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自閉症スペクトラム幼児の「母親支援プログラム」の開発と効果

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(1)

自閉症スペクトラム幼児の「母親支援プログラム」

の開発と効果

著者

水内 豊和

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

11301甲第18367号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00124258

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平 成 3 0 年 度

自閉症スペクトラム幼児の

「母親支援プログラム」の開発と効果

東北大学大学院教育情報学教育部

水 内 豊 和

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目次

第1 章 序論 ... 1 Ⅰ.問題の所在と本研究の目的 ... 1 Ⅱ.本研究の構成 ... 6 Ⅲ.各章の対応論文 ... 10 第2 章 ASD 幼児を持つ保護者支援の方法としてのペアレント・トレーニングの動向と課 題... 12 Ⅰ.緒言... 12 Ⅱ.ペアレント・トレーニングとは何か ... 14 Ⅲ.ペアレント・トレーニングの対象者 ... 16 Ⅳ.ペアレント・トレーニングのプログラムの概要 ... 20 Ⅴ.ペアレント・トレーニングの評価方法と有効性の検討 ... 36 Ⅳ.その他 ... 44 Ⅶ.小括... 46 第3 章 ASD 幼児を持つ保護者の支援ニーズとソーシャルサポートの利活用についての意 識と実態に関する研究 ... 49 Ⅰ.緒言... 49 Ⅱ.方法... 51 1.調査対象および調査時期 ... 51 2.調査内容 ... 54 Ⅲ.結果... 55 1.母親の年齢によるソーシャルサポートの有効性 ... 55 2.子どもの年齢によるソーシャルサポートの有効性 ... 58 3.障害の種類別によるソーシャルサポートの有効性 ... 61

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Ⅳ.小括... 64 第4 章 ASD 幼児の母親を対象とした「母親支援プログラム」の開発 ... 65 Ⅰ.プログラムの開発の背景 ... 65 Ⅱ.プログラムの内容 ... 68 Ⅲ.プログラムの効果の評価 ... 76 第5 章 検討 1:ASD 幼児の母親を対象としたストレスコーピングの違いによる「母親支 援プログラム」の効果 ... 79 Ⅰ.目的... 79 Ⅱ.方法... 81 1.対象 ... 81 2.対象者のストレスコーピング ... 83 3.プログラム ... 83 4.効果の評価 ... 86 5.倫理的配慮 ... 87 Ⅲ.結果と考察 ... 88 1.育児不安の変化 ... 88 2.家族の対応自信度の変化 ... 94 Ⅳ.事例検討 ... 96 1.D 氏ならびに D 氏の子どもの特徴 ... 96 2.各回のプログラムならびに心理評定の結果から ... 98 Ⅴ.小括... 100 第6 章 検討 2:ASD 幼児の母親を対象としたストレスの内容の違いによる「母親支援プ ログラム」の効果 ... 102 Ⅰ.目的... 102 Ⅱ.方法... 104

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1. 対象 ... 104 2. 対象者のストレスの内容 ... 106 3.プログラム ... 107 4.効果の評価 ... 109 5.倫理的配慮 ... 110 Ⅲ.結果と考察 ... 111 1.養育ストレスについて ... 111 2.育児不安の変化 ... 113 3.家族の対応自信度の変化 ... 116 Ⅳ.事例検討 ... 117 1.D 氏ならびに D 氏の子どもの特徴 ... 117 2.各回のプログラムならびに心理評定の結果から ... 117 Ⅴ.小括... 121 第7 章 検討 3:ASD 幼児の母親を対象としたアイデンティティの違いによる「母親支援 プログラム」の効果 ... 123 Ⅰ.目的... 123 Ⅱ.方法... 125 1.対象 ... 125 2.対象者のアイデンティティ ... 127 3.プログラム ... 129 4.効果の評価 ... 131 5.倫理的配慮 ... 134 Ⅲ.結果と考察 ... 135 1.プログラムによる母親の変容 ... 137 2.プログラムによる子どもの変容... 138 Ⅳ.事例検討 ... 140

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1.B 氏ならびに B 氏の子どもの特徴 ... 140 2.各回のプログラムの状況から ... 142 3.心理評定の結果から ... 145 4.アイデンティティの様態から ... 146 Ⅴ.小括... 147 第8 章 総合考察 ... 152 Ⅰ.母親支援プログラムの妥当性と有効性 ... 152 1.「個としての自分」支援について ... 152 2.保育所・通園施設で実施するプログラムについて ... 153 3.集団で実施するプログラムについて ... 154 Ⅱ.ASD 幼児の家族支援における本プログラムの意義 ... 156 第9 章 今後の課題 ... 158 謝辞 ... 161 引用文献 ... 163

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第 1 章 序 論 Ⅰ . 問 題 の 所 在 と 本 研 究 の 目 的 2005 年の 発達 障 害者 支援 法 の施 行 、2014 年 の障 害者 の 権利 に関 す る条 約 へ の批 准、2016 年の 障 害者 差別 解 消法 の施 行 と、国 や 自治 体 にお ける 発 達障 害の ある 子ど も の早 期発 見 と発 達 支援 を行 う こと の責 務が 明 確に され た 。 この よう な 動向 の中 、 自治 体 レベ ルで も 、1 歳 6 ヶ 月 児健 診 、3 歳 児 健診 の よう な早 期 発見 の機 会 にお け るシ ステ ム の内 容を 見直 し たり 、 5 歳 児健 診 を導 入し たり す るな ど 、妊 娠か ら 出産 、そ し て早 期療 育へ と 体系 的 な支 援の 方 策を 実施 する 試 みが 増 加し てい る が、 まだ 試 行錯 誤の 段階 で ある 自 治体 も少 な くな い。 その 要 因の ひ とつ は、 ス クリ ーニ ン グ後 の発 達に 気 がか り のあ る子 ど もと その 保護 者 を地 域 で包 括的 に 支援 する あ り方 が十 分に 検 討さ れ てい ない こ とに ある 。 早期 発見 が なさ れて も 、ほ と んど の自 治 体で はす ぐに 早 期療 育が 開 始さ れ る わけ では な く、 そ の間 保護 者 の気 持ち は 障害 の否 定と 肯 定と の 間を 揺れ 動 き、 不安 を抱 え なが ら 日々 を過 ご すこ とに な る。 一方 で、 診 断が 確 定し て障 害 告知 を受 けれ ば 、強 い ショ ック を 受け て新 た な不 安を 抱え る 。保 護 者は 、子 ど もの 発達 への 気 がか り から 告知 後 まで が最 も 辛く 、精 神的 な 不安 定 さを 抱え て いる (永 井・林 ,2004)。つ まり 保 護者 、とり わ け母 親へ の 支援 のあ り 方が 、子ど もと 家族 の QOL に 大 きな 影響 を 与え てい る とい えよ う 。 一方 、子 ど もの 障害 の 有無 に 関係 なく 、 母親 を取 り巻 く 夫や 家族 は 、意 識 的 ある いは 無 意識 的 に、 母親 は 子ど もへ 無 償の 愛情 を注 ぐ もの だ とい う「 伝 統的 母親 像」 の イメ ー ジの 中で 接 して おり 、 母親 が子 育て に 不安 を 感じ たり 、 疲労 した り、否定 的 な言 動を 発 した りす る こと は 許容 され に くい 状況 に ある(丸 山, 2011)。一 人の 女 性が 妊娠 、出産 を機 に 、母 親と いう 社 会的 存在 に 位置 づ けら れて しま う が、 し かし 母親 は 母親 であ る 前に 一人 の女 性 とし て 、こ れま で の人

