神統譜の民族学
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(2) . 第 12 巻 第 2 号. 北海道学芸大学紀要 (第一部A). 神. 統 中. 譜. 民. の. 塩. 清. 俗. 昭和3 6年12月. 学. 臣. 北海道学芸大学岩見沢分校国語学園女学研究室. Ki omi NAKAsH工Ho ; Folklore of Theogony yo”. 一. 「安積 (香) 山かげさ へみゆる山の井の」 あさきこころをわがおもはなくに 「万葉集」巻十六. の三八〇七一 「古今集」 仮名序・「俊頗口伝集」・「夫木和歌抄」・「古来風藤抄」・「八雲御抄」・「宗祇抄」 ). -. むかしはいざなみのみこと 「あなにや」 とながめ 下てる姫の 「あもなるや をとたなばた ,. の」 とょ み, 近 き 世 に は , 衣 通 (そ と を り) 姫 の 「く も の ふ るま ひ」 と い ひ, ぅ ね め が 「あ さ か 山」 と は べ り し は 「伊勢源氏十二番女合」 六番) , あ さ か ら ぬ こ こ る に も ぞ は べ る ら ん. (. 「安積山…」 の歌では 「山の井の」 が 安積山・あさきを映発させてゐる それに枕詞 「山下 , , の」 が 「あ」 を さ そふ や う に 枕 詞 と して 「山 の 井 の」 も 「あ」 を お こ す , . ま し て 「山 の 井 の」. が綾なす縁語機 能から, かげは樵 (かげ) ・影 (かげ) ・光 (かげ) のモンター ジ をかたちづ ュ く る. と き に 「… か げ さ へ み ゆ る 山 の 井」 は , 夢 幻 泡 影 (フ ァ ン タ ス マ ゴ リ ア) を め ぐる 心 意 伝. 承をうたふ, といふわけはこ の種の 「山の井」 が つまり 「真井 (まなゐ)」 に属する まな- , , 「莫 (マナ)」 (名義抄)-は 禁忌制止をしめす 終助詞・係助詞 「な」 とか 「 副詞 な…そ」 , . , の女法格より, 意味内容が厳重だった. とかく秤 (な) れちか づいて 神聖を冒流しないためで , あ る.. -. 浅香の沼, 名ありて た づねゆけば , みえぬ沼なり. もしたづねてみれば, 死するとい へ. り. (久曽神昇氏蔵「堀川院百首間書」→日本古典大系本 「風土記」 ). と同時に熱病理のひとつに擬して ひとりの患者 のすがたが ふたつとなって どちらが 本人 , , , か見まがふ 「かげのわづらひ」 (雄魂病) とか 睡魔におびきだされて自在にふるまひ さめて , , か ら 記 憶 を と ど め な い 「か げ の や ま ひ」 (夢 遊 病) と か ,. と に かく あ こが れ でる たま しひ のよ る. べのゆかりを, 山の井 のところとみてゆく副次構成におよぶ だからさういふ異状事態な り不合 . 理なりをふまへて 「源氏物語」 若紫に , 一 源氏 あさか山あさくも人 を恩はぬになど山の井のかけ離るらん 一 尼かへし汲みそめてくやしと聞きし山の井のあさきながらやかげを見すべき 寓葉集の 「安積香山」 では, 由縁歌として成立の経緯をひだりにしるす 宴遊・楽飲 の席上の 。 即興吟 といふから, すでにあった調 詩小曲の替へうたでもあらう 「夫雲 (あま ぐも) のかげさ . へみゆる こもりくの長谷 (はっせ) の河は…」 に徴 しても 初句 「安積香山」 はうごく性質の , ものである, 前釆女 (さきのうねめ) が鎮魂賦 (レクェム) として地名をとりこみ うたひあげ , た技巧処理のみえるところである. 「序 みちのくのあさかのぬまの花かつみ」 かつみる人に恋 ひやわたらん - 11 -.
(3) . 中. 塩. 清. 臣 (「古 今 集」十 四巻 の 六 七 七). 一. 月 や どろ あ さ か の ぬ ま の 水 潜 み 夜 も 玉 藻 の な び く を ぞ み る. 一. 「金葉集」巻二の一三八) あやめ ぐさひく手もたゆき長 き根のいかであさかの沼に生ひげむ ( あさかの沼のあやめ ぐさ, 影さへみゆるあさか山, きつつ馴れにし忍ぶの里の摺り衣…. 一. 「壬生忠見集」 ( ). (「義 経 記」 巻 二). かつて釆女の閲歴をもった風流 (みや び) の娘子 (をとめ) が, 「左の手に鯵 (さかづ き) を ささげ, 右の手に水をもち, 王の藤をうちて, この歌をょむ」 といふ動作 (しぐさ) には, 尊者 をあつかふ舞姫の児術工程がある. 雄略記の三重ノ釆女の天語歌 (あまがたりうた)のケースでも あきらかであらう. 一 昔, 大納言のむすめいとうつくしうてもちたまふたりけるを, …内舎 人 (ぅどねり) にて ありける人, …かきい だきて馬 にのせて, 陸奥国 (みちのくに) へ…逃げて往にけり. 安積 の 郡 (こ ほ り) 安 積 山 と い ふ と こ ろ に, 庵 を つ く り て こ の 女 を 据 ゑ て, …とし月を経てあり に, 三国日こ ざりけれ ば, …たちいでて山の井 にいきて, 影を みれば, わがありしかたちにもあらず, あやしきやぅになりにけり F.いと け り. … こ の 男, 物 も と め に い で に け る ま. は づ か し と お も ひ け り. さ て よ み た り け る,. あさか山かげさへみゆる山の井のあ さくは人を思ふものかは と よ み て 木 に か ぎ つ け て, 庵 (い ほ) に き て 死 に け り. 男, …山の井なりける歌をみてかへ り き て, こ れ を お も ひ 死 (しに) に, か た は ら に ふ せ り て 死 に け り. 世 の 「ふ る ご と」 に な む あ り け る. ( 「大和物語」 百五十五段一 「今昔物語」 巻三十の八・ 「十司=抄」 五・ 「古今著聞集」 和歌第 ) 六・「燕石雑志」 巻二・「京童跡追」 第六白滝の前・ 「桃太郎の誕生」. 「小町集」 にはこの歌を小町の作品になぞらへてある. それで 「伊勢源氏十二番女合」 六番の 小野小町に, 色好みの家としての典型をみとめ, 「… う ね め が あ さ か 山 と は べ り し は, あ さ か ら ぬここるにもはべるらん」 といふ. それも 「古今集」 仮名序の 「あさか山のことばは, 釆女のた はぶれよりよみて…」 をうけてきて饗 宴のむしろをいる どろ舞姫のエロチシズム, といふ風にだ 「古今集序注」 →謡曲 「釆女」 ) けみとめてゆく近代精神のほかのものではない ( . だからして 「為 兼卿 和歌抄」 でも, 「…かの釆女…歌をよめるこころ, …かのおほき みすかさむとて, … か は ら け と り て も, こ の 人 を す か さ む と 思 ふ こ こ る …」 と か き と め て ゐ る.. か う い ふ 感 受 の 軌 跡 な ら,. 「椅語抄」 ・ 「井蛙抄」 をへて 「一目玉鉾」 にまでもつづく. だが 「大和物語」 あさか山調系統 の小説構図をすべてとりはづして, た だ 中」の井」 と ばかり題して 「古今六帖」 巻二には録して あ る.. 万葉集の 「安積香山かげさへみゆる…」 を, よりどころにした古今 集の作品抄, 「山 の 井 の」 あ さ き こ こ ろ も お も は ぬ を か げ ば か り の み 人 の み ゆ ら む (恋一巻十五の七六四). -. 「むすぶ手のしづくに濁る山の井の」 あかでも人にわかれば る か な (離別一巻八の四〇四一 イ・ぁさくは イ・を. 「古今和歌六帖」 巻二・「拾遺集」 巻十九の一二二八・「貫之集」 九・ 「古来風林抄」 下・「時代不同歌合」 五 十三番左・「梁塵秘抄」 長歌・「北辺随筆」 巻四・ 「北癒墳談」 後篇). 「あか」 は 「濁る」 の縁語-あかるの反対 概念一であるし, 「山の井」 からの懸詞として水垢 「古今六帖」 二・「縞語抄」上・「和歌呉竹集」六) (みづあか)でもある( . さらに「飽く」の懸詞だか ). とりわけ水にちなむあかとわか ら, 「わかれ」 とも呼応する (「新撰和歌」 三・ 「古来風騨抄」 だけ に, 序歌のメカニ ズムも純粋写生で とは, もちろん同祖分化である. 主題が恋一離別である 「詠歌一体」 ・「歌林良材集」).「むすぶ」が「わかれ」と映発してゐるやうに, 「しづく」(雫) はない ( - 12 -.
