重度・重複障害児への動作訓練における訓練者との相互交渉と生理的変化
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(2) 分の気持ちを相手に動作で発信をしてやりとり. 皿.結果. を行なう。各トレーナーは1試行2分40秒間. 生理・行動測定において、望ましい訓練パタ. の訓練と40秒間の休憩を6試行実施する。各. ーンを操作的に定義した結果、熟練者と未熟練. 試行間にトレーナーの内省の聞き取りを行なう。. 者では、6試行目と全試行において生起数に有. 内省の聞き取りは、①トレーーニーの気持ちをど. 意な差が見られた。また、訓練に誘いかける動. のようにとらえているか。②トレーナーの気持. かし方においても生起数に有意な差があった。. ち、意図はどのようなものであったか。③トレ. 内省の報告では、「援助の方法」、「動きの感じ」. ーナーの訓練をトレーーニー一はどのように感じる. と思うか。④訓練や面接者とのやりとりを通し て思い浮かんだ事は何か。を中心に聞く。. 「動きを待つ・合わせる」に差が見られた。. IV.考察 生理・行動測定において、重障児であっても、. トレーニーは10分以上の仰臥位安静状態を. なおかつ限定された部位であっても訓練を受け. 保った後、6試行の前後に’1回ずつ安静時の生. たトレーナーは、相互交渉できることが示され. 理変化の測定を行なう。. た。また、働きかけに対して行動上の反応が乏. 2)生理・行動測定. しいといわれる重障児側からみれば、一見反応. ①ビデオによる訓練録画:2台のビデオで1. しているかどうかわかりにくい状態であっても. 台はトレーニーの顔の表情を撮影する。もう1. トレーナーの働きかけに応答していることが確. 台はトレーナの様子と足首のまげのばしの様子. かめられた。誘いかけには3つのパターンがあ. を撮影する。. ることがわかった。しかし、どの誘いかけをど. 筋電図測定:トレーニーに表面電極を装着し訓. のような「強さ」と「タイミング」で行うのが. 練中の筋放電をテレーメーター方式の筋電計に. よいのかは今後の課題となった。. て測定する。対象の筋肉を左足腓腹筋、左足前. 内省の「援助の方法」で熟練者の方が多く報. 脛骨筋、左腕の上腕二頭筋、オトガイ筋の計4. 告していたが、そこで差があるということは、. 箇所とする。. 重障児に対しては経験年数の多いもの、つまり. 脈拍数の測定:右手第2指先に装着したネルコ. かなり技法にについて知識があり、かつ実践で. アピューリタンベネット社SU NPB−290パルスオ. きるものを持っていることが必要だと推察され. キシメーターの容積脈波センサーから指尖容積. た。また、「動きの感じ」「動きを待つ・合わせ. 脈波を測定し、記録する。. る」はトレー二の主体性を尊重するトレーナー. 呼吸数の測定:鼻孔下にメディカルテープで装. の態度因子にあたるので、そこに差があるとい. 着した日本光電社町テレメーター聡B5000用呼. うことは、トレーニーの自らの動きに敏感に反. 吸センサーによって呼吸時の温度変化を測定し、. 応して、トレーニーのペースで訓練を遂行して. 記録する。. いたと考えられる。. 他動圧力センサー測定;感圧導電センサーをト. レーニーの左足の甲に1箇所、足底に1箇所装. 主任指導教官 冨永 良喜. 着しトレーナーの手掌他動圧を測定する。. 指導教官. 冨永 良喜.
(3) 平成11年度. 学位論文. 重度・重複障害児への動作訓練における 訓練者との相互交渉と生理的変化. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 障害児教育専攻. M98321H 東川 博昭.
(4) 目次 1 問題と目的……一一・・・…一・一……・一・…・・一…一一・……一一・一・・…一一・一1 1.はじめに……一一一一一一一一一一一一一一一一一………一一一…一……一一一一一一一一…一一t…一…一一一一一一…一一一…一一一一一・1. 2.重度・重複障害児について一一…一一一一一’一一一…一一一一一一一一一一一一一一一一一一2 3.生理学的な視点一一一一一一一…一一一一一一…一一…一一一一一一一一一一一一一一一…一……一一一一一…4. 4.重度・重複障害児への教育…一…一…一一一一一一…一一一一一一一一一一一一一一一7 5.臨床動作法の視点一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一…一…一一一…一一一11. 6.援助者の役割について一……一一一一一……………一一一一…一…一一13 7.研究の目的一一一一一一…一一…一一一…一一一一一一一一一t一一一一一一一…一一一一一一一……一……一…一一一一一一一15. 11 方法・…一一…一・一一一一一閏一・・一一・・一・…一・・…・・……・一・…・一…一・一一16 1.対象…一一一一一一…一一一一一一一……一一一一一一……一一t一一一一一一…一一一一……一………一…一一一一一・一一…一一一16. 2.実験手続き…一一一一一一一一一一一一一一・一一一…一一一一一…一一一…一一一一一一一一一一一一一一一一…一・16. 皿 結果……………一・・一……………・一・・…一…一・……一…・……・…………一・・・…一…21 1.生理・行動測定一…一一一一一一……t一一一一一一……一一一一一…一一………一一一一一一一一………21. (1) 腓腹筋筋電図と足底側圧カ…一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一…一一一一…一一21 (2) 誘いかけの生起数一一一一一一…一一一…一一一一…一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一26 (3) 脈拍数一一一一一一…一一一一一一一一……一一一一一…一一一一……………・一一……一一一一一一一一…29 2.自己評価一……一一一………一一一一一………一一一一…一一一一一一一………一一一一一一…一…一一一……一一一一一一一一一一一一一30. 3.内省一…一一一…一一…一…一…一一一一一一一一一一一……一一…一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一一一一一一一…一31. 4.動作訓練の望ましい訓練事例一…一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一一……一一一一一35 1V 考察一一・・……・…………・・・・・・・・・…一一………t………・・………・…………一・・・・・…一…・47. 1.生理・行動測定一一一一一一一一一…一一一…一一一一……一一一一一一一…一一一一…一一一一一一一…47. (1) 腓腹筋筋電図と足底側圧カー一一一tt一一一一一……一一一一一一…一一47 (2) 誘いかけの生起数一一…一一……一一一一.一一一…一一・一一一一一一一一一一一一一一一一……48 〈3) 脈拍数…一一一一一一一一一一…一……一一一一一一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一一一一一一一…一…一一……一一一一一一49. 2.自己評価…一一一一一一一一一一一…一…一一一一一一一一一一一一…一…一一一一一一一一一………一一一一一一一一50. 3.内省一一一.一一一一一一一一一一…一……一一…一一一……一一一一一一一・一一t一.一一一一一一…一…一……一…51. 4.事例……一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一…一一一一一一一…一一一一……一…一一…一一…一一…一一一・一……一一一一一一一一一一一一53. V 総合考察……一…・・一・………一一・……・一一…一・・一一…………・・一…一一…56 要約一一・…一…・……一…・一・・・・・…一一・一…………一…一・…一…・…………一……・・一62. 引用文献一………一…一一…………・……・…・・一一・・一…一一一・・……一一一・・…一・64. 謝辞.
