Vo1.51(2014) 近 畿大学原 子力研究所 年報
付 録2
平成25年 度卒業研究発表会 要 旨
(原子 力研究所配属学部学 生お よび大学院生)
近畿大 学原子 力研究所 には、電気電子 工学科 および生命科学科 よ り十数名 の
卒業研究 生、な らび に総合理工学研 究所よ り数名 の課程大学 院生が例年配属 さ
れ ます。原子 力研究所 関係教員の指導の もとに学部 、大学 院教育、研究が行わ
れ、その成果 を 口頭発表 し、卒業論文、修士論 文、博士論文 と して ま とめてお
ります。 これ らの内容 は、近大原研 の教育研究活動 を知 って頂 く上で 良い資料
にな ると考 え、 ここに発表会の要 旨を付録 として掲載 します。
付録2
卒
業
論
文
1.電 気 電 子 工 学 科
Nizamuddin BinJasman 藤 本 敦 士 石 井 俊 晃 西 尾 拡 山下 泰 弘 樋 上 哲 郎 崎 山 貴 史 阪 中 翔 太 山 口 祥 英 野 平 陽 巳モンテカル ロ法 による近畿大学原子炉の中性子束分布解析
加速器駆動未臨界炉におけるプル トニ ウム燃料の燃焼特性
多群拡散理論を用いた高速増殖炉の高次モー ド解析
亜臨界水による難燃物の油分転化 一反応容器内部温度370[℃]設 定 一
異なる位置読み取 り電極 を有する熱中性子検出器の位置分解能
抵抗シー トを用いた熱中性子位置検出器の開発
実習ライブラリーの整備
223Ra放 射性薬剤 の汚染管理に関する研究
さつまいもとパセ リによる土壌 中放射性セシウムの吸収
近畿大学原子炉上蓋内照射孔における中性子束の測定
2.生 命 科 学 科
帖地
剛史
吉村
忠
吉田
太輔
切東
良介
X線 が細胞分化に及ぼす影響を評価するための基礎研究
一ヒ トips細 胞 を用いて一
キノコへの放射性セシウムの移行
農作物の栄養吸収におけるKとCsの
拮抗
原爆放射線疫学データの対照群 による低線量影響の再考
Vol.51(2014) 近畿大学原子力研究所年報
モ ンテカルロ法による近畿大学原子炉の中性子東分布解析
12-1・036・0805NIZAMUDDINBINJASMA、N (原 子 力 研 究 所 第 一 研 究 室) 1.背 景 と 目 的 現 在 、 核 不 拡 散 の観 点 か らア メ リカ主 導 で 世 界 中 の高 濃 縮 ウラ ン使 用 して い る研 究試 験 炉 燃 料 の濃 縮 度 を 低減 化 す る 計 画(RERTR)が 進 め られ て お り、 我 らが近 畿 大 学 原 子 炉(UTR-KrNKI)も そ の 対象 で あ る。 熱 出加 のum一 ㎜ にお い て も、 低 濃 縮 化 等 の炉 心変 更 を実 施 す る際 に は 、 事 前 に十 分 な 予 測 計算 を 実施 す る必 要 が あ る。 しか し、 軽 水 減 速 黒鉛 反射 二 分割 炉 とい う特 殊 性 に加 えて 、 低 出 力 故 に燃 焼 が極 め て 少 ない ㎝ 一㎜ で は、 シ ミュ レ ー シ ョン解 析 の 実 績 が 極 め て少 ない 。そ こで本研究 で は連 続 エ ネ ル ギー 中性 子 輸 送 モ ンテ カル ロ コー ド 「㎜.0」 を 用 い てm一 ㎜ の シ ミュ レー シ ョ ン計 算 を実 施 し、 中性 子 束 分 布 の再 現 を行 う こ とを 目的 とす る 2.解 析 体 系 図1に 構 築 したUTR・K【NKIの 幾 何 形 状 モ デ ル を示 す 。 U皿 一㎜ に は2本 の辮(SRl,S毘)と シ ム 安 全 棒(SSR)、 調 整 棒(RR)、 合 計4本 の 制御 棒 が 設 置 され て い る。 以 上 の 仕 様 を反 映 し、 黒鉛 反 射 体 の 中心 点 を原 点 とした3次 元 解 析 モ デ ル を作 成 した。 なお 解 析 に 使 用 し た 評 価 済 み 核 デ ー タ ラ イ ブ ラ リ は 「JENDL,・4.0」で あ る。 3.解 析 結 果 と結 論 解 析 の結 果 得 られ たX軸 上 の 中性 子 束 分布 を図2に 示 す 。 な お 、図 中で はleV以 下 のエ ネ ル ギー を持 つ 中性 子 を熱 中性 子 と し、そ れ よ り高 い エ ネ ル ギー を 持 っ 中性 子 を高 速 中性 子 と して示 して い る。 oF8gt飼outro胸 ロThorm81Noutron回
国
黒鉛反射体
燃
料
領
填
Y 巨}・ ・燃
料
領
域
国
X>国
図1:UTR。 ㎜ のi幾何 形 状 モ デ ル 皿 一㎜ は 図1に 示す よ うに黒鉛 購 中 に2 つ の燃 料 領 域 を有 す る2分 割 炉 で あ る。 そ れ ぞ れ の 燃 料 領 域 に は燃 料 要 素 を6体 ず っ 収 め た ア ル ミ製 の タ ン クが 設 置 され て お り、 タ ン ク 内 は減 速 材 の 軽水 で 満 た され て い る。 炉 心 中央 に は照 射 サ ン プル 等 を 挿 入 す る為 の 中央 ス トリン ガー 孔 が存 在 す る。ま た 、 5 コ 0 0 0 0 5 0 0 0 [ゼ ⊃ ヒ 妥 £ ≦ × 2 ﹂ 5 ﹂ ぢ O Z 0 -80・-60-40『-2002040080 X-AxisLength[cm] 図2:中 性 子 束 分 布 の 計 算 結 果 ■ Gmphito -一 一 'i…'i魂
iロi嬉、 ← 鉢 ●1銑
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〆iへ1 ・面 。 評 ・i 詫{ ∫1塾 !i夢 I Gmphito } 一 一 言 騨 3 ii i㎞li Air伸i
il 1 ,;9「 得 られ た 中性 子 束 分布 は燃 料 領 域 に ピー ク を有 す る 二 つ 山形 状 を示 した 。燃 料 領 域 で は熱 中性 子 と高 速 中性 子 は類 似 した 中性 子 束 分 布 を 示 して い るが 、反 射 体 領 域 で は 異 な る減 衰 の 様 子 を示 した 。 これ は黒 鉛 反射 体 の 減速 効 果 に よ り高 速 中 性 子 が 熱化 す るか らで あ る。 そ の 結果 と して 、 中央 ス トリンガ ー 孔 内 にお け る 中性 子 束 は熱 中性子 が 支 配 的 で あ る。 4.ま と め ㎜2.0を 用 い てU皿 欄 の シ ミュ レー シ ョン解 析 を実施 した。 解析 に よ り得 られ た 中性 子 束 分布 は UTR一㎜ の 特 徴 を よ く再 現 した 。付 録2
加 速器 駆動未 臨界炉 にお け るプル トニ ウム燃料 の燃焼 特性
10・1・036・0206藤 本
敦 士
(原子力研 究所第一研究室)
1.背景 と 目的 我 が 国 の 原 子 力 開発 計 画 で は、 当初 、 軽 水 炉 使 用 済 み 燃 料 の再 処 理 か ら抽 出 され るプ ル トニ ウム は高 速 増 殖 炉 で 専 ら燃 焼 させ る予 定で あ った 。 しか し、 高 速 増 殖 炉 開発 の 大 幅 な遅 れ と軽 水 炉 で の燃 焼(プ ル サ ー マ ル)の停 滞 の た め 、我 が 国 の プル トニ ウム 保 有 量 が 急 速 に増 大 し、 諸 外 国 に核 不 拡 散 上 の懸 念 を 抱 か せ て い る。 余剰 プル トニ ウム保 有 量 を 削減 す る こ とは、 我 が 国 に とっ て非 常 に重 要 な課 題 で あ る。 本 研 究 で は、 安 全性 と燃 焼 効 率 の高 い 加 速 器 駆 動 未 臨 界 炉(ADS)に お い て プル トニ ウム を燃 焼 させ る こ とを想 定 し、 この 燃 焼 特 性 を解 析 に よ り明 らか に し、 燃 焼 量 向上 の た め の検 討 も行 っ た。 燃 焼 解 析 に は 、 日本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 で 開発 され た次 世代 炉 心 解 析 シ ステ ムMARBLEを 使 用 した。 2ADS体 系及 び 解 析 手 法 解 析 に用 い たADSの 体 系 を図1に 示 す。 上 図 は1/4炉 心 の上 面 図 、下 図 は半 径 方 向 の 等 価 断 面 図 を示 す 。 計 算 は 下 図 の よ うに炉 心 をRZ体 系 と して行 っ た。 炉 心 領 域 にU・ Pu混 合 酸化 物(MOX)燃 料 及 び 希 釈 材 と してMgOを 装 荷 した。 プ ル トニ ウム 富化 度 及 び 燃 料 ピ ンの 直径 、 コア の 高 さ、 半径 方 向長 さを表1の 様 に設 定 し、燃 焼 特性 の これ ら パ ラ メー タ に対 す る依 存 性 を 調 べ た 。 図1 表1変 更 パ ラ メ ー タ ADS体 系 図1) 3.結果 と考 察 MOX燃 料 の 富化 度 と600日 当 た りの プル トニ ウ ム燃 焼 量 の 関係 を 図2に 示 す 。 装 荷 燃 料 の富 化 度 を 大 き く設 定す る と燃 焼 量 が 増 大 して い る。 これ は U・238の 中性 子 捕 獲 に よ る新 た なPu・239の 生 成 量 が 減少 す る こ とに 起 因 して い る。 図3に 実効 増 倍 率 の 富化 度依 存 性 を示 す。 初 期 富 化 度 を大 き く設 定 す る と実効 増 倍 率低 下 が よ り急 峻 に な る こ とが わ か る。 これ はU・238の 中性 子 捕 獲 に起 因 す る新 た な Pu-239の 生 成 量 が 減 少 す る こ とに よ り、炉 内 の Pu・239減 少 速度 が 大 き くな る こ とに 因 る。 500 500 ロ 三 劇 300 製200 100 0 10%15%20%29%30%35%40%45%50%55%6α}6 隔 ■ 化 度 図2プ ル トニ ウ ム燃 焼 量 の 富 化 度依 存 性 1 0.9 ロ 塁 α, 嚢 α、 胤 α5 0.4 03 0100200300400500600 0pe訊ioo6avlεFPD51図3富
