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学校安全における養護教諭の不安とリスク認知に影響を及ぼす要因

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Academic year: 2021

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(1)平成17年度. 学位論文.   学校安全における養護教諭の. 不安とリスク認知に影響を及ぼす要因. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 学校教育専攻  教育臨床心理コース.     MO4095A   上田 祥子.

(2) 目次 1 問題と目的 1近年の風潮と学校の安全・・……………・・・… ………・……・1. 2養護教諭の歴史……………・…… …………・……・……2 3ヒヤリハット概念・…・…………………………・…・・…・・3. 4本研究の目的…・……………… …………・……… ……4. H 研究の方法 1予備調査・……… …・……・……・………_....__._7 2本調査・………・・……… ……・…………・・………・・…8. 12345. 皿 結果 回答者の概要……・・…………・…………・…・…・・…・・9 養護教諭リスク認知尺度の因子分析………・………・・…・…11 養護教諭リスク認知尺度の責任関連とヒヤリ度の関係…・・……・15. 養護教諭リスク認知尺度の地域差・………………… …・…・15 プロフィール(個人属性,勤務形態,ヒヤリ体験の有無等)分析. (1)プロフィールの一要因分散分析……・………・…・…・・……16. (2)学校規模と経験年数・・………………・……・・…………・16 (3)小・中の校種と複数配置の有無…・………・……・・……・…18. (4)看護師免許の有無と学校規模…………・……・…・…・……19 (5)子どものヒヤリ経験と学校規模…・……・………・…・・……23 (6)経験年数と教師のヒヤリ経験…・…・・……・…・…・……・…23 6 リスク認知と不安への影響. (1)不安がリスク認知へ及ぼす影響・………・…・…・… …・……24 (2)特性不安と自尊感情…・・…・……・…・・……・……・……・25 (3)リスク志向・回避態度による影響…・…・…………・……●。●26 (4)経験と不安による影響…・…………・…●●●’”。●●●●●●●●●●●●●29.

(3) w 考察 1養護教諭リスク認知尺度について…・……………・……・……・32. 2プロフィールの分析について…・……………働………………32 3リスク認知と不安への影響・…・……………・………………・35. V まとめと課題・…・……………・………・………39 V【参考文献,引用文献…………・・……・………・…45 、肛 添付資料・…………………………・………・………48. 資料1 資料2 資料3 資料4 資料5 資料6 資料7 資料8 資料9 資料10. 予備調査表・………・………・………………・・… …48 予備調査の結果・・………………・…・……・…・・……49 調査協力の依頼文… ………………… ……・・………53 養護教諭への調査協力の依頼文・………・………… ……54 質問紙(フェイスシート)・…………・…・・…・・………55 質問紙(ヒヤリ経験の調査表)・………・・…・・…………56 質問紙(養護教諭リスク認知尺度)………………・… …57. 質問紙(不安STAI)……………・………………・…59 質問紙(自尊感情)……・・…・……・…・・……………・・60. 質問紙(BigFive)……………・・…………・……・・…61.                    …  。・・・・・・・・・・・… 64 資料11質問紙(楠見のリスク志向・回避態度尺度). 、皿 謝辞.

(4) 1. 問題と目的. 1 近年の風潮と学校の安全  近年,著しい社会環境の変化により自然災害や様々な人為災害 等の危機に対応している学校にとって,安全教育はさらに重要な. 視点になりっつある。『学校保健の動向』(H14版)によると, 自他の生命や安全を軽視するという憂慮すべき風潮が社会全体 に蔓延しており,教職員の危機管理意識の向上や体制等の整備が,. 学校における重要な課題となっている。家庭や地域社会との密接. に連携した安全教育や安全管理を進めていくことが求められて いる。これは,単純にけがをしないための安全能力を身に付けさ せるだけでなく,自他の生命や人格・人権を尊重し,経済や効率 ではなく,安全が最優先されるような「安全文化」を創造してい くことが必要ということである(注1)。文科省では,その一環と. して学校安全の推進や心のケア対策を包括した「子ども安心プロ ジェクト」(注2)を展開している。予防的な立場に立った積極的 な安全教育が望まれる。.  今橋(1998)は,今日の学校教育において「子どもの安全権」 (注3)が脅かされていることをあげ,これらの問題をっめるため. には父母・生徒参加による危険施設・行為の点検と協議,及び教 師・学校・教育委員会の改善措置と安全確保策とともに,生徒自 らが危険を予知し,最小限に回避・克服する知識,感覚と技量を. 形成することが必要不可欠であると,具体的な安全対策を述べて いる。.  養護教諭は子どもの学校生活において,健康面や安全面と関わ ることが多く,学校安全管理を円滑に進める一端を担っている。 山本(2001)は「養護教諭の情報発信に対し,ポジテイブな学校 組織文化においては,学校全体として何とかしようと関わろうと するが,ネガテイブな学校組織文化においては教員が関わろうと 1.

(5) する雰囲気がないため,安易に生徒を保健室に行かせ,養護教諭 はその対応に追われ,情報発信の場である会議にすらいけない。 また養護教諭が情報を発信しても,報告に終わるか対策につなが るかには学校組織文化が大きく影響している。ネガテイブな学校. 組織文化の中で養護教諭が保健室の中だけにとどまってしまう と,情報が保健室外に出せず学校経営には生かされないばかりか,. 一人で何もかも抱え込んで養護教諭自身も疲弊して,消極的な姿 勢に傾かざるを得ない。そして,保健室に留まっていることで, 一般教師からも理解されず,悪循環になる」といっている。. 2 養護教諭の歴史  そもそも養護教諭とはなにか。杉浦(1974)『養護教員の歴史』. によると,もともとは大流行したトラコーマの処置と予防といっ. た医学的なケアをする役割で,明治38年に岐阜県にはじめて部 外者としてr学校看護婦」がおかれ,それから,昭和16年に国 民学校令が制定され,「学校看護婦」は「養護訓導」と名称を変 えた。そして昭和22年には学校教育法が制定され,いまの「養 護教諭」になった。そして田澤(2004)は養護教諭は教員スタッ フとして制度化されたものの,周りからは教員としての正当な位 置づけがもらえず,自らも職務と役割に確信が持てず,自らの教 員としての位置づけや役割を問い続けてきたと述べている。  また養護教諭養成機関が多岐にわたっていて,その大部分は研 究者への道がないことなどが専門的能力の育成,養護教諭の研究 向上を阻んできた一っの大きな要因であるとの指摘もある(堀内, 平識,平野,1976)。.  久富(1994)はr教員という存在の占める位置が格別に大きく,. 学校といえば教師というように他職種の学校での働きを事実上 軽視する主観的な学校像と教員像がうまれる」という。養護教諭 は教師に対して他職種,加えて一人職種であるということで孤立 しやすい状況にある。. 2.

(6)  職務上必然的に事故対応の機会の多い養護教諭にとって,専門 的な立場で的確な養護診断や迅速な応急対応ができるかなど,大 変ストレスフルな状況下にある。また,養護教諭の職務のあいま い性や一人職であることで周りから孤立したり,保護者からの厳 しい責任追及や批判を受けると,自信ややりがいを見失い,不眠 や集中できないなどのストレス障害に悩まされるケースも多い。 廣瀬,有村(1999)は養護教諭の精神的健康に及ぼす職場ストレ ッサーと職場サポートの影響について調査した結果,養護教諭特 有のストレッサー(学校保健の位置づけ,養護教諭の専門性や生. 徒指導的役割など養護教諭の職務に関しての理解が十分でない 等)があり,精神的健康度の不安や身体症状との相関がみられた と報告している。. 3 ヒヤリハット概念.  「ヒヤリハット」概念の研究は産業界の危機管理や医療領域で 使われ始めた用語で,一つの事故の背後には,数個から数十個の 「ヒヤリとしたりハットしたり」する体験が隠れているとする考 え方である。そういった認識に立って,危機一髪であった小さな ミスから失敗を分析し,みんなで共有することで,組織の問題と とらえ,同様の失敗を起こさないようにするとりくみである。.  ヒューマンエラーとは人間によるミスであり,産業災害の領域 における先行研究では,ヒューマンエラーの原因を分析し,気の 緩み,錯誤,省略,憶測,未熟練など,様々な要因によって起こ. ると考えられてきた。r4っのMjが背景要因であるといわれて いる(Man,Machine,Media,Management)(安全用語事典, 1994)。.  ヒューマンエラーの研究は個人の特性から組織的な要因へと 進展してきたが,学校現場を対象としたものはほとんどみられな い。学校安全を考える上で,学校は産業活動の場とは異なる人的,. 教育的環境にあるため,そのままあてはまらないところもあるが,. 3.

