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唇顎口蓋裂児のビン哺乳時における顔面筋の動き : Hotz 床装着前後の比較

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Academic year: 2021

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(2) . 川崎医療福祉学会誌   原  著. 唇顎口蓋裂児のビン哺乳時における顔面筋の動き.   床装着前後の比較 . 篠原ひとみ½   中新美保子½   小林春男¾. 要     約 本研究の目的は,唇顎口蓋裂児のビン哺乳時の顔面筋の動きについて ,健常児との違いや.  床装.   名,口唇口蓋裂児  名のビン哺乳の状態を児の顔面を中心にビデオカメラで左右から撮影した .顔 面筋の動きを見るために児の顔面に ,     角のテープを貼付した .連続  回の吸啜運動か ら下顎を最大に下げた画像と上げた画像をコンピュータ処理し ,

(3) 枚取り出した.そして,その 

(4) 枚の画像をもとに顔面に貼付したテープ 間の距離  区間とその角度(  点)を測定し ,下顎の 上下運動間で対応のある  検定を行った.その結果をもとに ,顔面筋の動きについて ,健常児と  床装着前の口唇顎裂児や口唇口蓋裂児との違い, 床装着前後の変化,および使用乳首による顔面 着前後の違い,そして使用乳首との関係を明らかにすることである.方法は ,健常児 名,口唇顎裂児. 筋の動きの違いを比較,検討し以下のことが明らかになった ..  . 健常児に比べて  床装着前の口唇顎裂児は患側の動きが大きく ,健側の動きは健常児と似て いた ..  .  床装着後の口唇顎裂児は患側の動きが減少し ,特に口輪筋の動きが減少していた.  .  床装着前の口唇口蓋裂児の患側は ,健常児に比べて口輪筋の動きが活発であり,健側は口輪 筋の動きが少なかった .. .  床装着後の口唇口蓋裂児は患側,健側ともに動きが減少し ,健常児に比べて患側,健側とも に動きが少なかった ..  . 吸啜時の顔面筋の動きは ,口蓋裂用乳首を使用した場合は普通乳首使用に比べて患側,健側とも に少なく, 床装着後は健常児よりも動きが少なかった . 緒. 哺乳に関する研究に比べて唇顎口蓋裂児の哺乳に関. 言. する研究は少ない.また ,授乳ケアの経験をもつ看. 唇顎口蓋裂児は ,口唇や口蓋に裂があることから. 護者を対象にした.  年の調査  から ,患児の母.  割は「吸えない」と悩み,看護者自身も. 乳首を上手に捕獲できず ,母親たちの多くは授乳に. 親たちの. 苦労している.唇顎口蓋裂児の哺乳障害の主な原因. 授乳ケアに苦慮していることが明らかになり,授乳. は ,抜裂のため口腔内が十分に陰圧にならず ,吸啜,. ケアの開発が必要であると考える.. 嚥下能力が不十分であることや乳首の捕促の低下 . 本研究の目的は ,唇顎口蓋裂児を出産した母親に.  を使用して. である.健常児や低出生体重児の哺乳に関する研究 は.  による顎,顔面運動モニター  ,筋電図 . 役立つ授乳ケアの開発に向けて ,. . 児の授乳状態の観察を行い,哺乳時の顔面筋の動き.  床装着前後の違. や吸引圧   の測定,口腔内ビデオカメラ撮影 . について ,健常児との違いや. などによるものがみられる.唇顎口蓋裂児の哺乳に. い,使用乳首の違いを明らかにすることである.健. 関する研究は ,口蓋裂用乳首の開発  や超音波断. 常児,口唇顎裂児,口唇口蓋裂児のビン哺乳を. 層装置を用いた舌運動の観察  そして乳首内圧の 測定  などがなされ , 床装着が哺乳障害に有. にて撮影し ,吸啜運動時における顔面筋の動きを観. . 察し ,検討したので報告する.. 効である  と報告されている.しかし ,健常児の  川崎医療福祉大学  医療福祉学部  保健看護学科   川崎医療福祉大学  医療福祉学部  医療福祉学科 倉敷市松島   川崎医療福祉大学 (連絡先)篠原ひとみ   〒  . . .

