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当院における潰瘍性大腸炎に対するMMX型メサラジンの臨床的有効性の検討

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Academic year: 2021

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(1)潰瘍性大腸炎に対する MMX 型メサラジン. 仙台医療センター医学雑誌 Vol. 10, 2020. 原著論文 当院における潰瘍性大腸炎に対する MMX 型メサラジンの臨床的有効性の検討 遠藤祐哉 1)、杉村美華子 1)、岩渕正広 1)、真野浩 1)、鵜飼克明 1) 1) 国立病院機構仙台医療センター 消化器内科 抄録 目的) 当院における潰瘍性大腸炎(UC)に対するマルチマトリックス(MMX)型メサラジンの臨床的有効 性を明らかにする。 方法) 2017 年 12 月~ 2019 年 2 月の期間に、当院において MMX 型メサラジンを使用した UC39 症例を対 象に、投与 4 週後の効果判定を p-Mayo スコアを用いて行った。また、治療成績が、病型、重症度、前 治療メサラジンの種類により違いがあるかを検討した。局所製剤併用例については、MMX 型メサラジ ン投与により離脱可能であるかを検討した。 結果) MMX 型メサラジンを投与した 39 例(男性 19 例、女性 20 例)は、全例寛解導入目的であり、4 週 後の有効率は、著効(p-Mayo スコア 0)11 例(28%)、有効(著効の基準は満たさないが、症状の改善 あり)は 17 例(44%)、無効(症状の改善を認めない、あるいは悪化)は 11 例(28%)であった。病 型別では、全大腸炎型 20 例、左側大腸炎型 19 例、重症度別では、軽症 13 例、中等症 26 例であっ たが、病型、重症度による有効性に差を認めなかった。前治療メサラジンの種類による有効性にも差を 認めなかった。なお、著効・有効例 28 例中、26 例が MMX 型メサラジン 4800mg/ 日を継続していた。 局所製剤併用例は 15 例であったが、そのうち 7 例が離脱可能であった。 結語) 当院における MMX 型メサラジンの有効性は、著効・有効を合わせて 72% と良好であり、病型、重 症度、前治療メサラジンの種類による差を認めなかった。局所製剤を離脱できる症例も多く、MMX 型 メサラジンの利点であると思われた。 キーワード:潰瘍性大腸炎、MMX 型メサラジン 身症状を示す。多くの UC 患者が再燃と寛解を繰り. 1 はじめに 潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis;以下 UC)は、. 返す慢性の経過を辿ることから、長期にわたる医学. わが国の診断基準では、 「主として粘膜を侵し、し. 管理が必要となる。UC の治療の基本は、病態に応. ばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のび. じた治療法を選択し、症状をコントロールすること. 1). まん性非特異性炎症である。 」と定義されている 。. であり、寛解を長期に維持することが治療目標とな. 30 歳以下の成人に多いが、小児や 50 歳以上の年齢. る。治療は罹患範囲、臨床的重症度、治療経過など. 層にもみられる。原因の詳細は不明であるが、遺伝. により決定される。図 1 に令和元年度改訂潰瘍性. 的素因に環境因子や腸内細菌が関与する多因子疾患. 大腸炎治療指針を示す。薬物治療としては、サラゾ. と考えられている。通常血性下痢と種々の程度の全. スルファピリジン、メサラジンの 5-ASA 製剤が標 46.

