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循環型産業システム構築にむけた静脈企業の再編 : 家電リサイクルの形成基盤の考察

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Academic year: 2021

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循 環 型 産 業 シス テム構築 にむ けた静 脈 企 業 の再 編

家 電 リサ イ クルの形 成 基 盤 の考 察

1.問 題 の 設 定 20世 紀 の 産 業 シ ス テ ム で あ っ た 一 方 通 行 型 産 業 シ ス テ ム で は,動 脈 産 業 と静 脈 産 業 が 関 与 す る こ と な く,そ れ ぞ れ が独 自 の活 動 を行 っ て き た.こ の シス テ ム で は,動 脈 産 業 と静 脈 産 業 の 結 合 を 目的 と した 循 環 型 産 業 シ ス テ ム へ の転 換 に は 限 界 が あ っ た. そ こで,循 環 型 産 業 シス テ ム へ の 転 換 に 向 け て,2001年 に 「特 定 家 庭 用 機 器 再 商 品 化 法(以 下:家 電 リサ イ ク ル法)」 が 施 行 さ れ た.家 電 リサ イ ク ル 法 は,拡 大 生 産 者 責 任(EPR)の 概 念 を 導 入 す る こ と に よ っ て,製 造 業 者 等(動 脈 産 業)に 静 脈 産 業 に まで 責 任 を 課 す もの で あ る. そ の 結 果,家 電 リサ イ クル に お い て,2グ ル ー プが 形 成 され た.す な わ ち,松 下 電 器 産 業 ㈱ と ㈱ 東 芝 を 中 心 とす る19社 か ら構 成 さ れ るAグ ル ー プ と三 洋 電 機 ㈱,シ ャ ー プ㈱,ソ ニ ー ㈱, ㈱ 日立 製 作 所,㈱ 富 士 通 ゼ ネ ラ ル,三 菱 電 機 ㈱ を 中 心 とす る21社 か ら構 成 され るBグ ル ー プ で あ る.そ こで これ らの2グ ル ー プ に よ っ て2形 態 の リサ イ ク ル シス テ ム が 形 成 さ れ た1). 一 つ は,製 造 業 者 等 が 静 脈 企 業 の 選 別 を行 い,処 理 を外 部 委 託 す る こ とで,静 脈 企 業 の 再 編 を促 進 す る静 脈 産 業 外 部 委 託 型(シ ス テ ムA)で あ る. も う一 つ は,製 造 業 者 等 が 共 同 で 初 期 投 資 を行 い,新 た に リサ イ ク ル プ ラ ン トを整 備 した も の で あ る.こ れ に よ っ て,製 造 業 者 等 が 静 脈 産 業 の 内 部 化 を 図 る 静 脈 産 業 内 部 化 型(シ ス テ ム B)で あ る. また,こ れ らの シ ス テ ム 選 択 に 関 して,シ ス テ ムAは 主 にAグ ル ー プ が,シ ス テ ムBは 主 にBグ ル ー プ が採 用 して い る2). 従 来 の 産 業 シス テ ム の パ ラ ダ イ ム 転 換 に 関 す る研 究 は,動 脈 産 業 を 中心 と した 分 析 が 数 多 く 行 わ れ て きた.代 表 的 な もの は,企 業 シ ス テ ム 論 的 ア プ ロー チ よ り19世 紀 か ら20世 紀 へ の 移 行 期 にお け る 産 業 シ ス テ ム の パ ラ ダ イ ム転 換 の 分 析 を 行 った ア ル フ レ ッ ド ・D・チ ャ ン ドラ ー ・ ジ ュ ニ ア(1977),塩 見 ・溝 田 ・谷 口 ・宮 崎(1986)が あ る.本 稿 で は こ れ らの 代 表 的 な研 究 の 1)家 電 リサ イクルシステムの実態 に関 しては,羽 田(2003)を 参照. 2)馬 場(2004)で は,シ ステムAは20世 紀 のインフラを極力流用 した方式 であるとし,シ ステムBは 手分 解を中心 とし,再 生資源の回収 を徹底的に追求 してい く21世 紀型思想 をベースに してい ると指摘す る.

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分 析 手 法 を参 考 に し,静 脈 産 業 を 中 心 と した 分析 を行 う.静 脈 産 業 を 中心 とす る理 由 は 次 の と お りで あ る.循 環 型 産 業 シス テ ム は 動 脈 産 業 と静 脈 産 業 の ル ー プ化 を 図 る 必 要 が あ る.そ の 際 に 必 要 不 可 欠 な こ とは,静 脈 産 業 の 再 編 成 また は育 成 で あ る と考 え る.そ こで,静 脈 産 業 の 新 しい あ り方 を展 望 す る モ デ ルが 必 要 で あ る と考 え る か らで あ る. 本 稿 で は シ ス テ ムAに 焦 点 を 当 て,循 環 型 産 業 シ ス テ ム の 構 築 に お け る静 脈 企 業 の 再 編 に 向 け て の 独 自的 要 因 を抽 出 す る.つ ま り,全 国 の 静 脈 企 業 の 中 で シ ス テ ムAを 構 成 す る 企 業 は,わ ず か に17社 に す ぎな い.そ こで 全 国 の 静 脈 企 業 の 中 か ら動 脈 企 業 に よ っ て 選 定 され た 17社 の持 つ 条 件 を検 討 す る.ま た 本 稿 で の 分 析 方 法 は,主 に ア ンケ ー ト調 査 及 び ヒ ア リ ン グ調 査 を中 心 と して い る. 2.ア ン ケ ー ト調 査 の 概 要 と シ ス テ ムAの 現 状 把 握 2.1.調 査 概 要 ア ン ケ ー ト調 査 は,2003年9月14日 か ら10月22日 の 期 間 に お い て 郵 送 自記 式 で 行 っ た. 調 査 対 象 は,シ ス テ ムAを 構成 す る 静 脈 企 業 の 本 社17社 を対 象 と し た.こ れ に対 して,既 存 の 静 脈 企 業 の 平 均 像 を得 る た め に2001年 『全 国 産 廃 処 分 業 中 間 ・最 終 処 分 企 業 名 覧 ・名 鑑 』 の 「全 国 の 主 要 な産 業 廃 棄 物 処 理 企 業 」1,418社 の 中 か ら東 海 ・北 陸 地 方 の200社 を選 出 し,一 般 的 な廃 棄 物 処 理 企 業(以 下:東 海 ・北 陸企 業)と した. 分 析 の 対 象 を東 海 ・北 陸 地 方 に した 理 由 は 以 下 の とお りで あ る. 第1は,Aグ ル ー プ とBグ ル ー プ の 使 用 済 み 家 電 製 品 の 回収 及 び 処 理 対 象 と な る地 域 が ほ ぼ 一 致 し て い る こ とで あ る . 第2は,Aグ ル ー プ が シ ス テ ムAを,Bグ ル ー プ が シ ス テ ムBを 採 用 して い る地 域 で あ る と い う こ と で あ る3). 調 査 内容 は,家 電 リサ イ ク ル 法 施 行 前(2001年4月 以 前)の 企 業 概 要,使 用 済 み 家 電 製 品 の 回収 ・運 搬 業 及 び処 理 ・処 分 業 に 関 して,で あ る.た だ し,本 稿 で は,企 業概 要 と使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 ・処 分 業 に つ い て分 析 を行 う. 回 収 率 は,シ ス テ ムAが17社 中10社 で59%で あ っ た.東 海 ・北 陸 企 業 は200社 中100社 で50%で あ った. 3)た だ し,Aグ ルー プは近畿地方ではシステムBを,九 州地方ではシステムAと システムBを 採用 してい る.ま た,Bグ ループは沖縄県ではシステムAを 採用 している.

