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精神遅滞児のための保育の動向に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)Title. 精神遅滞児のための保育の動向に関する研究. Author(s). 後藤, 守; 小笠原, 詠子; 小笠原, 仁; 金澤, 克美. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 41(2): 79-87. Issue Date. 1991-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5158. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第41巻 第2号 lof Hokkaido Univers i Jouma ion( Sec ty ofEducat ionI C)VOL41 t .2 , No. 平成3年3月 March ,1991. 精神遅滞児のための保育の動向に関する研究. 後. 藤. 守・小笠原. 詠. 子・小笠原. 仁・金. 棒. 克. 美. 1. 問題の所在 子 どもの発達をみていく場合に, 子 どもの行動 に随伴する環境 の果たす役割は無視でき得ない . 子 ども は自らをとりまく環境のなかのさまざまなものを能動的にとりこみ 反応という形 で環境に , 働きかけている. このような活動を通して, 子 どもは環境との相互的かかわりをとり 社会的な存 , 在として発達していくと一般に考えられる このことは障害をもつ子 どもにおいても同様のことが . いえる. 障害をもつ幼児 の場合, 環境への働きかける力 の弱さや要求そのも のの弱さが障害を規定 する要因となっ ているので,刺激の受け手としての環境のあり方がより重視される必要があろう(後 藤 :1974).. われわれはこれまで, 障害をもつ幼児 の環境の重要性を考え 障害をもつ幼児 の環境のあり方に , ついて研究をすすめてきた. その一環としてわれわれは 幼稚園 保育所での保育 の実態調査を追 , , 跡的に行っ てきている (北海道社会福祉協議会:1974(a) 197 b) 4( 6 978 , , 197 , 後藤:1 , 1979 , 198 0 1 1 9 8 9 1 8 5( a ) b 1 9 8 5( ) 85(c) 90 ). それらの調査研究は, 昭和48年から昭和 , , , , 19 , 19 63年に至る15年間 の障害児保育の動向について,北海道の全認可保育施設 を対象とし 障害児保育 , の全体の輪郭とその推移を中心に分析が進め られている また 今後きめのこまかい保育実践を進 . , めていくため には, 個々 の子 ども のもつ障害特性との対応の中で保育のあり方を追及していく必要 があると考 え, 障害種別 の枠組みを通 して障害児保育 の様相の分析も試みている (後藤・小笠原・ 井上:1985 ) . そこでは精 神遅滞児に焦点をあてて分析している. 本研究では, 特に精神遅滞児 に焦点をあてた前報「統合保育の動向(1 1 )」 (後藤, 小笠原, 井上: 1985 ) の結果と比較分析 する中で, 精神遅滞児の保育の動向を浮 弱まり にすることを目的にする . 前報では, 昭和58年度調査の結果をもとに 幼稚園 保育所に在 園している精神遅滞児の在園状況 , , , 保育内容, 保育の効果 について情緒障害児 の場合と比較するなかで その特徴を分析してきた こ , . こでは, 昭和58年度調査と昭和63年度調査の結果を用いて 精神遅滞児の保育状況 の変化をみて , いくなかで, 精神遅滞児 の保育環境のあり方 について考察を深めることにする .. 1 1. 方. 法. 1‐ 分析対象児群 表1 は, これまでの調査の結果を障害種別毎にその内訳をまとめたも のである 表1から明らか . なように, 各調査年度とも 障害児 の中で精神遅滞児 の占める割合が高い また 幼稚園 保育所と , . , も, 年度が進むにつれてその割合がいずれも増加 の傾向にある . 本研究では, 表1で明らか にされている昭和58年度調査と昭和63年度調査のうち 調査票(B) , 79.

