本 語 で は 後 置 詞 に よ り格 付 与 さ れ る の で,後 与 さ れ な い 位 置 で も,即 (39)a.ジ b.メ (39b)がOKな. ち,ど. 置 詞 に よ り格 付 与 さ れ る 限 り,IPやVPに. の 位 置 に 主 語 や 目 的 語 が 現 れ て も,文 法 的 文 が 生 成 さ れ る の で あ る 。. ョンが メア リー を 愛 して い る 。 ア リー を ジ ョ ンが 愛 して い る 。 の は,「 メ ア リ ー 」 が 「愛 す る 」 と い う 動 詞 か ら 対 格 を 受 け て い る と い う よ り,. 「を 」 に よ り斜 格 を 受 け て い る か ら で あ る 。 ま た,日 語 のIP主. 格付. 本 語 で は 主 格 が 省 略 さ れ て よ い の は,日. 本. 要 部 の 格 付 与 傾 向 が マ イ ナ ス で あ る こ と に よ り説 明 で き る の で あ る 。. こ れ ま で に 論 じ た よ う に,英 を 有 す る と考 え る と,主. 語 の 前 置 詞 と 日本 語 の 後 置 詞 は 似 て お り,そ. れ ぞ れ が格 付 与 能力. 格 や 対 格 に お い て 抽 象 格 と形 態 格 の 概 念 を 当 て は め る 必 要 は な く な り,. 主 格 の 「が 」 や 対 格 の 「を 」 と い う後 置 詞 自 らが,そ. れ ぞ れ の格 を前 に 来 る 名詞 に与 え る とい う. 考 え で統 一 で きる。 そ し て,主. 格 や 対 格 の 後 置 詞 が 省 略 さ れ て もOKと. 一36一. 判 断 さ れ る[例. え ば ㈱ の 例]の. は,IP主. 要.

(11) 日本語小 節における格助 詞脱落の可能性 とproの 有無 部 か ら主 格 が 与 え られ る位 置 に 当該NPが. 生 じて い る た め,「 が」 を 伴 わ な い 主格 が そ のNPに. え られ,VP主. 要 部 か ら対 格 を与 え られ る 位 置 に当 該NPが. 格 が そ のNPに. 与 え られ るか らで あ る。. 2.5.提. 与. 生 じて い る た め,「 を」 を伴 わ な い対. 示 機 能 の 「を」 の省 略不 可 能性 の 『 格 一 元論 』 に よ る 説 明. 提 示 機 能 を有 す る 「を」 を省 略 した場 合 非 文 とな る の は,そ のNPの. 位 置 が構 造 的 に主 格 や 対. 格 を与 え る位 置 に移 動 で き ない か らで あ る。.  . 勘. 喝. 即. あ \終. 1. な \み. ロ. 佗. 組 曳∵. /は ン ヨ ジ. 21 , 1 \ Wl v P / ー. ㈲. \女 少. / 正直 な. 日本 語 にお い て は,格 付 与 傾 向 が マ イナ ス なの で,上 位 のVP2主 対 格 が 与 え られ る こ と は ない し,ま た,下 位 のIP1主. 要 部 か ら 「彼 女 」 に対 して,. 要 部 か ら 「彼 女 」 に対 して 構 造 的 に,主 格. を付 与 す る こ とが 不 可 能 な の で,「 を」 の な い 形 が,容 認 され ない の で あ る 。 つ ま り 「を」 の 省 略 不 可 能性 は,NPのS構. 造 で の 出現 位 置 に 関係 して い た の で あ る。7). 英 語 で は,格 付 与 傾 向 が プ ラ ス な の で,小 節 の意 味上 の 主語 は,上 位 のVP主 受 け る こ とが で き,そ の 結 果herと .,. 振 る 舞 い の 違 い は,パ. 2.6.主 2.5.で. い う形 が 具 現 す る の で あ る[(27b)参. 要 部 か ら対 格 を. 照]。 つ ま り,日 英 の. ラメ ー タの 設 定 の 差 に帰 着 す る の で あ る 。. 格 ・対 格 以 外 の 格 の 説 明 用 いた. 『小 節CP論. 』 と 『格 一 元 論 』 で,そ. 一37一. の他 の格 も説 明 可 能 で あ る。 例 え ば㈲ の.

