《資料》高校生の書字力を伸ばす書教育についての課題調査 ―〈「書くこと」と「文字文化」に関するアンケート〉の集計結果と分析・考察 ―
12
0
0
全文
(2) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). 本稿の報告では、紙面の都合上、属性項目別. 【 問1 】 a.「 ある 」 と 回答し た人の通っ ていた年数 25. の集計結果と分析・考察は割愛する。今後の調. 20. 査において比較する際に活用していく予定であ. 15 10. る。. 5 0. 半 年 半. 2.集計結果と分析・考察. 未 年 満. 【問 1】これまでに習字教室や書道教室に通っ. 人数 5. 1. 1年 未 1年 満 1. 6. 1年 半. 2年 3年. 3~4 4~5 8年 10 11 12 4年 5年 6年 7年 8年 9年 X 年 年 年 年 年 半. 1 11 16 1 22 1. 5 18 5 11 1 14 9. 2. 6 10. a.「ある」と回答した人の通っていた年数を. ていたことはありますか。 【問1】では、学校教育外における書教育の. 見ると、 「4 年」が一番多く、年数の最長は「12. 経験について問うた。ここでは、経験の有無と. 年」であった。現在も継続中の者は特定できる. 書写力の関連を把握することの他に、 「ある」の. 者だけで 11 名いた。また、不特定だが記述か. 回答数が多ければ、その地域には教室や塾など. ら継続中と読み取れる者が 7 名おり、計 18 名. 習う環境が身近にあり、習い事の一つとして習. 程度が現在も継続中と思われる。. 字・書道が確立しているものと思われる。地域 に根付いた書教育の文化がうかがえるのではな. 【問 2】文字を書くことは好きですか。. いかと考え、この問いを設定した。. 【問 2】では、文字を書くことに対する意識 について問うた。. 【 問1 】 【 問2 】. b.「 ない」 65.8% ( 283名). a.「 ある 」 34.2% ( 147名). e.「 嫌い」 1.4% ( 6名). f.「 大嫌い」 0.2% ( 1名). d.「 あま り 好き ではない」 15.3% ( 66名). a.「 大好き 」 5.3% ( 23名). b.「 好き 」 30.6% ( 132名). c.「 ま ぁ ま ぁ 好き 」 47.1% ( 203名). a.「ある」の回答は 34.2%(147 名)で、3 割にのぼっていた。比較調査を行っていないた. 回答率が高い順に列挙すると、c.「まぁまぁ. め、一概には言えないが、比較的「ある」の回. 好き」 、b.「好き」 、d.「あまり好きではない」 、. 答が多く見受けられ、地域に根付いた書教育の. a.「大好き」 、e.「嫌い」 、f.「大嫌い」という結. 文化をうかがえる結果であった。今後、他の地. 果であった。また、6 つの選択肢を「好き」 ( 「大. 域(関東・関西圏)の高校生へ調査を実施し、. 好き」 「好き」 「まぁまぁ好き」 )か「嫌い」 ( 「あ. 比較調査を行うことでより明確な数値にしたい。. まり好きではない」 「嫌い」 「大嫌い」 )かに分け ると、 「好き」83.1%(358 名) 、 「嫌い」16.9%. a. 「ある」と回答した人の通っていた年数3。. (73 名)となり、 「好き」の回答率は 8 割にの. 3. してしまった。本アンケートの分析では、回答 者が記述したものを全て年数に改め、年数計算 ができないもの、 特定できないものは x とした。. 本アンケートでは回答欄を記述形式にしたた め、通っていた年数と時期(年齢)のどちらか (あるいはどちらも)が不明である回答が存在 69.