(3) . 後藤. 守・小笠原詠子・小笠原 仁・金揮 克美. に回答のあっ た精神遅滞児 を分析対象とする. 調査票 (B) についての説明 は分析方法のと ころで とりあ げることとする. 調査表(B)に回答のあっ た精神遅滞児 は, 昭和58年度調査では325名(幼 6名(幼稚園児84名, 保育所入所児 24名, 保育所入所児201名) 稚園児1 , 昭和63年度調 査では22 とする 1 42名) であっ た. 本研究では, 以上の551名を分析対象 ‐ 表1 障害種別による入園幼児数. ゞ纏零 零 昭4 8 昭53 昭58 3 昭6 昭48. 視 覚 障 害 聴 覚 障 害 肢体不自由 精 神 遅 滞 言 語 障 害 情 緒 障 害 そ の 他 9(7 ) .8 5(1‐6 ) ) 15(2.9. ) 4 4(3‐ ) 4(1.3 9 15(2 .). ) 3 5(4. ) 29(9‐5. 6 25( 21‐ ). ) 31( 26.7. 30.6 ) 93(. ) 6 5( 21 .4. ) 0. 3 54( 1. 27 ) 1 43( .3. 6(1.4 ) 5(3.8 ). ) 7(1.7. 0 ) 4 6{ 11.. ) 23 125( ‐9 ) 8 9( 2 1‐2. ) 6(4-6 ) 12(4.4. ) 13(9 .9. 4( 34. 4 ) 14 22‐1 ) 29(. 9(1.9 ). ) 19(7 ‐0 1 34(7 .). ) 93( 34. 3 ) 216( 4 5.4. ) 7(2.3. ) 29(9. 4. ) 15 4( 49.7. 8 昭5. 5 ) 4(1‐ ) 4(0.8. 昭63. ) 3(1.0. 昭53. ( ) 内は%. 31. 9 ) 37( ) 05( 34‐5 1 ) 8( 28. 3 14 8.6 ) 7 8( 1. ) 3 0. 5 40(. 26. 0 ) 34(. 2 16. ) 44( 17. 6 ) 84( 2( 16.8 ) 5. ) 9 2( 33.9 ) 94( 19.7 ) 16 5 1( -5. 計. 0 ) 10 0. ) 116( 5(4 ‐3 ) 100 3(1. 0 ) 3 04( ‐0 ) 100.0 ) 523( 23(4‐4 ) 100 ) 4 19( 11‐7 49( .0 31( 100.0 ) ) 1 4(3.1 0 ) 100. 6 ) 271( 7(2. 1 00.0 ) ) 476( 35(7.4 ) 100. 0 5 ) 31 0( 14(4.. 2‐ 調査票の構 成およ び分析方法 調査票 は, 調査票 (A) (園長も しく は代理の主任の先生記入用のもの) と調査票 (B) (障害児 担当の先生記入用のもの) の二部 から構成されている. ここでは, 障害特性との関係で障害児保育 の実態 を明らかにする目 的から, 調査票 (B) の回答資料 を分析の素材 とする. 調査票 (B) は, 個々 の障害児の保育の実態を明ら かにするために, ①入所, 入園当初 どのような問題行動をもっ た 子 どもとして 担当教師がとらえている か,②入園当初と比 べて発達的変化 が認められてきている か, ③ どのような配慮や指導をしている か, ④統合保育による障害児や健常児への影響, ⑤障害児担当 者の意識, な どの調査項目から構成されている. ここでは, 精神遅滞児群がこれらの調 査項目にお いて, どのような特徴 が認められるかを2回の 追跡調査の結果 を比較分析する中 で明らかにする.. m. 結果と考察. ー . 精神遅滞児群の在園状況. 表2は, 幼稚園, 保育所に受け入れられている精神 遅滞児群を在園期間別に集計したものである‐ 「 本調査では昭和 63年9月現在の在籍状況を回答して もらっ ているので, たとえば表2の 3カ月以 「 入園した障害幼児の内訳を示して いるこ 下」 , およ び 4~6カ月」 の項目は昭和 63年4月以降に と に なる.. 8年度調査では1 年以 下 の在園児 が 表2の内訳 をみると, 幼稚 園にお ける在園期 間 は, 昭和5 3年度調 4 6‐8%であるのに対して,1年以上の在園児 は41‐1%にと どまっ ている.この傾向は昭和 6 査でも同様である. これに対して保育所の場 合, 在園期間 が長くなっ てきている ことが認められる. 4‐3%, 1年以上45 保育所の場合, 昭和58年度調 査では在園期間1年以 下4 .8%であっ たのに対し 3年度調 査 で は在園期 間1年以下33‐8%に対 して在園期間1 年以上50‐0%と, 約 て, 5年後の6 1 6%もの割合で, 1年以上の在園児の増加 が認められている. 本調査は9月現在の在園状況を調べているの で1年1カ月以 上の在園児の場合, 2年次の保育活 80.