化度変化時の実効増倍率変化
プ ル トニ ウ ム富 化 度[wt%1 13.1、14.6、17.4(※)、20.3、23.1、26.0、28.8、 31.6、34.4、39.9、45.4、50.9、56.3 ピ ン直 径 【㎝ 】 コ ア 半 径 方 向 コ ア 高 さ[㎝] 長 さ 【cm】一
0.60 0.65(※) 0.80 0.90 4.ま と め 次 世 代 炉 心解 析 シ ス テ ムMARBLEを 利 用 し、 ADSを 用 い て プ ル トニ ウム を燃 焼 させ た 場合 の 燃 焼 特 性 を解 析 した 。 プ ル トニ ウム燃 焼 量 及 び 反 応 度 変 化 を評 価 す る こ とが で き た。 70 100(※) 130 160 60 84.66(※) 100 120 参 考 文 献 (1).KNishiharaeta1,NucLSctTbhnoL,Vb工45, No.8,p.813(2008) ※デ フ ォ ル ト設 定Vo1.51(2014) 近畿大学原子力研究所年報 多 群 拡 散 理 論 を 用 い た 高 速 増 殖 炉 の 高 次 モ ー ド解 析 10・1・036・0057石 井 俊 晃 (原子 力 研 究 所 第 一 研 究 室) 1.背 景 と 目的 原 子炉 の 出 力 分 布 安 定 性 の観 点 か ら、外 乱 に対 す る中性 子 束 分布 の変 動 感 度 は小 さい こ とが要 求 され る。 そ こで 、 空 間 高 次 モー ドに お け る固有 値 間 隔 の 計算 行 うこ とで 、外 乱 に対 す る、 中性 子 束 分 布 の変 動性 を求 め る。 冨塚 らの研 究1)で は、 単 一 の 中性 子 エ ネ ル ギー を仮 定 す る1群 モ デ ル を採 用 し、 高 速増 殖 炉 「もん じゅ 」 に対 して 高 次 モ ー ド固 有値 解 析 を 行 い 、 変 動 感 度 の評 価 指標 で あ る 固有 値 間 隔 を求 め た 。 しか し、実 際 の原 子 炉 内 の 中性 子 エ ネ ル ギー 分 布 は10桁 に も及 ぶ ⑳。従 って 、固有 値 間 隔 の 計 算 に お い て も中性 子 エ ネ ル ギ ー 分 布 を考 慮 し影 響 を評 価 す る 必要 が あ る。 本研 究 で は 、2次 元 六角 座 標 系 に お い て エネ ル ギ ー6群 モ デ ル を採 用 し、 固有 値 問 題 を解 く こ とで得 られ る固 有 値 間 隔 を 、1群 モ デ ル に よ る結 果 と比 較 、 検 討 す る。 2.計算 方 法 固 有 値 計 算 に はべ キ乗 法 を 用 い た。 本研 究 で は 、 以 下 に示 す 二 重 の 反 復 計 算 に よ り固 有 値 λω及 び 固 有 関数 Φωを得 る。 hgψ 望 一P… 、)MgΦ 警卿1) λ(κ)一 λ(κ一・)〈M・ Φ望 》〈 M・ ψ1ケー手)> g==1,2,3…6.k=1,2,3…. 〈 》:空 間 と エ ネ ル ギ ー の 積 分
(1)
(2)
Lgは 吸 収 、漏 れ に よ る 中性 子 消 滅 演 算 子 、Mgは 核 分 裂 に よ る生 成 演 算 子 、gは 群 乗 数 、kは 繰 り返 し 計 算 回数 で あ る。 高次 モ ー ド計 算 の 時 はべ キ乗 法 に ホ テ リン グ 法 を 用 い る こ とで 、 既 に 求 め た 基 本 モ ー ドか ら第n次 モ ー ドま で の成 分 を反 復 ベ ク トル か ら 除 去 し、 第(n+1)次 モ ー ドを求 め た。ε
π一走 一走(3)
固 有 値 間 隔 επは 、(3>式に示 す よ うに、得 られ た 第n 次 固 有 値λπと基 本 固有 値 λoの逆 数 の 差 と して 定 義 さ れ る。計 算 は図1に 示 す もん じゅ の2次 元 六 角座 標 系 を含 む 計7つ の 制御 棒 パ タ ー ンにつ い て 固 有 値 と 固有 関数 の解 析 を実施 した。 炉心構成要素 記号 炉心燃 料 集合体 内部炉 心○
外部炉 心O
制御棒 集合体 セ ン ター①
制御棒●
ブランケット燃料 集合 体●
中性 子遮蔽 体○
図1「 も ん じ ゅ 」 炉 心 体 系 3.結果 お よび 考 察 解 析 に よ り得 られ た 各 制御 棒挿 入 体 系 に お け る1 次 モー ドか ら5次 モー ドの固 有 値 間 隔 を表1に 示 す 。 得 られ た 固有 値 間 隔 は全 挿 入 体 系 を 除 き 、6群 モ デ ル の結 果 は1群 モ デ ル に 比べ て 、固 有値 間 隔 が 小 さ くな っ た。 全 挿 入 体系 で は3次 モ ー ドを 除 き 、6群 モ デル の結 果 が1群 モ デ ル に 比 べ 、大 き な 固有 値 間 隔 を得 た。 た だ し、6群 モ デ ル と1群 モ デ ル の 固有 値 間 隔 の差 は2%程 度 と小 さい。 表11群 と6群 にお け る 固有 値 間 隔/
全 引抜 全 挿 入 セ ン タ ー 挿 入 モ ー ド 1群 6群 1群 6群 1群 6群 1次 13.38 13.16 8.30 8.93 12.37 12.12 2次 13.38 13.16 8.30 8.93 12.28 12.12 3次 33.14 32.70 18.44 18.10 32.13 31.66 4次 33.14 32.70 24.07 25.27 32.13 3166 5次 46.18 44.76 42.41 44.07 49.11 47.55 以 上 の結 果 か ら高 速 炉 体 系 にお い て は1群 モ デ ル6 群 モ デ ル に お け る固 有値 間隔 の差 は小 さい 。 これ は 熱 中性 子 炉 に比 べ て 高 速 炉 で は 、炉 内 中性 子 の大 多 数 を高 速 中性 子(1keV以 上)占 め る か らで あ る。参考文献
)1
)2
冨 塚 慎 吾,"高 次 モ ー ド計 算 に 対 す るWielandt 源 反 復 加 速 法 の 適 用"、 近 畿 大 学 大 学 院 、 修 士 論 文 、 平 成22年 度,.F9, 平 川 直 弘,岩 崎 智 彦,"原 子 炉 物 理 入 門"、 笹付録2
亜 臨 界 水 に よ る難 燃 物 の 油 分 転 化
一 反 応 容 器 内 部 温 度370[℃1設 定 一 10・1・036・0184西 尾 拡 (原 子 力 研 究 所 第 一 研 究 室) 1.背 景 ・目的 原 子 力発 電 所 を 日々 運 営 す るた め に は難燃 性 廃 棄 物 の発 生 は 不 可 避 で あ る。 現 在 この処 理 方 法 は、 圧 縮 な どを 施 した 後 、最 終 的 に200Lド ラ ム缶 に密 封 し埋 設 処 分 して い る。 しか し、 この方 法で は埋 設 地 に限 界 が あ り、 減容 処 理 方 法 を新 た に 開発 す る必 要 が あ る。 本 研 究 で は 、 難燃 性 廃 棄 物 と して 、 ゴム 手袋 及 び 塩 化 ビニ ル テ ー プ を用 い 、 これ ら を亜 臨 界 水 に よ り 油分 転化 し、 減 容 効 果 の評 価 を 実施 した。 2.原 理 亜 臨 界 水 とは 、水 の 臨界 点(温 度:約374[℃]、 圧 力:約22[MPa])よ り少 し低 い 温 度 と圧 力 を有 す る 流 体 で あ り、有 機 物 に 対 し高 い 分 解 力 を示 す 。 本 研 究 の 予 備 実 験 の 結 果 、 反 応 容 器 内 部 に 水8 [cm3]を 封 入 し内部 温 度370[℃]と した場 合 、 内部 圧 力 は20【MPa]で あ っ た。 この条 件 に お いて 、水 は 亜 臨 界 状 態 に あ る。 上 述 の条 件 の 亜 臨界 水 に よ り本 研 究 を 実施 した。 3.実 験 方 法 本研 究 の 難 燃 性 廃 棄 物(以 下 「難 燃 物 」 とす る。) と して 、 ゴ ム手 袋 及 び塩 化 ビニ ル テ ー プ を用 い た 。 容器 内 部 に水 と難 燃 物 を封 入 した。内 部 温度370rCl を5[min]あ るい は30[血n]を 保 持 した。放 冷 後 、 内 部 温 度 が 室 温 とな っ て か ら開 封 し、 内容 物 を水 並 び ク ロ ロホル ム で 回収 した。 反 応 前 後 の難 燃 物 の質 量 差 か ら油 分 転 化 率 を 算 出 した 。 4.結 果 お よ び 考 察 ゴ ム手 袋 は 亜 臨 界 水 に よ っ て油 分 とな り分 解 した 。 油分 転 化 率 は70[%]か ら80[%]で あ った。 表1に ゴ ム 手 袋 の 油 分 転 化 率 を示 す 。 一 方 、塩化 ビニル テープの油分転化率は3[%]前 後 で あ った。 表2に 塩 化 ビニ ル テ ー プ の 油 分 転 化 率 を 示 す 。 ま た 、塩 化 ビニル テ ー プ 処 理 後 の 水 相 は薄 い 水 色 で あっ た。 液 性 はpH試 験 紙 の 結 果 か ら酸 性 で あ っ た。 硝 酸 銀 水溶 液 を添 加 した 結 果 、 白色 沈 殿 を 確 認 した。 