(5) 1 問題と目的 1. はじめに 現在の肢体不自由児養護学校では、障害の重度化・重複化が顕著であ り、疾の吸引、経管栄養、酸素吸入、導尿などの医療的ケアも必要とす. る子どもたちが増えてきている(文部省、1999)。重度・重複障害児 (以下、重障児)は外界の刺激や働きかけに対して反応が乏しいといわ. れ、運動機能全般の重い障害のため他者との相互交渉が困難とされてい る。そのため学校現場にいる教師たちは、どう対応していいかわからな い、自分では対応しきれない、あるいは教師の役割ではない、といよう. なさまざまな思いや悩みをもって子どもと関わっている。その中で戸惑 い、壁にぶつかりながらも手探り状態で実践を行なっているのであろう。. その教育実践の中では重障児側の問題にスポットをあてた取り組みが数 多くされているが、相互交渉する相手としての教師側(療育者側)から みる視点も必要であろう。. 他者との相互交渉が困難とされている子どもたちでも、長期間に渡っ て重障児と関わりを持つ療育者は、種々の表出行動から重障児の要求や 感情を理解し、多くの情報を有していることが明らかにされてきている. (川田・小池・樫田、1986、堅田。小池・川田・安達、1987)。 重障児の教育を考えるときに子どもの側の問題だけを考えるのではなく. 指導者側の読取り能力や感受性、そして指導者と子どもとの相互交渉の 関係で捉えなければならない。. 動作訓練は訓練者(トレーナー)と被訓練者(トレーニー)がからだ を通したコミ=・ =ケーションを行なっていく。そこで重障児とのほミュ. ニケーションがどのように行なわれているのかを、筋電図などの生理的 な指標や訓練者の内省報告から検討し、重障児にどのように関わってよ. いのか不安に感じている教師や療育者に動作訓練による、より効果的な 相亙交渉の方法を提示したいと考える。. 1.
(6) 2. 重度・重複障害児(重症心身障害児)について 1975年にf特殊教育の改善に対する調査研究会ユが文部省に報告した 「重度・重複障害児に対する学校教育の在り方について」のなかで、重 度・重;複障害児は「これまで『公立義務教育諸学校の学級編成及び教職. 員定数の標準に関する法律』等で定められている重複障害児(学校教育 法施行令第22条の2に規定する障害一二・聾・精神薄弱・肢体不自由・ 病ee 一一を2以上あわせ有する者)の他に、発達側面からみて『精神発達. の遅れが著しく、ほとんど言語を持たず、自他の意思の交換及び環境へ の適応が箸しく困難であって、日常生活において常時介護を必要とする 程度』の者、行動側面からみて、『破壊的行動、丁丁傾向、異常な習慣、. 自傷行為、自閉性、その他の問題行動が著しく、常時介護を必要とする 程度』の者」と規定された。. この規定は、重複障害児が学級編成上の問題として意識されている所 にも示されているように、指導する立場からの困難性に重点をおいた規 定である。. 一方、福祉関係の厚生行政の用語として「重症心身障害児」がある。. その定義としては①重度の精神遅滞:知能指数35以下、②重度の肢体不. 自由:身体障害者福祉法から肢体不自由等級表による1級もしくは2級 のものに限定、これを合わせたものを重症心身障害児とした。福祉行政. において、具体的な診断・評価には大島の分類(大島、1971)が用 いられることが多い。診断基準として大島の分類の区分1∼4に該当する ものを重症児(狭義〉としている。. 重症心身障害児という用語は福祉・医療サイドで使用されており、重 度・重複障害児に含まれる概念である。. また、重障児問題の申で「超重障児」と言われる子ども達が大きな課 題になりつつある。近年の新生児医療や救命救急医療技術の進歩は、気 管切開やレスピレーターなどの呼吸管理を必要とする、濃厚医療、濃厚 介護が継続しで必要な最重度の障害児の増加をきたした。これは、従来 の重症心身障害児の概念を超えていることから超重度障害児(超重障児) 2.
(7) という概念が出現した(鈴木・舟橋・長・許斐・志倉、1995)。そし て、1996年から保険診療に超重障児加算が付くようになり全国的に超重 障児ということばが定着した。. 養護学校義務制実施以後20年を越える現在、教育現場では重度・重 複障害児の占める割合が多くなってきていると報告され(郷間・下井・. 山添・佐藤・吉岡、1996)、重複障害児学級の増設や高等部への受け 入れが広がってきている。1997年からは重度・重複障害児めための「訪 問教育jが高等部にも設置され高校教育がスタートすることとなった。 これからますます重障児の児童・生徒の成長、発達を促すために教師は どのように関わり、支援していくのかが問われる。. 3.
(8) 3. 生理学的な視点 外界の刺激や働きかけに対して反応が乏しいと言われる重障児に対し て生理的な指標を用いた研究が数多くなされてきた。. 松下ら(1985)は、重症心身障害児(者)の運動機能面からみた 研究の中で脳性マヒにおける知能、cpk(クレアチアン燐酸酵素)、血 中CO(カ・・…一ボンモノオキサイド)濃度の関連について次のように述べ. ている。①四肢や躯幹の運動機能が残存している脳性マヒ群ほど、社会 性や言語性の機能が残存しており、早期よりこれらの機能蔀1練の必要性. が推測される。②臥床状態にある脳性マヒ群のほうが、四肢や躯幹を動. かすことができる脳性マヒ群より血清cpkは高い傾向にあった。③脳 性マヒ群において、四肢や躯幹の運動は血中のCO濃度を下げる傾向に あり、排便という行為もCO濃度を下げる傾向が認められた。 心拍反応を中心においた研究として、重障児の自己刺激的行動に対す. る心拍数(以下HRと略す)の変動について松本(1989)は、自己 刺激的行動前にはHR増加や変化率が高く、自己刺激的行動の後には短. 時間でH:Rが減少すると報告している。また、田畑(1993)は、重 症心身障害児の心拍数の経年変化を寝たきり群と非寝たきり群とで比較 検討し、心拍数の経年変化には運動機能の差異が影響を及ぼしているこ と、年齢段階により、その減少傾向にも相違のあるという結果を報告し. ている。乾・田中(1993)は、重症心身障害児の定位・探索反応の 特性を健常乳幼児群と重障児群とにわけて、行動反応と心拍反応につい. て比較検討した。それによると①行動反応とHR反応の関連性が認めら れた。②重障児群は健常乳幼児群に比べて行動反応、HR反応とも少な かった。③重障児群の発達年齢6ヵ月レベルでは、定位反応の生起その ものが困難であった。④重障児群において、聴覚刺激に対しでより多く. の反応が認められた。⑤健常乳幼児群では、パトカー(玩具)と呼名に. 対して、探索反応の状態を示した。片桐・石川(1993)は、重障児 に対して聴性心拍反応を検討し、脳幹水準にまで及ぶ重い脳障害を有す る事例では、外的刺激作用を源泉とする賦活的効果が十分にみられない 4.
(9) など、「反応がない、乏しい」状態が覚醒系機能の障害に起因しているこ とを指摘している。 聴性脳幹反応(Auditory Brainstem Response、ABR)についての研究(小. 池ら、1988、1989)や各種音刺激に比べてもっとも早く定位的 反応を喚起する呼名刺激:に対する反応(堅田ら、1987)などの耳か らの刺激についての研究が行われた。また、北島ら(1993)は、種々 の働きかけに対し注視行動や情動表出する重障児を対象として、働きか けに対する予期や運動準備を伴う期待反応について検討した。人が姿を. 現して呼びかけや玩具を含む視聴覚複合刺激により働きかけて、行動観 察と脳緩電位記録を行った。その結果から、行動反応と脳緩電位変動に より重障児の期待反応を検討できることを明らかにし、コミュニケ・一…一シ. ョンの初期発達に見られる情動行動の能動的表出過程と期待反応が関連. することを示唆した。水田ら(1997)は、この研究をうけて、より 重度のいわゆる寝たきりの重障者を対象に、働きかけを随伴した呼名を 呈示する日常場面を設定し、これを反復的かっ継続的に与えて、その期 待反応の実験的形成を試みた。. 学校などでの重障者への教育や療育の実際場面では、身体接触や振動 刺激、ゆらしなどの平衡感覚刺激などが多用されるが、生理的な指標を とりながらその刺激の効果を検討した研究も多い。(潟山ら、1992、. 吉川ら、1989、水田ら、1996、小池ら、1996) 臨床動作法においても生理的な指標から研究されているものがある。. 大野(1978)は、表面筋電図法により子どもの上肢動作における筋 活動の特徴を明らかにした。冨永(1982)は、知的障害児における 発達障害としての伸張反射の研究から、反酎が随意運動の発達により抑. 制されることを明らかにした。小川(1987)は、動作訓練前と後の 膝立ち姿勢での筋電図から、膝立ち姿勢での筋緊張を考察し、放電のあ. り方から支持脚と調整脚を判別した。遠矢(1994)は、年長進行性 筋ジストロフィ症児に対して臨床動作法を行い、皮膚温・心拍数・呼吸. 数を指標として検討を行なっている。福島・冨永(1995)は謂練者 を熟練者と未熟練者とにわけて、その援助タイプと筋電図のパターンと 5.