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生に おけ る 他者 との 関 係性 、生活 習慣 、価値 観 等が ある は ずで ある 。丸山(2011) は、母親 にな っ た女 性が 、病 院 や保 健所 な どど こに 行っ て も一 人の 人 間と し て、 女性 とし て 話を 聞 いて くれ る とこ ろが な く、 いつ も母 親 とし て の立 場で 対 応さ れる とい う こと を 懸念 し、 「 一人 の人 間 /女 性」 を「 子 育て 」 とい う観 点 から 接す るの で はな く、「そ の 女性 の 生き 方」の 中に「子 育 て」を位 置づ け るこ と 、 女性 のラ イ フサ イ クル にお け るア イデ ン ティ ティ の成 長 を支 え る子 育て 支 援の 必要 性を 示 唆し てい る。ま た、柏木・若 松( 1994)は 育 児期 の女 性 が自 分の 視 野や 行動 が 制限 さ れて いる と いう 制約 感 を感 じ、 子ど も を持 つ とい うこ と が、 個人 とし て の生 き 方を 求め る こと との 間 に葛 藤を 引き 起 こし て いる と述 べ てい る。 岡本(2002)は 、現代 女性 の ライ フコ ー ス を 1 本の 木 に見 立 てた「ラ イ フサ イク ルの 木 」を 示 して いる 。 この ライ フ サイ クル の木 に 従え ば 、学 校を 卒 業す るま では 、 あま り 男女 の相 違 はみ られ な いが 、女 性の 場 合、 ひ とた び青 年 期、 成人 初期 に 達し 、就 職 ・結 婚 ・出 産期 を 迎え ると 、Fig. 1-1 の よう に多 く の枝 に分 かれ て いく 。 そし て、 ど のラ イフ コ ース を選 択し た にせ よ 、そ の道 ゆ きの 中に は、 自 分の 生 き方 、あ り 方に 直接 的 に問 いを 投げ か ける ス トレ スや 危 機が 存在 して い る。 そ して 出産 の 結果 、子 ど もに 何か しら 障 害が あ った 場合 、 その 養育 にか か るス ト レス は、 定 型発 達の 子 ども の母 親と 比 して 高 いこ とは こ れま で多 くの 研 究に より 明 らか に され てい る(新 美・植 村,1980;眞 野・宇 野 ,2007 など )。 し たが っ て、 障害 の ある 子ど も の母 親の 心理 的 危機 や スト レス へ の対 応の 重要 性 は言 うま で もな い 。 しか し 、専 門 家は 、支援 の 対象 を「障 害 のあ る子 ども を 持つ 母親 」と 同定 し 、 養育 スト レ スの 根 源で ある 子 ども の発 達 の困 難へ の対 応 をサ ポ ート する だ けで 良い のだ ろ うか 。岡本( 1996)は 、多く の 女 性が 、出産・育 児期 にあ た りア イ デン ティ テ ィ葛 藤 の時 期に あ るこ と、 結 婚ま でに 形成 し てき た 個と して の アイ デン ティ テ ィと 、 新た に母 親 にな るこ と によ って 獲得 さ れる べ き母 親ア イ デン ティ ティ が 、葛 藤 を引 き起 こ すこ とを 指 摘し てい る。 つ まり 、 現代 の女 性 にと って 、「 個 人と し ての 自己 」 と「 母親 と して の自 己」 と の葛 藤 をど のよ う に経 験し 統合 す るか が 、母 親役 割 を獲 得し て いく 過程 にお い て重 要 であ り、 母 親の

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育児 に対 す る態 度 にも 影響 を 及ぼ し、 そ の母 親が 抱え る 育児 困 難に も関 わ って いる こと が 示唆 され て いる(豊 田・岡 本,2006)。し たが っ て育 児期 の 女性 を 支援 する に は「 子 育て 」と い う観 点か ら のみ アプ ロー チ する の では なく 、 一人 の女 性が 「 個人 と して の自 己 」と 「母 親 とし ての 自己 」 を統 合 しよ うと 葛 藤し てい る過 程 を支 える よ うな 精 神的 支援 も 求め られ よう 。 発達 障害 の ある 子ど も を持 つ 保護 者に 対 する 支援 の中 で も、 近年 「 ペア レ ン ト・ トレ ー ニン グ 」は 「親 は 子の 最良 の 教育 者」 とし て 養育 技 術を 習得 さ せる もの とし て 、こ れ まで にわ が 国で も多 数 実践 がな され 、 その 有 効性 が報 告 され てい る( 水内・阿 部・小暮 ,2007)。ま た よ り最 近で は、応 用行 動分 析 など 行 動 分 析 学 の 基 本 に 則 っ て 行 動 の 仕 方 を 把 握 し 取 り 組 み を 進 め て い く ペ ア レ ン ト・ トレ ー ニン グ は、 実施 者 に専 門性 が ある 程度 必要 で 実施 す るの は容 易 では ない とい う 観点 か ら、 ペア レ ント ・ト レ ーニ ング の前 段 階の 内 容を 習得 す ると いう 観点 の もと 、 簡易 版と も いう べき 「 ペア レン ト・ プ ログ ラ ム」 とい う 名称 にて 、支 援 現場 へ の普 及用 プ ログ ラム の 開発 ・実 施が な され て いる 。こ れ は、 基本 的に は ①「 行 動で 考え る 」、 ②( 叱 って 対応 する の では な く、 適応 行 動が でき たこ と を) 誉 めて 対応 す る、 ③孤 立 して いる 母親 に 仲間 を 見つ ける 、 とい う 3 つの コ ンポ ー ネン トか ら なり 、実 施 がペ アレ ント・トレ ーニ ン グよ り も容 易で あり 、 また 母 親の 抑う つ 傾向 や養 育 態度 にプ ラス の 変容 が ある こと が 報告 され てい る (辻 井・ 望 月・ 高 柳,2013) 。 しか し従 来 のペ アレ ン ト・ ト レー ニン グ やペ アレ ント ・ プロ グラ ム の実 践 報 告や 研究 成 果か ら は、 子ど も の障 害や 年 齢、 問題 行動 の 様相 に は配 慮さ れ てい るも のの 、 そも そ も母 親自 身 の特 性に 十 分に 配慮 した も のと な って おら ず 、ま た母 親自 身 が抱 え てい るス ト レス や不 安 の軽 減を 直接 的 な目 標 にし たプ ロ グラ ムで はな い 。ま た 、ペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グも ペア レ ント ・ プロ グラ ム も対 象を「 母親 」(A 子 ちゃ ん ママ )と の みと ら え、そ の「 子 ども 」(A 子 ちゃ ん) と向 き合 う ため の 養育 技術 の 習得 のみ を 目的 とし てい る が、 そ もそ もそ の 前段 階で ある 、「X さ ん」( 以下 母 親と 区別 して X さん とす る)とい う 一人 の女 性 への 精神 的 支援 のア プ ロー チ も必 要で は ない かと 考え る 。

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水内・島 田・成 田( 2016)や 島田・水 内(2016)は、発 達障 害の あ る子 ど も の母 親で あ ると い うだ けで 支 援が 画一 的 に決 めら れる の では な く、 家族 状 況、 スト レス 、 育児 不 安、 スト レ ス対 処力 ( スト レス コー ピ ング ) 、性 格な ど を考 慮す るこ と が必 要 と述 べて い る。 そし て 従来 のペ アレ ン ト・ ト レー ニン グ に加 えて 「X さ ん支 援 」の 側面 も 盛り 込ん だ 「母 親支 援プ ロ グラ ム( 旧 名称 : 個― 母親 統合 子 育て プ ログ ラム 、 母親 志向 型 ペア レン ト・ プ ログ ラ ム) 」を 開 発し その 効果 を 検証 し てい る。 そ の結 果、 性 格検 査、 スト レ スコ ー ピン グ検 査 、動 機付 けチ ェ ック リ スト とい っ た一 人の 女 性と して の特 性 を客 観 的に 把握 し 、そ れに つい て アド バ イス を受 け るこ とで 個 とし ての 自己 の 再確 立 を促 すプ ロ グラ ム内 容が 、 X さ ん 支援 にと っ て効 果的 で あっ ただ けで な く、 母親 と して の 育児 不安 やス ト レス の 軽減 にも 有 効で あっ た こと を明 らか に して い る。 また 、 その 上で 女性 の スト レス の 根源 が A 子 ちゃ ん から なの か、A 子ち ゃ んマ マと し ての 社会 的立 場 から なの か 、X さ んと して の 社会 的立 場か ら なの かを 勘 案し て 支援 を行 う必 要 性を 示 唆し てい る 。こ のよ う に、 発達 障害 の ある 子 ども の家 族 支援 にお いて は 、保 護 者、 特に 母 親の 個人 的 特性 を考 慮し た 「て い ねい な支 援 」が 求め られ る であ ろう 。 自閉 症ス ペ クト ラム 幼 児の 母 親に 限ら ず 、子 ども にと っ て必 要な の は「 て い ねい な子 育 て 」で ある( 渡 部,2004)。こ れ は 、母 親が 訓 練や 療育 の こと で頭 がい っぱ い な状 況 に追 い込 ま れて しま う ので はな く、 「 肩の 力 が抜 けて こ ころ に余 裕が あ る状 態 での 子育 て 」で ある が 、そ のた めに 専 門家 が すべ きこ と は、 まさ しく 母 親に 対す る 、特 性 を考 慮し た 「て いね いな 支 援」 であ る と考 え る。 以上 のこ と から 本研 究 では 、最終 的に は 、岡 本( 1996)の女 性 のア イデ ン テ ィテ ィの 様 態の 定 義に 従い 、 「個 とし て の自 分」 と「 母 親と し ての 自分 」 の確 立度 の視 点 から 、 育児 期の 女 性の アイ デ ンテ ィテ ィの 様 態の 違 いに よる 育 児不 安や スト レ スの 特 徴を 検討 す る。 そし て 子ど もの 発達 へ の気 が かり から 診 断が 確定 し障 害 告知 を 受け た母 親 を対 象と し た子 育て プロ グ ラム で ある 「母 親 支援 プロ グラ ム 」を 開発 し、女 性自 身 の「 個と し ての 自分 」と「 母親 とし て の自 分 」 の葛 藤か ら 統合 ま での 過程 に 寄与 する 、 より 効果 的な 家 族支 援 のあ り方 に つい て、 実践 と 効果 検証 か ら実 証 的に 検討 す るこ とを 目的 と する 。

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Fig.1-1 現 代女 性 のラ イフ サ イク ルの 木 (岡 本, 2002 より 引 用)

