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画像計測による工作機械主軸回転の測定 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)

論 文

画像計測による工作機械主軸回転の測定

清水毅 西山嘉英 小尾誠

Measurement of Revolution of Machine Tool Spindle

by Image Prosessing Techniques

TsuyoshiSHIMIZU YoshihideNISHIYAMA MakotoOBI        Abstract   The revolution mechanism is one of the very important elements of machine tool, So, we studyed the measuring methods of the main spindle revolution by image processing technique which is in the improvement stage for practical apprication in many field recently.   To calculate the rotation angle, we showed four algorithms and considered those calucula− tion accuracy and time theoretically and experimentally.   According to the computer simulations and experimental results on lath, one of those algorithms can caluculate the rotation ange with accuracry comparing with others and another caluculation time is more shorter.   Therefore, if the appropriate method is selected according to need in computer programing, machine tool spindle revolution can be measuered practically by the image processing tech− niques instead of rotary encoda which is used widely, but has to be fixed in machine too1. 1.はじめに  近年,画像を工学的な立場から研究しようとする「画 像工学」と言われる分野が急速な発展を遂げつつある が,この画像工学の一分野である画像処理を使って画 像計測による回転運動(回転角)の測定を行い,この 測定値を現在回転角測定に於いて最も一般的に使用さ れているロータリーエンコーダの値との比較により精 度の測定を行う.また,タイマーを使って処理速度の 測定を行い,これらの結果を考察する事により,CCD カメラから得られた画像情報によるロータリーエン コーダ開発の可能性を試みたので報告する. 機械システム工学科,Department of Mechanical Sys− tem Engineering 2.測定装置と測定原理  今回の実験で用いた測定装置および測定原理につい て述べる. 2.1 画像計測装置  本研究における画像計測装置は,図1に示すように CCDカメラ,画像処理ボード,パーソナルコンピュー タにより構成されている.これらの装置により本研究 では,CCDカメラから取り込まれたアナログ画像信号 を,画像処理ボードのA/Dコンバータによりディジ タル量に変換し,フレームメモリに蓄積し,蓄積され たディジタル画像信号をパーソナルコンピュータの主 記憶に転送し,必要な形に処理することにより画像処 理が実行できる.また撮像された画像は,同時にモニ タにより監視することもできるようにした.

(2)

 512*512 (1フレーム) フレームメモリ パーソナル コンピ=L・一タ 図1 画像計測装置

2.2 測定原理

 本研究での画像計測による非測定物であるマーク (以下対象と呼ぶ.)の認識方法を述べる.まず,対象 を円形と限定し,さらに,輝度の差を大きくし対象を 認識し易くするため,対象を白色,背景を黒色とする. 対象物の位置決定は形状を円形としているので円の中 心座標を対象の位置とした.また,対象の位置決定法 を処理速度を重視した高速近似解法,精度を重視した 高精度計算法について原理を説明する.

2.2.1 高速近似解法

 高速近似解法は,処理速度を重視し,対象物位置決 定のための画素をできるだけ少なくすることにより実 行される位置決定法である.

a)4点法

 4点法は,図2に示すように対象の中心を4点E・ F・G・Hによって決めるものである.図中の丸は対 象を,白点は画素,黒点は対象の輪郭を構成する画素 であり,E・F・G・HのX座標, Y座標をそれぞれ 平均して点CのX座標,Y座標とする方法である.上 から順番に画素を探していきE6Fを見つけ,同様に 下から探してG・Hを見つける〔ド

b)2点法

 この方法は,図3のように対象の輪郭を構成する点 のうち2点A,Bで対象の中心を決定する.これは, 対象内部の点Sから対象の輪郭点まで垂直に画素を探 索し,さらに水平に探索可能なときは探索を行い,点 A・Bを見つける.この方法は,4点法よりも対象物 を抽出するための探索画素や,対象物の位置決定を行 う画素を大幅に減少させることにより,さらに処理速 度を向上させ,より高速度運動を行う物体の測定にも

図24点法

OOOOO

ooOo 

●  ●●●●●

OOOO●●●●●●●●

OOO  ●●●  ●●●●

○Oo

OOO

OoO

ooo

Ooo

OOOO

OOOOO

oOOOoo

 OOOOO

● 

OOOO

●●OoOO

●●  OOO

OOO

OOO

OOO

OOo

OOO

  OOOO

 oOooo

OOOOOO

OOOOOOOOOOOOOOOOOOO

OOOOOOOOOOOOOOOOOOO

OOOOOOOOOOOOOOOOOOO

OOOOOOOOOOOOOOOOOOO

、.図3 2点法 対応させることを目的とした方法である.

