炭酸リチウムー炭酸バリウムー酸化チクン系
の反應について
滝貞男
福田安利
チタソ酸イくリウム軍結晶を作るにはBaCO3, Tio2 混合物にBaCl2, Na,・ CO3或tik KL, CO3を融剤として 加え、熔融後徐冷してFa Ti 03を析出させる方法が とられており、それら原料混合物の加熱時の反応機構 については既に本誌に発表し(D(2)(3)、上述の融剤の 場合には何れも反応形弐を異にすることを明らかに した。 リチウム化合物はしばしば他のアルカリ金属化合物 に対し特異な性質を呈することがあるが、宏酸アルカ リー一一BaCO3−−Tio2系混合物の固体反応に於いて既報 のNa2 CO3或はK, CO3に比してLi,・ CO3が如何 なる行動をなすかは興昧ある問題である。本報には Li2 CQ3−−Ba CO3−Ti O,・ VE合物の加熱時の反応に関 し二、≡の実験を行つた結果を報告する。1.実騎及び実験結果
実験方法及び試料は既報(2)の如くである。Li・・ CO3 はMerck製を用いた。 1.Li2 CO3−−Ba CO3−Ti 02 .¥加熱減量曲線 Li2CO3−BaCO3−Tio2系混合物の加熱減量曲線 を第1図に示す。図中矢印の数字はそれまでの減量に 相当する発生淡酸ガスのモル数を表わす。 Li2 CO3及びLl2 CO3−Ba CO3ではLi,・ Ce3の融 点(732°C)までは重量変化を示さないが、融点以上に 於いては顯著な重量減を示す。これは何れもLi2 co3 の分解に基くものである。(他の混合物については以 下の各項に於いて説明する。) 2.Li2 CO3とTi 02の反応 330°Cよむ反応が始まり730°Cに於いて反応完結 し、重量減はLi2 CO3に含まれるCO2.の重量と一致 しており、反応生成物はチタソ酸リチウムLi2 Ti 03 である。Na2 CO3或はK2 CO3とTi 02よりNa2 Ti o3或はK2TiO3を生ずる反応は可逆反応で、反応の 進行が発生するCO2によつて著しく阻害され、融点 以下では反応の完結が困難であつたが、Li2 CO3の場 合は逆反応の影響が認められない。生成Li2Tio3は 1000°C以下では熔融しなかつた。 Li・i CO3とTi e2との反応速度を第2図に示す。こ 25 の6
↑Q
δ 嘱 ↑ 第 1 図 0 ’oθ 2仰 36り 4〃∂ 50θ ‘卯 ヵク →温度 (OC) /∂0 第 2 図800feo耀
./−Pt−・””ZiS2r・’cpt’一’ 2 3 タ →時…問 (hr) れにJanderの固体反応速度式を適用して求めた反応 速度恒数Kを第1表に示す。更に活性化エネルギー を計算すると18kca1となつたが、この値はNa2 CO3 とTio2の反応のそれに比して著しく小さい。 3.Li2 CO3−一・・Ba CO3−Ti 02の反応 加熱減量曲線はLi2 CO3とTi o2の反応と略同じ昭和29年7月
山梨大学工学部研究報告
第 5 号 第 1 表 \温度(・C)[4 5’・i5・・「55・16・・1
K×tO3(時)1 ロ シ1.7 1 3.4 ; 7.7 ’ 1 ’ 1一1
20 であるが、680°Cで1モルのCO2発生が完rし、以 後僅かつつの減量を示し、880°C附近より叉減量が大 となる。こる曲線よりす;?te±’ Na2 CO3−Ba CO3−一一Ti O2(2)の反応と類似の反応形式となり、中間にLi ・・ Ti O3を生成しこれが更にBa CO3と反応してBa Ti O3 とLi2 CO3となるとも考えられるカζ、第三図に示すQ
O
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迫 ↑ 第 3 図 0 /0 20 30 〆〃 50 50 7ク 〃 →発生CO2(%) CO2発生量と反応Ba CO3の関係をみ:ればこの推察は 妥当でない。(発生CO2%はBa CO3の含有するCOz を100として重量減より計算した。)即ちBa CO3と Tio2が接触している点に於いて僅かのBaTio3が 副吹的に生じたものであつてs主反応はLi2 CO3と Ti c2よりLj2 Ti 03を生成する反応であり、寧ろ Ba CO3は反応に輿らないとみるべきである△ 4.Li2 CO3とBa Ti o3の反応 (3)に述べた混合物に於いてLi2Tio3が生成する のみでBa Ti o3が生じないことはBaTi o3がLi2 CO3によりBa CO3とLi2 TiO3に分解されることに より一層明らかとなる。固体反応により合成したBa Ti 03とLi2 CO3の等モル混合物を加熱した場合の Ba Ti 03の分解率を第4図に示す。分解i率は生成Ba 脚 8θc
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第 4 図 6e∂’c ._一一一f−一゜ .ノー一一一一一一 /°一”“rtir’::’se e’ ● / t ■・イ゜
CO3を分析により求めて計算した。何れに於いても 重量変化は認められなかつた6図より明らかな如く Ba Ti 03 t*高温に於いては速やかにBa CO3とLi2 Ti 03に分解される。更に多量のLi2 CO3を用うれば BaTio3の分解.は一層速やかに、且つ完全に進行す るであろう。この反応を用うればBaとTiを容易に 分離することができ、チタソ酸バリウムの新分析方法 として用い得る。 5.Li2 CO3−一一Ba CO3 一一2 Ti 02の反応 Li2 CO3, Ba CO3, Ti 02の3成分混合物よりBa Ti O3を生成せしめるには、 Ba CO3と等モルのTi、02の 他に、使用するLi2 CO3と等モルのTi o2を予め過剰 に加えた混合物を加熱反応せしめてLi2 Ti e3 一一 Ba Ti o3系となし、 Li2 Ti o3を勲剤とする方法が考え られる。その結果を以下に述べる。 標記混合物の加熱減量曲線は2段になつているが・ 700。Cまでt* Li2 Ti 03,それ以降はBa Ti O3の生成 による重量減とみなされる。第5図の反応速度及び第 6図のLi2 CO3, Ba CO3反応率(発生CO2はLi2 CO3, Ba CO3の含有するCO2の合量を100とする。 未反応Fa cO3の定量及び重量減より各の反応率を求 第 5 図 D ノ 2 3 タ 8 →時間(hr)Q
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‘ 1 2 →時間(hr) 第 6 図ノ
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↑ 2e o 2〃 ヂP 6P 8ρ !ρク →発生CO2(%) ■ 26 噴宏酸リチウムー淡酸パリウムー酸化チタソ等の反応について めた。)の結果より、600°C以下ではLi2 Tio3生成反 応が進行し、700°C以上に於いてはLi, Ti 03生成反 応は極めて短時間に終り、BaTio3の生成が固体反 応として進んでLi2 Ti o3−Ba Ti o3系混合物となる ことが明らかである。EPちBa Tio3生成反応はLi2 Tio3が融剤となる様な混合割合の3成分混合物に於 いてのみ進行することになるが、軍結晶製造の見地か らはLi2 Ti 03の融点が1000°C以上であるから、他 の宏酸アルカリを使用する場合に比し高温で熔融する 必要があり不利である。