(3) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). ぼった。この結果から比較的、文字を書くこと. ある。文字を書くことが好きであるからこそ、. が好きな生徒が多く在籍しているものと思われ. “もっときれいに書きたい”“もっと上手にな. る。. りたい” などの向上心が芽生え、 それに比例し、. 「嫌い」の回答は 6 名、 「大嫌い」の回答は 1. 満足度の到達点も高くなっていくものと思われ. 名のみで、文字を書くことに対する抵抗感を持. る。. っている生徒は少ない傾向にあると思われる。. 【問 2】と同様、選択理由について調査する必. 文字を書くことのどういった点が「好き」で. 要がある。. あるのか、 「嫌い」であるのか。今後の調査では 選択理由についても調査する必要がある。. 【問 1】~【問 3】の全体の傾向が分かったと. 「学会アンケート」とは選択肢の語に異なり. ころで、 【問 1】で問うた経験の有無別に【問 2】. はあるが、おおよそ同じ傾向であった。. 【問 3】の結果を見る。 【 問1 】 と 【 問2 】. 【問 3】自分が書く文字について、満足してい. 6.8 4.6. a.「 大好き 」. ますか。. b.「 好き 」. 44.2 48.4 8.8. d.「 あまり 好き ではない」. 0 0.4. f.「 大嫌い」. c.「 あま り 満足し ていない」 51.0% ( 219名). 0. a.「 と ても 満足し て いる 」 1.9% ( 8名). 18.7. 1.4 1.4. e.「 嫌い」. 問うた。 d.「 全く 満足し ていない」 11.0% ( 47名). 38.8. 26.5. c.「 ま ぁ ま ぁ 好き 」. 【問 3】では、書き文字への満足度について. 【 問3 】. ( 数値単位( %) ). 10. 20. a.「 ある 」. 30. 40. 50. 60. b.「 ない」. 「大好き」 「好き」では通っていた経験の「あ る」者のほうの割合が高く、 「まぁまぁ好き」 「あ. b.「 ある 程度満足し ている 」 36.1% ( 155名). まり好きではない」では通っていた経験が「な い」者のほうの割合が高い結果となった。経験 の有無は好き嫌いの一つの要因になるものとう. 回答率が高い順に列挙すると、c.「あまり満. かがえる。. 足していない」 、b.「ある程度満足している」 、 d.「全く満足していない」 、a.「とても満足して. 【 問1 】 と 【 問3 】. いる」という結果であった。また、4 つの選択. 2.7 1.4. a.「 と て も 満足し て いる 」. 肢を「満足している」 ( 「とても満足している」. b.「 ある 程度満足し ている 」. 「ある程度満足している」 ) か 「満足していない」. c.「 あま り 満足し ていない」. 32.5. 0 0.7 0. a.「 ある 」. 名) 、 「満足していない」62.0%(266 名)とな り、 「満足している」は 4 割を下回った。. 53.4. 8.8 12. 空欄. い」 )かに分けると、 「満足している」38.0%(163. 42.2 46.3. d.「 全く 満足し て いない」. ( 「あまり満足していない」 「全く満足していな. ( 数値単位( %) ). 10. 20. 30. 40. 50. 60. b.「 ない」. 「とても満足している」 「ある程度満足している」. 【問 2】の結果では比較的、文字を書くこと. では、通っていた経験の「ある」者のほうの割. が好きと回答した者が多かったが、自分が書く. 合が高く、 「あまり満足していない」 「全く満足. 文字について満足しているとは限らないようで. していない」では通っていた経験が「ない」者 70.
(4) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). のほうの割合が高い結果となった。 【問 2】と同. なったりと書字動作に乱れが生じる。授業見学. 様の傾向が見られ、経験の有無は満足度の要因. において書字動作を観察したところ、筆記具を. にもつながるようである。. 握り込むように持っていたり、紙面と顔が近く. 経験の有無に関わらず、書写書道の授業を好. なっていたりと、 乱れている様子がうかがえた。. 適な経験の場とすることで、全員の意識・満足. 書字動作・姿勢を再確認する指導が必要である. 度が高まるようにしていける可能性を示唆して. と考える。. いる。. 「右上がり」の回答は思いのほか多数で、文 字をとらえる時の概念として「右上がり」の視. 【問 4】あなたの書く文字には、どのような印. 点は多くの生徒に根付いていることが分かる。. 象や特徴があると思いますか。. 「右上がり」になるのは右手で書字するため、. 【問 4】では、書き文字に対する意識(とら. 必然的なものである。しかし、極端に「右上が. え方)について問うた。. り」になるのは、読みにくさにつながる。授業 見学の際に、書字物(ノート・プリント等)を. 【 問4 】 185 141. 130. 24. 43. 右斜め向きに置き書字する者が見受けられた。. 167. この点についても、やはり、書字動作・姿勢の. 129 86. 79 48. 9. 10. 14 10. 37. 27. 乱れが関連しており、改善を図られることが求. 24 28. められる。. 12 19 「 t.その他」. 「 s.右下がり」 「 r.右上がり」. 「 q.丸形」 「 p.正方形」. 「 o.横長」 「 n.縦長」. 「薄い」 m. 「l.濃い」 「 k.弱弱しい」. 「 j.