(12) 近 畿 大 学 語 学 教 育 部紀 要3巻1号(2003・11) 文 の 文 法 性 の 原 理 的 説 明 を行 な う。 (41)a.象{が/*φ}鼻. が 長 い よ 。[=(35a)]. b,CP /1 象C' /¥ IPC /1\ 鼻 が1'よ / AP l A' / 長い 「鼻 が 長 い 」 に 主 述 関 係 が あ る の で,「 鼻 が 」 はIP指 「象 が 」 が 生 じ る 場 所 はCP指. 定 部 に生 じて い る と考 え られ る。 従 っ て. 定 部 に な る と 考 え ら れ る 。 と こ ろ が,そ. の 位 置 は 主 格 な ど構 造 的. な 格 を 受 け る こ と が で き な い 場 所 な の で,「 象 」 と い う 形 だ け で は 格 フ ィ ル タ ー を 満 た す こ と が で き ず,派 この. 生 す る 文(=「. が 」 が な い 文)は. 「象 」 が 認 可 さ れ る に は,後. 能 性 は,上. 置詞. 非 文 と 判 断 さ れ,事. 実 に合 致 す る。. 「が 」 が 必 要 な の で あ る 。 提 示 機 能 の. 「が 」 の 省 略 不 可. 記 の 構 造 に よ り説 明 で き る の で あ る 。. ち な み に,文. 尾 の終 助 詞. 「よ」 は,名. い 。 こ の 終 助 詞 は 文 字 通 りIP(=文)の. 詞 の 後 に 生 じ な い の で 後 置 詞 で は な く,格. 付与能力 はな. 最 後 に 付 加 さ れ て い る と み な す こ と が で き る の で,IP. 付 加 部 に 入 っ て い る と考 え ら れ る 。 尚,IP主. 要 部 は時 制 要 素 や 一 致 要 素 と い う非 語 彙 的 要 素 が. 入 っ て い る と考 え ら れ る 。 ま た,要. 素 が 入 っ て い な いCP主. 要 部 は,補. 文 標 識 で あ る 「と 」 等 が 入 る 。 上 記 の 構 造 は,補. 文 標 識 を 入 れ る こ とが で き る こ と を 暗 示 す る が,そ. れ は事 実 に合 致 す る 。. 働 象 が 鼻 が 長 い よ と太 郎 が 言 っ た 。 (43)a.太. 郎 が ナ イ フ{で/*φ}ケ. ー キ を 切 っ た 。[=(35b)]. b,IP /1 太 郎 が1' /¥ VPた /1 ナ イ フVl /¥ ケーキを 切 っ (43b)で. は,「 ナ イ フ 」 の 位 置 の み が 格 を 与 え ら れ な い 位 置 な の で,「 で 」 と い う 後 置 詞 に 格. 付 与 を 求 め る し か な い の が 分 か る 。 一 方,工P指. 一38一. 定 部 に あ る 「太 郎 」 や,VP補. 部 に あ る 「ケ ー.

