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幼稚園教育教職課程コアカリキュラムの内容構成の考察-保育内容 領域「人間関係」及び「環境」に求められる専門性と横断的カリキュラムの検討

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幼稚園教育教職課程コアカリキュラムの内容構成の考察

―保育内容 領域「人間関係」及び「環境」に求められる専門性と横断的カリキュラムの検討―

碓井 幸子

Consideration of the content structure of the core curriculum of kindergarten

education and teaching profession

- Childcare content Examination of specialized knowledge and

cross-cutting curriculum necessary for "Human Relationships" and "Environment"

Sachiko USUI

要旨 平成 29 年告示の幼稚園教育要領改訂に伴い、幼稚園教育教職課程のコアカリキュラムの科目の目 標等が示された。中でも、「領域及び保育内容の指導法に関する科目」の領域に関する専門事項が新設 され、より質の高い幼児教育の推進を目指すこととなった。一方で、各養成校の独自性も問われてい る。そこで、筆者が担当している幼稚園教育教職課程のコアカリキュラム保育内容領域「人間関係」 と領域「環境」に求められる専門性を明らかにし、「何を」「どのように」学ぶのかを具体化させ今後 のシラバス作成に反映させていくことを目的とする。 キーワード:幼稚園教育要領 保育内容領域「人間関係」「環境」「保育内容指導法」 1. はじめに 中教審答申(平成 27 年 12 月 21 日中央教育審議会答申)では、幼稚園教諭に求められる力として、 ①幼稚園教諭の不易な資質能力 ②新たな課題に対応していく力 ③組織的・共同的に諸問題を解決 していく力が挙げられている1)。これに伴い、平成 28 年 11 月には、教育職免許法の一部改正し、平 成 29 年 11 月には教育職員免許法の施行規則が改正された2)。幼稚園教諭養成課程においては、「教科 及び教職に関する科目」が、従来の小学校の「教科に関する科目」に変わり新設され、幼児期の教育 の特徴を踏まえたものとなり、「領域及び保育内容の指導法に関する科目」とされた。更に、「領域及 び保育内容の指導法に関する科目」は、「イ 領域に関する専門事項」と「ロ 保育内容の指導法(情 報機器及び教材の活用を含む)」が位置付けられ、特に「イ 領域に関する専門事項」は、このことに より、より質の高い幼児教育の推進を目指すこととなった。そして、その教授方法については、各養 成校の独自性が問われている3)。また、平成 28 年度幼稚園教諭の養成課程のモデルカリキュラムの開 発に向けた調査研究-幼稚園教諭の資質能力の視点から養成課程の質保証を考える-の報告書では、 幼稚園教諭に求められる資質能力は、幼稚園教育要領に示す 5 領域の教育内容に関する専門知識と幼 児を理解する力や指導計画を構想し実践していく力、さまざまな教材を必要に応じて工夫する力とい

