「ありがとうございます」と「ありがとうございました」におけるテンス交替(二〇一三年度卒業論文要旨集)
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(2) 動詞基本形の習慣アスペクトについて 日本語教育学研究室 〇四六一 高桑 敬博. 「ありがとうございました」 「ありがとうございます」と におけるテンス交替. 基本形の習慣アスペクトの特徴について研究を進めた。. が難しいとされてきた。本研究では両者の比較を通して、動詞. といった、動詞が動作主体の恒常的な性質を表す場合との区別. 方、動詞基本形の習慣アスペクトは、 「彼はよく肉を食べる。 」. や出現傾向を明らかにすることを目的とした。. 本研究では談話管理機能の役割を果たすル形とタ形の使い分け. はない働きであると指摘されているが、実際に使用されている. 特に談話管理機能の役割を果たすのはタ形のみであり、ル形に. けの大部分が明らかにされてきたが、いくつか不明な点がある。. 日本語には日常生活でよく使われる感謝の表現「ありがとう ございます/ました」がある。先行研究により、両形の使い分. 日本語教育学研究室 〇五〇七 渡部かえで. 従来の研究を考察することを通し、本研究では、動詞基本形 が習慣アスペクトを表すための条件には、 「状況語の有無」 「特. 「彼は毎日公園を走る。 」 のように、 日本語の動詞の基本形には 動作主体の習慣を表す習慣アスペクトがあるとされている。一. 定的な名詞句の有無」 「過去形への置き換え操作」の三つの要. クトを表す文では状況語や特定的な名詞句が必要となる。つま. を元にした叙述であることを示すため動詞基本形が習慣アスペ. 話し手の経験や観察を必要とする。また、話し手の経験、観察. 話し手の観察、経験は必要ないが、習慣アスペクトを表す文は. 話し手の存在が関係していると考えられる。性質を表す場合は. 過去形に置き換えても習慣のアスペクトが失われないこと) は、. 動詞基本形が習慣アスペクトを表す場合の特徴(文中に状況 語が必要であること、 名詞句が特定的でなければならないこと、. る。その中でも第二の働きは、用例中の出現回数から、ル形に. に、話し手によって特別に意識して使い分けされない働きがあ. を終了させたり、発話権を獲得しようとしたりする働き、第三. 第一に、談話を終了させようとする働き、第二に、強引に談話. 調査の結果、談話管理機能の役割を果たす「ありがとうござ います/ました」には大きく三つの役割があることが分かった。. した。. : CSJ )』収録)とバラエティ番組を調査の資料とし、 Japanese 「ありがとうございます/ました」が使われている用例を収集. 用例では、ル形にも談話管理機能の働きが見られた。そこで、. 素が関係していると仮定した。各要素について、例文を操作す. 研究対象は、前後の文脈が分かる自然発話に限定した。そし て、講演(『日本語話し言葉コーパス( Corpus of Spontaneous. り、習慣アスペクトとは話し手の存在によって限定された動き. 比べてタ形の方が使用されやすい傾向にあることが分かった。. ることを通してその妥当性を検証した。. の局面を捉えた表現であると結論づけられる。. - 72 -.
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