(13) 日本 語 小 節 にお け る格 助 詞 脱 落 の 可 能 性 とproの 有 無 キ 」 は,そ. れ ぞ れ 主 格 や 対 格 を 受 け る こ と が で き る の で,格. 鱒a.太. 助 詞が省略可能なのである。. 郎 φナ イ フ で ケ ー キ を切 っ た。. b.太. 郎 が ナ イ フ で ケ ー キ φ切 っ た 。. 工P主 要 部 は,過 造 的 にIP付. 去 を示す時 制要素 になる. 加 部 に 終 助 詞(=「. よ 」 な ど)を. 「た 」 と い う 助 動 詞 が 入 っ て い る と 考 え て よ い 。 構 入 れ る こ と が で き,事. 実 に 合 致 す る の で,こ. の派. 生 は正 しい と判 断 で き る。 ㈲a.太. 郎 が ナ イ フで ケ ー キ を切 っ た よ。. b.*太. 郎 が ナ イ フ で ケ ー キ を切 っ よた。. こ れ ま で の 議 論 で 分 か っ た こ と は,格. 助 詞 の 脱 落 現 象 は,IPの. 象 に す ぎ な い と い う こ と で あ る 。 但 し 日 本 語 はIPま の で,大. 抵 の 格 付 与 はPP(=後. 置 詞[即. た はVPの. 主 格 付 与 とVPの. 対 格 付 与 の現. 「格 付 与 傾 向 」 が マ イ ナ ス で あ る. ち 格 助 詞 及 び そ の 他 の 助 詞])に. よ り行 な わ れ る と い う. こ とに な る 。. 3.省. 略 現 象 とpro. 3.1.日. 本語特有の省略現象の説明. 格 助 詞 脱 落 に 比 べ,よ. り 日 本 語 ら し い 省 略 現 象 と し て,主. 「は じめ に 」 で 挙 げ た 例 文[=(4)]を (46)a.昨. 日,pro英. b.僕 こ れ は,英. もpro勉. 語 や 目的 語 の 省 略 が 挙 げ られ る。. 再 度 挙 げ る。. 語 を 勉 強 し た よ。 強 し た よ。. 語 で は非 文 に な る。. ㊨a.*StudiedEnglishyesterday. b.*Istudied,too. 英 語 で は,勿. 論 次 の よ う に な る 。 こ れ は 英 語 で はproが. 現 れ な い こ とを意 味 す る。. (48)a.IstudiedEnglishyesterday. b.Istudiedit,too. こ の 日 英 の 差 は,前. 節 で 論 じた. 「英 語 はIPとVPの. 裏 付 け る も の で あ る 。 英 語 で は,IP主 の 存 在 が 必 要 な の で あ る 。 ま た,他. 格 付 与 傾 向 が プ ラス で あ る」 とい う主 張 を. 要 部 が 格 を 付 与 す る 強 い 力 が 働 く の で,音 動 詞 も そ の 目 的 語 省 略 を 好 ま な い の も,VP主. 形 を持 つ 主 語 要 部の格付与. 傾 向 の 強 さの た め で あ る 。 一 般 にproは. 音 形 こそ 持 た な い が 代 名 詞 と考 え られ て い るの で. 39. ,格. 付 与 が 必 要 で あ る 。 但 し,.

(14) 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要3巻1号(2003・11) こ の 場 合 の 格 付 与 はIPま. た はVPに. よ る も の で な け れ ば な ら な い 。 と い う の は,後. 置 詞 に よ る格. 付 与 は非 文 を生 じる か らで あ る 。 (49)a.*昨 b.*僕 (49a)に. 日,は. 英 語 を 勉 強 した よ 。. も,を. 勉 強 した よ 。. お い て 「は 」,(49b)に. お い て 「を 」 がproの. を 付 与 さ れ る 位 置 に あ る の に,日. 後 に 生 じ て お り,proは,そ. 本 語 は 非 文 で あ る 。 だ か ら,proの. 格 付 与 はIPま. れ らか ら格 た はVPに. よ. り形 態 格 が 与 え ら れ て. 「彼. る の で あ る。. 3.2.『. 小 節 内pro分. (1b)文. 析 』 の発 想. の 構 造 は,三. 原(1998)に. よ る と 次 の よ う に な る 。VPよ. 女 を 」 と い う形 が で き 上 が る と す る の で あ る 。proは 「彼 女 」 と 同 じ こ と な の で,音. 形 の な いproが. 「正 直 な 少 女 」 と 主 述 関 係 を 持 つ 概 念 で,. 生 じて い る の で あ る 。 そ して,こ. のproはIPに. よ. り主 格 を 与 え られ て い る 。 (50)IP /¥ ジ ョ ン はVP /¥ 彼 女 をVP /¥ IPみ. な して い る. /¥ pro正. 直な少女. こ の 分 析 の 面 白 い 点 は,提. 示 機 能 を持 つ. 「∼ を 」 と 「∼ が 」 が 交 換 可 能 で あ る 根 拠 を 示 せ る 点. である。 (1b)文 61)ジ. は次 の よ う に も言 え る。 ョンは 彼 女 が 正 直 な 少 女 とみ な して い る。. 61)の 構 造 は 次 の よ う に な っ て い る と 考 え ら れ る 。 今 度 は,下 上 位 のVP内. に 生 じ て い る 。 こ の 場 合,proはVPよ. 働. p\. 浄. 喝 n. と 女 少 な 直 正. 彼. p\ /妙. 勧 み. \ P V/. ∴ /脚. proは. 1'. 位 のIP内. に 「彼 女 が 」 が 生 じ,. り対 格 を 与 え ら れ る こ と に な る 。.