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った、実践していく力の必要性を述べている4) しかし、これらを 2 年間の短期での養成課程で修得していくことは非常に難しい。また、領域が示 されている「幼稚園教育要領」の解読が、幼稚園教育者も日々の保育に使用できる内容であることか ら、幼児教育現場での経験や、幼児との触れ合いがあまり多くない養成段階の学生には非常に難しい と思われる。 そこで、幼稚園教諭を目指す学生が教職としてキャリアを積み上げていかれるようにするためには、 幼稚園教育要領に示されている保育内容の「何を」「どのように」学ぶのかを明らかにした授業が求め られる。本来は 5 領域全ての横断的科目構成を図るべきであるが、今回は、筆者が担当している保育 内容「人間関係」及び「環境」の「領域に関する専門事項」を幼稚園教育要領 領域「環境」と領域 「人間関係」に示されている内容を明らかにし、「どのように」幼稚園教諭となるための基本的知識を 担保していくのか、授業カリキュラムを検討し今後の授業に反映することを目的とした。 そこで、まず初めに幼稚園教育要領における領域「人間関係」と「環境」に示されているねらい及 び内容を理解するためのリテラシーと科目に求められる「領域に関する専門事項」を整合し、「何を」 学ぶのかを明らかにする。そして、これらの事項を「どのように」授業を展開していくかを検討して いく。 2.領域「人間関係」及び「環境」のねらい及び内容に示される専門性 領域「人間関係」と領域「環境」は「何を」学ぶのか何が専門性なのかを考える。幼稚園教育の内 容は、唯一1冊の「幼稚園教育要領」である。しかし、その文言の一語一句に含まれている内容を理解 することは、幼稚園生活や子どもとの触れ合う機会が少ない学生、また、生活体験や自然体験等が少 ない学生にとってはイメージが湧かないなど、養成段階の学生には非常に難しいと思われる。さらに、 平成30年度から求められる「主体的・対話的な深い学び」として幼稚園教育要領にも加わった事項、 特に領域「人間関係」では、「工夫したり,協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい」「試行錯 誤しながら諦めずにやり遂げることの達成感や,前向きな見通しをもって自分の力で行うことの充実 感を味わう」「一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育てていくようにすること。 その際,集団の生活の中で,幼児が自己を発揮し,教師や他の幼児に認められる体験をし,自分のよ さや特徴に気付き,自信をもって行動できるようにすること。」といった、意欲・心情・態度等につ いての具体的な教育の方法の理解をするためには、学生が自ら感じたり単なる知識でない体験がベー スに無いと、どうしても画一的な保育や、ただ単にさせる教育になってしまうのではないかと考える。 「領域及び保育内容の指導法に関する科目」の領域「人間関係」、領域「環境」が、新たに「イ 領 域に関する専門事項」とされた理由について、文部科学省は、必ず「幼児」「幼児期の教育」の視点を 忘れないようにと述べている。また、例えば、幼稚園教育においては、各教科等の授業を通じた学習 ではなく遊びを通しての総合的な指導を中心とすること等、学校種や職種の特性を踏まえて創意工夫 を行うことが必要である、と大学関係者に向けて述べている。この事項を重くとらえると、単なる知 識の伝達では、本来の「遊びを通して」「環境を通して」といった幼児期の子どもの教育とは逸脱し てしまう。そこで、学生の実態と今回の改定の意図を考えると、養成期では専門性獲得の素地となる 学びが重要ではないだろうかと考えた。よって、領域「人間関係」、領域「環境」を理解し実践して いくための土台となるリテラシーが、「領域に関する専門事項」となると考え、幼稚園教育要領の各 領域のねらい及び内容を理解するために求められる事項を考察した。

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(1) 領域「人間関係」のねらい及び内容から求められる専門性の考察 <表1:領域「人間関係」のねらい及び内容理解に求められるリテラシー> 領域「人間関係」のリテラシー ●論理的リテラシー ・意欲・心情・態度リテラシー 平成 29 年告示幼稚園教育要領 領域「人間関係」 ※下線部分は平成 29 年告示より新たな事項 5) ●自立心を理解するための乳幼児の人間 関係に関わる発達の理解 ・幼稚園生活や子どもを知る体験 ・学生生活の中で学生自身が自ら人と関わ り工夫したり協力する楽しさを味わう体 験 ●幼稚園生活(入園当初から卒園まで)の 人との関わりの変化と必要な教師のかか わりの理解 ●幼児にとっての「楽しさ」「遊び」の理論 の理解 ●愛情や信頼関係の重要性の理論の理解 ●依存と自立の関係の理論の理解 ●幼児に望ましい習慣や態度と規範意識 に関する発達の理解(道徳性の芽生え) ●「人間関係」に関する言葉の発達との関 係の理解 ●幼児の興味・関心(やってみたい)をはじ めとする保育の考え方と方法の理解 ●幼児を取り巻く人間関係の今日的特徴 と課題の理解 ●「問題解決能力」の論理の理解 ●プロセスを重視とする保育の考え方と 方法の理解 ・幼稚園生活や子どもを知る体験 〔他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人と 関わる力を養う。〕 1、ねらい (1) 幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。 (2) 身近な人と親しみ,関わりを深め,工夫したり,協力したりして一 緒に活動する楽しさを味わい,愛情や信頼感をもつ。 (3) 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。 2、内容 (1) 先生や友達と共に過ごすことの喜びを味わう。 (2) 自分で考え,自分で行動する。 (3) 自分でできることは自分でする。 (4) いろいろな遊びを楽しみながら物事をやり遂げようとする気持ち をもつ。 (5) 友達と積極的に関わりながら喜びや悲しみを共感し合う。 (6) 自分の思ったことを相手に伝え,相手の思っていることに気付く。 (7) 友達のよさに気付き,一緒に活動する楽しさを味わう。 (8) 友達と楽しく活動する中で,共通の目的を見いだし,工夫したり, 協力したりなどする。 (9) よいことや悪いことがあることに気付き,考えながら行動する。 (10) 友達との関わりを深め,思いやりをもつ。 (11) 友達と楽しく生活する中できまりの大切さに気付き,守ろうとす る。 (12) 共同の遊具や用具を大切にし,皆で使う。 (13) 高齢者をはじめ地域の人々などの自分の生活に関係の深いいろい ろな人に親しみをもつ。 3 内容の取扱い 上記の取扱いに当たっては,次の事項に留意する必要がある。 (1) 教師との信頼関係に支えられて自分自身の生活を確立していくこ とが人と関わる基盤となることを考慮し,幼児が自ら周囲に働き掛ける ことにより多様な感情を体験し,試行錯誤しながら諦めずにやり遂げる

