Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
大学院歯学研究科「口腔がん専門医養成コース」の概要
Author(s)
栁澤, 孝彰; 片倉, 朗
Journal
歯科学報, 109(2): 148-149
URL
http://hdl.handle.net/10130/1857
すでに本学の3病院ならびに口腔がんセンターで の取り組みの中で述べてきたように,近年の高度化 したがん医療の推進は,医師や歯科医師のみにより 可能なものではなく,がん医療に習熟した看護師・ 薬剤師・放射線技師・臨床検査技師等のコメディカ ルとともに,チームとして機能することが重要であ る。さらに最近ではがん医療現場における口腔ケア への歯科衛生士の参加や顎義歯の作製のみならず頭 頸部領域のエピテーゼの作製に歯科補綴の技術も必 要とされるようになってきた。 平成18年に国会で「がん対策基本法」が成立し, その中で専門的知識と技能を有する医師をはじめと した医療従事者の育成が掲げられた。文部科学省は 平成17年度から「医学教育の改善・充実に関する調 査研究協力者会議」を開催していたが,平成18年の 11月に「大学院のコースワークの中に専門医取得の ための教育内容を盛り込むと共に,大学病院におけ る実地修練を充実させ,がん専門医の養成における 大学と大学病院の連携の充実」を唱えた。これらを 基本に文部科学省は平成19年度から大学と大学病院 が連携した優秀ながん専門家を養成する横断的教育 プログラムを構築する「がんプロフェショナル養成 プラン」が全国規模で初年度14億円の予算規模で実 施された。本プランはがん医療に携わる専門医の養 成,コメディカルの養成,さらにそれらの人材に対 する研修のコースを併せて行い,地域拠点でのがん 医療の担い手を育成することが目的である。した がって,教育的な連携がとれる範囲内で意を同じく する大学が共同体としてプログラムの運営をしてい くことが基本のプロジェクトである。本学は当初か らその採択に向けて申請を行い,平成20年度から南 関東エリアにおける先端的がん治療の均てん化を目 指す「南関東圏における先端的がん専門家の育成― 患者中心のチーム医療を牽引する人材育成の拠点づ くり―」の教育研究共同体の共同申請校として採択 された。本プランは北里大学を中心とし,慶應義塾 大学・東海大学・聖マリアンナ医科大学・山梨大 学・聖路加看護大学・首都大学東京・信州大学・東 京歯科大学の計9大学院,13研究科によって構成さ れている(図1)。全国で18プラン89大学が採択され たが,歯科大学として採択されたのは本学が唯一で ある。この採択を受けて本学は平成20年度から大学 院歯学研究科に「口腔がん専門医養成コース」を設 け,従来の大学院生とは異なった教育プログラムを 編成して,将来口腔がんの医療現場でリーダーシッ プを発揮できる人材の育成を開始した(図2)。本 コースを専攻する大学院生はその性格上,口腔外科
3.教育の観点から
文部科学省「がんプロフェッショナル養成プラン」による人材育成
1)大学院歯学研究科「口腔がん専門医養成コース」の概要
栁澤 孝彰
1)片倉
朗
2) 1) 大学院歯学研究科長 2) がんプロフェッショナル養成プラン コーディネーター 図1 148 ― 46 ―学講座,オーラルメディシン・口腔外科学講座,口 腔臨床健康科学講座口腔外科学分野に籍を置く大学 院生である。大学院修了時には学位の取得と共に㈳ 日本口腔外科学会専門医制度による口腔外科専修医 の取得を目指す。初年度は43名の大学院入学者のう ち3名が専攻し,1名が編入して計4名が在籍して いる。また平成21年度からはインテンシブコースと して,歯科衛生士に対してはがん医療現場で必要と される歯科の専門的知識と技術を駆使して行う口腔 ケアと摂食嚥下リハビリテーションの習熟コース, 歯科補綴学を専門とする歯科医師ならびに歯科技工 士に対して顎顔面補綴の習熟コースを開設する予定 である。 本プランに東京歯科大学が採択され,歯学部大学 院歯学研究科において口腔がんの治療に精通する専 門医を養成することは大変意義深いことであり,今 後の歯科分野における人材育成ならびにがん医療の 現場においても有用なものとなると考える。 図2 歯科学報 Vol.109,No.2(2009) 149 ― 47 ―