(15) 日本語小節 にお ける格助詞脱落の可能性 とproの 有無 3.3.『. 小 節 内pro分. 一 般 に,proが 確 か に,proの 節(特. 析 』の矛盾. 格 付 与 され る と,そ のproを 含 むIPの 主 要 部1は 時 制 を持 つ と考 え られ て い る。 生 じて い る(46)文は過 去 形 と い う時 制 指 定 が な され て い る。 と こ ろが,日 本 語 の小. に 「認 識 動 詞 構 文 」)の 連 用 形 述 語 は 時 制 を持 た な い と され て お り,こ こに 矛 盾 が 生 じる. の で あ る。 小 節 にproが 存 在 す る と,そ のproを. 含 む節 は時 制 指 定 しな け れ ば な らな い。 とこ ろが,小 節. は時 制 を持 た ない と され て い るの で あ る。 小 節 が 時 制 を持 た ない と思 わ れ るの は,励 の 構 造 にお い て,時 制 指 定 を施 した表 現 「ジ ョ ンは 彼 女 が 正 直 な 少 女 だ った とみ な して い る」 の 「だ った 」 が 入 る余 地 が ない か らで あ る。 ま た,認 識 動 詞 構 文 の 場 合 は,更 に,時 制 指 定 す る こ と 自体,非 []内. 文 を 生 じる。(53)にお い て. の箇 所 が 小 節 を そ の ま ま過 去 形 に して い る箇 所 で あ る。 (53)*現 役 をや め た ら,重 い荷 物 を 降 ろ した よ う で,本 当 に[体 が 軽 か っ た]感. ㈹ に お い て 「と」 を入 れ る と文法 的 に な る が,そ の場 合 は もは や[]内. じま した。. は小 節 で はな くな り,. 通 常 の時 制 節 とな る。(但 し,文 法 的 には 問 題 ない もの の,意 味 的 に若 干 不 自然 に な る。) 働?現. 3.4.小. 役 をや め た ら,重 い荷 物 を 降 ろ した よ うで,本 当 に体 が軽 か っ た と感 じ ま した 。. 節 内 のproの. 廃 止 とCP分. こ れ まで に論 じて きた(1b)の. 析 日本 文 は,厳 密 な 意 味 で は小 節 で は な い。 日本 語 に お け る典. 型 的 な小 節 を以 下 に示 し,そ の 構 造 も2節 で 論 じた 『小 節CP論 ㈲a.私 b.設. 』 で説 明 で きる こ とを示 す。. は隣 人 の 親 切 を非 常 にあ りが た く感 じた 。 計 者 は 白砂 を川 に見 立 て た 。. 日本 語 の 典 型 的 な小 節 は,そ の 小 節 のIP内 支 配 す る もの で あ る 。(55a)で はAP(=「. にAP(形. 容 詞 句)ま. あ りが た く」)を,(55b)で. 接 支 配 して い る 。. 一41一. た はPP(後 はPP(=「. 置 詞 句)を 直 接 川 に」)を 直.

