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学習における「わかる」という意味の考察~分数のわり算を用いて~

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Academic year: 2021

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(1)学習におけるrわかる」という意味の考察 ∼分数のわり算を用いて∼ 専 攻   学校教育学専攻 コース   教育コミュニケーションコース. 学籍番号  M05010H 氏 名   門田 龍太 第1章  r問題意識と研究の目的」. 象に2008年12上旬に行った。.  教える立場にたつと、誰しもが考えることがある。.  実験の課題を視覚的にとらえ、わかってもらいや. それは、教えたことが子ども達は本当に「わかって. すくするために、rおもひでぽろぽろ(91年、高畑. いるのか?」ということである。つまり、子ども達. 勲監督)」の一場面をVTRで、被験者達に見てもら. にとっては、自信を持ってrわかっている」という. った。そこで、登場する「3分の2÷4分の1」と. 感覚を持っていたとしても、教える側にすればrわ. いう「分数同士の割り算」を、主人公の女の子が理. かっていない」のではないか、と疑問を抱く場面が. 解できるように、わかりやすい説明を、r他者と教え. 多いということである。この場合、本人にとっては、. 合う」という方法をとりながら、考えてもらった。.  彼らの思考過程を詳細に分析していくため、実験. 「わかっている」状態なのであるから、それ以上rわ. かろうとする」ことをやめてしまう。西林(1999). 中のVTRとI Cレコーダーの音声記録から、被験. も、「わかっている」という状態であれば、それ以上. 者ごとに、実験中のr発言」やr仕草」、r表情」な. に考えることをやめてしまう危険性を指摘している。. どを、時系列にそって、文字データとして書き起こ. これは「わかったつもり」の状態であり、その後の. した。以後の分析は、この資料と、実験中に被験者. 学習において、「わかったつもり」でいたために、「理. が書いたメモ、及び実験後のインタビューのメモを. 解できない」状況に陥ったりすることが考えられる。. 屯とに行った。.  本研究では、高校生及び、教員を目指す大学生、. 第3章 「結果と考察」. 一般社会人を対象にし、一度rわかっている」状態.  Tは、最初はr解ける」状態にあったので、r逆数. になっていることを、rわかっていない」状態にする. にしてかける」という法則的知識は習得されていた. ことよって、今までrわかっている」状態になって. ものと考えられる。記憶の中から「3分の2の中に. いたことが、実はrわかっているつもり」であった. 4分の1が何個入っているのか」という個別的知識. ことに気付かせる。そして、r他者と教え合う」とい. ①とr中は中、外は外でかける」という個別的知識. う作業を繰り返しながら、「わかっていない」状態か. ②が検索されたものの、法則的知識とは結びつかず. ら、「わかっている⇔わかっていない」というサイク. rわかっていない」状態が続いている。教科書の中. ルを通して、rわかっている」状態に移り変わってい. からは「割られる数と割る数の両方に等しい数を掛. く思考過程を、実験中の「発言」「仕草」と、「実験. けて割っても答えは同じ」という個別的知識③を習. 後の振り返りのインタビュー」を観点として、詳細. 得するが、法則的知識とは結びつかず「わかってい. に分析する。そのことを通して、「わかる」という意. ない」状態が続いている。Tは自分の中で説明する. 味を考察していくことを目的とする。. ためのストーリを考えながら、あまり人の意見を聞. 第2章  「方法」. かずに突き進んでいたために、他の2人よりも接続.  被験者は、高校普通科3年生の17歳女性(T)1. 用知識を習得することが遅れてしまっている。しか. 名、大学初等教育学部1回生の21歳男性(Y)1. し、YやFの発言などをヒントに、r単位量あたり1」. 名、高等専門学校建築科を卒業して7年目の飲食店. という接続用知識を獲得している。このストーリー. に勤める社会人の27歳男性(F)1名、計3名を対. を考えている最中の言動などによって、Tがrわか 一2一.