白色 沈殿 は塩 化 銀 で あ る と考 え られ る。 以上 の こ とか ら、 水 相 に は 塩 化 ビニ ル テ ー プ 由来 の 塩 化 物 イ オ ンが 存 在 して い る と考 察 した。 さ ら に ICP発 光 分析 の結 果 、反 応 容 器(ハ ス テ ロイC-276 製)の 主成 分 に 由来 す るNi2+を 確 認 した。 表1:ゴ ム手 袋 の油 分 転 化 率 保 持 時 間 [min】 油 分 転 化 率[%] 200 質 量 【mg] 300400 500 PO ハ U 3 77.378.478.9812 67.676.276.480.2 表2:塩 化 ビ ニ ル テ ー一プ の 油 分 転 化 率 保 持 時 間 [mh1] 油 分 転 化 率[%] 200 質 量[mg] 300400 500 pO O 3 4 凸 nb nδ 9 一 2 ワ 層 nδ 9 一 ハb ハ 0 ∩ 0 9 臼 9 一 噌 ⊥ Q u 9 一 5.ま と め ゴム 手袋 、塩 化 ビニル テ ー プ 共 に保 持 時 間5[血n】 に対 し30[min]と した場 合 は 油 分 転化 率 が低 下 した。 これ は、 保持 時 間 が長 くな る ほ ど油分 が気 体 に な る ま で分 解 した と考 察 した。 一方 、ゴム手袋 に比 べ塩化 ビニルテープの油分転 化 率 が低 い こ とか ら、塩 化 物 イ オ ンが発 生す る と難 燃物 の分 解 が 妨 げ られ る と考 察 した 。 6.参 考 文 献 [1]化 学 工 学 会 超 臨 界 流 体 部 会:超 臨 界 流 体 入 門, 丸 善株 式 会 社,2006年. [2】佐 古 猛:超 臨 界 流 体,株 式 会 社 ア グ ネ 承 風 社,2001年.Vol.51(2014) 近畿大学原子力研究所年報
異 な る位 置 読 み 取 り電 極 を有 す る熱 中 性 子 検 出器
の位 置 分 解 能
10-1-036-0010山
下
泰弘
(原子力研究所 第2研 究室)
1.は じめ に 我 々 は、傾 斜 線 式 、 バ ツク ギ ャモ ン式 、 抵 抗 シー ト式 の そ れ ぞ れ の位 置 読 み 取 り法 を用 い た 極 めて 簡 単 な 構 造 の 熱 中 性子 用 位 置 感 応 型 比 例 計 数 管 を開 発 し、近 畿 大 学 の原 子 炉(UTR-KINKI、 最 大 熱 出力1W) を用 い て 性 能調 査実 験 を行 って い る。 本 研 究 の 目的 は 、 これ らの異 な る位 置 読 み 取 り電 極 を 有 す る検 出器 の位 置 分 解 性 能 を調 査 す る こ とで あ る。 特 に初 めて使 用 す る抵 抗 シー トの実 用 性 に 関 心 が あ る。 2.実 験 検 出 器 は 外 寸100㎜ ×3001m×50㎜ の 直 方 体 型 で 、 厚 さ1㎜ の ア ル ミ製 と した 。 ま た 、 直 径2㎜ の ス リ ッ ト孔 を10㎜ 間 隔 で19個 あ け た50㎜ ×200 ㎜ の ア ル ミ板 を 設 置 し 、そ こ に 焼 結 窒 化 ホ ウ素 板 を 並 べ 、 中 性 子 を1%(n,α)7Li反 応 に よ り荷 電 粒 子 に 変 換 させ 、 荷 電 粒 子 を 内 部 に 入 射 させ る 。 検 出 器 の 中 心 に は 金 メ ッ キ が 施 され た 直 径50μmの タ ン グ ス テ ン 線 が 陽 極 芯 線 と し て 張 っ て あ る 。 傾 斜 線 式 で は 、 陽 極 芯 線 を 挟 む よ う に 直 径340μ mの2本 の ス テ ン レ ス 線 が 平 行 にtanθ=1/34の 角 度 で 張 られ て い て 、そ れ ら か ら の 信 号 を そ れ ぞ れA、 B、 陽 極 芯 線 か ら の 信 号 をCと し て 測 定 した 。 バ ッ ク ギ ャ モ ン 式 で は 、90㎜ ×200㎜ の プ リ ン ト基 板 を16個 の 直 角 三 角 形 に 分 割 し、両 端 か ら の 信 号 を そ れ ぞ れA、B、 陽 極 芯 線 か ら の 信 号 をCと して 測 定 した 。 抵 抗 シ ー ト式 で は 、 静 電 シ ー ト(材 質:導 電 体 で あ る 炭 素 を 含 む ポ リエ チ レ ン 、 厚 さ:約0。1㎜ 、 抵 抗 値:300kΩ)を8㎜X180㎜ に 加 工 し、 陽 極 芯 線 の 下 部10㎜ の 位 置 に 取 り付 け 、 両 端 か ら の 信 号 を そ れ ぞ れA、B、 陽 極 芯 線 か ら の 信 号 をCと し て 測 定 し た 。 原 子 炉 の 出 力 は1Wで 、 測 定 はListModeを 用 い てA、B、Cの そ れ ぞ れ の 信 号 を 同 時 測 定 した 。 そ し て 、 熱 中 性 子 の 入 射 位 置PはA/(A+B)に よ り算 定 し た 。 3.解 析 結 果 及 び 考 察 ListData解 析 を行 い 、Pvs.Cの2次 元 平 面 に 設 け た 多 角 形 窓(GB-D2PC)に よ りイ ベ ン トを 選 別 し て 得 た 位 置 ス ペ ク トル を 図1に 示 す 。 40 ⑳ 100↑50200250300350400 欄 伽 の ゼ = o O 50 40 ⑳ 100 珈 300 靭 0100200300400500 PositionP(A/(A+B))(ChannelNumber) G」PPOS(MAH240t2403_2411).pxp 図1位 置 ス ペ ク トル の 比 較 。(a)傾 斜 線 式 、 (b)バ ッ ク ギ ャ モ ン 式 、(c)抵 抗 シ ー ト式 。 各方 式 にお け る 中央 部 分 の3本 の ピー クの 半 値 幅 の 平均 値 か ら位 置 分 解 能 を評 価 した。 そ の 結果 、 抵 抗 シー ト式 、傾 斜 線 式 、 バ ッ ク ギ ャ モ ン式 の順 で位 置 分解 能 は 良 くな り、概 略4㎜ ∼6㎜ で あっ た。 本 研 究 で は 、 今 回 初 め て使 用す る抵 抗 シー トの 実 用 性 に強 い 関 心 が あ る が 、極 めて 単 純 な構 造 に も関 わ らず 、 目的 に よ って は位 置 検 出器 と して 十 分 に機 能 す る こ とが わか った 。付 録2
抵 抗 シ ー トを用 い た 熱 中 性 子 位 置 検 出器 の 開 発
10-1-036-0151樋
上
哲郎
(原子 力研究所 第2研 究室)
1。 は じめ に 我 々 は 近 畿 大 学原 子 炉(UTR-KINKI、 最 大熱 出 力 1W)を 用 い 、熱 中 性 子 の位 置 検 出器 の 開発 を行 って い る。位 置 読 み 取 り電 極 と して 、抵 抗 シ ー ト、傾 斜 線 、 バ ッ ク ギ ャモ ン パ ター ン を使 用 して い る。 本 研 究 の 目的 は 主 と して 抵 抗 シー トを用 い た位 置 検 出器 の 基 礎 性 能 を調 べ 、 そ の 特 徴 を理 解 す る こ と で あ る。 2.実 験 原 理 中性 子 は 電離 を起 こ さ ない た め 、測 定す る た め に は 荷 電 粒 子 に変 換 す る必 要 が あ る。 検 出器 上 部 に設 置 した焼 結 窒化 ボ ロ ン板 に熱 中性 子 を入 射 させ 、以 下 の反 応 を起 こ させ る。 12B十 きn→ 峯Li十書He PRガ ス を検 出器 内 に 充 填 させ 、発 生 した リチ ウム 7あ るい は α線 に よ りPRガ ス を電 離 させ る。この と き発 生 した 電 子 は電 界 に よ り ドリフ トし、 陽極 芯 線 に 引 き寄 せ られ 、電 子 な だれ(小 さな放 電)を 発 生 させ る。 これ に よ り静 電 誘 導 が発 生 し、 陽極 芯線 下 部 に 設 置 して あ る抵 抗 シ ー ト上 に静 電 誘 導 電 荷 が発 生 す る。 電 子 な だれ が発 生 した位 置 に よっ て 、 電 荷 が 抵 抗 シ ー ト両端 に流 れ る際 に受 け る抵 抗 の 値 が 異 な るた め 、位 置 を検 出 す る こ とが 出来 る。 3.実 験 装 置 使 用 した 検 出 器 は 矩 形 型 と 円 筒 型 の 検 出 器 の2種 類 で あ る 。 矩 形 型 位 置 検 出 器 は50㎜ ×200㎜ の ア ル ミ板 に 幅8㎜ 、 長 さ180㎜ 、 抵 抗 値300kΩ の 抵 抗 シ ー トを 陽 極 芯 線 か ら10㎜ の 位 置 に 設 置 した 。 こ の 内 部 構 造 を 図1に 示 す 。 円 筒 型 検 出 器 は 外 径25㎜ 、 内 径19㎜ 、 長 さ200 ㎜ の ア ル ミ 円 筒 内 に 矩 形 型 と 同 様 の 抵 抗 シ ー トを 陽 極 芯 線 か ら6㎜ の 位 置 に 設 置 し た。 ど ち ら も 上 部 に ボ ロ ン 板 用 ス リ ッ ト孔(直 径2㎜)を10㎜ 間 隔 で 19個 あ け 、 そ の 上 に ボ ロ ン の 板 を 配 置 し た 。 抵 抗 シ ー トは 静 電 シ ー ト と し て 使 用 され て い た 炭 素 を 練 り こ ん だ 厚 さ0.1mの ポ リエ チ レ ン を 用 い 、 シ ー ト状 に 加 工 した も の で あ る 。 生 解 析 結 果 と考 察 発 生 した 静 電 誘 導 は抵 抗 シー ト両 端 及 び 陽 極 芯 線 か ら信 号A,B,Cと して 測 定 され る。3つ の信 号 を一 つ のEventと してLis加odeで 記 録 し、 解 析 ソフ ト IGORで 解 析 を行 っ た。 そ の結 果 、円筒 型 抵 抗 シー ト の位 置 分 解 能(半 値 幅)は 、矩 形 型 よ りも優 れ て い て 、 傾 斜 線 型 と同等(4㎜ 以 下)で あ る こ とが わ か っ た 。 極 簡 単 な 電 極 構 造 で あ る抵 抗 シー ト利 用 が有 望 で あ る と考 え られ る。焼縫 化ポロン韓 騰 及び刈