(16) 3巻1号(2003・11). 近畿大学語学教育部紀要 6③IP2 /1 私 は1' /¥ VPた l V' /¥ CP感. じ. /1 隣 入 のC' 親 切 を/\ IPIC /I t21' /¥ API /I tlA' /¥ 非常 に あ りが た く. (56)は(55a)の 構 造 を記 述 した もの で あ る。 こ の構 造 は小 節 の構 造 で あ る と同 時 に 時 制 節 の構 造 で もあ る。 小 節 と時 制 節 との 違 い は,IPユ 主 要 部 に時 制 要 素 が 入 る か ど うか の 差 に帰 着 す る。 時 制 要 素 が 入 れ ば,時 制 節 で あ る。 時 制 節 のIPは,格 め て,CP指. 付 与 能 力 が あ るの で,AP指. 定 部 に生 じたNP(=「. 他 人 の 親切 」)が 格 を求. 定 部 ま で上 昇 す る 必 要 は な くな る。IP指 定 部 で主 格 を受 け る こ とが 可 能 だか らで あ. る。 つ ま り,IP1主. 要 部 に 時 制 要 素(例. えば 「た 」 とい う助 動 詞)が 入 れ ば,純 粋 な 小 節 で は な く. な り,構 造 的 に格 を受 け る こ とが 可 能 と な り,つ ま り,後 置 詞 「を」 に助 け られ る こ と な く,格 フ ィ ル ター を満 た す 。 よ って 「を」 の 省 略 が 可 能 で あ る こ とが 予 想 され るが,こ れ は ほ ぼ事 実 に 合 致 して い る。 実 際,(57b)は(57c)に ㈲a.私. 認 可 能性 が 高 い 。. は隣 入 の 親 切 が あ りが た か った と感 じた 。. b.(?)私 c.??私 NPを. 比べ,容. は隣 人 の 親 切 あ りが たか った と感 じた 。 は隣 人 の 親 切 あ りが た く感 じた。. 無 理 矢 理,CP指. 定 部 まで 移 動 させ る と,NPは. もつ こ と に な り,時 制 節 のIPか. 後 置 詞 「を」 をつ け た場 合 と同 じ価 値 を. らの 格 付 与 が 阻止 され る 形 に な るの で,時 制 節 の場 合,「 を」 を. 用 い た 表現 は 容 認 度 が低 い と考 え られ る 。 (fig}?私 は隣 人 の 親 切 をあ りが た か った と感 じた 。 さて,こ. こで格 脱 落 した場 合 の 時 制 節(57b)の. 一42一. 記 述 を次 に示 す 。.

(17) 日本 語 小 節 に お け る格 助 詞 脱 落 の 可 能性 とproの 有 無. 69. IP2 /} 私 は1' //\ VPた I V' CP感 //i. じ. φC' /\. 、. IPIと /[ 隣 人 の1' 親 切/\ APた ./l tA' \ あ りが た か っ. 次 に(55b)は(60)の. よ うに 図 式化 で きる 。 小 節 の 箇 所 の み 記 述 す る 。. (60). CP /1 白 砂 をC, /\ IPC /l t21' //\ PPI /I tlP' /\ 川. に. IP主 要 部 に 時 制 要 素 が 入 っ て い な い の で,NP(=「 位 置 で)主 格 を も ら う こ と は ない の で,CP指. 白砂 」)は 移 動 中 にIP内 で(=つ. ま りt2. 定 部 まで 上 昇 す る。 そ れで も格 を も らえ な い の で,. 「を」 とい う後 置 詞 に格 付 与 を頼 る こ と に な る。 だ か ら 「白砂 を」 の 「を」 が 省 略 で きな い の で あ る。 一 方 ,「に」 が 省 略 で き な い の は 「川 」 に格 を 与 え る の が 「に」 で,そ. れ 以 外 に 「川」 に 対 し. て格 を与 え る 範 疇 はな い か らで あ る。 以 上 の よ う な 『小 節CP分. 析 』 を用 い る とproを 想 定 す る こ とが な くな る の で,小 節 が 時 制 節. と同 じ よ うに 時 制 を指 定 しな け れ ば な らな い とい う矛 盾 が 一 気 に解 消 す る。. 一43一.

