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教師の生涯成長と教職大学院 -北海道教育大学教職大学院の現状と課題を踏まえて-

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(1)Title. 教師の生涯成長と教職大学院 -北海道教育大学教職大学院の現状と課題 を踏まえて-. Author(s). 福井, 雅英. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 1: 1-12. Issue Date. 2011-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2932. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 創刊号. 教師の生涯成長と教職大学院 一北海道教育大学教職大学院の現状と課題を踏まえて−. 福 井 雅 英*. はじめに. 教職大学院の意義と位置づけ. 教職大学院は、平成18年7月の中央教育審議会答申「今後の教員養成・免許制度の在り方について」 を受けて、教職課程改善のモデルとして高度な実践力・応用力を備えた教員の養成を目的に、平成21 年度において本学を含む24の教職大学院が創設された。教員養成問題などで旺盛に発言している文部 科学省の鈴木寛副大臣は、最近の新著でも「人口200万人あたりひとつの教職大学院を」と述べて、. 拡充の方向を明確にしている。今後、教職大学院は課題を抱えながらも果たすべき役割が増大してい くことは間違いない。本学教職大学院も北海道における唯一の教職大学院として担うべき役割は一層 大きくなるだろう。 発足2年を経て、本学教職大学院も修了生も送り出し一定の改革も進めてきた。このようなときに. 必要なことは、実践と研究を踏まえ、院生からの視点も生かして検証しながら今後の可能性と課題を 考えることである。. 本稿では、大上段に振りかぶった議論は避け、教師の生涯成長に資する教職大学院の役割と可能性 について、私自身のささやかな実践を通して考えてきたことを述べることにする。さまざまな経験を 出し合い、事実をつきあわせた検討こそ求められていると考えるからである。. 1.教師のライフコースと生涯成長 教職大学院といえば、前出の中教審答申にある、「地域や学校における指導的役割を果たしうる教 員として、不可欠な確かな理論と優れた実践力・応用力を備えたスクールリーダー(中核的中堅教員) の養成」という文言からのイメージが、発足以来強くある。このイメージは職階と結びついていて、. 大学院で学びたいと願う教師の目には、現場教師のニーズというより教育行政の側からの要請に比重 がかかっているように映るだろう。学校の教育活動を実質的に深化発展させる、職階に規定されない リーダー像がイメージしにくいという問題もある。. 教師が自分の専門的な力量を向上させたいと願うとき、そこに大学院があり、気軽にその門をくぐ れるというのが理想だと思う。だが、意欲ある教師にとってもまだまだ大学院の敷居は高い。しかし、 そのような中でも入学した院生はどのような動機で進学したのか、また、実際に入学した後は、教職. 大学院で学ぶ意味をどのように把握しているのだろうか。院生の具体的な声を紹介しよう。. *北海道教育大学教職大学院(大学院教育学研究科高度教職実践専攻)札幌.

(3) 福 井 雅 葵. ○入学動機と教職大学院の意味把握. 中堅教師といえるある院生は、教師生活の中での苦い経験を踏まえて入学の動機を次のように述べ ている。 ***************************. (生徒指導を巡る:筆者注)この苦い経験は、厳しい指導だけではこの世界を渡っていけないとの、 私自身の生徒指導観に対する危機感を生んだ。そして、「生徒指導とは何か」を改めて考え、自分に. 問い直するべく、この教職大学院の門をたたく大きなきっかけとなった。 ***************************. ここには、生徒指導を巡っての自分の実践が批判を受け、実際上も深刻な危機を経験して、そのこ. とが自己の教師アイデンティティの揺らぎとなったことが率直に出されている。この院生の場合は、 課題意識がはっきりしていたなかでの教職大学院進学だったのだろう。それだけに、教職大学院での 講義や院生間の交流などのインパクトが大きかった様子がわかる。前期を終えた時点での自分の状況 について書いているところをみておこう。 奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉ネ奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉奉 (現在の自分). 大学院に通い始め、さまざまな講義、特に本講義を受講するにあたり、今までの生徒指導のあり方 や生徒指導観が根底から覆ったような気がしている。 「個に応じた指導」という言葉は普段から聞き慣れた言葉であり、当たり前のこととして受け取っ ていた。しかし、講義の中で出てきた「子どもに寄り添った指導」という言葉には、自分の体面を意 識して生徒指導にあたっていたこれまでの自分にとっては、衝撃的な言葉だった。