2.2.2 高精度計算法

 高精度計算法は,可能な限り多くの画素により対象 物の位置を決定するもので,処理速度よりも精度を重 視した方法である, a)シンプレックス法を応用した場合  シソプレックス法は,直接探索法の一つで,非線形 最適化法を応用したものである.まず,対象の輪郭だ け認識させ予想される中心S点の周りにシンプレック ス(三角形HLM)を作り,目的関数により計算する.

(3)

図4 シンプレックス法 この図を図4に示す.目的関数は,対象の輪郭の座標 と各シンプレックス頂点までの距離(画素)で,いち ぽん長いものを用いた.これにより,先に述べた方法 を繰り返すとシンプレックス頂点は対象の真の中心点 Cを囲むように収束していく.収束基準標準偏差が設 定値以下になった時にこれを終わり,シンプレックス 頂点(三角形)の重心をシンプレックス法で求めた対 象の中心とする. b)コンベックスハル法を応用した場合  コンベヅクスハルとは平面上(もしくは3次元内) に存在する有限個の全点を任意の2直線(2平面)で 挟むとき,それら2直線(2平面)を拘束する全ての 点によってできる凸多角形(凸多面体)である.この コソベックスハルの構成点により幾何偏差を求めるの がコンベックスハル法である.この方法はシンプレッ クス法よりも処理時間が非常に短いが,条件によって は結果が収束しないことがあるという欠点がある.こ こで,本研究のアルゴリズムについて図5で述べる. まず,対象の輪郭を配列に落とし,次にその点の中か ら任意の3点A・B・Cを選びこれが鋭角三角形にな るようにする.なぜ,鋭角三角形でなけれぽならない かというと鈍角三角形だと,必要以上に大きな円とな る場合があるからである.そして,その3点より円C

1が決まる.次に円C1の外の点で辺AB・BC・C

A間にあるような円C1の中心から一番遠い点D・

E・Fを選び,これが鋭角三角形になるように選ぶ. もしここで鋭角三角形にならなけれぽ点A・B・Cを 決めなおして行う.そして,この3点D・E・Fから 円C2を決定する.これを繰り返すことによって対象 06’○○○  ○○○○ 図5 コンベックスハル法        n番目 qn  θn Ln qn十1 n+1番 回転体 図6 回転角の測定

○○O

 OO

 OO

 OO

対象の位置(中心) の輪郭を全て含む最小の円が求まる.しかし,実際に は,必ずしも鋭角三角形をとれる場合ばかりでなく, また,対象の輪郭が全て含まれるとは限らず,1点も しくは2点は円外にでてしまう場合がでてくる. 2.3 回転角の算出  回転角θは,各フレームにおける対象物の位置を比 較することにより算出される.対象物がn番目のフ レームからn+1番目のフレームにきた時つまり,n 番目の位置からn+1番目の位置に移動したときの回 転角θnを図6のような幾何学的関係から導出した.  On=cos−1{(R.2十Rn+12−Ln2)/2R. Rn+1} また,回転中心,つまり,円の中心は,円周上の3点 で決まるので,3つのフレームでの各対象の位置を円 周上の3点として,この中心を決定する.最終的には, これらで決定した中心を平均する.もし,ふれがなけ

(4)