(18) 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要3巻1号(2003・11). 論. 4.結. 英 語 と 日本 語 に お け る 省 略 現 象 の 違 い は,格. 付 与 力 の 差 に 帰 着 す る こ と を 述 べ て き た が,次. の. よ うに ま とめ る こ とが 可 能 で あ る 。 (61)a.英. 語 は,IP,VP,PPが. b.日. 本 語 は,PPが. (62)a.英. 格 付 与 す る た め の 音 形 を 有 す るNPが 格 付 与 す る た め の 音 形 を 有 す るNPが. 語 は 格 付 与 力 が 強 い た め,CP指. VPに b.日. 直 接 支 配 さ れ て い る 場 合 は,格. 直 接 支 配 さ れ て い て も,格. 英 語 の 小 節 は,意. 味 上 の 主 語NPが. 必 要 で あ る。. 定 部 内 に 入 っ た 音 形 を 持 つNPに. 対 し て,CPが. 付 与 を 行 な う。. 本 語 は 格 付 与 力 が 弱 い た め,CP指 VPに. 必 要 で あ る。. 定 部 内 に 入 っ た 音 形 を 持 つNPに. 対 し て,CPが. 付与 は行なえない。. 省 略 で き な い の に 対 し,日. 本 語 の 小 節 は,意. 味上の主語 を. 省 略 で きる 。 (63;>a.Iconsiderherhonest.…*工considerprohonest,to(). b.隣. 人 の 親 切 を あ りが た く思 う 。 一 一 一私 もproあ. (62a)が(63a)の. 現 象 を,(62b)が(63b)の. りが た く思 う。. 現 象 を説 明 で きる。 そ れ ぞ れ の構 造 を横 書 き図. 式 で 表 して 説 明 す る 。 ㈹a.toO l IP一 工'-VP-V'-CP-C'-IP-1'-AP-A' lllll1[【l IIconsiderproCt21tユhonest b.1,蟹. ラCI ii IP-1'-VP-V'-CP-C'-IP-1'-AP-A'. iiiii 私{らprot2tlあ. クカ双ごぐ. (64a)は"considerhonest,too."の も の で あ る 。(64a,b)に. 構 造,(64b)は. お い て,AP指. 定 部(=tユ. 付 与 能 力 を 持 た な い か ら で あ る 。 一 方,IP主 の 位 置)の. 「私 も あ りが た く思 う」 の 構 造 を 記 述 し た の 位 置)で. は 格 付 与 が 不 可 能 で あ る 。APは. 要 部 は 時 制 要 素 は 持 た な い の で,IP指. 要 素 に 格 付 与 は で き な い 。 そ こ で,proは. 格 付 与 を 求 め てCP指. 格. 定 部(=t2. 定 部 に生 じる こ と に. なる。 英 語 は 格 付 与 能 力 が 強 い の で,CPの す る の に 十 分 効 果 の あ る(=格 proは. 排 除 さ れ る の で,英. 上 位 のVPが. 格 付 与 す る に 当 た っ て,CP指. 付 与 し 甲 斐 の あ る)音. 文 は 非 文 と 判 断 さ れ,事. ii. 定 部 に格 付 与. 形 を 有 す る 要 素 を 要 求 す る 。 そ の 結 果,. 実 に合 致 す る。.

