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アルミニウムの研削加工における研削砥石の目づまりについて 利用統計を見る

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(1)

研削砥石の目づまりについて

西

(昭和40年8月31日受理)

The Loading on Wheel Face in Grinding Alminium

ToshioKASAI

Synopsis

  Alminium(ISF)was machined by Okamoto Precise Surface Grinder.   Varying working conditions, the loading on wheel faces, the grinding force, and surface roughness of works were measured, and wheel and work faces were observed.   Especially, chemical quantitative analysis was adopted to examine the loading, and it was found that the increase of loading was classified into three types.

1.まえがき

 アルミニウムのような軟金属の砥石による研削加工 は,鋼や鋳鉄のような金属と異なり加工性が非常に悪 い。軟金属の切削加工では,工具のすくい角を大きく とることにより満足に機械工作することができるが, 砥石の性質上,切れ刃のすくい角を左右することは不 可能であり,特に構成刃先の発生や,砥石の気孔に切 り層が入り込み,その排除が困難であるため目づまり を生ずるのが普通である。  本実験では比較的純度の高いアルミニウム(ISF) を被加工物に選び,種々の研削条件により研削加工を 行ない,砥石面,仕上面等を観察し,同時に砥石の目 づまり,およびそれに対応する仕上面あらさ,研削抵 抗等の測定を行なった。  目づまりの測定には,砥石面の近接撮影1),砥石面 の光反射2)によるもの,また砥石の加圧空気による通 気度3)等によるものがあるが,ここでは最も定量的な 測定法と思われる次の方法を使用した。目づまりした 砥石をダイヤモンド・ドレッサe−・’でドレッシングし, その際に生ずる粉末を集め,化学的に目づまりしたア ノレミニウムを定量した。  以上のように,研削砥石の目づまりを数値的に表わ し,各研削条件に対し検討した結果を御報告します。

89

2.実験方法

   2.1実 験 装 置  研削盤は,岡本精密平面研削盤を使用した。被加工 物のアルミニウムは,あらかじめ規定の寸法にフライ ス加工し,アラノレダイb接着剤によりさき2)に使用し た研削抵抗測定装置上に固定され,研削盤のマグネチ ックチヤックにセットした。なおストレ・−e一ンゲt・…ジ貼 り付け部分は,ビニーノレ,および乾燥剤により防湿し てある。  研削抵抗は,新興通信器製DS6−RX型動歪測定器, およびペン書きオッシロにより測定した。  研削体積増加に対する仕上面あらさは,大越式表面 あらさ検査機(縦1000倍,横50倍)を使用し,砥石面, および被加工物面の観察は,アサヒペンタックスにミ クロタクマreレンズを取り付けて接写撮影を行なっ た。なお,局部的には,岡本精密平面研削盤用顕微鏡 (10倍)により接写撮影を行ない,切り層等の観察に は,オリンパス顕微鏡を使用した。   2.2 実 験 条 件 下記条件によりアルミニウムを平面研削した。

1).湿式平面研削

 研削液:ユシロケンSE 504(鉄鋼,および非鉄二      金属用,ソノレブルタイプ)

(2)

  使用濃度:50%,25%,12.5%,6.25%,  研削液は研削毎に被加工物面上に塗布。 2).砥石:ビトリファイド結合剤

  WA:601,t,OK,46K,

   A :60K,

   GC:601,60K,60L,46K,24K,

   C :60J,   砥石周速:1300m/min

3).被加工物

  アノレミニウムISF(巾5mm×長さ100mm)

 化学応分は表1による

     表1 被加工物の化学応分

目ブまりしたアノレミニウム

   砥己粉末

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  被加工物速度:12.O m/mim,19・3 m/min,         27.3m/min 4). ドレツシング条件

