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8. 両鼠径部の腫脹から発見された,転移性精索腫瘍の一例(第55回日本泌尿器科学会群馬地方会演題抄録<セッションII>)

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Academic year: 2021

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し左根治的腎摘出術を施行. 2010年 5月, 経過観察中の 腹部 CT で膵頭部に hypervascularな腫瘤が認められた. 腎細胞癌膵転移を疑い, 外科にて腫瘍切除術が施行され た. 病理組織は clear cell carcinomaであった. 腎細胞癌 膵転移は転移症例中 2%程度と比較的稀であり, 切除例 の報告はまだ少ない. 若干の文献的 察を加えこれを報 告する. 5.インターフェロン α投与中に増悪傾向を認めたが 休止後に自然消退を認めた左腎細胞癌の1例 宮澤 慶行,上井 崇智,登丸 行雄 (桐生厚生 合病院 泌尿器科) 症例は 74歳女性, 近医での CT で左腎細胞癌, 肺転移 を 疑 わ れ, 紹 介 受 診 と なった. 診 断 は 左 腎 細 胞 癌 cT1bN0M1 stageⅣ (肺転移),左腎摘除術を施行した.そ の後 IFNα療法 (スミフェロン 300万単位週 5回) を 9ヶ月間投与した.効果判定の CT で PD の判定,患者,家 族との相談で対症療法を行っていくこととなった. その 後経過観察中に転移巣の著明な縮小, 消失を認め, 現在 も無治療で経過をみている. 上記症例について, 若干の 文献的 察を含め報告する.

セッション >

座長:新井 誠二(群馬県立がんセンター) 6.ステロイドパルス療法の奏効した被囊性腹膜 化症 (EPS) の一例 栗原 太,古谷 洋介,中山 紘 宮尾 武士,富田 介,加藤 春雄 周東 孝浩,村 和道,宮久保真意 森川 泰如,岡本 亘平,野村 昌 小池 秀和, 井 博,柴田 康博 羽鳥 基明,伊藤 一人,鈴木 和浩 (群馬大院・医・泌尿器科学) 69 歳男性. 慢性腎不全で H19 年 4月より腹膜透析を 導入.H22年 2月末より食欲不振,夜間の嘔気・嘔吐など 腸閉塞症状あり, 3月 8日に当科入院. 腹部単純 CT で繭 玉状に一塊となった腸管を確認. 腸閉塞症状と画像所見 から被囊性腹膜 化症と診断し, 同日よりステロイドパ ルス療法 (mPSL 1000mg/日) を開始. PD を中止し HD 導入. 第 14病日には消化器症状は改善, 腹部 XP上も改 善傾向であり流動食を開始. 第 16病日, CT 上腸管の集 中は改善. 第 25病日には固形食も摂取できるようにな り, 第 50病日に軽快退院. EPSは PD 患者の 1∼ 3%に 合併するとされ, 死亡率は 30%を超える重篤な病態であ る. 治療は中心静脈栄養, 免疫抑制, 外科的処置, または それらの組み合わせによりなされる. 腸閉塞症状が強い 場合には外科的に腸間膜癒着剥離術が選択されることが 多いが, 本症例ではステロイドパルス療法が奏功し食事 摂取可能となった. 7.フルニエ壊疽が疑われた尿閉症例 村 和道,黒川 平(国立病院機構 高崎 合医療センター 泌尿器科) 山田 達也 (同 外科) 根岸 幾 (同 診療放射線科) 尾 弥枝,間仁田 守 (同 循環器科) 症例は 89 歳男性. 既往歴に糖尿病, 肺気腫がある. 平 成 22年 5月労作時の息切れあり近医より当院循環器内 科紹介受診. CT 撮影にて両側水腎, 膀胱の拡大を認めた ため尿閉疑いにて当科紹介となった. 膀胱鏡施行時陰囊 および肛門左側の発赤を認め,CT にて陰茎・陰囊から肛 門左側におよぶ皮下気腫を認めた. フルニエ壊疽が疑わ れたため緊急切開ドレナージ施行. 直後に陰囊の発赤は 改善した. 連日 洗浄しながら, 段階的にドレーンを抜 去した. 抗生剤は MEPM 0.5 g×3回/日, CLDM 600 mg/ 日を 9 日間施行. 現在適宜デブリードマンを施行してし ながら, 連日 洗浄を行っているが経過は順調である. フルニエ壊疽は会陰部の壊死性筋膜炎であり, 診断が遅 れると死亡率は 7.5%∼29%程度と低くはない. 本症例 では, 症状が現れる前に診断し治療が開始されたため, 良好な経過をたどったと えた. 8.両鼠径部の腫脹から発見された転移性傍精索腫瘍の 一例 中山 紘 ,加藤 春雄,森川 泰如 栗原 聰太,宮尾 武士,周東 孝浩 古谷 洋介,宮久保真意,岡本 亘平 野村 昌 ,小池 秀和, 井 博 柴田 康博,羽鳥 基明,伊藤 一人 鈴木 和浩 (群馬大院・医・泌尿器科学) 症例は 69 歳, 男性. 2009 年 2月頃より陰部の 結と鼠 径部腫脹を自覚し, 近医受診するも経過観察となった. 2010年 3月に食思不振のため当院内科入院となり, 両鼠 径部腫脹の増大認め当科紹介となった. CT, MRI にて両 側精索に接する腫瘤を認めたが, 悪性を示唆する所見に 乏しく診断は困難であった. 患者と相談の上, 開放生検 または高位精巣摘除の方針となり左傍精索腫瘤に対して 手術施行した. 術中迅速病理診断にて悪性を疑う所見は なく, 精索との剥離も可能であったため腫瘤のみを摘除 した. 後日, 摘出標本の病理診断が確定し転移性の低 化型腺癌の診断であった. 下部消化管内視鏡再検し S状 結腸から低 化腺癌を認め, S状結腸癌の傍精索転移と 第 55回日本泌尿器科学会群馬地方会演題抄録 388