(4) . 精神遅滞児のための保育の動向に関する研究. 表2 両群の在園期間 幼 昭・58 3 カ 月 以 下. 稚. 園 昭・63. ( ) 内は%. 保 昭・58. 育. 所 昭・63. 4カ月~ 6カ月. 6( 4‐8 ) 27(21‐8 ). 3( 3‐6 ) 24(28‐6 ). 3( 1‐5 ) 55(27‐4 ). 7 カ月 ~1年. 4( 2‐8 ) 29(20‐4 ). 25(20‐2 ). 1年1カ月 ~2 年. 36(29‐0 ). 7( 8‐3 ) 21(25‐0 ). 31(15‐4 ) 50(24‐9 ). 15(10‐6 ) 43(30‐3 ). 2年1カ月 ~3年. 12( 9‐7 ) 3( 2‐4 ). 11(13‐1 ). 3年1カ月 以上. 32(15‐9 ) 10( 5‐0 ). 25(17‐6 ) 3( 2-1 ). 不. 15(12.1 ). 18(21‐4 ) 84( 100‐0 ). 20(10‐0 ) 201( 100‐0 ). 23( 6‐2 ) 142( 100‐0 ). 明. 計. 124( 100‐0 ). 0. 動に参加していることになる. 幼稚園, 保育所とも に 1年以上の在園期間をもつ幼児が40%もの , 割合を占めているということは興 味深い この傾向は早期療育の取組みと相まっ てますます強ま っ . て い く も の と 思 わ れる.. また, 1年以 下の在園期間の内訳を見てみると 幼稚園 保育所とも に 「3カ月以下 「7カ月 , 」 , , ~1年」 の割合が低くなっ ている これらの在園期間は 年度途中で入 園した園児の割合を示して ‐ , いる. つまり, 年度途中からの入園児が相対的に減少の方向にあることを意味している この傾向 ‐ は新しい環境へ適応させていく ひとつの観点として 4月入園という 形で受け入れを進めようとす , る保育施設側 のひとつ の姿勢として理解される 特に この傾向は幼稚園において顕著 である . , ‐ 2 .. 精神遅滞児の行動特性と保育の内容. 表 3 は, 幼稚園, 保育所に受け入れられている精神遅滞児の入園当初 の状態についてまとめたも の で あ る.. 表3の内訳 をみてみると, 幼稚園, 保育所共通の傾向がみられる まず (2) 「対話が成立しな . , い」 の項目の割合が高い (幼稚園:昭和58年度855% 昭和63年度82 1% 保育所:昭和58年 ‐ , ‐ , 度88‐1%, 昭和63年度89‐4%) 精神遅滞児 のもつことばの問題は 非常に大きな 問題としてう け . , とめられていることがうかがわれる 次いで (1)「集団になじまない (3)「身辺の自立が でき 」 . , , 「 ない」 , (7) 運動機能面 において他児より遅れている」 の3項目に6割以上 の回答がされて いる‐ これらの項目において, 幼稚園, 保育所で多少 の割合の差 はあるも のの 傾向として は同じと みて , よいであ ろう. ここであ げられた4つの項目は 障害の特性として は主要なも のである 精神遅滞 , ‐ 児は, これら主要な行 動特性すべてをもっ ているという ことになろう 言語障害児 であれば (2) ‐ のことばに関する項目の回答の割合が他に比べて高くなる傾向がある また 情緒障害児 であれば . , , (1) や (4) の項目が高くなることが予想される しかし 精神遅滞児 の場合 は全般的な発達遅滞 , . がうかがえる回答結果となっ ている 精神遅滞児 に対する保育で 環境の側が どこに焦点をあてて . , 指導していく べきかというときに難しさがでてくるよう に思われる . それでは, 他児との関係 はどのよう であろうか 表4 は 精神遅滞児をとりまく他児との関係に , . ついてまとめたも のである. 精神遅滞児 の特徴として第一 にあ げられるのは (1) 「他の子 どもか , らの働きかけに応じている」 の割合が高いこ とである 昭和6 3年度の結果をみても幼稚 園8 2.1%, . 保育所76 ‐8%となっ ている. 次に回答の多い項目は, (5) 「まわりの子 どもたちがめんどうをみて くれる」 の項目である. 幼稚園, 保育所を通じてこの項 目の回答率が60%を越えて いる この2つ . 81.