(7) 学校や保育園等での子どもの災害,死亡例のなかには,その発生. の背後にヒューマンエラーが潜んでいると考えられるものもあ る。また,学年が上がるにっれて授業にまつわる活動も高度にな り,高度な技術を必要とした体育や複雑な工具や機械を使う技術 家庭科など,産業活動の場に求められるようなヒューマンエラー 防止にも重点を置いた安全教育の充実が生かされると考える。  現場では誰もが子どもたちの安全には細心の注意を払ってい るが,実際には同じ場面をみても「ヒヤリとしたりハットしたり」. する人もあれば,そうでない人もいる。「危ない!」と感じる場 面は無数にあったにもかかわらず,事故が起きなかったから,見 過ごされてきた現状がある。あるいは,組織的な安全概念が不十 分なためにおきた事故であっても,ややもすればその原因を個人 の資質に求めてしまう。ひとたび学校事故が生じると教員の責任 が問われるため,不安緊張が高まり,悪い評価をおそれ,軽微な 事故は公にしないなど,教員の秘密主義が築きあげていかれるば かりということになろう。それでは「ヒヤリハット体験」は生か されない結果となってしまう。ヒヤリハットの概念が根付けば個. 人の資質的要因だけではなく組織の問題としてとらえることが でき,教師一人ひとりの不安やストレスの軽減にもつながると考 える。. 4 本研究の目的.  そこで本研究では,産業界でいわれているヒヤリハット概念に 着目し,不安とリスク認知という心理学的視点から学校安全対策 を論じ,特に実際の学校安全管理の最前線にある養護教諭の不安. やリスク認知にアプローチすることで学校災害におけるリスク マネージメントのための提言につなげていきたいと考えた。  リスクの定義は共通のものはなく,領域によって概念は異なる。. 盛岡によるとリスクとは人間の生命や経済活動にとって望まし くない事象の発生の不確実さの程度および,その結果の大きさの 4.

(8) 程度として定義される(リスク学事典,2000)。辛島(2001)は 「自分がこれから何かをしたいとき,うまくいかない可能性を認 識することをリスク認知という」と述べている。また,リスク覚. 悟の行為であっても適切な準備や対処策を立てることをリスク マネジメントとよんでいる。学校生活において,子どもが安全で 健やかに活動できるように,養護教諭は疾病や傷害の初期対応し (救急処置),生活行動を観察し(健康観察),安全を阻害する要. 因を分析し(安全管理)問題を発見し,心身の成長を促すための 生活環境を整える(保健指導)など,児童生徒の養護をつかさど る。養護教諭はそれらの機能を生かし,「子どもの安全権」を保 障していかなければならないと考える。.  本研究ではリスクを目常の学校生活における軽微なヒヤリと する場面で,主観的にどの程度認知するかという点を争点として 取り扱うつもりである。学校には子どもたちの多くが安心感を求 めており,安全で一貫性のある居場所でなくてはならない。学校 教育現場においてリスクを認知し,その上での対応の準備をする リスクマネジメントは重要な対策であるであると同時に,精神的 にも支えとなりうる。.  また過小にも過大でもなくリスクを認知しながらも,個人が不. 安にかられないような組織への安全教育のあり方についても検 討していきたい。 注1) 安全文化について. 1991年チェルノブイリ原発の大事故より国際原子力諮問委員会で出た言葉で,以後1999. 年茨城県東海村のJCO臨界事故,北海道トンネル崩落事故から事故災害防止安全対策 会議報告書で日本でも使われ始めた。組織の安全の間題が何者にも勝る優先度を持ち, その重要性を組織と個人がきちんと認識し,これをスタート地点とした思考や行動を組織と 個人が常に,しかも自然に取ることができる行動様式の体系である。. 5.

(9) 注2) 子どもの安心プロジェクト. 文科省ではH13,6より以下のような子ども安心プロジェクトを展開している。. ①安全管理取組事例集及び危機管理マニュアルの作成 ②地域ぐるみの学校安全推進モデル地域の指定・実践. ③PTSD等に対する心のケアのパンフ作成や教師用参考資料の改定. ④健康相談活動支援体制整備事業の継続,拡充. 注3) 子どもの安全権とは 安心して生きる権利を子どもの実生活の場で確保していくことである。子どもの権利条約3. 条6条,憲法前文13条に記載。以下はそれを受けて川崎市が子どもの権利条約を作ってい るものである。第10条「子どもは安心して生きることができる。そのためには,主として次に掲. げる権利が保障されなければならない。. ①命が守られ,尊重されること②愛情と理解をもって育まれること③あらゆる形態の差別をう. けないこと④あらゆる形の暴力を受けず,又は放置されないこと⑤健康に配慮がなされ,適. 切な医療が提供され,及び成長にふさわしい生活ができること⑥平和と安全な環境の下で 生活ができること。. 6.

(10) ■ 研究の方法 1予備調査  目的.  養護教諭のリスク認知尺度の項目を作成することが予備調査 の目的である。.  調査時期と対象.  平成17年4月中旬,A県B市内養護教諭研修部員21名に実 施した。.  手続き.  学校生活の中でヒヤリとしたことやハッとした体験について, A:子どもとの場面,B:親との場面,C:教師との場面においての経 験を自由記述で尋ねる質問紙を準備した。.  回収された質問紙より執務の中で養護教諭がヒヤリと感じる 場面が多岐にわたっていることから,養護教諭の職務内容全般か ら網羅するため,三木(2001)のいう養護教諭の職務を参考にカ テゴリーを起こした。救急処置については,さらに日本スポーツ 振興センターの統計等をみながら傷病発生にいたる具体的な場 面を設定し,各事例を選択した。.  本調査用の質問紙の作成について現場の養護教諭とともに検 討を行い質問項目を起こした。またA県C地区養護教諭理事会 においても質問紙の妥当性について審議された。予備調査の結果 から選択基準として,誰もがヒヤリとするであろう偶発的で危険 な内容よりも,軽微で日常的な場面を選択した。(予備調査の結 果は巻末に資料として添付する).  ヒヤリとする度合いには「職務上の客観的な考え」と「個人の 主観的な思い」の違いが含まれていると考え,それを明示するた めに個人責任について付け加えた養護教諭リスク認知尺度(質問 ①r個人的責任との関連性」と質問②「ヒヤリ度」)を構成した。. 7.