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・学生生活の中で学生自身が自らも体験 ●「個」と「集団」の関係の理解 ●幼児期における「協同」の理解 ●領域「人間関係」と領域「環境」のつな がりと保育方法の理解 ・子どもの遊びや生活の中で起こる葛藤や 喧嘩などの場面を通した子どもの気持ち を理解する体験 ●地域社会の現状や、幼児の生活の実態や 課題の理解 ことの達成感や,前向きな見通しをもって自分の力で行うことの充実感 を味わうことができるよう,幼児の行動を見守りながら適切な援助を行 うようにすること。 (2) 一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育ててい くようにすること。その際,集団の生活の中で,幼児が自己を発揮し, 教師や他の幼児に認められる体験をし,自分のよさや特徴に気付き,自 信をもって行動できるようにすること。 (3) 幼児が互いに関わりを深め,協同して遊ぶようになるため,自ら行 動する力を育てるようにするとともに,他の幼児と試行錯誤しながら活 動を展開する楽しさや共通の目的が実現する喜びを味わうことができ るようにすること。 (4) 道徳性の芽生えを培うに当たっては,基本的な生活習慣の形成を図 るとともに,幼児が他の幼児との関わりの中で他人の存在に気付き,相 手を尊重する気持ちをもって行動できるようにし,また,自然や身近な 動植物に親しむことなどを通して豊かな心情が育つようにすること。特 に,人に対する信頼感や思いやりの気持ちは,葛藤やつまずきをも体験 し,それらを乗り越えることにより次第に芽生えてくることに配慮する こと。 (5) 集団の生活を通して,幼児が人との関わりを深め,規範意識の芽生 えが培われることを考慮し,幼児が教師との信頼関係に支えられて自己 を発揮する中で,互いに思いを主張し,折り合いを付ける体験をし,き まりの必要性などに気付き,自分の気持ちを調整する力が育つようにす ること。 (6) 高齢者をはじめ地域の人々などの自分の生活に関係の深いいろい ろな人と触れ合い,自分の感情や意志を表現しながら共に楽しみ,共感 し合う体験を通して,これらの人々などに親しみをもち,人と関わるこ との楽しさや人の役に立つ喜びを味わうことができるようにすること。 また,生活を通して親や祖父母などの家族の愛情に気付き,家族を大切 にしようとする気持ちが育つようにすること。 以上から、この科目に求められるリテラシーは以下の項目と考えた。 ①幼児を取り巻く社会(地域)や環境及び生活と人間関係の今日的特徴と課題 ②領域「人間関係」に関する発達の理解 人とのかかわりの発達・・・愛情と信頼感と依存と自立の理解と「自立心を育てる」の理解の基礎 道徳性の発達・・・幼児に望ましい習慣や態度の理解の基礎 領域「人間関係」と言葉の発達 ③個と集団の理解 ④「協同」の意味の理解 ⑤問題解決能力の理解と領域「人間関係」の理解 ⑥他領域、特に「環境」とのつながりの理解