(5) . 後藤. 守・小笠原詠子・小笠原 仁・金淫 克美 表3. 入園当初 の子 どもの状態 幼. ( ) 内は%. 稚. 園. 保. 育. 8 昭・5. 8 昭・5 9 ) 86( 6 -4. 3 ) 64 54( ‐. ) 123( 61‐2. ) 86( 60- 6. ) 85.5 106(. ) 82 6 9( .1. ) 88.1 177(. ) 127( 89‐4. ( 3 ) 身辺の自立ができない. ) 7 9( 63 .7. 2 ) 7 0 59( .. ) 142(70‐6. ) 76.1 108(. ( 4 ) 特定のものに興味を示したり, 逆に嫌がったりする. 4 ) 5( 52‐ 6. 3 5( 41 ‐の. ) 87( 43‐3. ) 6 1( 43 ‐0. ) 自分から進んで動こうとしない ( 5. 3 9 ) 4 9( .5. ) 1 21 8( .4. 28. 9 ) 8( 5. ) 3 50( 5.2. ( 6 ) 他児に乱暴する. 5 ) 23( 18 -. ) 15. 5 1 3(. ) 31( 1 5 ‐4. ) 24( 16 .9. ( 7 ) 運動機能面において他児より遅れている. ) 89( 71 ‐8. ) 66 56( .7. ) 77.1 155(. ) 112(78‐9. ( ) その他 8. ) 1 2(9.7. 0 ) 5(6.. ) 19(9 .5. ) 7(4 .9. ( 1 ) 集団になじまない ) 対話が成立しない(自分の意志をことばで表わせない) 2 (. 表4 他児との関係 幼. ( ) 内は%. 稚 8 昭・5. 昭・58 ( 1 ) 他の子 どもからの働きかけに応じている. 6 5. 3 ) 81(. ) 82. 1 6 9(. ) 139( 69.2. ) 109( 76‐8. ( 2 ) 他の子どもに働きかけることができる. ) 40 50( ‐3. ) 61 2( 5 .9. ) 3 69( 34.. ) 45 65( .8. 3 ) 他の子どもと一緒に遊ぶことができる (. ) 4 4( 3 5.5. ) 1( 48 4 ‐8. ) 4 91( 5.3. ) 6 6( 46 .5. ) グループの活動に参加できる ( 4. ) 17( 1 3 ‐7. ) 32.1 27(. ) 25.9 52(. 40( 28.2). ( ) まわりの子どもたちがめんどうをみてくれる 5. ) 77-4 96(. ) 5 8( 69 -0. ) 63‐2 127(. ) 61‐3 87(. ( 6 ) なかのよい友だちがいる. ) 20( 16 .1. ) 27 4 23( ‐. ) 8( 23 4 ‐9. 2 3.9 ) 34(. ( ) その他 7. 11(8‐9). ) 5(6 -0. ) 30(14‐9. ) 10 1 5( ‐6. の項目で共通している ことは, 精神遅滞児 が他児の活動を受ける 形で他児との関係をもっ ている傾 「 向が強いということである. 精神 遅滞児からまわりの子 どもへの働きかけについては(2) 他の子 8年度か どもに働きかける ことができる」の項目で表される. この項目の回答状況をみると, 昭和5 合に よりも低い割 ( ) 1 の項目 3年度にかけて幼 稚園, 保育所ともに増加の傾 向にあるが, ら昭和6 「 なっている. さらに, (3) 「他の子 どもと一緒に遊ぶ ことができる」 , (4) グループの活動に参加 できる」 の項目の割 合が低 くなっ ている‐ グルー プに参加できたり, 友達 ができたりといっ た社会 性を培う ためには (2) の 「他の子 どもに働きかける ことができる」 といっ た部分が重要になっ て くると思われる. 環境に対する 自発的な行動を育てていくことが, 精神遅滞児が環境との相 互作用 の中で発達していくという点で, 大切にされなければならない. 環境の側 として は, 子 どもの自発 的行動をみのがさない感度の高い 環境を構成 し, 子 どもの行動に応答するという かたち での刺 激の 与え手となる ことが要求さ れるであろう‐ 表5 は, 幼稚園, 保育所に受 け入れられた精神 遅滞児が どのような指導形態, 方法およ び指導内 容で指導さ れているの かをまとめたものである.(1)~(4)は指導形 態についての項目,(5)~(7) 15 ) は指導内容につ いての項目 である. は通園のよう ,すについての項目, (8) ~( (1)~(4)の指導形 態についての項目の内訳をみると, 幼稚園, 保育所 ともに傾向と して は(1) 「普通学級に入れて指導 している」 と (3) 「普通学級に入れている が, 個別指 導も行っ ている」 の 82.