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Ⅱ . 本 研 究 の 構 成 子ど もの 発 達へ の気 が かり か ら診 断が 確 定し 障害 告知 を 受け た母 親 を対 象 と した 子育 て プロ グラ ム であ る「 母親 支援 プ ロ グラ ム 」を 開 発し 、女性 自 身の「 個 とし ての 自 分」と「母 親 とし ての 自 分」の 葛藤 から 統合 ま での 過程 に 寄与 す る、 より 効果 的 な家 族 支援 のあ り 方に つい て 、実 践と 効果 検 証か ら 実証 的に 検 討す るこ とを 目 的と する 。 本研 究の 構 成は 、以 下 の通 り であ る。 また Fig. 1-2 に構 成 を図 示す る 。 第 1 章 :序 論 第1 章は 序 論で ある 。 問題 の 所在 と本 研 究の 目的 につ い て、 先行 研 究に 基 づ いて 述べ る 。 第 2 章:ASD 幼 児を 持 つ保 護者 支 援の 方法 とし ての ペ アレ ント・ト レー ニン グ の動 向と 課 題 第 2 章で は まず 、本 プ ログ ラ ムを 構成 す る内 容の 2 つ の 柱の 一 つで ある ペ ア レン ト・ ト レー ニ ング の部 分 につ いて 、 どの よう な指 導 内容 や 方法 が必 要 条件 とし て重 要 かに つい て のエ ビ デン スを 確 認す るた め、 先 行研 究を 概 観す る 。 第3 章:ASD 幼 児 を持 つ保 護 者の 支援 ニ ーズ とソ ーシ ャ ルサ ポー ト の利 活 用に つい ての 意 識と 実態 に 関す る 研究 第 3 章で は 、本 プ ログ ラム を 構成 する 上 での もう 一つ の 柱と なる 、一人 の 女 性と して の 側面 に 着目 した 支 援が 必要 で ある こと の根 拠 を示 す ため 、調 査 研究 を行 う 。こ こ では ASD 幼 児を 持つ 保 護者 、特 に母 親が 、健 常児 や ダウ ン症 な ど

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の他 の障 害 のあ る 幼児 を持 つ 保護 者に 比 して 育児 スト レ スが 高 くま たソ ー シャ ルサ ポー ト の活 用 も十 分で は ない 実態 を 明ら かに する 。 そし て 母親 の心 理 的危 機と 要支 援 度の 高さ を 浮き 彫 りに する 。 第4 章:ASD 幼児 の母 親 を対 象 とし た「 母 親支 援プ ロ グラ ム」 の 開発 これ ら第 2 章と 第 3 章 での 知 見を 踏ま え 、第 4 章で は 新た に 開発 した「 母親 支援 プロ グ ラム 」 につ いて 、 その 理論 的 背景 や具 体的 な 内容 、 効果 の評 価 のあ り方 など に つい て具 体 的に 概 説す る。 第5 章:検討 1:ASD 幼児 の 母親 を対 象 とし たス トレ ス コー ピン グ の違 い によ る「 母親 支 援プ ログ ラ ム」 の 効果 第6 章:検討 2:ASD 幼 児 の母 親を 対 象と し たス トレ ス の内 容の 違 いに よ る「 母 親支 援プ ロ グラ ム」 の 効果 第7 章:検討 3:ASD 幼児 の 母親 を対 象 とし たア イデ ン ティ ティ の 違い に よる 「母 親支 援 プロ グラ ム 」の 効 果 第 5 章か ら第 7 章 にお いて 、子ど もの 発 達へ の気 がか り から 診断 が 確定 し 障 害告 知を 受 けた 母 親を 対象 と した 集団 式 の子 育て プロ グ ラム で ある 「母 親 支援 プロ グラ ム 」を 用 い、 育児 ス トレ スや ス トレ スコ ーピ ン グ、 そ して 女性 自 身の 「個 とし て の自 分 」と 「母 親 とし ての 自 分」 の葛 藤か ら 統合 ま での アイ デ ンテ ィテ ィ変 容 過程 に 着目 して 、 どの よう な 効果 があ るの か につ い て実 践を 行 う。 そし て、 本 プロ グ ラム の内 容 が従 来の 「 母親 とし ての 自 分」 支 援内 容( ペ アレ ント ・ト レ ーニ ン グの 内容 ) だけ でな く 、「 個と して の 自分 」 支援 内容 を 重視 した もの で ある こ とで 、育 児 スト レス の 軽減 、ス トレ ス コー ピ ング の向 上 、そ して 女性 の アイ デ ンテ ィテ ィ の再 確立 に おい て必 要か つ 有効 で ある こと を 実証 的に 示す 。

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第8 章: 総 合考 察 これ らの 研 究成 果を 踏 まえ 、第 8 章で は 、こ の子 育て プ ログ ラム 実 践の 有 効 性の 検証 を 通し て 、ASD 幼児 を 持つ 母 親に 対 する 、効 果的 な支 援 のあ り方 に つ いて 考察 す る。 第9 章: 今 後の 課題 第 9 章 で は、 本 研究 の限 界 と、 残さ れ た課 題に つい て 整理 する 。

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648

532

9 32

9 32

9 32

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1

Fig.1-2 本 論文 の 構成

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Ⅲ . 各 章 の 対 応 論 文 各章 にお け る対 応論 文 は、 以 下の 通り で ある 。各 章は 下 記の 論文 を もと に 加 筆、 再構 成 した もの で ある 。 第1 章、 第 4章 、第 8 章、 第 9章 該当 論文 な し 書き 下 ろし 第 2 章 水内 豊和・阿部 美穂 子・小 暮 陽介(2007)障 害児 の保 護 者に 対す る ペア レ ント・ トレ ーニ ン グの 動向 . とや ま 特別 支援 学 年報 ,1,49-66. 第3 章 水内 豊和・島 田 明子・佐 藤克 美・小嶋 秀 樹・渡部 信一(2018)知 的・発達 障害 児を もつ 母 親に おけ る ソー シ ャル サポ ー トと しての SNS の 有効 性( 1) ― 他の ソー シャ ル サポ ート 源 との 比 較か ら― . とや ま発 達福 祉 学年 報, 9, 15-20. 第 5 章 水内 豊和・島田 明子・成田 泉( 2016)自 閉ス ペク トラ ム 症幼 児の 母 親を 対 象と した スト レ スコ ー ピン グの 違 いに よる ペ アレ ント ・プ ロ グラ ム の効 果. 富 山大 学人 間発 達 科学 部附 属 人間 発 達科 学研 究 実践 総合 セン タ ー紀 要, 11,81-86. 第6 章 水内 豊和・成田 泉・島 田明 子( 2017)自 閉ス ペク トラ ム 症幼 児の 母 親を 対 象と

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し た ス ト レ ス の 内 容 の 違 い に よ る 子 育 て プ ロ グ ラ ム の 効 果 . 日 本 LD 学 会 編 LD 研 究, 26( 3) ,348-356. 第7 章 水内 豊和・島 田 明子・成 田泉・大 井 ひか る( 2018)自 閉 スペ クト ラ ム症 幼児 を もつ 母親 を 対象 と した 子育 て プロ グラ ム の効 果― 育児 期 の女 性 のア イデ ン ティ ティ の実 態 から の分 析 ―.日本 小児 保 健協 会 編 小児 保 健研 究,77(4),364-372. なお 、本研 究の 一 部で ある 上 記「LD 研 究 」誌掲 載論 文 を含 めた 、筆者 ら の取 り組 みが 評 価さ れ 、2018 年 度 一般 社団 法 人 日本 LD 学会 理 事会 にお い て 、奨 励 賞・功 労賞 規程 に 基づ く 審議 の結 果 、一 般 社 団法 人日 本 LD 学会「 実践 奨 励賞 」 受賞 者に 選 出さ れた 。 授賞 式: 2018 年 11 月 23 日( 金 ) 日本 LD 学会 第 27 回大 会会 場 (新 潟 県・ 朱 鷺メ ッセ ) 受賞 者講 演 (30 分) : 2019 年 11 月 8 日 ( 金) ∼10 日( 日 ) 日本 LD 学会 第 28 回大 会会 場 (横 浜 ・パ シ フィ コ横 浜 )