(10) の関係を検討した。援助に関して「態度」と「技法」の2つの要因があ ることが見いだされ、態度と技法の両方の因子得点が高い訓練者群は、. 他の群にに比べて望ましい筋電図パターンの変容を示した。また、態度 が低く技法が高い訓練者群は、その両方が低い群よりも望ましくない変 容を示した。. 6.
(11) 4. 重度・重複障害児への教育 重い障害が重複している児童生徒の養護学校への受け入れの形態は、. 子どもたちの障害の種類や程度、生活の拠点となる場の違いなどによっ て異なってくる。現在とられている形態は次の三つに大別できる(角田、. 1998)e ①家庭や寄宿舎、児童福祉施設や医療施設から通学して教育を受ける。. ②施設内に設置されている学級(学習室)に通級して教育を受ける。 ③家庭やベッドサイドへ教員を派遣してもらって訪問教育を受ける。 どの形態の子どもも教師だけでなく保護者や医療関係者との連携を十分 にとった教育が必要である。. 教育の内容として、文部省の新学習指導要領(文部省、1999)に おいても重複障害児等に係る教育課程の編成について特例が設けられて いる。それによれば、「重複障害者のうち、学習が著しく困難な児童又は. 生徒については、各教科、道徳若しくは特別活動の目標及び内容に関す る事項の一部又は各教科若しくは総合的な学習に替えて自立活動を主と. した指導を行なうことができること。」(第1章第2節第5の2(2))と 規定されている。各学校にはこうした規定を踏まえて子どもの実態にあ わせた教育計画がたてられ、実践されている。しかし、対象となる子ど もの障害の種類と程度が多様であるため、試行錯誤を重ねながらの毎日 である。. 各学校で行われている実践の例として、三木(1997)は重症心身 障害児施設訪問学級の経験から、障害の重い子どもの取り組みの中でも っとも大切な観点は「人に向かう力」を育てる事であると述べている。. 命のたたかいをしている子どもたちにとっては、状態が悪いことで、入 に向かう気持ちが抑えこまれるし、人に向かう気持ちが弱まるために、 生き抜こうという力が弱まる。医療ケアが中心の生活になっていても、 ここを支えることにこそ教育の使命があると指摘している。. また、原田(1997)は、肢体不自由児養護学校の実践から教育の 目標を「くつろげる子ども」を育てる、としている。そのために必要な 7.
(12) 心と身体として次の4つをあげている。①毎臼、元気でいそいそと登校 できる健康な心とからだ、②大姫きな人と一緒にいることが楽しくて安 らぐ心とからだ、③好きなものや、安心できる居場所で楽しみ安らぐ心 とからだ、④大軒きな人の支えで新しい世界へのぞんでいける心とから. だ。このくつろげる子どもになることによって、安心感を土台にして即 しい力を獲得していけるとしている。このような教育観やR標を各学校 や各担任がそれぞれの現場に合わせて考え、カリキュラムを創意工夫し て、各地で実践が行なわれている。. 養護・訓練における指導の方法論や理論としては、心理療法、感覚訓 練、動作の訓練、運動療法、作業療法、言語治療などがある(文部省、. 1992)。そのなかで、各学校・各教師が子どもたちの実態にあわせて 授業の中に取り入れて、それぞれを組み合わせるなどの:工夫している。. ここではその中のいくつかを取り上げる。. 感覚統合:感覚統合は中枢神経系の成熟過程と行動形成の相互関係を 発達的に明らかにし、個体の学習機能を再構成しようとする科学として エアーズによって三唱された。子どもたちの視覚や聴覚などが有機的に 結びあって、正確な外界認識機能を形成する前に、生得的な反射機制の 統合が計らなければならない。しかもこういう反射機制は他の感覚系、. 特に触覚、前庭感覚、固有感覚と結びあって、子どもの身体が空間で安 定する基礎を作るとともに、学習のための潜在力を蓄える。学習機能に 障害を示していると思われる子どもについて、感覚統合の歪みが見られ るようであったら有効なプログラムによって早期に訓練を行なうことが. 必要になる(坂本、1997>。 音楽療法:音楽がさまざまな心理的、生理的な影響を与えることは早 くから知られており、現在はいろいろな形で音楽療法が行なわれている。 音楽療法は、.音楽鑑賞など外的刺激としての音楽を治療的に用いる受動. 的音楽療法と、合唱、合奏、作曲などの音楽活動を対象者自身が行なう ことにより音楽を治療的に用いる能動的音楽療法とに大きくわけられる (黒田、 1998)。. スヌーズレン:本人の力に合わせて楽しめることを見つけていくこと 8.
(13) や、同時に本人が体験している世界をわれわれも共有していく試みとし. てスヌーズレンがある。スヌーズレンはオランダのAbVerheulによっ て始められ、ヨーロッパ各地に広まり、近年日本にも紹介されてその考 え方が取り入れられるようになってきた。スヌーズレンとは「くんくん 匂いを嗅ぐ」と「うとうとする」というオランダ語を合成したことばで、 たとえば休日に長い散歩をした後に心地よい疲れと、一一杯のワイン、そ. して草原に寝転び居眠りをしているような状態を意味する。スヌーズレ. ンでは、重度の障害を持つ人が、自分の時問を自分自身の選択で、活動 できるように設定されている。スヌーズレンでは、次のような要因が必 要である。①心地よい光や音、家具などの適切な環境、②活動している そのひとに選択権や主導権があること、③参加活動している人のペース で活動できること、④適切な時間の長さであること、⑤反復されること、. ⑥スタッフの存在が安心感を感じることができるものであること。スヌ ーズレンのための部屋は、音や振動を楽しむ部屋、光を楽しむ部屋、に. おいや風を楽しむ部屋、ボールプール、ウォーターベッドなどの感触を 楽しむ部屋などのそれぞれの感覚を楽しめる部屋が事情に合わせて野矢. される(黒田、1998)。 工学的支援:重障児のおもちゃ遊びでは、その多くは彼ら自身が動か す(能動的)遊びではなく、見せられて楽しむ(受動的)な遊びがほと. んどである.できないと思い込む→全介助→能動的活動を奪うといった 悪循環がそこにはある。それを防ぐために彼らのわずかな動きをセンサ ーやスイッチを使って電気信号にかえて、それを電動おもちゃに接続す ることで、彼ら自身がおもちゃを動かす事ができるようにするシステム. 面での支援(中邑、1998)である。 応用行動分析:応用行動分析が目指すものは、「個体はなぜそのような. 行動するか?」という問いに答えることである。その際、その行動の原 因を個体の側に求めることはせず、行動に与えるすべての環境要因を解 明しようとする。このとき、行動を「従属変数」とし、その行動をの生 起に影響を及ぼす環境中の要因を「独立変数」、あるいは「制御変数jと して、環境要因と行動との間に見られる法則性を明かにしようとする。 9.
(14) この応用行動分析の枠組みの中核をなすのが「オペラント条件づけ」で. ある。オペラント条件づけでは、弁別刺激→オペラント行動→条件刺激 の「三項随伴性」という三つの関係が成立する。日常場面では、「ある場 面」(弁別刺激)で、「こうすれば」(オペラント行動)、「こうなる」(教. 化刺激)と、この三項随伴性がほぼ決まっていることが多い。障害児者 の場合は、その障害の特質ゆえにこれらの三項随伴性が機能しにくく、 また、機能するにも数多くの繰り返しの体験をようする。そこで、応用. 行動分析は、障害児者の三項随伴性を徹底的に分析し、障害児者側だけ ではなくその周りの環境(人や物)にも働きかけて教育を行っていく。. また、学校教育だけでなくF地域社会」の中でさまざまな行動を実現 させるための技法の開発を行っていることも大きな特徴である(藤原、. 1997)o 臨床動作法:重障児の動作法の大きなねらいは彼らの心理的活動を開 発・活性化することにある。心理活動の活性化は運動機能の改善に伴っ てみられるものであるから実質的には彼らの運動機能を改善するための 働き掛けにほかならない。非常に強い不当緊張のため自分のからだをほ とんど動かせない子どもに対しては、弛緩訓練が主として実施されるこ とになるし、寝たきりで学位もとれない子どもは坐位訓練が中心になる。. ただし、重障児の動作法では、弛緩を主とした手続きよりも、坐位やさ らには膝立ちなどの姿勢の中で、子どもが自分のからだの適切な部位に. 力を入れ、重力に対応してからだをタテにするようなやりかたが有効で. ある(二宮、1992)。 これら以外にも遊具を利用した遊び、童歌遊び、感触遊び、関係遊び、. 構造化凹面での認知学習、人とのやりとり遊びなどを子どもの実態に合 わせて様々に組み合せた教育が行なわれている。. 10.