やさしい」 「i.力強い」 「 h.かわいい」. 「 g.小さい」 「 f.大きい」 「 e.乱雑」. 「 d.丁寧」 「 c.汚い」. 「 b.美しい」 「 a.きれい」. 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0. t.「その他」の回答について。 19 名の生徒から回答が寄せられた。. 回答数が多い順に列挙すると、l.「濃い」 、r.. 「その他」において目立った回答を分類する. 「右上がり」 、c.「汚い」 、e.「乱雑」 、f.「大き. と、 「その日その時によって文字が変わる」が 4. い」 、q.「丸形」 、i.「力強い」 、g.「小さい」 、d.. 件、 「バランス」についてが 3 件、 「くせ字」に. 「丁寧」 、n.「縦長」 、p.「正方形」 、m.「薄い」 、. ついてが 3 件であった。項目選択と同様の傾向. a.「きれい」 ・o.「横長」 、j.「やさしい」 、s.「右. で、 「~が悪い」などネガティブな記述が目立っ. 下がり」 、k.「弱弱しい」 ・h.「かわいい」 、 「美. た。良い印象を回答している者は「たっぴつ(達. しい」という結果であった(t.「その他」を除. 筆) 」と記述した 1 名のみであった. く) 。 ネガティブ要素を持つ項目の回答数が多い傾. 【問 5】日常生活において、勉強するとき以外. 向にあった。 特に目立った回答としては 「濃い」. で手書きすることはありますか。. と「右上がり」である。. 【問 5】では、学習活動以外での手書きの習. 見やすさ読みやすさの観点からすると 「濃い」 の回答が多かったことは、良い傾向と言えるだ ろう。しかし、 「濃く」書く過程に問題が生じて いることが懸念される。無理に筆圧を加えよう とすると、持ち方が崩れたり、書字姿勢が悪く 71. 慣について問うた。.
(5) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). 生徒が多いようである。 「友人などの誰かに宛てたメッセージ」は. 【 問5 】. 少々、選択肢の具体性に欠けてしまったが、相 b.「 ない」 28.0% ( 121名). 手への意識をもった書字も日常的にあるようだ。 a.「 ある 」 72.0% ( 310名). 「その他」の回答も 46 名の生徒から寄せら れた。これらの回答を分類すると、 「メモ」が 16 件、 「部活」が 11 件、 「ダイアリー」が 3 件、 「趣味等」が 20 件となった。 「メモ」については、 「手帳」に「メモ」を取. a.「ある」の回答率は 71.9%(310 名)で、. るものが多いと考え選択肢を設けなかったが、. 約 7 割程度の生徒が「ある」と回答していた。 参考として、平成 26 年度の「国語に関する. 「メモ」の選択肢を設けるべきであった。 「ダイアリー」は「手帳」と同内容であり、. 世論調査」4において同内容の問いがあったが、. 選択肢の提示方法を「手帳・ダイアリー」とす. 「ある」の回答は 7 割で同様の結果であった。. べきだった。 「趣味等」の回答内容としては、 「好きな歌詞. a.「ある」の回答内容について. を書く」 、 「小説」などがあり、文化面とのつな がりが見えた。. 【 問5 】 a.「 ある 」 の回答内容 e.「 その他」 8.1% ( 46名). 【問 6】伝統的な形式の手紙・はがき、年賀状. d.「 メ ッ セージ 」 26.7% ( 151名). c.「 手紙・ はがき 」 23.0% ( 130名). についてどのように思いますか。. a.「 手帳」 34.3% ( 194名). 【問 6】では、伝統的な書式の書字物を書く ことについて問うた。. b.「 日記」 8.0% ( 45名). 【 問6 】 a.「 手紙・ はがき は書いたこ と がない」. 1. b.「 年賀状は書いたこ と がない」. 1 19 26. c.「 書いて みたい」. a.~d.の選択肢は、高校生たちが日常生活で. d.「 形式・ 書き 方が分から ない」. 106. e.「 形式・ 書き 方を 身に付けたい」. 書くことが予想されるものを挙げ、 「その他」の. 338. f.「 大切な文化だと 思う 」. 101. g.「 手書き で 書く べき だ」 h.「 メ ールやLINEな ど のSNSがある ので 必要ない」. 選択肢を設けた。. 24. i.「 社会人になっ たら 書く こ と がある と 思う 」. 123. j.「 特に関心はな い」. 回答数が多い順に列挙すると、a.「手帳」 、d.. 27 0. 「友人などの誰かに宛てたメッセージ」 、c.「手. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 350. 400. 回答数の多い順に列挙すると、f.「大切な文. 紙・はがき」 、b.「日記」という結果であった。. 化だと思う」 、i.「社会人になったら書くことが. 「手帳」の回答が多かったのは、手帳が学校. あると思う」 、e.「形式・書き方を身に付けたい」 、 g.「手書きで書くべきだ」 、j.「特に関心はない」. で配布されているため、日ごろから書いている. d.「形式・書き方が分からない」 、h.「メールや LINE などの SNS があるので必要ない」 、c.「書. 文化庁(2015),平成 26 年度「国語に関する 世論調査」の結果の概要 〈問 14〉 「日常生活において,文字を手書きす る機会があるか。 」―「ある」72.7% 4. いてみたい」 、a.「手紙・はがきは書いたことが ない」 ・b.「年賀状は書いたことはない」という 72.