子どもの目線、子. どもの視点に立った指導がいかに大切なのか、そして何より、子どもが内面から変化するような指導 でなければ、指導そのものに意味がないということに改めて気づかされた。さらに、これまでの自分 の生徒指導のあり方が、厳しく指導をすることで自己満足し、一方的かつ、独善的な生徒指導であっ たのかを反省するきっかけとなった。同時に、過去の自分の生徒指導を振り返り、あのときもっと別. な指導方法はなかったのか、もっと、子どもの背景を知った上で適切な指導はできなかったのかといっ た後悔の念にもさいなまれる。また、私の指導がきっかけで、どれだけの生徒が心に傷を負っただろ. うと考えると、過去に出会った生徒たちには、本当に申し訳ないという思いでいっぱいになる。 ひとつの苦い経験から、こうして過去の自分を振り返り、向き合うことができたのは、私自身にとっ ては大きな収穫であり、そういう環境を与えてくれた職場や上司に感謝している。しかし、過去の自. 分に向き合えば向き合うほど、もっと早くここで学んだようなことを知っていればと感じることが多 い。少なくてもこれから出会う生徒たちには、「子どもに寄り添った指導」を通して、生き方や自己 形成の手助けをしてあげられればと考えている。 (おわりに). 自分の過去を振り返り、「生徒指導とは何か」を考えたときに、そのときの同僚との出会いや、そ. の場所の雰囲気が、自らの生徒指導観に大きく影響することを感じている。 現在、教職大学院に通い、多くの先生方との出会い、他の院生方との出会いから、自分の固定化し. た価値観や考え方に終始するのではなく、視野を広げ、新たな視点からいろいろな課題にアプローチ するすべを学んだ。生徒指導においては、「これが正解」という明確な定義はなく、また、こうすれ ばうまくいくという「特効薬」もない。しかし、自分の経験を振り返りながら、新たな視点を見つけ.

(4) 教師の生涯成長と教職大学院. 出すという作業は、自分の教師力を高める上で、大変役に立っていると感じている。 教職大学院での生活は残り1年半ある。その中で、常に過去の自分を振り返り、今の自分と向き合 いながら、教師としての器をより広く、より深いものにしていきたいと考えている。 ***************************. 長い引用になったが、ここには実践の省察、講義や院生同士の交流による視野の広がり、新しい視. 点の獲得、新たな教師アイデンティティの確立への希望などが率直に語られている。そして、紹介し. たこの院生の声は決して特異なものではない。次項では何人かの院生のレポートや授業感想を紹介し ながら教職大学院における実践研究の可能性について考えてみたい。. 2.本学教職大学院生の研究活動∼自分の課題に向き合う院生の声から∼ この二年間、私自身の授業を通じて院生の学びの姿を見てみると、共通して言えることがある。そ. れは、現職院生において際立っていて、「教職経験の中で身についた考え方や自分の実践への振り返 りが進む」ということである。これは当然のこととも言えるのだが、教職の専門性を高めていく姿の 特質が示されていると思う。教師の力量向上は自分の実践の対象化のプロセスなしにはあり得ないの だ。 今年度のある授業の感想とレポートをもとにもう少し詳しくみておきたい。授業科目は生徒指導・. 教育相談コースの共通科目である。授業は、毎時の振り返りワークシート・授業感想を全員で共有し、 それへのコメントを加えることから展開している。ニコマ続きという授業形態を考えて試行錯誤する 中で模索して、ほぼ定着したスタイルである。前半の一コマは双方向システムを活用して、主に主担. 当の私が授業する。後半の一コマは各キヤンパスにおいて副担当の教員にリードによる交流と討論に あて、その後時間内に授業感想を中心とした「振り返りワークシート」を記入する。 ①記述と交流の中からの気づき 〈現職院生〉. 授業の振り返りワークシート・授業感想やレポート作成など、書くことを重視し、記述にあたって は、「自分の文章にテーマをつけること」、「キーワードを2∼3語あげること」を課すことにしてきた。 それが受講生にどのように受け止められているかは気になったところである。ある院生はレポート 作成にあたって次のように書いた。 ***************************. 「キーワードから考える」は、授業中に色々な先生方の意見を聞き、自分自身の感想が毎回変化を し、そこに福井先生の見方が加わると気持ちの変化が起きている気づきを感じるため設定しました。 (中略). 一人で考えていると気持ちが詰まってきますが、院生が書いたコメントを読んでい. ると札幌、旭川、. 釧路の3キャンパス全員で考えている感じがしてきました。まさに学びの共同体だと実感しました。 生徒指導の意義と今日的課題を考えることにより、違った視点、教師像とは何かとか、職員室の雰囲. 気とは何かとか、言葉を吟味する方法とは何かなど、数え上げればきりがないほど派生的に色々なこ とが展開され、深まってくるということがわかりました。1つのことを深めることにより、別の視点 が生まれ、別の視点から新たな気付きが発見され、そこに「知」の面白さ、研究の面白さがあるので. はないかと感じるようになりました。授業感想を通した振り返り分析から、お金には代え難い「考え 方」を学びました。(A現職院生レポート).