  切り込み:10μ

 横 送 り:0.12mm/rev

  横送り回数:1往復

   2.3 目づまりの測定方法  研削を行なった砥石面には,相当な量の切り屑の単 なる付着が見られる。そのために研削ののちに水を砥 石に含ませ,砥石の回転により水を振り切り,十分に 洗篠した状態で日づまりの観察,および測定を行なっ た。  アノノミニウムの化学的定量法は,アルミニウム・オ キシン酷塩による方法4)5)を採用し,Fig.1の順によ る。ドレヅシングにより採集した粉末は,苛性ソーダ により金属のみ溶解し,硫酸酸性にして砥粒や,結合 剤を濾別する。この溶液には,鉄等の金属イオンを含 むために,水銀陰極電解法によりそれらを分離し,ア ルミニウム・オキシン化合物を得た。目づまりしたア ノレミニウムISFの量は次の式で得られる。

     100

   W==         ×0.0587×nユ      99.7 ここに,Wは目づまりしたアルミニウムISFの総重 量(gr), mは日づまりより得られたアノレミニウム・ オキシン酷塩の総重量(gr)。  なお,予備的に,研削を行なっていない砥石の粉末 についても,同様なアノレミニウム定量分析を行ない, 砥石に含まれている遊離アノレミニウムや,電解により 分離できないチタンのような金属イオンが非常にわず かで,この実験では無規し得ることが確認された。

90

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3.実験結果

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Fig.2    3.1 砥石の粒度と目づまりの関係  加工条件のうち,砥粒の種類,砥石の結合度,研削 液の濃度(25%)等を一定とし,砥粒の粒度の異なる 砥石を使用して研削を行ない,目づまりを測定した結 果の一例をFig.2に示す。 A系砥石, C系砥石の双方 とも被加工物の研削体積に伴ない日づまりは増加する が,一般に,粒度の細かい砥石は目づまりの成長がい ちじるしく,粒度の粗い砥石は目づまりの成長が緩慢 であることが認められる。  Fig.2に対応する砥削抵抗,および仕上面あらさは Fig.3, Fig.4に示す。研削抵抗は目づまりの増加に 類似した傾向を示し,目づまりの少ない粒度の粗い砥 石は,研削抵抗が小さく現われているが,目づまりの 多い研削抵抗の大きい砥石では,良好な仕上面あらさ が得られている。

(3)

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        Fig.4 Profils of work surface corresponding to Fig.2, and Fig.3    3.2砥石の結合度と目づまりの関係       研削抵抗を示している。砥石の結合度は,軟らかい方  Fig.5はGC 60の結合度の異なる砥石を使用して  が目づまりが少なく,研削抵抗も小である。これは砥 研削を行なった結果を示しiFig.6はそれに対応する  粒と目づまりしたアノレミニウムの脱落が大きな原因と

(4)

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Fig.6 Relation among grinding       force, grade of wheel, and       stock removal (b) 渠、鮪微 難       護

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92

(5)

みられ∨結合度の硬いGC 60 LmVにより研削を行 なうと,100mm 3程度の研削体積で研削音が非常に高 くなり,砥石の回転数の変動が肉眼的にも観察され, 仕上面が悪化し,正常研削でない状態を呈した。これ は砥石の結合度が硬いために,目つぶれと,目づまり の双方が原因したものと思われる。Fig.7はこの場合 の研削仕上面の接写写真であり,研削が進行すると, 砥粒切れ刃による引かき以外に,砥石の目づまりによ る切削作用でないと思われる状態が観察される。    3.3砥粒の切リ込み深さと目づまりの関係  研削において,砥粒の切り込み深さは次式6)で与え られる。     9==・・85(t+毒)1(竜)t・dl ここに,gは平均砥粒切り込み深さ, Dは砥石直径, Dwは工作物直径, Vは砥石速度, vは工作物速度, Cは砥石表面の単位面積内の切れ刃数,rは研削条痕 の巾と深さの比の平均値,dは砥石の切り込み。砥石 が軟らかく働いた場合(gが大),と硬く働いた場合 (9が小),と目づまりの増加の一例がFig.8に示さ れる。GC 60 KwVと, GC 46KmVとの間に,目づ まりの増加に異なった傾向がみられる。GC 60 KmV

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93

は,切り込み10μ,20μの双方とも研削が進行すると 目づまりは凹型に増加し,しかも,切り込み20μの方 が目づまり増加が顕著である。GC 46 KmVは,切り ) 20 曽 ヰ」° .iP

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Fig.9 Relation、among grinding     force, depth of cut,     and stock removal. ωXeel2 :qcψ6 k pmV 0      200      400    st二〇ck  reンwo妙〔  (Pt gtL3) Fin.10 Relation among grinding     force, depth of cut,     and stock remova1.