(6) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). 結果であった。. 「ボールペン」 「シャープペンシル」の回答が. 「大切な文化だと思う」が、他の選択肢に比. 多かった。 「ボールペン」に似た性質を持つ「万. べ圧倒的に多かった。また、 「手書きで書くべき. 年筆」は「シャープペンシル」 「鉛筆」を下回り、. だ」の回答も多く、日本の文化・手書き文字を. 「サインペン」と同数であった。. 大切に思う傾向は高校生時点でも持たれている. ⑵封筒. ものと思われる。. 【 問7 -1 】 ⑵封筒. 「社会人になったら書くことがあると思う」. a.「 鉛筆」. 6. b.「 シ ャ ープ ペン シ ル」. 「形式・書き方を身に付けたい」の回答も多か. 14. c.「 ボールペン 」. った。実社会・実生活に生かす学習という、新. d.「 サイ ン ペン 」. 学習指導要領の方向性に合致した点であり、高. f.「 筆ペン 」. 363 132. e.「 万年筆」. 57 48. g.「 毛筆」. 校生たちも必要性を感じているものと思われる。. 13. h.「 マジ ッ ク ペン 」. 95. i.「 印字・ 活字」. 「手紙・はがきは書いたことがない」 、 「年賀. 56 0. 状は書いたことはない」の回答は 1 名のみであ. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 350. 400. 「ボールペン」の回答が多く、次いで「サイ. った。. ンペン」 「マジックペン」と、太めで濃く書ける. 「メールや LINE などの SNS があるので必. ものを選択しているようであった。. 要ない」の回答は、もう少し回答数は多いかと. ⑶年賀状. 思われたが、それほど多くはなかった。今後こ. 【 問7 -1 】 ⑶年賀状. の回答は増加していくのか、継続的な調査も視. a.「 鉛筆」. 25 38. b.「 シ ャ ープ ペン シ ル」. 野に入れたい。. c.「 ボールペン 」. 319. d.「 サイ ン ペン 」. 163. e.「 万年筆」. 95. f.「 筆ペン 」. 【問 7-1】次の⑴~⑹を書く場合、a~i のうち. 194. g.「 毛筆」. 75 113. h.「 マジ ッ ク ペン 」. どれを使用しますか。. i.「 印字・ 活字」. ⑴~⑹の項目は、高等学校芸術科書道の教科. 134 0. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 350. 書において、主に「生活の中の書」 「暮らし(く. 「ボールペン」の回答が多く、次いで「筆ペ. らし)のなかの書」の学習として取り上げられ. ン」となった。年賀状は筆文字で書かれている. ているものである。. イメージがあり、毛筆よりも手軽な「筆ペン」. 【問 7-1】では、目的に応じた筆記具の選択. を選択しているようだ。 「印字・活字」を選択し. について問うた。. た者も多かった。. ⑴手紙・はがき. ⑷メッセージカード 【 問7 -1 】 ⑷メ ッ セージカ ード. 【 問7 -1 】 ⑴手紙・ はがき a.「 鉛筆」. a.「 鉛筆」. 157. b.「 シ ャ ープ ペン シ ル」 c.「 ボールペン 」. g.「 毛筆」. 66. f.「 筆ペン 」. 67. h.「 マジ ッ ク ペン 」. 46 27. g.「 毛筆」. 14. h.「 マ ジ ッ ク ペン 」 i.「 印字・ 活字」. 55 0. 143. e.「 万年筆」. 94. f.「 筆ペン 」. 349. d.「 サイ ン ペン 」. 94. e.「 万年筆」. 160. c.「 ボールペン 」. 369. d.「 サイ ン ペン 」. 91. b.「 シ ャ ープ ペン シ ル」. 259. 50. 12 168. i.「 印字・ 活字」 100. 150. 200. 250. 300. 350. 400. 47 0. 73. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 350. 400.