(5) 福 井 雅 葵 ***************************. この院生は授業終盤の感想でも以下のように害いていた。. 『色々な見方、考え方』 〈授業感想(7月31日⑰)〉 毎回講義で. 、それぞれの院生の振り返りシートの感想を読んでい. ると色々な見方、考え方があるこ. とがわかり新たな気づきに導かれます。それに対する福井先生のコメントを聞いていて、さらに気づ きが深まると同時にそういう捉え方も間違いではないと安心します。 (中略). 「ああでもない、こうでもないと考えるところから、始まるのが研究である。」だから、それぞれ の学校で実践をしている先生方は、現場研究者であると本日の講義で聞き、なるほどと思いました。 研究というと私も何か形に残さないといけない難しい時間の掛かるものだと思っていましたが、日々 考えながら行う実践がまさに研究だと思いました。 〈日付の後の番号は提示した「授業感想一覧」の通し番号である。以下同様〉 串**************************. ここには教職大学院における研究のあり方を模索しながら、これまでの研究観の転換を考える院生 の様子がみえる。教職大学院が教師の「専門性の向上」を追求するとき、「実践の中に身を置いて問 題を考える」ということの意味を深く捉えねばならない。いわば「臨床の知」の特質を考えるのであ る。実践家である教師は、常に行為の中にいる。しかも多忙なだけに、「書く」ことは必ずしも得意 でない。教師にとって立ち止まって「記録する」、「書く」という課題は相当にエネルギーを要する作 業なのである。だからこそ、大学院における研究においてはそれを重視したいと考えた。「日々考え ながら行う実践がまさに研究だ」というのは重要な立脚点だが、それを記述することによって実践を 対象化し、問題を析出することが求められる。「実践の振り返り」にはそうした意味が込められてい るのである。 このような実践の振り返りを通しての学びが、自分がこれまで課題として考えてきた問題に新しい 角度から光を当てるということもある。二つの授業感想を取り卜げよう∩ 中学校で実技教科を担当する現職院生は次のような考察を記述した。 琴**************************. 「生徒指導と教科指導がつながる」. 〈授業感想(7月17日⑲)〉. 「一人ひとりの生活力を高め、本当の生き方につながる指導」ができたとき、教科指導と生徒指導が つながるのだということを改めて考えさせられました。教え込みや暗記の指導ではなく、「学ぶ意味 がわかり、こどもたちの生活に解釈しなおせる筋道」がないとダメなのだと思いました。 ***************************. 中堅教員の院生は「先行研究」について考えた。日本の教育における実践や研究の蓄積の山脈に分 け入って、学び続けるきっかけになればと願うが、現場はあまりに忙しい。それでも、大学院在学中 に日本の教育遺産に触れる機会を大事にしたいと考えている。 ***************************. 「先行研究にあたる意義」. 〈授業感想(7月17日⑳)〉. 前回に引き続き戦後間もない時期に刊行された文献から、生徒指導を考えるヒントを得られた。ひ とつの教育課題に直面したときに関連すると思われる文献等に触れながら、それらの歴史的背景や地 域、他国の諸条件を見つめ、自身で思考することは、違った側面から物事を傭糎し、価値基準を再構. 築できることを改めて学んだ。.