(6)

込み10μの場合が目づまりは凹型に増加し,切り込 み20μの場合は凸型を示し互いに交鎖する結果にな った,Fig.9, Fig.10の研削体積の増加に対する研削 抵抗をみると,研削抵抗の水平分力は,GC 60 KmV, GC 46KmVの双方とも切り込み10μの場合が20μの 場合のt/2よりやX大きい値を示し,一応寸法効果に よると思われる。しかし,垂直分力はGC 46KmVに おいて,研削が進行するにつれ,切り込み10μの方 が切り込み20μより大になる現象がみられる。これ は目づまりによるものと思われる。  また,被加工物速度と目づまりの関係の一’一‘’例をFig. 11に示す。この実験範囲内では,被加工物速度が上昇 すると目づまりは増加している。 3.4 研削液の濃度と目づまりの関係  アルミニウム研削のように目づまりの多い研削に は,研削液が重要な要素を占めており,さきの報告1) に示されたように,通常,鉄鋼用に1∼2%で使用さ れる研削液も,目づまりによる悪影響を防ぐために25 %以上の高濃度で使用された。  本実験では,さきの実験で最も良い結果を示したユ シロケンSE 504研削液による,各濃度と目づまりの 関係を求め,Fig.12, Fig.13, Fig.14, Fig.15に示 した。また,研削液の濃度と研削抵抗の一例はFig.16 に示され,研削液の濃度が大の場合,目づまりは研削 体積の増加とともに凹型に増加し,研削抵抗も増す。

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94

研削液の濃度の小の場合,目づまりは凸型に増加し; 研削抵抗も増加が緩やかで,時には,下降する場合も みられる。そのような場合,研削抵抗の水平分力と垂

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(7)

直分力の接近がみられ,逆に研削液の濃度が大である と垂直分力の異常な増加がみられる。

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4.考察および検討

 研削砥石の目づまりは,被加工物の研削体積の増加 に伴ない増加することが,グラフ,および写真等で認 められたが,この目づまりの増加に次の3つの型がみ られる。 1).研削体積・目づまり曲線が凹型に増加するもの。 2).研削体積・目づまり曲線が凸型に増加するもの。 3).2).3).に比して目づまり,および研削抵抗が   大で,わずかの作業で研削の続行が不可能になる   もの。  砥粒の切れ刃に生ずる構成刃先や,砥石の気孔内に 入り込んだアルミニウムが成長して目づまりになるこ とが考えられるが,この実験で,種々の研削条件によ る目づまりの増加は次のような推察ができると思う。 砥粒の切れ刃の構成刃先や,砥石面の切り層の付着は, 研削液の濃淡の差はあるが,研削作業の開始と同時に 認められ,研削液の濃度の小の場合,それらと被加工 物,および切り屑の間の凝着等により目づまりは増加 するが,摩擦が大になり,砥粒および目づまりしたア ノレミニウムの脱落がいちじるしくなるので,目づまり の増加1ま凸型に現われ,研削抵抗も小さく現われるも のとみられる。研削液の濃度の大の場合,最初は目づ まりは少ないが,研削作業が進行するにっれて,研削

(8)

液の濃度等が影響して,砥石面の気孔内に切り屑が蓄 積され,被加工物面と砥石の間の圧力により・あたか も切り屑を押しかためたような結果になるものとみら れる。それ故,Fig.17にみられるように目づまりし たアルミニウムは結合剤の役割を果し,研削液による 潤滑性が良いため,砥石や,目づまりの脱落が少なく, 目づまりは凹型に増加し,研削抵抗はますます増大す るものとみられる。研削液の濃度が非常に小になった 場合や,砥石の結合度の硬い場合(Fig・6)では・目 づまりの成長に対し,砥粒や,目づまりしたアルミニ ウムの脱葉が緩慢であるため,わずかの研削体積で研 削作業の続行が不可能になるものと思われる。Fig・18 Fig.17 Photograph of loaded wheel face.        難

