大気中亜酸化窒素の存在状態
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(2) 6. 表1 従来の観測結果 Reference. Method. 1)Goody and W・1・h・w(・954)い・lar spec・・um⑰8・b・nd). N20〔ppm〕 0.27±0.08. 2) Seeley and Houghton(1961). 〃. (Pbranch of 4.5μband). 3) Rank et a1(1962). 〃. (1ine of 3.7μ ban(1). 0.12. 0.25±0.04. 4) Birkelan4 and Shaw(1959). レ・6m・…a・…p・…p・・h(…an・h・…μb…)1. 0.27;と0.05. 5) Slobod and Krogh(1950). Mass spectrum. 0.5土0.1. 6) Craig aRd Gordon(1963). Gas chromatograph. 0.3±0.1. ・)Back K…S・h・・y(・967)}. 0.19∼0。29. 〃. 亜酸化窒素にくらべて高濃度 GC試潤・管 であって,また両論のピーク も接近しているため,濃縮過. 獣5曲・鴇慨、. @ β■帆 程でその大部分を除去した方 が. が得策である。なお,このソ. E雛びん影ラ私 ーダライム管を通して亜酸化. 噛。. 窒素が吸収捕捉されることは なかった。ポンプの吸引速度. 鶴田陶マ炉タ・嚇・プ ・・・…晦・で瀬翻は 10分とした。この時亜酸化窒 図1 大気中皿酸化窒素濃縮装置 素の回収は100%である。. GC試料管に濃縮した試料 は,ガスクロマトグラフに接 憂し,加熱追い出して導入す !20℃. る。この操作は常法に従う。 活性炭カラム3血 なお,大気試料の採取に当 Zル電流98mA 0,210000PPm CO・400PPm @ N20. @ CO2 12G℃. 110℃. fテクター温度 135℃. っては,その時点での風向, Lャリヤー窒素40・e/mln、1kg加2 `ャートスピード 10m田/min 風速,気温,湿度,気圧を測. り記録する。後3項爵は分析 後データの補正に使用する。. 2)ガスクμマトグラフ条 90℃ 7G℃. 件:採用した条件は以下の通 りである。 カラム:ステンレス製. 50℃. 31nmφx3m カラム温度190℃. 1G 20 30mia 充てん剤:活性炭. 図2 N20とCO2の分離条件の設定 30∼60mesh キャリヤーガス:窒素. 1£真空びんで採取し,液体酸素冷却のGC試料管に 4GmO/m圭聡. 検出器=熱伝導度セルセル電流98mA 接続,真空ポンプで吸引して亜酸化窒素を吸着捕捉し た。この濃縮操作を図1に示す。 検出器温度:135℃. 図において真空ぴんとGC試料管の間にソーダライ この分析条件について2,3検討事項を付寵する。 共存する二酸化炭素は一応除夫するとしても一部残る ム129を充てんした管を接続してあるのは,二酸化炭 ことを考えて,両者の分離は完全であることが必要で 素除去用である。大気中の二酸化炭素は約350ppmで.