(15) 5. 臨床動作法の視点 動作訓練は、成瀬(1985)によって脳性マヒの子どもたちの動作 改善法として考案・開発されたものである。その発端は催眠によって脳 性マヒ児の運動機能の改善がみられたことであった。催眠状態でそれま で動かなかったからだが動いたということは、生理的な障害と思われて いた肢体不自由が、これまでは動かし方がわからなかった、あるいは不 適切な動かし方をしていたという心理的な要因と重要な関係があるとい. うことがわかったのである。成瀬(1985)は、ひとの身体運動を、 筋・骨格系の事象とみたり、脳・神経系の生理的境象としてだけ考える のではなく、それらをも含みながら、さらに全体として制御しているも. っと高次の、人間主体のもつ心理学的過程としての「動作」として捉え た。そして動作を「意図」一「努力」一「身体運Wh 」という一連にプロ. セスの心理活動と考え、まず、自分(主体)がいで、その主体に動作し ようという心理的活動の「意図」が始まり、それが主体のからだの生理 的過程を活動させるという「努力」をして、その結果として初めて「身 体運動」という物理的な運動ができると考えたのである。また、動作訓 練では、動作の「体験jの仕方が重視される。「意図」一「努力」一「身. 体運動」のプロセスの中で、今まさにここで自分が動き、動かしている. という実感を「体験」という(成瀬、1998)。その体験の仕方をより 望ましいものに変化させていくことによってものの見方や考え方、感じ 方が変わり、自分自身の態度や生き方にまで影響を及ぼすことが確かめ られている。そして、ひとが動作を行なうとき、その心にどんな活動や. 変化がおこるのか、どれだけ多くの内的な努力や体験の変革があったか について援助者(トレーナー)は深い共感と理解が必要であると言われ ている。. 現在では、技法の開発や心理の再考により対象が自閉・多門児(今野、. 1997、山本、1992)、ダウン症児(田中、1992)、重度・重 複障害児(二宮、1981>などの障害児者のためだけではなく、動作. 治療として神経症者(藤岡、1992)や精神病者(鶴、1992)の 11.
(16) 心理治療や一般のスポーツ選手(山中、1992)や高齢者の健康増進 法く蘭、1992)、そして児童・生徒のストレスマネージメント教育(冨. 永・山中、1999)として広く適用されている。また、国内はもとよ り英国教育学:会(British Educational Research Association)にも報. 告(アスガー・ドットハー一一一、1997)され,たり、タイ、マレーシア、. イラン、韓国で動作法が実践されるなど国際的にも高く評価され注目さ れている。. 以上のように、最初は肢体不自由者の「動作訓練」として取り組まれ てきたが、動作による心理治療「動作治療」も含めて現在では「臨床動. 作法(動作法)」と呼ばれるようになった。(成瀬、1998) 臨床動作法は、動作の改善のみならず自分のからだと他者のからだと の間で交わされる身体的な共有を媒介として相互の心の理解やコミュニ ケーションを図ることもねらいとしている。. 動作法におけるコミュニケーションの中でどんなことが行なわれてい. るかについては、成瀬(1995)が次のように述べている。動作法で は、からだに触れ、触れられているお亙いが、からだの大・小・微細・. 微妙を含む様々な緊張や動きを共有し、こころの動きや変化をともに感 じ、相互理解ができやすい条件を形成する。意識的・知的レベルでの表. 面的な共感はもちろん、意識に上がらないが動いている気持ちについて も、自分だけでなく相手も分かっているという無意識共感というような. 共通理解の気持ちで結ばれることも可能である。この共通基盤を通して お互いが自分の気持ちを相手に動作で発信し、相手からからだを通して 伝えられるサインを受け取り、それを他者からのメッセージとして読み 取ろうとする=ミュニケーションのループ[他者一自体一自己]がっく られ、緊張や動きを媒介とした自己主張や自己表現、相手の気持ちの受 け取り・読取り・反応的対応など相互間の対応が進むこととなる。. 12.
(17) 6. 援助者の役割について 重障児の場合は、相互交渉をする教師や療育者、保護者側の援助の役 割が特に重要になってくる。そこで、ここでは援助者の役割を心理療法、. 学校での授業分析、臨床動作法のそれぞれについて概観する。. 心理療法におけるセラピストの基本的な態度として鑓(1998)は、 積極的な傾聴と共感をあげている。そして、共感の機能には2つの大事 な側面があると言っている。1つは、クライエントの経験世界を学ぶた めの方法であり、ほどほどの感情移入を伴った他者理解の方法である。. つまり共感とは、クライエントの経験世界の側に視座をすえ、その中核 的な葛藤や感情、関係様式に波長をあわせながら理解を深めるための心. 理学的な方法である。もう1つは、クライエントの孤独感や心の癒すた めの共感がある。多くの人にとって、自分のことを誤って理解されたり、. 理解を拒まれると、精神的に傷ついたり、抑欝感や孤独感をもたらすで あろう。反対にありのままの自分を共感的に理解され、受け入れられた と実感すると、心理的な安全感を高め、孤独感を和らげられ、自己評価 が多少なりとも回復するであろう。セラピストの共感的な働き掛けは、. 面接状況における安全感をクライエントに保証し、自我の成長を促進す る「抱える環境」を形成するものである。. 学校での授業分析では、秋田・佐藤・岩川(1991)が小学校にお いて熟練教師と初任教師の比較研究を発話プロトル=法によって行なっ ている。その分析から熟練者と未熟練者の共通点として、両者とも教師 の発問に注目していることが示された。また、差異点として次の4つが 明らかになった。①熟練者は授業状況に敏感であり、より多くの手がか りを授業の中から見付けて三門化できること、②熟練者は事実や印象の. みでなく、より多くの推論を行なっていること、③その推論は、学習者 の教材理解の状態に関しての推論と次の対応の仕方や授業全体の展開の 予測の推論である、④熟練者は状況に即して他の発言や教授行為との関 連、その場にいる他生徒との関連など授業構成するつながりを考慮に入 れながら、学習者の発言や教授行為を捉え、評価できること、が明らか 13.
(18) になった。. 次に障害児学級での授業分析として、武蔵・柘植・小林(1992) がtraid分析を行なった。その中で次のようなことが示唆された。1つ 目として「教師の発問」が教師の肯定や学習指導と組み合わされて、児. 童を学習活動へと引き入れ、導き、さらには児童の自発的な活動を誘発 するという重要な役割を果たしていること、2つ目としては、「教師によ る肯定、学習指導」が児童の学習活動を含む相互作用の中でかなりのウ. エイトを占めていること、3つ目としては、同じ授業の中で、かなり異 なった相互作用が児童ごとに存在し、しかもそれらが並行して進行して いること、このことは、教師の側に、児童の相互作用のレベルと刻々に 変化する児童の様子を読取り、聞き取るカが必要であることが示唆され. ている。また、湯浅(1985)の授業分析では教師の共感的応答に言 及している。教師の応答が意味するものは、子どもの斐言(イメージ). に教師自身が共感していくことで、イメージの広がりを作り出すことで ある。そして、f共感的応答」を通して、作晶にただ表面的に接近させる のではなく、指導が、「読取り」に不可欠に要請される「共体験」の能力 形成を常に志向すると指摘している。. 臨床動作法においては、田中(1991)が熟練者と初心者の援助行 為を比べて、熟練者は初心者に比べて量的に多くの動作的なコミュニケ ーションを成立させ、さらにそのコミュニケーション状態において、固 有パターン抑制、正動作促進、補助の変更・減少という援助行為の出現. 頻度が高いと報告している。香野・大神(1993)は、訓練者の不安 や緊張が子どもに伝わる可能性に言及して、訓練者の援助行為を考える ときに、単に表面上の技術的な簡題ではなくその背景にある心理状態や. 無意識に伝わっていることの重要性を指摘している。また、援助者の役 割の重要性として、重障児の相:互交渉の障害は子ども自身の特有な問題 ではなく、「訓練者が子どもに適切な課題を見いだせるかどうか」という. 重障児と関係している援助者側の問題として捉える必要性を示唆する. 報告もある(重橋・大神、1993、二宮、1992)。 二宮(1992>は、トレーナーの大切な心構えとして次の4つをあ 14.