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麟灘難灘馨灘灘

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鰭、難繍難雛

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は,WA 601mVにより研削液の濃度を変えて研削作 業を行なった砥石面と,仕上面の一例である。また, Fig.19はガラス面のカPtボン層に砥石を押し付けて 得た痕跡であるが,目づまりの状態,および砥粒や目 づまりしたアルミニウムの脱落が観察できる。  研削仕上面は,目づまりが凹型に増加する場合が良. い結果を示している。それは,被加工物面と目づまり したアノレミニウムとの摩擦によるものとみられ,研削1 抵抗の垂直分力の大きいこと,Fig .20の目づまりし たアルミニウムが方向性をもっ摩擦痕を形成すること より推定される。研削液の濃度の小の場合等における 研削仕上面は,被加工物面のはぎとりのような,正常 研削でない研削面を示している。  一般に,研削における仕上面あらさは,砥石の切れ. 刃の不揃いにより悪化すると考えられているが,その・ ような観点から,目づまりした砥石を研削方向より接・ 写した一例をFig.20(a),(b)に示す。 Fig・20(a) のような切り屑のむしれ上がりは研削液の濃淡に関係 なく存在するが,Fig.20(b)のような砥石面上の盛、 り上がりは研削液の濃度の小の場合に多いことが観察 された。  砥粒の種類と目づまりの関係は,Fig.12, Fig.13・ Fig.14, Fig.15において, A系砥粒とC系砥粒の差: がわずかながら認められる。それ以外に,A60 KmV (c) 12.5%

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96

(9)

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(10)

(a) 一端繍繕灘迂、 (b) Fig.20 Photograph of loaded wheel face.(WA 601mV)

では,研削液の濃度が25%でさえ100mm3程度の研

剖体積で作業続行が不可能であった。しかし,この実 験は石硝腋の濃度が比較的大であるため,目づまりと 砥粒の壁開性,あるいは,際近話題になりはじめた被 加工物と砥粒との間のaffinityを検討するのは今後 の問題であると思う。  また,Fig.3にみられる砥粒の粒度と目づまりの関 係はすべて目づまりは凹型に増加しており,砥粒の脱 落も考えられるが,砥石を構成する気孔の大きさも砥 石の目づまりに関し重要な役割を演じているものと思 われる。

5.あとがき

 アノレミニウム研削の目づまりの測定法として化学的 定量法を採用したが,この場合,ドレッシングによる 砥石の損耗が多く,砥石の径の減小を2割以内におさ えるように実験した。  また,目づまりが非常に多い条件であり,砥石内に 含まれる遊離アルミニウム等の量はわずかで無規でき たが,砥石に意外に多くの鉄が含まれていることが, 定性的であるが認められた。 i本研究にあたり,終始,御指導を賜わりました山梨 大学工学部織岡貞次郎教授に心より感謝いたします。  また,目づまりしたアルミニウムの定量分析にっき まして御指導下さいました本学応用化学科向山朝之教 授に深く感謝いたします。 文 献 1.織岡,河西:アルミニウム及びその合金の砥粒に         よる精密加工について,         機械工作一11−74(1964.8) 2.河西   :研削砥石表面の観察について,         山梨大学工報 第15(1964.12) 3・田中,津和:矢野:超音振動砥石による精密仕上         の研究(砥石の目づまりについて)         精密機械 31−4(1965.4) 4.有機試薬による分離分析法 共立出版 5。平野 :工業分析化学実験,共立出版 6.T.ORIOKA :On the Grinding Geometry for the Random Spacing of Abrasive Grain on Wheel Surface. 山梨大工報 第8(1957.7) 9

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