彫塑領域の教育実践に関するカリキュラム体系化の試み:―具象彫刻の造形要素・美の要素・リテラシーの観点から―
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(2) はこのシュパンヌンクに主眼を置いた学習が進められる. おいては教科書等の題材内容、また、位置付けが困難. といった傾向が見て取れた。. である領域を補う形として要素に焦点化したトレーニング. 第I章ではいくつかの資料を手掛かりとし、我が国で. 的傾向が強い学習が位置づけられた。また、ベン図に. 行われている彫塑教育の概ねの現状を探ることとした。. おいて要素を付加させていく加算的な考え方ではカリキ. その結果、学校教育、とりわけ小学校段階において. ュラムにおける学習内容の発展、要素を欠如させていく. はポーズ等を中心とした動勢に目を向けた学習題材が. 減算的な考え方では学習内容の咀囑といった方向性. 多く見られたものの、塊の組み立て等を意味する構成. が例えた。本稿における取り組みは美術科においてuま. の要素を扱った学習題材の少なさが課題として挙げら. uま謳われる発想等、学習者の自由な解釈を除外し、. れた。また、彫塑教育全体として様々な造形言語が混. 造形そのものに目を向けたカリキュラム構築を試みたも. 在している等の問題からある種の論理性を伴うような指. のであるがこのことにより各学習内容の自的をある程度. 導が困難であるといった事柄が浮き彫りとなった。. 焦点化しやすいものとなった。無論、美術は造形そのも. 一方、塊の組み立てを主軸とした新たな取り組みとして、. の、言わば本質的な面とともに、学習者の発想等、その. 前芝武史著「肢体不自由養護学校における彫塑領域. 可能性の両義的なところで語られるべき学問であろう。. の教育実践と考察」、「具象彫刻の美的要素に関する. また、今後進められるべきカリキュラムの体系化におい. 考察」、『実技教育ガイドブック』を挙げ、これらの内容に. ても本質と可能性の両義的なところから検討が行われ. ついても検証を行った。その結果、前芝は造形を行う上. る必要があろう。そうした際に本稿における取り組みは. での手掛かりとなる要素(造形要素)として塊の種類・寸. 造形そのものを主軸とした立場からカリキュラムの体系. 法・位置・方向、彫塑の美に関わる要素(美の要素)とし. 化を試みたものとして考えている。. て量・動勢・構築性・比例、また彫塑造形に関わる諸能 力(リテラシー)として造形的思考カ・構成カ・観察力・. 4. 今後の課題. 感性を挙げ、これらを主軸とした彫塑指導を行っている. 今後は本研究の精緻化を図るとともに、各学習内容. ことが見てとれた。. の授業実践等について毛検討を行いたいと考えている。. 第皿章では前芝が示した具象彫刻の造形要素・美の 要素、リテラシーの観点から学習内容とそれらの位置付. 5.主要参考文献. けについての検討を行い、彫塑領域におけるカリキュラ. 川喜多煉七郎・武井勝雄、『構成教育大系』、学校美術協会. 出版部、1934. ムの全体像を探っていった。その際、①造形要素(塊の. 利光功、『バウハウス歴史と理念』、美術出版社、1970 上野省策・梶田幸恵、『粘ニヒ細工から彫塑教育へ』、明治図. 種類・寸法・位置・方向)、②美の要素(量・動勢・構築. 書出版株式会社、1980. 性・比例)、③リテラシー(造形的思考力・構成カ・観察 カ・感性)という3つのカテゴリー別に全ての要素が存在. するところからいずれか、あるいは複数の要素を欠如さ せた場合、学習内容はどのようなものになるかという減. 石上城行、r塑造の指導方法についての考察I」、『大学美術. 教育学会誌第33号』、大学美術教育学会、2000 前芝武史、r肢体不自由養護学校における彫塑領域の教育 実践と考察一筑波大学付属桐ヶ丘養護学校本校1年Aコー スでの実践を通して一」、『美術教育学一美術科教育学会誌 一策26号』、美術教育学会、2005 前芝武史、r具象彫刻の美的要素についての考察」、『美術教. 育学一大学美術教育学会誌一第38号』、美術教育学会、. 算的な考え方、また、いずれかの要素にある要素を付 加させた場合、学習内容はどのようなものになるかとい. う加算的な考え方の両面から検証を進めるため、その. 2006. 初田隆・前芝武史、「初等教育教員として児童の造形活動を 支援するために求められる能力に関する考察」、『実技教育研. 究第20号』、兵庫教育大学実技教育研究指導センター、. 2006. 関係が図式化されたベン図を用い、各領域1こおげる学. 習内容の概ねの傾向を検証した。その結果、概ねの傾 向として、単独の要素が存在する領域においては、遊び. 主任指導教員 杉山直樹. に近い原初的な学習、複数の要素が重複する領域に. 指導教員 前芝武史. ■3771.
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