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⑦領域「人間関係」を理解するベースとなる体験 幼児の興味・関心(やってみたい)を基本とした保育と領域「人間関係」の理解 幼児にとっての「遊び」「楽しさ」をみる、知る、わかる視点と領域「人間関係」の理解 子どもの喧嘩や葛藤場面などをみる、知る、わかる体験と領域「人間関係」の理解 特に⑦領域「人間関係」を理解するベースとなる体験は、目に見えない子どもの内面の育ちを理解 する領域「人間関係」の内容や内容の取扱いなど、幼児集団の中で育つ関係による発達を理解するに あたり重要と考える。そこで、幼児を知る機会である教育実習での幼児との関わる体験がこの科目を 理解のするためのベースとなると考える。実際に授業での学生の感想からも、授業に内容と実習で体 験した場面が重なり、振り返ることを通しながら保育の意味を理解できたといったコメントが多い。 また、教育実習以外でも、科目担当者の実際の保育の事例や、現場との連携により生き生きとした幼 児の実際の姿を知らせることは、この科目の理解につながると考える。よって、実践的学びと保育経 験がある教員や保育現場との連携が不可欠と考える。 (2) 領域「環境」のねらい及び内容から求められる専門性の考察 <表2:領域「環境」のねらい及び内容理解に求められるリテラシー> 領域「人間関係」のリテラシー ●論理的リテラシー ・意欲・心情・態度リテラシー 平成 29 年告示幼稚園教育要領領域「環境」 ※下線部分は平成 29 年告示より新たな事項 6) ●幼児を取り巻く環境の実態の理解 ●知識基盤社会及び持続可能な開発のた めの教育と現代的課題の理解 ・身の回りの事象に対する(主に自然、 科学的視点)知識や体験 ・自然に親しむ実体験 ・自然体験を通した感動や気づきの体験 ・栽培・飼育等に関する知識と体験 ●もの・事・自然・人との関わり方や、興 味や関心、認知の発達の理解 ●幼児期の認知に関する発達の理解 ●数量、文字、図形等の認知に関する発達 の理解 〔周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり,それらを生活に 取り入れていこうとする力を養う。〕 1 ねらい (1) 身近な環境に親しみ,自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心 をもつ。 (2) 身近な環境に自分から関わり,発見を楽しんだり,考えたりし,そ れを生活に取り入れようとする。 (3) 身近な事象を見たり,考えたり,扱ったりする中で,物の性質や数 量,文字などに対する感覚を豊かにする。 2 内容 (1) 自然に触れて生活し,その大きさ,美しさ,不思議さなどに気付く。 (2) 生活の中で,様々な物に触れ,その性質や仕組みに興味や関心をも つ。 (3) 季節により自然や人間の生活に変化のあることに気付く。 (4) 自然などの身近な事象に関心をもち,取り入れて遊ぶ。 (5) 身近な動植物に親しみをもって接し,生命の尊さに気付き,いたわ ったり,大切にしたりする。 (6) 日常生活の中で,我が国や地域社会における様々な文化や伝統に親

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●身近な素材を用いた教材研究の意味や 方法の理解 ●身近な様々な物の操作の仕方や扱いの 知識 ・物事の法則に対する興味・関心と理解 と保育教材を考えることを通しながら、 身の回りの事象を教材化する体験 ・身近な事象や動植物に対する感動を伝え 合い、共感する力 ・自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに 直接触れる体験 ●日本の伝統や文化に関する興味や関心 (知識) ・我が国の伝統的遊びに親しんだり、異な る文化に触れる体験 しむ。 (7) 身近な物を大切にする。 (8) 身近な物や遊具に興味をもって関わり,自分なりに比べたり,関連 付けたりしながら考えたり,試したりして工夫して遊ぶ。 (9) 日常生活の中で数量や図形などに関心をもつ。 (10) 日常生活の中で簡単な標識や文字などに関心をもつ。 (11) 生活に関係の深い情報や施設などに興味や関心をもつ。 (12) 幼稚園内外の行事において国旗に親しむ。 3 内容の取扱い 上記の取扱いに当たっては,次の事項に留意する必要がある。 (1) 幼児が,遊びの中で周囲の環境と関わり,次第に周囲の世界に好 奇心を抱き,その意味や操作の仕方に関心をもち,物事の法則性に気付 き,自分なりに考えることができるようになる過程を大切にすること。 また,他の幼児の考えなどに触れて新しい考えを生み出す喜びや楽しさ を味わい,自分の考えをよりよいものにしようとする気持ちが育つよう にすること。 (2) 幼児期において自然のもつ意味は大きく,自然の大きさ,美しさ, 不思議さなどに直接触れる体験を通して,幼児の心が安らぎ,豊かな感 情,好奇心,思考力,表現力の基礎が培われることを踏まえ,幼児が自 然との関わりを深めることができるよう工夫すること。 (3) 身近な事象や動植物に対する感動を伝え合い,共感し合うことなど を通して自分から関わろうとする意欲を育てるとともに,様々な関わり 方を通してそれらに対する親しみや畏敬の念,生命を大切にする気持 ち,公共心,探究心などが養われるようにすること。 (4) 文化や伝統に親しむ際には,正月や節句など我が国の伝統的な行 事,国歌,唱歌,わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親しんだり,異 なる文化に触れる活動に親しんだりすることを通じて,社会とのつなが りの意識や国際理解の意識の芽生えなどが養われるようにすること。 (5) 数量や文字などに関しては,日常生活の中で幼児自身の必要感に基 づく体験を大切にし,数量や文字などに関する興味や関心,感覚が養わ れるようにすること。 以上から、この科目の理解に求められるリテラシーは以下の項目と考えた。 ①幼児を取り巻く環境の実態の理解 知識基盤社会及び持続可能な開発のための教育と現代的課題の理解 ②領域「環境」に関する発達の理解 数量、文字、図形等の認知に関する発達の理解 もの・事・自然・人との関わり方や、興味や関心、認知の発達の理解 興味・関心などの認知に関する発達の理解