(4) . 神統譜の民俗学 はわかれ の縁語 「洞」 の比1 除でもある. 古今集がとりあげてゐるときの詞書は, 「しがの山 ごえ にて, 石井のもとにて, 物いひける人 の わかれけるをりによめる」 とみえるのだが , , 拾遺集の 端作 (はしづくり) にいたると 「しがの山ごえにて 女の山 の井に手あらひ むすびてのむを , , 山の井に女の ・ 貫之集 , みて」 といふ. つまり 「古今集」 の発想法は一人称 「拾遺集」 のは三人称風になるであらう , . よみてやれる ・ 貫之集. 拾遺集は 「貫之集」 の構造によってゐる. 一 「…しづくに濁る山の井の…」 といへるは , 人丸が 「むすぶ手の石 (いは) まをせばみ奥 山 の岩 垣 清水 あ か ず も あ る か な」 (「古今和歌六帖」 第五, 「新千載集」 巻三の三○-) と い ふ 歌 を と れ り. (「八雲御抄」 → 「悦 酌少」) ー. こ の 歌, 「む す ぶ 手 の」 と お け る よ り , 「し づ く に 濁 る 山 の 井 の」 と い ひ て, 「あ か で も」 な ど い へ る, お ほ か た す べ て こ と ば ・ こ と の つ づ き ・ す が た ・ こ こ ろ か ぎり な く は べ る な , る べ し. 歌 の 本 体 は た だ こ の 歌 な る べ し (「古来風 繁少」) , .. 万葉集におさめる 「藤原宮 の御井の歌」 の生命示標のところ , 一 …高知るや天 の御蔭 夫知るや日の御影 の 水こそはとこしへにあらめ. 御井の潜水 (ま. しみ づ) (巻一の五二). 「天の御蔭」 ・ 「日の御影」 は対句表現であるが 殿舎をさすともいふ , してみると 「天の朝 , 廷 (み か ど)」 (巻二十の四四八○) ・ 「日 の 御 門」 (巻一の五○.巻五の八九四) と 同 意 語 に あ た る ,. 一. 座摩 (ゐかすり) の御霊 (みかむなぎ) のことをへまつる …生 (い) く井・栄 (さ) く , 井・つなが井・あすは・はひき, と御名はまをして …皇神の敷きます下っ磐根に 宮柱ふ , , と知り立て, 高天の原に千木 (ちぎ) 高知りて , 皇御孫 (すめみま) のみことの瑞 (みづ) の御舎 (みあらか) をつかへまつりて, 天の御蔭・日の御蔭とかく りいまして… (祈年祭祝 詞). ゐ か す り は井 と か 川 水 の ほ と り の 神 を ,. き よ め い っ き ま つ る 座 祝 (い は ひ べ) ,. そ れ の詞 みと. なへる鎮護詞 (いはひ ごと) が, 大略かう いふ修辞法の類型をもつ ( 「祝詞考」 ). したがって 「藤 原宮の御井」 の反歌の表現のうちに, 「藤原 の大宮っかへ生 (あ) れつくやをとめがともは…」 , , と う た ふ 伝 承 理 路 も さ す が に 整 然 と し て ゐ る,. や は り こ こ の を と め は, 座 摩 (ゐかすり一ざま) の. やぅな児術司宰 をさす, そこで「山のべ の御井をみがてり…伊勢をとめ ども」( 「万葉集」巻一の八一) と か,. ま た 「も の の ふ の 八 十 (や そ) を と め ら が 汲 み ま が ふ 寺 井 …」 ( ・ , ,巻十九の四一四三)と か,. それから 「真間の井 をみれば…水汲ましけむ手古奈 (てこな)」( ”巻九の一八○八) とかにしても, , ともに水-石井・堀井・筒井-をあつかふをとめのイメ ← ジをかさねて , しだいに秤情の展開接 点となってゆくのは, 前提としてかういふ心意の史的秩序を負ふためである ふるうた 「安積山 . か げ さ へ み ゆ る …」 (「万葉集」巻十六の三八○七)の 替 へ ぅ た に た と へ ば 「佐 保 川 に 凍 (い て) り わ ,. たれる薄氷 (うす らひ) のぅすきこころをわがおもはなくに」(…巻二十の四四七八)がある 「古今 . 集」 東歌のうちの 「ひたちうた」 , 一 つくむ まねのこのもかのもにかげはあれど君がみかげにますかげはなし (巻二十の一〇九五) この 「君がみかげ」 は 「天の御蔭」 ・ 「日の御影」 との類比関係にある 追って雅歌として恩 . 賓 (みたまのふゆ) の主題は, のち二次的 におのづからひらけてゆく . だか ら貴人の殿舎・邸宅 をも こ め て い ふ こ と に な ら う. も と よ り か げは 光 で も あ っ た し 葛 ・ 棲 で さ へ も あ っ た の だ か , ら. と き と して さ き の 「ひ た ち う た」 に た よ っ て の 詠 唱 方 式 は ,. みこの宮の帯刀 (たちはき) には べりけるを 宮づかへつかうまつらずとて , , 解けては 一 13 一.
(5) . 中. 塩. 清. 臣. ベ リ け る と き に よ め る. ま ね の こ の も と ご と に た ち ぞ よ る 春 の み 山 の か げ を こ ひ つ つ (「古今集」巻十九の九六六) つ くむ. 一. たちはかげの縁語であるところから, ここでは太刀 一帯刀舎人 (たちはきとねり) をふくめて , ゐる. 「春のみ山のかげ」 は 「春の宮」 (東宮) の恩賓 (みたまのふゆ) の懸詞 (かけことば). 「 こ ひ は「乞」・「恋」ふ た つ を ょ み か さ ね て ゐ る. は し が き を う け て み る と「た ち ぞ よ る」は, 春 の み. 山のかげをこひつつ」 の倒 叙法である. 垂加 (しでます) 派の 「玉談集」 巻七の 「天の御蔭・日 の御蔭 の伝」 に, 一 天の御蔭 ・日の御蔭, これ皇儀に して神道をあらはすものなり. 天の御蔭は, アメノミナ カ ヌ シノ ミ コ ト , タ カ ミ ム ス ビ ノ ミ コ ト の 御 蔭 な り. 日 の 御 蔭 は, ア マ テ ラ ス オ ホ ヒ ルメ ノ. ミコトの御蔭なり. 皇孫, 二祖の命 (みこと) を奉行す. …上は…乾霊 (けんれい) , 国を授 くるの徳にこたへ, 下は…皇孫, 正を養ふの心を弘むるもの. 神範 (ひもろ ぎ) ・巌境 (い は さ か), こ の た め に, こ れ を 建 つ.. といふ史観を演拝して <葵 (あふひ) ・桂 (かつら) >におよぼし, 一 葵・桂は鴨の社 ・御蔭の社に, これを尊みも ちふ. 下鴨は神武天皇の御祖 (みおや) 皇大 神宮なり. 御蔭の社は天つ神タカミムス ビノミコトなり。 天の御蔭 ・日の御蔭, 道の葵草を ます. 葵草の一名は日蔭草, この草は好んで日蔭・ 陰地に生じ, そのい もって, これをあら{ ろ青し. また負日 (あふひ) と訓み通ず. …… 柱は勝 (かつ) と部1み通ず. 負日なれば勝の義, 御蔭・日蔭に して勝なり. 《こ の 神 を ま つ る 日, こ の 草 を も っ て 殿 舎 に か け, 冠 の ぅ へ に は さ み,. も っ て 日 の神 の. 蔭をまもるの義なり。》 垂加神道 (すいか しんとぅ) が傾斜してゆ く隠秘幽遠は, すこぶる警めねばならぬ必要をみと めるが, 違識さすがに古代論理の軌跡を, 逸してゐる わけではない. 一. 車にのれる人, 賀茂に詣 づ. 「貴之集」第二) 人もみな醤 (か づら) かざしてちはやぶ る神のみあれにあふひなりけり(. 一. か く ば か り あ ふ ひ の ま れ に な る 人 を い か が つ ら し と お も は ざ る べ き (「古今集」巻十の四三三.. あふひ・かつら. 物名) 歌 こ と ば と し て 葵 に 「逢 ふ 日」 を か け, 近 江 と 「逢 ふ 身」 と を モ ンタ ー ジ ュ に し て ゆ く 詞 彩 は,. 後期王朝にいたって音韻組織が, かよふ事象を 呈してからである, あ さ か ら ず 頼 め た る 男 の, こ こ ろ な ら ず 肥 後 の 国 へ ま か り て は べ り け る が,. けて女をおこせては べ りけるか へしごとに 一. よすが に つ. 紫式部. 「新千載集」恋巻十二の一二 逢ひみむと恩ふ心は松浦 (まつら) なる鏡の神やかけて知るらむ ( 三一). 「源氏物語」 の玉電は 筑紫にくだったが, 松浦・箱 崎の明神 一八幡の宮のまもりにたすけられ, ふたた び京へのぼってきて, 石清水につ づいて初 瀬へ詣でてゐる. 「逢ひみむ」 と 「松浦」 と縁 語・懸詞を 循環させてゐる. 枕詞として 「鏡なす」 および 「鏡なる」 は, 見 (み)・みる・地名「み つ」 (御 津),. さ ら に ま た は 「思 ふ」 を い ざな ふ. 「か が み ぐさ」は く ふ ゆ の か が み ぐさ 〉 と し て 松. 「古今著聞集」五)には, 「十司 =抄」六・ のみやび名である. 松補佐夜姫が松 浦明神にまつられてゆく経緯( 八幡の姫神タマョリの位置 づけをたもつ. 大伴狭手彦にからま る松浦佐用姫と同格のオトヒヒメ コが, ひれふり蜂の竜蛇一雷との通婚物語をた どる契機にしても, 三輪・賀茂・八幡の宗教体系 - 14 一.