(5) . 篠原ひとみ・中新美保子・小林春男.  台のビデオカメラ(デジタ $  :%&' )にて左. 様子を児の顔面を中心に. 対象と方法. ルビデオレコーダー.  .研究期間. 右から撮影した.その際顔面筋の動きを見るために児.  年 月から 年  月. の顔面に,.    角のテープを片側につき各 点. ずつ貼付した.テープ貼付の位置は田村ら の研究を.  .対象. 参考に,吸啜運動に関係している顔面筋の動きを知る.  医科大学附属病院形成外科外来を受診し た片   ! 以下  と表す )児とその母親  組と片側完全口唇口蓋裂 (   ! " # 以下  # と表 す)児とその母親  組,および健常児を出産した母 親とその児  組.対象者の背景を表  に示す. 児は  床装着前には直接母乳でも飲めており , 混合栄養であった.しかし , 床装着後は直接母. ( 点:耳介と頭部との付  (*間の距離の ( 点から  分の  ,$ 点:(*線上の  点より  +外 側, , 点:口角の  外側, * 点:下顎骨の一番外 側に張り出している所, ) 点と * 点にはテープは貼付 せず ).ただし , 児と  #児の)点( 鼻翼基. 乳時,母親が乳首に痛みを感じるようになったこと. 合わせを行い,同一画面に左右の画像が写し出せるよ. 側完全口唇顎裂(. から人工栄養のみに変更している.ビン哺乳時の使.  # 児は ,直接母  日目までは普通乳首で飲ん でいたが「吸えない」という理由で ,生後  日目に 口蓋裂用のピジョン社の # 型乳首に変更している . その後は床装着後も # 型乳首を継続して使用し ていた .ビデオ撮影の時期は,健常児と 児は生 後  ヶ月前後であったが, #児は生後  ヶ月以降 であった .その理由は , #児が形成外科外来を 受診した時期が生後  ヶ月近くと遅かった為である. 母乳相談室という乳首である.. 乳では飲めず ,出生後.  .方法.  . . 医科大学附属病院形成外科外来を初めて 受診した唇顎口蓋裂児をもつ母親に対して,研究の目 的を文書で説明し ,研究協力の同意書に署名を求めた.. 表. ). 部)が患側では口唇裂により不明瞭な為,口唇裂と鼻 翼の境目を. ) 点とした.左右から撮影した画像の時間. うに編集した( ノンリニア編集ワークステーション. 用乳首は普通乳首とあまり変わらないピジョン社の.  . .同意が得られた母親とその患児を対象とし て  大学の実習室において,母親が児にビン哺乳する. . 目的で図 のように定めた(. 着部位上縁, 点:鼻翼基部, 点:. ,-$,,$シリーズ .&$,  を使用).連続  回の吸啜運動の画像から下顎を最大に下げた状態 と上げ た状態の画像をコンピュータ処理( ("/ # 利用)し,

(6) 枚の画像を取り出した.  .分析方法. 

(7) 枚の画像をもとに顔面に貼付したテープ間   点)を測定し( 図  ), 下顎の上下運動間で対応のある  検定を行った .吸 啜運動に関係している顔面筋のうち,筆者らが  区 間,  角度と関係があると考えた顔面筋を表  に示 す.解剖学的にみて () 間は上唇鼻翼挙筋,上唇挙 筋,小頬骨筋,口角挙筋,( 間と ($ 間は主に大頬 骨筋,, 間と $, 間は大頬骨筋,口輪筋,  角と 0 角は大頬骨筋, 1 角と  角は大頬骨筋と口輪筋, 2. の距離 区間とその角度(. 角は広頸筋に関係があると考えた .ただし ,顔面筋 は隣接する筋同士が癒合して. 対象者の背景.  つの筋になっていた.