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③日本の伝統や文化に関する理解 ④身近な様々なものの操作の仕方や扱いの知識 ⑤栽培・飼育等に関する知識 ⑥物事の法則に対する知識 ⑦領域「環境」に理解のベースとなる体験 身の回りの事象に対する(主に自然、科学的視点)知識や体験 自然に親しむ実体験(自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる体験) 身近な事象や動植物に対する感動を伝え合い、共感する力(栽培・飼育等に関する体験) 我が国の伝統的遊びに親しむ、異なる文化に触れる体験 領域「環境」においても領域「人間関係」と同様に、⑦領域「環境」に理解のベースとなる体験に よる実感が伴わないとなかなか理解ができないことも多いと考えられる。以上の 2 領域については、 特に、幼児の理解や集団の中で、遊びを通して人間関係を構築していくことのイメージがつかめない となかなか理解が難しい。また、領域「環境」については、生活体験や自然体験が乏しくなっている と言われている昨今、自然の大きさや不思議さや物事の法則に対する興味や関心がない学生にとって は、なかなか想像できないと思われる。しかし、領域に求められる専門性を修得するためには、領域 に関する乳幼児期の発達と、領域に関する基本的な知識、また、幼児の意欲・心情・態度を理解する ためのベースとなる学生の感受する力と自らも体験して気付きや発見、学びといった経験の両方が必 要であると考える。この両輪を確保するカリキュラム構成には、他科目とのつながりを利用し合いな がら、2 年間の養成機関を横断的に捉えて組み立てていく必要があると考える。 なお、領域「人間関係」、領域「環境」理解に求められるリテラシー項目は、「平成 28 年幼稚園教 諭の養成課程モデルカリキュラムの開発に向けた調査研究―幼稚園教諭の資質能力の視点から養成課 程の質保証を考えるー」に示されている。モデルカリキュラムに示されている領域に関する専門的事 項の到達目標と比較すると、おおむね一致していた7) 3.領域「人間関係」及び「環境」に求められる専門性とカリキュラムの検討 本学において、領域「人間関係」、領域「環境」は、1 年次の秋期に各 1 単位 8 コマで行う。8 回と いう限られた時間の中で、領域に求められる専門性の修得は難しい。また、先にも述べたように、領 域「人間関係」は、園生活や子どもの姿が浮かばないと理解は難しい。領域「環境」も同様に、科学 や自然などへの興味や関心や、もの・こと・人・自然と実際に関わり楽しいといった実感が伴わない と、ただ単に自然体験の方法や教え方、あるいは、自然の中での保育は良いといった短絡的な学びに なってしまう危険性が多い。幼稚園教育要領が示す「環境を通して」の本来の修得とは異なってしま うと考える。そこで、この 2 領域の修得を中心に、筆者担当科目「保育内容指導法」「保育教職実践演 習(幼稚園)」「教育実習ガイダンス」と本学独自の初年次プログラムを横断的に組み合わせながら、2 年間で修得するカリキュラムを検討する。初年次プログラムは、本学化の特色のある取り組みであり、 その一つに、自然体験、生活体験、他者とのふれあい体験に自らを導くための保育者に必要なコミュ ニケーションの底上げを図るものがある。筆者は、入学前から 1 年間かけて学生が主体的に自然体験 や生活体験を行う「保育者になるための 100 の体験」を担当している。これらの科目と学科プログラ ムを横断的に構成して、領域「人間関係」と領域「環境」の「領域に関する専門事項」の➀から⑦の