(6) . 申統 譜 の 民 俗 学 ネ の 発 生 基層 に かよ ふ か ら であ る ( 「肥前風土記」・「和歌童蒙抄」・「袖中抄」 ・「万葉集抄」 ・「詞林釆葉抄」) , 1 1. 一. 天の原ふりさけみればおほきみの御寿(みいのち)はながく天足 らしたり ( 「万葉集」巻二の一. 四七一天智紀十年の条). 挽歌のうちに分類されて, ひとまづ題詞によると, 天智天皇の不予 (やくさみ) のとき 大后 , 倭姫 (おほきさきやまとひめ) の一首である. 聖妹賛歌として皇居にかけた葛 (穣) をよむ 縄 . 葛をいのちに託してあつかふ慣行は, 顕宗即位前紀の十一月新嘗 (にひなへ一にひなめ) にちな む新室寿歌 (にひむろほぎうた) の 「…とり結へる縄葛は, この家長 (いへをさ→いへぎみ) の 御寿のかためなり, …」 にあきらかである. 神代記の大年神の血縁につながって ククキワカム , ロッナネの神がゐる, 天平勝宝四年十一月 の 「新嘗(にひのあへ)の会 (まつり) の癖宴 (とょの あかり) に, 詔に応ふる歌」 のひとつが, 「天にはも五百つ綱延 (は) ふよろ づ代に国知 らさむ と五百つ綱延ふ 翼 繋 辞」 …. それに推古紀ニ十年春正月 の宴 (とょのあかり) の寿歌は 「や , すみししわが大君のかくります天の八十かげいでたたす御空をみれば…」 では じまってゆく 天 . 皇みまかってのち倭姫の誠詠, 一. 人はよし思ひやむとも玉縞かげr こみえつつ忘 らえぬかも( 「万葉集」巻二の一四九). <持統紀>元年の条には, 「華纏をもて階 (もがり) の宮にたてまつる. これを御蔭といふ」 とある。 花なり樵なりをささげる目的は, 仏教が習合して供養化する以前には 斉戒 (ものいみ) , に服してゐるしるしをしめす. この歌のぅへでたもつ 「玉穫」 の女法機能は枕詞 であるが 同時 ,. に実質物件として蹟の宮(賞品繁 慕 擬 絡み)にそなへかざられてゐたから, 「かげ」 「御蔭」 と 称 し た わ け で も あ る, 山 陵を さ し て「天 の 御 門」(「万葉集」巻二十の四四八○→「続日本紀」宣命四五) と も い っ て ゐ る. ほ か に 墳 墓 を「(ひ さ か た の) 天 つ 御 門」(「万葉集」巻二の一九九)・「(ひ さ か た の) 天 つ 宮」( 「万葉集」巻二の二○四)と う た ふ, さ ら に 「常 宮 (と こ の み や)」(巻二の一九六.一九九) と も い ふ. から, つまり「常世」とは 「死 (よみ) の国」をかた どってゐる(神代巻・神武紀) すると倭姫の 「天 . の原ふりさけみれば…」 は, 天皇存命のときの寿詞 (ほ ぎごと) → 賀辞 (がじ) だったのでなく て, 登選 (とぅか) されてから哀咽 (みね) たてまつる謙詞 (しのびごと) →話 辞 (るいじ) に 属する, だから作品 のひだりにかきとどめる, 「ー書にいはく …天皇 …不予御病急 (には) , , かなるとき…」 が, 表題 (はしづくり) を補ふ左註だったにちがひない. 日戴 (ひな) みしの皇 子尊 (みこのみこと) の蹟の宮での人麻呂賦に, 一. 天 の 原 石 門(い は と)を ひ ら き. 神 (か む) あ が り あ が り い ま し ぬ. …(「万葉集」巻二の一六七) イ ・ 神あがりいましにしかそ ま. これは神代紀天孫降臨の章 に, 「天の磐戸 (いはと) をひきあげて 天の八重雲おしわけて , , もておろしたてまつる」 , とかたる伝承秩序ともかよふ. 現に人麻呂にしても導入部位として, 「天雲の八重かきわけ て 神くだしいませまっりし 高照らす日の御子…」 , とょみあげてきて ゐ る,. 神 代 巻 の オ ホ ヒ ルメ ノ ム チ の 章 で も, 「天 の 石 屋 戸」 は 幽 界 路 線 に つ な が る し 「黄 泉 (よ ,. み) の坂」 (神代巻) ・ 「黄泉の穴」 (出雲風土記) は窟戸 (いはと) からおもむく . 石戸は冥 府へのひら・ひなにあたる( 「万葉集」巻三の四一八・四一九一文学以前) 垂仁記紀 「 玉穣かげ の 」 は常世 . の国からの責来物 (みたまのふゆ) といふ. 石棺 (いはき) 作りおよび土師 部 (はにしべ) の本 縁 縞 調 に も と づ く, 垂 仁 天 皇 と 皇 后 ヒ ハ ス ヒ メ 《ヒ ハ ス ネ ノ ミ コ ト》 との死をかたる前後関係は , まるで記紀ふたつでちがってゐる. ただヒハスヒメに埴輪 の起原説明を 定着させてくる一件だ , けはかはらない. 一 15 一.
(7) . 中. 塩. 清. 臣. …よりて 令 (みこと) をく だしてのたまはく, 「いまよりゆくさき, 陵墓 (みはか) にか ならずこの土物 (はにもの) をたて, 人なやぶりそ.」 天皇あつく野見の宿綱の功(いさをし) を賞めたま ふ. ま た鍛地 (かたしどころ) をたまふ. すなはち土部職 (はにしのつかさ) に. 一. 任 (ま) け た ま ふ,. よ り・て 本 姓 (も と の か ば ね) を あ ら た め て, 土 部 の 臣 と い ふ. こ れ 土 部. の連 (むらじ) たち, 天皇の喪葬 (みはふり) をかさ どろ縁 (ことのもと) なり. 野見の宿 まつみお や) なり. 禰 はこれ土部の連 たちの始祖 (とを べつ にさういふ野見の宿禰の死にまつはる古記録がある. 一 むかし, 土師督美 (のみ) の宿禰, 出雲の国にかよひて, 日下部野 (くさかの) にや どり, 病をえてうせぬ. ときに出雲の国の人, 来たりて人衆 (もろびと) をつらね立てて運びたへ, 川の隣をあ げて墓の山をつくりき. ゆゑに立野を名づく, すなはちその墓屋をなづけて, 出 雲 の 墓 屋 と な す. (「播磨国風土記」). それから 「出雲風土記」 神門 (かむと) 郡の陰山のしたに, 割註をほ どこして 「大神の御陰な も 瑞物 (しる り」 とし、ふ. このみかげは花かつら(持統紀) , ことに蹟の宮にか ざす斎戒( 熟ま)の し) として…. ひか げのかづらをたすきにかけ, まさきのかづ らをかづ らとした. 天の石屋戸の ウズメノミコトの鎮魂法(鰻 灘 ひ→)の章に, 具体的にしめ してゐるであらぅ. 一 陰山といへるは, 品太 (ほむだ) の天皇の御蔭, この山におちき. ゆゑに蔭山といひ, ま. た蔭の岡となづく. G霧硬霧お醒神). 安相( 凝 で.)の里とし・ふわけは, 品大の天皇, 但馬よりめ ぐりいでまししとき, 道すがら 御冠 (みかげ)をめしたま は ざりき. ゆゑに陰山の前 (さき) となづけつ. … (…筋磨郡) 「四天王寺御手印縁起」 ) 安 徽ま但馬の阿相 →朝来(築 き.) の郡にちなむ( .ここに校註をほ どこし, 「もとの名は沙部(糠 談 .)とし・ひき. のちに…字を 改めてふた女字にしるすによりて安相の里と なす」 とある. すでにこの邑落の遺蹟として, 国造阿胡尼 (あこね) の卒去をつたへ, 墓をつく ってはふる と説く, 蔭山・蔭の岡・蔭山の前は, 葬送のための 「こもりくの果つ狭 (せ)」…. し てみると安相-阿相・朝来→安来(やすき)-は, 安積(香)→浅香と没交渉・無関係であらうか. 一 「伊勢風土記」 にいはく, 夫照らす大神, 美濃の国よりめ ぐりて, 安濃 (あの) の藤方の 片樋 (かたひ) の宮にいたりま しき. ときに安佐賀山 にあぶる神あり, 百人 (ももたり) ゆ く人は五十人をこるし, 四十往く人は二十をころす, これによりて倭姫のみこと, 度会 (わ たらひ) の郡…五十鈴川の宮に入りま しまさず…. ときに阿佐賀のあらぷる神のしわざを, 倭姫のみこと…伊勢の大若子の みこと…をやりて, 天皇に奏聞 (まを) しき, -. かへしやりたまふ. 大若子の神, その神を祭りてやすくし 天皇…くさ ぐさの幣を賜ひて, ・. → づめ, すなはち社を安佐質に立ててまつる. G錆嵩馨罫墨麦 ). 安 (阿) 佐賀山はむくろを野べおく り・山 おくりするところ, 荒悪神 (あらぶるかみ) は亡魂 とか行疫 とかの鬼道形象をもつ. 単に地域 (くにつかみ) -魁魅 (す だま) ・旭願 (の だま) ・ こだま-のた ぐひではない. これと均一の構造内容のものとして姫社縁起がある. 一. 姫社の郷 …むかし, この門 (と) の西に あらぷる神あり. 路ゆく人さはにころさえ, なか ばは凌ぎ, なかばは殺 (し) にき, ときに崇 (たた) るゆゑを ト (うら) へま ぐに, 兆 (か → ・ひげらく, 「筑前の国宗像 (むなかた) の郡の人阿 是古(壁 長 )をして, 吾が社を た) にし 祭 ら しめ よ. も し願 ひ を か な へ ば,. あ ら ぶ る こ こ ろ を 起 さ じ」 と い ひ き, 阿 是 古 をま ぎて,. 神の社を祭ら しめしに, 阿是 古すなはち幡 (はた) をささげて祈に)ひ祷(の)みけらく, 「ま 一 16 -.