(8). 唇顎口蓋裂児のビン哺乳時における顔面筋の動き. 影角度に違いがある.このことから ,顔面筋の動く 方向について比較するのではなく,吸啜運動の下顎を 最大に下げた状態と上げた状態の間で.  区間,  角度に. 関係している顔面筋の動きの有無を比較,検討した. (.  区 間 ,  角度に ついて  検 定を 行い 有意 差 !   )の有無をみた .そし て有意差のあ る区. 間や角度と関係のある顔面筋について ,健常児と.  床装着前(以後  床無と表す)の  児 や  # 児との違い, 児と  # 児の  床装着前後の変化,および使用乳首による顔面筋の 動きの違いを比較し検討した . 図. テープを貼付した位置.  .倫理的配慮 研究に際して, 「研究への協力と同意に関する説明. 表.  区間,  角度と関係のある顔面筋. 書」を作成した .その説明書をもとに研究の目的, 方法,予想される結果,プライバシー保護,途中で 撤回できることを説明した .研究開始前に.  大学の. 倫理委員会に申請し承認を得た.. 結. 果. 児の顔面に貼付したテープ 間の距離と角度を計測 した .テープ 間の距離と角度について,下顎が最大 に下がった状態と上がった状態の間で ,対応のある. り,筋繊維束が互いに移行するため.  つの筋として. 他の筋から分離することは困難である  .そのため,.  区間, 角度に関係している筋も複数であり, つ. の筋の動きを取り出すことは難しいと考える.また, 授乳姿勢が母親が左腕に児を抱く姿勢であり,児の 右顔面は母親の肩越しからの撮影となったことから 左右の顔面を同じ角度で撮影することが難しく,撮. 図.  検定を行った.その結果を図   図 に示す. 図  に示すごとく健常児の顔面筋の動きを検討して みると,有意差がみられたのは,右側では  区間( , 間,$,間) ,  角度(  角) ,左側では  区間( ( 間,($間),  角度(  角, 2 角)であった.左右. の顔面で有意差のある区間や角度に違いがみられた.. 図 に示すごとく.  床無の . 児の顔面筋の. 動きを検討してみると有意差がみられたのは ,患側.  区間全部と 2 角を除く 角度であっ た .健側(左側)では  区間( ( 間,($ 間), . ( 右側)では. 哺乳の映像と  区間,  角度の位置(健常児の下顎を下げた状態).

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(10). 篠原ひとみ・中新美保子・小林春男. 図. 健常児の顔面筋の動き(  ).  角, 0 角, 2 角)であった . 図  に示すごとく  床装着後(以後  床有 と表す)の  児で ,有意差がみられたのは患側 では  区間( () 間,($ 間,$, 間),  角度(  角)となり,健側では  区間( ( 間,$* 間),  角度( 0 角,  角)となっていた . 床無に比べ て  床有では有意差のある区間や角度が患側で 角度(. たが ,左側はあまり動いていなかった.健常児にお ける吸啜運動時の顔面筋の動きに関する研究はあま りみられず ,左右の顔面筋の動きに違いのあること は指摘されていない.吸啜運動では左右同じように 顔面筋が動くと予想していたが ,乳首を口腔に入れ る方向や児の吸啜のくせなどにより左右の顔面筋の 動きに違いがみられた可能性もあると思われる.. . 大きく減少していた..  #児の場合,図  に示すごとく床無で有  区間( (間, ($ 間), 角度(  角, 1 角,  角, 2 角)であっ た.患側(左側)では  区間全部と  角度(  角)で あった .  床有では ,図 に示すごとく有意差 がみられたのは ,健側では  区間( $, 間),  角度 (  角)であり,患側では  区間( ( 間,($ 間),  角度( 2 角)であった. 床有では ,健側,患 意差がみられたのは,健側(右側)では. 側ともに有意差のある区間や角度が減少していた . 考. 察.  .健常児と  床無の

(11) 児 ,

(12) 児との. 児の場合は ,健側である左側と健常児の左. 側では有意差のある区間,角度が. . 除き同じであることから ,.  角度( 0 角)を. 児の健側と健常児. とは似た動きをしていると考えられた.患側は. 2角. 以外すべての区間,角度に有意差がみられ ,大頬骨 筋,小頬骨筋,笑筋,口角挙筋,口輪筋が活発に動 いていると考えられた .また ,健常児の右側に比べ.  区間( () 間,( 間,($ 間),  角度(  角, 0 角, 1 角)に有意差がみられたことから健常児に. て. 比べて大頬骨筋,笑筋がよく動いていると考えられ た .口唇や顎に裂があると乳首を十分に捕捉するこ とが困難であり上顎と舌で乳首を圧迫する力が低下 する   ために ,患側の筋肉が不自然に大きく動か. 比較. ざ るを得ない状態になっているのではと考える.ま. 健常児の場合は ,左右の顔面で有意差のある区間. た,. や角度に違いがみられた .有意差のある区間や角度. () 間に有意差がみられたが ,その原因は口輪. 筋に裂があるために ,口輪筋とつながっている小頬. と関係のある顔面筋をみると ,左右の顔面筋はとも. 骨筋,上唇挙筋,上唇鼻翼挙筋が裂部分を引き上げ. に大頬骨筋,笑筋,口角挙筋が動いていると考えら. て大きく動いていることが考えられた.. れた.その動きに加えて ,右側は口輪筋が動いてい.  # 児の場合は ,裂が . 児と反対の左側に.