(2) 仙台医療センター医学雑誌 Vol. 10, 2020. 潰瘍性大腸炎に対する MMX 型メサラジン. 2 目的 当院における UC に対する MMX 型メサラジン の寛解導入における臨床的有効性を明らかにする。 3 方法 2017 年 12 月から 2019 年 2 月の期間で、当院に おいて寛解導入目的に MMX 型メサラジン(リア ルダ ®)を使用した UC39 症例を対象に検討を行っ た。用法・用量は全例 1 日 1 回 4800mg の経口投 与とし、ステロイド、顆粒球吸着・除去療法、生物 学的製剤の併用例は除いた。効果判定は、MMX 型 メサラジンの投与 4 週後に部分的 Mayo(p-Mayo) ス コ ア を 用 い て 行 っ た。Mayo ス コ ア( 表 1) は UC 治療における. 図1)令和元年度改訂潰瘍性大腸炎治療指針¹⁾ 図1:令和元年度改訂潰瘍性大腸炎治療指針。 ※:現在保険適応には含まれていない。※※:それぞれ 同じ薬剤で寛解導入した場合に維持療法として継続投与 する。5-ASA 経口剤(ペンタサ ® 顆粒 / 錠、アサコー ル ® 錠、サラゾピリン ® 錠、リアルダ ® 錠)、5-ASA 注 腸剤(ペンタサ ® 注腸)、5-ASA 坐剤(ペンタサ ® 坐剤、 サラゾピリン ® 坐剤)、ステロイド注腸剤(プレドネマ ® 注腸、ステロネマ ® 注腸)、ブデソニド注腸フォーム(レ クタブル ® 注腸フォーム)、ステロイド坐剤(リンデロ ン ® 坐剤). メサラジン製剤の 有効性と安全性を. 小計 〇排便回数 0=通常の排便数 1=通常より1~2回多い排便 数. 評価するために施. 2=通常より3~4回多い排便 数. 行された無作為比 較試験で作成され た臨床的指標であ. 3=通常より5回以上多い排便 数. 0=血液の付着がない 1=排便時の半数以下でわず. り 4)、排便回数が. かに血液が付着する. 寛解期と比べてど. かな血液の付着がある. の程度増えている. =⓵. 〇直腸出血1). 2=排便時の半数以上で明ら 3=大部分が血液である. =②. 〇粘膜所見 0=正常または非活動性所見. 準治療薬であり、それだけで寛解導入できなけれ. か、直腸からの出. ば、ステロイド製剤、免疫調整薬、生物学的製剤な. 血はどの程度か、. 減少、軽度脆弱). どが使用される。5-ASA 製剤は軽症~中等症の UC. 内視鏡による大腸. 透見像の消失、脆弱、びらん). に対する標準治療薬であり、5-ASA の活性酸素や. の粘膜所見はどの. アラキドン酸代謝物の産生抑制などによる抗炎症作. 程度か、医師によ. 1=軽症(発赤、血管透見像の 2=中等症(著明に発赤、血管 3=重症(自然出血、潰瘍) =③. 表1)Ma 最も重症. 〇医師の全般的評価 0=正常. 用により効果をもたらすとされている 2)。その効果. る全般評価という. は 患 部 粘 膜 中 の 濃 度 に 依 存 す る た め、 い か に. 4 項目で、それぞ. 2=中等症 3=重症. =④. 5-ASA を病変部に到達させ、高い 5-ASA 濃度を維. れスコアをつけ、. 合計のMayoスコア. =①~④の合計. 持 で き る か ど う か が 重 要 と な る 3)。 近 年 で は、. 合計スコア 0 ~. Drug delivery system(DDS) 技 術 を 駆 使 し た. 12 点で評価する。. 5-ASA 製剤の開発が、治療効果の向上に貢献して. 3 ~ 5 点であれば軽度、6 ~ 10 点であれば中等度、. いる。2016 年より MMX 型メサラジン(リアルダ ®). 11 ~ 12 点であれば重度とされている。. 表1:Mayo スコア。1)出血が 最も重症な日をスコアとする。. Mayo スコアの評価項目から内視鏡による粘膜所. がわが国でも使用可能となり、サラゾピリン、時間 ®) 、pH. 1=軽症. 依存型メサラ. 見のスコアを除いたスコアの合計点で評価したもの. ジン(アサコール ®)と合わせて、さらに選択肢が. が p-Mayo スコアである。投与 4 週後の p-Mayo ス. 広がっている。今回、当院における MMX 型メサ. コアが 0 であれば“著効”、著効の基準は満たさな. ラジンの臨床的有効性を検討したので、その結果を. いが、症状の改善がある場合は“有効”、症状の改. 報告する。. 善がない、あるいは悪化もしくは副作用のため中止. 依存型メサラジン(ペンタサ. 47.

