成長率に関する一考察 : Domar と Harrod の理論について
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(2) . 第 21 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部B). 昭和46年2月. 成長率 に関 す る 一考察 -. Domar と Harrod. 亀. 畑. の理論に ついて. 義. -. 彦. 北海道教育大学旭川分校経済学研究室. Yoshihiko KAMBHAI PA ; Notes on Various AsPects io of Economic Growthin Reference to ofthe Rat E,V. Domar and R F. Harrod .. 序. 第三章 Doma r と Harrod の 理論の比較検討 結びにかえて. 第一章 Doma r の成長理論 第二章 Ha r r od の成長理論. 序 前 稿 に おい て 論 じた K1 ein の 完 全 雇用 政 策 は, Z-1 の存在による自生的投資 の不足を補う政. 府の補足的投資と貯蓄性向の引下げ政策を同時に行なうことにあった, そして経済が完全雇用に 接近するにつれて, 変動の相殺に必要な政府投資は減少して行くものと考えている. そのような K1 in の政策から Domar に引き継がれる問題点は 上記の二つの 完全雇用政策 の結果 完全雇 e , , 用の達成に成功しても, そのことが同時に, 完全雇用 の継続的維持をも可能にするであろうか, i ということであった, すなわち, K1 e n が有効需要創造政策において Z-ー を 稼 動 さ せ る こ と を 考え た の に 対 し て, Domar の場合は, この二つの政策の結果 , 増大してくる Z-ー の生産能力の 利用が常に保障されるであろうか,ーということを問題にした. 換言すれば Keyne s も K1ein も 最終的には, 公衆の保蔵欲求を解除することによ って, 完全雇用 は達成可能である と考えたのに 対 し て, Domar は, 長期的には, 保蔵の解除だけでは生産能力の過剰と失業とを除去しうるもの では な い と 考 え た の で あ る, 従 っ て Domar にとっては, 完全雇用 program のための十分条件 は, 完全雇用の継続的維持に必要な生産能力に見 合った国民所得の成長率を見つけ出すことを問 題とするに等しい.. この完全雇用の均衡成長という考え方は, 一人 Domar の み に よ る も の で は な く, Harrod にお いてもまた同時に考察されている, それゆえ本稿においては, 前稿の K1ein に よ る Keynes 体 系の長期化の問題を 念頭におきながら, Doma rと. Harrod の 理 論 を 検 討 す る こ と に よ り Hi cks ,. 以後の景気循環理論に進むために必要な問題点を求めることにする. 一 75 -.
(3) . Feb , ,1971. ion IB) ion (Sect i ido Uni t l 。f Hokka ver s Journa yof Bducat. Vo l .2 ,21 No. 第一章 Domar の成長理論 r の二つの仮 第一章 の 論述を行なう前に, 本章の議論を進めるにあたっ て必要とされる Doma 定につい て述べる, ま ず 第 一 に Domar は 限 界 貯 蓄 性 向 (β) 註1 を 一 定 と 仮 定 す る. Domar がこのような仮定を. とったのは, β が常に一定であるという意味においてではない. すなわち, β は短期を ,とれば変 持続 て相殺されているということおよび 動しているが, 長期をとればその変動は逆の変動によ っ 的完全雇用が保障されるように絶えず β が低下して自動的に調整されるとい うことはないという と ) .a 意味を持つことによる 1 ,b . このことは, 独占の形成による 分配率の変化と資本蓄積の結果 しての投資機会の減少すなわち内部蓄積の増大と関係していると考え てよいであろう, i。n And B l t” およびその他論文において, α=限界貯蓄性向, とおい 1 np 。 注1, Domar は ”Bxpans ymen i e n によ る Keynes 体系の長期化について」 の本文において, α=限界消費性向と ているが, 私は前稿の 「K1 定めたため, 本稿においては, Domar の α を β に置き換えた.. 次に Domar は, 一般物価水準の一定を仮定している. その理由は二つある, 一 つは, 産業と 労働における独占力の大きさによるものであり, 二つ目は, 平和時 の雇用 政策のための巨額の公 債 の存在が物価水準を低下させることを望ましいものとはしないということによる. ) 以上の仮定は, 本章の議論を進める上に必要となる2 . 今, 投資を 1, それによっ てもたらされる純生産能力をsとおくと, 投資された金額によ って 発生した生産能 力は ls となり, これは投資による純付加価値 (生産能力の) を示す. しかしな がら, 生産物を生産する段階において, 新しい資本が旧資本設備と市場においても生産要素 (主 として労働) においても競合するから, 過去の資本が廃棄されたり, 資本の増加 が労働力および 自然資源の増大よりも早かったり, また技術水準に格差 が存在したりすると, これらを加味した 全経済の生産能力の増大は ls ではなく, 実際にはそれより小さい 1び で あ ろ う, こ こ で び は, i lsocial average productivity ofinvestment) を 意 t ent a 投資の潜在的社会的平均生産性 (po 味する. 今これを に. (1). 子. と お く. こ こ で 4P は生産性の増分, 1 を投資を示すものとする,. さらに第 (1) 式から (2). 4P ニーグ l 1 = - dp . (2′). ここで周知のことではある が, 国民所得の増加は投資の増分の函数であるとすれば, Y=所得, ) β=限界貯蓄性向とおいて, 次の式で示されることになる3 . dY- -. (3). ・. 3′ (3 ). β4Y = 41. I この 第 (2) , 第 (3) 式は, 一期間の潜在的能力の増加は D であり, 実際の所得の増加は 十 であることを示 している. す 励っち 今 , 完全雇用所得が100億 ドルであり’ かつ β=12%’. 100億ドル×12%) である. これが投資さ 5%とすると, 100億 ドルからの貯蓄額は12億 ドル ( び=2. 一 76 -.