(11) 2本調査  手続き. ・予備調査より作成された養護教諭リスク認知尺度を用いて,. 養護教諭がリスクをどの程度認知しているかを調査する。 ・フェイスシート(年齢,勤務校,養護教諭の複数配置の状況,.  取得免許の種類,勤務年数,ヒヤリ体験の有無等),人格特性  (STAI,自尊感情),リスク志向・回避態度尺度(楠見,2005).  を同時に測定し,リスク認知に影響を及ぼす要因を探る。  調査時期と対象.  平成17年6月∼8月,A県C地区養護教諭理事会にて依頼し, C地区内の公立学校に勤務する養護教諭に,質問紙郵送法等で配 布した(252名)。また各種研修会において参加した養護教諭に も配布した(43名)。D県教育委員会保健体育指導主事にも依頼 し,D県養護教諭研修会にて配布した(45名)。.  合計340名に配布し,回収数240名(70.6%)。尺度ごとに有 効回答者数に違いがあるため分析対象者数は指標ごとに異なる。  調査内容.  質問紙は,巻末に資料として添付する。. 8.

(12) 表1−1(年齢). 人. 3. % 15.2 24.6 39.8 18.8 1.6. 20代 30代 40代 50代 その他. 29 47 76 36. 3. 4. その他. 人 2種. その他. 47. 2. 17.8. % 74.3 24.6. 1. 表1−5(看護師免許) 人. 看護師免許あり その他. % 36.6. 56 7.3. なし. 70 107 14. 表1−6(教員免許). 教員免許あり なし. その他. 人. %. 59. 30.9. 111 21. 58.1 11. 人. その他. 30代. 40代. 50代. 図1・1 回答者とH10養護教諭年齢構成との比較. 〈校種〉小学校108名,中学校64 名,他校種16名(高校,養護学校 幼稚園)。. %. 33 63 65 34 59 30.9. 4. 2.1. ベテラン. 20代. 〈養護教諭免許〉(図1・2参照). 表1−7(経験年数). 若手 中堅. 果となった。. 80.1. 表1−4(養護教諭免許) 養教免許1種(専修 142(5). 〈年齢〉平均36。3歳。平成10年度. 5 03 53 02 52 01 51 050 44. 153 34. % 2.1. 養護教諭一人配置 二人配置. 数は異なる。. m3)と比較すると図1・1のような結. 表1−3(複数配置) 人. Nニ191(その他は欠損値を示す). 養護教員年齢構成(学校保健の動向,. 1.6. 他校種 その他. 108 64 16. % 56.5 33.5 8.4. 小 中. 1 回答者の概要. 欠損値処理の関係上,実際のNの総. 表1−2(校種) 人. 皿 結果. 表1−8(学校の規模) 人. 小規模 中規模 大規模 複数 その他. 39 40 39 34 39. % 20.4 20.9 20.4 17.8. 20.4. 9.

(13) 9. その他. 4.7. 表1−9(子どものヒヤリ経験〕 人 % 159 83.2 子どもにヒヤリあり 12 23 なし. 表1−10(教師のヒヤリ経験) 人 % 111 58.1 教師にヒヤリあり. 63. その他. 17. 33 8.9. なし. 表1−11(信頼のヒヤリ経験1 %. 81. 42.4 49.2. その他. 16. 94. 8.4. 人 信頼にヒヤリあり なし. 表1−12(地域差) 人. A県C地区 その他. 図 1−2 養護教諭免許の種類. %. 139 72.8 52 27.2. 〈看護免許>あり70名,なし107名。 〈経験年数〉若手∼14年 63名,中堅15∼24年 65名,ベテ      ラン25∼年 59名(三分点で3分割)。そのうち看護      師免許を持つものを示したもの(図1・3参照)。. 震︾43∩∠−. ■看護師免許あり ロなし ミ脚伊.          酵 酵戸.   病酔. 若手. 中堅. ベテラン. 図1・3 経験年齢別の看護師免許の有無. 〈学校規模〉333名までを小規模校39名,334∼523人中規. 10.

(14) 模校40名,524人以上の大規模校39名,複数配置校34名 (小・中学校に絞り,複数配置校とそれ以外を3分割した4水準)。 く子どもへのヒヤリ経験〉あり159名(83.2%),無し23名(12%)。. 〈教師へのヒヤリ経験>あり111名(58.1%)無し63名(33%)。 〈信頼へのヒヤリ経験>あり81名(42,4%)なし94名(49.2%)。. 2 養護教諭リスク認知尺度の因子分析.  養護教諭リスク認知尺度26項目について①責任関連と②ヒヤ リ度をそれぞれ主因子法,バリマックス回転で因子分析した。① 責任関連については表2一①に示す。  固有値の減衰状態を勘案して,因子数を4因子に絞って因子を 抽出した(累積40.8%)。因子負荷量0.40以下の3項目と因子 間での因子負荷量の差が0.1以上開いていない1項目を削除し22 項目を選出した。.  第一因子は『校内の連携』(α係数=0.81),第二因子は『教師 の安全意識』(α係数二〇.81),第三因子は『事故の危険性』(α係 数=0.80),第四因子は『頭頸部外傷』(α係数二〇.85)と命名した。. α係数は0.8以上あり,内的整合性のある結果となった。命名に ついては以下に示す。. 11.

(15) (主因子法、バリマックス)n=191. 校内連携 安全意識 事故危険性 頭頸部外傷 共通性. s養教不在時子ども一人で寝かせているとき. .726 .653 .607. o共通理解した内容をうかつに本人に言うとき. .551. 1心臓検診の精密を勧めても結果が届かない時. .508. .262 .095 .233 .063 .078. q学校での怪我での搬送を親に押し付けたとき. .501. k「しんどい」というのに保健室へ連れてこない. r体調の悪い子を親に無断で帰宅させた時 p頼んでいたのに担任が家庭連絡をしないとき. .008 .255. .597 .016 .504 .118 .474. 一.011. .091 .251. 一.032. .421. .180 .345. .116. .144 .218. .128 .357. .487. .250. .212. .083 .380. eマラソン参加の保護者印をもらわずの参加★. .441. .348. .031. .181. nサーズ等学校の健康管理体制を非難される時★. .198 .172 .095 .220 .135 .225 .086. .128. .163 .084 .037 .063. t保健室を離れた隙に子どもの記録が見られる★. c掲示のため脚立に子どもを上がらせている時 f教師不在の早朝練習. a教師不在時の彫刻刃を使った居残りの時 b騎馬戦のカバーに教師が間に合わないとき. d子どもがぼうきを振り回している時. m体育館の窓枠が子どもがふれると落ちたとき g休み時間廊下で子どもが鬼ごっこしてるとき. .331 一.048. w子どものポケットにカッターが入っていたとき. .196 .145. x教師が倒れたとき u不審者が校内にいるとき. z子どもへの対応に手落ちがあったとき★. 固有値 因子寄与率(%) 累積寄与率(%). α係数. .574 .572 .545 .501. .478 .181. .130 .254 .360 .058 .057 .077 .047 .108 3.10. 一.008. .036 .111. .056 .159 一.029. 11.93. 10.19. 12.22. 24.15. 34.34. 40.77. .174 .290 .144 .099 .057 3.18. h嘔気で様子を見ていた子が眠りだすとき. .701. .140 .137 .224 .124 .038 .246 .107 .729 .687 .642 .555 .523 .416 .142 .098. 12.22. .301. y子どもが倒れたとき. 1頭部外傷による出血. .746. 一.058. .028 .611 .059 .535 一.041 .529 .181 .434 .231 .326 .836 .778 .801 .700 .234 .255 1.67 6.44. 一.005. v ADHDの子がキレて態度が急変したとき けんかで一人が唇を切ったとき. .041 一.096. .362 .182 .268 .586 .562 .410 .436 .350 .612 .309 .602. .811. .815. 一.010. 2.65. .805. .851. ★削除項目.  ②のヒヤリ度については表2一②に示す。①の個人責任との関 連性とほぼ同様の結果が得られた。.  0.4以上の負荷量の項目からなる解釈可能な5因子を抽出した (累積40.9%)。第一因子が『校内の連携』(α=0.78),第二因. 子が『教師の安全意識』(α=0.74),第三因子が『頭頸部外傷』 (αニ0.65),第四因子が『養護診断』(αニ0.66),第五因子が『安. 12.