(3) 仙台医療センター医学雑誌 Vol. 10, 2020. 潰瘍性大腸炎に対する MMX 型メサラジン. した場合には“無効”とした。有効性については、. 規導入は 1 例であり、38 例は他のメサラジンから. MMX 型メサラジンの投与前の p-Mayo スコアと、. の切り替えであった。MMX 型メサラジン投与 4 週. 投与 4 週後のスコアに差を認めるかどうかを、t- 検. 後の有効率は、著効(p-Mayo スコア 0)が 11 例. 定を用いて検討した。また、治療成績が、病型、重. (28%)、有効が 17 例(44%)、無効が 11 例(28%). 症度、前治療メサラジンの種類により違いがあるか. であり、著効もしくは有効である例は 28 例(72%). を検討した。局所製剤併用例については、MMX 型. であった(図 2)。. メサラジン投与により局所製剤の離脱が可能であっ たかを検討した。. 無効 28 (11/39). 4 結果 対象者は MMX 型メサラジンを投与した UC39 例(男性 19 例、女性 20 例)であり、平均年齢は 37.2 ± 13.8 歳であった。病型別では、全大腸炎型. 著効 28% (11/39). 有効 44% (17/39). が 20 例、左側大腸炎型が 19 例、直腸炎型が 0 例 であった。重症度別では、軽症 13 例、中等症 26 例、重症 0 例であった。全例が寛解導入目的であ. 図2:MMX 型メサラジン投与4週間後の有効率。著効も しくは有効である例は72%であった。 図2)MMX型メサラジン投与4週間後の有 効率。著効もしくは有効である例は72%で あった。. り、 用法・用量は 1 日 1 回 4800mg であった。新. No 性別 年齢. 病型. 重症度. リアルダ変更前の投与歴. No 性別 年齢 1. 1. 2. M. M. 41 左側大腸炎型. 32. 全大腸炎型. 軽症. 軽症. 3. M. 37. 全大腸炎型. 軽症. 4. M. 16. 全大腸炎型. 中等症. 5. M. 41. 全大腸炎型. 6. F. 22 左側大腸炎型. 7. F. 50. 全大腸炎型. 中等症. 9. F. 46 左側大腸炎型. 軽症. 10. F. 45 左側大腸炎型. 軽症. F. 36 左側大腸炎型. 軽症. 表2:著効例の11例。. F. 47 左側大腸炎型. 軽症. ペンタサ4000mg. 3. F. 40. 軽症. アサコール3600mg. 4. M. 35 左側大腸炎型. 全大腸炎型. No. 性別 年齢. 病型. 重症度. なし(新規). 2. →アサコール3600mg. リアルダ変更前の投与歴. アサコール3600mg. 1. F. 48. 左側大腸炎型. 軽症. 2. M. 31. 全大腸炎型. 軽症. アサコール3600mg. 3. M. 16. 全大腸炎型. 中等症. ペンタサ4000mg. 4. M. 39. 全大腸炎型. 中等症. アサコール3600mg. 5. M. 65. 全大腸炎型. 中等症. ペンタサ4000mg. 6. F. 39. 左側大腸炎型. 中等症. 7. M. 39. 全大腸炎型. 中等症. F. 44. 左側大腸炎型. 中等症. アサコール2400mg. 9. M. 47. 全大腸炎型. 中等症. アサコール3600mg. →ペンタサ4000mg. ペンタサ1500mg 中等症. サラゾピリン4500mg. →ペンタサ4000mg. →ペンタサ4000mg. アサコール3600mg. アサコール3600mg. 42 左側大腸炎型. 軽症. リアルダ変更前の投与歴. ペンタサ2250mg. 中等症. F. 11. →アサコール3600mg. サラゾピリン3000mg. 8. 34 左側大腸炎型. 重症度. サラゾピリン3000mg. 中等症. 軽症. M. 病型. 5. F. 77. 全大腸炎型. 中等症. アサコール3600mg. 6. M. 39. 全大腸炎型. 中等症. アサコール3600mg. 7. F. 30. 全大腸炎型. 中等症. アサコール3600mg. 8. M. 28. 全大腸炎型. 中等症. ペンタサ4000mg. アサコール3600mg サラゾピリン3000mg. ペンタサ2000mg. アサコール3600mg →ペンタサ4000mg ペンタサ1500mg. アサコール2400mg. →ペンタサ4000mg. 9. M. 53. 10. F. 37 左側大腸炎型. 11. F 59 左側大腸炎型 中等症 アサコール3600mg 表2)著効例の11例。. 10. F. 66. 左側大腸炎型. 中等症. ペンタサ4000mg. 12. M. 45 左側大腸炎型. 中等症. アサコール3600mg. 11. F. 25. 左側大腸炎型. 中等症. アサコール3600mg. 13. F. 33 左側大腸炎型. 軽症. アサコール3600mg. 14. M. 52. 中等症. ペンタサ4000mg. 15. F. 37 左側大腸炎型. 軽症. ペンタサ1500mg. 16. M. 64. 全大腸炎型. 中等症. 17. M. 47. 全大腸炎型. 中等症. 全大腸炎型. 中等症. ペンタサ1500mg. →ペンタサ4000mg. サラゾピリン3000mg →アサコール3600mg. 全大腸炎型. 中等症. →アサコール3600mg. ペンタサ4000mg. アサコール3600mg. 表3:有効例の17例。. 48. →ペンタサ4000mg. ペンタサ4000mg. 8. 表3)有効例の17例。. 表4:無効例の11例。. 表4).