(4) . 第 21 巻 第 2 号 れると, 乗数式 dY 一. 北海道教育大学紀要 (第一部B). 昭和46年2月. 41 により, lm億 籾 ( 12億 籾 ÷12%) の所得の増カ耐 もたらされ. る. 従って完全雇用維持のためには, 12億 ドルの投資がなされなければならない , この過程に お いて, 資本設備も12億 ドルだけ増加する. ここで び=2 5%であるから, この資本設備によっても 1 たらされた生産能力 の増加12億 ドル ( ) ×2 5% (び) = 3 億 ドル 分 で あ る, 従 っ て, こ の 生 産 能 ) 力の増加をおぎなうためには, 所得は4 12%×25% (βび) ) の率で上昇する必要がある5 . すなわち (4) ) でな け れ ば な らな い6 .. 第 (4) 式において, 両辺に投資が含まれているとはい え, び 側にいておは量 で乗数側にお , い て は 率 で 示 さ れ て い る.. こ の こ と は 次 の よ う な 理 由 に よ る. す な わ ち 投 資 が正 で あ る 限 り 生 ,. 産能力は増大する. しかしもし所得が同様に増大す べきだとすれば, どれだけの量でも投資があ りさえすればよいというものではない, 上述の例の ごとく, 100億 ドルの所得をもたらす投 資12億 ドルでは, 増大する生産能力を埋めるためには不足であるか ら, それ以上 の投資を行なわねば な らない. すなわち所得の増大は投資の絶対量 の函数ではなくて, 投資の増加分の函数だからであ る, それゆえ, 投資の全体が生 産能力を増大させるけれども, 国民所得を増大させるためには , ) わずかにその頂点-増加分一だけである7 . 再び第 (4) 式にもどって, この方程式を解くために両辺に β をかけて 1 で割ると 乎 βぴ. (5). を得る, 第 (5) 式の左辺は, 投資の相対的増大または投資の成長率である , このようにして完 全雇用の維持には, 投資が βび なる率で成長する必要がある. 従って βぴ は均衡成長率である . 経済がこの率で成長する限り, 完全雇用の継続的維持のためには, その率で投資が成長しなけれ を な らな い,. 以上のことを反復しながら. Domar の 方 法 を 要 約 す る と 次 の よ う に な る. . Domar の場合, 貨幣 所得は10 0億ドルで固定している, しかも毎期12億 ドルの投資によって発生する資本設備の生産能. 力の増大は3億 ドルであった, それゆえ, 生産能力の過剰と失業をもたらさないためには 実質 , 所得が3%ずつ増加しなければならない, 所得が3%で成長するためには 貨幣所得が固定して , いる時には, 一般物価水準が低下しなければならない, しかし Domar の場合には, 一般物価水準 も一定と仮定しているか ら, 実質所得は変化しないことになる. それゆえ, 一期間に3億 ドル の 生産能力が過剰になり, その分だけ労働力の非自発 的失業が発生すると 考えられる , これをさけ るためには, 所得の増大のための純投資を行なうしかない. そこでもし生産能力の増大を吸収す る政府投資が βd の率で行なわれるならば, 前述の. の式から示されるように, 完全雇用 の関心は, 新投資による純生産能力の増 分 s と び と の s>〃 なる差が均衡成長のためにどの程度ゆるされるかということと, それを消化 しうる完全雇用 の下での β の大きさとにあり, 貯蓄の増大と有効需要の不足はその結果として重 における均衡が維持されることになる, ここで. Domar. Domar. 視される, すなわち Damar によれば, βび なる率での均衡的成長率が保障されていても, 技術的 な生産能力 s と資本設備量, 労働力 の成長, 自然資源の発見および技術水準の変化等に依存した 生産能力 び との均衡がやぶれることによ って不況は不可避的になると考える そして不況期にお , ー 77 -.