(16) A E ". l. :J (ce=0.61). i Ut・-*_.. * U l. f. ). i. ; ' F*. l lc. tL. UC@t: -. l. 4. > i Y i. i. ). (. 1 F. ). I ). i :. ・ l'. -). lo). a). f : I F '77+ f ). c o) A E :. 1iC v C. . J. r. - lfi f. ' Uf-',_F. !. *. Cv f. ; Uf-',_.. r. c ;. E,Jo) :,EEl* <. : cq). l: L)J; 5 (c. r i i. J f F. '. : a)j. *** * t J. :b UC U. o) f. tv A jLf (!). ( I f) o). tvt・-._.. f E. i : )o). f ')7. Tf+** L) : iC. v+ C f. 1 :. '. J F: E f c. 5. > -" bf v. i. v. T. 9 13.

(17) ていると考え『校内の連携』と命名した。α係数は0.78である。. 第二因子は「教師不在の早朝練習」や「休み時間に廊下での鬼ご っこ」など教師の目が行き届かないにもかかわらず,止むことが ない現状から,教師の安全意識が低いことを示すと考え『教師の 安全意識』(α=0.74)と命名した。第三因子は「頭部外傷で出血」. 「けんかで唇を切った」「嘔気で様子を見ていた子が眠りだす」な. どであった。「嘔気…  」は,頭部外傷による脳の随伴症状で. 嘔気がみられ,意識障害を起こすと眠り始めるので,『頭頸部外 傷』(α=0.65)とした。第四因子は「教師が倒れた」「子どもへ の対応に手落ちがあった」などの場面では,まず養護教諭の判断 を求められるので『養護診断』(α=0.66)とした。第五因子に ついては「SARSへの対応」「体育館の窓枠がはずれた」「子ども. のポケットにカッターが入っていた」などで,健康管理,施設管 理,生徒指導上の問題などであり,それらをまとめて『安全管理』 (α=0.61)と命名した(②の『安全管理』『養護診断』が合わ さって①では第三因子『事故の危険性』と命名した)。. 14.

(18) 3 養護教諭リスク認知尺度の①責任関連と②ヒヤリ度の関係 表3養護教諭のリスク認知尺度下位項目ごとの分散分析 独立変数 従属変数 個人責任と ヒヤリ度  連. 結果(F値). 有意差.                   学校安全管理上,①個 3,732 p・026 1 Q3−1a Q3−2a                  人責任との関連性に影 9,564 P・000 2 Q3−1b Q3−2b 20,103 P・000 3 Q3−1c Q3−2c                  響されない普遍的な項 8,331 P・000 4 Q3−1d Q3−2d                   目を抽出するため項目 17,737 P・000 5 Q3−1e Q3−2e 15,235 P・000 6 Q3−1f Q3−2f                   ごとに分析を行った。養 16,625 P・000 7 Q3−1 Q3−2 40,808 P・000 8 Q3−1h Q3−2h                  護教諭リスク認知尺度 12,984 P・000 Q3−2i 9 Q3−1i 10 Q3−1j 20,416 P・000 Q3−2■                  の下位項目ごとに,① 11 Q3−1k 20,145 P・000 Q3−2k                   「個人責任との関連性」 12 Q3−11 34,664 P・000 Q3−21 13 Q3−1m 5,491 P・005 Q3−2m                   と②「ヒヤリ度」の得点 14 Q3−1n 37,619 P・000 Q3−2n 15 Q3−10 20,681                  で,1要因の分散分析を P・000 Q3−20 16 Q3−1 27,486 P・000 Q3−2                  行ったところ,ほとんど 17 Q3−1q 24,604 P・000 Q3−2 18 Q3−1r 18,503 P・000 Q3−2r                  の項目においてP<.001 19 Q3−1s 21,281 P・000 Q3−2s 20 16,432 P・000 Q3−1t                  の有意差のある結果が Q3−2t 21 Q3−1u 6,671 P・002 Q3−2u                  得られた。(表3参照) 22 Q3−1v 20,699 P・000 Q3−2v 23 Q3−1w 17,425 P・000 Q3−2w                  5%水準で有意差がみら 24 Q3−1x 7,576 P・001 Q3−2x 25 2,433 P・091                  れないのは Q3−1 Q3−2 26 Q3−1z 55,815 P・000 Q3−2z                  y「子どもが倒れたとき」 F(2、185).                   (F〔2,185〕ニ2.43, P<.10)であり,有意傾向ありにとどまっている。これは責任関. 連に関係なく子どもが倒れたときにはヒヤリ度が高くなるので はないかと考える。ヒヤリ度には個人責任との関連性が強く影響 していると考えられた。. 4 養護教諭リスク認知尺度の地域差  地域別にみた養護教諭リスク認知尺度(ヒヤリ度)の下位尺度. (因子)でA県C地区とその他の地域で,一要因分散分析を行 ったところ,ヒヤリ度の5因子すべてにおいて有意差は認められ 15.

(19) なかった。A県C地区による地域差は今回の調査ではみられない と考えられる。. 5 プロフィール(個人属性,勤務形態,ヒヤリ体験の有無等) 分析. (1)プロフィールの一要因分散分析  フェイスシートより得られた回答者のプロフィールによりヒ ヤリ度がどのように影響を受けるのか検討した。各回答者の特性 と養護教諭リスク認知尺度(ヒヤリ度)の下位尺度(因子)ごと に一要因の分散分析をしたところ,以下のような結果を得た(表 5−1参照)。回答者の特性として経験年数,校種,学校規模, 養護教諭免許の種類,看護師免許の有無,複数配置の有無,ヒヤ リ経験の有無等により分析した。 表5−1 養護教諭のリスク認知尺度とプロフィールの1要因分散分析 従属変数ヒヤリ度 独立変数 教師の安全 プロフイール 校内の連携 頭頸部外傷 養護診断. 安全管理. 一. 養教免許 複数配置 看護免許 教師免許 学校規模 学校規模 経験年数 小中校種 子ヒヤリ 教師ヒヤリ 信頼ヒヤリ. F値. なし なし P=.068. F(1,175)ニ3.372. なし P=.015. F(3,148)=3.586. P=.031. F(3,148)=3.038. P=.022. F(2,184)ニ3,889. P=.092. F(1,170)=2.873. P=.002 P=.003. F(1,180〉ニ9.381. F(1,172)=8.842. なし. Pく.1以下のものを示す. 分散分析の結果,ヒヤリ度に校種や学校規模,経験年数,看護師 免許の有無,ヒヤリ経験等が有意に関連していることが分かった。. それらの関係性を詳しくみるため2要因の分散分析を行う。 (2)学校規模と経験年数. ヒヤリ度の下位尺度得点(因子)ごとに4(学校規模)×3(経 16.