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第 2 章 ASD 幼 児 を 持 つ 保 護 者 支 援 の 方 法 と し て の ペ ア レ ン ト ・ ト レ ー ニ ン グ の 動 向 と 課 題 Ⅰ . 緒 言 発達 障害 の ある 子ど も は、 外 見上 から 障 害が ある こと が わか りに く いた め 、 発見 が遅 れ るこ と も少 なく な い。 また 、 一番 身近 にい る 家族 を 含め 、周 囲 がど のよ うに 彼 らを 理解 し 、か か わっ て いけ ばよ いの かが 難 しい 。学習 面 、行 動面 、 社会 性の 面 など で 、さ まざ ま なつ まず き を抱 えて いる が 、彼 ら は決 して 努 力し てい ない 子 ども で もな いし 、 保護 者の し つけ が悪 いわ け でも な い。 した が って こう した 子 ども へ の支 援に お いて 、家 庭 と保 育所 や幼 稚 園、 学 校と の連 携 が必 要な こと は もは や 言う まで も ない こと で はあ るが 、子 ど もを 「 養育 」す る 保護 者に 、子 ど もへ の 適切 な支 援 のあ り方 を 提供 する とい う 視点 は 、発 達障 害 児の 示す 問題 行 動を 減 らし 、家 庭 でも 学校 で も子 ども が生 活 しや す くす るた め にも 必要 なこ と であ る。 アメ リカ 合 衆国 では 、障 害 のあ る子 ど もが い れば 、そ の子 ど もだ けで は なく 、 家族 をも 含 めた 支 援が 必要 で ある とい う 考え 方の もと 、 法に 基 づい た支 援 が開 始さ れる 。こ れを 家 族中 心の ア プロ ー チ(family centered approach)と い い、 その 目標 は 子ど もを 含 めた 家 族を エン パ ワメ ント(empowerment)する こ とに ある 。そ の背 景に は 、DV、虐 待 、離 婚 など 、子ど もの 育 つ基 盤で あ る家 庭 その も の が ハ イ リ ス ク で 脆 弱 な ケ ー ス が 多 い と い う 社 会 的 背 景 が あ る 。 IEP (Individualized Education Program: 個別 の教 育計 画 )が 3 歳以 上の 障 害の ある 子ど も すべ て に作 成さ れ 、教 師を 含 めた さま ざま な 専門 家 によ る無 償 で適 切な 教育 が 受け ら れる こと は 、わ が国 で も特 別支 援教 育 への 転 換期 にお い てア メリ カ合 衆 国の 取 り組 みが 紹 介さ れた こ とで よく 知ら れ てい る が( 詳し く は曽 根,2005 など を 参照 )、同 様に 、3 歳 以 前の 子ど もに 対 して は、子 ども と その 家 族 に 対 し て ど の よ う な 支 援 を 行 う の か を ま と め た IFSP ( Individualized

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Family Service Plan:個別 の 家族 支援 計 画)が作 成さ れ 、そ れに 基 づい た 適切 な支 援が な され てい る( 詳し くは 星 山・神 山・星山 ,2005 を 参 照 )。こ のこ と は、 障害 の ある 子 ども だけ で はな く、 そ の家 族を も包 括 的に 支 援す るこ と の重 要性 を示 唆 する もの で ある 。 こう した 家 族中 心の ア プロ ー チの 中で も、と りわ け今 日、わ が国 に導 入 され 、 その 有効 性 が期 待 され てい る もの のひ と つに 、「 ペア レ ント ・ トレ ーニ ン グ」 があ る。こ れは 、文 字 通り 、「 保護 者( parents)を 子 ども の最 良 の養 育者 に 訓 練(training)す る 」こと であ り 、同義 語 とし て「親 訓練 」、「 親 トレ ーニ ン グ」 など と訳 さ れ用 いら れ ても い る 。ペ アレ ン ト・トレ ーニ ン グは 、1960 年 代に ア メリ カ合 衆 国を 中 心に 始ま っ た。 しか し 、ペ アレ ント ・ トレ ー ニン グは 親 にと って 負担 増 なの か それ とも メ リッ トな の かと いう 論争 を 経て 、 今日 では 、 保護 者に も子 ど もに とっ て も有 効 であ ると い う研 究成 果が 示 され てき て いる 。な お、 海外 にお け るペ ア レン ト・ ト レー ニン グ の研 究と 実践 動 向、 成 果に つい て は免 田・伊 藤・大 隈・中 野・陣 内・温 泉・福 田(1995)に詳 しい の で参 照さ れ たい 。 本章 では 、 家族 支援 の 方法 論 の一 つで あ るペ アレ ント ・ トレ ーニ ン グに 着 目 し、 これ ま でに 行 われ てき た ペア レン ト ・ト レー ニン グ につ い て、 対象 と なる 保護 者や 子 ども の特 性、プ ログ ラム の 目的 や 方法 、そ して 有 効性 など に つい て、 国内 の論 文 から 概 観す る。 な お、 分析 対 象と した 文献 は 、国 立 国会 図書 館 のホ ーム ペー ジ にあ る「蔵 書 検索・申込 シス テ ム(NDL-OPAC)」の「雑 誌 記事 索 引の 検索 」 にお い て、 「ペ ア レン ト・ ト レー ニン グ」 、 「親 訓 練」 、「 親 トレ ーニ ング 」 の検 索 語で ヒッ ト した 文献 に 加え て、 関係 す る出 版 物な どか ら 収集 した 。対 象 とし た 時期 は、 特 別支 援教 育 の開 始に 伴い ペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グに つい て 障害 児 の療 育や 教 育、 心理 相 談な どに 携わ る 支援 者 たち にも 一 般的 に認 知し 始 める まで の 2007 年 ま でを 中心 と した 。

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Ⅱ . ペ ア レ ン ト ・ ト レ ー ニ ン グ と は 何 か 1. ペア レン ト ・ト レー ニ ング の定 義 先述 した と おり 、ペ ア レン ト ・ト レー ニ ング とし て特 に 近年 わが 国 にお い て 注目 され 、取 り入 れ られ て いる もの は、ADHD 児 の保 護者 に 対す るペ ア レン ト・ トレ ーニ ン グで あ ろう 。こ れ には 、ア メ リカ 合衆 国に あ るカ リ フォ ルニ ア 大学 ロサ ン ゼル ス校 ( UCLA)神 経 精神 医 学研 究 所ス タ ッフ であ る Whitham が 著 した もの の 邦訳( 上林・中田・藤 井・井 澗・北 ,2002;上林・藤 井・門 脇 ,2003)、 なら びに そ れら に 準拠 しな が ら、 とり わ けわ が国 にお い てペ ア レン ト・ ト レー ニン グを 実 践す る ため の具 体 的な ガイ ド ライ ンと して 刊 行さ れ た著 作( 岩 坂・ 中田・井 澗,2004)が、わが 国で の ペア レン ト・トレ ーニ ン グ導 入と 実 践に 大 きく 寄与 し てい る。 この ペア レ ント・ト レー ニ ング は、どの よ うに 定義 され て いる ので あ ろう か 。 大隈・免 田・伊 藤( 2001)に よる と、ペ アレ ント・ト レ ーニ ング と は、「 親が 自分 の子 ど もに 対 する 最良 の 治療 者に な れる とい う考 え に基 づ き、 親を 対 象に 子ど もの 養 育技 術 を習 得さ せ るト レー ニ ング 」で あり 、 さら に 具体 的に 言 うな らば、「 ADHD を 持 つ子 ども の 行動 特徴 を 理 解し、行 動療 法に 基 づく 一貫 し た 対応 を繰 り 返し て いく こと に よっ て、 適 応行 動を 増や し 、不 適 応行 動を 減 らし てい くテ ク ニッ ク を習 得す る ため の親 へ の行 動」 であ る とい う 。こ のよ う に、 ほと んど の 論文 に おい てペ ア レン ト・ ト レー ニン グは 、 「親 を 共同 治療 者 にす るた めに 親 を訓 練 する こと 」 、「 親子 関 係を 良好 にす る こと に より 、子 ど もの 問題 行動 を 減ら す こと 」、 「 その ため の 具体 的テ クニ ッ クを 訓 練す るこ と 」と いう のが 共 通的 な 理解 のよ う であ る。 た だし 、論 者に よ って は 、「 子ど も の治 療効 果を 維 持し 親 に自 信を 持 って もら う ため に、 親に 治 療技 術 を習 得し て もら うこ と」(免 田・伊藤 ら,1995)と親 の 育児 に対 する 自 信回 復と 維 持の 視 点も 重視 され て いた り 、子 ども の 問題 行動 を 減ら すこ とだ け でな く 適応 行動 を 増や すと いう こ と( 山上・伊 藤・大隈 ,1991;大 隈・免田・伊 藤,2002,伊藤・大

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隈,2005)、さ ら にそ の具 体 的テ クニ ッ クは 行動 療法 に 拠る とす る 、と い うこ とま で踏 み 込ん で言 及 して い るも のも あ る( 大隈・免 田ら ,2002;大 隈,2006)。 また 、藤 坂・井上(2004)は、ペア レ ント・トレ ーニ ン グを「発 達障 害 児へ の( 標的 課 題に 対 する )早 期 集中 行動 介 入を 行う 」た め に実 施 する もの で ある と し 、 また 、 李 ・ 中 野 (1989) は 「 幼 児 の 言 語 的 ・社 会 的 問 題 行 動 を 改善 し 、 その 般化 を 促進 す る手 段」 と 位置 づけ る など 、子 ども の 発達 を 促進 させ る ため に治 療者 ・ 訓練 者 とし て親 に 対し てペ ア レン ト・ トレ ー ニン グ を行 うこ と を明 確に 位置 づ ける 立場 を とる も のも いく つ かみ られ る。 2. ペア レン ト ・ト レー ニ ング の必 要 性 ADHD 児 の親 に対 す るペ アレ ン ト・トレ ーニ ング は、子ど も への 薬物 療 法と の併 用で 用 いら れて い るこ と も多 いが 、大 隈・伊藤・免 田(2006)は 、特 に ADHD 児に 対し て ペア レン ト・ト レー ニン グ が必 要 な理 由を 以 下の よう に 述べ て いる。 ・薬 物療 法 が有 効 でな い子 ど もや 、薬 物 によ る重 大な 副 作用 が ある 場合 、 ある いは 親の ほ うに 薬物 療 法に 対 する 抵抗 が あり 、薬 物が 使 用で きな い 場合 があ る。 ・ペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グ の併 用に よ り薬 物の 量を 減 少で きる 利 点も あ る。 ・そ のた め にも 、 薬物 以外 の 効果 的な 介 入方 法で ある ペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グが 必要 で ある 。 また 、岩 坂・楠 本・大 西( 2003)は、ペ アレ ント・ト レ ーニ ング は「少 人 数 のグ ルー プ で約 半 年間 かけ て 行う ため 、 参加 でき る人 数 が限 ら れて おり 、 最も 効果 が見 ら れや す いと され る 幼児 期後 期 から 児童 期に ペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グを 受け る 機会 を逸 し てし ま うこ とも 少 なく ない 」と し、早期 介 入の 重要 性 と、 機会 拡大 の 必要 性を 述 べて い る。