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2.2.シ ス テ ムAを 構 成 す る 企 業 の 実 態 まず こ こ で,詳 細 な分 析 に 入 る前 に,シ ス テ ムAを 構 成 す る企 業 の 現 状 把 握 を行 う.家 電 リ サ イ ク ル の フ ロー は,大 まか に消 費 者 → 小 売 業 者 等 → 第1次 物 流 → 指 定 引取 場 所 → 第2次 物 流 → リサ イ ク ル プ ラ ン トで 表 す こ とが で きる .そ こで システ ムAの 企 業 は,指 定 引 取 場 所 → 第 2次 物 流 → リサ イ ク ル プ ラ ン トの シス テ ム を担 当 して い る. シ ス テ ムAは,全 国 の 静 脈 企 業 の 中 か らAグ ル ー プ の 業 務 代 行 企 業 で あ る㈱ エ コ ロ ジ ー ネ ッ ト4)が 選 定 した企 業 群 で あ る.そ こ で,2001年 か ら2003年 まで の シ ス テ ムAを 構 成 す る 企 業 を示 した もの が 表1で あ る.表1か ら分 か る とお り,2001年 か ら2003年 の 問 で は,家 電 リサ イ ク ルへ の 新 規 参 入 や 撤 退 は全 く見 られ ない.つ ま り,シ ス テ ムAの 企 業 群 は,全 国 の 静 脈 企 業 の 中 か ら選 定 され た 後Aグ ル ー プ との 継 続 的相 対 取 引 に移 行 しつ つ あ る とい え る.た だ し,3年 間 の デ ー タで あ る た め,今 後 の動 き に注 目 して い く必 要 が あ る. 次 に シ ス テ ムAの 再 商 品 化 等 処 理 実 績 に関 して 若 干 の 検 討 を行 う.シ ス テ ムAが 委 託 を受 表1シ ステ ムAを 構成 す る企業 群 2001 鈴 木 商 会 東北 東 京 鉄 鋼 中 田屋 那須 中 田屋 フェ ニ ッ クス メ タル テ ル ム 豊和 商 事 ハ リタ金 属 豊 田 メ タル トーエ イ サ ニ ー メ タル 平 林 金 属 九州 メ タル 産業 熊 本 新 明 産 業 太信 鉄 源 荒 川商 店 拓 南 商 事 17社 2002 鈴 木 商 会 東北 東 京 鉄鋼 中 田屋 那須 中 田屋 フェ ニ ッ クス メ タル テ ル ム 豊和 商 事 ハ リタ金 属 豊 田 メ タル トーエ イ サ ニ ー メ タル 平 林 金 属 九州 メ タル 産業 熊 本 新 明 産業 太信 鉄 源 荒 川商 店 拓 南 商 事 17社 2003 鈴木 商 会 東北 東 京 鉄鋼 中 田屋 那須 中田 屋 フ ェ ニ ッ クス メ タル テ ル ム 豊和 商 事 ハ リタ金 属 豊 田 メ タル トーエ イ サ ニ ーメ タル 平林 金 属 九州 メ タル 産業 熊本 新 明 産業 太信 鉄 源 荒川 商 店 拓 南 商 事 17末十 4)エ コロ ジー ネ ッ トは,松 下 電器 産 業 と東 芝 の 共 同 出 資 に よる もので,出 資比 率 は松 下 電 器 産 業 が7で, 東 芝 が3で あ る.エ コ ロ ジー ネ ッ トはAグ ル ー プ に所 属 す る製 造 業 者 等 の リサ イ ク ル 関連 業 務 を一 括 に 代 行 す る こ とで あ る.具 体 的 に は,「① 委 託 先 の 企業 の 選 別,② 家 電 リサ イ クル法 の 遵 守 の徹 底,③ 現 状 の 維 持 管 理,④ 再 商 品化 率 の 向 上 の研 究,⑤ 製 造 業 者等 の技 術 部 門 との タイ ア ップ」 で あ る.