(13) . 唇顎口蓋裂児のビン哺乳時における顔面筋の動き. 図. 口唇顎裂( )児(

(14)  床無)の顔面筋の動き(  ). 図. 口唇顎裂( )児(

(15)  床有)の顔面筋の動き(  ). ある.患側(左側)で有意差がみられたのは , 区. , 間,$, 間),  角度(  角)に有意差があるこ. 間全部と. . とから口輪筋がよく動いていると考えられた .健側.  角度(  角)であり ,大頬骨筋 ,笑筋 ,. 口角挙筋,口輪筋の動きがみられた.健常児の左側.  # 児の患側は  区間( () 間 ,. と比較すると ,. . (右側)では , 区間(. 1. . 2. ( 間,($ 間), 角度( . 角, 角, 角, 角)に有意差がみられた .健常.

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(17) . 篠原ひとみ・中新美保子・小林春男. 図. 口唇口蓋裂(  )児(

(18)  床無)の顔面筋の動き(  ). 図. 口唇口蓋裂(  )児(

(19)  床有)の顔面筋の動き(  ). 児の右側と比較すると ,有意差のある区間や角度が. る  哺乳となりやすい .そのため患側は口輪筋に. 同じであったのは. 裂があることから口輪筋とつながっている筋に引っ.  角度(  角)だけであり,健常. 児の右側に比べて大頬骨筋がよく動き,口輪筋の動. . 張られて動きが大きく,反対に健側は患側の口輪筋. きが少ないと考えられた.その理由としては ,. に裂があるために動きが鈍く,大頬骨筋や笑筋が動い. 床装着前は吸啜のために乳首は抜裂部に陥入してい. て口輪筋を動かそうとする形になっているのではと考.

(20)

(21) . 唇顎口蓋裂児のビン哺乳時における顔面筋の動き.  #児の健  児の健側(左側)を比較すると  区 間( (間,($間) ,  角度(  角, 2 角)が同じで. える.また,撮影方向の違いはあるが, 側(右側)と. あり,大頬骨筋や笑筋が動いていることから ,健側 同士はやや似たような動きをしていると考えられた..  .