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項目について、実践につながる学びのカリキュラム(どのように学ぶか)を考えたい。 <表3:領域「人間関係」領域「環境」の専門性修得を目指した横断的カリキュラムの構成> 2 年次教育実習(6 月実施) 1 年次教育実習(11 月実施) 領域「人間関係」(1 年次秋期後半) 教育実習の体験で得た子どもの具体的生活場面を 取り上げながら②、③④⑤⑥を理解する 幼児期の人との関わりに関する発達の理解 (自立心、協同性、道徳性等の理解)・・・② 幼児を取り巻く環境の理解と領域示す 子どもの育ちの理解・・・➀ 2 年次秋期 「保育教職実践演習」 幼児を取り巻く今日の課題や保育での課題など、全ての学びを総合させ、各自テーマを持って 探求する「プロジェクト学習」を行うなかで、領域の専門性をより確実なものとしていく 2 年次春期 「保育内容指導法」と「教育実習ガイダンス」 5 領域の横断的復習と保育指導案立案を通し生活や遊びの事象を教材化し、領域「人間関係」 領域「環境」に示されている専門性②の幼児の発達を中心とした保育の展開を理解する 領域「人間関係」、領域「環境」に求められる専門性の修得 1 年次秋期 「教育実習ガイダンス」 保育記録の取り方などを学ぶ中で、関りの中での人間関係の育ちの意義や幼児理解を中心とした 事前指導を行う。そして、実習での幼児の姿や教師や幼児同士の関わりの実態を知り、 領域「人間関係」のベースをつくる・・・⑦ 領域「環境」に関する子どもの姿を知る 1 年次春期 「初年次プログラム 『保育者になるための 100 の体験』」 現在は、学生の主体性に任せているが、本科目に関する事項はセレクトし実際に体験させる。 この実体験を授業に組み入れながら、領域「環境」のベースをつくる・・・⑦ 領域「環境」(1 年次秋期前半) 初年次プログラムの体験を基に②、③④⑤⑥を理解する 幼児期の思考や科学的概念の発達の理解 (数量・文字・図形に関する認知発達含む)・・・② 幼児を取り巻く環境の理解と領域が示す子どもの育ちの理解・・・①

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表 3 は、領域「人間関係」と領域「環境」に求められる専門性を横断的カリキュラムによって修得 していきたい方法を示したものである。まず、はじめに、領域「環境」の準備となるように、本学独 自プログラムの初年次プログラムの「保育者になる 100 の体験」の人・もの・こと・自然体験を行う。 領域「人間関係」は、秋期、11 月に行われる教育実習の機会をとらえて幼稚園生活や幼児の理解、保 育者の意図など保育記録をとることや振り返りから、領域のベースとする。このように、実体験を通 すことで、幼児の意欲・心情・態度の育成について、どのような教師の指導が適切なのか理解がしや すくするのではないかと考える。そして、領域「人間関係」、領域「環境」の 8 コマでは、学生の体験 に合わせながら具体的事例や映像、写真等を交え、➀領域に関する発達を抑えることを中心としなが ら、ねらい及び内容が示す項目を論理的に理解できるようにする。そして、2 年次春期の「保育内容 指導法」の科目を使い、領域で得た専門的知識を基に、身の回りの事象を教材化し保育を立案する課 題を通し、より専門的知識としていく。そして、最終的には、「保育教職実践演習(幼稚園)」で、今日 的幼児を取り巻く環境や保育の今日的課題や全ての学びからの疑問や修得不十分な点等について、学 生が課題意識をもって探求していくことで(プロジェクト学習)、領域を総合的に捉える機会としてい く。このように、2 年間という時間の中での様々な実体験を通すことにより、領域の求める専門性、 いわゆる幼稚園教育教職課程の理解ができていくと考える。 4.まとめにかえて 領域「人間関係」及び領域「環境」のねらい及び内容、内容の取扱いを理解するために基礎となる 知識や経験は何が必要となるのかを考えることにより、領域の専門性の「何を」がある程度、明らか になった。しかし「何を」学ぶのかの項目を修得するには沢山の課題がある。それは、2 年間の養成 期間であること、さらに付属幼稚園等が無い養成校の場合には乳幼児と接することが少ない状況。そ して、昨今言われている、生活体験や自然体験が少ない学生の状況から、幼児期の教育が重要として いる、意欲・心情・態度の育成や、遊びの中で、環境を通してという教育方法を修得していくことは 非常に難しい。 幼稚園教育の本来の教育の姿ともいえる「対話的・主体的な深い学び」いわゆるアクティブラーニ ングや、見通しと振り返りを持った保育を子どもと共に作り上げていくことが望まれていることから、 養成段階においては、領域の専門性の基本となる論理的な理解と、論理的な理解のベースとなる体験 の両輪が必要であると考える。今回は、領域「人間関係」、領域「環境」の「何を」学ぶのかを探った ことをもとに、次年度に向けたシラバスの中で、具体的に「どのように」していくのかを検討し作成 していきたい。そして、今後は、コアカリキュラム科目担当者の専門性を生かしあった連携をどのよ うにしていくのかを考えていきたい。