(6) 教師の生涯成長と教職大学院 ***************************. 授業の中では、教師が課題にぶつかったときに、すぐに対処方法(マニュアル)を求めるという問 題も考えた。常にさしあたりの手立てを考えるのは、現場教師として必要なことで当然のことでもあ るのだが、それだけではなく、課題そのものを対象化して考えてみることの重要性を考察した。その ことによって実践の構想や指導方法も広がることをつかんでほしかったのである。「先行研究」にあ たった院生が、「背景や条件の違いを見つめ」、「自分で思考する」ことによって、視点を変えること や価値基準の再構築に挑もうとしていることには大きな可能性を感じるのである。. ②振り返るということ. 受講生全員の記述を共有し、それにコメントを加えて考え合うと、多面的な振り返りが進んだ。こ のことについても院生の感想で見ていこう。 条**************************. 「振り返る」. 〈授業感想(7月31日⑧). この講義を受けていると、自らのことを毎回のように振りかえることになります。「振りかえる」 という作業を意識してするようになったかもしれません。授業・指導・保護者との関わりなど「これ でいい。」という答えがないこともわかっていながら、考えます。受講者のみなさんからの感想レポー トに「自分と同じ考えや環境にいるんだな。」と共感したり、こんな考えもあったのかと感心したり、 良いヒントを見つけることができたりと様々でした。. 今、学校は夏休みに入り、自分自身、1学期の学習物や児童についての記録、家庭訪問や個人懇談 の記録を振り返っています。指導の手立て、保護者とのやりとりなど本当は封印してしまいたいこと や顔も思い出したくない保護者のことなど色々ありますが、その対応の流れを見直すことで自身の カードが増えていくのではないかと考えられるからです。. 「講義を振り返って∼考えさせられた言葉の数々∼」〈授業感想(7月31日⑦)〉. この講義では、院生の考える生徒指導についての交流をはじめ、担当教員の方々からの教育実践等 を多数得ることができた。その中でいろいろと考えさせられたり学びの再構築を痛感したことで、改 めて本学に入学して学びを深めることができたことに、大学院入学を選択して間違いはなかったと、 今まさに実感している。 ここでは、どのように学びを深めたかは自身の考えを醸成する時間が必要である。(中略)今回は この講義で特に自身が文献等をもとに研究してみたいと思ったり、なるほどと感心したり、疑問に思っ. たりしたキーワードについて列記し、今後の自身の学びの課題事項として長期的に取り組んでいきた いと思う。 ・リフレクション・直観・人間は選びつつ判断する・リアリティ・自己形成の援助・暗黙知・人間的 信頼・自分の軸を持つ・時代の課題に噛合うような実践を考える・協働(共同)の雰囲気は創造性を 生み出す・吟味の材料(実態・価値観・場面)・「待つ」こと・多様な対応・「気づき」 串串串串串串串串串串串寧串串串串串串串串串串串串串串串. 以上は、現職院生の声を紹介したものだが、いずれも、自分の実践と教職経験の中での問題意識を ベースに考察を深めていこうとしている。その際、振り返りの深まりには、「違う視点」との出会い. が大きな媒介効果を持つ。その「違う視点」の中には歴史的な視点も有効である。現職院生のこのよ うな模索は、自分の実践を振り返るのに響き合う概念を探究しようとしているのだとも意味づけられ.

(7) 福 井 雅 葵. よう。 では、ストレート院生はどのような探究をしているのか。これもいくつかの授業感想などを手がか りに見てみよう。. (彰自分の課題意識と響き合う「言葉」との出会い. あるストレート院生は率直な反省を書いた。自分がわかったように使ってきた「言葉」についての 考察である。若い院生が言葉にこだわり、考察を深めていく姿は好ましいものである。続くいくつか の感想を読んでい. くと、彼らの探究が、実践や経験に根ざしたリアリティのある言葉を求めているこ. とが理解できる。それはそのまま、「実践的な学び」の象徴的な姿だろう。 ***************************. 「言葉の吟味」 〈授業感想(7月24日⑲)〉. 言葉を吟味し、自分の言葉として捉えていく経験の積み重ねを経て、自分の哲学が生まれていくこ とを学びました。本などで頻繁に使われている言葉や、他人との会話で聞きかじった言葉を、あたか. も自分も知っているかのように使ってしまうことがよくあります。しかし、その言葉の意味を改めて 問われると答えられないことが多いです。 「リアルな子どもの姿」 〈授業感想(7月31日⑲)〉 理論と実践 子どもを一つの抽象的な概念で捉えてもそこで問題にされている本質には到底たどり着けないと思. いました。理論を学び、実践に役立てる姿勢は当然大事だし、行うべきだと思います。しかし、授業 感想にもあったように子どものリアルな姿を如何にして見るかを考え、見たものから自分のもってい る理論をどう結びつけるかという姿勢が必要なんだなと改めて学びました。 「教師の主体性についての考察」 〈授業感想(7月31日⑪)〉. 同僚性に関する話を聞いたとき、斎藤喜博が校長だった小学校の教師集団を連想しました。子ども を変革できるような授業の創造に教師一人ひとりが必死に取り組んでいる姿、机を囲んで子どもたち の姿を語り合う姿、お互いの実践を見て刺激される姿、ある種のライバル関係であり自分の考えを語. り合えるような教師集団だったのではないかと文献から感じていました。昔が良いとか実践が良い悪 いという議論をしなくても、その教師集団は少なからず一人ひとりが主体的であり、お互いの生活背 景も知った上で個々の可能な限りの仕事をこなしていたと思います。それを踏まえて、現在の教師は 何をもって主体的なのかを考えることも必要だと感じます。 主体性はある教育の辞書には対象への自由思考とそれに基づく自由な行為と選択と言った内容が善. かれていた気がします。また、子どもに一般論を当てはめて見ることによって子どもが見えにくくな ると福井先生の話の中にありました。それを今までの講義を照らし合わせて考えると、教育について 学んだり、事例から学んだりすることで、子どもや他の人を見取る力がついたとしても、個と相対し. たときにはそれを一旦取り除き、学んだことに縛られない自分でそれを見ることが大切なのだと思い ます。専門性を備えた自分を背景に自由に考えることが出来ることが必要であり、そうしてたくさん のことを考え、自分の中にある問いの答えを探していこうとすることが主体的な教師像につながるの ではないかと思います。 「自分的教育語辞書を作る」. 〈授業感想(7月24日⑬)〉. 教育現場にいる中で日常的に使っている言葉の意味を問い直し、自分なりの意味付けをする。この. 作業の繰り返しが自分の教育観を構築することにつながるのではないかと考えました。言葉のひとつ ひとつに、辞書的な意味を把握したうえでの自分のバージョンの意味を加え、ページをどんどん増や.