(3) 7. 表2 亜酸化窒素の地表濃度水準. ある。ここで使用できるカラムとしてシリカゲル40∼. 70mesh,活性炭30∼60meshおよびモレキュラシープ った。シリカゲルは50℃で分離不完全である。. 9. 8 月. 13×60∼80meshを比較した結果,活性炭が良好であ. 日i 濃度 ppm. 活性炭の温度条件に関しては50℃から!20℃まで比. 2 0.27. 較して,90℃を選んだ。この場合両者約2分の間隔で. 5 0.25. ある。温度別分離状態は図2に示す。. 12 0.29. なお,沸点はN20−88.57℃, CO2−78.5℃でシ. 13 0.25. 濃度 ppm ・10.24 ミ. 7iO・31. 0.26 8:0。24. 910.26. 0,26 14 ・.33(光化学,注灘艮)1・・. 0.25. 18. 0.22. 0。24. 19. 0.29. 二時置炭素を同一条件で測定できるように考えたから. 20. 0.29. である。. 28. 0,24. 以上の条件で念のために応答直線性を検した結果を. 30. 0.26. 20. 0.30. 図3に示す。. 31. 0.30. 24. 0.29. 25. 0.29. ig8. 0.27. リカゲルではこの順序で接近して溶出するが,活性炭 では亜酸化窒素の方が後になっている。. セル温度と電流を表記のようにしたのは,大気中の. mm2. 1ユ.. 12 1、4 i、6. 0.36. 0,19(台風後) 0.26. 12gl…. X. 25θ. 月. ●. × ●. 月14日は光化学スモッグ注意報が発令された臼に当る が,0.33ppmと比較的高い値を示している。また,測. 200 灘 堕. X. へ. 定開始以来午後3時の最高値は10月2日の0.49ppmで あるが,この霞はくもり,無風であった。. 1 150. b. /. 以上地表近くの大気中亜酸化窒素の大約の水準と晃 なしてよいと思われる。. ●. 100. 3.2 時問変化 ●. つぎに短い時間単位の変化を知るために,1日を通 した測定結果を図4に示す。. 50. この図では亜酸化窒素の変化と併記して風速その他 気象要素を示した。まず亜酸化窒素の濃度は時間毎刻 0 . 0.3 0.6 0.9m∼. 々変化している。しかし,一定下限があるようであ. N201000ppm. り,それは0.2ppmの線である。また,午筋の非常に. 図3 N20のGC測定による直線性. 高い値は,風速の極少の時にえられている。さらに濃 度と風速の椙関を眺めると,傾向として高低糊反して. 定鐙標準にはボンベ亜酸化窒素を正確に5m£とっ て,これを5垂に希釈したものを使用した。. 3. 環境測定結果. いることが認められる。絶対値をとった場合は必ずし も反比例の式にはならないが,相隣る時点の前後の変 化では逆相関は明瞭である。このことは,風速は地表 近くの亜酸化窒素濃度の決定に関係するいくつかの原. 3.1日変化. 因の1月目なっていることを示すものである。そし. 大気試料について充分精度がえられるようになって. て,局地的気象条件の時間変化について常識的な判断. 以後,日に1点午後3時の測定値を表2に示す。これ. で平常状態を想定するならば,0.2∼0.3ppmであると. は1951年8月と9月の分で,測定点は横浜国大環境科. いう表現で大気常在量が表示されて誤りはないと思わ. 学研究センターである。. れる。これ以上に厳密な一定値を,たとえば,アルゴ. これについて見れば,最低0.19ppm,最高0.36ppm. ン濃度のように,決定することは気象条件の設定に厳. で全平均として・0.26ppmとなっている。とくにこの. 密さを欠く以上,不可能なことである。地表近くの亜. 最低値は9月1媚台風の直後にえられたもので,当時. 酸化窒素の変動は,これが地中から発生している事実. 天候は快晴で風速は10m/sec;を記録している。これに. による結果を示している。. 対し高い値はくもり,風の弱い露に出現している。8. なお,1日の変化を調べたもう1つの実験例を図5.
(4) 8. ついで地表から1,000m上 pm. m/s. .5. 6. 空までの調査を実施した。試 料採取は模型飛行機により各. SSE. 高度別に真空びん採取を行っ. 、. ’ r/!. ’. ’. た。高空試料採取の操作技術. L ∼. 4. .4 ’. 羨. ㌔. ’. 、S. ノ. 至. については既報の通りである. し. 塑 璽. o. \\. ㍗. SSE. τ. ので省略する。実験場所は茨. 城県谷田部の自動車研究所敷. @/k’ 、! 、. 2. .3. NE\、. SSE. E. SSE一●聯一●. 、. S. に示す。. s \ 、. S. 一〇. SS£ SS\. この結果,地上1,000mま. ’. 、. ノ. 、. で「司様0。2∼0.3pp魚の水準. ’. Wsw㌧一ぜNSN. .2. 0. 9. 11 13 15. 17. 19. 21 23. 5. 1 3. 7. であった。上空への濃度傾向. などの詳細を考えるために. 1. %. 地内である。測定結果を図6. / S、♂. 8時. は,さらに実験の積重ねを待. 図4 1譲の時間変化測定鋼. たなければならない。. 3.4地域差 ppm. m/s 6. O.5. 