(8) . 神統譜の民俗学 ことにわが杷 (まつり) を欲りすとならば, こ の幡, 風のまにま飛びゆ きて われを願へる , 神 の ほ と り に お ち よ」 , と 申 し て や が て 幡 を … 放 ち や り き,. その幡, とびゆきて御原の郡の姫社の社 (もり) におち, …阿是古, おのづか ら神の在る ところを知る,…しかりしよりこのかた, 路ゆく人殺害 (ころ) さえざりき, よりて姫社 (ひ め こ そ) と い ふ. い ま は 郷 の 名 と な す, (「肥前風土記」). 宗像の阿是古なら霊媒質(詔 龍 .)として聖格が, 倭姫および大若子ともこ とならない . 筑紫 の水間 (みつま) の君の祖・物部の阿遅古の連 (むらじ) の血脈譜をたどらせる ( 「酋事記」) .ま た吾撮 (あづ ら) の郷 (さと) の謹詩曲とも通じてゆく, 一 「尾張国風土記」 の中っ巻にいはく, 「丹波 (には) の郡吾纏の郷は , …ホムッワケノ ミ コ トみ と し七 歳 に して, こ と ど ひ た ま は ざ り き, … そ の の ち 皇 后 の 夢 に 神 あ り て 告 り た ま ひ しく, 「吾 は 多 具 の 国 の 神, 名 は ア マ ノ ミ カ ッ ヒ メ と い ふ. 吾 (あ れ) い ま だ 祝 (は ふ り) を. 得ず. もしわがために祝人をあてば, 皇子よくあぎとひ, ま た寿 (みいのち) ながからむ」 とのりたま ふ. 帝, 神をま ぐ人をうらどひたまひしに 日置部たちが祖建岡 (たけをか) の , 君, うらあへり. すなはち神をまかしめき, ときに建岡 の君, 美濃の国 の花鹿の山にいた り , 賢 樹 (さ か き) の 枝 を よ ぢ て 綬 に つ く り う け ひ て い ひ しく 「吾 が 纏 の お ち な む と こ ろ に , , , か な らず こ の神 あ ら む」, と い ひ し に 纏 ゆ き て こ こ に 落 ち き , , す な はち 神いま す こ とを 識 り, ち な み て 社 を た つ, 社 に よ り て 里 に 名 づ く. の ち の 人 よ こ なま り て あ づ ら の 里 と い ふ , な り, ( 「釈日本紀」 巻十一尾張国風土記逸女). ホムッワケの未成年奇談は, 垂仁記紀に委細をつくす. 同質同巧のアヂスキタカヒコ (ネ) ノ ミコト物語が, 「出雲国風土記」 仁多郡の三沢(宣言髪→)の郷でかたられてゐる ホムッワケの母 . は狭穂 (さほ) 姫, この「さ」が水精象徴をうたふ のだから, 「水穂」→「瑞穂」→「三輪」の聖女序列 にある. それで 「…その津 OR) の水沼(鷲表→い・でて, 御身沫浴(零そ維 認ぁ)ぎます…」 と い ふ 意 味 構 造 の理 解 が と どく,. ア ヂ ス キ タ カ ヒ コ (ネ) (一 ア カ ブ ス マイ ヌ オ ホ ス ミ ヒ コ サ ワ ヶ. パ コト) の妃(碁 鶏 つ が, アメノミカツヒメ (→アメノミカヂヒメ ノミコト) にあたる ( 「出 雲国風土記」 秋鹿郡・楯縫郡一尾張国風土記逸女) . ミカッヒメ の国巡行 (めぐり) は, 御杖代 (みつゑしろ) としての最高座女が, もちいつく神 の宮 づく り一唱導鎮座をしめす. みか は境界 設定の 表 式 にあてられ地中にぅづめておく. 霊魂を封じこめるうつぼ一依代である . たとヘ メルク・マm 肩ル ば 「常陸国風土記」 那賀郡の条にとどめる! 附時臥 (くれふし) 山の神子異常成長 伝説はみか (一 もたい)をモチィフとし, 「播磨国風土記」 印南郡の瓶落 (槌 鷺 o) の地名発生は 私部 (きさき , ベ) の弓取りたちの遠祖の瓶酒を馬につけて, 家どころをもとめたのによるといひ その緋磨(し , かま) 郡のかた りかたでは, 蓮 (みか) のおちたところを<変の丘 >とったへてゐる, 筑紫の国 号 (くにな) にことよせて蓮依 (みかより) 姫の本質が浮き彫りになってゐる. ミカッヒメは蓮 依 姫 と スイ ノ ニ ム ….. と 同 時 に ミ ケ ッ カ ミ(御 食 津 神 ・ 御 僕 津 神)- オ ホ ゲ ッ ヒ メ ノ カ ミ ・ ト ョ ウ. ケヒメ ノ カ ミ・ ウ ケ モチノ カ ミ ・ ウカ ノ ミ タ マノ カ ミ ・ ワ カ ウ カノ メ ノ カ ミ ーとも か よ ふ .. 一. 「筑 後 国 風 土 記」に い は く 筑 紫 の 国 は も と 筑 前 の 国 と 合 せ て ひ と つ の 国 な り き む か し , , , . , こ の ふ た つ の 国 の あ ひ だ の 山 に, 峻 (さ か) しく 狭 き 坂 あ り て … こ ぶ の 堺 の う に へ あ る ら ,. 神あり. 往き来の人, なかを 生きなかば死にき, その数いたくさはなりき, よりて人のいの ちつくしの神といひき, ときに筑紫の君・肥の君たちうらへて 筑紫の君たちが祖嚢依姫を , , 祝 (はふり) となして祭らしめき, それよりこのかた, 路ゆく人は神に害・(そこな) はれず. ここをもちて筑紫 の神といふ. つぎにいはく, その死にたる者を葬らむため, この山の木を - 17 -.
(9) . 中. 塩. 清. 臣. 伐りて棺輿(巻電 .)を つくりぬ, これによりて山の木は尽きなむとしき. よりて筑紫の国と . 「釈日本紀一五.筑紫洲) いひき. のちにふたつの国をわかちて, 前後(髭 群 青 )となす. ( 「き」 (葱) なりをそ ) 「 なり 酒雑 ( きのへ 「 神僕の料として 」 ) は 枕詞 御食 (みけ 向ふ」 , なへることから, 「きのへ」 をいざなふ- 「き」 は畿・柵・域・棺を循環纏綿してゆく一発想局面 をたもつ. ー. 御 食 向 ふ き の へ の宮 を 常 宮 (と こ み や) と …(「万葉集」巻二の一九六). -. .… (「万葉集」巻二の一九九) あ さ もよし きのへの宮 を常宮 と. 「みげびと」 (御食人) は階のあひだに, 死者に供物をととのへる役職をさしてゐる(神代記) . 為) る処置として… 鷲 (鏡 待遇をしてゐ もっとも死者とし・っても, 未成神格 . 「祈年祭祝詞」 ) 態 (みか) の上高知り態の腹みてならべて… ( みかの丘・みかの原は地境であることの民俗機能は, 降神・招魂の児術に ともなふ墳→壇一塚 をきづ いて, 道饗 (みちあへ) のほかひをした 遣祉にある. ために実際に嚢 (みか→みき) をぅ づ めて, とこしへのにへに かたどってゐる. みかの丘はみかづちの丘→いかづち (雷) の丘でも 一. あ る (「古今六帖」),ミ カ ョ リ ヒ メ は さ う いお,霊 媒 司 宰 に ほ か な ら な い. 山 城 国 相 楽 郡 蕪 原 は,. ここ. に喪をぅめたので, 水が湧くといふ,伝承がある. み か の 原 わ き て な が る る い づ み月!い っ み き と て か 恋 し か る ら む (「古今六帖」→「新古今集」巻十. ー. 一の九九五一契沖 「故観抄」). 百人一首にも とられてゐるが, 「兼輔集」 にはみあたらない. ー. 「万葉 み か の は ら ふ た ぎ の 野 べ を き よ み こ そ 大 宮 所 (イ ・ こ こ と し め さ し) さ だ め け ら し も( ) 集」 巻六の一〇五一・ 「夫木和歌抄」 三十「都」. 「万葉集」巻六の一〇五九) …荒るら ぐ惜しも( ズ( 「万葉集」巻六の一○六○・「新勅撰集 ’ みかの原久遡の都はあれにけり 大宮人のうつりいぬれ{ 」. みかの原久週の都は. ー -. 巻十九・ 「夫木和歌抄」 巻三十「都」). 「とみやま」(鳥見山) ま十三墳 (とみやま) ではない か. だから円形をかた どってある. 神武天 も 皇が霊時を たてて天神・皇祖をまってゐるところが,「とみのやまのまつりの には」(鳥見山中霊峰) と い ふ(神武紀). 長 随 彦 (な が す ね ひ こ) は と み ひ こ, つ ま り こ こ の 地 底 代 表 で あ る, と み ひ こ の 1武記), ウ マ シ 妹 トミ ヤ ヒメ を 嬰 (め) し て, ニ ギ ハ ヤ ビ ノ ミ コ ト が ウ マ シ マ ヂ ノ ミ コ ト を 生 む 神1. 嫌臣の祖といふ 族譜関係になる. トミヤヒメは神武紀に三炊屋 マ ヂノミコ トは物部達・穂積臣・▲ 媛 (みかしやひめ)・長随媛 (ながすねひめ) とも別名をつたへ, 奮事本紀には御炊屋姫とかいて ゐる, 神にたてまつる御僕を炊ぐ斎場 (いみには) が, 「みかしぎ どの (御炊殿)」 であるので, 妹 部のもつ異人款待 の任務を直彼にみせてゐる.. 1坐大名持御魂神(延喜式)-の妻 (め) コノ ハナサクヤヒメノミコト 【 伊和 (一三輪) の大神-伊禾 は, 宗 像 の オ キ ッ シ マ ヒメ ノ ミ コ ト と い ふ (「播磨国風土記」突禾郡・託質郡) . オ キッ シマ ヒメ の祖統 譜 を め ぐっ て 「神 代 巻」 天 の 真 名 井 の う け ひ の 草 に, ス サ ノ ラ ノ ミ コ ト の 物 実 (も の ざ ね) か ら. の出生をかたる. 一. た ぎ り ひ め の み こ と, ま た の み 名 は オ キ ッ シ マ ヒ メ ノ ミ コ ト と い ふ. つ ぎ にイ チ キ シ マ ヒ メ ノ ミ コ ト, ま た の 名 は サ ヨ リ ヒメ ノ ミ コ ト と い ふ, つ ぎ に タ ギ ッ ヒ メ 三 柱 ド ・ タ ギ リ ヒ メ ノ ミ コ ト は, 胸 形 (む な か た) の 奥 津 宮 に ま す. …イ チ キ シマ ヒ メ ノ ミ コ ト は. - 18 -.