(8) 教師の生涯成長と教職大学院. していきます。自分のバージョンの意味は自分自身で経験し、考えかナれば得られません。そうして. できあがった『自分的教育語辞書』は、まさに自分の経験を基にした言葉で綴られた、自分の教育観 そのものであると思います。 ***************************. 4人のストレート院生の文章をあげてみた。授業でこのような感想を交流して考察していくと、中 堅教員である院生からは次のような感想も出されてさらに深まっていく。 〈授業感想7月31日④〉 ***************************. 言葉の吟味・問い直しで、自分の価値観を見直すことのイメージを前回の講義では学んだが、今回. は、生徒への関わり自体をこどもという軸(その時のこどもの表情や子どもの言動、その子が今置か れている文脈などから)で吟味し問い直すことが、子どもをみる目を養い、関わり方を変えていくきっ かけになるということを改めて考えることができたし、このような視点で自分の実践を振り返りたい。 ***************************. 記述されたこのような感想の交流は、問題関心の緩やかな応答であり、その間題の多面的な姿が浮. かび上がるように思う。授業の最後の30分から40分をかけて作成されるこのような文章は、回を追う ごとに、お互いの刺激もあって間違いなく充実したものになっていった。そして、新しい視点や視点. の深まりによる振り返りや学びへの意欲も喚起されているように感じられたのは嬉しいことであっ た。. 3.教職大学院における実践研究と研究方法の開拓 ①教職大学院における研究. 「教職大学院に研究は必要ない」という言説もあるが、そうではない。問題は研究の内容とその質、 及び方法である。教職大学院の設置に際して、設置基準から「研究能力」が削除され、「研究指導は 不要」と規定された。そして、教職大学院では修士論文を課さないこととされた。こうした論議の過. 程でイメージされていた「研究」は、おそらく、「アカデミズム」に傾斜した思弁的な研究だったの ではないか。しかし、批判されるような研究の現状が一部にあるからといって、教育実践や学校に関 わる教師自身の研究を否定することはできない。. 学校や教員が現場で直面している問題に光を当て、実情の丁寧な把握の上に、問題の意味や性格を 明らかにし、その追究のなかで実践の内容を考察し、さし当たりの対処方策を提示するのは、それ自. 体重安な研究である。そのような臨床的な研究の方法が十分成熟せず、未だ開拓途上であったとして も、それが研究そのものを不要とする根拠にはならない。. 専門職大学院としての教職大学院に求められているのは、こうした課題解決にふさわしい研究の質 と方法を開発していくことである。このような探究なしに、「教職の高度化」や、「実践的指導力の向 上」はあり得ないと考える。そして、その努力は現に様々に追求されていて、例えば、修士論文に代 わるものとして「教育実践課題解決研究」を置き、それに関連する科目として「アクション・リサーチ」. を設定している教職大学院もある。この点に関する本学教職大学院における努力は、「マイオリジナ ルブック」(MOB)の作成として打ち出されている。(後述)いずれにしても、教職大学院における 研究を考える時、修士論文に代わる「課題研究」の在り方が鍵になることは間違いない。 MOBについては、本大学院の特色ある取り組みとして初めての成果が発表され、その一端を「研.

