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彫塑領域の教育実践に関するカリキュラム体系化の試み:―具象彫刻の造形要素・美の要素・リテラシーの観点から―

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Academic year: 2021

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(1)彫塑領域の教育実践に関するカリキュラム体系化の試み 一具象彫刻の造形要素・美の要素・リテラシーの観点から一.                          専攻. 教科・領域教育学.                          コース. 芸術系(美術).                          学籍番号. M09198J.                          氏名. 中谷晃. 1.研究の背景と目的  近年の教育改訂に伴い、学校教育では各教科にお.     一『構成教育大系』を一手掛かりとして一. ける内容構成の原理や枠組みを明確に示すこととともに、.    第2項 単化練習    第3項 絵画練習    第4項 立体の材料練習. カリキュラムの体系化が求められている。無論、美術科 にもそうした流れが来ているが、表現の多様化に伴い、 美術そのものの本質が見えにくい状況にあると言える。.    第1項 シュパンヌンクとは.  第3節 構成教育の意味合いとその評価 第I章現在の我が国1こおける彫塑教育について.  第1節彫塑教育の現状.  そうした中、美術教育は情操教育、感性教育という.    第1項 『粘土細工から彫塑教育へ』を中心資料として    第2項 「塑造の指導法についての考察I」を中心資料と. 名のもとに、その目的や到達目標が不明瞭であると言.  第2節新たな試み. われる機会も少なくない。中でも、彫塑領域は他領域に. 比べ、先行研究や文献も少なく、理論的、体系的な説 明がなされにくいというのが事実である。.  そもそも美術教育におけるカリキュラム体系イビの動き. はバウハウスの教育においてある程度の結実を見る。バ. ウハウスではすべての造形活動の最終目標は建築であ るという理念の下、建築芸術を造形的な視点から分析.        して    第1項  「肢体不自由養護学校における彫塑領域の教育        実践と考察」を中心資料として    第2項 『実技教育ガイドブック』を中心資料として 第皿章彫塑領域における学習内容とその位置付けについて.  第1節各抽出要素のカテゴリー化    第1項 具象彫刻1こおける造形要素.    第2項 要素抽出の観点  第2節学習内容の位置付け    第1項 造形要素別    第2項 美の要素別    第3項 リテラシー別 おわりに. し、抽出された諸要素に関する学習を体験的に積み重 ねることで造形能力を養おうとするいわゆる構成教育が. 3.研究の概要. 行われた。バウハウスのカリキュラムはこうした要素抽出.  第I章では彫塑領域のカリキュラムの体系化を試み. 的な学習を経て、その領域の中心的な方向、螂ち専門. るにあたり、構成教育における要素抽出的な学習内容. 的な建築教育へと移行していくような構造をもち合わせ. 等を参考とするため、バウハウスのカリキュラム体系や. たものであったが、こうした内容は美術教育史において. 構成教育が登場する背景となった予備課程について備. 極めて重要な意義があったと見ることができる。. 敵した。更に『構成教育大系』を手掛かりとし、構成教育.  こうした構成教育の取り組みを参照しつつ、本稿では. における具体的な学習内容についても検証を行った。. 具象形亥1」の造形要素・美の要素・リテラシーを観点とし、.  本文献の内容構成は、大きく12の主要項目から成. 彫塑領域の教育実践に関するカリキュラムの体系化を. るが、ここでは彫塑領域においてとりわけ関わりの深いフ. 試みる。. ォルムに関わる学習として、単化練習・絵画練習・立体 の材料練習とともに、各学習を通して頻出する概念であ. 2.論文の構成. るシュパンヌンクに関する項目を挙げた。検証を通して. はじめに. このシュパンヌンクは学習の中で対象の動きや建築的. 第I章構成教育の内容について  第1節バウハウスの力りキュラム体系    第1項バウハウスのカリキュラム. 要素等様々なものを表し、またそれは学習者個々人に.    第2項予備課程について. よって異なるものであるといった事柄が明らかとなった。.  第2節構成教育の内容. そして、単イビ練習・絵画練習・立体の材料練習において. 一376一.