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け たAグ ル ー プ の 再 商 品 化 等 処 理 実 績 を示 し た も の が 表2で あ る.処 分 率 は2001年 か ら 2003年 の 問 で は,ほ ぼ100%で あ り,引 き取 られ た使 用 済 み 家 電 製 品 は ほ ぼ す べ て処 理 され た こ と に な っ て い る.本 稿 で の 処 分 率 は,リ サ イ ク ル プ ラ ン トで処 理 さ れ た 台 数(再 商 品 化 等 処 理 台 数)を 指 定 引 取 場 所 で 引 き取 られ た台 数 で 割 っ た もの で あ る.ま た,再 商 品 化 率 も家 電 リ サ イ ク ル法 で 定 め られ た 基 準(テ レ ビ55%以 上,電 気 冷 蔵 庫 ・電 気 洗 濯 機50%,エ ア コ ン60%) を 大 幅 に上 回 る 値 で ク リ ア して い る.本 稿 で の 再 商 品化 率 は,各 企 業 が 発 表 した 数 値 を 加 重 平 均 し,算 出 した もの で あ る. これ らの デ ー タ よ り,2001年 か ら稼 動 した リサ イ ク ル シス テ ム は 正 常 に機 能 し て い る と判 断 で き る. 表2シ ス テムAの 再 商 品化等 処理 実績 3.静 脈 産 業 の 中 で の 位 置 付 け こ こで は,企 業 概 要 及 び 事 業 単 位 シ ス テ ム か ら分 析 を行 う.具 体 的 に は,企 業 規 模,地 理 的 拡 張 度 垂 直 的 統 合 度 多 角 化 度 環 境 に対 す る取 組 状 況 で あ る. 3.1.企 業 規 模(資 本 金) シス テ ムAは 資 本 金1億 円以 上 に 集 中 して い る.こ れ に対 し て,東 海 ・北 陸 企 業 は 資 本 金 1,000万 円∼3,000万 円未 満 に 集 中 して い る.具 体 的 に は1億 円 以 上 に位 置 す る 企 業 の 割 合 は, シ ス テ ムAが50%で あ る の に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 は9%で あ る.ま た3,000万 円 未 満 に 位 置 す る企 業 の 割 合 は,シ ス テ ムAが30%で あ る の に 対 して,東 海 ・北 陸 企 業 は 約64%で あ る. 以 上 よ り,「企 業 短 期 経 済 観 測 調 査 」 の企 業 区分 に 従 う と,シ ス テ ムAの 大 半 は 中 堅 企 業 に 位 置 す る.こ れ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 の 大 半 は 中小 企 業 に位 置 す る.

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3.2.地 理 的 拡 張 度 まず 事 業 所 数 で は,シ ス テ ムAは60%の 企 業 が3ヵ 所 以 上 の事 業 所 を 展 開 して い る.こ れ に 対 し て,東 海 ・北 陸企 業 は約65%の 企 業 が1ヵ 所 な い しは2ヵ 所 の 事 業 所 を展 開 して い る. 次 に事 業 所 の 配 置 か ら検 討 を 行 う.各 企 業 の 会 社 案 内 に よ る と,シ ス テ ムAの 事 業 所 は 全 国 的 に配 置 され て お らず,あ る一 定 の 地 域 に と ど ま っ て い る.具 体 的 に は,A社 は鹿 児 島 県 に 本 社 を置 き,南 九 州 に計3事 業 所 を有 して い る.H社 は 富 山県 に 本 社 を置 き,北 陸地 方 に3事 業 所 を有 して い る.N社 は東 京 都 に本 社 を 置 き,14事 業 所 を有 し,主 に 関東 地 方 を地 盤 と した 企 業 で あ る.S社 は 北 海 道 に 本 社 を置 き,10事 業 所 を有 し,北 海 道 を 地 盤 と した 企 業 で あ る. 以 上 よ り,シ ス テ ムAも 東 海 ・北 陸 企 業 も地 理 的 拡 張 度 は高 くな く,地 域 密 着 型 で あ る. 静 脈 企 業 に お い て地 理 的 拡 張 度 が 進 行 して い な い理 由 は,静 脈 産 業 の特 性 に求 め る こ とが で き る と考 え る.外 川(2001)が 指 摘 す る よ う に,ウ ェ ーバ ー の 『工 業 立 地 論 』 の 「輸 送 費 指 向 」 の 観 点 か ら説 明 で きる.静 脈 企 業 は,廃 棄 物 等 を 回収 し,前 処 理 と し て手 分解 を行 い,再 使 用 で き る部 品 を 取 り出す.そ の 後 シ ュ レ ッ ダー 処 理 を 行 い,再 生 素 材 の選 別 ・分 別 及 び 加 工 を 行 う.再 使 用 部 品 及 び再 生 素 材 は 動 脈 企 業 に供 給 さ れ,残 渣 は最 終 処 分 場 で あ る管 理 型 埋 立 処 分 場 で 処 理 され る.よ っ て,静 脈 企 業 の 立 地 条 件 は 次 の3点 で あ る.① 廃 棄 物 等 が 排 出 され る 地 域,② 動 脈 企 業 に ア クセ ス しや す い 地 域 ③ 最 終 処 分 業 に ア ク セ ス しや す い 地 域,で あ る. そ こで,輸 送 費 は重 量 と距 離 が 大 き な要 因 と な る.こ の た め 一 番 重 量 が あ る の が,廃 棄 され る 段 階 で あ る.そ の 結 果,静 脈 企 業 は 廃 棄 物 が排 出 さ れ る 地 域 に立 地 さ れ,地 域 密 着 型 に な る と 考 え る. また 動 脈 企 業 の 使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 に 関 す る考 え は,「 な るべ く廃 棄 さ れ た 地 域 で 処 理 を 行 い,処 理 を完 結 す る5) で あ っ た.つ ま り,動 脈 企 業 は地 域 完 結 型 を 目指 して お り,地 域 密 着 型 の 企 業 を 必 要 と して い た と考 え られ る. 3.3.垂 直 的 統 合 度 まず 静 脈 産 業 にお け る 垂 直 的統 合 は,回 収 ・運 搬 業 → 解 体 業 → シ ュ レ ッダ ー 業(中 間処 理 業) → 最 終 処 分 業 で あ る.な お本稿 で指す垂直 的統合 は,事 業の 内部化 で あ り管理的統合 は含め な い.表3は,垂 直 的 統 合 の 進 行 度 を示 した もの で あ る. シス テ ムAで は,約78%の 企 業 が 回 収 ・運 搬 業 → シ ュ レ ッ ダー 業,回 収 ・運 搬 業 → 解 体 業 → シュ レ ッダ ー 業,回 収 ・運 搬 業 → 解 体 業 → シ ュ レ ッダ ー 業 → 最 終 処 分 業,と い っ た形 態 で 垂 直 的 統 合 が 進 ん で い る.ま た シ ス テ ムAの 企 業 の 取 引 形 態 は,各 会 社 案 内 に よ る と主 要 な 取 引 5)2002年5月 に行 ったM社 及び2002年7月 に行ったME社 でのヒアリング調査 による.