(20) 験年数)で2要因の分散分析した(表5−2参照)。 表5−2学校規模・経験年数別にみた養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD) のも 頭 。 市の  忌i ヒヤリス 目理 …診断 学校規模経験年数 平均値(SD) 平均値 (SD) 平均値(SD) 平均値(SD) 平均値(SD) 平均値  (SD) N 7.27 1.19 50.36 4.90 10.64 2.69 11.82 0.40 7.18  1.08 13.45 1.29 小    手 昌. 中堅 ベテラン. 中  父 手 中堅 ベテラン. 大  父 手 中堅 ベテラン. 配置 手 中堅 ベテラン. 若手 中堅 ベテラン. 11.53 2.59 11.83 2.52 12.27 2.40 11.75 3。17 12.23 2.49 11.50 3.51 11.81 2.34 8.13 3.52. 11.89 2.13 11.57 4.16 11.86 3.29 12.26 2.35 11。68 2.82 10.77 3.41. 11.73 3.79 12.42 3.18 10.67 3.02 11.92 2.68 11.77 2.55 9,25 2.92. 11,81 3,02 10.13 3.58 10.16 2.73 11.00 3.83. 7.40 1.64 7.58 0.90 7.20 1.15 6.50 1.88 7.31 1.03 6,63 1.85 7,31 1.14 6.27 1.49 7.05 1.61. 9,86 3.89. 6.71 1.50 5.86 2.54. 10.26 2.80 11.70 3.22 11.13 3.33. 7.08 1.43 7.06 1,54 6.83 1.56. 11.13 1.92 10.92 2.31 11.93 0.26 11.42 0.90 11.69 0.63 10,88 1,73 11,44 0,89 10.93 1.44 11.47 0,77 11.29 1.25 10.43 1.72 11,58 0,89 11.32 1.30 11.06 1.61. 7.80  1.32 7.58  1.51. 7.80  1.15 7.33  1.67. 6、92  1.50 6.63  2.39 7.13  1.71. 5.87 2.36 7。63  1.54 7.29  0,49 6.86  1.57 7.43  1.53 7.40  1.46 6.74  1.89. 11. 15 12 15 12 13. 49.60 8.30 50.33 8.05 49.87 6.05 48.92 8.61 49,92 5.01. 8. 44.88 9.98 49.50 6.34 41.33 9.10. 16 15 19. 48,21 5.65 47.86 8.86 44.86 9.42 48.62 6.50 49.16 7.65 46.53 8.66. 7 7 53 50 47.  養護教諭リスク認知尺度(ヒヤリ度)の第一因子の『校内の連 携』においてF〔6,138〕=2.29 Pく.05と交互作用に有意差がみ られ,下位分析を行った。.  その結果,経験年数がベテラン群において有意な単純主効果が みられた。大規模校は,その他の規模と全てにおいて図5−1のよ うに中規模校>複数配置>小規模校>大規模校と有意差が見ら れた(:Pく.001)。また大規模校において,ベテラン群は図5・2の. ように中堅>若手>ベテランと有意差がみられた(Pく.001)。.  第五因子『安全管理』において学校の規模による主効果(F 〔3,138〕ニ2.61 Pく.10)に有意傾向があり,Tukey法による多. 重比較の結果,ヒヤリ度は大規模校のほうが小規模校よりも5% 水準で有意に低くなった。  第二因子『教師の安全意識』において(F〔2,138〕=2.48 Pく.10). 主効果に有意傾向があり,Tukey法による多重比較の結果,経験 年数による有意差はみられなかった。. 17.

(21) イ置. 00 00 00 000. 1   1   ー  .    唾帥需¢製畢﹄. 00 6 40 20 00 80 60 40 20 0. 校内の連携. □小規模校 ■中規模校 ■大規模校 團複数配置校. 若手. 中堅. ベテラン. 図5−1 経験年数による学校規模でのヒヤリ度(校内の連携). 校内の連携. 1  1  1 .   艇喧志如警キ﹄. 1. 小規模校    中規模校    大規模校   複数配置校. 図5・2 学校規模による経験年数でのヒヤリ度(校内の連携). (3)小・中の校種と複数配置の有無  小・中校種と複数配置の有無(2×2)で分散分析したところ, 表5−3のような結果を得た。. 第一因子『校内の連携』において校種と複数配置で交互作用が有 意(F〔1,165〕=4.52 Pく.05)であった。単純主効果の検定を. 行った結果,複数配置校では小学校のほうが中学校よりも危険率 18.

(22) 5%で有意に高い結果となった。 表5−3小中の校種と複数配置による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD).        校内の連携  教師の安全意言頭頸部外傷 養護診断   ま 小中 複数配 平均値(SD)平均値(SD) 平均値(SD)平均値 (SD)平. ヤリ度. 1値(S. 小子 1人   11。74 2.93 11.48 3.32 7.08 1。46 11.53 0.89    2人   12.56 1.82 11.31 3.09 6.75 1.77 11.50 0.97  子 1人   11.76 2.63 10,96 2.85 7.24 1,32 11.24 1.67    2人   10.08 3.48 9.67 2,74 6、92 1.44 11,25 1.06    1人   11.75 2.81 11.29 3.16 7.13 1。41 11.43 1.23    2人   11.50 2.89 10.61 3.01 6.82 1,61 11.39 0.99. (4)看護師免許の有無と学校規模. 看護師免許の有無と学校規模(2×4) で分散分析を行ったとこ ろ,表5・4のような結果を得た。 表5−4学校規模と看護師免許の有無による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD).  第一因子『校内の連携』において(F〔3,138〕=3.03. Pく.05). 学校の規模と看護師免許の有無に有意な交互作用があり. 単純主. 効果の検定を行った結果,図5・3のように大規模校において看護. 師免許が有る者ほうが無い者よりもヒヤリ度は1%で有意に低い 結果となった。また看護師免許がある場合,大規模校とその他の 学校規模において小規模校>複数配置校>中規模校>大規模校 の順で危険率1%で有意な差がみられた(図5・4参照)。. 19.

(23)

(24) 看護師免許がある者のほうがない者よりも危険率1%で有意にヒ ヤリ度が低い結果が得られた(図5−5参照)。. 養護診断 ハU   FD   O   F︾   0   に︾. 0   0   0   0   0   0. ∩∠   1   ー   ハU   O   9. 1      1      1      1      1.   饗嘩志如e遡ヘ一ギコ. ■看護師免許あり □なし. 小規模校  中規模校  大規模校  複数配置校. 図5−5 学校規模による看護師免許有無でのヒヤリ度(養護診断). また看護師免許の有る者において,ヒヤリ度は大規模校のほうが 中規模校よりも5%水準で低いことが認められた(図5・6参照)。           養護診断 0   5   0   置︾   O   F︾ n∠   ’ー   ’1   0   0   9. 0   0   0   0   0   0. 1     1      1     1     .    唾帥諦如e製ーキ﹄. 1. □小規模校 ■中規模校 ■大規模校 函複数配置校.     看護師免許あり     なし. 図5−6 看護師免許の有無による学校規模でのヒヤリ度(養護診断). 第五因子『安全管理』において,看護師免許の有無(F〔1, 21.

(25) 138〕=3.954 P<.05)と学校規模(F〔3,138〕=5.01 Pく.005). それぞれに有意な主効果が認められ,交互作用も有意傾向(F 〔3,138〕=2.46 P<。10)にあることから,下位分析を行った。. 大規模校においては看護師免許がある者のほうが無い者よりも, 危険率1%で有意にヒヤリ度が低い結果となった(図5・7参照)。 安全管理.  9・00一  8.00 唾7.00. 嘩 志6。00 如5.00. ■看護師免許あり. e. □なし. 遡4・00 =、3.00. キ. ⊥』2.00.  1.00  0.00 小規模校  中規模校  大規模校  複数配置校. 図5・7 学校規模による看護師免許の有無でのヒヤリ度(安全管理). また看護師免許がある場合,大規模校はその他すべての学校規模. との間に1%水準で有意差がみられ,小規模校>中規模校>複数 配置校>大規模校となった(図5−8参照)。.  看護師免許を持つ者について,経験年数においてヒヤリ度に有 意差はみられなかった。. 22.