(4) 仙台医療センター医学雑誌 Vol. 10, 2020. 潰瘍性大腸炎に対する MMX 型メサラジン. MMX 型メサラジンの内服による副作用の発現の. 2400mg/ 日と時間依存型メサラジン 2250mg/ 日の. ため中止した例は 2 例であった。副作用の種類は、. 寛解維持効果に関する国内第Ⅲ相試験でも、MMX. 1 例は腹部膨満感、1 例は下痢であった。MMX 型. 型メサラジンの非劣性が確認されている 7)。理由と. メサラジン投与前の p-Mayo スコアの平均値は 4.4、. して、前述した新規の DDS である MMX 構造のほ. 投与 4 週後の平均値は 2.1 であり、有意差が認めら. かに、「高用量」であること、活動期・寛解期とも. れた(p < 0.001) 。MMX 型メサラジン開始前の他. に「1日1回」であることが挙げられている。今回. のメサラジンの投与歴について、時間依存型メサラ. の検討では MMX 型メサラジン投与 4 週後の効果. ジンが 17 例、pH 依存型メサラジンが 20 例であ. 判 定 で は、 著 効 と 有 効 を 合 わ せ る と 28/39 例. り、サラゾピリンと新規導入例がそれぞれ 1 例で. (72%) と高く、p-Mayo スコアの平均値も 4.4 か. あった。著効もしくは有効であった例は、時間依存. ら 2.1 に有意に改善を認めている。また、これらの. 型メサラジンが 13 例(76%) 、pH 依存型メサラジ. 改善を認めた 28 例のうち 27 例がほかのメサラジ. ンが 12 例(60%)であった。著効例の 11 例(表 2)、. ン製剤からの切り替えであり、他のメサラジンによ. 有効例の 17 例(表 3) 、無効例の 11 例(表 4)を. り寛解導入効果が乏しい場合には、メサラジンの種. それぞれ検討したが、病型、重症度、変更前のメサ. 類によらず、MMX 型メサラジンへの変更は検討さ. ラジンの種類による差は、いずれでも認めなかっ. れるべきと考える。しかし用量に関しては、寛解導. た。. 入では 4800mg/ 日、寛解維持では 2400mg/ 日が推. なお、著効・有効例の 28 例のその後の経過は、. 奨されているものの、当院での検討では 2400mg/. 1 例が MMX 型メサラジン 2400mg/ 日に減量して. 日での寛解維持例は 1 例のみであり、そのほかは. 継続、1 例は希望により他のメサラジンへの変更と. 4800mg/ 日の投与を継続していることから、他の. なっており、そのほかの 26 例は MMX 型メサラジ. メサラジン製剤の最高用量で寛解導入が得られてい. ン 4800mg/ 日 を 継 続 し て い る。 ま た、 本 検 討 の. ない症例において MMX 型メサラジンへ変更する. MMX 型メサラジン 4800mg/ 日の開始時において、. 場合には、4800mg/ 日の長期投与が必要となる可. 局所製剤(5-ASA の注腸もしくは坐剤)を併用し. 能性を念頭に置く必要があると思われる。緒方ら 8). ていた例は 39 例のうち 15 例であったが、その 15. は MMX 型メサラジン 4800mg/ 日と 2400mg の効. 例のうち 7 例は、局所製剤の離脱が可能であった。. 果を時間依存型メサラジン 2250mg/ 日の有効性を 比較した国内の多施設無作為化二重盲検比較試験に おいて、MMX 型メサラジン 4800mg は、MMX 型. 5 考察 MMX 型メサラジンは親水性基剤および親油性基. メ サ ラ ジ ン 2400mg/ 日 や 時 間 依 存 型 メ サ ラ ジ ン. 剤からなるマルチマトリックス中に分散された. 2250mg/ 日と比較して、安全性の面で差がなかっ. 5-ASA に pH 応答性の高分子フィルムコーティン. た こ と を 報 告 し て い る。 ま た、Khan ら. グがなされた製剤で、胃や小腸付近での 5-ASA の. 5-ASA 製剤の寛解維持効果に与えるアドヒアラン. 放出が抑制されるだけでなく、大腸に到達した後も. スの影響の調査研究において、高用量寛解維持群. 親水性基剤および親油性基剤が腸液の素錠部内部へ. (4.4 ~ 4.8g/ 日)と低用量寛解維持群(2.4 ~ 2.8g/. の浸透を抑制することで 5-ASA が徐々に消化管中. 日)との比較では、アドヒアランスが向上すれば投. に放出されるという、時間依存型製剤と pH 依存型. 与量ごとの影響は少ないが、アドヒアランスが低下. 製剤の両性質を兼ね備えた設計がなされた製剤とさ. するにつれて投与量の影響が大きくなると報告して. れている 。UC 活動期における MMX 型メサラジ. おり、寛解維持効果のためには、投与量よりもアド. ン 4800mg/ 日と pH 依存型メサラジン 3600mg/ 日. ヒアランスが重要であると報告している。UC など. の 寛 解 導 入 効 果 に 関 す る 国 内 第 Ⅲ 相 試 験 で は、. の炎症性腸疾患は慢性疾患であるために長期の服薬. MMX 型メサラジンの非劣性および優越性が確認さ. を余儀なくされるにも関わらず、比較的若年の罹患. れており 、寛解期における MMX 型メサラジン. 者が多いために、服薬アドヒアランスの問題が指摘. 5). 6). 49. 9). は、.