ット
アルミ板
麟i難 糠辮鍵 蟻難羅鐸
ア ク リル 板 噺15 (抵抗 シー ト左 端)陽 極 芯 線 B 90A7
(抵抗 シ ー ト右端) 抵 抗 シ ー ト用 台 座 図1抵 抗 シ ー トを用 い た矩 形 型 位 置 検 出器VoL51(2014) 近畿大学原子力研究所年報
近畿大学原子炉実験データを用 いた
実習 ライ ブラ リー の整備
10・1・036・0163崎 山 貴 史 (原 子 力 研 究 所 第2研 究 室) 1.は じめ に 近 畿 大 学原 子 炉 は 、 他 大 学 の 学 生 実習 に も利 用 され て い る。 しか し原 子 炉 の マ シ ンタ イ ムや 施 設 の 制 約 か ら原 子 炉 に受 け入 れ る こ とが で き る 日程 、 人 数 が 限 られ る。そ こ で 昨 年 度 は 、原 子 炉 のマ シ ン タ イ ム の制 約 を解 消 し、 系 統 的 な原 子 力 教 育 を実 施 す る た め 、事 前 に実 験 課 題 に 沿 っ て 原 子炉 を運 転 し て デ ー タ を収集 し、 実 験 テ ー マ ご とに事 前 学 習 、 レ ポ ー ト課 題 等 を 含 めた 実 習 ライ ブ ラ リー の作 成 を行 った 。 そ の ライ ブ ラ リー は今 年 度 、 東海 大 学原 子 力 工 学 科 にお い て 、近 畿 大 学 原 子 炉 実 習 を受 講 す る学 生 に対 して の事 前 講 義 の 教 材 と して使 用 され た。 そ こで 、 実 際 に使 用 す る に あ た っ て 、 ライ ブ ラ リー に 収 録 され て い る ビデ オ の上 映 時 間 と講 義 時 間 の 関係 等 問 題 点 が存 在 した 。 また 、実 習 終 了 後 、 デー タ整 理 の 手 助 け とな る よ うな利 用 しや す い デ ジ タル デ ー タ 及 び デ ー タシ ー トを提 供 して貰 い た い とい う要 望 が あ っ た。 そ こ で本 研 究 で は 、 これ らの 問 題 点 を解 決 し、 よ り使 い 易 い ライ ブ ラ リー の 作成 を した。 ジ ン 彫 10歩
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図1ペ リオ ド法 に よ る制 御 棒 校 正 実験 シム 安 全 棒 位 置76%→100%の 補 償 型 電 離 箱 線 形 出力 計 の指 示 値 2.デ ー タ 収 集 の 方 法 原 子 炉 出 力 、 制 御 棒 位 置 等 の 原 子 炉 運 転 デ ー タ をナ シ ョナ ル イ ン ス ツル メ ン ツ社 製 のA・Dコ ンバ ー タ を利 用 して パ ソコ ン に収集 し、 ビデオカ メラで 原 子 炉 の 運 転 状 況 等 を撮 影 した デ ー タ を統合 し、 実 習 ライ ブ ラ リー を作 成 した 。 本研 究 で は、 臨 界 近 接 実 験 及 び 正 ペ リオ ド法 の実 習 ライ ブ ラ リー デ ー タ整 備 を行 な った 。 正 ペ リオ ド法 の解 析 に 用 い た 原 子 炉 出 力 デ ー タの 一 例 を図1に 示 す 。 3.ライ ブ ラ リー デ ー タの 整 備 実 際 の 近 畿 大 学 原 子 炉 を使 用 した実 習 で 多 くの 大 学 が 行 っ てい る実 習 課 題 に、 原 子 炉 の 制御 や 核 的 安 全 性 な どにつ い て理 解 す るた め に重 要 な制御 棒 校 正 実 験 が あ る。 昨年 度 の ライ ブ ラ リー で は、 実 際 に測 定 に 関与 して も ら う観 点 か ら、 原 子 炉 の 出 力 系 の 値 の ビデ オ デ ー タ を読 み 取 る こ とに 重 点 をお い て い た が 、本 年 度 は 、 実習 後 のデ ー タ整 理 の 観 点 か ら、 原 子 炉 か ら収 集 した デ ジ タル デ ー タ を整備 した。ま た 、 時 間 的 制 約 か らほ とん どの大 学 の 学 生 実 習 で 実 施 さ れ てい な い 臨界 近 接 実 験 の ビデ オ デ ー タ を整備 した 。 4.ま とめ 制 御 棒 校 正 実 験 、 臨界 近 接 実 験 の ライ ブ ラ リー を 整備 した。 来 年 度 は 原子 炉施 設 の新 規 制 基 準 対 応 の 為 、原 子 炉 実 習 を実施 す る こ とが 困難 で あ る こ とか ら、 この ライ ブ ラ リー は 、来 年 度 も東 海 大 学 で実 際 に使 用す る予 定 で あ る。 そ こ で ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 して よ り理 解 が で き る よ うな ラ イ ブ ラ リー を作 成 す る予 定 で あ る。付録2
223Ra放 射 性 薬剤 の汚 染 管理 に 関す る研 究
10・1・036・0167阪 中 翔 太 (原 子 炉 研 究 所 第2研 究 室) 1 2. 3 は じ め に 1970年 代 以 降 、 日本 で は が ん 患者 が 増 え て き て お り、現 在 で は 日本 人 の死 因 の約3分 の1は が ん で ある 国 。 が んの 治 療 法 に は 、 外 科 療 法 、 化 学 療 法 等 あ る が 、近 年 放 射 線 に よ る診 断 ・治 療 技 術 の 進 歩 が 目覚 ま しい。 特 に、壊 変 系 列 を 組 む α線 放 出核 種 を用 い た放 射 線 核 種 治 療 (RNT)は そ の 高 い 薬 効 か ら、 世 界 中で 注 目を集 めて い る。 ア ク チ ニ ウム 系列 核 種223Ra薬 剤 を 用 い た 骨 腫 瘍 疹 痛 治 療 へ の 臨床 試 験 が 日本 で も開 始 され た が 、223Ra薬 剤 の 薬効 調 査 は な さ れ て い る一 方 で 汚染 管 理 に 対 す る知 見 が ほ と ん ど蓄 積 され て い な い。 本研 究 は 盟3Ra薬 剤 の 汚 染 管 理 に係 る 知 見 の 蓄積 を 目的 とす る。 実 験 目的 本 実 験 は、 病 院 の 臨床 現場 で 一 般 的 に使 用 さ れ てい るサ ー ベ イ メー タ(GMサ ー ベ イ メー タ 及 び 、Na壬(TDシ ンチ レー シ ョンサ ーベ イ メ ー タ)の223Ra薬 剤 汚 染 に対 す る応 答 を調 査 す る こ とを 目的 とす る。 実 験 方 法 まず 、223Ra薬 剤 をカ ラー シ ー ト中央 に滴 下 、 乾 燥 させ 模 擬 試 料 と した 。図1の 様 に模 擬 汚 染 試 料 を単 軸 ロボ ッ ト(ヤマ ハ 発 動 機 株 式 会社 製 T512・600)に よ り移 動 させ なが ち 広 口GMサ ー ベ イ メー タ(日立 ア ロカ メデ ィカ 社 製TGS・133) 6Mcounter NallTりcounte「 Datelogger YAMAHARobot 了512-600図1実 験装置概要
4. 5 6 及 びNaI(Tl)シ ン チ レ ー シ ョ ンサ ー ベ イ メ ー タ (日 立 ア ロ カ メ デ ィ カ ル 社 製TCS・161)に よ る 測 定 を 行 っ た 。 模 擬 試 料 の 速 度 は 、8mm!s、 16mm/s24mm!s、32mmメs、40mmls、80mmls、 240mmls、800mmlsで 試 料 を移 動 させ な が ら 測 定 を 行 っ た 。 サ ー ベ イ メ ー タ を 単 軸 ロ ボ ッ ト の 中 心 よ り1cm、2cm、5cm、10cmの 高 さ に 固 定 して 測 定 し た 。 ま た 、 サ ー ベ イ メ ー タ の 時 定 数 は 、38、10s、30sの 各 設 定 に 対 し て 測 定 を 行 っ た 。 サ ー ベ イ メ ー タ の 計 測 結 果 は 、 デ ー タ ロ ガ ー に よ りPCに 記 録 さ れ た 。 ま た 、 実 験 後 に 記 録 さ れ た 値 よ り 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ドの 数 値 を 差 し 引 い た 値 を 測 定 値 と し て 解 析 を 行 っ た 。 結 果 お よ び 考 察 GMサ ー ベ イ メ ー タ で は20cmも 模 擬 試 料 か ら離 れ て い て も 計 測 可 能 で あ る の に 対 し、 Nal(TDシ ン チ レ ー シ ョ ン サ ー ベ イ メ ー タ で は 、 非 常 に 検 出 の 感 度 が 悪 か っ た 。 ま た 、 走 査 実 験 の 結 果 、 サ ー ベ イ メ ー タ の 時 定 数 が 大 き けれ ば 大 き い ほ ど 、 測 定 値 が 小 さ く な り 、 走 査 速 度 が 大 き く な っ て も 測 定 値 が 小 さ く な る 事 が 分 か っ た 。 