(6) . 精神遅滞児のための保育の動向に関する研究. 表5 指導形態・方法および指導内容 幼. 稚. ( ) 内は%. 園. 昭・5 8 ( 1 ) 普通学級に入れて指導している ( 2 ) 特別な学級を作って特別に指導している. 57( 46 ) -0. ( 3 ) 普通学級に入れているが, 個別指導も行っている ( 4 ) 特別な学級を作っているが, 部分統合を行い徐々 に普通 学級に入れて保育する方向をとっている 労 ず日讐 形態 Rイ、ロ. ( ) 毎日通園させている 5 ( ) 6 週に( )回通園させている ( 7 ) 特別の時間だけ通園させ保育している ( ) 相談機関, または専門医に相談しながら指導している 8 ( 9 ) 母親に対して特別に指導している q o ) 他人, 集団に慣れ, その中で行動できるように指導して いる. QD 会話が成立するように, また自分から話せるように配慮 して いる. 鯉 ) 周囲の子どもの理解を啓発するように指導している Q 3 ) 人に頼らず自分で身のまわりの事ができるように指導し ている. 回 子どもの興味・行動をひきだすように工夫している Q ) その他 5. 保. 育. 所. 昭・58 100( 49-8 ). 6 45 ) 5( .8. 1(0 ) -8. 3 5( 41 ) .7 1(1.2 ). 1(0. 5 ). 58( 46.8 ). 39( 46-4 ). 80( 39‐8 ). 5(3.5) 56( 39-4 ). 4(3‐2). 5(6 ) -0. 3(1 ) .5. 1(0 ) ‐7. 4(3.2). 4(4‐8 ) 7 3( 86 9 .). 17(8‐5) 175( 87‐1 ). 15( 10.6 ) 111( 78‐2 ). 5(4.0). 3(3‐6). 2(1 ) ‐6. 3(3.6 ). 6(3.0 ) 3(1- ) 5. 4(2‐8). 31( 25‐0 ) 22( 17-7 ). 22( 26-2 ). 55( 27-4 ). 46( 32‐4 ). 1 0( 11 ) ‐9. 32( 15.9 ). 15( 1 0 ) -6. 100( 80.6 ). 60( 71‐4 ). 148(73‐6 ). 90( ) 6 3 ‐4. 79( 63-7 ). 48( 57.1 ). 143( 71-1). 87( 61.3 ). 63( 50.8 ). 43( 51-2 ). 77( 38‐3 ). 7 0( 49 ) 3 .. 90(72‐6 ). 67(79-8 ). 156( 77‐6 ). 108( 76.1 ). 63( 50-8 ). 43( 51‐2 ). 114( 56‐7 ). 93( 65.5 ). 7(5‐6). 3(3‐6). 1 4(7‐0). 7(4.9). 105( 84.7 ). 3(2.1). 項目の割合が高く, いわゆる統合保育の形態を採用 している園が多いことがわかる (3) の「普通 . 学級に入れているが, 個別指導も行っ ている」 の項目では 障害幼児を普 通学級に入れて統合保育 , を行うかたわ ら個別の指導時間も設けて指導をよ り充実させていこう という姿 勢がうかがえる こ . れまでの追跡調査でもこの項目 (3) の増加傾向が指摘さ れていたが 今後 はさらに この (3) , , の項目の指導形態をとって指導を行う 保育施設が増加してくることが予想 される . 次に(5)~(7)の通園形態 についての項目 の内訳をみて みよう この項目群についても幼稚 園 . , 保育所とも同様の傾向があり, (5) 「毎日通園させている」 の項目の回答 の割合が高い 障害児に . とっ て生活のリズムが整うことは大変重 要なことであ り 一 貫した環境のあり方が子 どもにと て っ , 必要なことである. したがっ て, 毎日通園させて いることは 障害児と環境の関係 で望ましいこと , と い え る.. (8) ~( 15 ) の項目は, 指導内容 についての項目 である ここでも 幼稚園と保育所の回答 は似 . , 通っ ており, ( 1 0 ) 「他人, 集団に慣れ, その中で行動 できるよう に指導する」 (幼稚園:昭和58年 度80‐6%, 昭和63年度71 8年度7 3‐6%, 昭和63年度6 34%) ) 「会話 11 ‐4%, 保育所:昭和 5 ,( が成立するように, また自分か ら話せるよう に配慮する」(幼稚園:昭 和58年度63 7% 昭和63年 ‐ , 度57 1‐1%, 昭和63年度61‐ 3%) 13 ) 「人にたよらず, 自分の身の .1%, 保育所:昭和58年度7 ,( まわり のことができるよう にする」 (幼稚園: 昭和58年度7 2‐6%. 昭和63年度79‐ 8%, 保育所: 昭和58年度77 6 % 昭和6 3年度7 6 1 % )の割合が 高い この内容 は, 表3の入 園当初の子 ども の ‐ , ‐ . 状態と対応しており, 子どもの状態を把 握したうえでの内容といえる . また, ここで興味深いこと は, ( 14 ) 「子 どもの興 味・行動を ひき出すよう に工夫している」 の項 ′. 83.