(19) 日本語小節 における格助詞脱 落の可 能性 とproの 有無 一 方 ,日 本 語 は格 付 与 能 力 が 弱 い の で,CPの 素 は 格付 与 で きな い が,音 形 の な いproに. 上 位 のVPが. 格 付 与 す る 場 合 に,音 形 の あ る要. 対 して は格 付 与 が 可 能 なた め,派 生 は収 束 し,日 本 文. は 文 法 的 と判 断 され,こ れ も事 実 に合 致 す る 。 こ れ まで の 議 論 か ら,次 の よ うな こ とが 分 か っ た と結 論 づ け る こ とが で き る。 ㈲a.小. 節 はCPで. b.日. あ る。. 本語 の小 節 はCP-IP-XPの. c.】 ヨ本語 の小 節 に はproは. 形 を と り,XPはAPま. た はPPで. 生 じて い な い 。. d.日. 本 語 の小 節 の 意 味上 の 主語 を省 略 した場 合proは. e.日. 本 語 の小 節 の 意 味上 の 主語 を省 略 した場 合 に 生 じるproも. 小 節 は 時 制 を超 越 して い るが,別. ある。. 生 じる 。 格 付 与 され る 。. の言 い 方 をす る と,「VPに 直 接 支 配 され るCPが. るIP」 に 時制 要 素 が 生 じて い な い場 合,そ のCPが. 直接 支配す. 小 節 で あ る。. IPに 時 制 要 素 が 生 じ な い 原 因 は 何 で あ ろ うか 。 小 節 だ か ら と い う の は 答 え に な っ て い な い。 とい うの は,〈 時 制 要 素 が 生 じな い→ 小 節 が 形 成 さ れ る 〉 とい う流 れが 論 理 的 だ か らで あ る。 何 故,時 制 要 素 が 生 じな い 場 合 が あ るか につ い て は,IPが と考 え られ る。 つ ま り,IPがAPま. た はPPを. 直 接 支 配 す る 範 疇 に 関係 す る も の. 直 接 支 配 す る場 合 に,IPに. で は ない か と類 推 で き るの で あ る。 実 際,IPがVPを. 時 制 要 素 が 生 じな い の. 直 接 支 配 す る場 合 は,通 常 の 時 制 節 が 生 じ. る。 構 造 上 は,APがIPに 詞 「た」 等 を入 れ,CP主 接 支 配 す る 範 躊 がAPの. 直接 支 配 され た場 合 は,IP主. 要 部 に時 制 要 素(例. え ば過 去 形 を示 す 助 動. 要 部 に補 文 標 識 を示 す 「と」 な ど を入 れ る こ とが で きる の で,IPが 場 合 は,IP主. 直. 要 部 に時 制 要 素 が 入 ら ない と言 い切 る こ と はで き ない 。 勿. 論,助 動 詞 「た」 と補 文標 識 「と」 で形 成 され た<CP-IP-AP>の. 構 造 は,小 節 で は な く時. 制 節 で あ る。 (66;)1.蟹. う と 1[1[ 工「-VP-V'-CP-C'-IP-1'-AP-A'. IP一 iiiii 私 る. φ. 時 制 節 な の で,IP指 部 に入 り,CP指. た. 鱗 入 の親 勿Pがtあ. 定 部 に入 る 要素 が 主格 を得 る こ とが で きる の で,「隣 人 の 親 切 」 はIP指 定. 定 部 まで は移 動 しな い 。 「が 」 とい う後 置 詞 と相 性 が 良 い こ と と並 行 的 で あ る の. が興味深い。 ㈲a.私 b.?私. クが た か っ. も隣 人 の 親 切 が あ りが たか った と思 う。 も隣 人 の 親 切 をあ りが た か った と思 う。. 一45一.

