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小学校国語科における意見形成力を伸ばす授業開発とその評価 : 意見生成プロセスと文章表現プロセスに重点を置いた意見文指導の実践をとおして

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Academic year: 2021

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(1)    小学校国語科における意見形成力を伸ばす授業開発とその評価 _意見生成プロセスと文章表現プロセスに重点を置いた意見文指導の実践をとおして_                                    教育実践高度化専攻                                    授業実践リーダーコース.                                     学籍番号  P11035D                                    氏  名  吉本 圭子 1研究の背景と目的                 容),事実と感想,意見を区別しながら根拠や理由を示.  意見文は,小学校における高度な書く活動のひ   し(形式),生活をよりよくするための考えや解決策を. とつとして第6学年に設定されている。しかし,  述べ,読み手を説得しようとする(目的)文章。. r児童が意見文を書くことができない」という実.  さらに,先行研究,現行の教科書,現任校の児. 態がある。これには二つの問題が考えられる。一. 童の意見文をもとに,意見形成カを伸ばす意見文. つ目は,課題に対し児童自ら問題意識をもってお. 指導の意義と限界を探った。先行研究において,. らず,意見のないまま文章を書くことを要求され. 両プロセスの重要性を述べているものはあるもの. ることにより,書くことに抵抗感を持っているこ. の実践的な取り組みがあまり見られないこと,現. と。二つ目は,自分の考えを明確に伝える文章の. 行の教科書においてもどちらか一方のプロセスに. 表現方法を習得していないことである。この2つ. 偏った内容になっていることから,本研究におい. を解決する手立てを仕組んだ授業を開発・実践す. て両プロセスを意識的に繋いだ指導は一定の意義. ることにより,児童の意見形成力を伸ばすことを. を見出せるものであると考える。. 目的とする。.  第2章では,意見形成力を伸ばす意見文指導の. 2㎜菟の側要≡. 要件を検討し,次の3点とした。.  本研究は小学校国語科において意見生成プロセ. (1)生活の中で生じる問題に対して,自分の考えをもつ. スと文章表現プロセスの2つの過程に重点を置い.  「場」を設定する。. た意見文指導を行うことによって児童の意見形成. (2)自らの生活をよりよくするための考えや解決策を. カを伸ばすことを目的とする。.  書かせる。.  研究報告書は3章で構成し,以下の研究仮説に. (3)読み手を説得するために構成を工夫させる。(事実. 基づいて行った。.  と感想,意見の区別,根拠や理由の明示,主張の型). (1)問題意識を喚起するような題材を意図的に提.  (1)において,意見生成を促す題材の提示,ブレ.   示することによって,内面に存在する問題意. ーンストーミング,リンクマップ,他者との交流.   識が引き出され,意見を生成することができ. を意図的に組み込むことで,児童の内面に存在す.   るであろう。. る問題意識や自らの主張を引き出す。(2)において,. (2)自らの意見を引き出したりまとめたりする方. リンクマップや意見シートを作成する中で当事者.   法を指導することによって,思考が整理され,. 意識をもたせ解決策を導き出す。(3)において,モ.   論理的な文章を書くことができるであろう。. デル文を提示し,意見文の要件を知るとともに説. (3)互いの意見を主張する場を設定することによ. 得力のある文章構成(図1)を知る。.   って,自らの意見により説得力をもたせよう.    回  令  [垂コ.   と表現や構成を意識した文章を書くことがで.          回.   きるであろう。.       図1主張と環由づけの構適.  第1章では,小学校学習指導要領,先行研究を.  第3章では,第2章の指導の要件をもとに単元. もとに本研究における意見文を定義した。   生活の中で生じる問題に対する自らの考えを(内. を開発し,実践とその評価を行った。実験授業I では,児童の書くことへの抵抗感を減らすために.