(26)   唾嘩布如警㌻. 9876543210. 安全管理. □小規模校 ■中規模校 ■大規模校 團複数配置校.  看護師免許あり      なし. 図5・8. 看護師免許の有無による学校規模でのヒヤリ度(安全管理). (5)子どものヒヤリ経験と学校規模  学校規模と子どものヒヤリ経験の有無について2要因の分散 分析をした結果,第四因子『養護診断』において有意な交互作用 (F〔3,137〕ニ2.83 Pく.05)があり,単純主効果の検定を行っ. た結果,小規模校において子どものヒヤリ経験があるほうがヒヤ リ度が危険率1%で有意に高いことが認められた(図5−9参照)。 養護診断 12.5. 12 11、5 11. □子ヒヤリなし. 10.5. ■子ヒヤリあり. 10 9.5.  9  小規模校   中規模校   大規模校  複数配置校. 図5・9. 学校規模による子どもヒヤリ経験の有無によるヒヤリ度の差. (6)経験年数と教師のヒヤリ経験 23.

(27)  経験年数と教師のヒヤリ経験の有無について2要因の分散分 析を行ったところ,第一因子『校内の連携』において,教師のヒ ヤリ経験に有意な主効果がみられた(F〔1,165〕ニ9.06 Pく.005)。.  経験年数にも(F〔2,165〕=4.15 Pく.05)有意な主効果が見. られたが,Tukey法による多重比較では有意差はみられなかった。. 6 リスク認知尺度と不安への影響. (1)不安がリスク認知へ及ぼす影響  STAIの特性不安尺度得点は,ストレス状況に対して状態不安 を喚起させやすい傾向を反映する。この特性不安は安定した個人 内特性であるとされている。STAI−JYZの標準得点に基づく評定 においては,44点以下は低群,45点から55点未満は中群,55 点以上は高群と区分されている。今回の得点の平均値は46.7点 であり,中群に区分された。度数は, 表6−1STAIの結果. 低 中. 合計 欠損値 合計. パーセント. 73 69 32 174 17 191. 38.2 36.1. 16.8 91.1 8.9. 結果となった。. 度数. 古同. 表6・1のとおりである。不安高群は回 答者全体の20%以下であり,養護教諭 はとくに不安傾向が強いわけではない. 100.0  対象をSTAIの特性不安尺度平均値 で高群と低群の2群に設定した。養護教諭リスク認知尺度の5因. 子との一要因の分散分析を行ったが,有意差は見られなかった。. リスク認知と不安には別の要因が絡んで影響を及ぽすと考えら れるため,二要因の分散分析を行ったところ表6・2のような結果 を得た。その結果,ヒヤリ度に対する特性不安の有意な主効果は みられなかった。. 24.

(28) 表6−2 独立 数. 養護教諭のリスク認知尺度と不安に関するの2要因分散分析. 『. 不安 不安. 一 一 一 『. 不安. 一 一. 不安. F値. 校内の 教師の安 頭頸部 養護診 安全管 携 意識. 不安 不安 不安 不安. 従属変数ヒヤり度. 独立変数 自尊感情 自尊感情. P=.01. 楠見リスク(不安) 楠見リスク(生命) 楠見リスク(志向) 楠見リスク(志向) 楠見リスク(全) 楠見リスク(全). P=.002 F(1,182〕ニ9446 F(1,181〕ニ6.279. P=.013. P=.027 F(1,180〕ニ4.948 P=.048. F(1,180)ニ3.955. P=.038. F(1,177)ニ4.388. F(1,177)=4.689. P=.032. 経験年数 子どものヒヤリ 子どものヒヤリ 教師のヒヤリ 教師のヒヤリ 全ヒヤリ経験. F(1,184〕ニ6.706 F(1,175)ニ3.083. P=.081. F(2,178)=3.736. P=.026 P〈.001. F(1,175)ニ10.775 F(1,175)=5.391. P=.021. F(1,167)=5.544. P=.02. F(1,167)ニ8.616. P=.004. P=.092. F(1,160)=2.878. P〈.1以下のものを示す. (2)特性不安と自尊感情.  自尊感情についても合計得点の平均値で高群,低群の2群に設 定し特性不安と二要因の分散分析した(表6・3参照)。 表6−3不安と自尊感情による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD). 群群 群群群 低高低高低高. リスク認知尺度の第五因子『安全管理』において有意な交互作用 (F〔1,184〕=6.71 Pく.05)がみられた。単純主効果の検定を行っ. たところ,図6−1のように自尊感情低群において,ヒヤリ度は不. 安高群のほうが不安低群よりも5%水準で有意に高い結果とな った。. 25.

(29) 安全管理.   7.60   7.40.  攣  賓720「  「  匙700         一・+自軍低群1 . ヨ十 陪.  .  憲6£・.  コ  辛6.60  ”   6.40   6.20.      1_9_一一…. 一 一  一   .    7        ,. 一一. 一←一.    一.      不安低群     不安高群. 図6・1特性不安と自尊感情によるヒヤリ度.  第三因子『頭頸部外傷』においても交互作用に有意傾向(F 〔1,175〕ニ3.08 :P<.10)がみられ,単純主効果の検定を行った. ところ,以下の2つの結果が得られた。一つは自尊感情が低い場 合,不安高群のほうが不安低群よりもヒヤリ度は危険率5%で有 意に高い結果となった。もう一つは不安低群の場合,自尊感情高 群のほうが低群よりも5%水準で有意に高いことが認められた。 (図6−2参照) 頭頸部外傷 0 0 0 0 0 0 0 0. 47 27 06 86 66 46 26 0 7   鍔き叢警㌻. 「. 一←自尊低群. 1+自尊高群 」.   不安低群      不安高群. 図6・2. 不安低群における自尊感情ヒヤリ度の変化. (3)リスク志向・回避態度尺度による影響. リスク志向・回避態度尺度とは,リスクを求める,あるいは避 26.

(30) ける態度をどの程度持っているかということを測定するため楠 見が作成したものである(楠見,平山,2005)。下位尺度の第一 因子は「一般的不安」(以下「一般不安」),第二因子は「生命リ スク回避」(以下「リスク回避」)第三因子は「金銭リスク志向」. (以下「リスク志向」)の3尺度で構成されるものである(以下 「楠見リスク」)。今調査ではこれを使用した。この結果から得点. の平均値で高群と低群に2群した。.  特性不安の2群と(2×2)二要因分散分析を行った結果,(表 6・4参照)まず楠見リスクの全体得点においては,リスク認知尺 度の第二因子『教師の安全意識』では,楠見リスク(全体)の主 効果〔F〔1,177〕=4.69P<.05)が有意であった。また第四因子 『養護診断』においても有意な主効果(F〔1,177〕ニ4.39P<.05) がみられた。 表6−4不安と楠見リスク志向・回避態度尺度のよる養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD).                           ヒ    くすみリ. 特性不安スク(全)平均値(SD)平均値(SD) 平均値(SD)平均値(SD)平均値(SD)平均値(SD) 低群        , 2.96 10,31 2.75  . 1.3311.551.29 . 1.78  , 6,74 同群.                   11.58       11.91  2.75  11.51    3.26   7.12  1.43  11.18  1.47  7.29  1.46  49.00  7.80.  楠見リスクの各下位尺度でも同様の分析を行った結果,楠見リ スクの「一般不安」では,リスク認知尺度の第五因子『安全管理』 において,特性不安と「一般不安」の交互作用〔F〔1,182〕ニ9.45. P<.005)に有意差がみられ単純主効果の検定をすすめた。特性不. 安が高い場合「一般不安」も高群において低群よりもヒヤリ度が. 1%有意水準において高い結果となった。「一般不安」には「何 かにつけてよく心配する方である」などの項目がある(表6−5参 照)。. 27.