(9) 福 井 雅 英. 究抄録」として刊行し、教職大学院ホームページでも公開した。しかし、率直に言って、なお、模索 と探究の過程にあるというのが実感である。教職大学院にふさわしいテーマやそれに対応する研究方 法について開拓しつつ研究を深めなければならない。このような課題を集中して論議し探究するには、 3キャンパスに分岐していることは不利な条件である。その克服をめざし、ゆるやかな統一のイメー. ジを持ちながら、各キヤンパスの独自性も尊重して相互に了解できるように考えていきたい。 「教職大学院にふさわしい研究テーマとその研究方法」とは、どのようなものか。それは、既に述 べたように、従来ありがちなアカデミズムに散り込んだ研究でなく、直面する課題を現場に身を置い. て研究し、教師の実践的な専門性の向上に貢献しようとする努力によって開拓されるものである。こ のような研究には、実践や実習(実地研究)についての振り返り、吟味、いわゆる省察が重要である。. 言い習わされた「教師は現場で育つ」という言葉には、実践を重ねつつ省察を深めてこそ教師は成長 するという現場の経験知が込められていただろう。それが基本であることは確かである。そのうえで 「現場で育つ」教師が、「大学院で学ぶ」ことの意味と内容を考えなければならない。 多くの教職大学院が、「理論と実践の往還」「理論と実践の融合」などを掲げるのはその探究の姿だ と思われる。. ②理論と実践をどう考えるか∼実践現場における臨床研究. 目の前の子どもや具体的な教育の事実の中にどのような「問題」を見るか。何を問題にするのかを 問わなければならない。現場で「事象に直面した」と感じるのは、その中に実践者として気になるこ とや問題と考えることがあるからである。「落ち着きがない」として気になる子の問題は、「落ち着き がない」という現象の背後に、その子を落ち着けなくさせている何かがあり、それこそが、その子の 本当の「問題」であろう。生活上の問題なのか、周囲との関係性の問題なのか、学習上の蹟きなのか、. その子の発達上の特質なのか、一時的な条件の組み合わせの中での現象なのか。要因は限りなくあり、 かつ複雑だろう。視野と想像力を広げて考えなければならない。このような時に探究の対象は子ども の問題だけではない。「落ち着きがない子どもが気になる」という問題察知の力が重要であることは 間違いないが、「教師自身の感じ方」にも検討のメスを入れるのである。それは、「教師の前では整然 と指示を聞く子ども」を理想的な姿として想定し、そこからはみ出す子どもを否定的に見ると背後の 問題の探究が妨げられる、という問題も生まれるからである。例示したような教師の子ども像や教育. 観のように、知らず知らずに身につけてきたものも検討の対象にするということである。このように して、教師が自分の実践を振り返りるということは自分自身を振り返ることとつながらかナればなら ない。繰り返すが、教師が自分を変えるためには、経験の中で蓄積されてきた自己の認識や当然視し. てきた知見そのものを対象化してみることが必要なのである。それは教職の現場に身を置いて研究す るという臨床研究の基本的な一つの姿だと考えられる。 授業感想の中でも、「目から鱗」などという表現で、自分の新しい学びを表現したものがあった。. 一つの知見や方法が自分の中に刺激的に飛び込んでくるのは、それが目新しいというだけでなく、お そらく、それらの認識論的根拠とでもいうべき異なる基本枠組みが発見されるということだろう。こ れまで十分意識したこともない実践の枠組みや依拠していた理論根拠が、霧が晴れるように浮かび上 がるというようなことを体験すれば、学び研究するおもしろさが味わえるのである。専門職大学院で. ある教職大学院では「実習」の比重が重い。この実習も「体験重視」というレベルにとどめるのでな く、研究の枠組みで意味づけることが重要である。実習を「実地研究」として、その内実を創成して. いきたいものである。現在はカリキュラム上明示された実習事前指導・事後指導のほかに、金曜日の.