(22) 児,

(23) 児の  床有無間の比較. .  床有無間で比較すると有意 差がなくなったのは  区間( ( 間,, 間)  角度 ( 0 角,  角, 1 角)であり,口角挙筋,口輪筋の動 きが減少していると考えられた .その原因は  床の装着により  床無に比べて乳首を舌と上顎 児の患側を. て口輪筋の動きが少ないと考えられた.また ,健側.  区間( $, 間)のみ同じであり,健常 児で有意差のみられた  区間( , 間)  角度(  角)は  # 児では有意差がなく,大頬骨筋や口輪. ( 右側)では. 筋の動きが少ないと考えられた.これらのことから.  # 児では  床有は ,患側は口輪筋の動きが 減少し ,健側では大頬骨筋や口輪筋の動きが減少し. ていることや ,健常児と比較しても動きが少ないこ.  床の装着により ,口蓋の裂. とが考えられた .. に乳首が入り込むことがなくなり,健常児の顔面筋 の動きに近づくのではと考えていたが ,健常児より 顔面筋の動きは乏しくなっていた .. で強く捕捉することができるようになり,患側の筋 の不安定な動きが減少したことにあると考える.ま た,健側では.  区間( ($ 間), 角度(  角, 2 角).  .使用乳首と顔面筋の動きの関係 唇顎口蓋裂児の哺乳障害に対しては様々な工夫が. に有意差がなくなり,大頬骨筋,笑筋の動きの減少. なされている.普通乳首を使用する場合は使い古し. が考えられた .逆に. の軟らかい乳首を使用する,乳首の穴を大きくする,. であり,口輪筋の動きの増加が考えられた.以上の. の乳首を使用する母親も多い.口唇裂にテープを張. ことから. り乳首の捕捉を助ける方法をとっている施設もある..  床有で有意差がみられる ようになったのは  区間( $, 間),  角度(  角)  床有では ,十分な乳首の捕捉が可能. となることで ,患側は口角挙筋,口輪筋の動きが減 少し ,その分健側の口輪筋が動き出すようになり, 大頬骨筋,笑筋の動きが減少したと考えられた .ま.  床有と健常児間で比較すると ,患側では , 健常児に有意差があり  児に有意差がないのは , 間,  角であり,健常児に有意差がなく  児 に有意差があるのは () 間,($ 間,  角であった. た,. 乳首の穴の数を増やすなどである.また ,口蓋裂用. 本研究では普段使っている乳首で母親に授乳しても.  # 児で比較 すると ,健側は似た動きであったが ,患側は  # 児に比べて  児のほうが顔面筋の動きが活発で. らった.顔面筋の動きを. . 児と. あった .哺乳機能の低下は裂の重症度に関連すると.  # 児の方が顔面筋の動きが活発にな. いわれ  ,. ると仮定していたが反対の結果であった .その理由.  # 児. これらのことから大頬骨筋が動き,口輪筋があまり. として使用乳首の影響が大きいと考える.. 動いていないと考えられた.健側では ,健常児に有. は. 意差があり. 用していた .この乳首は口唇口蓋裂児や吸啜力の弱. . 児に有意差がないのは. . ($ 間, 2.  床の装着前後,ピジョン社の # 型乳首を使. 児に有意差. い児用に作られ ,乳首の中のミルクがビンの方へ逆. 常児に比べて口輪筋,口角挙筋が動いていると考え. はポリプロピレンで軽く押すことできるようになっ. られた .. ている .吸引圧が正常児よりかなり低い . 角であり ,健常児に有意差がなく があるのは. $, 間, 0 角,  角であったことから健. 戻りするのを防ぐ 特殊ストッパーがあり,哺乳ビン.  #  床.  # 児では,患側の場合は  区間( () 間,, 間,$, 間),  角度(  角)に有意差がなくなり, 笑筋や口輪筋の動きの減少が考えられた . 床. を装着後,吸引圧が上昇しても同じ乳首を使用して. の装着により乳首を抜裂部に陥入させることがなく. られる.それに比べて. なったことや ,口蓋裂や顎裂部が. 乳首を使用していた .この乳首は母乳が上手に飲め.  床でふさが. 児にとっては飲み易い乳首である.しかし ,. いたために ,顔面筋の動きが大きく減少したと考え. . 児は母乳相談室という. れ乳首の捕捉が可能になったことで口輪筋が周囲の. ない新生児用で ,この乳首を使用することにより母. 筋に引っ張られなくなり,動きが減少したと考える.. 乳育児につなげていくことができるよう作成された. 健側では. ものであり,口蓋裂用に作られた乳首ではない.そ.  区間( ( 間 ,($ 間),  角度(  角 ,. 1 角, 2 角)に有意差がなくなり,大頬骨筋や口輪  床有と健.  児の場合, 床無では患側がよく  床有で患側の動きは減少したが ,健常児. のために. 筋の動きの減少がみられた .また ,. 動き,. 常児間で有意差のある区間や角度を比較すると ,患. の顔面筋の動きに比べて劣ることはなかった ..  区間( ( 間,($ 間)が同じであっ たが ,健常児で有意差のみられた  角度(  角, 2 角)は  # 児では 2 角だけであり,健常児に比べ 側(左側)は.  床の装着は ,哺乳障害に有効とされている が , 床装着後に使用する乳首については限定 されていない.装着後は健常児と同じ普通乳首を使.