環脆要素が異なる離れた地 点では亜酸化窒素の平常の水. 準が異なることが考えられ. NNw. る。そこで横浜市の市街地と. @ 八 !! 、. f. 、、. 4. O.4. 醤撲w. 毬瀦R冬10.3. 、. 、Nw. 蟹. _課 し襲\/\/ 輪 畔・. 華. 匡i梨県精進湖の山林地とを比. 較した。この結果市街地,. 0.24ppm山林地G.27ppmで あった。. N巳 Nw 奨. 2. この程度の範囲に関する限. 、、 、 、 v SE. り,地域による地上水準の変. 化はは認められない。すなわ 0. 0.2. ち,現今見られている環境の. 違いは,亜酸化窒素の状態に % 16 18 20 22 0 2 4 6 8 10 12 14畦寺. 影響を及ぼさないと結論され る。. 図5 冬期における1日の時間変化測定例. 4. 発生源の検討. に示す。. 4.1土壌中空気の分析. これは冬期の場合であるが,前と同様風速と地蓑濃. 従来の研究では土壌,および海中のバクテリヤの代. 度は逆二極の傾向を示していることがわかる。ただ,. 謝作用によって,亜酸化窒素が生成されることが明ら. この日を含めて全般に冬期はやや高い値が多く,平均. かにされている。当研究室附近では勿論土壌中からの. では0.31ppmとなった。このことが亜酸化窒素の季. 供給が関係深いので,その試料の採取分析を行った。. 節変動に関するかどうかは,現在確かめるまで至って. 土壌中空気はつぎの手順によって採取した。まず,. いない。また,文献についても,この現象に雷及した. 最:初に80cm位の細い縦穴をあけて,その中に50cm. ものは未見である。. のガラス管を立てる。このまま20分放置して後,ガラ. 3.3高度変化. ス管は上部に真空びんを接続して,土壌中空気を吸引. 大気中濃度が気象条件によって左右される以上,高. 採取する。この様子は図7に示す。窪た採取速度は5Q. 度差によって濃度変化があることは予想される。ここ. m£/sec程度とした。. ではその程度が求められる。まず,当研究センターの. このようにして測定した結果を表4に示す。. 地表と屋上(3階・12m)における比較では,両者の. これによれば,最高3.23ppm,最低0.55ppmで,. 値に有意差はなかった。. すべて大気中測定値よりも高く,平均は1.50pp皿と.
(5) 9. 1000 孤. 事実はかなり重要なことで,亜酸化窒素は環境を循環. \. する物質の中で人為活動に無関係な特異な物質と言う ことになる。. 4.3光化学反応性. 800. 亜酸化窒素は化学的には安定な物質である。しか し,親電子性が極めて大きいなどの興味ある性質を有 6GO. するわけで,今日の複雑な都市大気条件の中で,汚染 に何か関与していないかどうか検討の余地がある。従. 警. \. って,亜酸化窒素の光化学反応性を調べた。実験はオ. 400. ゾンの発生とN20の変化について行った。両実験の 装置:を図8と図9に示す。. ノ. まず,最:初の実験は図8のようにパイレックス容器. 200. を反応容器とし,これをブラックライト16本で照射 し,その中に試料ガスを送って,ケミルミ方式でオゾ. / 00. ンを測定した。実験試料はN201◎および100ppm単. 0,1 0,2 0.3 0,4 ppm. 独,つぎにN20100ppln+トルエン100pp孤,いずれ. N20濃度. も空気希釈でバッグに用意して送った。反応容器中の. 鴎6 高度変化例. 滞留時間は約10分とした。これらの実験において,す べてオゾンの発生は認められなかった。. 話4土壌中のN20量 測定環 濃度ppm i 備 9/2!. 3.23 2.36. つぎに図9では,パィレッスおよび石英ガラス製の 考. 1}…一・. 認められなかった。. 1.22. 亜酸化窒素の大気循環においては成層圏での光分解. 0.76. 10/2 11/26. 量ずつ採取して,ガスクロマトグラフによって定量し た。この実験においても,亜酸化窒素の変化,減少は. 1,87. 9/24. 1£試料びんに1,000ppmのN20を用意し,キセノ ンランプで照躬を行った。∼定時間間隔で注粥器で少. が関与していると解されているが,少くとも地表近く 1.33. 土中浅い. 0.92. 土中深い. において光化学反応による大気汚染との関係はないと 考えてよい。. 0.55. なった。これは大気中平均値の約6倍である。このよ うに土壌中空気が亜酸化窒素の供給源になっているこ とは確認されるが,土壌当りの発生量等の基礎データ. についてはさらに大掛りの実験計画を要するので今回. _グラスウール ガラス管一. は見合わせることにした。. 4.2人為的発生源 都市大気の恒常的大気汚染状態を考える時,亜酸化 窒素の人為発生が当然問題になる。このために,すで に窒素酸化物の汚染源として重要な位置をしめている 各種燃焼排ガスについて亜酸化窒素の関与を分析調査 した。この結果,各種自動車排気ガス,ボイラー排ガ. ス中に亜酸化窒素は全く発生していないことが判っ. た。より正確に言えば,各々数百ppmのNO2また はNOを含む排ガス中にはN20は清浄大気に含ま れる以上に存在しない。少くとも現在まで調べた限り. では,亜酸化窒素の人為的発生は認められない。この. 二7 土壌中空気の採取.