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Ⅲ . ペ ア レ ン ト ・ ト レ ー ニ ン グ の 対 象 者 1. ペア レン ト ・ト レー ニ ング を受 け た対 象 者と その 経 緯 (1)対 象者 の 属性 これ まで 報 告さ れて い る論 文 から は、 ペ アレ ント ・ト レ ーニ ング を 受け て い るの は、 ほ とん ど が母 親で あ り、 父親 を 対象 とし たプ ロ グラ ム (亀 井・ 清 水, 1995)、両 親が 参加 し たプ ログ ラ ム(藤 坂・井上 ,2004)は 少な い 。母親 の年 齢は 、そ の ほと んど が 30 代 前半 から 中 盤で あっ た。 記 述が ある も ので 来 談時 当初 の母 親 の最 年少 は 24 歳(李・中 野 ,1989)、最 年長は 42 歳( 免 田・伊 藤 ら ,1995;福田・中藤・本 多・興 津 ,2005)であ った 。な お 、多 く のペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グ では 、参 加 者に 対し て 、毎 回の 参加 と 、各 回 ごと に出 さ れる ホー ムワ ー クに 取 り組 むこ と を義 務付 け てい るが 、そ れ に加 え て、 免田 ・ 伊藤 ら(1995)で は、ペ アレ ント・ト レ ーニ ング 参加 希望 者 に対 して 、母 親 自身 に 知的 障害 や 明ら か な精 神障 害 がな いこ と 、子 ども と同 居 して い るこ とも 条 件と して いる 。ま た、岩 坂・中 田 ら(2004)は 、集団 形式 の ペア レン ト・ト レー ニ ング を募 集 形式 で 行う 場合 、 ①参 加動 機 が高 い、 ②子 ど もの 障 害を 理解 し 診断 を受 け入 れ てい る 、③ 持続 し て参 加で き る、 ④ペ アレ ン ト・ ト レー ニン グ の内 容を 実践 で きる 、 ⑤参 加者 自 身が 精神 的 に安 定し てい る など を 基準 とし て 推奨 して いる 。 (2)対 象者 が ペア レン ト ・ト レー ニ ング を 受け た経 緯 ペア レン ト ・ト レー ニ ング を 受け た経 緯 は、 大き くは 、 専門 機関 が こう し た ペア レン ト ・ト レ ーニ ング を 開催 する こ とを 告知 して 募 集す る ケー スと 、 極度 の育 児ス ト レス を 抱え 養育 困 難状 況を 呈 した 母親 が病 院 など の プラ イマ リ ー・ ケア 機関 か らペ ア レン ト・ ト レー ニン グ 実施 機関 へ紹 介 があ り 開始 する ケ ース とに 分け ら れる 。 ペア レン ト・ト レー ニン グ を実 施す る 機関 か らの 募集 に 応じ たも の とし て は、 たと えば 、保 健 セン ター で の募 集( 福田・中 藤,2000)、児 童 相談 所、病院 な

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どの 関係 機 関で の募 集 と新 聞 紙上 によ る 広告 での 募集( 免 田・伊 藤ら ,1995)、 発達 障害 児 の親 の会 に 向け て 発達 障害 児 への 早期 集中 行 動介 入( EIBI) に 基づ く 家 庭 教育 を 試 み る 親 に 対 する 講 習 会 の 開 催 と し て 募集 ( 藤 坂 ・ 井 上 ,2004) など があ る 。た だ し、 こう し た募 集形 式 をと ると 、応 募 者が 定 員を 超え て しま うこ とも 少 なく なく 、免 田・伊 藤ら(1995)は、参加 でき な かっ た希 望 者は ウ ェイ ティ ン グリ スト に のせ 、 次回 以降 に 対応 する よう に して いる 。 一方 、子 ども の 発達 に関 す る相 談を 病 院や 保 健セ ンタ ー など のプ ラ イマ リ ー・ ケア 機関 に 持ち 込 み、 そこ か らペ アレ ン ト・ トレ ーニ ン グを 受 ける こと を 紹介 さ れ た ケー ス も 少 な く な い 。李 ・ 中 野 (1989)で は 言 語 発達 の 促 進 と 対 人行 動の 改善 を 主訴 とす る 相談 、野 坂・内田(2006)では、ADHD 児 の 問題 行動 、 自閉 症児 の コミ ュ ニケ ーシ ョ ンの 改善 を それ ぞれ 保護 者 が家 庭 でも 取り 組 みた いと いう 相 談を 大 学の 相談 機 関で 受け て ペア レン ト・ ト レー ニ ング が開 始 され てい る 。 また ペ アレ ント・ト レー ニン グ が対 象者 にと っ て緊 急性 を 帯び て いる ケー スと し て、山 上・伊藤 ら( 1991) は、父 親の 母親 に 対す る DV が あり、知 的障 害の 子 ども を 母親 が家 庭 で養 育す る こと が困 難な 状 況を 呈 し入 院に い たっ たケ ース に つい て 、母 親の 育 児能 力向 上 と自 信の 回復 を 目的 に 、漸 次的 に 病院 から 家庭 に 移行 し なが らペ ア レン ト・ ト レー ニン グを 実 施し た 事例 を紹 介 して いる 。 国 立 病 院 機 構 肥 前 精 神 医 療 セ ン タ ー で は 、 病 院 外 来 や 他 の 相 談 機 関 か ら ADHD と 診断 され、ペ アレ ン ト・ト レー ニ ン グの プロ グ ラム を紹 介 され、訓 練 が開 始さ れ てお り( 大 隈・免田 ら ,2001;伊 藤・大隈 ,2005;大隈・伊 藤 ら, 2006)、地域 の 医療・保 健領 域 のリ ソー ス と 、ペ アレ ント・ト レ ーニ ング 実 施 機関 とが 有 機的 に連 携 して い るケ ース も みら れる 。 2. ペア レン ト ・ト レー ニ ング 対象 者 の子 ど もに つい て (1)対 象者 の 子ど もの 生 活年 齢

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ペア レン ト ・ト レー ニ ング 対 象者 の子 ど もの 生活 年齢 ( 以下 CA と する ) は 1 歳 10 ヶ 月( 福 田・ 中藤 ,2000)や 1 歳 11 ヶ月 (藤 坂 ・井 上, 2004) と い った 極低 年 齢段 階か ら 、33 歳 とい う 成人 を 対象 とし た ケー ス( 岩 坂・ 楠 本ら, 2003)まで さ まざ まな 報 告が なさ れ てい る 。し か し、多 くの ケー ス で、3 歳 以 上の 幼児 か ら小 学 校ま での 子 ども が対 象 とな るこ とが 多 く、 グ ルー プの 中 で子 ども の年 齢 に大 きな 幅 があ る ケー スは 岩 坂・楠本 ら(2003)以 外に は 見ら れ な かっ た。 (2)対 象者 の 子ど もの 障 害 対象 とな る 子ど もの 障 害は 、基 本 的には ADHD が多 い( 大隈・免 田 ら,2001; 飯田 ,2002;岩 坂・清水・飯 田・川 端・近池・大西・岸 本 ,2002;藤井 ,2003; 伊藤・大 隈 ,2005;大 隈・伊 藤ら ,2006)。ただ し、小 集団 で行 う 形式 の ペア レン ト・ト レ ーニ ン グの 場合 、必 ずし も対 象 者の 子ど も の障 害が ADHD だ けで 統制 する こ とは 諸般 の 事情 で 実施 上難 し いこ とも 少な く ない 。た と えば 、岩 坂・ 楠本 ら(2003)で は 、18 名 と 20 名の 2 つの グル ープ に 対す るペ ア レン ト・ト レー ニン グ を報 告し て いる が 、ADHD の診 断 があ るの は 前者 は 9 名 、後者 は 14 名で あっ た 。また ADHD は 他の 障害 と 並存 した り 、適 切 な支 援 がな され な いと 二次 障害 を 併発 する こ とも 多 い。岩 坂・清 水 ら(2002)で は 、ペア レン ト・ト レー ニン グ を受 けて い る対 象 者の 子ど も 11 名( 小学 校 2∼4 年 生男 女 、FIQ62 ∼131) 全員 が ADHD の診 断を 受 け、 薬 物 治療 も行 っ てい るが 、 その うち LD と並 存が 5 名、軽度 知的 障 害が 3 名 、反 抗 挑 戦性 障害 が 6 名 、行 為障 害が 1 名 含ま れて い た。 ADHD の みを 主た る 対象 障害 と して いな い 報 告も みら れ る。たと えば 、福 田・ 中藤 (2000) は CA が 1 歳 10 ヶ 月か ら 10 歳 2 ヶ 月( 平 均 5 歳 8 ヶ 月) 、遠 城寺 式乳 幼 児分 析的 発 達検 査 で精 神年 齢( 以 下 MA とす る )の 平均 2 歳 6 ヶ 月 の発 達遅 滞 児を 対象 と して い る 。藤 坂・井 上(2004)は 、CA 1 歳 11 ヶ 月 ∼ 5 歳、発達 指 数( 以下 DQ とす る)38.9∼64.7 の自 閉症 と 知的 障害 の ある 5 名の 子ど もの 保 護者 に 対す るペ ア レン ト・ ト レー ニン グを 行 って い る。 子ど も の障 害が ダウ ン 症に つい て も報 告 があ る( 亀井・清水 ,1995)。さ ま ざま な障 害 の