 0.8 O.6

0.4一つ一・一・①Y。一’°℃刃

0.2 0 \ 0       20       40

       −

      半径(dot) ●一一一一℃2点法 ○トー一〇4点法 ◎一一◎ コンベックスハル法およびシンプレックス法 図7 半径に対する誤差の大きさ 画像計測装置へ 対象物  回転円盤(被測定物 @回転軸 戟[ザエンコーダへ 1 レーザエンコーダ        図8 精度測定装置 れば全て同じになるはずである. 3.中心決定のシミュレーション  中心決定についてのシミュレーションを計算機によ り行った.このシミュレーションは,各方法で半径を 変え,円の中心を求め,その半径ごとに真値との差を 出し,平均したものである.その結果を図7に示す. この図の縦軸は真値との差,横軸は半径の大きさで, (deg) 1 1       2       3     レーザエコーダの値(deg)  0 2点法  口 4点法  ▲ シンプレックス法 図9 画像計測による回転角の精度 2点法,4点法,コンベックスハル法,シンプレック ス法を比べた図である.シンプレックス法と,コンベッ クスハル法は,ほぼ同等であった.2点法は,ばらつ きが見られるが,約0.8画素,4点法はその半分の0.4 画素程度,シンプレックス法,コンベックスハル法は, 対象の半径が大きけれぽ大きいほど誤差が少なくな り,対象の半径が20画素程度あれぽ真値との差は0.1画 素以下に収まることがわかる. 4.回転角測定  図8のような実験装置を用いて回転運動に対する対 象物の角度を画像処理により求めた.この図において, 円盤を回転させることで,対象物は回転運動を与えら れ,それをCCDカメラで撮影し,画像処理により対象 物の中心を計算する.これらの値と,エンコーダの値 とを比較した図が図9である.この図の縦軸は画像計 測による値で,横軸はエンコーダの値であり,単位は ともに度である.これは,エンコーダが0.18度を刻む ごとに画像処理を行ったものであり,この図からシン プレックス法(Cs=0.001),4点法,2点法の順にエ ンコーダとの差が少ないことがわかる.ここでCsと は,シンプレックス法の収束基準標準偏差である. 5.処理速度測定 回転角測定では回転している(運動している)物体

(5)

カメラ

画像処理ボード

パソコン

被測定物

タイマ

Z相カウンタ端子

 エンコーダカウンタ

A,B相用カウンタ端子

図10 処理速度測定装置

CCD  対象物

施盤

一一 一一 ≡ 一一Z⇔一〇一 ’   口__,●一一’一一

一一一

○○○

◎・。.田 oo O 図11 回転数に対する測定可能点数の測定方法 を扱うので,処理速度も重要なファクターになる.そ こで,これらの測定原理によりどの程度の処理速度が 得られるかを測定した.

5.1 測定装置

 処理速度の測定では,図10に示すようにタイマを 使って測定した.まずタイマをエンコーダカウンタ ボードのZ相用カウンタ端子に接続し,タイマのカウ ントを,Z相のカウントとしてパソコソに入力する. そしてZ相のカウント毎に画像を取り込み処理を行う よう設定し,さらにタイマの周波数を早くすることに より,Z相のカウントを徐々に早くすると画像処理時 間よりもZ相のカウント時間の間隔が短くなり,画像 処理が終了する前にカウントされて,次の画像が取り 込めなくなる.この操作により画像処理が実行できる 最短時間(処理速度)を測定した.この処理速度の測 定結果は,4点法が約5Hz,2点法が約20 Hz,シソ プレックス法(Cs=0.001)は約0.1Hzであった.各方 法の処理速度は,少なくとも被測定物の回転する速度 (周波数)よりも早くなけれぽならないので,この結 果から各方法における測定可能な被測定物の回転速度 が制限される.シンプレックス法では処理速度が,非 常に遅いので運動をしている物体(移動物体)の測定 には適さないことがわかる.また,この処理速度の差 を明確に認識するために,被測定物を任意の回転数で 回転させ,これを最大処理速度で画像計測を行い,こ の時の1周での測定可能点数を測定し検証した.この 測定に使用した被測定物は,図11に示すように旋盤と

(6)