(7) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). 「ボールペン」の回答が多かった。 「マジック. を使用して書くことは使用頻度の面から容易で. ペン」 「サインペン」の回答も半数程度あった。. はないものと思われる。また、ルールやマナー. ⑸履歴書. といった点も配慮しなければならない。そうい った日本の文化・伝統も同時に学んでいく必要. 【 問7 -1 】 ⑸履歴書 a.「 鉛筆」. 性があるだろう。. 4. b.「 シ ャ ープ ペン シ ル」. 9 408. c.「 ボールペン 」 d.「 サイ ン ペン 」. 42. e.「 万年筆」. 【問 7-2】a~h のうち使用したことが無い筆記. 43. f.「 筆ペン 」. 2. 用具はありますか。. 0. g.「 毛筆」 h.「 マジ ッ ク ペン 」. 7. i.「 印字・ 活字」. 【問 7-2】では、筆記具の使用経験について. 32 0. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 350. 400. 問うた。. 450. 「ボールペン」の回答は当然多かったが、 「万. 【 問7 -2 】 使用し たこ と がな い筆記具. 年筆」は「サインペン」とほぼ同数であった。 「活字・印字」は 30 名程度が選択していた。. a.「 鉛筆」. 0. b.「 シ ャ ープ ペン シ ル」. 1. c.「 ボールペン 」. ⑹のし袋・祝儀袋. 0. d.「 サイ ン ペン 」. 13. e.「 万年筆」. 【 問7 -1 】 ⑹のし 袋・ 祝儀袋. g.「 毛筆」. b.「 シ ャ ープ ペン シ ル」. 43. h.「 マジ ッ ク ペン 」. 1. a.「 鉛筆」. 271 13. f.「 筆ペン 」. 2. 1 0. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 41. c.「 ボールペン 」 d.「 サイ ン ペン 」. 36. e.「 万年筆」. 使用したことが無い筆記具では、 【問 7-1】. 62. f.「 筆ペン 」. からもうかがえるように、 「万年筆」の回答が 1. 336. g.「 毛筆」. 141. h.「 マジ ッ ク ペン 」. 15. i.「 印字・ 活字」. 番多かった。. 42 0. 50. 100. 150. 200. 250. 300. 350. 「毛筆」を選択した者が 43 名いたが、書写. 400. 「筆ペン」 「毛筆」の回答が多かった。 「万年. の学習で使用しているはずなので、問いの誤読. 筆」の回答が 3 番目に多く、 「万年筆」という. があったのか、 「毛筆」という名称が分からなか. 毛筆の種類があると認知してしまっている生徒. ったのか原因を探る必要がある。選択肢に挙げ. がいると考えられる。. た筆記具の見本を提示することが望ましかった が、アンケート用紙の都合上、呼称のみとなっ. ⑴~⑹の結果を概観すると、⑹を除く 5 項目. てしまった。. で「ボールペン」の回答数は多くを占めた。そ. 「筆ペン」を選択した者は、13 名であった。. れだけ生徒たちにとっても身近で、日常使用頻. 「筆ペン」の使用経験はあまりないものかと思. 度の高い筆記具と言えるだろう。使用頻度の面. われたが、使用したことがある人がほとんどで. から硬筆学習はより取り組むべき学習課題なの. あった。今後、どのような場面で使用したのか. ではないかと考える。. を調査したい。. ⑶、⑹では「筆ペン」 「毛筆」という回答が多 くを占めた。年賀状やのし袋・祝儀袋は日常生. 【問 8】⑴~⑹の場合、a「手書き文字」と b「活. 活において頻繁に書くものではない。書かなけ. 字」のどちらがより当てはまると思いますか。. ればならない状況になった時に、筆ペンや毛筆. 【問 8】では、手書き文字と活字の選択につ 74.