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ある 子ど も を持 つ 保護 者を 対 象と した ペ アレ ント ・ト レ ーニ ン グと して 免 田・ 伊藤 ら(1995)の 報告 があ る 。CA が 2 歳 3 ヶ月 ∼9 歳 6 ヶ月( 平均 4 歳 7 ヶ 月) の、 重 篤な 身体 障 害を 併 有し てい な い知 的障 害児 を 持つ 保護 者 36 名 を対 象と して い たが 、子 ども の 障害 の 詳細 な内 訳 は、知的 障害 が 27 名、自閉 症が 3 名、ダウ ン 症が 4 名 、多動が 1 名 、コ ルネ リ ア・デ・ラ ンゲ 症 候群が 1 名 であ った 。また 彼 らの DQ は 、津 守・稲 毛 式乳 幼 児精 神発 達 検査 にお いて 19∼110 (平均 53.6)、田 中ビ ネ ー式 知能 検 査で IQ は 14.7∼76 であ った( 平均 46.7、 測定 不能 児 を除 く) 。 長澤 ・ 谷崎 (2005) では 、対 象 者の 子ど も 34 名中 、 自 閉症 が 5 名、 高 機能 広汎 性 発達 障害 が 26 名 とな って お り、 自閉 症 スペ ク トラ ムを 中心 と して いる 。 ADHD 児 およ びそ の 他の 障害 児 に対 する ペ ア レン ト・トレ ーニ ン グが 果た し て有 効な の かと いう 点 につ い ては、V-2 に お いて 詳述 す るが 、こ のよ う に ADHD だけ では な く、ADHD と他 の 障害 が合 併 した り、ADHD の二 次 障害 が併 発 して いる ケー ス、ま た知 的障 害 児や 自閉 症 児に 対 する 取り 組 みも みら れ るこ と から、 個別 形式 の ペア レ ント ・ト レ ーニ ング だ けで なく 、集 団 形式 の ペア レン ト ・ト レー ニン グ にお い ても 、子 ど もの 障害 の 種類 で厳 密に 参 加者 を 統制 しな け れば なら ない わ けで はな い とい う こと が示 唆 され よう 。

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Ⅳ . ペ ア レ ン ト ・ ト レ ー ニ ン グ の プ ロ グ ラ ム の 概 要 1. ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ム の目 的 ペア レン ト・ト レー ニン グ のプ ログ ラ ムの 目 的は 、そ の定 義 とも 関係 す るが 、 主た る目 的 は、 親 がそ れを 学 んで 実践 す るこ とに より 、 実際 に 子ど もの 行 動を 変容 させ る こと に ある 。そ の ため には 子 ども の行 動変 容 を引 き 出す ため の スキ ル自 体の 獲 得だ けで な く、ペア レン ト・ト レー ニン グの 概 念に 関す る 理解 啓 発、 親の 子育 て に対 す る不 安軽 減 と自 信向 上 、親 子関 係の 改 善な ど のよ り細 か い目 的を 含ん だ 総合 的 なプ ログ ラ ムが 組ま れ るこ とと なる 。 医療 機 関で 行う プ ログ ラム の場 合 は、 目 的と して 子 ども に対 す る治 療効 果を 位 置づ け てい る( 免 田・ 伊藤 ら ,1995; 大隈 ・ 免田 ら ,2002;伊 藤 ・大 隈 ,2005) 。大 学 の研 究 室な どで 実施 さ れて い るプ ログ ラ ムの 場合 は 、親 の子 育て に 関す る 学習 とし て 取り 上げ られ 、合わ せて そ の効 果 を検 討す る もの とな って い る( 福田・中藤 ,2000; 藤坂 ・井 上 ,2004;福 田・ 中 藤ら ,2005) 。 2. ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ム の対 象 先述 した よ うに 、報 告 され て いる 研究 で は、 ペア レン ト ・ト レー ニ ング の プ ログ ラム の 対象 は 、夫 婦 で参 加を 可 とし た も の(福 田・中 藤 ら,2005)、父 親 を対 象と し たも の( 亀井・清 水,1995)とい った 一部 を 除き 、ほ とん ど が母 親 であ る。 中 には 、 子ど もが 参 加す る場 合 は、 母親 が毎 回 のセ ッ ショ ンで 自 分の 子ど もに 直 接指 導を 行 いな が らプ ログ ラ ムを 進め るも の(李・中 野 ,1989;山 上・伊 藤ら ,1991;藤 坂・井上 ,2004)、基 本的 には 親 を対 象と し なが ら もプ ログ ラム の 前半 や 中盤 、後 半 等に 適宜 子 ども が参 加す る 機会 を 設け 、そ こ での 親子 の関 わ りを 評価 対 象と す るも の( 福 田・中藤 ,2000;飯 田 ,2002;福 田・ 中藤 ら, 2005) が ある 。

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3. ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ム の対 象人 数 ペア レン ト・ト レー ニン グ のプ ログ ラ ムの 対 象人 数は 1 名( 個別)で 行う も のと 、集 団 で行 う もの があ り 、集 団の 人 数も 数名 から 数 十名 程 度ま でと 多 岐に わた る。 免 田・ 伊藤 ら (1995)は 、4 グル ー プ計 36 名 の 母親 に実 施 した プロ グラ ムを 報 告し てい る が、こ れは 、10 名 のス タッ フが 全 体で の講 義 に併 せ 、対 象者 を 2∼ 3 人 の グル ープ に 分け て対 応 した もの であ る 。こ のよ う に集 団 を対 象と して い ても 、 途中 で少 人 数グ ルー プ での 話し 合い や 個別 面 談を 取り 入 れる プロ グラ ム (福 田・ 中 藤ら ,2005; 伊藤 ・ 大隈 ,2005 な ど) で は、 その 対 象 人数 はグ ル ープ に 分か れた り 個別 に活 動 した りす る際 に 対応 で きる だけ の スタ ッフ がい る かど う かに 左右 さ れる と考 え られ る。 集団 形 式で 行 うペ アレ ン ト・ ト レ ー ニン グ に つ い て 岩 坂 ・中 田 ら (2004) に よ れば 、 妥 当 な 参 加 人 数と は 、 参加 者が 1 回の セ ッシ ョン の 間に 少な く とも 一度 は発 言 する 機会 や ロー ル プレ イす る機 会 があ り、 少 なく とも 3 人 以上 、1 回の セッ シ ョン が 1 時 間 半程 度で あれば 5∼7 人 程度 とい う 。 4. ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ム の指 導者 に つい て 医療 機関 で 行う プロ グ ラム に つい ては 、 心理 療法 士や 医 師を 含む 医 療機 関 内 のス タッ フ が指 導し( 免田・伊 藤 ら,1995;伊藤・大 隈 ,2005)、大学 の 研究 室や 相談 室 など を ベー スに 行 うプ ログ ラ ムに つい ては 大 学教 員 など の専 門 スタ ッフ と学 生 が指 導す る のが 主 であ る( 福 田・中藤 ,2000;藤 坂・井 上,2004; 福田・中 藤ら,2005)。こ のほ かに も、岩坂・楠本 ら( 2003)は 、ペ ア レン ト・ トレ ーニ ン グ家 族 会版 の開 発 と実 践を 目 的に 、過 去に 病 院で ペ アレ ント ・ トレ ーニ ン グを 受 けた こ と のあ る ADHD 児の 保 護者 が 他の 保 護者 に ペ アレ ン ト・ トレ ーニ ン グを 実 施し たい わ ゆる メン タ ーに よる 集団 プ ログ ラ ムの 例を 報 告し てい る。 5. ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ム の実 施回 数 、時 間及 び 頻度