(2) 意見生成プロセスに重点を置いた指導を行った。      表5根拠に関する表睨の1平価暗黒 意見生成プロセスに重点を置いた指導を行った。. 蒙1実験授業1単元計回(全8時間) 時. 授業内容. 意見生成. 1. 第1次意見文作成. vロセス. 2. ブレストシート作成 リンクマップ作成 意見シート作成 ミニ討論会 ミニ討論会ぶり返り 最終意見文作成 i学習後)他学級と紙上交流. 3 4.5. 文章表現 vロセス. 6 7. 8.  実験授業■では,相手を説得することのできる 実験授業■では,相手を説得することのできる 論理的な文章を書くために,文章表現プロセスに ・理的な文章を書くために,文章表現プロセスに. 実験I事前. 実験I事後. 実験皿事後. 述べている.  I n l O%. 37197%. 述べていない. 381100%. 24163% 14137%. 113%. 書6「行動の原邊としての邊念」に関する竈呪の評価詰黒. 実験I事前 述べている 述べていない. 実験I事後. 実験II事後. U116%.  一 R8:100%. 381100%. 32184%. O1O%. O1O%.  ■. 表7主張,邊由,根拠の整合性の岬価拮果. 実験I事前 述べている. 述べていない.  一. 実験I事後. X124%.  一. 29176%.  一. S:11%. R4189%. 実験II事後  一. P6142% 22158%. 重点を置いた指導を行った。 重点を置いた指導を行った。          3研究の成果と課田 3研究の成果と課田. 表2実験授業11単元計画(全14時間)    <成果> <成果> 時. 意見生成. ユ,2. vロセス. 3. 文章表現. vロセス. 授業内容 「平和のとりでを築く」を読む. 4. ブレーンストーミングを行う 平和に対する自分の考え(主張). 5. 意見文の構成を知る. 6,7 8,9 10,11. 12,13. 14. 事実や資料,データの収集(根拠). 意見シート作成 意見シートをもとに意見文作成 意見交交流.推敲 最終意見文作成.  実験授業前後にr書くこと」に対する意識調査.  意見生成プロセスにおいて,教師の意図的な問 題提示により児童の問題意識を喚起し,ブレーン 闥 示により児童の問題意識を喚起し,ブレーン ストーミングやリンクマップ,意見シートを用い Xトーミングやリンクマップ,意見シートを周し て内面に存在する思考を引き出したり整理したり ト内面に存在する思考を引き出したり整理したり. することによって,自らの意見を生成することが キることによって,自らの意見を生成することが できた。 ナきた。.  文章表現プロセスにおいて,意見文の要件をモ @文章表現プロセスにおいて,意見文の要件をモ [“ C.十  出  “  一八]=㎜{^1 +口=[十一目4目二』プ“』Lし   目コ デル文で学び,論理的に相手を説得するための思. を行った。t検定の結果,項目(1)(6)の事前事後の. 考の枠組みを提示することによって,自らの主張. 平均の差は優位であった(表3,4)。このことから,. を支える根拠,理由づけ,今後の自分の行動を述. 児童の書くことに対する肯定的な意識の変容が見. べ,論理に一貫性のある文章を書く児童が増えた。. られたことがわかる。また,ブレーンストーミン.  このことから,意見生成プロセスと文章表現プ. グ,リンクマップ,意見シートの活用が児童の思. ロセスを繋いだ指導によって,児童の意見形成が. 考の整理や論理的な表現につなかったと考えられ. 促され意見文の質が向上したと考えられる。. る。. <課題>.      表3 11)文章を害<学習が好き定..  意見生成プロセスにおいて,より児童が当事者. X S D. 実験I事前 実験n事後   t検定 2,44       2.74     t(154)=3,49 1.OO       O,97         ★★. 4件法    N=155   ^pく.05 “pく.01 表4 (6〕害<ことは.頼の中にある考えを整麗するのに役立つ。. 実験I事前 実験1I事後   t検定. X S D. 2,91       3.21     t(154)=3,39 1.10       0.93        ★告.   4件法    N=155   “pく.05 {“pく.O1. 意識をもって思考し,意見の深化・拡充を図るこ とができるよう指導の在り方を探究すること。.  文章表現プロセスにおいて,意見シートや思考 の枠組みの提示方法を改善し,児童の論理的な文 章表現の技能の育成を図ること。また,学級内,. 学年間にとどまることのない幅広い意見発信の場 の設定と,相手意識の向上について探究すること。.  意見文分析では,意見文の要件を満たす文章を 書くことができる児童が増えた(表5,6)。論理的.  今後さらに研究を続け,上記の課題について探. な文章表現の技能を身にっけたことによって,主. 究し,児童の意見形成力及び自身の指導力の向上. 張を支える根拠,理由づけ,今後の自分の行動を. を目指したい。. 述べ,論理に一貫性のある文章を書く児童が増え.    修学指導教員  佐藤 真  伊藤 博之. た(表7)。.    指導教員    吉水 裕也.

(3)

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