(7) . 後藤. 守・小笠原詠子・小笠原 仁・金淫 克美. 目の回答状況である. この項目の回答では, 幼稚園, 保育所 ともに50%以上の回答 があるが, 特に, 保育所の回答 が昭和63年度調査では65‐5%に増加して いる. このことは,自発的な行動の 少ない障 害児にとっ て, 環境の側 が配慮していかなけれ ばならない点であることから見て, 今後の取組 が期 待される‐ 3‐ いわゆる統合保育による保育の効果 入園当初の子 どもの状態に対応して指導を行っ た結果, その成果を総合的に評価してもらうと, 「 9割以上が「良くなっ た」と回答してきている. しかも昭和63年度では, そのうちの3割程度が 大 変良くなっ た」 と回答している. それらの保育の成果を, 入園当初の子 どもの状態と対応させてまとめたの が表6である‐ 表3の 項目と対応させていることか ら, ( )内は, 問題行動として回答のあうたものの改善率 が示されて いる. 幼稚園, 保育所ともに改善率の高い項 目は, (1) 「集団にな じまない」 (幼稚園:昭和 58年 「 3年度87‐0%, 保育所:昭和58年度62‐6%, 昭和63年度62‐8%) と (3) 身 度65‐1%, 昭和6 辺の自立 ができない」 (幼稚 園:昭和58年度34 ‐2%,昭和63年度50‐8%, 保 育所:昭和58年度 57‐0%, 昭和63年度66‐7%)の2項目である. この項目は表3において問題行動と して高い割合の もので, 改善率 が高いことは, 保育 が効果的になされていることを示している. しかしな がら, 表 3で問題行動 として一番高い割合 を占めていた(2) 「対話 が成立しない」 の項目の改善率 は, 昭和 ・ことばの発達にか かわる指導のむ ずか 0%台にとどまっ ており, 63年度で は増加傾向にあるものの4 しさが示されている. また, (7) 「運動機能面において他児よりおくれている」 の改善率も問題行 動の割合に比べ低いものになっ ている. このことは, 精神遅滞児におけること ばに関する問題や運 動機能面における問題は, 他の問題行動に比べ改善 が難しく, なかなか発 達的変化がみられない こ とを意味している. 今後, 精神遅滞児の保育の問題を考える場合, これらの問題はさけて通ること のできない課題となろう‐ 特にこと ばに関して考える場合, ことばの問題を狭い意味での話しこと ばにとどめず, 広い意味での関係行動の問題としてとらえる視点が必要である ように思われる. また, ここで興味深いことは, (5) 「自分から進 んで動こうとしない」 の項目に関して, 保育所 の改善率 に変化がみられる ことである. 昭和58年度調査の 時点でのこの項目に 関する改善率 は, 0%に増加 している‐ これは, 表5の指導内容の中で, 36‐2%であっ たが, 昭和63年度調 査では58‐ 保育所 が 「子 どもの興味・行動をひきだすように工夫している」 に重きをおいていることと対応し 表6 指導の成果. ( ) 内は%. 幼. 稚. 園. 保. 育. 昭・58. 昭・58 ( 1 ) 集団になじまない. ) 65 56( ‐1. ) 87‐0 47(. ) 6 2. 6 7 7(. ) 6 2.8 54(. ( 2 ) 対話が成立しない(自分の意志をことばで表わせない). 29 ) 3 1( .2. ) 4( 4 9 3 .3. ) 3 3-3 5 9(. ) 41‐7 53(. ( ) 身辺の自立ができない 3. ) 34 2 27( ‐. ) 30( 5 0 .8. ) 81( 57.0. ) 66.7 72(. ) 9( 1 3 .8. 25.7 ) 9(. ) 20( 23-0. ) 26‐2 16(. ) 28 14( ‐6. 3 3‐3 ) 6(. ) 21( 36 ‐2. ) 0 29( 58‐. 9( 39 1 ) -. ) 5( 3 8‐5. 5.2 ) 1 4( 4. ) 11( 45 .8. 2 4‐7 ) 2 2(. 23 ) 13( ‐2. ) 2( 27 4 .1. ) 3 3 0‐ 3 4(. ) 3( 60 .0. 8 ) 3( 15 ‐. ) 2- 9 3( 4. ( 4 ) 特定のものに興味を示したり, 逆に嫌がったりする ( 5 ) 自分から進んで動こうとしない ( 6 ) 他児に乱暴する ( 7 ) 運動機能面において他児より遅れている ( ) その他 8 84. 6 ) 2( 1 ‐7.