(8) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). いて問うた。. 意見も考えられる。この場合には読む側の気持. ⑴日常生活でよく目にするのは。. ちになって手書き文字と活字を選択しており、 相手意識が働いた活動である。 「手書き文字」と. 【 問8 】 ⑴. a.「 手書き 文字」 6.3% ( 27名). 「活字」が共存した文字環境にある今日、それ ぞれの利点を理解する学習がより一層求められ るだろう。. b.「 活字」 93.7% ( 404名). ⑶手紙をもらった時にうれしいのは。 b.「 活字」 0.7% ( 3名). 【 問8 】 ⑶ 普段、学習活動が中心にある高校生たちにと っては手書きする機会が多いため、 「手書き文字」 のほうがよく目にするのではないかと思われた a.「 手書き 文字」 99.3% ( 426名). が、 「活字」の回答が多くを占めた。この結果の 背景には、教科書や問題集が活字で書かれてい ることの他に、スマートフォンの利用が日常的 であることが大きな要因と考えられる。高校生. ⑵の結果に比例し、 「手書き文字」で書かれて. の年代においても日常生活における手書き文字. いたほうが受け取った時にうれしいという結果. の減少が見受けられる結果となった。. になった。⑵よりも「活字」を選択した者は少 なかった。. ⑵思いや気持ちを伝えたいときは。 ⑷手軽なのは。. 【 問8 】 ⑵. b.「 活字」 2.3% ( 10名). 【 問8 】 ⑷ a.「 手書き 文字」 26.4% ( 113名). a.「 手書き 文字」 97.7% ( 420名). b.「 活字」 73.6% ( 315名). 「手書き文字」の回答が多くを占めた。 「活字」と回答した者は少数であったが存在 した。 「活字」を選択した理由として考えられる. 「活字」の回答が 7 割を占めた。. のは、 「書くのが面倒だから」という意見が多い. 通信手段として考えた場合には、 「活字」のほ. かもしれないが、一方で、自分の書く文字に「汚. うが手軽であるが、即時性の面では、筆記具と. い、読みにくい」等のマイナスな印象を持ち、. 紙さえあれば書くことが出来る「手書き文字」. 誰にでも読みやすい「活字」を選択するという. のほうが優れている。 75.
(9) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). 今回、手軽なのはと問われたときに多くの生. 気持ちを伝えたいとき、もらったときにうれ. 徒は、スマートフォンで文字を打つことを想起. しいのはという問いでは、手書き文字を選択し. しているものとうかがえる。. た者は圧倒的に多く、手書き文字がありふれた 時代にはなかった、文字に込められた付加価値. ⑸どちらが好みか。. の高まりがうかがえる。 注目すべき点としては、手書き文字のほうが. 【 問8 】 ⑸. 好みだという声が多い中で、主流になるのは活 字になってしまうという現状にあることだ。今. b.「 活字」 23.4% ( 100名). 日の文字環境において、手書き文字の良さ(個 a.「 手書き 文字」 76.6% ( 327名). 性や簡便さといった点)を書教育の中で伝えて いく必要性が高まっている。 【問 9-1】次の a~e は「馬」という字です。b. 「手書き文字」と回答した者が 7 割を占め、. ~e の書体名を(. その傾向は⑵⑶の結果にもうかがえる。. )内に書いてください。. 【問 9-1】では、書体(漢字)について問う. しかし、今回の調査では、どのような点が好. た。 「学会アンケート」においては、 「安・馬」. みなのか、具体性に欠けた部分があるため、今. の五書体を提示し、書体名を選択する形式であ. 後の調査課題としていきたい。. ったが、本調査では、より正確な理解度を図る ため、漢字の五書体のうち楷書を除く5四書体の. ⑹どちらが今後主流になるか。 【 問8 】 ⑹. 書体名を記述する形式をとった。. a.「 手書き 文字」 2.6% ( 11名). 【 問9 -1 】 篆書. 18. 413 242. 行書 隷書. b.「 活字」 97.4% ( 417名). 189. 20. 411 98. 草書 0%. 333 20%. 40% 正答. 60%. 80%. 100%. 誤答. 四書体の正答率が高い順に列挙すると、c.「行. 「活字」の回答が多くを占めた。ネット社会、 電子化が進んでいることは明白であり、 「活字」. 書」 、e.「草書」 、d.「隷書」 、b.「篆書」という. の回答が多い結果は予想通りであった。. 結果であった。記述形式にしたため、 「学会アン ケート」よりも正答率は格段に低かった。. ⑶、⑸、⑹は、 「学会アンケート」と同内容の. 以下、書体ごとの調査結果である。. 問いであり、結果も同じ傾向にあった。 ⑴~⑹を概観すると、今日の文字文化が色濃. 5. 楷書を調査外にしたのは、比較的、回答率の 高いであろう楷書を提示することで、全体の回 答率の向上を図った。. く表れた結果であった。 76.