(31) 表6−5特性不安と楠見リスクの一般的不安. 値46. 均. 値漸39143244. ク. 促454844. ス安. 群 体. 見般群群群群群群 楠一低高低高低高.  安. 畜理. 512.0 611.3 941.8 291.4.  .  「リスク回避」の項目には,「ホテルでは避難口を確認する」r車 に乗るとき事故の多い座席はさける」などがある。「リスク回避」. の場合,リスク認知尺度第二因子『教師の安全意識』において有 意な主効果(F〔1,181〕6.28 P<.05)が認められた(表6−6 参照)。. 表6−6特性不安と楠見リスクの「リスク回避」による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD). 安リス1. 勾値.  低群  高群  低群  高群  低群  高群. 面 煙 0.44 1.51.   1.53. 0。35. 直4830143340. ヶ避.  楠見. また「リスク志向」の場合,第5因子『安全管理』において「リ スク志向」と特性不安の有意な交互作用(F〔1,180〕=4.95P<.05). がみられた。下位分析をすすめたところ特性不安が低い場合「リ. スク志向」では,高群のほうが低群よりも危険率5%で有意に高 い結果となった。. またリスク認知尺度の第四因子『養護診断』においても有意な 交互作用がみられ(F〔1,180〕=3.96P<.05),単純主効果の検定. 28.

(32) を行ったところ,不安が高い場合,「リスク志向」は低群のほう がヒヤリ度は5%水準で有意に高い結果となった。rリスク志向」. の項目には「ギャンブル志向」や「臨時収入が入ったら使ってし まう」などがある(表6・7参照)。 表6−7特性不安と楠見リスクの「リスク志向」による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD) 言 員多 のi女 息言 頭 部 笏 父 の’乃 女 呂理.     楠見リスク:. 性不安リスク志向. 低群  低群    高群 高群  低群    高群 低群 群. 平均値(SD 平均値(SD) 11,583.21. 2,462.51 11,982.62. 1,552.86 11,752.96. 1,952.73. 10.64  2.83. 1.44  3.43 11.41  2.95. 0,69  3.54 10.97  2.89. 1.02  3.49. 平均値(SD) 平均値(SD) 平均値(SD). 6.89 142 .95 1,45. 7.24 1.50. 11.33 1.47. 6.69 1.72. 1,460.88. .51 1.10. 11,680.52. N 55. 9 41. 7.34 1.61. .06 1.76. 1.06 1.69. .08 1.89. 7.04 1.46. 11.48 1.17. 6.97 1.69. .01 1.62. 1.24 1.40. .27 1.60. 9 96. 8. (4)経験と不安による影響  まず子どものヒヤリ経験と教師のヒヤリ経験と信頼のヒヤリ 経験の有無を単純加算し全体のヒヤリ経験とし,全体のヒヤリ経 験と特性不安(2×2)で分散分析した(表6・8参照)。 表6−8特性不安とヒヤリ経験(全)による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD) 父 の. 不 ヒヤリ. の  忌言 頭 部 砺. 平 巨 SD) 平 匝SD). 低群  少群    多群. 11.81 2.91. 局    ,、. 11.27 2.24 11.19  3.35.    多群 全体  少群    多群. 11.54 2.59 10.69  3.28 2.03 2.94 1.12  3.17. 1.97 2.97. 209 2.94. 10.19  3.20. 1.22  3.01. 1.00  3.37. 量診断. 目理. 平 匝SD) 平 置 SD) 平 匝 SD) 6,731.66 ,101.21 7,501.14. ,021.81. 11.19 1.81. N. 7.04 1,31. 1.49 0.99. .54 1.73. 11.31 1.44. 7.14 1.69. 1.42 1.08. .92 1.80. 7,121.46. 11.25 1.62. 7.” 1.57. .06 1.52. 146 1.03. .13 1.79. 26. 6 59. 3 85. 9.  第三因子『頭頸部外傷』において交互作用に有意傾向(F〔1,160〕. =2.88P<。10)がみられた。下位分析を進めるとヒヤリ経験低群. では,特性不安は危険率10%で高群のほうが低群よりも高い傾 向があった。.  子どものヒヤリ経験と特性不安について,(2×2)分散分析を. 行った(表6−9参照)ところ,リスク認知尺度の第1因子『校内 の連携』において交互作用(F〔1,175〕=5.39Pく.05)が有意で. あった。下位分析を進めた結果,以下の2つの結果を得た。子ど.

(33) ものヒヤリ経験がない場合,特性不安が低群のほうが高群よりも. 5%水準で有意にヒヤリ度は高い。また特性不安が高い場合,子 どものヒヤリ経験はあるほうがないよりも1%水準で有意にヒ ヤリ度は高くなることが認められた。 表6−9特性不安と子どものヒヤリ経験の有無による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD.         父 の’乃  の  忌言頭 。 砺 ヨ診断 女 目理.  第四因子の『養護診断』では,子どものヒヤリ経験の主効果(F 〔1,175〕=10.78P<.001)に有意差がみられ,養護診断にヒヤリ. 経験が大きく影響していることが示唆された。.  信頼のヒヤリ経験については有意差はみられなかった。.  教師のヒヤリ経験について,不安との分散分析の結果から教師 のヒヤリ経験に主効果が第1因子『校内の連携』,(F〔1,167〕 =5.54 Pく.05)第2因子『教師の安全意識』(F〔1,167〕=8.62. P<.005)にみられた(表6・10参照)。. 表6−10特性不安と教師のヒヤリ経験の有無による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD 市の女 思、置 頭 。 笏 父 の㌧ 言診断 女 目理 、 不:女 市ヒ 平 置(SD 平 厘(SD) 平 巨(SD) 平 暉(SD) 平 巨(SD) N 29 11,173.45 9.62  2.69 6.72 1.62 低群  なし 6.59 1.52 11.07 1.81      あり. 局    まし      あり. {  なし    あり. 2,162.78 11,092.65. 2,252.71 11,133.03. 2,202.73. 1.49  3.12. .16 1.26. 1。54 0.91. .26 1.54. 7.24 1.77. 11.39 1.30. 7.18 1.99. .12 1.58. 1.27 1.40. 。19 1.60. 10.02   3.03   6.94  1.68. 11.24 1.55. 6.97 1.83. 1.48   3。23   7.14  1.42. 1.41 1.17. .23 1.56. 10.36  3.31. 1.46  3.38. 7. 33. 2 62 09.

(34)  経験と不安における分散分析を行った結果(表6−11参照)も 経験年数において,第二因子『教師の安全意識』で経験年数の主 効果(F〔2,178〕ニ3。74P<.05)がみられた(図6−4参照)。.     中堅     ベテラン. .79 1.50. 1.46 0.98. ,631.28. 1.43 3.30. .14 1.29. 1.09 1.67. .57 1.85. 12.00 2.83. 10。04 2.91. 7.14 1.48. 11.36 1.39. 7,182.07. 1,83 2.52. 1.46 3.09. .39 1.55. 1.44 1.29. 1.48 3.07. 1.26 3.90. .70 1.87. 1.22 1.31. 12.25 2.51. 10.07 2.74. 7.03 1.43. 11.49 1.13. 2.06 2.67. 1,49 3.12. .17 1.55. 1.45 1.17. 1.24 3.27. 1、36 3.52. .97 1.54. 1.14 1.53. 2.46 2.92. 1.54 3.24. 1.09 3.42. 局    右     中堅     ベテラン. 全体  若手     中堅     ベテラン. N 33. 28. ,201.60 ,261.66 7,201.65. 61. ,351.49 ,841.79. 教師の安全意識 1     1    1     1     1. 0  ハU  O   O  O  O  hU O 950,505ρ 2  1  1  α  0  9  9.  個嚢降e唾嘩警㌻. 不安低群      不安高群 図6−4. 特性不安と経験年数によるヒヤリ度の差.  これらから,経験年数が上がってくると,教師のひやりとする 言動を目にすることも多く,ヒヤリ度は高くなっていると考える。. 31. 435123558.  表6−11特性不安と経験年数による養護教諭リスク認知尺度得点の平均値(SD) 而の女 息昌 頭 部 砺 言診断 女 目理 父 の連乃 平均旦(SD) 平均厘(SD) 平均阻 (SD) 平均厘SD) 平 厘SD) 不女浬 6.94 1.39 11.61 0.86 7,211.22 10.09 2.64 12.45 2.24 低群  右手.