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集団 で行 う プロ グラ ム は、 内 容と 合わ せ て、 その 実施 回 数、 時間 及 び頻 度 も あら かじ め パッ ケー ジ 化さ れ てい るも の が少 なく ない 。藤 坂・井 上(2004)は、 1 回 3 時間 を 7 回 、1 か月 間実 施 して いる 。免田・伊 藤 ら( 1995)、福 田・中 藤(2000)、 福田 ・中 藤ら (2005) は、1 回 2 時間 で週 1 回 のペ ース で 10∼ 11 回 実施 し てい る。 岩 坂・ 清水 ら (2002) は、1 回 1 時 間 30 分 で隔 週で 11 回実 施し て いる 。岩 坂・楠 本ら(2003)が報 告し た保 護 者に よる 家 族会 版 ペア レン ト・ ト レー ニン グ では 、 標準 版と し て半 年間 で 10 回 、短 縮版 と して 2 か 月で 8 回 実 施し て いる。ま た、亀 井・清 水( 1995)は、父 親を 対 象と した ペ ア レン ト・ ト レー ニ ング で、 あ らか じめ 父 親が 参加 しや す いよ う にス ケジ ュ ール 調整 をし て 4 回 実 施し てい る 。 これ に対 し 、個 別に 行 うペ ア レン ト・ ト レー ニン グの プ ログ ラム は 、は じ め から 回数 を 限定 する の では な く、あら か じめ 1 回の 時間 と 週あ たり の 実施 頻 度 だ け を 決 め 、 個 々 の ケ ー ス に 必 要 な 回 数 だ け 継 続 す る 場 合 が 多 い 。 李 ・ 中 野 (1989)のペ ア レン ト・トレ ー ニン グの プ ロ グラ ムで は、発 達障 害幼 児 の母 親 2 名に 対 し、 個 別に 1 回あ た り 1 時 間 ∼1 時 間 30 分、 週 2 回の ペー ス でペ ア レン ト・ト レー ニン グ を実 施 し、中に 毎 回 10 分間 の親 子 指導 実習 を 取り 入 れ、 母親 が完 全 に技 法を 習 得す る まで ほぼ 半 年間 継続 して い る。野坂・内 田( 2006) は、やは り 発達 障害 児 をも つ 母親 2 名 に 対し 個別 で指 導 を行 い、そ れぞ れ、50 分の 面接 を 28 回 、12 回 と 対象 者 に応 じた 回 数で 実施 し てい る。山上・伊 藤ら (1991)は 、病 院 入院 児の 母 親の 家庭 療 育時 にお ける 育 児能 力向 上 と自 信 の回 復を 目指 し たペ アレ ン ト・ト レー ニン グ で、入院 2 か 月 後か ら 2 年 後の 退 院時 まで週 2 回 のペ ー スで計 100 回実 施 して い る。 6. ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ム に用 いる 教 材や 配布 物 等 プロ グラ ム の実 施に あ たっ て は、 テキ ス トを 用い る場 合 が多 い。 免 田・ 伊 藤 ら( 1995)、大 隈・免 田ら( 2001)、大 隈・免 田ら(2002)、伊藤・大隈( 2005) は、毎回 の 内容 が見 開き 2 ペ ージ から な るテ キス トを 準 備し 、中 に 親が 自 由記 述で きる ス ペー スを 設 けて い る。亀井・清 水(1995)では 、父 親 が家 庭で の 療

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育活 動に 参 加す る 際に 用い る 行動 分析 の 知識 を記 した 冊 子を 作 成し て親 訓 練を 実施 して い る。また 藤 井( 2003)も、課 題を まと めた 資 料を テキ ス トと し て使 用し てい る。他 に、講義 で実 物、カ ード 、ス ライ ド、治療 例 VTR な ど視 覚的 な 教材 を用 い て理 解促 進 に努 め たり( 免田・伊 藤ら ,1995;大隈・免田 ら ,2001; 大隈・免 田ら,2002;伊藤・大 隈,2005)、子 ども への 実 際の 関わ り を随 時 VTR 撮影 して 、 親自 身 の対 応を フ ィー ドバ ッ クし たり 、子 ど もの 行 動の 変容 を 確認 した りす る 方法 も用 い られ て いる( 李・中野 ,1989;亀 井・清 水,1995;免 田・ 伊藤 ら ,1995;福 田・中藤 ,2000;大隈・免 田ら ,2001;大隈・免 田ら ,2002; 福田 ・中 藤 ら, 2005; 伊藤 ・ 大隈 ,2005) 。 7. ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ム の内 容 各ペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グ のプ ログ ラ ムは 主催 する 機 関が それ ぞ れに 研 究 開発 して い るが 、 ペア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ログ ラ ム自 体 が行 動療 法 理論 に基 づい て いる の で、 どの プ ログ ラム も 内容 は行 動療 法 の基 本 的な 考え 方 の教 授と スキ ル の練 習 、及 び実 践 をす るた め の宿 題を 含ん で いる 。 以下 に代 表 的な プロ グラ ム の内 容と 特 徴に つ いて 概説 す る。 (1)肥 前方 式 親訓 練プ ロ グラ ム(HPST プ ログ ラム ) 国立 病院 機 構肥 前精 神 医療 セ ンタ ーで ペ アレ ント ・ト レ ーニ ング を 実施 し て いる 免田・伊 藤ら(1995)、大 隈・免田 ら( 2001),大 隈・免田 ら( 2002)、 伊藤 ・大 隈 (2005)は 、知 的 障害 児 や ADHD 児 をも つ 親を 対象 と した プ ログ ラム パッ ケ ージ を開 発 し、 肥 前方 式親 訓 練プ ログ ラム (HPST プロ グラ ム )と 名付 けて い る。 こ のプ ログ ラ ムの 特徴 は 、講 義形 式で ペ アレ ン ト・ トレ ー ニン グの 理論 と 技法 を 学ぶ 前半 と 、個 別、 あ るい は少 人数 グ ルー プ での 面談 に よっ て、 それ ぞ れの 親 が自 分の 子 ども に対 す る実 際的 なか か わり 方 を検 討、 評 価、 改善 する 後 半の 2 部に 分か れ てい るこ と 、さ らに 、前 半 と後 半の 間 に指 導 者が 席を 外す コ ーヒ ータ イ ムを 10 ∼15 分程 度 設け 、自 由 な意 見交 換 の場 が確 保 さ れて いる こ とで ある 。ま た、各 回に は講 義 の内 容に 応じ た 個別 の宿 題 が出 さ れ、

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次回 の後 半 にそ れを 材 料と し た面 談を 行 うよ うに なっ て いる 。Table2-1 に 、大 隈・免田 ら( 2001)のペ アレ ン ト・トレ ーニ ング のプ ロ グラ ムを 例 示す る。こ れは 、ADHD 児を もつ 母 親向 けの プ ログ ラ ムで ある 。HPST プ ロ グラ ム では、 講義 の進 行 にあ た り、 質疑 応 答を 促進 す る問 いか け形 式 を取 り 入れ 、参 加 者の 内容 理解 が 深ま る よう に工 夫 をし てい る 。ま た、 後半 の 小グ ル ープ ミー テ ィン グで は、 各 グル ー プに 指導 者 が付 き、 毎 回、 宿題 を基 に 母親 の 子ど もに 対 する 対応 方法 の 評価 、 修正 、モ デ リン グ、 記 録方 法の 変更 、 効果 測 定、 及び 新 しい 対応 方法 の 提案 な どを 行う こ とに より 、 個々 の事 例に 応 じた 柔 軟な 対応 が とれ るよ うに な って いる 。さら に、標 的行 動 につ いての VTR をプ ロ グラ ム実 施 前後 に個 別に 撮 影し 、比 較 して 成 果を 確認 で きる よう にし て いる 。伊 藤・大 隈(2005) は、 小グ ル ープ ミ ーテ ィン グ の際 に、 母 親自 身が 自発 的 に作 っ たシ ール 、 約束 表な どを 積 極的 に 評価 し活 用 する よう 支 援し た例 を挙 げ 、プ ロ グラ ムに お ける スタ ッフ と 親と の協 働 性を 強 調し てい る 。 この 方式 は まと まっ た 集団 で の概 論学 習 と小 集団 での 個 別課 題学 習の 2 本 立 てに より 、 それ ぞ れの 集団 特 性を 生か し たき め細 やか な プロ グ ラム を展 開 でき るの が利 点 であ る が、 運営 に あた って は 、個 々の 事例 に 対し 、 専門 的な 対 応が でき るス タ ッフ が 複数 名い る こと が前 提 にな るこ とか ら 、導 入 する 際は 、 専門 スタ ッフ 自 体の 養成 が 必要 と なる と思 わ れる 。こ のス タッ フ には 、ペ ア レン ト・ トレ ーニ ン グの 理 論に 関す る 知識 のみ な らず 、母 親の ス キル の 力量 や子 ど もの 状態 、家 庭 での 実 践に 関連 す る家 庭環 境 要因 等の 査定 能 力や 、 相手 に応 じ た適 切な アド バ イス を する こと が でき るカ ウ ンセ リン グの 力 量が 求 めら れる と 考え られ る。