(5) . vol ,2 ,21 No. ion I B) i t i f Hokka ido Uni l。 t on (sec Journa ver s y of Educat. Febリ ー97・. が存在している時, 不 兄を回避するために, 資本の完全利用をもくろ んで貯蓄を 吸収し, 所得を増大させるための新投資を行なおうとする. このことによっ て社会の純技術的生産能力 s は増大する が, このことの 反復は, 労働力と自然資 源に比して資本を不比例的に増大させる. しかし s の能力を持った資本は現実の経 済においては. いて需要が少な く, 大きな貯蓄と. Excess Capa i ty c. l餓 眠 である・ o 畔ことどまるであろぅから, } ;〒 も ま, 資本過剰にょる 脳s または obs この使用されない資本の存在は, 新投資に対する抑制要因として作用することになる. そのこと はまた所得の低下を意味し, 生産能力の方が, この低下した所得を上まわることになる, そして ) や がて不況が累積きれてくることになる8 , このようにして発生してくる不況と失業を解 決する方法を Domar は二つ考えている. その一つは, これまでの労働の成長, 新資源の利用およ び技術の発展に 比較 して限界貯蓄性向 (β) があまりにも高す ぎたため, 民間投資がこれを吸収できなかったのであるから, まず β を 低下させるこ とが必要である と考える, すなわち好況において貯蓄が投資によ っ て吸収されてい る場合には問題はない. しかし Domar が問題とするのは, 好況期における過剰資本の存在が, 不況を必然的に した時期についてである. このような 場合には, 貯蓄を低下さ せることにより消 1 才 =1び の左辺が必要とするものは, 所得の 費を増 大させることにぁるぬ すなわち方程式 4 増加である. 投資の成長 が所得の成長のために 必要な限りにおいてのみ投資は成長していかなけ ・ o 下するならば, 投資が 一定ない しは低下すると ) ればならないi . そこでもし β が 十分速やかに低 しても, 所得は増加する からである, しかしながらこのような貯蓄性向引下げ政策 を行なうには, 政府の力 が必要であると. Domar は 考 え る日) .. 他 の も う 一 つ は 技 術 進 歩 を 早 め る こ と で あ り, Domar は, 貯蓄性向引下げよりもこの方をより ) こ こ で は, Domar は, 労働節約的な技術進歩を考えている. すなわち技術進歩 2 強 調 して い る1 .. を早めるこ とにより, 労働力およびその他の生産要素の不足をカバ ー できるようにして, 「資本の 不比例的増 大を質的に相殺し, これによっ て び の大いさを s の水準に保持しようと考えるので 3 )」 こ の 第 二 の 方 法 に お い て も, Domar は, あ る1 .. 財政 政策 の 介入 を 政 府 が適 切 に行な う こと. を前提に しており, これ が完全に行なわれれば, 貯蓄率が高い時および蓄 積率が大きい時でも, βび=βs なる均衡成長を維持することによって, 完全雇用を保障しうると考える, 従って, この第 二 の方法がス ムーズに行なわれれば, 第一の問題はおのずと解決されることになる. ein から こ の Domar の理論は, 生産力の問題, いわ ば技術進歩をとり入れるこ とによっ て K1 i K 1 en における完全雇用 program さらに一完全雇用 program に ア プ ロ ー チ し て い る. す な わ ち. は, 貯蓄を引下げ, 既存資本設備を稼動させるための政府の政策に あった, このことについては, Domar も ま た 同 じよ う に 結 び つ い て い た. し か し Domar は, そこから一歩進んで, 投資の二重 効果をとりあげ, そのことが経済構造におよ ぼす影響をとりあつかったこと, およびそこ から起 こる矛盾の解決を技術進歩と政府の政策とに 求めたの である, 一方において投資の生産 しか しな が ら そ の よ う に し て & =βs なる均衡を維持したと しても, ‐ 力効果 (ぴ) は資本蓄積を急速に大きくするから, 不況に転向 しうる条件を常にはらむ で あ ろ う し, 他方におい ては, 独占的な行動あるいは公債支出を行なう政府の行動 から, 一般物価水準は 一定と仮定するこ とが便利であると Domar は考えている から, 均衡成長に等しい 所得増大が乗 数効果にお いて達成されたとしても, この二つの関係すなわち所得 (需要) 増大政策と生産力効 果において生産性が上昇する場合には, 所得分配は企業に有利に, 賃 金取得者に不利に作用する - 78 -.