(10) . れ統 譜 の 民 俗 学 れ … 中 津宮 に …. タ ギッ ヒ メ ノ ミ コ ト は … 辺 津 官 に ま す. こ の 三 柱 の 神 は ,. 胸 形の君たちがも. ちいつく 三前 (みまへ) の大神なり. 出雲と宗像との血縁な り地縁なりの位相関係から, 三輪 →賀茂の党閥の脈絡ま でが解明にみち びかれてゆく. ことにそ の拓殖移動の経緯をたどると, 民族史のひとつの側面 さへも ぅかが は , せる問題点をふくむ. 一, か れ こ の オ ホ ク ニ ヌ シノ カ ミ, 胸 形 の奥 津 宮 に ま す 神 タ ギ リ ヒ メ ノ ミ コ ト に よ ば ひ て , ぅ み ま せ る 子 は ア ヂ ス キ タ カ ヒ コ ネ ノ カ ミ. つ ぎ に 妹 高 比 売 の 命 ま た の 名 は シ タ テ ル ヒ メ ノ , ミ コ ト. こ の ア ヂ ス キ タ カ ヒ コ ネ ノ カ ミ は, い は 迦 毛 (か も) の 大 御 神 と い ふ 神 な り .. 迦毛 の大御神は大和・河内 のさかひ葛城の社にしづまる( 「続日本紀」→「神皇正統記」 ) , 延喜式にい ふ 「大和国葛上郡高鴨阿治須岐託彦根命神社」 をさしてゐる. ー. 賀 茂 の 神 戸(か む べ), … 天 の 下 造 ら し し 大 柿 の み こ と (五百っ鎖 (すぎ) の鎖なほとりとらして 天の下遣らし (大穴特命) の 御 子 ア ヂ ス キ タ カ ヒ コ ノ ミ コ ト, 葛 城 の 賀 茂 の 社 に い ま す. こ の 神. の神戸なり。 ゅゑに鴨とし涛 ア ヂ ス キタ カ ヒ コ ネ の 御 魂 を,. 「出雲国風±識意宇都) 離護憲( 大 和 の 葛 木 の 鴨 の 神 奈 備 (か む な べ) に い っ き ま つ る 由 緒 は ,. 「出雲国造神賀詞」 に諺ひ, 「新撰姓氏録」 大和国神別・賀茂朝臣の条にも 「大神 (おほみわ) , 朝臣と同祖, 大国主神 の後なり」 としるす. 一 シテ詞 「…賀茂の本社と申さん事, かたじけなくもB 判関このかたの影向 (やうがぅ) のはじ め, ま づ葛城の賀茂なれば, この宮居こそ とりわきて, 賀茂の本社と申すべけれ ヮキ言 語「げ , にげにこれは理なり。 ま づま づ最初の影向は, この葛城の賀茂 の神, シテ謡 「その後天下平安 城に, 現はれたまふ賀茂の神山. … シテ謡 「誰 と も い は ん 翁 さ び 人 な と が め そ わ れ こ そ は 事 代 主 の 翁 と て , , , 御代を守 り申す. なり, …地謡 「事代主と申すこそ, 葛城の神の名なれ. …葛城や高間 (たかま) 山の, 嶺の雲 に か げ り て, 天 の 戸 に 入 ら せ た ま ひ け り. 入 ら せ た ま ひ げ り (謡曲 「代主 (しろぬし)」) . 伊 和 の 大 神 を も っ て ア シハ ラ シ コ ラ ノ ミ コ ト と し, アメ ノ ヒ ポ コ ノ ミ コ ト と 領 土 権 を せ り あ 一. 御 方 (み か た) の 里 … 御 形 と な づ く る ゆ ゑ は,. ア シハ ラ ノ シ コ ラ ノ ミ コ ト, ア マ ノ ヒ ポ コ. ノミコトと, 黒土 (くるつち) の志繭嵩 (しにだけ) にいたりまし, おのもおのも黒 葛三条 (あ を つ づ ら み か た) を も ち て, 足 に つ け て な げ た ま ひ き. そ の と き ア シ ハ ラ ノ シ コ ラ ノ ミ. コトの黒葛, 一条 (ひとかた) は但馬の気多の郡に落ち, 一条は夜夫 (やぶ) の郡に落ち , 一 条 は こ の村 に 落 ち き,. ゆ ゑ に 三 条 (み か た) と い ふ. ア マ ノ ヒ ボ コ ノ ミ コ ト の 黒 葛 は み ,. な但馬の国に落ちき, ゆゑに但馬の伊都志 (いづ し) の地を占めていましき, 一 (ある) ひ と い へ らく, 「大 神, 形 見 と し て, 御 杖 を こ の 村 に た て た ま ふ. か る が ゆ ゑ に 御 形 と い ふ」 , と い へ り. (「播磨国風土記」・宍禾郡). この御方・御形・三条は, 「和名抄」 にとどめて 「三方」 とある. 幡・糧・黒葛は降神招魂 の 兜具-依代・招代一御手座 (みてぐら) →弊 (ぬさ) である, 吾纏の郷・姫社 の郷・御方の里に かよふ, やしろ決定物語は神の坂迎へ の民俗に根ざし, やがて神の示現一遊幸 一鎮座におよぶ , プロ セスとして のべ られてゆく次第だが, とかくさぅいふ説話法には 異種の霊 格-地紙とか亡 , 鬼→荒神・疫神とか-の, たたかひあらそ ひの伝承動態をかたどってゐる . だがこれを文献に徴 してみると, 征服者 一宣教者 の立場のものでしか残ってゐな いz こちがひないのだが. - 伊和の村 鰯 裁き , 大神, 酒 (みわ) をこの村に 霞 (か) みましき. ゅゑに神 酒 (み 勅 の 9一 -1.
(11) . 中. 塩. 村 と い ふ. ま た 於 和 の 村 と も い ふ. 大 神,. 清 ′ 臣 国 つく り を へ ま し て の ち に の り た ま ひ しく, 「お. わ, あ が み き に ま も ら む」 と の り た ま ひ き. (「播磨国」風土記宍禾郡). 「土佐国風土記」 にし・はく, 神河, 三輪川とよむ. …水清 し. ゆゑに大神の ために, 酒を. 一. 「土佐国風土記逸女」←「万葉集註釈」巻一) 醸 む に, こ の 河 の 水 を 用 ゐ る. こ こ に 河 の 名 と な す. (. ) 「倭名類票秒」 「日本紀私記」 云, 神酒美和 ( 「播磨国風土記」 印南郡の条,伊保山を 美保山ともいってゐる. 宍禾郡の御方の里の郷名によせ て,「倭名類票秒」に三方川を揖保川としてゐる. 宍禾郡のみきは 「き」 (相榔) の敬語法である. 三沢 ひとき・ひつぎに納って, 鎮座して郷貫 (うぶすな) を守護するといった神意をつ たへる. ヒ i ・御方 (三方・三形・三条) ・三輪 (一伊和 ・於和) は, みつはを漢字で表 記して以後 の音転言 一. でぁる. 宗像の 阿是胡(琴 提 ぶ) のみぬま ・みっまともひとつのトポロジーにぁ る. みのまから みぬまへは, みっまによって自明であらう, といふのは 「の」 ・ 「つ」 が格助詞だから, みは一 三 みわ・みほの語構成でよい わけである. 水穂・御穂・三穂・御尾・ 三尾・美保, それに三毛一 「三計」)ま で も, こ の 路 線 に た ぐり よ せ ら れ て ゆ く,と 池 (「筑後国風土記」逸女←釈日本紀十・和名抄「三毛」 同 時 に「箕 面(一 尾)の 滝」(「日本往生極楽記」・「今昔物語」 巻一四~五・「本朝法華験記」中・「撰集抄」七・「私票百 と か, 箕 輪 の 里(「大 因縁集」八)と か 「箕 面(一 尾) 山」(「殉じ集」-,「私票百因縁集」八一九・「古今著聞集」二). こ御方・三方・三形・三条の )・みのわの 堂 (古事談五) の用語例もあるであらう. みつはで 和物語」 1みつづけ, しだいに音韻と表記とが錯綜して, あら 漢字をあてて から, みのかた→ みなかたと訓 たに宗像・胸形・ 身形をな ぞってさへきた. 現にかういふ 語原移行を跡づけ できる確証がある. (「宗像記」・「宗像追考」・「宗像郡誌」). 「筑前国風土記」.古典全集本)にいはく, 宗像の大神, 天より降りまして埼門 一 「西海道風土記」 ( . 山にゐまし しとき, 青蓑 (ぁをに) の玉をもちて奥津宮の表 (嫉 も )におき, 八尺葵 (やさ かに) の紫玉をもちて中津宮の表におき, 八腿 (やた) の鏡をもちて辺津宮の表 におきて, この三つの表をもちて, 神の体 (み) の形となして, 三つの宮に納めおきて, やがて隠りま ひ き. し き. よ り て 身 形 (み の か た) の 郡 と い ふ. 後 の 人 あ ら た め て 宗 像 (む な か た) と い. 「防人日記」 そのオホア マノミコトの子孫 (このすゑ) は, いまの宗像朝臣 たちこれなり ド ・( 下一筑前国風土記逸女) 奥 津 宮 タ ギ リ ヒ メ ノ ミ コ ト の 神 体 - 霊 代 (た ま しろ) - は 青 蓑 の 玉 …,. オ ホ ア マノ ミ コ ト はそ. 図 の奉 斎者である. 三女神の三つの象徴を三つの宮に納めたので, 三形一身形から宗 像へといふ 式の民俗語原論を しめす.「新撰姓氏録」の右京神別に, 「宗形朝臣,大神朝臣 と同祖,吾田片隅命の 「宗形君, 大国主命六世の孫, 吾田片隅命の後なり」と録す. 後なり」 , それから河内国神別には, ミコトが 宗形の君は天武天皇十三年に朝臣を 賜ふ. 「奮事紀」 の祖統譜によると, オホナムチノ またその む 宗 像 の辺 津 宮 に し づ ま る 高 津 姫 に よ ば ひ, ア ヂ ッ ハ ヤ ヘ コ ト シ ロ ヌ シノ ミ コ ト を 生 . と「奮 事 子 が ア メ ヒ カ タ ク シ ヒ カ タ ノ ミ コ ト で, 五 世 の 孫 が ア タ カ タ ス ノ ミ コ ト と い ふ. して み る たカ ム 「 王 ま の 神 大 国 , 紀」 の 高 津 姫 は, 「古 事 記」 の タ ギッ ヒ メ ノ ミ コ ト に な り, さ ら に 記 で メノ ミコ ト ヤ タ テ ヒ メ ノ ミ コ ト に あ ひ て, 生 み ま せ る 子 事 代 主 の 神」 と あ る か ら, カ ム ヤ タ テ ヒ. 1紀七年の条 1 にあ たる, べつに天日方奇日方のみこと-「櫛御方のみこと」(記)-の異伝承を, 撲れ に と どめ て ゐ る. 一. ヤ マ ト ト ト ヒ モ モ ソ ヒ メ ノ ミ コ ト に 神 明 悪 (か む が か り) して. … 大物 主 神 と 自 称 (な の ま ・た り) して の た ま はく, 「… も し 吾 が 児 オ ホ タ タ ネ コ を も て, わ れ を 祭 ら しめ たま はも ド. ちどころに平 ぎなむ.…」 天皇, 夢のことばを得て, …大田田根子をもとめたまふ ド・天皇, - 20 一.