V8。 200 0 20 ○一一〇 []一一□      40 測定点数(polnt/rev) 2点法 4点法 図12 最大処理速度での測定点数 し,その主軸(図中の矢印の部分)に対象物を取り付 け測定した.またシンプレックス法については,運動 している物体の測定には適さないので,この測定を行 わなかった.この結果を示したのが図12である.この 図により回転数を上げると測定可能点数は少なくなり 測定速度の速い2点法の方が,測定可能点数が多いこ とがわかる.  以上のことから対象物の位置決定の画素数が多けれ ば,処理速度は遅いことがわかる. 6.まとめ

6.1 結論

 本研究では,回転角測定に対しエンコーダに代わり 得るものとして,CCDカメラを使った画像計測を応用 することを提案した.この方法として我々は,4点法, 2点法,シンプレックス法,コンベックスハル法の4 つの方法を示し,測定をおこなった.これにより得ら れたことを要約すると以下のようになる. (1)画像計測による回転角測定は,処理速度,測定 精度などの制限があるが,可能でエンコーダの代わり 得るものであった. (2)測定精度と処理速度は,一方を上げれば他方は 落ちるというような相反する関係にあるので,測定に は要求される精度および処理時間を考慮に入れて適し た方法を選ぶことが重要である. (3)画像計測では,画像取り込みに時間が掛かるの で,比較的低速回転の時に有効である.しかしある程 れぽならくなる.そこでPLLを使った周波数てい倍 回路により見かけ上の分解能を向上させる必要があ る. 6.2 CCDカメラによるエンコーダの開発  我々が提案した画像計測による回転角測定法には測 定誤差が存在している.しかしその誤差は非常に小さ く,被測定物の用途によっては画像計測が十分可能で ある.そこで実際にCCDカメラによるロータリーエ ンコーダを開発するために,画像計測による回転角の 出力を,レーザエンコーダと同じくパルス信号に変換 する方法を考察した.レーザエンコーダはパルス信号 の数により角度を測定している.これに対して画像計 測では対象物の移動距離などから計算することによ り,直接角度を測定している.よって画像計測の出力 をパルス信号にするには,レーザエンコーダとは逆に 一旦角度を求めて,その角度からパルス信号を出力し なければならない.しかしこのように角度をパルス信 号に変換してから出力すると処理速度が4点法で約 4.5Hz,2点法でも約15 Hzと,共に回転角測定の処 理速度に比べて遅くなってしまい,回転角を出力する 方法では測定可能だった回転速度でも,パルスを出力 する方法では処理速度が回転運動よりも遅くなってし 画像処理 ノxe¥コン

①V==「L

④7Evvvvwvvw

図13 PLL回路による分解能向上

(7)

まうことがある.  以上のことから本研究では画像計測で回転角が10度 つつ増える毎にパルスを出力するようにした.しかし 測定値が10度毎では実際の回転角の測定には使用でき ない.そこでこの画像計測により出力されたパルス信 号を,周波数てい倍により見かけ上の分解能を向上さ せ,小さな角度でも測定可能にさせる方法について提 案する.分解能向上の仕組みを図13により説明する. この図に示すように画像処理によってコンピュータか ら10度毎にパルス信号を出力するとする.このパルス 信号をフリップフロップにより矩形波に変換し,さら にバンドパスフィルタにより正弦波に変換し,PLL回 路を通すことにより,例えばN=10とした場合には, 10倍の周波数の正弦波となって出力される.これをコ ンパレータにより再び矩形波に変換すれば,PLL回路 を通すことにより,10度毎のパルス信号を1度毎の矩 形波信号として得ることになる.この信号を調べるこ とによって画像処理系では10度毎でしか測定できな かった角度を,1度単位で測定することが可能となり, より精密な角度の検出に応用できると考える. 参考文献 1)尾崎弘,谷口慶治:画像処理,共立出版(1988). 2)斉藤恒雄:画像処理アルゴリズム,近代科学者  (1992). 3)奥村晴彦:C言語によるアルゴリズム辞典,pp.  260∼pp.265,技術評論社(1991). 4)南敏:画像符号化を展望する,電子情報学会誌,  71, 7, pp.658 (1988). 5)長谷川伸:画像工学,コロナ社(1991).

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