(6) . 第 21 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部B). 昭和4 6年2月. であろう. このような所得分配の変化が社会の消費需要を相対的に縮少させるならば 現在まで , に達成された生産能力が有効需要を上まわることになるから, 企業者利潤は投資にむかわず内部 蓄 積 さ れ る こ と に な ろ う, こ の 時, Domar の考えた デフ レ・ギャッ プを相殺するための政府投資 は, イ ンフ レー シ ョ ン 圧 力 を も た らす こ と に な る.. こ のこ とが再 び価 格の上 昇 を も た らしか つ労. 働節約的技術進歩を採用することとなれば, 独占力の強化に結びつき所得分配が再び変化するで あろう, そのことが結局内部蓄積を増大させることにより社会全体の β を高めるならば, 乗数効 果は低下し, 失業の発生をみるであろう, 従っ て Domar の 論理を発展させるならば, 所得分配 4 ) 一定, 貯蓄性向一定という仮定は成り立たなくなる1 , それゆえ, 政府の政策 によっ て 投 資 と D 所得を均衡に成長させようとする omar の完全雇用 program は, 次 期 に は, 一 層 の 完 全 雇 用 のための政府の政策が要求されることになるであろう. 繰返すと Domar に よ る 帰 結 は, K1ein の Z-1 の量的変化から質的変化を問題としたことに おいて, 新投資が経済構造に与える影響にまで分析を進めていることから, 完全雇用 program. program. に おい て, Domar は K1 i e n を一歩発展させることができたけれども, そこにおける生産技術 の 強調が, 経済発展を阻害する要因としての性質をもあわせ持つことになった のである. これまで述 べ て来た完全雇用 の均衡成長という考え方は, Doma r に お い て の み で な く, Harrod 5 ) に おい て も と り上 げ られ て い る1 . Domar. と. Harrod. は, ともに政府の適切な介入が投資と所得と の均衡成長を実現するであろう と考えて経済成長の問題についてとりあつかいながらも, 経済政策においては, 異った帰結に達 してい る, そ れ ゆ え, Hi cks 以後の景気循環の理論に進むにあた っ て, この両者 の理論を比較検 討 す る こ と に す る. そ こ で 次 節 に お い て は, Harrod の理論について述 べることにする. .. (註) ’ ’ 1 ) a, 於Vsey D,Domar三‘Expansion And Employment i i can Economi c Rev ew,1947 , The Amer ,P,42 ,. “Bx ans b l on And Bmp oyment p p i . Domar は, , 49の 注19 , に お い て 次 の様 に 述 べ て いる, Simon “Nat ” Nat Kuznet i S i I P d i s IBur t n 9 6 9 o a r o u n c el c ona eau of Economi c Research , .p ,89 をみよ. 我. 々は常に一定の α を仮定しなければならない, というつもりはない そうではなくて α が低下すると期 . , 待出来る十分な証拠がないというのである. ・ . ここでいう α は 本稿の β を意味している , , , ” 2 ) Evsey D. Domar三‘op,ci t , 1947 , .p,36 ‘ “ ‘ i 3 ) Evsey D. Domar t , 1947 , op,c .39-40 . ,pp ”o c i 4 P ) Bvsey D. Domar t I 9 4 7 p p , , , ,40 . ” i 5) Evsey D, Domar tぞ 1947 , op ,c ,42 ,p , ‘ ’ ’ ‘ i 6 ) Bvsey D, Domar t .c , op , 1944 ,p ,41 , 7 ) 末永隆甫 『現代経済変動論』19 55 ,266頁, ” “ 8) BVSey D. Domar i i 1 Expans t a e of Growth on i oyment t r ca 1946 , Cap仁 , Rat , And Emp1 , Econome ,. Vo l ,14 ,143 , ,p. ,. 早川泰正 『経済変動理論への途』 昭和26年,126‐117頁 “ ’ ’ i i 9 ) Evsey D. Domar on And Empl oyment can Bconomi c Revi ew,1947 , Expans . The Amer ,55 . ,p ”o c沈’ ’1947 1 4 8 0) Evsey D. Domar p . , , ,p. , ‘ ’1947 . i ′ t 1 1) Evsey D. Domar ,c ,p , op ,49 , ‘ . ’ ’ D D C I i IE i E ▽ s t h ey , omar 12 ap a xpans ) on e of Growt i oyment t r ca , , Rat , And Empl , Bconome , ,1946 VO I .14 ,147 . ,p ”Ex ans ’ ’ i on And Bmpl oyment can Economi ew,1947 p i c Revi . The Amer ,49 , ,p. 13 ) 早川泰正 『前掲書』 昭和2 6年,128頁. 14) Domar が 所得分配一定, 貯蓄性向一定, という仮定をたてたのは論理を進める上での便宜のためであ り, 従ってこの理論を, 物価水準が低下叉は騰貴した場合についても発展させられることについて述べてい “ ) る“ (イ) i s e on And y D, Domar , しかしこの問題についての分析は行なわれていない, 〔 , Ev , Expans. - 79 -.