(19) げている。1っ目は「子どもの主体性の尊重」、2っ目は「部分より全体」、. 子どもの抱える問題を局部的に処理をするのではなく、全体のダイナミ ックスの中で捉えること、3つ目は「形よりやりとり」、姿勢にだけ捉わ れるのではなく、その姿勢の中でトレーナーの働き掛けに子どもが応え、. それに対してまた、トレーナーが応えていくというやりとりを大切にす ること、4つ旨は、「×よりOl、「これができない」「まだあれもできな. い」とXにばかり目を向けるのではなく、ギさっきより動きがでてきた な」というように、少しでも○になるところを探しだすこと、これらの. 事が援助者の役割として大切であると報告している。成瀬(1992) は、援助者として共体験をすることによって相手の体験にいっそう共感 できやすくなると言っている。共体験とは、相手の極めて微妙かつ局部 的な動きに合わせて、自らのからだの内動として同じような緊張や動き をさせてみるという共動作を試みながら、相手と同じような体験をする ということである。この共動作による共体験が仲立ちとなって相手との 共感がいっそうしやすくなると指摘している。. 7. 目 的 今まで述べてきたように、重障児に対する臨床的研究や生理学的研究 は多く見られるが、重障児の訓練の中でトレーナーの働きかけに対して. 重障児がどのように応えているかという過程を筋電図や他動圧などの行 動・生理学的指標に基づきトレーナー(援助者・治療者)の本質的要因 を明らかにした臨床生理学的研究の報告はまだ少ない。そこで本研究で は訓練法として動作二丁を取り上げ、重障児との足首を通したやりとり. の過程において熟練者と未熟練者とでは内省の報告と援助の仕方がどの ように異なるか、その結果、被訓練者の筋電図パターンがどのように変. 化するか検討し、随意活動を引き出すより効果的な援助ができないかを 考察する。. 15.
(20) ll.方法 1.対象. 1)動作訓練対象児:A肢体不自由養護学校小学部5年生在籍の脳. 性マヒ女児1名である。対象児にKIDS(乳幼児発達スケール)を行 った結果は、Table1に示したとおりである。動作水準は、うつぶせで の姿勢で頭をもちあげることは可であるが、寝返り、ひとりでのあぐら 坐位は不可であった。上肢、下肢は伸展し、凹凸の側湾になっている。 以下、動作訓練対象児をトレーニーと記す。. 表1. 対象児のKIDS(乳幼児発達スケール)の結果. C.A運動 操作 言語(理解) 言語(表出) 社会性(対成人) 食事 11:4 0:1 O:1. O:4. O:1. 0二1. 2>動作訓練者:熟練者10名、未熟練者10名、計2◎名。熟練1者は 心理リハビリテイション研究所認定キャンプを3回以上経験し、トレー ナー資格を有したものとし、未熟練者は動作訓練の基本的知識は有して. いるが認定キャンプの経験が3回未満の者とした。熟練者の平均年齢は 39.6歳、標準偏差は4.77であった。未熟練・者の平均年齢は37.6歳、標. 準偏差は3.75であった。また、動作法による訓練経験の平均年数は熟練 者がle. 3年、標準偏差4. 22、未熟練者が5.1年、標準偏差2。96であっ. た。以下、これらの動作訓練者をトレーナーと下す。. 2.実験手続き 1)課題と手続き:動作課題は、図1に示すように部分的・局部的 な動きを課題とする単位動作の「足首のまげのばし」とした。各トレー 16. O:1.
(21) ナーはトレーニーの足首のゆるめや足首の主動的な動きや緊張を感じて トレーニーからからだを通して伝えられるサインを受け取り、お亙いが 自分の気持ちを相手に動作で発信をしてやりとりを行なうことが求めら れた(成瀬,1995)。. 各トレーナーは1試行2分40秒間の訓練と40秒間の休憩を6試行 実施:した。. トレーニーは10分以上の仰臥位安静状態を保った後、6試行の前後. に1回ずつ安静時の生理変化の測定を行なった。1999年2月から1999 年8月まで14回に分けて実施された。1回につき1∼2名のトレーナー が訓練した。. 各トレーナーには、訓練課題と補助の姿勢、補助の部位を教示した。. 各試行間にトレーナーの内省の聞き取りを行なった。聞き取りは面接者 が構成した「∼か?」という質問に対し自由に述べてもらう、半構成的 面接にて行った。質問の内容は、①トレーニーの気持ちをどのようにと らえていたか、②トレーナーの気持ち、意図はどのようなものであった か、③トレーナーの訓練をトレーニーはどのように感じたと思うか、④ 訓練や面接者とのやりとりを通して思い浮かんだ事は何か、である。ま. た、各トレーナーにユ試行終わるごとにf今の訓練でトレーナーの気持 ちがトレーニーに届いたかどうか」、「今の訓練でトレーナーはうまく援. 助ができたかどうか」を10段階で自己評価をしてもらった。. 2)生理・行動測定:①ビデオによる訓練録画;2台のビデオで1 台はトレーニーの表情を撮影した。もう1台はトレーナーの様子と足首 のまげのばしの様子を撮影した。②筋電図測定;トレーニーに表面電極 を装着し訓練中の筋放電を測定した。対象の筋肉を左足腓腹筋、左足前 腔骨筋、左腕の上腕二頭筋、オトガイ筋の計4箇所を対象とした。なお、 電極間距離は2∼3 cmとし、時定数O. 03にてテレーメーター方式の筋電. 計にて測定した。③脈拍数の測定;右手第2指先に装着したネルコアピ ュー. 潟^ンベネット社ee NPB−290パルスオキシメーターの容積脈波セン. サーから指尖容積脈波を測定し、記録した。④呼吸数の測定;鼻孔下に 17.
(22) メディカルテープで装着した日本光電社製テレメーター一 WEB5000用呼吸. センサーによって呼吸時の温度変化を測定し、記録した。⑤他動圧カセ. ンサー測定;感圧導電性センサーをトレーニーの左足の甲に1箇所、足 底に1箇所装着しトレーナーの手掌他動圧を測定した。生理・行動測定 実験システム図を図2に示す。. 18.
(23) 動作課題. 足首の言げのはし. :r7x. 足首が突っ張。た状態. 足首が緩んできたところ. 図1 足’首のまげのばし. 19.
(24) 1ノ. テしメーター. WE B5000. 生理・行動測定. (日本光電). eニター. 実験システム図. パーソナル. コンビaター PC−9821NE A/D交換機 ADX−9S(nノーフス電子》. llti. ;.1]r一一一=LIIIT. M’. 釧. 他動圧t>ターフェtz. [. iI轟ス漕キシメーり一. 〉. 〈 ノ (. /. /. 窒 図. 2. 生理・行動測定実験システム図. 20.