(12) . 神統譜の民俗学 …大田田根子に間ひてのたまはく, …こたへていはく, 「父 (かぞ) をば大物主の大神とい ふ, 母 (いろは) をば活玉依姫といふ. 陶津耳 (すゑつみみ) の女なり, (またいふ, 奇日 方天日方武茅淳砥の女なり)…. すなはち大田田根子をもて大物主の大神をいは ふ 主 (かむ ぬ し) と な す. …よりて天つ社・回っ杜および神地 (かむどころ) ・神戸 (かむ べ) をさ だ め云 こま ふ.. うけひ占ら間ふのにまかせて, 神のしめす所在証明 (ところあらはし) が, 人間の神党 (ま) ぎの工程をさそふ。 鎮座本縁につづく神地・神戸の撰定から, 御子代部・御名代部の発生をみち びいてくる. つ づいて布教伝導の前 進拠点が荘園化へ…. 神宴寿歌の 「大和なす大物主」 は三輪 まつみおや) なり」 の大神, だから 「大田田根子はいまの三輪の君たちの始祖 (と0 , とかたるわ 「 「 「 けである, みわは枕詞 味酒 (うまざけ)」・ 味酒の」 味酒を」 をともなふやぅに, 三輪の社 , 佐国風土記逸女← での特殊 製法から神酒灸意味してゆく(日本紀私記云 「神酒, 美和」-「倭名頭票秒」・「土 「万葉集註釈」-) ,. 一. この神酒 (みき) はわが神酒ならず, 大和なす大物主の酸みし神酒. 幾久 (いくひさ) 幾 す紀) 久, (崇科. この神宴寿歌は神功皇后伝のさかくらのうた-酒楽・酒坐 (座) -と同趣に属する (記紀・琴歌 譜) , 近世の芸能作品 「妹背山婦女庭訓」 の杉酒屋の段の境遇設定も, それにヒロイ ンお三輪とい ふ人物配置についてさへも, つながってゆくところの伝 承圏の決定要因である. 一. うまさ けみ わのとの の…. (崇神記). 一. 味 酒 三 室 山 (み む ろ の や ま) …. (「万葉」 集巻七の一〇九四). 一. 味酒 三輪 の祝 が…. (……巻八の一五一七). 一. 味酒を三輪 の祝 が…. ( ・…・巻四の七一二). 一. 味酒 を神 名火山 の…. (…・ ・巻十三の三二六六) ・. 一. 味 酒 の みも ろ の山 に …. ・一 巻十一の二五一二) ( ・. とどのつまり三室山も神南備山も三輪山も同意語にほかならない, みつは→みつわからみつまをへてみしまへ, みのめよりみぬめをへてみるめへ, と音韻組織は 展開する史的与件に, フオクロリ ズムからの照射をあたへ, 構造解明にみちびくことはできる, 一. 品大の王 (応神) の五世の孫ラ ドノミコト (継体天皇) …三 尾 (みを) の君たちが祖, 名は ワ カ ヒ メ に よ ば ひ て,. 生 み ま せ る 御 子, 大 郎子 (お ほ い ら つ こ) つ ぎ に 出 雲 の 郎 女 (い ら つ. め). …また三尾の君加多夫が妹ヤマトヒメにあひて, 生みませる御子, 大郎女…つぎにア カ ヒメ ノイ ラ ツ メ. (継体記). ラ ドノミコト (男大逃主) は, 誉田 (ほむだ) の天皇の五世の彦主人 (ひこぬし) の王の子と いふ (紀) , 「釈日本紀」 にひく 「上宮記」 には, 応神天皇一若野 (わかぬ一沼) 毛二俣 (けふた また) の玉一意富富秤 (おほほど) の王一宇非の王一彦大人の王一 蓑本好 (をほど) の王とつな がる皇統譜をしるす. 意富富秤王は大陰命だ し, 安本秤 王が小陰命である. ほとにま づ個別 の特 「日本文学史ノート」 1) 徴をみとめ, 大・小にわけて名称化してゐる ( . この三尾は近江国高島郡の 三島 三尾, それに継体天皇の御陵が の藍の陵…. つぎの妃三尾の角折 (つぬをり) の君の妹 (いると) を稚子 (わかこ) 媛といふ. 太郎皇 子 (おほいらつこ) と出雲の皇女 (ひめみこ) を生みます. …つぎに三尾の君かたひの女を. 一. 倭媛といふ. 二男二女を生みます, その一を大娘子皇女, …その四は赤姫の皇女といふ. (継体紀) 1一 -2.