(7) . i i i f Bduca i ido Un t t t lof Hokka on I B) on (Sec ver Journa s yo. VO I .2 .21 No. Febり 1971. ’ The Amer i 〕 i ew,1947 c Rev Empl / can Economi oyment .36 ,p. ” The おconomi l l c Journa , 5) R. F, Harrod,“An Essayin Dynamic Theo坪. .49 1 ,1639 , Vo ”TOWards a Dynami c s c Economi , ,1948. s は資本の完全雇用のために必要な増加率であ び は労働の完全雇用のために 必要な増加率であり, β 注 1 , β る.. 第 二章. Harrod. の成長理論. Keynes の 『一 般 理 論』 の 目 標 は 完 全 雇 用 の 達 成 と い う こ と で あ っ た. こ れ に 対 して Harrod の 目 標 は, Keynes よ り も 一 層 長 期 に お か れ て い る か ら, 完 全 雇 用 の 達 成 の み で な く, での規則正しい進歩率 (A Steady Rate of Growth) の 維 持 を 重 視す るD,. そのも と. rod は成長に関して次のように定義する. ま ず Har Y = 所 得, S = 貯 蓄, s= 貯 蓄 率, 1= 投 資 と お い て,. s一 号. (6). /.S= sY. (6′). 次に産出量 (国民所得) の増分一単位の生産のために必要な資本 stock の 増 分 を C とおくと 1. (7). ただ (dK 資本の増分) =1 C= ヤ イー. 7′ (7 ). ′ .1= C4Y. このCは資本係数をあらわす, Keynes の 均衡条件 (1=S) から sY=CdY 4Y. Y. - s. C. S. . GC=s ・,G =÷ご÷ or. .. (8). この式は, 貯蓄の存在は, それに等しい投資をもたらすという事後的な自明の理を示 しており, 貯蓄が高いほ どまた資本係数が小さいほど成長率は高くなることがわかる, 次にこの 式を事前的な関係に改めることにする. 今, t期の投資 lt はt期に実現すると 予 想される期待所得 Yt を生産するのに不足する資本 の 額だけ行なわれると考え, t期に存在する資本量は t-1 期 の 所 得 で あ る Yt-1 を 生 産 す る に 必要であった資本量である と仮定する。 換言すれば, この投資は, 前期から当期にかけての過去 の所得の増加に もとづいて投資が誘発されるものと考えられる, 従 って投資函数は (9). lt=v (Yt- Yも-ー). で あ る. ま た, t 期 の 支 出 計 画 は t -1 期の所得から決定されるとすれば, t期の貯蓄函数は (10). Sも=sYt一.. で あ る.. 投資と貯蓄は, 均衡においては等しくなければならない から, Yt- Yt-l Yt. s. (1 1). v. i i ー br ) ÷ は均衡成長率 (The E哩i um この式は 1=S を満足する所得の成長率 であるから2 , - 80 一.
(8) . 第 21 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部B). 昭和46年2月. Rate of Growth) または保証成長率 (Th e Warranted Rate of Growth) と よ び Gw であらわ ) す3 .. す 競っち Hamd に従えば, 生産物の需要と供給が等しくなるためには, 所得も ま ÷÷で成長しな ) けれを ならない4 . この成長率が実現されるならば, それは企業家をして多くも少なくもない生産 量すなわち, 企業家をして満足させる生産量をもたらす成長率である4 ) , これは, 人口 の増加と ) は関係がなく, 非自発的失業の可能性を含んでいる5 , 次に, Gw●とは関係のない, 人口 の増加と技術進歩を完全に吸収することによっ て可能となる進 歩率を Gn で示し, 次のように示す. GnG =orキs. (12). 従 っ て G。 は非自発的失業のおこる可能性を含んでいない6 ) .. 以上 の三つの成長率の概念を使用して, Ha r r od は, 景気循環 の各局面の説明を以下のようにお こな っ て い る.. (イ) 上位転換 Harrod. は, 完全雇用に衝突して転換する場合と, それ以前に自然的に転換する場合とをわけて. 考 え てい る.. まず「完全雇用天井」に衝突して転換する場合について, Ha r r od は次の三つの可能性を考える, (1) 遊休資源が再 び使用されて行く回復の時期においては, C<C である すなわち 現実 . , の産出量の生産に必要な資本量は, ほとんど遊休資源 によ って充当されるからである. ゆえに, G>Gw と な り, 次 第 に G と Gw との茄離は大きく なる しかし完全雇用が達成されると G は . , Gn の 値に 等 しく な る , こ の 時, も し G。<Gw な ら, Gn に急落した G の 値 は, Gw を下まわり,. ) この点で不況が不可避的となり, G は時間の経過と共に低下していく7 . (2) Gw そのものは景気循環中に変動する . なぜなら, 所得からの貯蓄の割合は, 長期的に. ) はほぼ一定であるとしても, 短期的にはそのようにはならないであろうからである8 . 今, 国民所得が増加する時, それにつれて貯蓄も増大するとする. 貯蓄が増大すれば, Gw も また増大する. かくて Gw<G。 を正常としても Gw は漸増して好況の後段階には, G。 