(2) りかけている」⇒「わかったりわからなくなったり. の割り算が結びついて、rわかっている」状態に至っ. の繰り返し」⇒rわかりかけている」の状態を経て. ていることがわかる。. いることがわかる。そして、法則的知識と個別的知.  Fは、接続用知識のみで「整数÷整数」「分数÷整. 識③が接続用知識を介して説明できることによって、. 数」を説明していたと考えられ乱Fの場合は、接 続用知識を用いて、「整数÷整数」の創作問題の説明. 「わかっている」状態に至っている。.  Fは、最初は「解ける」状態にあったので、「逆数. を行ない、接続用知識が割り算でどのようにいかさ. にしてかける」という法則的知識は習得されていた. れているのかを確認をしていると考えられる。この. ものと考えられ乱Fの場合は、他の二人とは違い. 説明がうまくいくと、次は「分数÷整数」の創作問. 「単位量あたり」という接続用知識が早い段階から. 題では、「整数÷整数」でなされた手順を手がかりに、. 獲得されている。Fの場合は、その後、法則的知識. 説明が行なわれていると考えられる。また、次は「整. と接続用知識を用いているが、すぐに「わかってい. 数一分数」の創作問題の説明では、「分数一整数」で. る」状態には近づいてはいない。その間、Fのイン. なされた手順と法則的知識を手がかりに、説明が行. タビューの発言からもわかる通り、rわかりかけてい. なわれていると考えられる。そして、最後のr分数. る」⇒「わかったりわからなくなったりの繰り返し」. ÷分数」では、r整数÷分数」r分数÷整数」でなさ. ⇒「わかりかけている」の状態を経ていることがわ. れた手順と法則的知識を手がかりに、説明が行なわ. かる。. れていると考えられるのである。.  Yは、最初は「解ける」状態にあったので、「逆数.  つまり、接続用知識と法則的知識を用いながら、. にしてかける」という法則的知識は習得されている. 「整数÷整数」⇒「分数÷整数」⇒「整数÷分数」. ものと考えられる。2÷3÷1÷4と課題をすべて. と考え、これら3つの問題で説明された手順を手が. 割り算に書き直す方法をとり、試行錯誤を繰り返し. かりに、「分数÷分数」という問題が説明され、Fは. てはいたが、答えを電卓でだすと、3分の8になら. rわかっている」状態に至っていることがわかる。. ないことを悟っている。教科書中から新たな考え方. 第4章 「全体的考察」. が頭に入ってきたことにより「3分の2を4分の1.  被験者達は、同じように「わかっていない」状態. 個にわけると3分の8になる」という考え方が習得. からrわかったりわからなくなったり」状態を経て、. rわかっている」状態に至っている。しかし、その. され、それが後にまとめられr3分の2が4つ分で 3分の8」という個別的知識Iが習得されている。. 思考過程は、被験者それぞれ全く違うものであり、. しかしながら、法則的知識と個別的知識Iが結びつ. 最終的にはrわかる」という感覚もそれぞれが違う. かず「わかっていない」状態が続いている。. ように表現していた。一重にrわかる」とは言うが、.  Yは、例えば、Fの曜日間題では、理解を示し、. そこに辿り着くまでには、幾重もの道筋があること. それを自分なりの言葉で解釈しようとするが中々う. がわかる。また、「理解すること」「閃き納得するこ. まく説明できずにいたりと、「わかりかけている」⇒. と」「人に説明できること」など、いくつもの異なる. 「わかったりわからなくなったりの繰り返し」⇒「わ. rわかる」という終着点があると考えれば、筆者に. かりかけている」の状態を経ていることがわか乱. は、rわかる」とは、様々な可能性を秘めた花のよう.  Yは、筆者の質問により「単位量あたり1」とい. に思えてくる。「わからない」という種から、どんな. う接続用知識を習得することにより、整数同士の割. 「わかる」という花を咲かせることができるかは、. り算によって、その知識が正しいことを確かめ、自. その花の種と向き合う私たち自身にかかっているの. らが創作したペンキの問題によって、法則的知識と. である。. 個別的知識Iが接続用知識を介して結び付けられ、 理解が進んでいるが、その考えを説明しきることが. 主任指導員  安部 崇慶. できなかったためrわかっている」状態には至って. 指導教員   宮元 博章. いないことがわかる。しかし、Fの店員問題により、. Tと同様r私が得意とする小さな世界」と分数同士 一3一.

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参照

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