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判断した. 精索腫瘍のうち転移性精索腫瘍は比較的稀で, 調べえた限りでは本邦 98例の報告があったものの, 傍 精索腫瘍の報告は発見できなかった. 今回われわれは転 移性傍精索腫瘍と思われる症例を経験したので報告す る. 9.LHRHアナログ製剤変 により PSA低下をもたら した1例 坂本亮一郎,奥木 宏 ,岡崎 浩 中村 敏之 (館林厚生病院 泌尿器科) 症例 76歳男性. 地域検診で PSA 5.45 ng/mlと高値を 指摘され受診.PSA 4.51 ng/ml,経直腸超音波・直腸診上 悪性を疑わせる所見なし. 経直腸 8ヵ所前立腺生検施行, 画像診断と併せ, 前立腺中 化型腺癌 T1cN0M0, GS4+ 5=9 と診断し, 酢酸リュープロレリン投与を開始 (投与 開 始 時 PSA : 4.439 ng/ml). 投 与 後 1ヶ月 の PSA 値 は 2.038 ng/mlと低下したが, 投与後 4ヶ月での PSA 値は 4.567 ng/mlと上昇した. LHRH-A 製剤の種類により PSA 反応性低下が生じた可能性を え, 投与製剤を酢酸 リュープロレリンから酢酸ゴセレリンに変 したとこ ろ, 変 後 1ヶ月で PSA・テストステロンの低下を認め た. 以上のような,LHRH-A 製剤の種類によるテストステ ロン・PSA 抑制作用の違いは国内でも数件報告されてお り, 若干の文献的 察を加え症例報告する.

ビ デ オ

10.右巨大水腎症に対して後腹腔鏡下右腎摘除術を施行 した一例 野村 昌 ,宮久保真意,小池 秀和 井 博,柴田 康博,羽鳥 基明 伊藤 一人,鈴木 和浩 (群馬大院・医・泌尿器科学) 冨田 介 ( 立富岡 合病院) 村 和道 (高崎 合医療センター) 牧野 武朗 (立川相互病院) 小林 幹男 (伊勢崎市民病院) 症例は 58歳男性. 主訴は腹部膨満. 以前より高血圧等 で近医通院中. 右腎囊胞の精査目的に当科紹介. CT 等の 精査にて, 腎囊胞ではなく, 右巨大水腎症を認めた. 症状 増悪傾向のため, 精査加療目的に入院. RPでは評価不十 のため, 右腎瘻造設施行, AP施行するも水腎の原因の 特定には至らず. 術中術後に内容液およそ 7000mlの流 出を認めた. 腎瘻を抜去し退院. その後再び水腎症出現 したため右腎瘻再造設. 後日, 後腹腔鏡下右腎摘除術を 施行. 最終診断は重複腎盂尿管の上半腎の著明な水腎症 であった. 手術時間 7時間 47 , 出血量 52ml. 腎門部お よび腎周囲の癒着が強かったことと, 剥離面積が大き かったため手術時間は長かったが, 後腹腔鏡下に手術を 完遂. 術後経過は良好で, 術後 8日目には退院となる. 後 腹腔鏡下手術を行うことで低侵襲に治療を行うことが可 能であった. 手術ビデオを供覧する.

特別講演>

座長:小林 幹男(伊勢崎市民病院) 前立腺癌内 泌療法と QOL 酒井 英樹(長崎大学大学院医歯薬学 合研究科 腎泌尿器病態学教授) 前立腺癌内 泌療法は進行癌に対して高い抗腫瘍効果 を示す反面, それがアンドロゲン除去療法であるために さまざまな有害事象をもたらす. その主なものは, 去勢 による急激なテストステロン低下に伴う医原性の男性 年期障害であり, ホットフラッシュ, 性機能障害, 体重増 加, 女性化乳房, 血,筋力低下,骨粗鬆症,脂質代謝異常 などが含まれる. さらに抑うつや認知機能低下と関連し ている可能性もある. わが国における前立腺癌内 泌療法では, 癌の縮小や 腫瘍マーカーの低下あるいは疾患特異的生存率など抗腫 瘍効果が重要視され, このような有害事象に対する認識 は必ずしも高くなかった. しかし最近の癌治療に伴う 康関連 QOL に対する関心の高まりから, 前立腺癌の内 泌療法でも QOL の重要性が認識されてきている. 内 泌療法による有害事象は予後に直結するものではない ものの, 治療が長期に及べば脂質代謝異常や骨粗鬆症が 心血管系疾患や病的骨折を招き,QOL 障害だけでなく疾 患非特異的死亡に関与する可能性も否定できない. 一方, 我々が行った内 泌療法中のホットフラッシュ と QOL に関する縦断的研究から, ホットフラッシュに 対するステロイド性抗アンドロゲン薬の有用性が示唆さ れるとともに, 内 泌療法による精神的状態や下部尿路 症状に関する QOL の向上が観察された. 前立腺癌に対 する治療法の選択においては,QOL を含めた内 泌療法 の利益・不利益に関して, 十 な情報を患者に提供する ことが重要である. 389

参照

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