(8) . 精神遅滞児のための保育の動向に関する研究. ていよう‐ これは, 自発的な行動 を育てていこう という指導の効果を示 している . 4. 統合保育における指導上の課題 精神遅 滞児の行動特性, 指導内容 統合保育の効果な どについて分 析を進めてきたが ここでは , , 実際に子 どもとかかわっ ている保育担当者の指導上 の苦心点を中心 にして障害児保育のかかえる課 題について考察を進めていきたい . 表 7 は, 統合保育を行っ ていく上 での苦心点 について聞いたも のをまとめた ものであ る. (1) ~( 10 ) の項目の中で (2) 「言語面で苦労している」 という項目が幼稚園 保育所とも に 割合が , , 高い(幼稚園:昭和58年度58‐ 9%, 昭和63年度51 2%, 昭和63年 ‐2%, 保育所:昭和58年度63‐ 度55‐6%) ‐ ことばの問題 は, すでに, 表3 の入園当初の子 ども の状態に関する分析でも指摘されて いた問題であ り, その改善率 の低さからも この点の指導に苦心して いる であろうことは容易に推 , 測できる. この項目に対 する回答の高さ は ことばの面に関する指導 についていろい ろと工夫して , い る こ と の 表 れ と も み る こ と が で き よ う ま た (3) 「興 味 ・ 行 動 を ひ き だ す の に 苦 労 し て い る . 」,. (4) 「身辺自立 の指導に苦労している」 (6) 「専門知識がなく 苦労する の項目も 幼稚園 保育 , 」 , , 所を通 じて比較的高い割合の 回答が得られている . 以上のような苦心点 は, 子 どもの障害 と密接 に関係 している これま での分析結果とあわせて考 . え て み る と, 以 下 の よ う に ま と め る こ と が で き る よ う に 思 わ れ る ‐. ( 1 ) 精神遅滞児の入園当初の状態を分析した結果 全般的な発達遅滞の行動特性がみられ 指導目 , ,. 標の焦点が しぼりにくいことが指摘さ れた また 対人関係 において は受動的な行動特性が みられ , . , 自発的行動 の育成が必要とさ れる .. ( 2 ) 精神遅滞児の入園状況, 通園形態の分析結果から 普通学級に入れているが個別指導も行 て っ , いる園が両調査年度ともかなりの割合 で存在すること また 毎日通園するという 通園形態がほと , , んどの園で行われていることが明らか にされた このこと は 精神遅滞児を保育していく 環境側 の . , 努力の表れといえる.. ( 3 ) 保育内容 の分析結果からは, 子 どもの状態 に対応した指導内容が設定さ れていることが指摘さ れた. また, 精神遅滞児が受動的活動を主 体としていることを受 けて 子 どもの興味や行動を 引き , 表7 統合保育指導上の苦心点 幼. 稚. ( ) 内は%. 園. 昭・58. 保. 育. 所. 昭・58. ( 1 ) 集団内の生活に慣れずに苦労している. 28( 22-6 ). 14( 16-7 ). ( 2 ) 言論図で苦労している. 27( 13.4 ). 73( 58.9 ). ( 3 ) 興味, 行動をひきだすのに苦労している ( 4 ) 身辺自立の指導に苦労している. 127( 63.2 ). 48( 38-7 ). 43( 51-2 ) 20( 23‐ 8 ). 69( 34 ) 3 ‐. 51( 35.9 ). 5 3( 4 2‐7 ). 30( 35‐7 ). 63( 31.3 ). 50( 35 2 ) -. ( 5 ) 家庭の協力を得るのに苦労している. 1 6( 1 1 ) ‐3 7 9( ) 5 5. 6. 20(16.1). { 6 ) 専門知識がなく苦労する. 12( 14-3 ). 5 2( 25 ) .9. 3( 3 23 2 ) .. 48( 3 8-7 ). ( ) 個別指導の時間がなく, 苦労している 7 ( 8 ) 運動機能の面で他児より劣ることによる問題で苦労して. 28( 33.3 ). 88( 4 3‐ 8 ). 34( 27-4 ). 24( 28.6 ). 34( 1 6 ) ‐9. 4 8( 3 3- 8 ) 35( 24 ) 6 -. 31( 25-0 ). 11( 13.1 ). 59( 29-4 ). 33( 23‐2 ). 10(8 ) -1 12(9.7). 9( 1 0.7 ) 7(8.3 ). 17(8 ) .5. 1 4(9 ) ‐9. 24( 1 1‐ 9 ). 4(2.8). いる. ( 9 ) 他児に乱暴するので苦労している Q O ) その他. 85.