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(25) . 篠原ひとみ・中新美保子・小林春男. 用   していたり,装着後も口腔内陰圧を十分に改 善することは困難である  ことから口蓋裂用乳首.  床装着の目. を使用していたりと様々である ..  .  床無の口唇口蓋裂児の患側は ,健常児 に比べて口輪筋の動きが活発であり,健側は 口輪筋の動きは少なかった .. 的は哺乳障害を改善し口腔機能の正常化をはかると. .  床有の口唇口蓋裂児は患側 ,健側とも. ともに ,患児の有する顎の成長能を利用した顎発育. に動きが減少し ,健常児に比べて患側,健側. の矯正である  .健常児と同じ口腔機能を持ち,顎. ともに動きが少なかった .. が発育するためには健常児と同じ乳首を使用するこ.  . 吸啜時の顔面筋の動きは使用乳首の種類によ. とが望ましいと考える.顔面筋の動きを観察した結. り違いがあり,普通乳首使用に比べて ,口蓋. 果でも. 裂用乳首を使用した場合は患側,健側ともに. # 型乳首使用では健常児に比べて動きが乏し.  床装着後は健常児よりも動き. く,このような哺乳では顎発育や矯正を促すことは. 少なく ,. 難しいと考える.今後,顎発育に有効な. が少なかった ..  床装. 着後の乳首は何が良いのかについても検討していく ことが必要である.. 本研究は症例数が少なく一般化には無理がある.. 結. 今後,症例数を増やして検討していくことが必要で. 論. ある.. 唇顎口蓋裂児のビン哺乳時の顔面筋の動きについ て,健常児との違いや.  床の有無間の違い,そし. 本研究を行うにあたりビデオ撮影にご協力くださいまし. て使用乳首との関係を明らかにすることを目的に ,. た  人のお母様方とそのお子様に深謝いたします.また ,. 健常児. 川崎医科大学形成外科教授森口隆彦先生,たい矯正歯科佐.  名,口唇顎裂児  名,口唇口蓋裂児  名の ビン哺乳を  にて撮影した.そして吸啜運動時,. 藤康守先生,川崎医科大学附属病院口唇裂口蓋裂専門外来. 下顎を最大に下げた状態と上げた状態の間で対応の. のスタッフの皆様に心より感謝いたします.そして,論文. ある 検定を行い,以下のことが明らかになった .. 作成にあたりビデオ編集,コンピュータ処理等に多大なる. .  . 健常児に比べて  床無の口唇顎裂児は患. 側の動きが大きく,健側の動きは健常児と似. ご 協力を頂きました川崎医科大学現代医学教育博物館主任 技術員中村信彦様に深く感謝申し上げます.. ていた ..  .  床有の口唇顎裂児は患側の動きが減少 し ,特に口輪筋の動きが減少していた .. 本研究は平成 ,年度科学研究費補助金( 課題番号.  )の補助を受けておこなったものの一部である.. 文       献.  )上坂智子,江藤久志: 各論  .出生直後の問題.森口隆彦編,口唇裂口蓋裂の総合医療,初版,克誠堂出版,東京,   , .  )田村康夫,宋政文,成田優一,美島達平:吸啜運動時における咀嚼筋活動  第  報  吸啜運動と咀嚼筋活動の強調.小 児歯科学雑誌, (  ),  , ..  )宋政文,田村康夫,高柳英司,吉田定宏:吸啜運動時における咀嚼筋活動  第  報  母乳と人工乳の比較.小児歯科学 雑誌, (  ),

(26)   , ..

(27) )松下繁,堀川容子,田村康夫,吉田定宏:乳児吸啜運動時の口腔周囲筋筋活動と時間的変化.小児歯科学雑誌, (

(28) ),   ,

(29) .  )仲岡佳彦,田村康夫:筋電図積分移動曲線法を用いた乳児吸啜時における筋強調パターンの解析.小児歯科学雑誌, (  ),  , ..  )松原まなみ,仲岡佳彦,田村康夫:母乳分泌過多による乳児の哺乳拒否   母乳確立に至る経過と吸啜機能の評価 . (  ),

(30)  

(31) , . 小児保健研究,. )横尾京子:早期産児における瓶哺乳の確立過程と援助.臨床看護研究の進歩,  巻,  ,

(32) . )水野克己,相澤まどか ,橋爪真弘,北澤重孝:哺乳行動の発達に関する検討  第  報  新生児期早期の吸啜の発達.日 本小児科学会雑誌, (  ),

(33)   , ..  )松原まなみ,田村康夫:超・極低出生体重児における吸啜機能の発達.小児歯科学雑誌, (

(34) ),   , .  )和田健,舘村卓,薬師寺登,河村光男,石渡翠:新しい口蓋裂用乳首の考案.日本口蓋裂学会誌, (  ),  ,   ..