(10) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). b.篆書 【 問9 -2 】. 四書体の中で最も正答率が低かった。誤答と して目立ったのは、 「象形文字」 ・ 「象形」の回答. 正答 15.8% ( 68名). で 431 人中 94 名が回答し、回答率は 21.8%と 「篆書」の回答率(4.2%)を大きく上回る結果 誤答 84.2% ( 363名). となった。 c.行書 四書体の中で最も正答率が高かった。 しかし、 中学校国語科書写で「行書」は全員が学習して. 正答率は 15.8%で 2 割に満たない結果であっ. いる書体であるだけに、正答率が半数に留まっ. た。正答よりも多かった誤答例は、e.「草書」. てしまっているのは重大な問題である。. →b.「篆書」→c.「行書」→d.「隷書」→a.「楷. 「行書」は速書性に富み、便利な書体である。. 書」の順で 115 名が回答。また、e.「草書」→. 回答率の低さに比例し、 「行書」を日常使用して. b.「篆書」→d.「隷書」→c.「行書」→a.「楷書」. いる生徒は少ないと推測される。 〈 「書写力」実. の順で 87 名が回答していた。. 態調査〉において相関性を見ていきたい。. 誤答を紐解くと、 馬と一番読みにくい 「草書」. d.隷書. で始まり、だんだんと楷書の馬に近いものとな. 「隷書」の正答率は「篆書」の正答率とほぼ. るように選択しているようであった。. 同様で低い水準にあった。誤答として特に目立. 書体の変遷においては、学習のしやすさから. った回答はなかったが、 「ゴシック体」 ・ 「ゴシッ. 楷書を先行して学ぶため、楷書をくずして書い. ク」 と回答した者が 6 名おり、 今回提示した 「馬」. たのが行書で、さらにくずしたのが草書である. という文字から、活字フォントの名称を回答し. という認識がされやすい。今回の調査では、そ. た者がいた。 ( 「ポップ体」の回答も 1 名。 )わ. の傾向はあまり見受けられなかった。. ずかに見られた回答であったが、見過ごせない. 今回、 「馬」の文字を提示し調査したが、提示. 傾向である。. する文字によって正答率は変動することも考え. e.草書. られ、今後の課題としたい。. 「行書」に次いで正答率が高かったものの、 2 割程度に留まった。誤答として多かったのは、. 【問 9-1】 ・ 【問 9-2】の結果を見ると、生徒. 「行書」で 37 名(8.6%)が回答していた。ま. たちの「文字文化」理解は乏しい現状にあると. た、少数であるが、 「仮名文字」 ・ 「仮名」の回答. 思われる。. が 7 名いた。. 私たちの身の回りには、様々な書体が使用さ れている。正答率が低かった篆書も印鑑や看板. 【問 9-2】a.~e.を成立が古いと思う順番に並. に、隷書は新聞の題字やお札の文字に用いられ. べてください。. ており、 決して珍しいものではない。 「文字文化」. 【問 9-2】では、書体の変遷についての知識・. 理解の学習は文字の歴史と芸術性・装飾性の両. 理解を調査した。. 面からより充実させる必要がある。. 77.
(11) 横浜国大国語教育研究 No.43(2018). おわりに 以上のように本調査では、高校生の「書くこ と」と「文字文化」に対する意識・理解が明ら かとなり、まさに今日の「文字文化」が色濃く 表れた結果となった。 手書き文字と活字(印刷文字)が共存する今 日の文字環境の中で、それぞれの利点や特徴を 理解するなど、より豊かな社会生活を営むため に、実社会・実生活に生きる「文字文化」の理 解を進めることが課題と言える。 今後、属性項目別での分析・考察、 〈 「書写力」 実態調査〉における書き文字の実態と合わせた 考察を行い、調査範囲を拡大していく中で、書 教育における地域性についても研究していきた い。 (横浜国立大学大学院教育学研究科). 78.