(10) 教師の生涯成長と教職大学院. 夜に「セミナー」を設定し、実習中の院生と担当教官が一堂に会し実習の振り返りと問題の検討を行っ ている。これは実習に基づくカンファレンスであり、振り返りと共同の学びの機会になっていると言 える。. (彰実践を振り返る概念の探究∼実践と理論の関係の一つの姿 理論と実践の関係をめぐっては、教職大学院おいても様々に表現されている。日く、理論と実践の 「往還」「融合」「統一」など。求められているのは理論と実践の関係を深く考えることだろう。その 際の重要な切り口は、「言葉」である。院生の感想などにもあったように、自分の実践をどのような. 言葉で語り記述するかが問題になる。どのような概念で意味づけるかということでもある。そのよう な考察を自分の実践を対象として展開してきた姿として、教師の書く「実践記録」がある。 教育実践記録を書くとはどのようなことだろうか。それは、自分の実践を振り返り、子どもの姿に. 照らして検証し、考察を加えて記録するということである。外形的な事実を書き連ねた「経過報告」 とは違う。考察を加えるといっても、実践を出来合いの理論で「整理」することではない。それは実. 践者自身が、自らの実践を理論化する努力なのである。その努力は必ず実践を深め高めるところへ循 環する。そのためにこそ教育理論や先行実践を学ぶ必要があると思うのである。自らの実践を対象に 考察するとなると、教師としての自分がどのような理論・知見・言説の影響を受けてきたか、を意識 して振り返るということにならざるを得ない。実践者はしかし、「影響を受けた理論」をそのまま受 容しているわけではない。自分の直面している子どもや学校の状況において、必要な実践上の判断の 中での活用であり、そこに変容や新しい展開が生まれている。それはどういうものかを自己認識して いこうとする努力は、自己の実践の理論化の一つの姿である。実践家の専門性はそのような努力の中 で高められる。このように考えると、理論と実践が別個のものとして分離しているという把握だけで は十分でない。「実践の中の理論」、「実践の理論化」、「理論の実践性」などを取り上げかナればなら ない。そして、実践と研究の相互浸透とでも言いうる強固な関連性を持ちたいのである。 それを教職大学院の追究する姿としてイメージすれば、私のイメージでは「実践の内にらせん的上 昇を措いて循環する」という感じであり、「理論と実践の関係を教育実践に即して考える」というこ と自体が重要な研究課題になる。 そのように考えてきた私の場合、告白すれば、自分の貧弱な“理論”観、“科学”観の捉え直しが 迫られることになった。詳しく触れる余裕はないが、ひと言で言えば、いまは、教育をいわば「複雑 系の科学」として考えるようになっている。そして、実践の中に身を置いてこそ特定性や事象の多義. 性を理解できるということを生かさなければならない。そのようにして、現場において理論と実践の 関係を考え、実践記録をまとめる過程では、集団的検討の場が重安な意味を持つ。共同的な学びのな. かで立場の違う多彩な人たちが参加して、異なる視点が交錯すると新しい気づきを生むことになる。 現場教師時代から「子ども理解のカンファレンス」と呼んで実践してきたものはそういう努力だった と思う。カンファレンスは実践を振り返り、新しい理論生成の場になり、それによって実践の展開を 生むだろう。同時に、教師の仕事は事象対応型で事象に規定され、その範囲に限定される危険をもち、 また、臨床的な学びの陥りやすい問題として、個別性からくる孤立、独善に傾く危険などいうリスク も存在するので、共同的な学びはそれを避けるという実際的な効果もある。. 教職大学院で学んだ人が、修了後も現場研究者教師として持続的に成長を続けることを期待する立 場でいえば、MOBの作成は現場研究者として書く実践記録の質を高める基礎訓練とも位置づけられ ると考えている。.

(11) 福 井 雅 英. 4.MOB−「自分の研究物語」をつくる. 課題研究のあり方とMOB作成の課題. 本稿の目頭でみたように、修士論文に変わるものとして課題研究の在り方はどの教職大学院でも大 きな課題である。ここで本学教職大学院のマイオリジナルブック(MOB)について簡単に紹介し課 題を整理しておきたい。 教職大学院の研究では、学校や実践の現場で自分が直面した問題を取り上げ、その意味を考え、考 察を加え、新しい理論や実践方策を提起することをめざす。すでに述べたように、現場における教師 の持続的成長には、実践を記述することが基本に据えられるべきである。記述の過程では問題の意味. の吟味、実践の振り返り、それを通した実践の意味づけということが含まれる。 当たり前のことだが、教育学におけるどのような「理論」も、もとは「教育の事実と実践」から生 み出されてきたものである。教職大学院で理論を学ぶ場合にも、その生まれてきた原初の地平に降り たって考えるようなスタイルが大事だと思うのである。. そのような教職大学院での研究の跡を記述するのがMOBである。「自分の研究物語」をつくると いう表現にはそのような意味を込めている。. しかし、MOBについては教職大学院スタッフの間でも、しっかりした共通の認識ができあがって いるとは言えない。統一的な様式や目安になる分量、共通する評価基準も明示されたものはない。こ. れらをまとめる過程で議論を更に深めなければならない。これはできる限り急いで取り組む課題であ ると考えている。. このような現状に立って、ここでは、MOBの指導の中で院生に示した私のメモを参考までに上げ ておこう。. メモ:く育てたい力とMOBの意味〉一自分の構想を具体化する流れ− 1.MOBにまとめる研究テーマ 2.研究の動機と関心・研究目標. (テーマについての解説). (∋なぜこのようなテーマを設定したか. ②テーマに関連する自分の関心について(①にも関連する) 関連するキーワードを卜げてみる (動このテーマを研究することの意義 ④この研究によって明らかにしたいこと. 研究の眼目は「論理と実証」である。独りよがりでない自分の物語をつくる。 〈読者を納得させる論理展開とそれを実証する事実・資料を提示してこそ説得力を持つ〉 3.テーマに関係する文献・資料リストを作成する…該当する目次のところに組み込む ・先行研究に関する論文・著作 ・先行実践に関する文献 ・大学院授業の中での学びや配布資料. ・振り返りワークシートやレポート ・実習の記録・授業の記録・子どもの作品・子どもの事実・同僚の反応や感想 4.テーマに迫る研究方法 ・文献研究/的研究. 10.