(13) . 中. 塩. 清. 臣. さかのぼって 「三尾の君たちが祖」 について, ことさら垂仁記にのせるところがある. 一 (垂仁) 天皇…佐波遅(さはぢ)比売一沙本毘売にあひて, 生みませる子ホムッワケノミコ ト.… ま た 旦 波 の ヒ コ タ タ ス ミ チ ノ ウ シノ ミ コ ト が 女 ヒ バ ス ヒメ ノ ミ コ ト に よ ば ひ て, 生 み ま せ る 御 子 … ヤ マ ト ヒ メ ノ ミ コ ト. …また大筒木垂根の王が女 「カグヤヒメノミ コト」 によば … ま た 大 国 の 淵 が 女 ラ ト カ リ バ タ ト ベ に ょを ひて 生みませる御子蓑郡弁 (をな べ) の王. ,. .. ひ て, 生 み ま せ る 御 子 石 衝 別 (い は つ く わ け) の 王, つ ぎ にイ ハ ッ ク ビメ.ノ ミ コ ト,. またの. 名 は フ タ ヂ ノ イ リ ヒ メ ノ ミ コ ト. …石衝別の王は羽咋 (はぐひ) の君・ 三尾の君が祖なり.. つ ぎ に フ タ ヂ ノ イ リ ヒ メ ノ ミ コ 日立, ヤ マ ト タ ケ ル ノ ミ コ トノ 后 と な り た ま ふ. 羽 咋 は い ま の 石 川 県 羽 咋 郡 の 羽 咋 で あ る.・ ヒ コ タ タ ス ミ チ ノ ウ シノ ミ コ トをも 「近 つ 淡 海 (あ. ふみ) の御 上 (みかみ) の祝 (はふり) がもちいつく, 天の御 影の神が女息長の水俵比売にぁひ て 生みませる子」(開化記)である, さらに 「そのみちのぅしの王, 丹波の河上の摩須 (ます) の郎 女 に あ ひ て, 生 み ま せ る 子 ヒ ハ ス ヒ メ ノ ミ コ ト」 と い ふ.. こ の ヒ ハ ス ヒ メ ノ ミ コ ト に 託 し て, 石. 棺 (いしき) 作り・土師部(はにしべ)の本事がからみ, 斎宮初代としての倭姫は, 歴遊して伊勢 ) の大神につかへる秩 序をもつ (垂仁記紀・「古語拾遣」・「皇大神宮延暦儀式帳」・「倭姫命世記」 . ・ ) を織らしめ ( みけし 一 倭姫の命, 飯野の高丘の宮にいりま し, 機屋をつくりて大神の御服 , ) かむはとり づ 服織( 名 けて神 立て よりて社をそのところに しき 高宮より磯の宮に入りま , . の 社 と い ひ き, (「俵姫命世記」→伊勢神宮御鎮座沿革地図・堀一郎 「遊幸思想」). 「開化記」 → 「継 体記」 をつ なぐ都曲伝承路線にそって倭姫の実員は幾世代かをかさねてゐる. ー 案ずるに倭姫, 同名異 人これ多し. 日本紀を考ふ るに, 倭逃 日百翼姫命 (孝霊の女) . 倭逃 稚屋姫命 (孝霊の女) ・倭逃 姫命 (孝元の女)) ・千 衝倭姫命 (祭神の女) ・倭姫 「本朝神社考」 上) (垂仁の女) …. ( 「古今著聞集」-・ かういふ霊媒血脈譜が, 「あるき 座女」 たちの先 縦軌跡のほかのものではない ( 伊勢国風土記逸女) . 一 神の社のめ ぐりに, ト氏 (うらべうぢ) すめり. …その社の南, 郡家の北に, 沼尾 (ぬま のを) の池あり. 古老のいへらく, 「神世に天より流れ来し水沼 (みぬま) なり」 と, …病 「常陸国風土記」番島郡→「夫木集」二十三・謡 め る 者, こ の 沼 の 蓮 を 食 へ ば, は や く い え て 験 あ り, ( 曲 「要石 (かなめいし) 」). ー. その津の水沼にして, 御身沫浴 (そそ) ぎましき. ゆゑに国造, 神吉事 (かむよ ごと) 奏 (まを) しに朝廷 (みかど) に参向かふとき, その水沼いでて用ゐそむるなり, …三津…. 「出雲国風土記」 仁多郡三津」 醸 藷 # ( 補註で三津より三沢への移行を説きあかして ゐるが, すでに水沼一三沼の工程をともなってゐ る. 「津」 も 「沢」 に して も 「沼」 に か よ ふ こ と は, 沼 尾 の 詞 章 内 容 に よ っ て 明 白 で あ ら う. み. つは→みつわの漢字化には三沢をもってしたが, は・わの音価 脱落としての三津 (御津) でもあ った. これと出雲郡の弥努婆 (みぬは) の社とは, やはり信仰秩序もおなじく言語系列もひとし く してゐる. みぬはがみぬめに通じてゐる. (みぬめ) といへるは神の名なり, … そ の 神, も と 能 はく, 美奴売、 一 「摂津国風土記」 にい{ ・この神をこの浦にいはひ祭り, …この地をな づけて美奴売と 勢の郡の美奴売山に居り き, ? ,. 「万葉集註釈」 三←式内社敏馬 (みぬめ) 神社) い ひ き, (. 神にあらう, 神武紀には 「厳 す べてさういふ 聖格をつ らぬく原形質は, 神代 巻のみっはのめの ,. 園 象 女 (い っ の み つ は の め)」 と たた へ て い ふ. と き に 出 雲 の 美 保 の 郷 は, あ の オ ホ ク ニヌ シノ カ ー2 2-.
(14) . 神統譜の民俗学 ミ が, 「…ヌ ナ カ ハ ヒ メ ノ ミ コ ト に あ ひ て , 生 み ま し し 神 ミ ホ ス ス ミ ノ ミ コ ト …」 の,し づ ま る と. ころ, といひつたへてゐる. 駿河 の三保の神女ともかよふ霊 位形成をたもつ 三輪 の大神がヤマ . ト ト トヒ モ モ ソ ヒメ ノ ミ コ ト ヘ の 求 婚 調 で 綜 麻 (へ そ) - 「苧 玉 巻 (を だ ま き)」 (旧事紀) を , 三 輪- 「縮 (わ が) め る と こ ろ の総 三 丸」 (旧事紀)- の こ し た か ら と か た る 説 話 工 程 に して も , , ,. 三輪 の聖格に根 ざす意味 を, うしなって以後の合理解釈 でしかないのである . 一 神 (大物主) の子と知れるゆゑは …ただのこれる麻 (を) は三勾 (みわ) のみなりき , , …糸のまにまにたづねゆけば, 美和山に いたりて神の社にとどまりき ゆゑに神の子と知 り 。 , ぬ. そ の 麻 の 三 勾 の こ れ り しに よ り て , そ こ を 名 づ け て 美 和 と い ふ な り, (「崇神記」→「俊秘 抄」 上・「京童跡追」三). 一. はじめ大国主の神, 三島溝 杭耳 (みしまみ ぞくひみみ) の女玉櫛姫によばふ …苧のまに . またづねもとむれば, …ただちに大和国直穂御請山をさ す かへりて苧のこれるをみる に . , ただ三葉 (みわ) あるのみ. よりて姓 を大三繋 (おほみわ) と号く ( , 「新撰姓氏観」 大和国神. 別・大神朝臣の条). いま大神神社のうしろに 「緒環塚」 を築いてゐる. 一 件の三丸 (みわ) の糸をぅづめたところ のメ ル ク マ ー ル と して …. 神武 皇后前紀にかかげる祖統譜に, オホナムチノカミの幸魂 (さきみたま) ・奇魂 (く しみた ま) を 説 い て, ー. 吾, 日 本 (やま と) の 国 の 三 諸 の 山 に 住 ま む と お も ふ . ー 宮 を か しこ に つ く り て, ゆ き て. ましまさむ。 これ大三輪 の神なり. この神 の子 …甘茂 (かも) の君たち・大三輪 の君たち , , ま た ヒメ タ タ ライ ス ズ ヒ メ ノ ミ コ ト な り はく, 事 代 主 の 神, 八 尋 (や ひ ろ) の 熊 鰐 . ま た いむ. Gっに) になり, 三嶋溝昨姫にかょひ, (鱗 深 手), 生める児はヒメタタ ライ ス ズヒメノミ コ ト. (「神代紀」上). 一. 事代主の神, 三嶋瀧械 (くひ) 耳の神 の女玉櫛媛にあひて生める児 号 (な) をヒメタタ , ライ ス ズ ヒ メ ノ ミ コ ト と い ふ. (神武紀). ー. ここにをとめあり ド・その神の御子といふゆゑは 三嶋溝昨 の女 , , 名はセヤタラヒメ, … 三 和 の 大物 主 の 神, 見 め で て … そ の を と め を め し て 生 め る 子 , 名 は ホ トタ タ ライ ス ス キ ヒ メ ノ ミ コ トと い ひ, ま た の 名 は ヒ メ タ タ ライ ス ケ ョ リ ヒ メ と い ふ , ゆゑ に …神 の御 子 といふ な り. (神代記). セ ヤ タ ラ ヒ メ ・ ミ シ マ ノ ミ ゾク ヒ ヒ メ ・ タ マ ク シ ヒ メ ・ イ ク タ マ ヨ リ ヒ メ ・ ヤ マ ト. (ト ト モ モ. ソ) .ヒメが同一聖格に即 してゐることは, ともに御諸・三輪の山の神一大己貴・事代主,大物主. 大国主一に婚 (あ) ふほとつきの縞調をもつからである. 男神の本質は熊鰐 (わに) ・麹 (をろ ち) で あ る. 丹 塗 り の矢 は さ ら に そ の ヴ ァ リ ェ ン トで あ る が 丹 塗 り の 矢 お よ び タ マ ョ リ ヒ メ を ,. 回転軸にして, 三輪山伝説から賀茂伝説へうつりかはってゐる ( 「山城国風土記逸女」 ,「年中行事秘抄」 四月賀茂の条・「京童」巻三・「京童跡追」三・「洛陽名所集」二) . 「丹 塗 り の 矢 は … 火 雷(か ぐっ ち) の み こ と」. に擬し, 御子を別雷 (わけいかづち) の神とする. 「火」 は 「日」 よりの機能分化であり, 雷が. 熊鰐・勉一. Dragon・Sa l amandra で も あ る, と い ふ こ と は 日 → 火 が 天 つ 神 の 象 徴 の ほ か の も の で. はないばかりか, くだって人間界との交渉をたもつ主導契機として , それが蛇体をかたどる, と きとして水をもって触媒とし, 日の神霊 (あまっかみ) は火雷とも変じて 地蔵 (くにつかみ) , - 23.-.