(25) 皿 結果 1.生理・行動測定 (1)足底側圧力と腓腹筋筋電図の関係. 生理的な指標における望ましい訓練のパターンを足底側圧力と腓腹筋 筋電図とにおいて「圧力との関係で,相関係数が1%水準で有意な正の相. 関になるもの」とし、それとともに足底側圧力と上腕二頭筋、足底側圧 力と前脛骨筋とにおいては、「圧力との関係で、相関係数が10/。水準で有. 意な正の相関にならないもの」と操作的に定義した。望ましい訓練パタ ーンの一例を図3に示す。その定義に基づいて望ましい訓練パタ…一・Lンが. あった試行を1、望ましい訓練パターンがなかった試行を0とし、試行. ごとに再コード化した。その表を表2−1、表2−2に示す。その0・ 1データの結果からπ2検定を行った。各試行では、度数が少ないため「イ ェー・ツの修正」を施した。各試行ごとの熟練者と未熟練者では、6試行目 に有意傾向がみられた。(z 2・・ 2.81,df=2,p<.10). 全試行における熟練者と未熟練者には、有意差が認められた。(κ2= 6.16,df=2,p<.05>すなわち、望ましい訓練パターンの生起数は、6試行. 目と全試行においては、熟練者の方がより生起されやすいということが 示唆された。. κ2検定の結果は表3−1∼表3−7に示す。. 21.
(26) 腓腹筋筋電図. 図 3 対象児の筋電図パターンと足底側 圧力が一致した事例. 22.
(27) 表2−1 熟練者の望ましい訓練パター一ンの生起数 1試行 2試行 3試行 4試行 5試行. 熟練者1 熟練者2 熟練者3 熟練者4 熟練者5 熟練者6 熟練者7 熟練者8 熟練者9 熟練者10 合計. 0. 0 0 0. 0 0. 1. 1. 0. 0. 0 0 0 0 0. 0. 1. 1. ◎. 1. 1. 1. 1. 0 0 0. 0 0 0. 1. 0. 1. 3. 0 0 0 0. 1. 0 0 5. 1. 0 2. 6試行. 合計. 0. 1. 0 0. 0. 1. 1. 0 0 0 0 0 0. 0 1. 4 0 3 5. 0. 1. 1. 2. 0 4. 0 16. 0 0 0. 1. ◎. 1. 望ましい談練が、0はなし、1はあり. 表2−2 未熟練者の望ましい訓練パターンの生起数 1試行 2試行 3試行 4試行 5試行 0 0 0 0 0 未熟練者1 0 0 0 0 0 未熟練者2 1 0 0 0 0 未熟練者3 0 0 0 0 0 未熟練者4 ◎ 0 0 0 0 未熟練者5 1 0 0 0 0 未熟練者6 0 0 0 0 0 未熟練者7 1 0 0 0 0 未熟練者8 1 0 0 0 0 未熟練者9 0 0 0 0 0 未熟練者10 合計. 2. 1. 1. 0. 0. 望ましい訓練が、0はなし、1はあり. 23. 6試行 合欝 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0. 0 0 1. 0 0 1. 0 1 1. 0 4.
(28) 表3−1 1試行目の生起数 望ましい訓練. pターンなし. 望ましい訓練 pターンあり 1. 合計 10. 熟練者. 9. 未熟練者. 8. 2. 10. 合計. 17. 3. 20. ( nc 2=O.39,df=2,). 表3−2 逸試行目の生起数 望ましい訓練. pターンなし. 望ましい訓練 pターンあり 3. 合計 10. 熟練者. 7. 未熟練者. 9. 1. 10. 合計. 16. 4. 20. ( x 2= O.31,df=2,). 表3−3 3試行目の生起数 墾ましい訓練. pターンなし. 望ましい訓練 pターンあり 5. 合計 10. 熟練者. 5. 未熟練者. 9. 1. 10. 合計. 14. 6. 20. ( z 2= 2.14,df=2,). 表3−4 4試行目の生起数 望ましい訓練. pターンなし. 望ましい訓練 pターンあり 2. 合計 10. 熟練者. 8. 未熟練者. 10. 0. 10. 合計. 18. 2. 20 ( z 2=: O. 56,df=2,). 24.
(29) 表3−5 5試行目の生起数 望ましい訓練. pターンなし. 望ましい訓練 pターンあり 1. 合計 10. 熟練者. 9. 未熟練者. 10. 0. 10. 合計. 19. 1. 20 ( x 2= O,df=2,). 表3−6 6試行目の生起数 望ましい訓練. 望ましい訓練 pターンあり 4. 合計 10. 10. 0. 10. 16. 4. 20. pターンなし 熟練者. 6. 未熟練者 合計. ( x 2 = 2.81,df=2,p〈, 10). 表3−7 全試行の生起数 望ましい訓練. 望ま:しい訓練. pターンなし. pターンあり. 合計. 熟練者. 44. 16. 60. 未熟練者. 56. 4. 60. 合計. 100. 20. 120. ( x 2= 6.16,df=2,p 〈.0 5). 25.
(30) (2)誘いかけ(動作感覚の明確化)の生起数. トレーナーが他動圧をかけるときに、動きを引き出すために誘いかけ るような動かし方をしていることが、ビデオと他動圧の波形からわかっ. た。他動圧の波形の代表例を図4に示す。他動圧の波形のパターンは、. 大きく分けて3つあった。図5に示すようなAパターンとして、動作法 における正動補助の動かし方、図6に示すようなBパターンとして、き っかけを与えるような動かし方、そして、図7に示すようなCパターン として力を入れたその位置で待つというような動かし方である。そのパ ターンをもとに誘いかけの「あり」「なし」を各試行ごとに評定し、評定. を筆者が行なった。なお、信頼度を検討するため動作法トレーナー資格. を持ったもの1名がトレーナー20名の全試行を評定して一致率を出し た。. 信頼度の出し方は以下の式によって行った。. 2者の一致数. 信頼度: 2者の一致数:+不一致数 誘いかけ「あり」「なし1の評定の信頼度は、. ×100 (o/.). 85.0%であった。. 誘いかけのありの試行数を棒グラフで示したものが図8である。 熟練者と未熟練者で全試行において誘いかけのパターン「あり」「な. し」でX2検定をおこなった。その結果(表4)5%以下の水準で有意. 差が認められた。(x2==5.566、df==2、p<.05)すなわち、 誘いかけのパターンの生起数は、熟練者のほうがあらわれやすいという ことが示唆された。. 26.
(31) 図 4誘いかけのある足底側圧力の代表例(Aの部分). 図 5. 誘いかけのAパタ・一一一・ン. 図 6. 誘いかけのBパターン. 図 7. 誘いかけのCパターン. 27.
(32) 6 5 4 試行数3 2 1 0. 圃未熟練者 ■熟練者. 123456789 10. 熟練者・未熟練者数. 図 8. 表4. 高訓練者の全試行の生起数. 熟練者. 未熟練者 合計. 誘いかけありの試行数. 誘いかけの. 誘いかけの. pターンなし. pターンあ. 54 44 98. 6. 16 22. (x2=5. 566. df == 2. p〈.05). 28. 合計. 60 60. 120.