(5) 仙台医療センター医学雑誌 Vol. 10, 2020. 潰瘍性大腸炎に対する MMX 型メサラジン. 重症度、前治療メサラジンの種類による差を認めな. されており、良好な服薬アドヒアランスを期待でき る治療が望まれる. 10). かった。局所製剤を離脱できる症例も多く、MMX. 。服薬を守れない理由として、. 錠数が多いことは、飲み忘れに次いで 2 番目に多 い理由とされており. 11). 、Dignass らは. 12). 型メサラジンの利点であると思われた。. 多施設単. 盲検試験においてメサラジン 1 日 2 g を分 1、分 2. 7 文献. で内服継続している UC 患者とでは、1 日 1 回投与. 1 ) 潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針. 「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴. の方がアドヒアランスと患者満足度がいずれも高. 木班)令和元年度分担研究報告書.2020. かったと報告している。さらに寛解維持率が、1 日 1 回投与で 70.9%、1 日 2 回投与で 58.9%と、有. 2 ) Sandoval M, Liu X, Mannick EE, et al.. 意差があったとも報告しており、1 日 1 回投与であ. Peroxynitrite-induced apoptosis in human. ることの意義は大きいと言えるであろう。また、. intestinal epithelial cells is attenuated by. Kane ら. mesalamine. Gastroenterology. 13). は 6 カ月以上寛解を維持している UC. 1997;113:1480-1488. 患者を対象とした研究で、実際に服薬した日数 / 全 投 薬 日 数 で 算 出 さ れ る Medication Possession. 3 ) Naganuma M, Iwao Y, Ogata H, et al.. Ratio(MPR)が 80%以上のアドヒアランスが良. Measurement of Colonic Mucosal. 好な群の 1 年後の寛解維持率が 89%であったのに. Concentrations of 5-Aminosalicylic Asid Is. 対し、80% 未満のアドヒアランスの群では 39%と. Useful for Estimating Its Therapeutic. 有意差を持ってアドヒアランス群の寛解維持率が高. Efficacy in Distal Ulcerative. いことを報告している。実際に、MMX メサラジン. Colitis:Comparison of Orally Administered. が他のメサラジンと比較して、MPR が有意に高い. Mesalamine and Sulfasalazine. Inflammatory. 結果であったことが報告されているが. bowel diseases. 2001;7:221-225. 14). 、同時に、. 4 ) S c h r o e d e r K W, Tr e m a i n e W J , I l s t r u p. 同研究での MPR ≧ 80% の割合は約 40% にとどまっ ており. DM:Coated oral 5-aminosalicylic acid therapy. 14). 、良好なアドヒアランスを目指すことは、. 5-ASA 製剤の種類によらず、治療効果と安全性の. for mildly to moderately active ulcerative. 双方の観点から、非常に重要である。また、注腸や. colitis. A randomized study. N Engl J Med.. 坐剤などの局所製剤の併用は有効な治療法である. 