(12) 教師の生涯成長と教職大学院. ・実習記録・実践記録の分析 ・インタビュー、アンケートなどのデータ資料収集と分析. ☆「オリジナル」と打ち出しているが、これをどう主張するのか。 「自分が思いついた新しい工夫」も、それがオリジナルなものであると主張するには相当な研究が いる。先行研究や先行実践に照らしての独自性の証明がかナればならない。そのためには、先行研究 ・実践を調べ検討することを通して自分の実践に関する新しい視点やその意味を発見することが重要 だろう。 ☆記録・記述の問題…何をどう記録・記述するのか。. 印象に残ったエピソードということ、「単なる主観的なもの」という反応をどう考えるか何が気に なったか、なぜそれが気になるか、気にする自己自身の対象化を含んで考察する。現場でも、「主観 的印象」「エピソード」などといえば、否定的な印象が強かった。それを超えて行く道筋は、そのよ うに感じる内なる根拠を考察するところにあるだろう。. ☆以上のようなことを念頭に置いて、まず目次を書いてみる。 「目次を考える」ということは、研究テーマについての自分の考えを、読み手にわかりすく伝える ための必要な柱、論点を書き出すことであり、その柱どうしのつながりを考ることである。その作業 は自己の内部におけるテーマの構造化作業だと言えるだろう。. 5.北海道における新しいティーチヤーズセンターヘ. 教師の生涯にわたる成長において教職大学院が果たす役割と意義を踏まえ、本学教職大学院の目指 す姿を私なりに表現すると、「北海道における新しいティーチヤーズセンター」ということになるだ ろう。修了生や在籍院生をみても、現職教員の院生の課題意識は、「自分の直面する実践上の問題を 深く考えたい」、「もっと自分を向上させたい」、「自分の実践の意味をつかみたい」、. などという真撃. なものである。これに応えるためには、新しい知見や技術を教授することも大切であるが、自らの実. 践を振り返り課題解決の方法を開発し、学び続けるという意欲の種火を、一人ひとりの院生の深いと ころに埋めることが必要だと思う。教職大学院に在籍中だけで研究が完結することはあり得ない。先 述の通り教職にある限り持続的に研究を続ける現場研究者になってほしいと願うからである。. 教職大学院は広大な北海道のそれぞれの地域にあって、「困ったときには教職大学院がある」と現 場から頼りされ、学んだ院生の皆さんに、「教職大学院は私の教師人生のオアシスだった」と言って もらえるような場所になりたいと願っている。 今後も実践者への敬意をベースに、「新しいティチャーズセンター」になりたいと願う上で、大学. 内部の努力とともに、社会的に考えなければならない問題を最後に述べておきたい。 これまでみたように、自分の実践の中で課題に直面し研究関心を深める教師は多い。しかし、現実. に教職大学院への進学に踏み出すまでに至る人は少ない。勤務状況の厳しさに加えて入学金と授業料 を併せると初年度80万円を超える納入金など、金銭的負担が重荷になっていることは、進学相談をす. る教師の口から必ず山る問題である。政策的見地から教員資格の修士レベル化を図るというのなら、 そのための財政的裏付けを確保し、教師の負担軽減を実現するとことがどうしても必要である。この 問題が社会的な議論になるように願っている。. 11.

(13) 福 井 雅 英. ○修了生の声については、本誌の別稿、玉井康之・前田輪音・藤森宏明「修了生対象の振り返りア ンケートからとらえられる院生の学びの軌跡と成長」も参照されたい。. く参考文献〉 ・鈴木寛『「熟議」で日本の教育を変える』小学館2010年 ・三石初雄「教職大学院創設期の動向と課題」三石初雄、川手圭一編著『高度実践型の教員養成ヘ一日本と欧米の 教師数育と教職大学院』東京学芸大学出版会、2010年3月。 ・稲垣忠彦・松平信久・寺崎昌男編『教師のライフコース』東京大学出版会1988年 ・日本教育学会「教員養成の在り方に関する特別委員会」「教員養成制度改革案(養成期間延長・教育実習1年化) の問題点と教員の資質向上策の基本的課題」〈文部科学省の提案募集に対する意見提出〉 ・玉井康之・前田輪音・藤森宏明「修了生対象の振り返りアンケートからとらえられる院生の学びの軌跡と成長」 本誌.

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参照

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