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表3垂 直的 統合 度 先 との 相 対 取 引 な い しは 商 社 を介 した 仕 入 及 び 販 売 が 中 心 で あ り,販 売 チ ャネ ル や 原 料 生 産 ま た は購 買 チ ャ ネ ル の 統 合 は見 られ な い.よ っ て シ ス テ ムAの 企 業 は,生 産 諸 段 階 の 統 合 に位 置 して い る.た だ し,静 脈 産 業 に お い て,回 収 ・運 搬 業 か ら垂 直 的 統 合 を 図 る こ とは,チ ャ ン ドラー が 指 摘 す る垂 直 的 統 合 へ の 動 機 で あ る 「企 業 の 生 産 工 程 へ の 原 材 料 の 安 定 的 な供 給 を確 保 す る6)」を達 成 して い る とい え る. これ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 の 企 業 は,約78%が 回収 ・運 搬 業,解 体 業,シ ュ レ ッダ ー 業, 最 終 処 分 業 とい う単 体 事 業 で あ り,垂 直 的統 合 は見 られ ない. 3.4.多 角 化 度 多 角 化 度 に 関 して は,事 業 数 と事 業 内 容 か ら分 析 を行 う.ま ず 事 業 数 を み る と,シ ス テ ムA で は80%の 企 業 が5以 上 の事 業 を行 っ て い る.こ れ に 対 して,東 海 ・北 陸 企 業 で は85%の 企 業 が4以 下 の事 業 しか 行 っ て い な い. 次 に事 業 内 容 をみ て み る.表4は 両 グ ル ー プの 事 業 内 容 を示 した も の で あ る.こ こ で は 中 核 事 業 か らの 多 角 化 度 を は か る た め に,事 業 内 容 の 項 目選 別 で は,ま ず 中核 事 業 に注 目 した.次 に リサ イ ク ル 業 と い う観 点 か ら周 辺 事 業 に注 目 した.最 後 に 「中核 技 術 」 の 範 囲 で技 術 的 あ る い は 市 場 に 関 連 の あ る分 野 と い う こ とで 関連 事 業 に注 目 した. 6)Chandler,1990,38ペ ージ.

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表4多 角 化度 表4か ら分 か る とお り,シ ス テ ムAで は,中 核 事 業 を軸 と し,周 辺 事 業 へ の 拡 大 を 図 る単 一 製 品 多 角 化 の 形 態 で あ る.ま た 一 部 の 企 業 で は,「中核 技 術 」の範 囲 で 技 術 的 あ る い は市 場 的 に 関 連 の あ る分 野 へ の 進 出 で あ る 関 連 製 品 多 角 化 の 形 態 が み られ る. これ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 で は他 事 業 へ の 展 開 は あ ま り見 られ ず 多 角 化 は進 展 して い な い. 3.5.環 境 に 対 す る 取 組 状 況 こ こ で の 指 標 は,「 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 規 格(ISO14001)」 の 取 得 状 況 と フ ロ ン 回 収 装 置 の 導 入 状 況 を 用 い る. ま ずISOI4001の 取 得 状 況 か ら検 討 を 行 う.ISOI4001を 取 り上 げ る 理 由 は 次 の と お り で あ る.第1は,ISOl4001が 従 来 法 規 制 に よ っ て 管 理 し て き た 組 織 の 活 動 や 製 品,サ ー ビ ス の 環 境 的 側 面 を 企 業 の 自 主 的 取 組 に よ っ て 管 理 す る シ ス テ ム へ 転 換 す る も の で あ る と い う こ と で あ る.第2は,登 録 件 数 が 世 界 一 で,製 造 業,サ ー ビ ス 業,自 治 体 等 の 幅 広 い 分 野 で 取 り組 ま れ て い る と い う こ と で あ る7). 7)市 川(2003)7ペ ー ジ.ま た,市 川(2003)に よ る と,廃 棄物 処 理 業 者 のISO14001の 取得 は,全 産 業 の 4.8%で あ る.