1987;317:1625-1629 5 ) リアルダ錠 1200mg, 持田製薬株式会社 , 医薬. が、経口剤と比較し投与がやや煩雑であるため、ア. 品インタビューフォーム. 2018;8-10. ドヒアランスの低下が問題となる場合が見受けられ. 6 ) リアルダ錠 1200mg, 持田製薬株式会社 , 医薬. る。MMX 型メサラジンにより、局所製剤の併用を 離脱できる症例が増える可能性があると考える。. 品インタビューフォーム. 持田製薬社内資料(国. MMX 型メサラジンは、上述のように MMX 構造で. 内第Ⅲ相試験(MD090111U33 試験)-軽症. あること、より高用量であること、1 日 1 回の内服. ~中等症の活動期の潰瘍性大腸炎における有効. でよいことという 3 つの点で従来のメサラジン製. 性及び安全性の検討-). 2018;12. 剤と異なっており、本検討ではどの特徴が有効性に. 7 ) リアルダ錠 1200mg, 持田製薬株式会社 , 医薬. 寄与したかの推測は困難である。今後は、アドヒア. 品インタビューフォーム. 持田製薬社内資料(国. ランスのよい患者群間での有効性の比較検討などが. 内第Ⅲ相試験(MD090111U32 試験)-寛解. 必要と考える。. 期の潰瘍性大腸炎における有効性及び安全性の 検討-). 2018;12 8 ) Ogata H, Yokoyama T, Mizushima S, et al.. 6 結論 当院における MMX 型メサラジンの有効性は、. Comparison of efficacy of once daily. 著効・有効を合わせて 72% と良好であり、病型、. multimatrix mesalazine 2.4 g/day and 4.8 g/ 50.

(6) 仙台医療センター医学雑誌 Vol. 10, 2020. 潰瘍性大腸炎に対する MMX 型メサラジン. 究の成果」第 3 版 2018;5. day with other 5-aminosalicylic acid preparation in active ulcerative colitis: a. 12)Dignass AU, Bokemeyer B, Adamek H, et al.. randomized, double-blind study. Intestinal. Mesalamine once daily is more effective than. Research. 2018;16:255-266. twice daily in patients with quiescent ulcerative colitis. Clin Gastroenterol Hepatol. 9 ) Khan N, Abbas AM, Koleva YN, et al. Long-. 2009;7:762-769. term mesalamine maintenance in ulcerative colitis : which is more important? Adherence. 13)Kane S, Huo D, Aikens J, et al. Medication. or daily dose. Inflamm Bowel Dis. nonadherence and the outcomes of patients. 2013;19:1123-1129. with quiescent ulcerative colitis. Am J Med 2003;114:39-43. 10)Kane,SV. Systematic review: adherence. 14)Lachaine J, Yen L, Beauchemin C, et al.. issues in the treatment of ulcerative colitis.. Medication adherence and persistence in the. Aliment Pharmacol Ther 2006;23:577 11)難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班(鈴. treatment of Canadian ulcerative colitis. 木班) :「平成 29 年度において、厚生労働科学. patients: analyses with the RAMQ database.. 研究費補助(難治性疾患等政策 研究事業(難. BMC Gastroenterol 2013;13:23. 治性疾患政策研究事業))を受け、実施した研. 51.

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