(12) <「書くこと」と「文字文化」に関するアンケート>. アンケートにご協力ください。. ◆ 各質問について、選択肢から該当するものに○をつけてください。一部記述あり。 学年: 1 年 ・ 2 年 ・ 3 年 性別: 男 ・ 女 芸術科目の選択: 音楽 ・ 美術 ・ 書道 普段文字を書く時の利き手 : 右手 ・ 左手 (※1年次に履修した科目に○) 問 1 .これまでに習字教室や書道教室に通っていたことはありますか。 「a .ある」と答えた人は通っていた期間も教えてください。 a. ある (期間:. b. ない. ). 問 2 .文字を書くことは好きですか。 a.大好き. b.好き. c.まぁまぁ好き. d.あまり好きではない. e.嫌い. f.大嫌い. 問 3 .自分が書く文字について、満足していますか。 a.とても満足している. b. ある程度満足している. c.あまり満足していない. d.全く満足していない. 問 4 .あなたの書く文字には、どのような印象や特徴があると思いますか。当てはまるもの全てに○ a.きれい. b.美しい. i.力強い. j.やさしい. q.丸形. c.汚い. d.丁寧. k. 弱弱しい. r.右上がり. e.乱雑. l.濃い. s.右下がり. f.大きい. m.薄い. g.小さい. n.縦長. h.かわいい. o.横長. p.正方形. t.その他( 自由記述:. ). 問 5 .日常生活において、勉強するとき以外で手書きすることはありますか。 a.ある. b.ない. ⇒「 a.ある 」と答えた人は、どのようなものを書くときですか。当てはまるもの全てに○ a.手帳. b.日記. c.手紙・はがき. d.友人などの誰かに宛てたメッセージ. e.その他(自由記述:. ). 問 6 .伝統的な形式の手紙・はがき、年賀状についてどのように思いますか。当てはまるもの全てに○ a.手紙・はがきは書いたことがない. b.年賀状は書いたことがない. e.形式・書き方を身につけたい. f.大切な文化だと思う. h.メールや LINE などの SNS があるので必要ない. c.書いてみたい. d.形式・書き方が分からない. g.手書きで書くべきだ. i.社会人になったら書くことがあると思う. 問 7-1 .次の ⑴ ~ ⑹ を書く場合、a ~ i のうちどれを使用しますか。該当すると思ったものを全て選択し、 ( ⑴ 手紙・はがき(. ). ⑵ 封筒(. ⑷ メッセージカード( a.鉛筆. ⑸ 履歴書(. b.シャープペンシル. f.筆ペン 問 7-2 .. ). g.毛筆. ). c.ボールペン. h.マジックペン. )内に書いてください。. ⑶ 年賀状(. ) d.サインペン. j.特に関心はない. ). ⑹ のし袋・祝儀袋(. ). e.万年筆. i.活字・印字. 内の a ~ h のうち使用したことが無い筆記具はありますか。複数回答可。. 使用したことが無い筆記具(. ). 問 8 .⑴~⑹の場合、a. 「手書き文字」と b. 「活字(パソコンで印字した文字) 」のどちらがより当てはまると思いますか。当てはまるほうに〇 ⑴日常生活でよく目にするのは. (. a. ・. b. ). ⑵思いや気持ちを伝えたいときは. (. a. ・. b. ). ⑶手紙をもらった時にうれしいのは. (. a. ・. b. ). ⑷手軽なのは. (. a. ・. b. ). ⑸どちらが好みか. (. a. ・. b. ). ⑹どちらが今後主流になるか. (. a. ・. b. ). 問 9-1 .次の a ~ e は「馬」という字です。b ~ e の書体名を( a.. (. b.. 楷書. ). (. )内に書いてください。. c.. ). e.. d.. (. ). (. ). (. ). 問 9-2 .a ~ e を成立が古いと思う順に並べてください。 ( 古い → 新しい )a ~ e の記号で回答。 (. )→(. )→(. )→(. )→(. ) ご協力ありがとうございました。. 79.
(13)
関連したドキュメント
「文字詞」の定義というわけにはゆかないとこ ろがあるわけである。いま,仮りに上記の如く
噸狂歌の本質に基く視点としては小それが短歌形式をとる韻文であることが第一であるP三十一文字(原則として音節と対応する)を基本としへ内部が五七・五七七という文字(音節)数を持つ定形詩である。そ
が前スライドの (i)-(iii) を満たすとする.このとき,以下の3つの公理を 満たす整数を に対する degree ( 次数 ) といい, と書く..
本文のように推測することの根拠の一つとして、 Eickmann, a.a.O..
参考資料12 グループ・インタビュー調査 管理者向け依頼文書 P30 参考資料13 グループ・インタビュー調査 協力者向け依頼文書 P32
【現状と課題】
の原文は“ Intellectual and religious ”となっており、キリスト教に基づく 高邁な全人教育の理想が読みとれます。.
とされている︒ところで︑医師法二 0