(15) . 中. 塩. 清. 臣. のをとめに妻 どひ, 若雷一わけのみこと・若宮・わく ビーをと どめる. だから雷-龍 (たつ) ・ 勉 (をろち) ・蛇一は, 天上と地表とふたつな がら一元化の襖子 (せつし) をしめず. 賀茂の大 神 は ア ヂス キ タ カ ヒ コ ネ と っ た へ る か ら,. 下 照 姫 は タ マ ョ リ ヒ メ に 帰 納 さ せ る しか な い. 大 三 輪. の神 が小蛇と現 じて, 玉櫛笥 (たまくしげ) のなかにわだかまって三輪となったから, 三輪とた ー 覇姫)と玉獅笥とにからむ 物語進行は循環 即応 し, くし たへ名をしたともいって ゐる. 玉 櫛姫(溝キ , は串.鍍・櫛・奇の意味内容を胸 (な) ひまぜにしてゐる. 「溝」 ・ 「御溝」 はかは・みかは だ ー 1屋 (一 周 ・ 御 剛) に 演 拝 さ れ て, ホ ト タ タ ライ ス ケ ョ リ ヒ メ 論 議 抄 に も お よ ぶ. か ら, ノ. 「出雲国風土記」 ) ー 奇稲田姫→櫛名田姫(神代巻)・≧;≧諺 剥 き( 一. 玉 く し{ず見 諸 戸 山 …(「万葉集」巻七の一二四0). 一. 「万葉集」巻四の五二二) を と め ら が 玉 厘 (た ま く し げ) な る 玉 櫛 の …(. 一. 五百箇真坂樹の八十玉銭 (神代紀). 一. 神 風 や 糖 (た ま く し) の 葉 を と り か ざ し …(「新古今集」神紙巻十九の一八八三). 少子部連 (ちいさ ごべ のむら じ) すがる伝では, 三輪山の霊威 (くしび) の蛇体顕 赫 (けんか 「日本霊異記」第一) . それ く) をものがたり, 雷の岡の街義 (えんぎ) をのべる (雄略紀七年七月の項・ から和名抄には, 「伊豆国賀茂 郡三島神社・摂津国島下郡三島社・伊予国越智郡大山積神社, こ の三 所はともに 一神なり」 として, 伊豆の三 島明神は, 伊予の三島に遷座した宗教現実をいふ. だが大同ではあるけれ ども異聞もある. 一 「伊予国風土記」 にいはく, 乎知 (をち) の郡三島にいます神の御名は大山積の神, 一名 (またのな) は和多志(わたし)の大神なり. この神は, 難波の高津の宮にあめ のしたしろしめ ししすめらみこと (仁徳) の御世にあらはれま しき. この神, 百斎 (くだら) よりわたりき ま して, 津 の 国 の 御 島 に い ま し き, … 御 嶋 と い へ る は, 津 の 国 の 御 嶋 の 名 な り. (「釈日本紀」. 巻六大山砥神→伊予国風土記遊女) ここ三島江をへて三島郡島の大三島宮浦の式内社大山 積神社 (三島明神) へといふ. 伊予の三 島明神に雨をいのる 和歌功徳調があるの で, 水の機能霊のおもむきはあきらかである, 範 国 の 朝 臣 に ぐ して, 伊 予 の 国 に ま か り た り け る に,. 正 月 よ り 三 o 四月 ま で, い か に も. 雨 のふ ら ざ り け れ ば, な は し ろ も せ で, よ ろ づ に 祈 り さ は げ ど, か な は ざ り け れ ば, 守,. 一. 「能因, 歌よみて-の宮にまゐらせて, 雨祈れ」 と申しければ ド・能因 天の河苗代水にせきく だせ天くだります神ならば神. 神 感 あ り て, 大 雨 ふ り て 三 日 三 夜 や ま ず, と 家 集 に 見 え た り. (「金葉集」巻十の六六五) 詞 書 に い ふ と こ ろ の 一 の 宮 は, も ち ろ ん 三 島 明 神 で あ る (「袋草紙」上・「佼秘抄」上・「源平盛衰記」 熊石雑 ラ 巻七・「東関紀行」・「十司=抄」+ノー○・「古今著聞集」巻五の六・「東斎随筆」・「立 附随筆」・甲朝鞠愛筆」・「 ) 志」巻二・「燕居雑話」巻四・「ぅき草のあと」・「百人一首一夕話」 ,. 一 「土佐国風土記」にいはく, 土佐の郡…に土佐の高賀茂の大社(おほや しろ)あり, その神の み 名 を ヒ ト コ トヌ シノ ミ コ ト と な す. … 一 説(あ る つ た ヘ)に い へ ら く,. オ ホ ナ ム ヂノ ミ コ ト. の み 子 ア ヂ ス キ タ カ ヒ コ ネ ノ ミ コ ト な り と い へ り, (「釈日本紀」巻十二・巻十五←土佐国風土記逸女). 続紀天平 宝字八年の条によ ると, 土佐の高嶋の神を大和の葛城にうつ し蔵ってゐる, みつま→ みしま の座標はみつはのめ の系 列発展に属してゐる, ときにオホナム チノミコトは, 七つの名を =・石上 (布 もつ(神代紀)が, 伝教大師はこの七神をもって山 王七社に勧請もしたし, 大和・大れ 「本朝神社考」). 留) ・ 日 吉 ・ 下 鴨 ・ 松 尾 の 六 社 も, オ ホ ナ ム チ ノ ミ コ ト を記 っ て ゐ る(. ー. ・ミノミコトの女 下賀茂は御 祖, 上賀茂は別雷. 御祖の神は玉依姫と号す. 賀茂のタケッヌ - 24 一.
(16) . 神統譜の民俗学 なり. あるとき瀬見の小河のほとりに道遥す. 丹塗りの矢ありて, 河上よりながれくだろ . 玉依姫, 矢をとりて屋上 にはさむ. しばらくありて身は, つひに男子を生む …これすなは , ち別雷の神なり. その丹塗りの矢は, いまの松尾の大明神これ なり ( . 「洛陽名所集」巻三,下賀 茂). すでに 「山城国風土記逸女」 に 賀 茂 の タ ケ ッ ヌ ミ ノ ミ コ ト が, 「丹 波 の 神 野 (か み の) の カ ム イ カ ゴ ヤ ヒメ を よ ば ひ て, 生 み ま せ る 子 … 玉 依 日 売」 (「釈 日 本 紀」九) と い ふ 賀 茂 タ ケ ッ ヌ ミ ノ . ミ コ トと カ ムイ カ ゴ ヤ ヒ メ と 玉 依 日 女 と の 三 柱 を, 「三 身 (み み) の社」 と っ た へ た の で あ る が ,. のちほ ど 「三井の社」 と称されるやうになった. 「本朝神社考」がひいてゐる「神書抄」に 「丹塗 , り の矢 は,. オ ホ ナ ム チ の 化 す る と こ ろ な り」 - そ れ か ら 「京 童」 に は , 「丹 塗 り の 矢 は … オ ホ ア. ナムチと申すの化 (け) したまへるなり」 (巻三)-とし, 「年中行事秘抄」 にかかげる 「賀茂 酋 記」 (群書類従本→岩波女庫本) で, 賀茂祭礼の本質なり形態なりにふれて , -. 御 祖 (み お や) タ タ ス タ マ ョ リ ヒメ ノ ミ コ ト, は じめ 川 の ほ と り に あ そ ぶ ,. と きに 美 しき. 箭 (や) あり, ながれきたりて身に依る. すなはちこれをとりて床の下 (へ) にさす 夜 , , 美 しき 男 と 化 り て, …. といふやぅな異類求婚調-神婚謹-から, うけひ酒にいたる ペースは つまり恒等式 どほりで , あるが, 御子の霊性証明 (かみのところあらはし) の具体方法になると 後期王朝に はさすがに , 新局面をともなってくる, 一 天つ神の御子いへらく, 「…まさに吾に逢はむとせば, 天の羽衣・天の羽裳 をつくり 火 , をともし鉾をささげ, また走る馬を飾り, 奥山の賢木 (さかき) をとり阿礼を立て くさ ぐ , さの繰色を垂れる, また葵・楓の纏をつく り, きらきらしくかぎりて待つに 吾は来たるな , り」 . 御祖神, 夢のを しへにしたがひて, かの神 をまつらむ. 走る馬 ならびに葵の穣・楓 の 纏をもちひろは, これこの縁 (ことのもと) によるなり. 山本にます天っ神の御子 は 別雷 , 神 と た たふ,. これは 「本朝神社考」 上・賀茂 の祭の項に, 「四月 中 (なか) の西 (とり) の日なり …朝廷 . , 走る馬を献ぜらる. …昔, 神夢ありて, 人々葵蔓 (あふひかつら) の花醤 (かつら) をかく 一 , 日さきだちて, 賀茂・松尾の社司, 葵の花量を献 (たてまつ) る. …」 といふ民俗慣 行ともかよ ふ のである. だがあながち風流の傾向をた どるとばかりもいはれない. 一. シテ謡 「… け ふ は卯 月 の と り ど り に ち は や ぶ る そ の 神 山 の葵 ぐさ …-声謡 「け ふ か ざ す 葵 , , や 霧 の玉 葛, 地謡 「葛 も 同 じか ざ し か な. シテ謡 「か ざ す 狭 の い る ま で も 地謡 「お も ひ あ る 身 , と 人 や み む …」 (謡曲「賀茂物狂」). 賀茂の社地の山を神山・日影山・御生山 (みあれ)・別雷山ともいってゐる . 卯月 の申 (さる) の日は御生れまつり, あげて酉の日が葵まつりである. 賀茂伝説に天の羽衣・天 の羽裳をもちだ す の は, 三 輪 伝 説 で 天 の 羽 車 を か た り は じめ る の と,. タ イ ミ ン グ を ひ と しく し て ゐ る の で あ ら ぅ. (n日事本紀」→「京童跡追」第三) .丹塗りの矢は鴨の羽をつけてゐたか ら, 来臨の場所をたたへて鴫と 名づけたといふ語原論もある ( 「京童」巻三) , ー. ヮキ詞 「さ て は 玉 葛 の 内 侍 (な い し) 仮 り に 現 は れ た ま ひ け る ぞや 謡 「た と ひ 業 因 お も く , . と も, 上歌謡 「照 ら さ ざ ら め や 日 の 光, … 大 慈 大 悲 の 誓 ひ あ る , 法 の と も し び あ き ら か に, 亡 き か げ い ざや と む ら は ん. …後シテー声謡 「恋 ひ わ た る 身 は そ れ な ら で 玉 葛 い か な る す ぢ を , , た づ ね来 ぬ ら ん. た づ ね て も, 法 の な しへ に あ は ん と の, こ こ ろ ひ か る る 一 筋 に , そのまま. ならで玉葛の, みだろる色は恥かしや. つくも髪…われや恋ふらんおもかげに 地謡 「立っや , - 25 一.
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