(6) 10. 測定し,その値を基準にする ブラックライト×16 試料ガス iIi「「1i. ことによって可能になる。す. 圏. なわち,その地域の亜酸化窒 素値を測定して置けば,それ. パイレックス10e. グ .・. は気象条件が総合された大気. と∠応容器. \、 /. の拡散姓と言うべき要素を直 〆く. 接示すことになる。従って,. ζ. 曇,無風あるいは快晴,強風. /. \汐ソ. といった組合わせも,亜酸化. ケミ’ンミ型オゾン連打. 窒素値の高低によって単一要. \、疋. 素として表示できるわけであ. 図8 亜酸化窒素の光化学反応実験1. る。火気汚染測定点では汚染. 質と共に亜酸化窒素値を測定 キセノンランプ. して,両者の比をとることに. 石英増穂;答器. よって,汚染源の対策の有効. 電源. 性,離れた時点での比較など. ⑭QO. 一一一一一. r. が可能になると思われる。. このような理由から,亜酸 化窒素値(あるいはN20値・ 笑気値)を大気汚染監視要素 として加えることを提i嚇する ものである。. 図9 亜酸化窒素の光化学反応笑験耳. なお,本研究の範閥で残さ. 5. 結語一亜酸化窒素測定の意義. れた検討事項は多々ある。季節変化や土壌,海の役割 の二字などである。季節では夏より冬の:方が水準が上. 本報では大気中亜酸化窒素の測定を行い,地表常在. がるようあるが,まだデータが少く確定してない。こ. 水準の低い値は0.2ppmであった。この結果は諸・外国. れらは今後の課題とする。. の測定値と等しく全世界共通の水準にあることが判っ. 文. た。. 亜酸化窒素は人為汚染に全く関係しない,自然起源. 献. 1.Goody, R. M and Walshaw, C. D.:Q.工R. の大気常在成分である。この特異な性質から,つぎの. Met. Soα,79,496(1953). ような重要な用途が考えられる。すなわち,大気汚染. 2. Seeley, J. S. and Houghton,」.=Infrared Soc.,. の調査,防止の作業において,種々の汚染関聯要素が. 72, 1!75 (!961). 調べられる。第一に発生源,つぎに大気拡散,そして. 3.Rank et al:」. Opt. Soc. Am.,52,858(1962). 影響等であり,この道順によって因果関係が判明する. 4.Birkeland and Shaw:J. Opt. Soc. Am.,49,. 筈であるが,現状ではいずれの段階も把握困難な要索. 637 (!959). があって,これが科学的扱いを阻害している。その中. 5,Slobod and Krogh:J Am. CheIn. Soc.,72,. で大気拡散は気象要素に左右されることは当然として. 1175 (1950). も,これを温度,風速,風向等とするとき,いずれも. 6。Craig and Gordon Geochim. Cosmochim.. 一部分しか関係せず,これらによって大気状態を正確. Acta,27,949(1963). に説明できない。. 7.Back, R and SchUty=Z. Ana1. Cheln.,237,. ここで,地上発生の大気汚染の正確な判断は,同じ. 321 (!966). く地上発生の人為汚染無関係の成分があれば,これを.
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