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引用文献 1)文部科学省「幼稚園教諭の養成の在り方に関する調査研究」一般社団法人保育教諭養成課程研究会平成 29 年 3 月 31 日 平成 28 年度幼稚園教諭の養成課程のモデルカリキュラムの開発に向けた調査研究-幼稚園教諭の資質能力の視 点から養成課程の質保証を考える-(報告書)Ⅱ幼稚園教諭に求められる資質能力と教員養成段階に求められること 1、これからの時代の幼稚園教諭に求められる資質能力P4Ⅼ3-6 (https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youchien/1385790.htm 2020.11 取得) 2)文部科学省 教育公務員特例法等の一部を改正する法律の公布について(通知)28 文科初第 1158 号平成 28 年 11 月 28 日(https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11402417/www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1380404.htm 2020.11 取得) 3)平成 30 年 5 月 18 日 幼稚園教諭養成課程と保育士養成課程を併設する際の担当者及びシラバス作成について 保 育教諭養成課程研究会(http://youseikatei.com/ 2020.11 取得)日本保育者養成教育学会(http://www.h-yousei-edu.jp/ 2020.11 取得)P23 参考例1「領域に関する専門的事項」(モデルカリキュラム)と「保育内容の理解と方法」L1-3、P24 l3-5 4)文部科学省 教職課程コアカリキュラム(案)資料 3-2 平成 29 年 6 月 29 日教職課程コアカリキュラムの在り方に 関する検討会 P8Ⅼ24-25、P3Ⅼ29-P4L1 Ⅲ領域及び保育内容の指導に関する科目、1、科目構成の考え方 5) 文部科学省「幼稚園教育要領」平成 30 年 3 月 、フレーベル館、2018 領域「人間関係」P167-192 6) 文部科学省「幼稚園教育要領」平成 30 年 3 月 、フレーベル館、2018 領域「環境」P193-212 7) 文部科学省「幼稚園教諭の養成の在り方に関する調査研究」報告書「平成 28 年度幼稚園教諭の養成課程のモデルカ リキュラムの開発に向けた調査研究-幼稚園教諭の資質能力の視点から養成課程の質保証を考える-」平成 29 年 3 月 31 日 (ttps://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youchien/1385790.htm 2020.11 取得) 主な参考文献 ・中央教育審議会「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について ~学び合い、高め合う教員育成コミュ ニティの構築に向けて~ (答申)(中教審第 184 号)」平成 27 年 12 月 21 日 (https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1365665.htm 2020.11 取得) ・「幼稚園教員の資質向上について-自ら学ぶ幼稚園教員のために」(報告)幼稚園教員の資質向上に関する調査研究 協力者会議報告書平成 14 年 6 月 24 日(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/019/toushin/020602.htm 2020.11 取得) ・文部科学省 教育課程部会幼児教育部会 「幼児教育部会における審議の取りまとめについて(報告)」 平成 28 年 8 月 26 日(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/057/sonota/1377007.htm 2020.11 取得) SUMMARY

With the revision of the Kindergarten Education Guidelines announced in 2017, the goals of the core curriculum subjects of the Kindergarten Education Course have been set. In particular, with the aim of promoting higher quality early childhood education, we have newly set up items specializing in "subjects related to teaching methods and childcare content." On the other hand, the uniqueness of each training school is also being questioned. Therefore, the core curriculum of kindergarten education and teaching profession that the author is in charge of. The purpose is to reflect that in the creation of future syllabuses.

Keywords:Kindergarten Education Guidelines Childcare Content Area

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