ま と め 223Ra薬 剤 に よ る 汚 染 の 発 見 に は 、 広 口GM サ ー ベ イ メ ー タ 舩GS・133は 、 模 擬 試 料 か ち 20cmも 離 して も 計 測 で き る 為 有 効 で あ る の に 対 し て 、NaI(T1)サ ー ベ イ メ ー タTCS・161は 、 223Ra薬 剤 の 汚 染 箇 所 と の サ ー ベ イ 距 離、 サ ー ベ イ 速 度 、 サ ー ベ イ メ ー タ の 時 定 数 に 十 分 留 意 し な け れ ば 計 測 が 出 来 な い 事 が 分 か っ た 。 参 考 文 献 【11厚 生 労 働 省 平 成24年 度 人 口動 態 統 計 http:〃wwwmhlwgojpltoukeilsa蛆hw/1血ko u/kakutei121dレ10_h6⑩dfVol.51(2014) 近畿大学原子力研究所年報 さ つ ま い も と パ セ リ に よ る 土 壌 中 放 射 性 セ シ ウ ム の 吸 収 og,1-036-0220山 口 祥 英 (原子 力 研 究 所 第 三 研 究 室) 1.は じ め に 2011年3月 に 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 に よ っ て 、 放 射 性 物 質 が 放 出 さ れ た 。 こ の 結 果 、 放 射 性 セ シ ウ ム(Cs)が 土 に 付 着 し 、 土 壌 が 汚 染 さ れ た 。 植 物 を 用 い て 有 害 物 質 で 汚 染 さ れ た 土 壌 を 元 の 状 態 に 戻 す 方 法 を フ ァ イ ト レ メ デ ィ エ ー シ ョ ン と い う。 本 研 究 で は 、 植 物 が 除 染 に 使 用 で き る か を 検 討 す る 。 2.さ っ ま い も と パ セ リ さ っ ま い も と パ セ リ は 各100gあ た り540皿g、 1000皿gと カ リ ウ ム を 多 く含 む 作 物 で あ る た め 、土 壌 か ら の 吸 収 も 多 くCsの 吸 収 も 期 待 さ れ る 。一 方 で 土 壌 中 カ リ ウ ム 濃 度 が 高 い とCsの 吸 収 量 が 減 る と の 報 告 も あ る 。 本 研 究 で は 、 カ リ ウ ム 濃 度 の 異 な る2 種 の 土 壌 を 準 備 し 、 そ れ ぞ れ に さ つ ま い も とパ セ リ を 植 え て 成 長 さ せ 、Csの 吸 収 量 を 比 較 す る 。 3.栽 培 方 法 Csを 含 む 土 をL2kg、 園 芸 土 を1.8kg混 合 し て 均 一 に し 、1つ の プ ラ ン タ ー に 入 れ た 。 さ っ ま い も と パ セ リ を そ れ ぞ れ 土 壌 中 に 含 ま れ る 「カ リ ウ ム 多 」、 「カ リ ウ ム 少 」 の2つ の 中 で 栽 培 し た 。 ま た 、 土 壌 のCs-137濃 度 は5500土200Bq/kgで あ る 。さ つ ま い も は6月10日 に 苗 を 植 え11月12日 に 収 穫 した 。 パ セ リ は6月10日 に 種 を ま き11月13日 と12月 11日 に 各 プ ラ ン タ ー か ら5株 ず っ 収 穫 し た 。 収 穫 し た さ つ ま い も を 水 洗 い して 葉 、 茎 、 根 に 分 離 し た 。葉 は 水 洗 い し、茎 と根 は そ れ ぞ れ5cmの 長 さ に 切 り 、 ブ ラ シ で 土 壌 粒 子 を 落 と し た 。 収 穫 し た パ セ リ は 水 洗 い し て 茎 、 根 に 分 離 し た 。 ど ち ら も超 音 波 洗 浄 機 に よ り43kHzで15分 間 水 洗 い した 。60℃ の 乾 燥 機 に1日 入 れ 乾 燥 さ せ た 後 、 ミ キ サ ー で 粉 砕 しU8容 器 に 入 れ て 測 定 試 料 と した 。 ゲ ル マ ニ ウ ム 半 導 体 検 出 器 で 放 射 性Csの 濃 度 を 定 量 し た 。 4.結 果 お よ び 考 察 収 穫 し た さ つ ま い も に 含 ま れ るCs-137の 濃 度 は 20.8∼203.8Bq/kg、 パ セ リ で は26.5∼181.OBq/kgで あ っ た 。土 壌 中Csの さ っ ま い も、パ セ リへ の移 行 係 数 を第1図 と第2図 にそ れ ぞ れ 示 す 。移 行 係 数 とは 、 そ の値 が高 い ほ どCsが 土 か ら植 物 へ 移行 して い る こ とを 示 す 。移 行 係 数=農 作 物 中 の 元 素 濃 度/土 壌 中 の元 素 濃 度 で算 出す る。 0.009-一 一 一 一一一 ・ 一 一一 一 一 一一_一_ 1 移 行 係 数 .0084・ 一 一 .007→ 一一 一 .006↑ 一一 一 。。5毒_ 0志 一 葉
茎
穣 曹撒祠i
騨臼可 一一 囲一「 一 一}噌1一 一 『T-} 圏一「「 一 カリウム多 カリウム少 カリウム多 カリウム少 カリウム多 カリウム夢 第1図 さ つ ま い も へ のCs-137の 移 行 係 数 0.006〒 一一一一 一一一 0.005十 一 一 一一 茎 α・・4卜 一 一一 一 一r.一 一 馨 α。。3セ_-L. 駿 α。。2 -__1_呪凹」 ヒ
カリウム多 カリウム少 第2図 固 回 目11月13日 収 穫 ρ2回 目12月11日 収 穫 根}一 ず
一
■
ヵリウム 多 カリウム少 パ セ リ へ のCs-137の 移 行 係 数 さ っ ま い も は 葉 、茎 で は 「カ リ ウ ム 少 」 の 方 がCs を 多 く 吸 収 し、 根 で は 「カ リ ウ ム 多 」 の 方 がCsを 多 く 吸 収 し た 。 パ セ リで は 「カ リ ウ ム 少 」 で2回 目 に 収 穫 し た も の の 方 が1回 目よ り もCs濃 度 が 高 か っ た 。 こ の 結 果 か ら、 カ リ ウ ム 少 の 土 壌 で か つ 大 き く 成 長 さ せ た 方 がCsを 多 く 吸 収 す る こ と が わ か っ た 。 5.お わ りに こ の 研 究 か ら、 カ リ ウ ム 少 の 土 壌 で か つ 大 き く 成 長 さ せ た 方 がCsを 多 く含 む こ と が わ か っ た 。し か し 、 土 壌 中 放 射 性Csの 植 物 へ の 移 行 量 が 少 な い こ とか ら 、 植 物 を 用 い た 除 染 は 容 易 で は な い こ と が 示 唆 さ れ た 。付 録2
近 畿大学原子炉上蓋 内照射孔にお ける中性子束 の測定
10・1・036・0097野 平 陽 巳 (原 子 力 研 究 所 第3研 究 室) 1.は じ め に 近 畿 大 学 原 子 炉(UTR・KINKI)で は 、 中性 子 束 測 定 法 と してCsIやNalの 自 己放 射 化 を用 い た 新 し い 測 定 法 の 実 験 が 行 わ れ て い る。 そ の 際 、 照 射 場 と して 原 子 炉 上 蓋 内 照 射 孔 が使 わ れ て い る 。 本 研 究 で は 、 従 来 か ら あ る 中性 子 束 測 定 法 で あ る 金 箔 の 放 射 化 法[1]を 用 い て 原 子 炉 上 蓋 内 照 射 孔 の 中 性 子 束 を 測 定 す る こ とを 目的 とす る 。 2.測 定 方 法 金 箔 試 料(0,0241g)を 上 蓋 内 照 射 孔 に設 置 し、 中性 子 の 照 射 を行 っ た 。 照 射 時 間 は23520 秒 と し、 取 り出 し後61020秒 後 か ら測 定 を 開 始 し て 、102049秒 間 測 定 した 。 金 箔 試 料 か ら放 出され るAu・198の γ線(0.411MeV)を 高 純 度Ge
半 導 体 検 出器 で 測 定 した 。 検 出 効 率 は2.39× 10-3と した 。 中 性 子 束 φ[1ノ㎝2/s]の 照 射 場 で 照 射 され た 金 箔 中 に 生 じ る飽 和 放 射 能 ム。σ[11s]は以 下 の よ うに 表 され る。 A。。=φ Σy(1) こ こ で Σは 金 の 放 射 化 断 面積[11cm】 で 、Vは 金 箔 の 体 積[㎝3]で あ る。 3.測 定 結 果 お よ び 考 察 図1に 高 純 度Ge半 導 体 検 出器 に よ っ て 測 定 し た 金 箔 試 料 の γ線 ス ペ ク トル を 示 す 。 光 電 ピ ー ク の カ ウ ン ト数 は1389 .5[counts]で あ った。 測 定 結 果 か ら次 の 式 を用 い て 飽 和 放 射 能 を 求 め た 。 は カ ウ ン ト数 、toは 照 射 時 間 、t1は照 射 終 了 か ら 測 定 開 始 ま で の 時 間 、ε2は照 射 終 了 か ら測 定 終 了 ま で の 時 間 で あ る。 式(1)(2)よ り、 中性 子 束 φ は3.31×104[1/㎝2/s]と な っ た 。近 畿 大 学 原 子 炉 で は 、黒 鉛 反 射 体 上 面 で の 中性 子 束 が105か ら 106で あ り、中性 子 ラ ジ オ グ ラ フ ィ ー 用 照 射 場 で の 中性 子 束 が104で あ る の で 、測 定 結 果 は 妥 当 な 値 で あ る とい え る。 104 0 0 0 騨O に に O ` 0 1\ ω 嗣 ⊆ コ O ハ) 100 05001000150020002500300035004000 ChanneI 図1高 純 度Ge半 導 体 検 出 器 に よ っ て 測 定 した Ar198の ッ線 ス ペ ク トル 4。 ま と め 本 研 究 で は 、 近 畿 大 学 内 上 蓋 内 照 射 孔 に お け る 中性 子 束 を 金 の 放 射 化 法 を 用 い て 測 定 し た 。 そ の 結 果 、3.31×104[1/㎝2/s]と い う結 果 が 得 られ た 。 参 考 文 献 [1]木 村 逸 郎 、 阪 井 英 次:"放 射 線 計 測 ハ ン ド ブ ッ ク",日 刊 工 業 新 聞 社,pp.765-767(1991) 君。.=ゆ 幽)為 沸)・1器2(2) こ こ で 、 λ は 崩 壊 定 数[1/s]、 εは 検 出 効 率 、C