(33) (3)脈拍数. 各試行ごとの脈拍数の平均を表5−1に示す。各試行ごとの脈拍数の平均 と試行前の安静時おける脈拍数の平均との差をデー一・・タとし、それをもとに. 熟練度と脈拍数(平均)の2要因の分散分析を行ったが、有意な差はなか った。(表5−2). 表5−1. 各試行ごとの脈拍数の平均 試行前 1試行 2試行 3試行 4試行 5試行 6試行. 未熟練者1 未熟練者2 未熟練者3 未熟練者4 未熟練者5 未熟練者6 未熟練者7 未熟練者8 未熟練者9 未熟練者10 熟練者1 熟練者2 熟練者3 熟練者4 熟練者5 熟練者6 熟練者7 熟練者8 熟練者9 熟練者10. 表5。2. 76.6. 76.3. 9t8. 104.7. 84.2. 78.6. 103.6. 83.1. 93.4. 70.5. 70.7. 68.8. 68.2. 78』. 103.壕. 86.2. 90.5. 90.9. 90.4. 86.3. 85.5. 85.3. 86.0. 82.9. 89.0. 78.7. 93.1. 84.0. 81.9. 76.5. 79.7. 91」. 97.6. 95.2. 9L8. 8α5. 86.6. 84.0. 84.2. 81.4. 85.6. 77.0. 89.4. 78.3. 73.1. 78.9. 93.6. 83.1. 86.4. 90.5. 9t7. 98.8. 88」. 83.0. 82.6. 81.5. 80.9. 88.9. 88.9. 95.7. 80.4. 78.5. 83」 81」. 78.3. 77.8. 91.2. 65.7. 63.2. 88.6. 84.8. 84.8. 84.4. 88.8. 85.0. 8t5. 83.9. 80.7. 76.5. 79.4. 82.8. 76.3. 73.0. 74.7. 91.0. 75.8. 72.5. 7t3. 73.8. 75.1. 68.8. 79.6. 93.9. 73.0. 67.8. 83.7. 72.5. 68.5. 83.1. 89.9. 82.3. 86.7. 99.5. 93.3. 99.6. 83.3. 71.5. 76.0. 76.3. 72.9. 76.3. 72.4. 67.0. 71.9. 71』. 75.4. 72.2. 70.雇. 77.7. 76.1. 75.7. 8t6. 78.8. 74.6. 81.0. 78.8. 79.2. 78.3. 70.3. 67.9. 72.0. 74.2. 68.6. 74.4. 77.8. 78.7. 78.9. 87」. 70.8. 74.5. 熟二度と脈拍数:(平均)の分散分析表. ss. seurce. A;熟練度 452. 1. B:脈拍数. 5. 54. AB 260. MS 452. df. 10 52. 5. 29. F. p. 1. 9. O. 18. 0. 3. 0. 90. L 4. 0. 20.
(34) 2。自己評価 各トレーナs一・一一は、1試行終わるごとに「今の訓練でトレーナーの気持. ちが届いたかどうか」、「今の訓練でトレーナーはうまく援助ができたか. どうか」の自己評価を10段階で行い得点化した。熟練者、未熟練ごと. に平均を出し、t検定を行ったが有意差はなかった。表6−1、表6− 2は熟練者と未熟練者の「気持ちが届いた1、f援助ができた」の自己評 価の平均及び標準偏差を示したものである。. 表6−1 「気持ちがが届いた 」の自己評価. N X. SD. 熟練者 10. 未熟練者 10. 3.87 1.72. 3.74 1,75. 表6−2. N X. SD. 30. 「援助ができた」の自 己評価. 熟練者 10. 未熟練者. 4.03. 3.37. 1.94. 1.55. 10.
(35) 3.内省. 表7 手がかりとしたもの. 内省報告の①「トレーニーの気 持ちをどのようにとらえていたか」. 1.足首の動き. 5.発声. から、トレーナーがトレーニーの気. 2.手の動き. 6.呼吸. 持ちを読み取る上で、手がかりとし. 3.脚の動き. 7.表情. たものを表7に示す。. 4.体幹の動き. 8.動きの静止. 内省報告の②「トレーナーの意図、気持ちはどのようなものであった か」と③「トレーナーUの訓練をトレーニーはどのように感じたと思うか」. の2項目に関しては以下のように分析した。. 分析方法はトレーナーの回答をカードに記入して、KJ法(川喜多, 1967,1970)を実施し、カテゴリーをまとめた。1つのカテ:ゴリーの内. 容について、1回報告した者も複数回報告した者も1名と数えて、1つ のカテ:ゴリーに何人の報告があったかで集計を行った。「トレーナーの. 意図・気持ちはどのようなものであったか]では、熟練者は延べ人数41 名、未熟練者は延べ人数34名であった。「トレーナーの訓練をトレーニ. ーはどのように感じたと思うか」では、熟練者は延べ人数28名、未熟 練者は延べ人数26名であった。. (1)訓練時におけるトレーナーの主観的体験 訓練を行うトレーナーの意図・気持ちについての反応語は表8の通り、 全9カテゴリーに集約された。. 各カテゴリーの報告人数とその割合をみると、熟練者では「援助の方 法」(24.39%)が一番多く、続いて「動きの感じ」(17.07%)「不安」 (14.63%)f願い・希望」(14.63%)となっている。未熟練者では一番 多いのは「不安」(17.65%〉「(トレーニーの)からだの様子」(17.65%). である。続いて「援助の方法」(14.71%))となっている。. トレーナーの援助の方法やトレーナーの気持ちについて述べているも. 31.
(36) の、また、トレーニーの動きやからだについて述べているものなどいく. つかのカテゴリーがまとまりをみせているので、全9カテゴリkeを四つ に統合した。すなわち、「トレーナーの援助」(1)、「動きのなぞり」(2,. 3)、「トレーナー主体の気持ち」(4,5,6,7)、「からだの様子」(8, 9)である。. (2)訓練後のトレー二・一一の気持ちに関する読み取り. 訓練後のトレーニーの気持ちの読み取りについての反応語も、表9の 通り、全7カテゴリーに集約された。各カテゴリーの報告人数の割合を みると、熟練者では、「肯定的感情」(25%)が最も多く、その次に相反 するような内容の「相互関係の不成立」(21A30/e)となっている。未熟 練者では、「肯定的感情」(23,08%)とf不明確」(23.08%)が最も多. い。訓練に対して肯定的な面と否定的な面、そして気持ちの面まで踏み 込めず、からだのレベルでの報告となったものなどがある。. 以上の7つのカテゴリーを内容的に四つに統合した。すなわち、「訓 練の肯定的機能」(1,2)、「訓練効果の否定」(3,4)、「からだの様i 子」(5,6)、「その他」(7)である。. 32.
(37) 表8 トレーナーの意図・気持ちについてのカテゴリー 例 カテゴリー 熟練者報 未熟練者 告人 数 報告人数 (%). (%) ト. レ. 1.援助の方 法. 達. ナー. ・圧をかけてフ㍗と離して動 きを出す ・いろいろ強さをかえてみる ・同じペースで曲げ伸ばし. の. 援 助 動 き. の な ぞり. 2.動きの感 じ. 3.動きを待 つ・合わせ. ・力を少なくしでやったら 感じられた ・足に力が入っのを感じた ・待っていれば弛んでくる ・ぴつたというのが出てそ. 黷ノ合わせた 4.不安 ト. 10. 5. (24.39). (14.71). 7 (17.07). 5. 4 (11.76). 2. i12。20). i5.88). ・何をしてよいかわからない 6. ・感じ,られているのか不安. 6. レー. (14.63). ナ. 5.願い・希望. ・もう少し近い距離で関わり たい. }. ・もう少しはっきり反応して. 主 体. くれたらな. ち. 6.喜び 7.困惑. 8.からだの からだ. 様子. ・やりとりができたかなと思 って嬉しかった ・やりとりが合わない. 4 (11.76>. 2. 1. (4,88). (2.95). 1. 2. (2.44). (5.88). ・足首が曲がるのはよく曲が つた. ・手を挙げているのが気にな. チた の様子. 6 (14.63). の. 気 持. (17.65). 6. 2 i4.88). 9.覚醒レベ. ・眠くてトレーナーを意識し. @ノレ. トいない Eよく曲がるなと思ったら寝 ていた. 2 (4、88). △ 口 計. 33. i17.65). 4 (11.76). 41. 35. i100). i100).
(38) 表9 トレーニーの気持ちの読み取りに関するカテゴリー “練者報. 例. カテゴリー. 口 人 数. %). %). 1.肯定的感 訓. 情. 熟練者 告人数. ・足を弛めて戻すときに 気持ちがいいと感じて. 練 つ. の. ・一. 臼定 止. 的. 機. 2.共感的な. ことば. 能. 訓練効果. の. といてよ ・あまり感じていないと. @の不成立. vう E何をしているのかわか @らない状態 ・早くやめてほしいなと. 4.不満感情. 思っている. 5.足首への 気づき. 6.からだの. 動きの報 告. の他. 7、不明確. (11.54). i15.38). 3. 2 i7ユ4). i11.54). 3. 1. (10.71). (3.84). ・胸の動きが大きくなつ た気がした. ・押したときに腕が動い た. そ. 3. 4. 6 i21.43). 気づいている 思ったかな. だ の. Eまた、やるのかと思って 「るかもしれない ・足に触られているのは. (23.08). 5. ・足首は動かしやすいと. ら. 様 子. (25.00). (17.86). 3.相互関係. 否定. か. 気持ちはあるよう ・最初やる気になったに、 もっと楽しくしてよ ・しんどいな、きつく握ら. 6. 7. 盾ノやってくれてる. 0 (0). 3 (11.54). ・表情は悪くないので不 快ではない. ・嫌でもないがやりとり ノなっていない. ム 口 計. 34. 5 i17.86). 6 i23.08). 28. 26. i100). i100).