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シス テ ムAで は,家 電 リサ イ ク ル法 施 行 前 で70%の 企 業 が 取 得 済 み で あ っ た.ま た,残 り 30%の う ち,20%の 企 業 が 法 施 行 後 に取 得 す る予 定 で あ る.こ れ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 で は取 得 済 み の 企 業 は約22%で あ った.ま た 法 施 行 後 に 取 得 予 定 の 企 業 は約15%で あ っ た. またISOl4001の 取 得 に は企 業 規 模 が 関 係 して くる か ど うか を検 討 す る た め に,ISOl4001取 得 状 況 と資 本 金 を ク ロ ス 集 計 した.そ の 結 果,シ ス テ ムAで は上 位 の 規 模 で あ る 企 業3社 が 取 得 し て い な い(そ の う ち2社 は 取 得 予 定).東 海 ・北 陸 企 業 で も,資 本 金 の 大 き さ と ISO14001の 取 得 状 況 に正 の相 関 関 係 は 見 られ な か っ た.つ ま り,ISO14001の 取 得 に は 企 業 規 模 は あ ま り影 響 を与 え ず に,環 境 へ の 意 識 度 合 が 主 な 要 因 に な っ て い る と考 え る. 次 に フ ロ ン回 収 装 置 の 導 入 状 況 か ら検 討 を行 う.フ ロ ン 回収 装 置 の 導 入 状 況 を取 り上 げ る理 由 は 次 の とお りで あ る.第1は,フ ロ ンの 回 収 が 環 境 問 題 と して 顕 在 化 して い る とい う こ と で あ る.第2は,家 電 リサ イ ク ル の対 象 品 目で あ る電 気 冷 蔵 庫 とエ ア コ ンに フ ロ ンが 含 まれ て い る とい う こ とで あ る. 家 電 リサ イ ク ル法 施 行 前 の 段 階 で,シ ス テ ムAで は す べ て の 企 業 が フ ロ ン 回収 装 置 を 導 入 して い た.こ れ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 で は約12%の 企 業 しか フ ロ ン回収 装 置 を導 入 して い な か っ た.ま た 法 施 行 後 に導 入 予 定 で あ る企 業 も約4%と い う状 況 で あ っ た. 以 上 よ り,シ ス テ ムAの 企 業 は環 境 に 対 す る取 り組 み が 進 ん で お り,環 境 へ の 意 識 が 高 い と 考 え られ る. 4.家 電 リ サ イ ク ル 法 施 行 前 の 実 態 4.1.使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 ・処 分 業 の 実 態 シス テ ムAで は,対 象 と な っ た使 用 済 み 家 電 製 品4品 目(テ レ ビ,電 気 冷 蔵 庫,電 気 洗 濯 機 エ ア コ ン)の 処 理 ・処 分 を行 っ て い た 企 業 は75%で あ っ た.ま た,約 半 数 の 企 業 が 家 電 リサ イ ク ル 法 で は対 象 外 とな っ た そ の他 の 使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 ・処 分 を行 っ て い た. これ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 で は使 用 済 み 家 電 製 品 の処 理 ・処 分 を行 っ て い た 企 業 は約23% で あ っ た.ま た 対 象 外 と な っ た そ の 他 の 使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 ・処 分 を行 っ て い た 企 業 は約 12%で あ っ た. 以 上 よ り,シ ス テ ムAの 企 業 群 は静 脈 産 業 の 中 で も幅 広 い 品 目の 処 理 ・処 分 を手 掛 け て き た 企 業 の 集 ま りで あ る.静 脈 産 業 に お い て,幅 広 い 品 目の処 理 ・処 分 を行 う こ とは,「幅 広 く処 理 ・ 処 分 を手 掛 け る こ とで処 理 量 を増 大 させ,大 型 の シ ュ レ ッ ダー を効 率 良 く稼 動 させ る8)」とい う 範 囲 の 経 済 効 果 を狙 っ た もの で あ る. 8)2003年4月 に行 ったH社 での ヒアリング調査による.

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次 に リ サ イ ク ル 率 に つ い て 検 討 を 行 う.家 電 リ サ イ ク ル 法 施 行 前 に お い て,使 用 済 み 家 電 製 品 の 大 半 は リ サ イ ク ル さ れ ず に 埋 立 処 分 さ れ て い た の が 現 状 で あ っ た.具 体 的 に は,破 砕 処 理 施 設 が あ る 場 合 は,破 砕 ・選 別 後 に 金 属 類 が 回 収 さ れ,シ ュ レ ッ ダ ー ダ ス トは 焼 却 ・埋 立 処 分 さ れ て い た.ま た 破 砕 施 設 が な い 場 合 は,そ の ま ま 埋 立 処 分 さ れ て い た.経 済 産 業 省 の 試 算 で は,前 者 の 処 理 が 約57%で,後 者 の 処 理 が 約43%で あ っ た9).こ れ ら の 処 理 に よ る リ サ イ ク ル 率 は,厚 生 省 の 試 算 に よ る と,テ レ ビ が7.3%,冷 蔵 庫 が24.5%,洗 濯 機 が26.8%,エ ア コ ン が31.8%で あ っ た10).つ ま り,法 施 行 前 の 使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 ・処 分 は,リ サ イ ク ル と い う概 念 は 存 在 せ ず,終 末 処 理 を 行 う と い う段 階 で あ っ た と い え る. そ こ で シ ス テ ムAの リ サ イ ク ル 率 を み て み る.約67%の 企 業 が リ サ イ ク ル 率50∼59%を 達 成 し て い る.家 電 リ サ イ ク ル 法 で 定 め ら れ た 基 準 は,テ レ ビ が55%以 上,冷 蔵 庫 と 洗 濯 機 が 50%以 上,エ ア コ ン が60%以 上 で あ る.つ ま り,シ ス テ ムAの 企 業 の 大 半 が,法 施 行 前 か ら家 電 リ サ イ ク ル 法 を 遵 守 で き る レ ベ ル に あ っ た こ と が 分 か る. こ れ に 対 し て,東 海 ・北 陸 企 業 で は,約68%の 企 業 が リ サ イ ク ル 率30%未 満 で あ っ た.こ の 結 果 は,前 記 の 厚 生 省 の 試 算 結 果 と も ほ ぼ 一 致 し て い る. 以 上 よ り,静 脈 産 業 に お い て シ ス テ ムAの 企 業 は 終 末 処 理 と い う 段 階 か ら 一 歩 進 ん だ リ サ イ ク ル と い う概 念 が あ っ た と 考 え ら れ る. 4.2.静 脈 企 業 と 動 脈 企 業 の 企 業 間 関 係 現 代 社 会 に お い て,静 脈 企 業 と動 脈 企 業 の 関 係 は 分 断 さ れ た 「分 断 型 経 済 」で あ っ た").法 施 行 前 の 実 態 で も,実 際 に 使 用 済 み 家 電 製 品 を 処 理 ・処 分 し て き た の は 自 治 体 及 び 廃 棄 物 処 理 業 者 で あ る.た だ し,動 脈 企 業 で あ る 家 電 メ ー カ ー が 使 用 済 み 家 電 製 品 に 無 関 与 で あ っ た わ け で は な い.家 電 メ ー カ ー は1970年 代 初 頭 に 使 用 済 み 家 電 製 品 の 問 題 が 顕 在 化 し て 以 来,(財)家 電 製 品 協 会 を 中 心 に 製 品 ア セ ス メ ン トの 実 施 リ サ イ ク ル 技 術 開 発 に 係 る 実 証 研 究 の 実 施 等 を 行 っ て き た.1991年 に は,処 理 主 体 で あ る 自 治 体 を 支 援 す る た め に 「回 収 支 援 シ ス テ ム 」 を 構 築 し,1995年 に は,「 廃 家 電 適 正 処 理 協 力 シ ス テ ム 」 へ と発 展 し た.「 廃 家 電 適 正 処 理 協 力 シ ス テ ム 」 を 通 し て,家 電 メ ー カ ー は 市 町 村 等 の 協 力 要 請 に 対 し て 収 集 運 搬 機 材 の 供 与,フ ロ ン 回 収 機 の 供 与,処 理 施 設 整 備 費 の 一 部 負 担 な ど を 実 施 し て き た'2).ま た,通 商 産 業 省 国 庫 補 助 事 9)神 鋼 リサー チ 株式 会 社(1999)6ペ ー ジ. 10)神 鋼 リサー チ 株式 会 社(1999)7ペ ー ジ. 11)細 田(1999)87ペ ー ジ. 12)1995年 度 及 び1996年 度 にお け る 自治 体 へ の 支援 協 力 事 業 の 実績 は次 の とお りで あ った.① 収 集 運 搬 機 器 の 支援,1995年 が1件,1996年 が23件,② 処 理施 設 の 支援,1995年 が4件,1996年 が17件,③ フロ ン回 収 関連 機 器 の支 援1995年 が234件,1996年 が196件,④ 調 査 ・PRへ の 支 援,1995年 が4件,1996 年 が4件 であ った.