Vol.51(2014) 近畿大学原子力研究所年報
X線 が 細 胞 分 化 に及 ぼ す影 響 を評価 す るた めの 基 礎 研 究
一ヒ トiPS細 胞 を用 い て一
10-1-033-oo28帖 地 剛 史 原 子 力 研 究 所 第 三 研 究 室 【目的1 放 射 線 被 ば く は 、が ん の 発 症 リ ス ク を 高 め る こ とが 知 られ て い る。 が ん 以 外 の 人 体 に 与 え る 影 響 と して は 、 組 織 の 発 生 や 細 胞 分 化 に 与 え る 影 響 が 懸 念 され て い る 。 細 胞 分 化 の 研 究 を 行 うた め に 、 現 在 で は ヒ トiPS細 胞 で の研 究 が 進 め られ て い る 。 本 研 究 で は ヒ トiPS細 胞 にX 線 を 照 射 し 、 分 化 に 対 す る 影 響 を 評 価 す る。 この 研 究 の 基 盤 を 整 え る た め 、 原 子 力 研 究 所 に 新 し く導 入 され たX線 照 射 装 置 の 基 礎 デ ー タ を 取 得 し 、 ヒ トiPS細 胞 の 培 養 及 び 照 射 した 細 胞 を 観 察 し形 態 や 異 常 が 見 られ な い か評 価 す る 。 【方 法 】 1.新X線 照 射 装 置 と 旧X線 照 射 装 置 で 比 較 を行 う。 線 量 の 測 定 に はTLD素 子(UD-170L蛍 光 体=BeO)を 使 用 し、 照 射 条 件 は 新 ・旧 と も に 電 圧140kV、 フ ィ ル タ ー1㎜ 厚 、 距 離400㎜ と 同 じ条 件 で 設 定 す る 。 電 流 の み 新5血 、 旧4囲 で 照 射 す る。 ①15個 のTLD素 子 よ り感 度 が 同 等 の も の を 旧X線 照 射 装 置 に て1Gy照 射 し て5個 選 出 す る 。② 照 射 線 量 をO.1∼20Gyと して 、 新 ・旧で の 比 較 を 行 う。 ま た 新X線 照 射 装 置 で の 細 胞 実 験 を 行 うた め 、 ③ 照 射 野 で の 線 量 分 布 を 測 定 す る 。 ④TLD素 子 を ペ ト リ皿 内 に 置 い た 場 合 の 影 響 を 評 価 す る。 2.ヒ トiPS細 胞 の 培 養 及 びX線 照 射 に よ る 評 価 方 法 に つ い て:理 化 学 研 究 所 か ら供 与 され た ヒ トiPS細 胞 の 培 養 を 行 う。 細 胞 を観 察 し 、X線 照 射 した 時 の 細 胞 を 観 察 し形 態 や 異 常 が 見 られ な い か 評 価 す る 。 【結 果 ・考 察 】 1.15個 のTLD素 子 か ら感 度 が 同 等 な も の を5個 選 出 し た 。 ま た 新 ・旧X線 照 射 装 置 の 比 較 を 行 っ た 結 果 照 射 に お い て 線 量 に 差 異 が な く直 線 性 が 見 られ た(図1参 照)。 照 射 中 央 部 か ら 水 平 に20cm離 れ た 場 所 で の 照 射 で も線 量 の 差 異 は 見 られ な か っ た 。 ペ ト リ皿 も 、線 量 に 影 響 し な か っ た 。 ZiPS細 胞 ρ 培 養 を行 っ た 結 果 ・ 駿 可 能 で あ る こ とが 分 か っ た(図2参 照)・ ま た 放 射 線 に対す る生存 曲線 を作成す る場合 は、細胞 の集 合体で あるコ ロニーの形 で継代 してい く必要が
あ る。放射線感受性 を別 の指標 か ら評価 す る必要があ ると考 え る。
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21多 一一 一 24圭 窒81 霊5・ 11 1-… … …一 …一
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▲新 o , 一㍉ } 鐙 ヱゆ 練量1印 輝、掌 帥撫 騰 蝋礁.
付 録2
キノコへの放 射 性セシウムの移 行
10-1-033-0052吉 村 忠 原 子 力 研 究 所 第3研 究 室 【目 的 】 キ ノ コ の 菌 糸 は倒 木 や 土 壌 中 に 張 り巡 ら され 森 林 生 態 系 で の 物 質 循 環 に 大 き な役 割 を は た して い る。 ま た キ ノ コ は 植 物 に 比 べ て セ シ ウ ム や ル ビ ジ ウ ム の 濃 度 が 高 い こ とが 明 らか と さ れ て い る。 そ の こ とか ら、 キ ノ コ が 放 射 性 セ シ ウ ム を 濃 縮 す る 作 用 を 持 っ て い る と考 え られ て い る。 こ れ を利 用 して キ ノ コ に よ る 土 壌 や 枯 葉 に 含 ま れ る 放 射 性 セ シ ウム の 回 収 も 期 待 さ れ て い る。 本 研 究 で は キ ノ コ の 種 類 に よ る 放 射 性 セ シ ウ ム の 吸 収 の 差 異 を 比 較 す る。 【方 法 】 5種 類 の キ ノ コ(ヒ ラ タ ケ 、 ヒ マ ラ ヤ ヒ ラ タ ケ 、 ブ ナ シ メ ジ 、 エ リ ン ギ 、 マ イ タ ケ)に つ い て 種 菌 を購 入 して 培 地 に 植 え付 け て 栽 培 し た 。 培 地 は 基 材 に オ ガ ク ズ 、 栄 養 材 に フ ス マ を 用 い て2対1に 混 合 した 。 含 水 率 は65%と した 。 基 材 の オ ガ ク ズ の10%wt、30%wtを そ れ ぞ れ 放 射 性 セ シ ウ ム を 含 む 落 葉 に 置 換 して 培 地 ① 、 ② を 作 成 し た 。 培 地 は850ccの ポ リ ビ ン 8割 程 度 ま で 充 て ん し た 。 各 栽 培 条 件 で3反 復 と した の で 、 ポ リ ビ ン の 数 は5×3×3=45本 と な っ た 。湿 度 は85%以 上 、気 温 は22℃ 前 後 と して 、栽 培 日数 は 全 行 程 で 約4ヶ 月 で あ っ た 。 培 地 に 含 ま れ るCs-137濃 度 は 培 地 ① で2.87±0。06Bq/9、 培 地 ② で10.0±0.10Bq/9で あ っ た 。 収 穫 し た キ ノ コ に 含 ま れ る放 射 性 セ シ ウ ム 濃 度 を ゲ ル マ ニ ウ ム 半 導 体 検 出 器 を 使 用 して 測 定 した 。 【結 果 ・考 察 】 5種 類 の キ ノ コ の うち で 、 ヒ マ ラ ヤ ヒ ラ タ ケ とエ リ ン ギ が 順 調 に 生 育 し収 穫 で き た 。 ヒマ ラ ヤ ヒ ラ タ ケ に 含 ま れ るCs-137濃 度 は 培 地 ① で3.05±0.10Bq/g、 培 地 ② で5.40±0.15Bq/g で あ っ た 。 エ リ ン ギ は 培 地 ① で2.07±O,04Bq/g、 培 地 ② で3.84±0.05Bq/gで あ っ た 。 培 地 の 放 射 性 セ シ ウ ム の キ ノ コ へ の 移 行 の しや す さ を 表 す 量 と して 移 行 係 数 が あ る。 移 行 係 数 は キ ノ コ の 放 射 性 セ シ ウ ム 濃 度(Bq/9)を 培 地 の 放 射 性 セ シ ウ ム 濃 度(Bq/9)で 割 り算 す る こ と で 求 め る 。 培 地 ① 、 培 地 ② のCs-137の 移 行 係 数 は そ れ ぞ れ1.06±0.04、0.54±O.01 で あ っ た 。 エ リ ン ギ に 関 して も 同 様 に 移 行 係 数 を 求 め た と こ ろ 、 培 地 ① は0.72±0.01、 培 地 ② は0.38±0.05で あ り、 ヒ マ ラ ヤ ヒ ラ タ ケ の0.7倍 程 度 で あ っ た 。 次 に培 地 毎 の 放 射 性 セ シ ウ ム 回 収 率 を 求 め た 。 こ こ で い う 回 収 率 は 、 収 穫 した キ ノ コ に含 ま れ るCs-137量(Bq)を 培 地 に 含 ま れ るCs-137量(Bq)で 割 り算 し た も の で あ る。 ヒマ ラ ヤ ヒ ラ タ ケ の 場 合 は培 地 ① 、 培 地 ② と も2.4%で あ っ た 。 エ リン ギ の 場 合 は 培 地 ① 、 培 地 ② と も 39%で あ っ た 。キ ノ コ が 吸 収 し た 放 射 性 セ シ ウ ム濃 度 は ヒマ ラ ヤ ヒ ラ タ ケ の 方 が 高 か っ た が 、 一 方 で 収 穫 量 は エ リ ン ギ の 方 が 多 い の で 、回 収 率 に お い て エ リ ン ギ の 方 が 高 い 結 果 と な っ た 。 本 研 究 に お い て 、除 染 に 用 い る と い う観 点 か ら考 え た 場 合 、栽 培 の 行 い や す さ と収 穫 量 か ら 、 ヒマ ラ ヤ ヒ ラ タ ケ よ り も エ リ ン ギ の 方 が 優 位 で あ る と考 え られ る 。Vo1.51(2014) 近畿大学原子 力研究所 年報
農 作 物 の 栄養 吸収 に お け るKとCsの
拮 抗