を超え るかも知れない, かくて完全 雇用が到達すると, 不況への転換は不可避である, (3) 次に好況のあいだ中 Gn>Gw であり, しかも完全雇用状態にな っても G>Gw で あ っ て 拡張し続けるならば, インフレーションとなり, 物価と利潤を上昇させる, これが貯蓄係数 を増 加 さ せ, Gw を Gn に等しくさせた時, 転換点が生ずる. この場合 G=Gw=G。 に い た る ま で 完 ) 全雇用状態がしばらく続いて転換点となる9 , 次に完全雇用に衝突する以前に上 位転換する場合について考える, (1) Gw が G。 にくらべて十分大きい場合には, 国民所得水準と雇用量は急激に上昇する , それに応じて, 労働力その他の資 原を必要な用途に急速に移転することが要求されるが, 国民所 得水準と雇用の上昇につれ, この移転は次第に困難となり, それにつれて G は低下し, 「完全雇 用の天井」 に衝突する以前に Gw より小さくなることもありうる, この時, 下降転換が不可避的 o ) Gw が G。 より大きければ大きいほど より完全雇用以前で の不況への転換が生じる と な るl . , , これが慢性的不況ということになる. (口) 下位転換 Harrod. は, 純投資は産出高の増加率の函数であるが, 粗投資は, ある程度産出高水準の函数で あると考える, 沈滞の初期においては, それらの値はゼロにまで減少するかもしれない , なぜな. - 81 -.
(9) . Vol .2 ,21 No. i i f Educat ion (Sec ido Uhi t t Journalof Hokka ver on IB) s yo. Feb . ,1971. ら産出高 が減少してい るのであるから, 古い機械その他の固定設備は寿命がつきても, 必ずしも 再調達する必要がないからである. しかしもし不況の進展中におい ても ブラ スの生産物水準を維 持せねばならないとすれば, 再調達必要額は早晩正となるに 違いない. ところで貯蓄は, 不況の進展による国民所得水準の低下に基づいて低下するものと考えられる. それゆ, えやがて補填投資が必要になった時に, その最低必要額よりも粗貯蓄額の方 が少なくな i nomy により, 乗数効果を通じ る点において, 「事前の粗貯蓄」 <「事前の粗投資」 という Ant て G >Gw となり, 経済は累積的収縮過程より累積的拡張過程へと転向する=) . 以 上 に お い て Domar と Harrod 理論の概要 が説明された, それゆえ次には, 成長理論から循 環的成長理論へと理論を発展させていくにあたり, なぜ成長理論が循環的成長理論に引きつがれ r r od 理論を比較検 なければならないのかという理由を明らかにするために, まず Domar と Ha 討 す る こ と に す る,. <註> ‘ ‘ 75 1) R, F. Har c Economi c s” 1949 rod . .74‐ ,pp , Towards A Dynami 2) 玉木興乗, 『 ヲ 現代経済の変動理論』1968,128頁 ’ ’ l 1 c journa c Theory 3) R, F, Harrod,”An Essayin Dy1 lami ,18 , , 49 , 1936 ,P , The Economi , VO “ 1949 p 81-86 ”TOWards A Dynami i R, F, Har E s c c o n om c rod , , , , , ’ ’ ‘An 豆s ” l 1 c journa sayin Dynami c Theory 4 ) ”R, F, Harrod,‘ , 49 ,16 , , VO ,P . The Economi ,1939 ” ”Towards A D nami i E 4 9 8 1 9 s c conom c y , 1 ,p . , ’R, F, Harrod“ Towards A Dynamic Economi備,1949 5) ’ ,87 , ,p , ” “ i r 6) R. F. Harrod .87 . ,c , 1949 ,p , op “ ” i t rod 7) R, F, Har .89 . .c . 1949 ,p , op “ 1949 ”o c i t 8) R. F, Harrod p p .89‐90 . . , , p , ” “ i t 9) R. F. Harrod . 1946 ,89 , ,p , op,c ” ” i t rod 10) R. F. Har . 1946 ,90 , .c ,p , op ” 1946 p 91 i t rod,“op.c 11) R, F. Har . , , .. 第三 章. Domar と Harrod の理論の比較. ・て, それぞれ別個に検討してきた, この両 と Harrod の成長理論につし 者の理論は, 考え方において非常によく類似しているが, 帰結においては, まっ たく対立した見 解を示している. それゆえ, この草においては Domar と Harrod の理論の類 似点と相異点につ こ れ ま で は, Doma r. い て 論 述 す る こ と に す る.. び) と資本係数 (=加速度係 との差異は, 端的にいえば, 生産力係数 ( 数v) との差異として要約される. まず. Domar と Ha r rod. す な わ ち, それ ら は, 各 々 次 の よ う に 示 さ れ た, o 十r ot - P 4 に ,t .1t V=. (1). l t Yも- Yt一. (9). すなわち, 前者は, 当期の独立投資が将来の生産者の増加となってあらわれる供給能力を示す の に 対 し, v は前期から当期に かけての過去の所得の増加にもと づいて 投資が誘発される加速度 関係による需 要を示す. Domar に お い て も Ha r rod. におい ても, 貯蓄は共に,. S =sY. - 82 一.