(39) 4.動作訓練の望ましい訓練事例 動作訓練を行うにあたって、トレーナーはトレーニーとなる被験児を 一方的に動かすのではなく、トレーニーの微妙な動きを手で感じ、それ に応じたり、トレーナーが導いたりというやりとりを重視して行った。. 事例として、熟練者の中で一番望ましい訓練パターンが多かったトレ ーナーの各試行ごとのことばかけと内省を記す。. 塵. L 2.. 3.. 4.. 「ここ動かすよ」(課題の提示)「いくよ」「さんは一い」(始発の 合図)「そうそうそうそう」(フィードバック). 「もう1回いくよ」「さんは一い」「はい、ふあ一」. 「もう1回いくよ」「いくよ」「さんは一い」「ちょっとここで待 ってみようか」(応答反応の観察)「戻してみるよ」「ふあ一だよ」 「もう1回いってみるよ」「そう、ピクッと動いたね」(正のモニ タリング). ことばかけの中にトレーニーの動きと同調した「課題の提示」、「始発 の合図」、「フィードバック」「応答反応の観察」、「正のモニタリング」 などが見られた。 腓腹筋筋電図. ド. お. 足底側圧力. ㌧. wL. 図9−1 1試行目の足底側圧力と腓腹筋筋電図 35.
(40) 國. ①トレーニーの気持ちをどのようにとらえたか。 うとうとしているから、何か触っているなというぼんやりした感じ だったと思う。. ②トレーナーの意図・気持ちはどのようなものであったか。 まず、足に触られていることに気づいて欲しい。戻すときのふわっ とした感じがこの子の中に入っていけばと思った。 ③トレーナーの訓練行動をトレーニーはどのように感じたと思うか。 何、やってんねやろうという感じかな。 ④トレV・…ニーとのやりとりや面接者とのインタビューを通して思い 浮かんだことは何か。. 特になし 自己評価 気持ちが届いた 3110 援助ができた 1110. 10 9. 8 6. ■気持ちが届いた ■援助ができた. 5. 4 3. 2. 0. 図9−2. 1試行目. 1試行目の自己評価. 36.
(41) 圏. 1, 「ここ動かすよ」「こういくよ」「さんは一い」「びしびしびし」 (動きの感じをことばで表現している)「お一とつとつと」「ぐう 一ときたね」「このぐらいかな」「はい、ふあ一」. 2. 「もう1懐いくよ」「さんは謂い」「お一とつとつと」「そうそう、. 力が入ってきたね」「はい、ふあ一」「きたね」「力が入ってきた ね」 3. 「今からいくよ」「お一つときたね」「ふあ一」「ふあ一だよ」. 4.「さん、はい」「ここやね」「おっとつとつと」「ふあ翻してみよか」 「ふあ一」「そう、ふあ一してきたね」. 5.「もう1回いけるかな」「びしびしびしびし」「はい、ふあ一」. 腓腹筋筋電図. 図10−1 2試行目の足底側圧力と腓腹筋筋電図. 37.
(42) 國. ①トレーニーの気持ちをどのようにとらえたか。 ちょっときついかなというのを感じているかなと思った。それと 足を触られているというのを気づいてくれたかなと思う。. ②トレーナーの意図・気持ちはどのようなものであったか。 起きて欲しいと思って、ちょっと固い感じに出会って欲しいと思 つた。戻るときにふわ一とした感じがわかればと思った。. ③トレーナーの訓練行動をトレーニーはどのように感じたと思う か。. きついなと感じた。いてて!という感じ。 ④トレー一…ニーとのやりとりや面接者とのインタビューを通して思 い浮かんだことは何か。 もうちょっとソフトに関わろうと思います。. 自己評価 気持ちが届いた 5110 援助ができた 3110. 10. 国気持ちが届いた ■援助ができた. 2試行目. 図10−2. 2試行目の自己評価. 38.
(43) 囲. 1. 「はい、いくよ」「さんは一い」「びしびしびし」(動きの感じをこ. とばで表現している)「ここで止まってみようか」「そうそうそう そう」「このぐらいかな」「はい、ふあ一」「ふあ一」 2. 「もう1回いくよ」「さんは一い」「びしびしびし」「そう」「あった. かいね」(手のあたたかさを子どもに伝えている)「戻すよ」「ふあ “一’ 」. 3. 「もう1回目くよ」「さん、は一い」「びしびしびし」「もうちょっ とだけいってみようか」(提案)「はい、戻すよ」「ふあ一やね」「楽 ちんでできたね」(正のモニタリング) 4. 「もう1回いけるかな」「びしびしびしびし」「ここまでやね」(終 わりの明確化)「はい、ふあ一」. 腓腹筋筋電図. 図11−1 3試行. 目の足底側圧力と腓腹筋筋電図. 39.
(44) 國. ①トレーニーの気持ちをどのようにとらえたか。 さっきに比べたらきつくないというか、触られているなというの がわかる。全部ではなかったが、手ごたえと呼吸で1回ふ一と気 持ちがいいと感じたと思う。 ②トレーナ・…Aの意図・気持ちはどのようなものであったか。. 起きて最初から入れたので、足を動かしてた感じとふあ一とした 感じが伝わって欲しいと思った。. ③トレーナーの訓練行動をトレーニーはどのように感じたと思う か。 「まあ、いいんとちがうかな」という感じかな。. ④トレーニーとのやりとりや面接者とのインタビュ 一一を通して思 い浮かんだことは何か。 今ぐらいの感じでやりとりできたらなと思う。 自己評価 気持ちが届いた 7110 援助ができた 7/10. 図11−2 3試行目の自己評価 10t. 團気持ちが届いた ■援助ができた. 3試行目. 40.
(45) 亜. 1. 「いくよ」「はい、いきますよ」「こう動かすよ」「こういくよ」「こう. ですよ」「さん、は一い」「びしびしびし」(動きの感じをことばで表 現している)「そうそうそう」「はい、ふあ一」 2. 「もう1弔いくよ」「さんは一い」「びしびしびし」「お一う」「はい、. ふあ一」 3. 「もう1回いくよ」「さん、は一い」「○○ちゃんの足ですよ」「はい、. ふあ一」 4. 「いくよ」「こういくよ」「こういくよ」「さん、は難い」「びしびしび し」「お一」「う一ん、そうですね」「はい、ふあ一」「戻しましたよ」 5. 「もう1回いくよ」「さん、は一い」「びしびしびし」「はい、ふあ一」. 覚醒水準が低いので何度も何度も「誘いかけ」を繰り返して行っている。. 三二…. 図12−1. 4試行目の足底側圧力と腓腹筋筋電図. 41.
(46) 國. ①トレーニーの気持ちをどのようにとらえたか。 今回、1回目と同じで覚醒レベルが低かったのでぼんやりしていた。 だから、何されているのやろうという感じだったかな。. ②トレーナーの意図・気持ちはどのようなものであったか。 今回、迷いがでた。自分で動かす感じがでないかなと思ってやった。. ③トレーナーの訓練行動をトレーニーはどのように感じたと思う か。. あんまり、どうも感じていない。. ④トレーニーとのやりとりや面接者とのインタビューを通して思い 浮かんだことは何か。. やっぱり弛める課題にしょうと思う。. 自己評価 気持ちが届いた2110 援助ができた 2110. 図12−2 4試行目の自己評価 10. 囲気持ちが届いた ■援助ができた. 4試行目. 42.
図
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