(35) IV 考察 1 養護教諭リスク認知尺度について  学校安全は安全教育と安全管理が一体となって推進すること により始めて成果をあげるものである。三木(2001)によれば保 健室の運営にあたる養護教諭は,けがや事故を起点としてその背 景の分析と要因に対する適切な処置そしてアフターケアまでを, 一連の教育活動として総合的に展開する必要があると述べてい る。今回の養護教諭リスク認知尺度はそういった養護教諭の安全 意識の実態を把握するため作成した。.  養護教諭リスク認知尺度の作成に当たっては同じヒヤリ場面 に対して①個人責任との関連性と②ヒヤリ度を別々の調査とし て実施した。.  因子の命名については①個人責任との関連性では表2・①のよ うに,因子分析の結果得られた4因子を『校内の連携』『教師の 安全意識』『事故の危険性』『頭頸部外傷』と命名した。.  そして②ヒヤリ度では表2・②参照で,先ほどの①『事故の危 険性』は②のヒヤリ度では『養護診断』と『安全管理』に分かれ た。それ以外は①と同じように命名した。.  ①のα係数は0.8以上あり,内的整合性のある結果となった。 ②については0.78,0.74,0.65,0.66,0.61で必ずしも十分な 整合性は得られなかったが,このことに留意して分析を続けるこ. ととした。①個人責任との関連性と②ヒヤリ度の1要因分散分析 の結果,y「子どもが倒れたとき」(表3参照)以外は,すべて の項目に有意差がみられ,強く影響することがみられた。. 2 プロフィールの分析について  ヒヤリ度の各下位尺度はA県C地区とその他による地域差は みられなかった。.  また,養護教諭免許の種類(1種,2種)によるヒヤリ度に有 32.

(36) 意差はみられなかった。これは養護教諭免許が1種でも2種でも 同様の職務をこなしていることから,差はみられないと考えられ る。ヒヤリ度は養護教諭の免許の種類よりも複数配置,学校の規 模などの現任校の状況や経験年数や看護師免許の有無などの経 験,資格による影響が大きいことがわかる。.  今調査より第一因子『校内の連携』において,大規模校では看 護師免許がある者のほうがヒヤリ度は有意に低いこと,また経験. 年数25年以上のベテランの者は若手や中堅に比べて有意にヒヤ リ度が低いことが認められた。大規模校では事故も頻繁にあり, また学校行事に追われ児童生徒の情報整理・継続観察・関係教師 との話し合いなど児童生徒数の増加に伴って小規模校や中規模 校,複数配置校よりも一人の養護教諭への負担は増える傾向にあ るのかもしれない。そんな中,職員の協力なしでは学校が機能し ないため,生徒指導部や学校保健部などが機能し,養護教諭と連 携して学校保健や学校安全が推進されることになる。そのため責 任を養護教諭一人で抱え込まず,組織でわけあうことができる。 大規模校においては職員の人数も多く,組織で連携が図れること がヒヤリ度を低くしている要因の一つなのではないかと考える。 25年以上のベテランの者は協力できる体制作りについても経験 から熟知しているため,有意に差が出たのではないかとも考える。. また看護教育を受けた経験や養護教諭の経験を深めることで,危 険性や予後を予測して対応することができ,ヒヤリ度は低くなる のではないかと考えられた。萩野,林,江原,木村(2002)は養 護教諭の学校保健活動展開の困難要因について調査したところ,. 「20年以上の経験者群は,自らの実践に対する自信,確信がも てる傾向にある」といっていることも今回の結果を裏付けるもの である。.  しかし学校規模が大きいはずの複数配置校においては,ヒヤリ 度に有意差が見られなかった。複数配置校では児童生徒数や何ら. かの理由で経営困難があり養護教諭が複数配属されている。その 33.

(37) ため養護教諭が複数あり執務を分け合えるが,単に負担が減るだ けではヒヤリ度には影響しないということになる。一見先ほどの ベテラン群におけるヒヤリ度は「大規模校では他の教師と連携し 有意に低くなるが複数配置校では低くはならなかった」という点 と矛盾するが,複数配置については先行研究においても賛否両論 があり相殺されてしまうのだろうか。.  後藤,山崎ら(1998)の先行研究で,複数配置の際に不安なこ とに4割以上が「養護教諭同士の人間関係」,2割以上が「他教師 の協力が得づらい」とある。また,津村,岩淵(2001)によると 複数配置の問題点としてr職務分担の難しさ」が挙げられている。. これらの先行研究から職務分担をすると自分の担当していない 職務には関心が薄くなったり,また責任の所在があいまいになっ たり,複数の養護教諭がいることで組織の協力も得られなくなっ たりするのではないかと述べられている。  複数配置の利点として,「相談・検討ができる」「精神的に楽に. なる」r研修・出張にでやすい」とあり,r救急処置や校内外の巡 視は複数配置の効果が現れやすい」(2001石原ら)とするものが ある。.  一人配置の時には小・中の校種間に差は見られないが,複数配 置がある場合に,中学校の方がヒヤリ度は低いのは,複数配置に よるメリットが中学校の方が現れやすいのかもしれない。小学校 では「学級王国」であり,クラス担任以外では対象児へのかかわ りは少ない。そのため養護教諭の負担は大きく,複数になっても ヒヤリ度は高いが,中学校では多数の教員が子どもに関わること が多く,連携がとりやすいのではないかと考えられた。また発達. 段階にある児童を対象にする小学校の方がより子どもの安全に 配慮を要するのかもしれない。.  中学校の場合,けがの重症度が高く一人配置だとヒヤリ度は高 いと思われるが,複数配置だと二人で相談できたり,心強くなっ たりして負担が軽減されるのかもしれない。 34.

(38)  また中学校の場合,中学生は身体的に成長しており,今回の質. 問項目のような軽微な事故の場面ではヒヤリ度はさほどは感じ ないのかもしれない。組織との連携がとれない状況では,学校で 感じる孤立感は軽減されず,養護教諭がしなければと精神的に張 り詰めるヒヤリ度は軽減されないのかもしれない。心理的な負担 の軽減には職種間の相互理解があってこそ養護教諭が安心して 執務に当たれるのではないかと考える。. 3 リスク認知と不安への影響.  今調査の結果,相対的にみると,特性不安の得点は平均46.7 点で平均的であった。不安とは『情緒障害事典』(1977)による と,予期される不幸な状態に対する恐れであり,認知や学習は不 安によって影響される。また苦痛を体験した刺激や環境は不安を 生じ,生体の一般的活動性を高める。すなわち遂行行動を促進し,. 学習速度を増すとある。少しの不安やヒヤリ経験は安全対策への 指針となりうる。.  しかし不安が高いと過度の不安を引き起こし防衛機制が働き, 遂行行動を抑制するかもしれない。リスク認知も防衛機制が働く と認知を受け止めず,リスクに鈍感になる可能性もあり,不安の. 高さはリスク認知に強く影響すると考えた。ここでいうリスク認 知とは養護教諭が専門職として,責任ある職務上のリスクを認識 するということである。.  しかし,不安とヒヤリ度において一要因の分散分析の結果,有 意差はみられなかった。このことから,ただ不安で予期される不 幸な状態を恐れているだけでは,リスク認知が高められるわけで はないといえる。.  そのため,リスク認知には不安と他の要因が絡み合って影響を 及ぼすと考え,二要因の分散分析を行った。やはり不安による主 効果はみられず,リスク認知には不安と他の要因との交互作用が あり,ヒヤリ度になんらかの影響を及ぼしているという結果を得 35.

参照

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