(10) . 第 21 巻. 北海道教育大学紀要 (第一部B). 第2号. 昭和46年2月. であった (第一図) , また投資は 1=. 1 . 」」 ÷;v) 4P ( ′ .. (2′ ). . であったから, ÷ は, 投 資こよる生産力 ( -所得) の大きさを示す勾配であり, H mod の v に相当する, l 今, 0 期で Yo の 所 得 の 時, l o の生産能力 (区間 o=So の均衡状態 (A点) が経続すると, d Y AB) が増大する この生産能力が完全利用されるためには 所得は o か ら Y・ に 増 加 し な け. , , ればならないから, そのための投資がなされなければならない. この独立投資が乗数過程をへて. 所得が. Y, に 達 し た 時 の貯 蓄 は 1 ・ . に 等 しい S. で あ る, こ の 1・=S・ の 均 衡 に お い て 再 び び1. (第一園の CD) の生産能力をもたらす, それゆえ, 独立投資によ って常に発生する生産能力の 増加を完全利用するためには, 投資も叉それに等しい割合で増大しなければ な ら な い, これが Domar の完全利用成長率 (第一図 BDFH) で あ る, 第 1 図 1摘 1.4P. 1 3=S 3 1 ,=S 2 1 .=S , . ・ - - 宅 二 二ル三 二 二 二 二ゴ : ー. 11. Yu. Y.. Y 2. Y3. Y. P---ー. Y .. 11 次に Harrod においては, 第 ( ) 式が 1 = S を満足する成長率であった, ここで ′ ′ ) 式は 第( 2) 式の 4P の測定は, 国民所得で換算するものとすれば, 第 (2 1= 1 4Y. Domar の. (2つ. . として示される.. - 83 一.
(11) . vol ・21 No ・2. Feb ・ ,1971. i d。 Uni i i l。f H0k 1 Journa t くai s on (Sec仁 on . B) ver y of Educat. に で D。ma r の投資 晒 ÷ 4p の生 総 力を生むという解釈を, 現存する生産能力 4P を 完全利用するための所得の大きさは 4Y であり, その 4Y を生み出すためには資 本の増分 dY が必要であり, それを生み出すために投資 1 が必要であ て, その投 資ま ÷ 透く という関係か ′ ′ ら誘発されるものと考えると, 第 (2 ) 式は, Ha r r od の l t=v(Yt- Yt--). (8). と 同 じも の で あ る. そ して こ れ が, SYt- t - ー が与 - と等しくなる点が均衡点である. すなわち Y IH の生産能力が増大す えられ, その所得水準で 1トー=SH の均衡が存在していたとすると, び る, 従 っ て s と v とがわかっていれば, この生産能力をうめる次期の所得, Y t の大きさを知る こ と が 出 来 る の で あ る, そ れ ゆ え, Domar の l o が生産能力を 4P 増 大 さ せ る と い う 考 え 方 と, Harrod の所得 Yo か ら YI に増大させるために l o の投資を必要とするという考え方は, 均衡所得の増大という考え rod の Gw とは, 結局 方 を 別 の側 面 か ら と り あ つ か っ た も の で あ る か ら, Domar の βs と Har 同 じも の で あ る D.. 叉, 平均貯蓄性向=限界貯蓄性向なる時, 投資の完全雇用成長率 釣 は, 同時に所得の完全雇 用成長率であるから, これは Harrod の G。 に 相 当 す る注1 , 以 上 の こと か ら, Don ・ ar と Harrod の理論内容は非常によく類似している が, 完全雇用政策に お い て は 大 き な 差 を 有 して い る.. すなわち, 完全雇用政策における Harrod の立場は, 生産能力よりも有効需要を重視している, においては, 潜在的な生産能力がいかに豊かであっても, これを顕在化する有効需要が. Harrod. 不足していては, 経済の発展を軌道にのせることは出来ないという1930年代の大不況の経験と, ) がために, 供給能力については語るに そのことが再び起こるであろうことを念頭においている2 乏しく, 有効需要のみに力点がおかれているのは当然といえよう, それゆえ, Harrod の政策の 目標は, 非生産的生産部門への長期投資により高貯蓄を吸収し, Gw をG。 