(35) 唇顎口蓋裂児のビン哺乳時における顔面筋の動き.

(36) .  )高野直久,高野英子,佐藤和則,佐藤公,大貫善市,加藤誠次:超音波診断装置による哺乳時の舌運動記録および画像 解析   正常児と唇顎口蓋裂児の比較 .日本口蓋裂学会誌, (  ),  , ..  )高野英子: レジン床による唇顎口蓋裂児の哺乳障害改善に関する研究,日本口蓋裂学会誌, (  ), 

(37)  ,  .  )篠原ひとみ,中新美保子:口唇口蓋裂児をもつ母親への授乳ケアに関する実態.第回日本看護学会論文集   母性看 護 ,  , .. 

(38) ) .  ,金澤栄作他訳: 口腔解剖学,第  版,医歯薬出版,東京,

(39)  , .  )引地尚子,小泉敏之,西条秀人,高戸毅: 型口蓋床の顎裂における効用.形成外科,. (  ), 

(40)  , .  )小林正治,斉藤力:口腔・顎・顔面の先天異常を有する新生児の哺乳管理.小児外科, (  ),  , .  )桑原未代子:口唇口蓋裂児の哺乳と口腔管理.中島龍夫,岡田達,岩田重信編,口唇口蓋裂の早期総合治療,初版,医 歯薬出版,東京,  ,

(41) . ( 平成 年  月日受理).

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(43) . 篠原ひとみ・中新美保子・小林春男.    

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(51) 1.

(52)

図  テープを貼付した位置 表   区間,  角度と関係のある顔面筋 り,筋繊維束が互いに移行するため  つの筋として 他の筋から分離することは困難である  .そのため,  区間,  角度に関係している筋も複数であり,  つ の筋の動きを取り出すことは難しいと考える.また, 授乳姿勢が母親が左腕に児を抱く姿勢であり,児の 右顔面は母親の肩越しからの撮影となったことから 左右の顔面を同じ角度で撮影することが難しく,撮 影角度に違いがある.このことから ,顔面筋の動く方向について比較するのではなく,吸啜運動の下
図  健常児の顔面筋の動き(  ) 角度(  角, 0 角, 2 角)であった . 図  に示すごとく  床装着後(以後  床有 と表す)の 児で ,有意差がみられたのは患側 では  区間( () 間, ($ 間, $, 間),  角度(  角)となり,健側では  区間( ( 間, $* 間),  角度( 0 角,  角)となっていた .  床無に比べ て  床有では有意差のある区間や角度が患側で 大きく減少していた.  # 児の場合,図  に示すごとく  床無で有 意差がみられたのは,健側(右側)では
図  口唇顎裂( )児(  床無)の顔面筋の動き(  ) 図  口唇顎裂( )児(  床有)の顔面筋の動き(  ) ある.患側(左側)で有意差がみられたのは ,  区 間全部と  角度(  角)であり ,大頬骨筋 ,笑筋 , 口角挙筋,口輪筋の動きがみられた.健常児の左側 と比較すると ,  # 児の患側は  区間( () 間 , , 間, $, 間),  角度(  角)に有意差があるこ とから口輪筋がよく動いていると考えられた .健側(右側)では ,区間((間,($間),角度(角,1角,角,2角)に有意差
図  口唇口蓋裂( )児(  床無)の顔面筋の動き(  ) 図  口唇口蓋裂( )児(  床有)の顔面筋の動き(  ) 児の右側と比較すると ,有意差のある区間や角度が 同じであったのは  角度(  角)だけであり,健常 児の右側に比べて大頬骨筋がよく動き,口輪筋の動 きが少ないと考えられた.その理由としては ,  床装着前は吸啜のために乳首は抜裂部に陥入してい る  哺乳となりやすい .そのため患側は口輪筋に 裂があることから口輪筋とつながっている筋に引っ張られて動きが大きく,反対に健側は患側の口輪筋に裂

参照

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