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業 と し て(財)家 電 製 品 協 会 を 中 心 に 「廃 家 電 品 一 貫 処 理 リ サ イ ク ル シ ス テ ム 開 発 」 が 行 わ れ た13). こ の 事 業 は,使 用 済 み 家 電 製 品 を 省 力 的 ・安 全 な 工 程 で 効 率 的 に リ サ イ ク ル を 行 う た め の 要 素 技 術 を 開 発 し,受 入 か ら 有 価 物 回 収 ま で の 一 貫 処 理 リ サ イ ク ル シ ス テ ム の 開 発 を 行 う も の で あ っ た14). 以 上 よ り,行 政 と 家 電 メ ー カ ー の 関 係 は 少 な か ら ず 構 築 さ れ て い た こ と が 分 か る15).そ こ で, こ こ で は 廃 棄 物 処 理 業 者 と 製 造 業 者 等 の 問 に 関 係 が あ っ た の か ど う か を 検 討 す る. 今 回 の 調 査 で は,シ ス テ ムAは,約88%の 企 業 が 製 造 業 者 等 と取 引 や 情 報 交 換 と い う 形 で 関 係 を 持 っ て い た.ま た 関 係 を 持 っ て い た 製 造 業 者 等 の 企 業 数 は,2∼5社 が 約83%,10社 以 上 が 約17%で あ っ た. こ れ に 対 し て,東 海 ・北 陸 企 業 で は 製 造 業 者 等 と取 引 や 情 報 交 換 と い う 形 で 関 係 を 構 築 し て い た 企 業 は わ ず か に12%で あ っ た.た だ し,こ れ ら の 企 業 は シ ス テ ムAと 同 様 に 複 数 の 製 造 業 者 等 と 関 係 を 構 築 し て い た. 以 上 よ り,全 体 的 に み る と,静 脈 企 業 と動 脈 企 業 の 企 業 間 関 係 は 「分 断 型 経 済 」 で あ っ た と い え る.そ の 中 で,特 定 の 静 脈 企 業 だ け が 特 定 の 製 造 業 者 等 と の 排 他 的 な 関 係 に 依 存 す る の で は な く,複 数 の 製 造 業 者 等 と 取 引 や 情 報 交 換 と い う 形 で 関 係 を 構 築 し て き た.ま た 家 電 リ サ イ ク ル に お い て,こ の 特 定 の 静 脈 企 業 が シ ス テ ムAに 集 中 し て い る. 4.3.家 電 リ サ イ ク ル へ の 参 入 意 識 静 脈 産 業 で は,企 業 規 模 が 大 き く な り大 型 の 設 備 が 導 入 さ れ て い る 企 業 ほ ど,多 品 種 の 廃 製 品 を 処 理 ・処 分 す る こ と で 稼 働 率 を 上 げ,範 囲 の 経 済 効 果 を 追 求 す る 傾 向 に あ る16).ま た 今 回 の 調 査 に お い て,使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 ・処 分 単 独 で は 採 算 性 の あ る 事 業 で は な か っ た こ と が 判 明 し た17).し か し,範 囲 の 経 済 を 追 求 す る の で は あ れ ば,家 電 リ サ イ ク ル 業 に 参 加 す る こ と は メ リ ッ トが あ る と 考 え る.そ こ で 法 施 行 前 に お い て,シ ス テ ムAと 東 海 ・北 陸 企 業 の 間 に, 13)こ の事 業 の 実 証 実験 総 額 は,約50億 円 で あ った.剛 家 電 製 品協 会 が2/3を 負 担 し,国庫 補 助 が1/3で あ っ た.開 発 事 業 期 間 は1995年 か ら1998年 で あ った.1998年 に は,実 証研 究 を行 い,使 用 済 み 家電 製 品 の リ サ イ ク ル技 術 の メ ニ ュー を広 く一 般 に公 開 して い た。 14)(財)家電 製 品 協 会(1998)63-95ペ ー ジ. 15)神 鋼 リサ ー チ株 式 会 社(1999)15ペ ー ジ に よる と,実 際 に は,自 治 体 と家 電 メ ー カ ー との 協 力 関係 は必 ず し も順 調 で は な か った と指摘 す る. 16)2003年4月 に行 っ たH社 で の ヒ ア リ ング調 査 及 び会 社 案 内 よ り. 17)使 用 済 み家 電 製 品 の処 理 ・処分 業 にお け る採 算 性 に 関 して,シ ス テ ムAで は約17%の 企 業が,東 海 ・北 陸 地 方 で は約5%の 企 業 が,採 算 性 が あ っ た と回 答 してい る だ けで あ る. また,使 用 済 み家 電 製 品 か ら回収 され る資 源 の市 場 価 格 が低 く,す べ て を売 却 して も1台 当 た り数 百 円 程 度 に しか な らな いた め,コ ス トをか けて 資 源 回収 を行 う イ ンセ ンテ ィブが 生 じない(『 資源 回収 新 聞』 1998年10月25日).