(20) 近畿 大学 語 学 教 育 部 紀 要3巻1号(2003・ll). そ もそ も,ど ん な理 論 や 条 件 の元 で,IPの. 時 制 素性 が 決 定 され る の か につ い て は,今 後 の 課. 題 と した い 。. 注 1)厳. 密 な 意 味 で の 日本 語 の 小 節 は,「 と」 が 入 る も の は 省 か れ る こ とが 多 い 。 一 般 に 日 本 語 の 小 節 は 次 の よ う な3型 (i)私 は[隣. が 存 在 す る と言 わ れ て い る。 人 の 親 切 を 非 常 に あ りが た く]感. (ii)ヒ ロ シ は[サ. チ の 言 動 を 不 審 に]思. (iii)設 計 者 は[白. 砂 を 川 に]見. 尚,厳 2)不. 定 詞 節 が[+Tense]な. 3)θ. 立 て て 庭 を造 っ た 。(「〈 名 詞+ダ. 密 な 意 味 で の 日本 語 の 小 節 は3節. Agreement]な. 〉 の 連 用 形 」 利 用 型). で 扱 う。. の は,「tohave+過. の は,主. じ た 。(「イ 形 容 詞 」 利 用 型). っ た 。(「ナ 形 容 詞 」 利 用 型). 去 分 詞 」 と い う 完 了 形 が 存 在 す る か ら で,[-. 語 が 存 在 し な い こ とが あ る か ら で あ る 。. 基 準 と格 フ ィ ル タ ー は,生. 成 文 法 に お け るNPを. 認 可す る条件 と して重 要 な もので あ る。 それ. ぞれ次 の ように規 定 され る。 (i)θ 基 準 …. 全 て の 項(Argument)は. (ii)格 フ ィ ル タ ー … 尚,θ. 格 を授 与 さ れ な け れ ば 成 らな い 。. 役 割 を 授 与 で き る 範 躊 は,[+V]の. あ る 。 ま た,格 は 前 置 詞,日 4)或. θ役 割 を授 与 され な け れ ば な ら な い 。. 全 て のNPは. は,全. 素 性 を 持 つ も の,即. を 授 与 で き る 範 躊 は,[-N]の. 本 語 で は後 置 詞)で. て の 言 語 に お い て,抽. ち,V(動. 素 性 を 持 つ も の,即. 詞)とA(形. ち,V(動. 容 詞)で. 詞)とP(英. 語で. あ る。 象 格 が 与 え ら れ る の だ が,日. 本 語 は 「抽 象 格 が 形 態 格 と して 具 現. す る 傾 向 が 強 い 」 と考 え て も よ い と さ れ る 。 5)全. て のNPが. 格 を持 た な け れ ば な ら な い こ とか ら,主 格 を 『主 語 格 』,提 示 機 能 の 「を 」 を 含 む 表. 現 を 『主 題 格 』 と で も名 づ け て 区 別 す る こ とが 必 要 で あ ろ う 。 6)日. 本 語 の 特 性,例. え ば 「主 語 な ど の 省 略 可 能 性 が 高 い こ と」 や 「語 順 が 比 較 的 緩 い こ と」 な ど が. 格 付 与 傾 向 に よ り説 明 で き る 。 7)VP1か. ら対 格 を,移 動 前 のNP(=「. 彼 女 」)が 受 け る と い う こ と は な い 。 基 本 的 に 動 詞 は補 部 要. 素 に 対 して 対 格 を与 え る が,D構. 造 で の 出 現 位 置 はVPI指. え な い。 ま た,VPIの. の 補 部 に あ るNP(=「. と で あ る 。VPl指 満 た す が,格. 役 目 は,そ. 定 部 に 生 じ たNPは,意. は も ら え な い の で,上. 味 役 割(=θ. 定 部 な の で,こ. の位 置 で は対格 は も ら. 正 直 な 少 女 」)に 対 して 対 格 を 与 え る こ 役)をVP1主. 要 部 か ら も らい,θ. 基準を. 位 ま で 移 動 す る が 結 局 格 を 受 け る こ とが で き な い 。 従 っ て 非. 文 と な る 。 こ の 構 造 で 文 法 的 文 を派 生 す る に は 「を」 と い う後 置 詞 に頼 ら ざ る を 得 な い の で あ る。. 参考文献 Jespersen,Otto(1961)AMo{lernEnglishGrammaronHistoricalPrinciples,PartV.London:George Allen&Urwin. Kitagativa,Yoshihisa(1985)SmallbutClausal,CLS21,210-220.. 一46一.

(21) 日本 語 小 節 に お け る 格助 詞 脱 落 の 可 能性 とproの 有 無. 三 原 健 一(1998)『. 生 成 文 法. と 比 較 統 語 論 』(く. ろ. し お 出 版). Radford,Andrew(1988)SyntacticTheoryandtheStYtrctureofEnglish.Cambridge:Cambridge UniversityPress. Safir,Ken(1983)OnSmallClausesasConstituents,LingLCisticInquiry14:4,730-735. Sonnenschein,EdwardAdolf(1916)ANetivEnglishGro溺1ηoLLondon:OxfordUniversityPress. Stowell,Tim(1981)OriginsofPhraseStructure,PhDDissertation.Cambridge,MA:MIT. Stowell,Tim(1983)SubjectsAcrossCategories,η28ゐ'η8L〃51'cR顔8w2:3,285-312. Williams,Edwin(1980)Predication,LinguisticInquiYy11:1,203-238. Williams,Edwin(1983)AgainstSmallClauses.LinguisticInquiry14:2,287-308.. 一47一.

(22)

参照

関連したドキュメント

上述のごとく︑日本映画の一九二七年はヨーロッパやアメリカに

日本語接触場面における参加者母語話者と非母語話者のインターアクション行動お

本章の最後である本節では IFRS におけるのれんの会計処理と主な特徴について論じた い。IFRS 3「企業結合」以下

以上のような点から,〈読む〉 ことは今後も日本におけるドイツ語教育の目  

第五章 研究手法 第一節 初期仮説まとめ 本節では、第四章で導出してきた初期仮説のまとめを行う。

音節の外側に解放されることがない】)。ところがこ

始めに山崎庸一郎訳(2005)では中学校で学ぶ常用漢字が149字あり、そのうちの2%しかル

Keywords: Online, Japanese language teacher training, Overseas Japanese language education institutions, In-service teachers, Analysis of