ま で 低 下 さ せ る こ と により, 長期沈滞を回避することにある, しかし不況対策と してこのことを強調したことにより, より長期をとるならばいかに 非生産的な部 門への投資であろうとも 誘発投資を通じてやがては生 ) 産能力の増大を もたらすであろう側面を看過することになる3 . これ に 対 して Domar は, Harrod の見す ごした問題を中心にすえている. す な わ ち Harrod の 完 全 雇 用 政 策 が Gw を G。 ま で 低 下 さ せ る こ と で あ っ た の に 対 して,. の場合には, Harrod と は ま っ たく 逆 に, βs (Harrod Gw ) を低下させるような政策はと s の成長に見合って技術的改善によって & (Ha od の G。 ) を引上げることによ r r らずむ しろ β s=βぴ なる完全雇用の均衡発 展率を維持しようと考えている. 「Harrod と 異 り不況を回避 し, β. Domar. な り, Domar の脳裏には New Deal を通じて育まれた一つの印象, すなわち単純な政府投資は ion 効果においてかえって相対的労働不足と高賃 金を招来し, 投資を阻害するもので その inHat ) 4 ある こ と が 強く う え つ け ら れ て い る に ち が い な い」 .. <註> 2頁. 13 1) 玉木興乗 『現代経済の変動理論』1968年, 131‐ ” i備ぞ 1949 2) R , 序 に お い て, こ のこ と につ い て ふれ て い る, .F. Harlod, Towards A Dynamic Bc。non・ 3頁. 3 ) 早川泰正 『経済変理論への途』 昭和26年13. 注・ .毒 血 J. 一 84 -.
(12) . 第 21 巻 第 2 号. 北海道教育大学紀要 (第一部B). 昭和46年2月. この関係は, 限界貯蓄性向と平均貯蓄性向が等しいならば同時に所得にも適応されるから この成長率 鋤 は経済の現実の拡張の極大限であるとから Harrod の G。 にあたる. し かし Domar によれば新投資の単位量が社会全体として附加する. 生産能力は, その単位量が固有のも のとして持つ潜在的能力と同じではない. 後者が新たに創設された資本 Stock をそれ だけ孤立化してみた 場合の固有の能力であるのに対し, 前者は新投資の資本 Stock 以外の既存の生産諸要素との関係に拘束さ れるであろう. そこで新投資の固有の能力を s であらわし, まえと同様の均衡条件を求めれば,. 成長率 β r s は資本 Stock の完全利用の維持するために要求さるべき増加率であるから Ha r od も G、 v に あたる. 早川泰正 『経済変動理論への途』 昭和26年, 175頁.. 結びにかえて これから景気循環の問題を考えていくにあたって, まず最初に念頭におかなければならないこ と は, Domar や Harrod のような均衡発展率を基軸として導かれる経済の変動理論は, 真に正 確 な 変 動 を 示 す こと に は な ら な い と い う こ と で あ る,. そ の 理 由 の 第 一 の も の は, G“ 叉は. &を. 形成する技術進歩と人口増加 が継続的であると仮定される現実的根拠はあるのかどうか, という ことであり, 第二の理由は, 技術進歩が Domar の ごとく労働節約的であろうと Harrod の ご と く中立的であろうとも, それが実際には, 所得分配に影響を与えるのではなかろう か, というこ と で ある, こ こ で, こ の 第 一 の 仮 定 が ア プリ オ リ 一 に た て ら れ る も の で は な く,. か つ第 二の問 題. である所得分配に変化があるとするならば, G。 叉は β〃 を基軸にした不安定性の問題が常に実 ) 現されるという経済理論ではなく, 経済成長を経済体系に内在的なものとして位置 づける経路1 を見い出すことが必要である, 換言するならば, 循環と趨勢の問題を別個にではなく, 同時に考 体系の長期化を真に意味することになろう, えて いく こ と が Keynes′ cks の理 これらのことを研究していくにあたり, まず最初にとり上げなければならないのは Hi 論 で あ る が, そ の こ と に つ い て の 論 述 は, 次 の 発 表 で行 な う こ と に す る,. <註> 2 8年4月, 第十一号 1 1 ) 柴田義人「経済成長理論の基本的性格」『経済論集』北海道大学経済学会, 昭和3 ‐13頁.. -8 5一.
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