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家 電 リサ イ ク ル 業 へ の参 入 に 関 して 意 識 の違 い が あ っ た の か ど うか を検 討 す る.表5は,両 グ ル ー プの 家 電 リサ イ ク ル 業 へ の参 入 に対 す る 意 識 を示 した もの で あ る. シス テ ムAの 企 業 群 は,家 電 リサ イ ク ル業 を積 極 的 に 評 価 して い る. 第1は,家 電 リサ イ ク ル 業 を新 た な ビ ジ ネ ス チ ャ ンス と して捉 えて い る こ とで あ る.具 体 的 に は,中 田 屋 は2004年 に は 家 電 リサ イ ク ル 事 業 を年 商 の7割 に ま で 引 き上 げ た い と考 え て い た'8).豊 和 商 事 は金 属 ス ク ラ ッ プの 売 上 と収 益 が 低 下 して い る た め に,売 上 高 の3割 を 占 め る 使 用 済 み家 電 製 品 を含 む 産 廃 の 比 重 を高 め る こ と を考 え て い た19).拓 南 商 事 は 家 電 リ サ イ ク ル が新 た な ス ク ラ ップ の 発 生 源 とな る と考 え て い た20).ま た ハ リ タ金 属 は 法 施 行 前 か ら家 電 リサ イ クル 業 単 独 で は収 益 性 に 限界 が あ る と予 測 して い た.そ の た め,家 電 リサ イ ク ル で確 実 な実 績 を作 り,今 後 の 自動 車 リサ イ ク ル で 確 実 に リサ イ ク ル プ ラ ン トと し て指 定 され る こ と を計 画 して い た21). 第2は,循 環 型 産 業 シス テ ム の構 築 へ の 貢 献 で あ る.具 体 的 に は,平 林 金 属 は 「リサ イ ク ル 業 は これ ま で 苦 難 が 多 か っ たが,時 代 は循 環 型 社 会 の 実 現 を 目指 して お り,微 力 な が ら貢 献 し て い き た い(平 林 社 長)22)」と考 え て い た.ハ リ タ金 属 は 「環 境 保 全 に 視 野 を据 え,今 まで に培 わ れ て き た リサ イ ク ル や 産 業 廃 棄 物 の ノ ウハ ウ を活 か す こ とが で き る23)」と考 え て い た. 第3は,地 域 社 会 へ の 貢 献 で あ る.中 田屋 は廃 製 品 の リサ イ ク ル 率 の 向 上 と と もに,排 水 関 係,大 気 関係,振 動 関係,騒 音 関係 か ら各 地域 に適 した 環 境 対 策 を行 っ て い る.ま た,そ の 他 の 企 業 も各 会社 案 内 で 「リサ イ ク ル 業 を通 して,地 域 に 貢 献 す る 」 こ とを ス ロー ガ ン と して 掲 げ て い る. 第4は,既 存 の 設 備 や ノ ウハ ウ の 活 用 で あ る.東 北 東 京 鉄 鋼 は 「既 存 の 設 備 を活 用 して 処 分 コス トを 低 く し よ う と い うAグ ル ー プ 各 社 の 意 向 と,設 備 の 有 効 活 用 を考 え た 当社 と の 戦 略 が 一 致 した(櫻 井 所 長)24)」で あ っ た.こ の 結 果,東 北 東 京 鉄 鋼 で は2003年 度 上 半 期 業 績 にお い て,使 用 済 み 家 電 製 品 に よ る利 益 が 約30%増 加 した25).ま た ハ リ タ金 属 は 「既 存 の設 備 な ど を 有 効 活 用 す る こ とで コス トの 低 減 に 取 り組 む 方 針26)」で あ っ た. これ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 で は約 半 数 の 企 業 が 家 電 リサ イ クル 業 に対 して 無 関心 で あ っ た.そ こ で,法 施 行 前 に 使 用 済 み 家 電 製 品 を処 理 ・処 分 して い た 企 業(東 海 ・北 陸企 業 つ に 18)『資源回収新聞』2002年2月5日. 19)『資源回収新聞』2002年1月5日. 20)『資源回収新聞』2002年3月25日. 21)同 上. 22)『資源回収新聞』2001年8月5日. 23)会 社 案内よ り. 24)『資源回収新聞』2002年4月15日. 25)『資源回収新聞』2004年2月5日. 26)『資源回収新聞』2001年6月25日.