10-1-033-0110吉 田 太 輔 原 子 力 研 究 所 第 三 研 究 室 [目 的] 放 射 性 セ シ ウ ム(Cs)が 含 ま れ て い る 土 壌 で 育 て た 農 作 物 を 摂 取 す る こ と で 内 部 被 ば く を 起 こ す 可 能 性 が あ る。 本 研 究 は 土 壌 ・溶 液 にKを 添 加 す る こ とで 植 物 へ のCs移 行 量 の 変 化 を み る こ とが 目的 で あ る。 そ こで 本 研 究 で は 栄 養 吸 収 に お け るKとCsの 拮 抗 を 調 べ る た め 、 K含 有 量 が 高 い 植 物 の う ち 、 根 菜 類 で あ る サ ツ マ イ モ 、 葉 菜 類 で あ る パ セ リ を 研 究 対 象 と し た 。 ま た 、 水 耕 栽 培 に お け るK添 加 に よ るCs移 行 量 の 変 化 を み る た め 、 カ イ ワ レ大 根 を 生 育 させ た 。 水 耕 栽 培 で はK添 加 量 の 調 整 が 容 易 で あ る とい う利 点 が あ る 。 [方法 】 土 壌 栽 培:放 射 性Csが 含 ま れ る 土 壌 と園 芸 土 壌 を2:3の 割 合 で 混 合 した 。 そ の 土 に 定 期 的 にKC1溶 液 を 添 加 す る こ と で 、2種 のK濃 度 の 土 壌 と した 。K濃 度 の 異 な る土 壌 で さ つ ま い も と パ セ リ を 栽 培 し た 。生 育 した さ っ ま い も を 収 穫 し、茎 ・葉 ・根 の3つ の 部 位 に わ け 、60℃ で2日 間 か け て 乾 燥 させ て 測 定 試 料 と し、U-8容 器 に 詰 め ゲ ル マ ニ ウ ム 半 導 体 検 出 器 で 放 射 性Csの 濃 度 を 定 量 した 。 水 耕 栽 培:放 射 性Csを 含 む 落 葉 か ら水 に 放 射 性Csを 溶 出 させ 、 そ の 水 にKCIを 添 加 し て 0.19∼9.Og1Lの 間 で8段 階 のK濃 度 と した 。 そ れ ぞ れ の 水 溶 液 で カ イ ワ レ大 根 を栽 培 し た 。 生 育 した カ イ ワ レ大 根 を 収 穫 し、 乾 燥 させ て 測 定 試 料 と し、 さっ ま い も と同 様 に 放 射 性Cs の 濃 度 を 定 量 した 。 [結果 ・考 察1 収 穫 し た さ つ ま い も とパ セ リのCs・137濃 度 は そ れ ぞ れ1.2∼2.5Bq/kg,3.5∼23.8Bq/kgで あ っ た 。 さ っ ま い も の 土 壌 栽 培 で はK添 加 量 が2倍 の 時 、 葉 と根 で 放 射 性Cs濃 度 が 低 くな っ た が 、 茎 で は 同 等 で あ っ た 。 パ セ リに お い て はK添 加 量 が2倍 の 時 、 ど の 部 位 に お い て も 放 射 性Cs濃 度 が 低 くKとCsの 拮 抗 が 見 られ た 。水 耕 栽 培 に お け る水 溶 液 か らカ イ ワ レ大 根 へ の 放 射 性Csの 移 行 係 数 を 図1に 示 す 。 移 行 係 数 と は 植 物 の 放 射 性Cs濃 度(Bq/kg)を 溶 液 0.002 0.0018移
0.0016行
係
α0014
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…2師1
0.001 む ゆ カ リ ウ ム 濃 度(9∠L) 図1カ リ ウ ム 添 加 量 と移 行 係 数 の 関 係 の 放 射 性Cs濃 度(Bq/kg)で 割 っ た 値 で 算 出 され 、 係 数 が 高 い ほ ど水 に あ る 放 射 性Csが 植 物 に 移 行 して い る こ と を 意 味 す る。K濃 度 が 高 く な る に した が っ て 、 収 穫 した カ イ ワ レ 大 根 に含 ま れ るCs-137濃 度 が 小 さ くな る傾 向 に あ る。K添 加 量 が1.0∼2.09/Lと7.5∼ 9.Og/Lを 比 べ る とCs・137濃 度 の 変 化 量 が 大 き く減 少 して い る 。 こ の 研 究 か ら水 耕 栽 培 に お い てKの 添 加 量 は 放 射 性Csの 移 行 に 影 響 を 与 え る が 、 高 濃 度 に な る と影 響 が 小 さ く な る こ と が 分 か っ た 。付録2
原爆放射線疫学デー タの対照群 に よる低線量影響 の再考
10-1-0・33・0115切 東 良 介 原 子 力 研 究 所 第 三 研 究 室 【目 的 】 放 射 線 影 響 研 究 所 よ り入 手 で き る 「寿 命 調 査 が ん 罹 患 率 デ ー タ 、1958-1998年 」 の デ ー タ を 用 い て 、 従 来 の 放 影 研 の 論 文 な ど で 用 い られ て き た 対 照 群 を 変 更 す る こ と に よ っ て 、低 線 量 域 で の 固 形 が ん の 罹 患 率 、過 剰 相 対 リス ク 、過 剰 絶 対 リス ク 、寄 与 リ ス ク の 変 化 、 そ の 差 が 有 意 な 差 で あ る か 、 従 来 の 考 え に 沿 う も の か 否 か を 調 べ る こ と を 目的 とす る。 【方 法 】 被 曝 線 量 と被 曝 時 年 齢 に 着 目 して 分 析 し た 。 対 照 群 と して は ① ∼ ⑦(①:3km以 遠 +3km以 内5mS称 ②:3km以 内5mSv以 下,③:NIC,④:3km以 遠,⑤:NIC+3km以 内 5mSv以 下,⑥:NIC+3km以 遠,⑦:NIC+3km以 遠+3km以 内5mSv以 下)が 考 え られ る。 な おNICはnotincityの 略 称 で あ り、3km以 遠 や 以 内 とい うの は 爆 心 地 と被 曝 地 点 間 の 距 離 の こ とで あ る。 分 析 対 象 デ ー タ を 全 て の 固 形 が ん と し、 そ のexce1デ ー タ を 線 量 別 に 分 け た 。 さ ら に 被 曝 時 年 齢 別 に 分 け 、 そ の 上 で 到 達 年 齢 ご と に 疾 患 罹 患 者 数 と補 正 した 観 察 人 年 を 取 り出 し 、 罹 患 者 数 を 人 年 で 割 る こ と に よ り罹 患 率 を 算 出 し た 。 こ の 操 作 を そ れ ぞ れ 被 曝 群 と対 照 群 に 対 し て 施 し た 。 そ の2つ の 罹 患 率A,Bか ら過 剰 相 対 リス ク(A∠B-1)、 過 剰 絶 対 リ ス ク(A-B)、 寄 与 リス ク(1-BIA)の3種 類 の リス ク を 計 算 に よ り導 い た 。 さ ら に 誤 差 の 伝 播 式 を 用 い て そ れ らの 誤 差 も 計 算 し、 グ ラ フ 上 に 誤 差 棒 と して 示 し た 。 そ れ らの デ ー タ を ① ∼ ⑦ の 対 照 群 毎 に 比 較 、あ るい は対 照群 を一 定 に して被 曝 時年 齢 ご との経 年 変 化 を比較 した。 【結 果 ・考 察 】 図1に 、 対 照 群 ⑦ と し て 被 曝 時 年 齢5∼15歳 の 集 団 の 到 達 年 齢 に お け る 過 剰 相 対 リス ク の 変 化 を被 曝 線 量5∼500mSvと500∼1500mSvと の 比 較 で 示 す 。 図1か ら被 曝 線 量5∼500mSvよ り も500∼1500mSvの 方 が 過 剰 相 対 リス ク が 大 き い こ と が 分 か る 。 図2 に 、 被 曝 時 年 齢5∼15歳 で 被 曝 線 量5∼500mSvの 集 団 に お け る 過 剰 相 対 リス ク の 変 化 を 、 対 照 群 ① と⑦ で 比 較 して 示 す 。 図 か ら は 有 意 な 差 は 見 い だ せ な か っ た 。 以 上 よ り対 照 群 の 変 更 に よ る リス ク の 変 化 は 限 定 的 な 範 囲 に 止 ま る と考 え られ る。 ﹃ 巽 を ー i ︾ 婆 } 8 7 6 5 4 3 2 1 過 剥 秘 舞 サ 義 ク 4:「
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照群⑦ での線量別 の過 剰相対 リスク
の比較
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一h⑦ ・M鰍m以 癒3匙 粕 鱗 内5m5解 以 下 禰 一 一 岬 一.} 工 、 一 「NL蓋-圭}rY「 25.303窪35354040454}5⑪50.555!捲 の6面56570 墾1養年 齢 図2:被 曝 線 量5∼500mSvで の 対 照 群 ① と ⑦ の 過 剰 相 対 リ ス ク の 比 較Vo1.51(2014) 近畿大学原子力研究所 年報
修
士
論
文
総 合 理 工 学研 究 科 工 レク トロニ クス 系 工 学 専 攻
博 士 前 期課 程
有澤
公一
モンテカルロシミュレーシ ョンによる
Th-232の 即発 中性子スペク トルの解析
河崎
将大
近畿大学原子炉における制御棒反応度価値曲線 の検証
付録2
モ ンテ カル ロシ ミュ レー シ ョンに よるTh-232の 即発 中性子 ス ペク トルの 解析
AnalysisofPromptNeutronSpectraofTh-232byMonteCarloSimulation