(9) . 後藤. 守・小笠原詠子・小笠原 仁・金淫 克美. 出す指導にも力を入れて きていることも明らかにさ れた. 「 ( 4 ) 保育の効果につ いての分析結果からは, 「集団にな じむ」 , 身辺の自立」について は高い改善率 「 はあまり改善 がみられなかっ た. がみられたが, 「こと ばの問題」 , 運動機能面の問題」 について 以上4点が分析のまとめとなる が, これらをみると保育 施設が保育環境 を統制 し, 子 どもの状態 をよく把握 してそれと対応 した指導を行 おう と努力している ことがわかる. しかし, 精神遅滞児の 障害特性 から焦点を絞っ た指導 が難しいことと, 指導にあたっ ての具体的方策に苦慮している こと 「 がうかがえる. このことは, 保育の効果でもうかがえる. 「集団になじむ」 や 身辺の自立」 につい ての指導は, 量的にまめな かかわり が必要とされる‐ これらの項目に関する高い改善率は, 保育担 当者の日 ごろの努力 と子 どもに対する手厚さの表れとみる ことができよう.しかしながら一方では, 「こと ばの問題」 や 「運動機能面の問題」 についての改善で は苦心している ことがわかる. この2つ の項目に関して は, 前述の項目とは異なり, 質的な指導 が求められている. 今後の指 導では, 今ま での量的に充 実した指導に合わせて, 質的に充実したもの が求められよう. 特に, こと ばの問題の 改善に関して は, 環境の側に状況把握の能力 や, 関係的脈絡の理解能力 が要求される‐ これらの指 導は画 一的なものではなく, それぞれの園によっ て異なる部分も多く出てくるかもしれない. 今後 の調査では, さらに具体 的な保育内容につ いて分析し, 精神遅滞児の保育環境の充実について考 え て い き た い.. 記 附 (代表 後藤守) の共同研究 として進め られ 究会 ン能力育成研 本研究 は北海道コ ミュ ニケーショ てきている障害児保育に関する研究の一部をまとめたものである. 本研究を進める にあたり, 多く の方々 の ご協力を得た. とりわけ, 北海道内の保育所, 幼稚園の園長先生, 障害児担当の先生方か らは ご多忙にもかかわらず, 極めて好意的な ご配慮をいただい た. ここに附記して謝意を表 します. 尚, 本論文 をまとめるにあたっ て は後藤守 が全体の構成を担当し, 小笠原仁, 金津克美 が資料の分 析およ び整理を, 小笠原詠子 が執筆を担当した.. 参考文献 , (第 . 北海道教育大学紀要, 1978 ( ) 後藤守他:障害をもつ幼児の保育の実態と指導方法に関する基礎的研究 (1) i 一 1 9 9 8 9 一部C) 第19巻第1号, 1 6巻第1号, 究 19 79 , 第2 2 ) 後藤守:北海道における障害児保育の動向と課題 (1) ( . 北道道教育大学僻地教育研 , 55-67. 8巻第1号, 98 0 1 1 1) , 第2 ( 3 ) 後藤守:北海道における障害児保育の動向と課題 ( . 北海道教育大学僻地教育研究, 77-88. 981 , 研究紀要 ( 4 ) 後藤守・後藤恵美子:心身障害児の保育に関する発達臨床心理学的接近‐ 北海道私学研究協会, 1 55 号, 1‐44. 4 1‐11 5(a) 98 , (第一部C) 第35巻第2号, 10 ( 5 ) 後藤守・小笠原詠子:統合保育の動向. 北海道教育大学紀要, 1 b ) 9 8 5( 1 学僻地教育研究 北海道教育大 向と課題 , , ( 6 ) 後藤守・小笠原詠子:北海道郡部における障害児保育の動 . 1 0 1一11 第39巻第1号, 1 85(C) 1 1) , (第÷部C) 第36巻 ( ) 後藤守‐小笠原詠子‐井上栄子:統合保育の動向 ( 7 . 北海道教育大学紀要, 19 第 1 号, 201‐211. 8 98 , 第5号, 1‐6 ) 後藤守:本道における心身障害児の早期教育の現状と課題. 特殊教育ほっかいどう, 1 ( 8 ) ( 第2報 動向と課題 . 北海道教育大学僻地教 ( 9 ) 後藤守・小笠原詠子・d・笠原仁:北海道郡部における障害児保育の 1一4 1 0 育研究, 199 , 第44号, 3 86.

(10) . 精神遅滞児のための保育の動向に関する研究 O G ) 北海道社会福祉協議会 (第1 9号調査研究委員会):幼稚園・保育所における心身に障害をもつ子どもの保育の実 態について (第1集) 1 9 a) 7 4( , QD 北海道社会福祉協議会 (第19号調査研究委員会) 幼稚園・保育所における 心身に障害をもつ子どもの保育の実 態 について, 児童精神医学とその近接領域, 1 97 4(b) 5巻第3号, 59一7 7 , 第1 0 2 ) 北海道社会福祉協議会 (第19号調査研究委員会):障害をもつ幼児の保育の実態と指導方法に関する基礎的研究 (中間報告) 6 , 197 (後 藤 守 本学教授札幌分校・小笠原 詠 子 札幌システムラボラトリー専門学校専任講師・小笠原 仁 本学実地指導講師札幌分校・金 淫 克 美 札幌市西保健所非常勤職員). 87.

(11)

参照

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