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対 象 を絞 っ て 分 析 を行 っ た.こ の ケ ー ス で も,割 合 は約50%か ら約37%に 減 少 して い るが,無 関心 で あ っ た 企 業 が 一 番 で あ っ た.ま た,新 た な ビ ジ ネ ス チ ャ ンス と して捉 え て い る企 業 が, 約12%か ら約21%に 増 加 して い る.同 時 に負 担 と な る と捉 え て い た企 業 が 約17%か ら約21% に増 加 して い る. 表5家 電 リサ イク ル業へ の参 入 に対 す る意 識 業 務 の拡 大 を図 るこ とが で きる. 既 存 の 設備 や ノ ウハ ウ を活 用 す る こ とが で きる. 新 たな ビジ ネ スチ ャ ンスで あ る。 循 環 型 産業 社 会 の構 築 へ の 貢 献. 地 域 社 会 に貢 献 で きる. 負 担 が増 え る. 特 にな い. その 他. 回答 企 業 数 次 に法 施 行 前 か ら処 理 ・処 分 の ノ ウハ ウ の 蓄 積 を行 っ て い た か ど うか 分 析 す る. シ ス テ ムAで は,約83%の 企 業 が 処 理 ・処 分 の ノ ウハ ウ の 蓄 積 を行 っ て きた.家 電 リサ イ ク ル 法 施 行 後 の状 況 で あ る が,平 林 金 属 は廃 プ ラス チ ック の 再 資 源 化 に 関 して 独 自 に研 究 を 行 っ て い る.同 時 に製 造 業 者 等 の 要 請 に幅 広 く協 力 で き る環 境 整 備 を進 め て い る27). またH社 は2003年4月 か ら再 商 品化 率 の 向 上 を 図 るた め に,電 気 洗 濯 機 の 手 分 解 を 試 験 的 に 始 め て い た.自 社 内 で 処 理 ・処 分 の ノ ウハ ウ を蓄 積 す る こ と に よっ て,2003年 の7月 頃 を メ ドに効 率 的 な作 業 を確 立 し,採 算 性 を確 保 す る と い う こ とで あ っ た28). 今 回 の 調 査 と法 施 行 後 の 状 況 か ら,シ ス テ ムAの 企 業 群 は,法 施 行 前 か らあ る程 度 継 続 的 に ノ ウハ ウ の 蓄 積 を行 う こ とが で き る体 制 を構 築 して い た と考 え る. これ に対 して,東 海 ・北 陸 企 業 で は約25%の 企 業 が 処 理 ・処 分 の ノ ウハ ウ の 蓄 積 を 行 っ て い た だ けで あ る. 最 後 に,家 電 リサ イ ク ル 業 に対 す る参 入 意 識 度 合 か ら分 析 を行 う. 27)『資源回収新聞』2003年9月25日. 28)2003年4月 に行ったH社 でのヒアリング調査に よる.

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シ ス テ ムAで は,す べ て の 企 業 が 積 極 的 に リサ イ ク ル 業 に参 入 した い と考 え て い た.こ れ に 対 し て,東 海 ・北 陸 企 業 で は,リ サ イ クル 業 に参 入 した い と考 え て い た 企 業 は15%だ け で あ っ た.残 りの 企 業 は,リ サ イ ク ル業 へ の 参 入 に 対 して無 関 心 な い しは 消 極 的 で あ っ た. 5.小 括 本 稿 で は,静 脈 産 業 を中 心 的 な対 象 と し,循 環 型 産 業 シス テ ム構築 に む け た 静 脈 企 業 の 再 編 の分 析 を行 っ て き た.以 上 の 実 証 分 析 か ら得 られ た結 果 を ま とめ る. 家 電 リ サ イ クル に お い て,循 環 型 産 業 シ ス テ ム の構築 に向 け て 選 定 さ れ た 企 業 の水 準 は 以 下 の とお りで あ る. 第1は,シ ス テ ムAの 企 業 群 は,静 脈 産 業 単 独 で み た場 合,垂 直 的 統 合,多 角 化 が 進 行 し, 比 較 的 大 規 模 な もの で あ る.し か し,全 国展 開 は さ れ て お らず,地 域 密 着 型 企 業 と して 地 域 社 会 へ の 貢 献 を 重 視 して い る. また こ れ らの 企 業 は,動 脈 企 業 に お け る リー デ ィ ング カ ンパ ニ ー が 「環 境 戦 略 」 を企 業 の ブ ラ ン ドイ メ ー ジの 強 化 と し て捉 え て い る の と同 様 に,「 環 境 戦 略 」 を重 視 し て い る. 第2は,シ ス テ ムAの 企 業 群 は,従 来 か ら使 用 済 み 家 電 製 品 の 処 理 ・処 分 業 を担 い,継 続 的 に ノ ウハ ウ の 蓄 積 を行 っ て き た.ま た 循 環 型 産 業 シ ス テ ム へ の参 入 を新 た な ビ ジ ネ ス チ ャ ンス と して 捉 え て い た. 第3は,シ ス テ ムAの 企 業 群 は,従 来 か ら動 脈 産 業 で あ る製 造 業 者 等 と取 引 や 情 報 交換 と い う形 で 関 係 が あ っ た と い う こ とで あ る.つ ま りシ ス テ ムAの 企 業 と動 脈 企 業 の 企 業 間 関 係 は 継 続 的 相 対 取 引 関 係 に あ り,法 施 行 後 もこ の 形 態 を とっ て い る. 今 回 の 分 析 か ら明 らか な よ うに,現 代 が 循 環 型 産 業 シス テ ムへ の 転 換 の 過 渡 期 に あ り,一 定 の水 準 を満 た して い る企 業 は,循 環 型 産 業 シス テ ム に 参 入 す る こ とが で き,そ れ 以 外 の 企 業 は 参 入 の 機 会 を 失 っ て し ま う こ とに な る.こ の こ と に よっ て,一 方 通 行 型 産 業 シス テ ム か ら循 環 型 産 業 シ ス テ ム と い う産 業 シ ス テ ム の 転 換 期 にお い て,大 幅 な静 脈 産 業 の 再 編 が 行 わ れ る こ と に な る と考 え る. (謝 辞)本 研 究 の 実 施 に あ た り,名 古 屋 市 立 大 学 大 学 院 経 済 学 研 究 科 の塩 見 治 人 教 授,田 中 彰 助 教 授 な らび に専 門研 究 者 の方 々 及 び筆 者 の ア ンケ ー ト調 査 ・聞 き取 り調 査 に ご理 解 を頂 き, 快 くご協 力 して くだ さい ま した企 業 の 方 々 か ら大 変 有 益 な ご助 言,ご 指 導 を 頂 き ま した.ま た 本 研 究 は,第2回(平 成15年 度)名 古 屋 市 立 大 学 経 済 学 会 研 究 支 援 基 金 を 受 け て い ま す.心 よ り御 礼 申 し上 げ ます.

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参照

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