12-3・334-0404有 澤 公 一(原 子 核 工 学 研 究 室) 1.緒 書 原 子 炉 や 加 速 器 駆 動 未 臨 界 炉 な ど、 核 分 裂 連 鎖 反 応 を利 用 した施 設 を 設 計 、 稼 働 す る に は 、様 々 な 原 子 核 デ ー タ が 必 要 と な る。 即 発 中 性 子 ス ペ ク トル(PFNS)は 重 要 な原 子 核 デ ー タ の 一 つ で あ り、 今 で も理 論 計 算 精 度 の 向 上 が望 ま れ て い る 。 従 来PFNSの 評 価 に 用 い られ て き たMu1㎞oda1-Madlan虚Nix(MM-MN) モ デ ル 田 を さ ら に改 良 す る た め 、核 分 裂 片 加 速 途 中 に お け る 中 性 子 放 出(NeutronEmission DudngAcceleration,NEDA)を 考 慮 す る計 算 手 法 が 当研 究 室 で 開 発 され た[2】。 本 研 究 で は 、 この 手 法 を 用 い て 、232Thと 、 そ の 壊 変 サ イ ク ル に よ っ て 発 生 す る233Paに つ い て 、PFNS計 算 の 精 密 化 を試 み た 。 2.計 算 手 法 本 研 究 で は 、NEDAの 定 量 的 評 価 の た め モ ン テ カ ル ロ シ ミュ レー シ ョ ン(MCS)を 用 い て 解 析 を 行 っ た 。MCSは 確 率 の伴 う事 象 に乱 数 を用 い 、 コ ン ピ ュー ター 内 に仮 想 的 な物 理 空 間 を 形 成 す る こ とで 、 実 験 を模 擬 す る こ とが で き 、 様 々 な 物 理 量 の 相 関 関 係 を調 べ る こ と が で き る。 2.1MCS MCSで は 、 ま ず 与 え られ た 核 分 裂 モ ー ド (STl,ST2,SL)の 確 率 分 布 及 び 乱 数 を 用 い る こ とで 核 分 裂 片 の 初 期 条 件 を決 定 す る。 次 に 初 期 条 件 か ら の脱 励 起 過 程 も ま た 核 分 裂 片 ご と に 固 有 の 確 率 分 布 及 び 乱 数 を 用 い 、 核 の 励 起 エ ネ ル ギ ー が 中 性 子 放 出 の 閾 値 以 下 とな る ま で 中 性 子 放 出 を 行 う。 最 後 に残 っ た 励 起 エ ネ ル ギ ー は ガ ン マ 線 と して 放 出 され る。 こ の 作 業 を 多数 回(本研 究 で は10億 回)行 うこ と で 様 々 な デ ー タ を蓄 積 す る。 以 上 のMCS計 算 はS.Lemaireら の 方 法[3】 と ほ ぼ 同 等 で あ る が 、 本 研 究 で は 統 計 理 論 に 基 づ い て 中性 子 放 出 の 平 均 寿 命 を 計 算 し、 核 分 裂 片 の 指 数 関 数 に 従 っ た 壊 変 特 性 及 び 乱 数 を用 い た 中性 子 放 出 時 間 の 計 算 も 行 っ た。 計 算 され た 中性 子 放 出 時 間 は 核 分 裂 片 の ク ー ロ ン加 速 時 間 と対 応 させ る こ とで 、 最 終 的 に 中 性 子 放 出確 率P(か を 、核 分 裂 片 の加 速 割 合 因 子 κ(∬=κEノ 鵬 耐)の関 数 と し て 求 め る こ と が で き る。 本 研 究 で は 断 裂 時 の軽 ・重 分 裂 片 へ の 励 起 エ ネ ル ギ ー 分 配 と して 、等温 仮 定 に よ る 分 配 を 仮 定 し、MCS結 果 へ の 影 響 を検 討 す る。 2.2NEDAを 考 慮 したPFNS MM-MNモ デ ル で は核 分 裂 片 が 最 終 速 度 に 達 して か らの み 中性 子 放 出 され る と仮 定 して い る。NEDAを 考 慮 したPFNSは 、上 で 得 ら れ たPω を用 い る こ とで 、〈
確 》=似 甲 ∫,ゆ ω 物
,(1) と し て 計 算 され る 。 こ こ で 、1>(瓦 琢 賜)は MM-MNモ デ ル を用 い て 計 算 され るPFNSで 、 核 分 裂 片 の 核 子 当 た り の 運 動 エ ネ ル ギ ー 巧 及 び 最 大 核 温 度 塩 の 関 数 で あ る。計 算 され た 〈M粉 〉は 各 核 分 裂 モ ー ド及 び 軽 ・重 分 裂 片 に っ い て 個 別 のPFNSで あ る の で 、MM-MNモ デ ル に 従 い 、 各 モ ー ドの 分 岐 比 及 び 即 発 中 性 子 数 を 重 率 と して 合 成 し全PFNSを 求 め た 。 3.結 果 及 び 考 察 MCSの 計 算 結 果 例 と し て 、232Th(n,Oの Pω に対 す る 中性 子 の放 出 確 率 の 相 関 を表 す グ ラ フ を 、 図1に 示 す 。 図1よ り、 大 部 分 の 中 性 子 が 最 終 速 度 近 傍(万 窩1)で 放 出 され て い るが 、僅 か で は あ る もの のNEDAの 効 果 を確 認 す る こ と が で き る 。 各 核 分 裂 モ ー ド及 び 軽 ・重 分 裂 片 に よ っ てP(の の形 状 は 異 な る が 、 これ は計 算 され た 平 均 寿 命 が 核 分 裂 片 の 励 起 エ ネ ル ギ ー 、 中 性 子 結 合 エ ネ ル ギー 及 び 準 位 構 造 に 大 き く 依 存 す る こ と に よ る 。Vol.51(2014) 近畿大学原子力研究所年報
「
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毘1:
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ゐ お 1 図12鉋Th(馬O(3MeV)のPω に 対 す る 中 性 子 の 放 出 確 率 Fi停1Neutmne】 血』sionp■obab丑i旬a8afunctionof.2r 図1及 び(1)式 を 用 い て 計 算 さ れ た 2町h(n ,OのPFNS(3MeVMaxwe11型PFNS と の 比)を 図2に 示 す 。 こ の 図 よ り、NEDA を 考 慮 したPFNSは 、NEDAを 考 慮 し な い 場 合 に 比 べ 、 低 エ ネ ル ギ ー 領 域(く]MeV)に お い て 実 験 値 との 一 致 が 改 善 され た こ と が 分 か る 。 ま た 、 本 研 究 で は2MeV∼8MeVの 入 射 エ ネ ル ギ ー にお い てPFNS計 算 を行 っ た が 、 NEDA効 果 の 有 無 に よ るPFNSの 差 は 、相 対 比 で 見 る と入 射 エ ネ ル ギ ー の 増 加 に よ っ て あ ま り変 化 しな か っ た 。 入 射 エ ネ ル ギ ー が 増 加 す る と励 起 エ ネ ル ギ ー やS五 モ ー ドへ の分 岐 確 率 が 上 昇 し、NEDAの 効 果 も多 少 増 加 す る 。 しか し、 ス ペ ク トル 自身 が 高 エ ネ ル ギ ー 側 ヘ シ フ トし 、NEDAの 効 果 を 受 け や す い 低 エ ネ ル ギ ー 領 域 の 中 性 子 が 減 少 す る た め 、 大 き な 影 響 は な か っ た も の だ と考 え る。 O ロ U l o9 ㎝ ㎝ oβ ︾ 0 = 凶 N ." 騰 3 レ 甥 確 ヨ 0 垂 ● Σ 〇 一 2 り 欄 匡 02}
。-w/oNEDA -」 ∩搏thNεDA ●一一・」ENDし4.0 ◆G5.80ikov O。40.60.81 εn●卿 【Mε 吻 図3に2鵠Pa(n,OのPFNS(2MeVMaxwe皿 比)を 示 す 。図3よ り、㎜Paに つ い て も 蹴Th と同 じ くNEDAを 考 慮 す る こ とでPFNSの 低 エ ネ ル ギ ー 領 域 が 増 強 され て い る こ と が分 か る。 実 験 値 が な く比 較 は で き な い が 、 実 験 値 との 一 致 が 改 善 で き た 町hと 同 じ傾 向 に あ る こ とか らNEDA効 果 の 考 慮 は2鵠Paに つ い て も有 効 で あ る と考 え る。 ユコ 室1 、ヨ 鰯 一 '4
ノ ' ' ' ' ♂ ' ' レ 02 0 03 溺 08 ゐ 07 鱒 蟹 ト 雪 の ≡ 璽 5 翼 6 一己 O ω O コ 鱈 催 1 _w嫌DA} _w,、,,DAi} 一 ●●正 ∼0し4.0 -.一} q4α60β1iεM剛【M●
町 一
図3NEDAを 考 慮 したPFNS 畑Pa(n ,O(2MeV) Fig.3PFNSoor劇fbrN正DAef㎞ 4.結 諭 本 研 究 で はMCSを 用 い てNEDAの 定 量 的 評 価 を 行 い 、従 来 のPFNS計 算 モ デ ル に 取 り 入 れ る こ とでPFNS計 算 の 精 密 化 を試 み た 。 魏Th(n ,Oに つ い て は、低 エネル ギー領域 にお け る実 験 値 との 一 致 を 改 善 す る こ と が で き た。 ま た 、NEDA効 果 の 影 響 は 中性 子 の入 射 エ ネ ル ギ ー 、 核 種 に よ っ て あ ま り大 き く変 化 せ ず 、ど の場 合 に お い て もNEDA効 果 を 考 慮 し な い 場 合 に 比 べ て 数%程 度 で あ る こ とが 分 か った 。 参 考 文 献 【1P正Oh〕awaθ 孟a乙,Nu(迂.PhyaA653(1999)17. 【2】A.Mat8umtoθ'aZ,」 」Nt岨.ScL㎞hnoL49 (2012)782. 【3】S.Lemaireθ'8Z,Phys.Rev、C72(2005)024601 図2NEDAを 考 慮 し たPFNS 232Th(n ,O(3MeV) Fi昏2PFNScor鷲dfbrNEDA¢f臨 ㏄付 録2