Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
№20:東京歯科大学水道橋病院における過去7年間の
口腔外科手術症例の臨床検討
Author(s)
川畑, 朋子; 和田, 朗; 石田, 結実香; 勝見, 吉晴; 村
山, 雅人; 吉田, 秀児; 菅原, 圭亮; 村松, 恭太郎; 別
所, 央城; 渡邊, 章; 笠原, 清弘; 髙野, 正行; 齊藤,
力; 柴原, 孝彦; 片倉, 朗
Journal
歯科学報, 115(5): 480-480
URL
http://hdl.handle.net/10130/3868
Right
目的:今回,我々は今後の当科における医療提供の 内容と質のさらなる向上をはかる目的で,外来初診 患者の臨床的検討を行った。 方法:平成26年4月1日から平成27年3月31日まで の1年間における東京歯科大学水道橋病院口腔外科 の初診患者を対象として,日本口腔外科学会調査企 画委員会が作成した実績調査票に基づき,性別,年 齢分布,月別患者数,来院地域,受診経路,疾患 別,基礎疾患について調査し,臨床統計を行った。 結果:当 該 期 間 中 の 初 診 患 者 数 は7,917例(男 性 3,238例;40.9%,女 性4,679例;59.1%)で あ っ た。年齢は最少1歳から最高97歳までで,年齢別で は20歳代が26.0%を占め最も多く,次いで30歳代で 21.5%であった。月別患者数は7月が最も多く,次 いで8月,最も少ないのは11月であった。来科地域 は東京都が最も多く,東京23区では杉並区,世田谷 区,江戸川区からの来院が多かった。23区外では西 東京市が最も多かった。都道府県別では東京都に次 いで,埼玉県,千葉県の順で,遠方では北海道や鹿 児島県からの来院もみられた。受診経路は医院また は歯科医院からの紹介受診がおよそ77.0%を占めて いた。 疾患別では歯の疾患が最も多く,中でも智歯や埋 伏歯,歯の位置異常に関する疾患が全体の67.8%を 占めていた。次いで,口腔粘膜疾患が多く7.7%で あった。また,顎関節疾患が4.9%,顎変形症は3.2 %,炎症は2.9%,神経疾患は1.3%,悪性 腫 瘍 は 0.4%,唇顎口蓋裂は0.2%であった。基礎疾患で は,高血圧症が最も多かった。 考察:初診患者数は,昨年より100名程度減少して いるが,それ以前と比較すると1,000名以上増加し ていた。これは大学本部の移転に伴い,口腔外科の 本部も水道橋病院となったことが考えられる。さら に特殊外来として,『神経修復外来』を開設して, 抜歯後の神経知覚障害などの治療を行っている。そ の結果,神経疾患の患者数は,昨年よりも20名以上 の増加が見られた。今後は,ここ水道橋病院はあら ゆる症例に対する窓口となるような専門性の充実を 図り,診療技術と医療連携のさらなる向上が必要と 考える。 目的:東京歯科大学水道橋病院口腔外科は,専門性 の高いスタッフの増量により,手術を行うように なった。また,年齢は幼年層から高齢層まで幅広く 分布され,疾患によっては様々な要求が求められる ようになってきている。近年多くの疾患を扱うよう になり安全性はもとより,手術や周術期管理に専門 性のある知識が必要となる。今回我々は,過去7年 間の入院手術症例の臨床検討を行ったので報告す る。 方法:平成20年4月1日から平成27年3月31日まで の7年間に,東京歯科大学水道橋病院口腔外科の入 院手術例を対象とした。調査項目は性別・年齢・月 別件数・症例別手術件数・手術時間・出血量とし た。複数疾患のある場合には主傷病を手術症例と し,1人1疾患とした。 顎矯正症例に対しては,顎矯正手術の上顎骨切り 術,下顎骨切り術,オトガイ形成術と顎矯正術後の プレート除去術に分類した。 結果:7年間の総手術件数は3,061件で年間平均437 件であった。年度毎に増減はあるがほぼ横ばいであ る。月別件数では8月が366件と最多で次いで9月 が299件であった。 性別内訳は男性1,361名,女性1,700名と若干女性の ほうが多くみられた。 年齢別内訳は20代が951名と多く,30代40代と続 いた。手術術式は顎矯正症関連の手術が1,536件と 最も多く,次いで嚢胞摘出術1,023件良性腫瘍切除 術324件が続いた。過去6年では行われていなかっ た頸部郭清術が昨年度より施行されるようになっ た。また口唇裂・口蓋裂関連の手術も昨年度増加し ている。手術時間は1時間以上2時間未満のものが 1,673件と最も多く,出血量は100ml 未満が2,272件 と最も多かった。 考察:昨年度は過去6年に比べ口唇裂・口蓋裂や悪 性腫瘍の増加傾向が認められた。今後は顎変形症, 悪性腫瘍,口唇裂・口蓋裂の3大疾患を軸に手術数 の増加を見込んでいる。症例の拡大に伴い患者の年 齢層の変化,有病者の症例の増加も予想される。多 種多様な要求に応えていくためにも,院内の他科だ けでなく千葉病院・市川病院さらには医科との連携 も密に行う必要がある。また,診療技術の向上だけ でなくより専門的な知識の取得に努めていきたいと 考える。