(2) はこのシュパンヌンクに主眼を置いた学習が進められる. おいては教科書等の題材内容、また、位置付けが困難. といった傾向が見て取れた。. である領域を補う形として要素に焦点化したトレーニング. 第I章ではいくつかの資料を手掛かりとし、我が国で. 的傾向が強い学習が位置づけられた。また、ベン図に. 行われている彫塑教育の概ねの現状を探ることとした。. おいて要素を付加させていく加算的な考え方ではカリキ.  その結果、学校教育、とりわけ小学校段階において. ュラムにおける学習内容の発展、要素を欠如させていく. はポーズ等を中心とした動勢に目を向けた学習題材が. 減算的な考え方では学習内容の咀囑といった方向性. 多く見られたものの、塊の組み立て等を意味する構成. が例えた。本稿における取り組みは美術科においてuま. の要素を扱った学習題材の少なさが課題として挙げら. uま謳われる発想等、学習者の自由な解釈を除外し、. れた。また、彫塑教育全体として様々な造形言語が混. 造形そのものに目を向けたカリキュラム構築を試みたも. 在している等の問題からある種の論理性を伴うような指. のであるがこのことにより各学習内容の自的をある程度. 導が困難であるといった事柄が浮き彫りとなった。. 焦点化しやすいものとなった。無論、美術は造形そのも. 一方、塊の組み立てを主軸とした新たな取り組みとして、. の、言わば本質的な面とともに、学習者の発想等、その. 前芝武史著「肢体不自由養護学校における彫塑領域. 可能性の両義的なところで語られるべき学問であろう。. の教育実践と考察」、「具象彫刻の美的要素に関する. また、今後進められるべきカリキュラムの体系化におい. 考察」、『実技教育ガイドブック』を挙げ、これらの内容に. ても本質と可能性の両義的なところから検討が行われ. ついても検証を行った。その結果、前芝は造形を行う上. る必要があろう。そうした際に本稿における取り組みは. での手掛かりとなる要素(造形要素)として塊の種類・寸. 造形そのものを主軸とした立場からカリキュラムの体系. 法・位置・方向、彫塑の美に関わる要素(美の要素)とし. 化を試みたものとして考えている。. て量・動勢・構築性・比例、また彫塑造形に関わる諸能 力(リテラシー)として造形的思考カ・構成カ・観察力・. 4.  今後の課題. 感性を挙げ、これらを主軸とした彫塑指導を行っている.  今後は本研究の精緻化を図るとともに、各学習内容. ことが見てとれた。. の授業実践等について毛検討を行いたいと考えている。.  第皿章では前芝が示した具象彫刻の造形要素・美の 要素、リテラシーの観点から学習内容とそれらの位置付. 5.主要参考文献. けについての検討を行い、彫塑領域におけるカリキュラ.   川喜多煉七郎・武井勝雄、『構成教育大系』、学校美術協会.   出版部、1934. ムの全体像を探っていった。その際、①造形要素(塊の.   利光功、『バウハウス歴史と理念』、美術出版社、1970   上野省策・梶田幸恵、『粘ニヒ細工から彫塑教育へ』、明治図. 種類・寸法・位置・方向)、②美の要素(量・動勢・構築.   書出版株式会社、1980. 性・比例)、③リテラシー(造形的思考力・構成カ・観察 カ・感性)という3つのカテゴリー別に全ての要素が存在. するところからいずれか、あるいは複数の要素を欠如さ せた場合、学習内容はどのようなものになるかという減.   石上城行、r塑造の指導方法についての考察I」、『大学美術.   教育学会誌第33号』、大学美術教育学会、2000   前芝武史、r肢体不自由養護学校における彫塑領域の教育   実践と考察一筑波大学付属桐ヶ丘養護学校本校1年Aコー   スでの実践を通して一」、『美術教育学一美術科教育学会誌   一策26号』、美術教育学会、2005   前芝武史、r具象彫刻の美的要素についての考察」、『美術教.   育学一大学美術教育学会誌一第38号』、美術教育学会、. 算的な考え方、また、いずれかの要素にある要素を付 加させた場合、学習内容はどのようなものになるかとい. う加算的な考え方の両面から検証を進めるため、その.   2006.   初田隆・前芝武史、「初等教育教員として児童の造形活動を   支援するために求められる能力に関する考察」、『実技教育研.   究第20号』、兵庫教育大学実技教育研究指導センター、.   2006. 関係が図式化されたベン図を用い、各領域1こおげる学. 習内容の概ねの傾向を検証した。その結果、概ねの傾 向として、単独の要素が存在する領域においては、遊び. 主任指導教員  杉山直樹. に近い原初的な学習、複数の要素が重複する領域に. 指導教員    前芝武史. ■3771.

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