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回 内容 宿題 1 オリエンテーション/自己紹介、講義:ADHDとは何かについて、行動療法のキーワードについて説明 標的行動の希望を5つ書く 2 講義:治療事例のVTR視聴し、行動分析の仕方、治療方 法、経過の実際を説明、G:標的行動決定、変化すれば他 の行動にも良い影響のある行動、応用モデルとなる行動の 特定 強化子を探す 3 講義:観察と記録の仕方、ABC分析、G:強化子決定 標的行動のABC分析と生起頻 度、持続時間、保護者の対応を 記録する 4 講義:強化、強化子、強化の仕方について、ABC分析と強 化スケジュール、G:行動の維持と随伴性検討、記録の仕 方検討、保護者の対応方法の評価 5 講義:トークンシステム、行動契約とバックアップ強化 子、レスポンスコスト、G:第4回に同じ 6 講義:構造化の方法、物理化、スケジュール提示、視覚的 な教示、なすべきことのルーチン化、リスト活用、リマイ ンダー活用、G:第4回に同じ 7 講義:消去、無視、タイムアウト、他の行動強化、レスポ ンスコスト、外出先や来客時に問題行動に対応できるため の計画やリハーサル、強化子、G:第4回に同じ 8­10 G:宿題について話し合い、後半全員で:標的行動親子対 応場面VTR(親子で模擬家屋で、あるいは家庭で撮影)を 参加前後で比較、意見交換 11 修了式、事後テスト:皆勤賞、努力賞、修了証、福祉資源 や就学にあたっての地域情報提供、保護者の工夫した点の フィードバック 毎回、セッションをふまえて修 正した内容に基づき記録する (小グループでの振り返りと対 応修正に利用) Table 2-1 肥前方式ADHDのペアレント・トレーニングプログラム(HPSTプログラム) ※G:小グループによる活動 大隈・免田ら(2001)をもとに作成

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(2)田 川方 式 (福 岡県 立 大学 )親 訓 練プ ロ グラ ム 福岡 県立 大 学で 、発達 障 害児 の親 に 対し 福 田・中藤(2000)、福田・中 藤ら (2005)が行 っ たプ ログ ラ ムで あ る。取 り 上 げる 内容 や、前 半に 講義 を 行い コ ーヒ ータ イ ムを 挟 んで 後半 に 個別 また は 小人 数グ ルー プ ミー テ ィン グを 行 うス タイ ルは 肥 前方 式 に近 いが 、 肥前 方式 で は専 門性 のあ る 複数 の スタ ッフ が 指導 する のに 対 し、 田 川方 式で は 少数 の専 門 指導 者と 学生 で 指導 し てい ると こ ろが 特徴 であ る。特 にミ ーテ ィ ング に つい ては 、福田・中 藤( 2000)で は、当初 3 名の 親を 1 組と して 2 名の 専 門担 当者 が 加わ り合 同で 実 施し てい た が、 福 田・ 中藤 ら(2005)で は 、1 セ ッシ ョ ンご とに 、親が プラ イ ベー トな 個 別の 問 題に つい て話 題 にで きる よ う に 1 人の 親 ある い は夫 婦に 対 して 学生 を 含め た 2、 3 人の スタ ッ フと い う形 で個 別 面接 を行 っ てか ら、 最後 に 再度 全 体で のミ ー ティ ング を組 み 込ん で 各親 の取 り 組み を共 有 でき るよ うに す るな ど の改 善を 行 い、 専門 家が 少 ない 場合 の ペア レ ント・ト レー ニ ング のプ ロ グラ ムを 検 討し て いる。 (3)奈 良医 大 ADHD 家族 教室 プ ログ ラム 奈良 県立 医 科大 学精 神 科に お ける 岩坂・清 水 ら(2002)、飯 田(2002)に よ るプ ログ ラ ムで ある 。 半年 間 にわ た る 11 回 のセ ッシ ョ ンの うち 、 最後 の 修了 式以 外の 10 回 を前 半 5 回 、後 半 5 回の 2 段 階に 分け て 実施 する 。 まず 、前半 で は、講 義に よる ADHD の 行動 特 性の 理解 と 、子ど もの 行 動を 好 まし い行 動 、好 ま しく ない 行 動、 破壊 的 ・他 人を 傷つ け る可 能 性の ある 行 動の 3 つ に分 け 、そ の 中の 好ま し い行 動に 注 目し てほ める こ と、 また 参 加者 メ ンバ ー同 士の サ ポー ト機 能 向上 の ため 話し 合 うこ とな どを 行 う。 特に 、4、 5 回に は、 「親 子 タイ ム 」を 自宅 で 実施 する こ とを 宿題 とす る 。こ れ は、 親が 子 ども に干 渉せ ず 、子 ど もが 好き な 遊び をす る 様子 を肯 定的 に 受容 、 賞賛 する 時 間と して 、週に 1、2 回 、15∼20 分 程 度 、無 理 のな い範 囲で 行 うこ とと な って い る。 これ によ り 親子 関 係が 良い 行 動を して ほ めら れる とい う ポジ テ ィブ なも の に変 わっ てい く のを 見届 け て、 後 半の セッ シ ョン に進 む。

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後半 では 、以前 に分 類 した 3 つの タイ プ の行 動に 対す る 対応 方法 を タイ プ 別 に学 び 、ロ ール プ レイ によ っ て習 得 する 。宿 題で は 、分 類し た 行動 に対 応 して 、 子ど もに 対 する 行 動タ イプ 別 トー クン 表 を各 自作 成し 、 家庭 で の効 果を 出 しや すく して い る。 ま た、 後半 の 最終 セッ シ ョン には 、こ れ まで 撮 影し てき た ロー ルプ レイ の VTR を初 期と 後 期で 比較 し 、親 自身 の変 容 の自 覚を 促 すよ う にし てい る。 この プロ グ ラム の特 徴 は、 親 子の 相互 作 用が 良い 循環 に なり 、そ の 状態 で 維 持さ れる た めの 手 だて を継 続 して いる こ とで ある 。す な わち 、 前半 では 、 好ま しい 行動 を 見付 け てほ める こ とを 課題 と して 、毎 回の セ ッシ ョ ンの 最初 に 子ど もの 良い エ ピソ ー ドを 報告 す る時 間を 設 け、 親が 子ど も の好 ま しい 行動 を 探す よう にし む けて い る。 後半 で 修正 すべ き 行動 (好 まし く ない 行 動、 破壊 的 ・他 人を 傷つ け る可 能 性の ある 行 動) に対 す る対 応方 法を 親 が学 ん だ後 も、 ト ーク ン表 によ っ て、 子 ども の好 ま しい 行動 が 親に よっ て常 に 強化 さ れ続 ける よ うに 仕組 んで あ る。 さ らに 、最 後 の修 了式 に は親 子で 参加 し 、親 に 修了 証を 渡 すだ けで なく 、 子ど も に対 して も 本プ ログ ラ ムの 共同 実施 者 とし て 、親 子タ イ ムや トー クン 表 につ い ての がん ば りを 賞し て メダ ルを 渡し て 、表 彰 する 機会 を 設け てい る。 こ のよ う に、 親に よ る問 題行 動 への 対応 法だ け でな く 、親 子関 係 の良 好な 相互 作 用の 構 築と 維持 を プロ グラ ム の中 に位 置づ け てい る こと が本 プ ログ ラム の特 徴 とい える 。 なお 、この プ ログ ラム は 一部 変更 さ れ 、岩 坂・楠本 ら(2003)によ り 、保 護 者自 身が 指 導者 と なっ て実 施 する 家族 会 版ペ アレ ント ・ トレ ー ニン グで も 用い られ てい る 。 (4)精 研方 式 PT プ ログ ラ ム 藤井(2003)が 報 告し た、国 立精 神・神 経セ ンタ ー精 神 保健 研究 所 にお け る ペア レン ト ・ト レー ニ ング の プロ グラ ム であ る。 全 10 回で 、 オリ エン テ ーシ ョン の後 、 子ど もの 行 動 を 3 種類 に 整理 し 、肯 定的 な 注目 (ほ め る・ 認 める) を与 える 、 子ど も と二 人っ き りに なれ る スペ シャ ルタ イ ムの 実 践、 して ほ しく ない 行動 へ の対 応 、子 ども の 協力 を増 や すた めの 効果 的 な指 示 の出 し方 、 子ど

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もの 協力 を 増や すた め のよ り よい 行動 の 表作 り(BBC チ ャー ト )、警告 と 罰(ペ ナル ティ ) の与 え 方、 幼稚 園 ・保 育所 ・ 学校 との 連携 、 おさ ら いと ふり か えり が、その 内 容で ある 。BBC チャ ート と は、1 日の うち で もっ とも 悶 着が 起 こり 時間 通り に 事が 運 ばな い時 間 帯を 決め 、 その 時間 にお け る親 が 子ど もに し てほ しい 行動 を 6∼7 つ 選ん で項 目 にし た 1 週間 の表 であ る 。1 週間 でそ の 行動 が いく つで き たか シー ル を貼 っ て褒 美を 与 え、 強化 する 。 この プロ グ ラム の特 徴 は、 学 校と の連 携 を組 み込 んで あ るこ とで あ る。 連 絡 カー ドを 用 いて 、子 ど もの 改 善し たい 行 動 を 2∼3 つ 程度 親 と教 師が 話 し合 っ て決 める 。 学校 で、 午 前、 午 後、 1 日 と 区切 って 3 段階 評価 で 教師 がシ ー ルを 貼り 、家 に 持ち 帰 った ら親 が 短い コメ ン トを 記入 する 。 教師 と 親が 協力 し て子 ども に肯 定 的注 目を 与 える こ とを 目的 と して いる 。 (5)新 潟大 学 方式 親の ス キル 訓練 プ ログ ラ ム(NIP-SKIP) これ は主 と して 広汎 性 発達 障 害の 子ど も を持 つ母 親を 対 象と した プ ログ ラ ム であ る( 長澤・谷 崎,2005)。養護 学 校( 現 在の 特別 支 援学 校)の公 開 講座 と して 実施 さ れた も ので 、内 容 は大 学教 員 によ る応 用行 動 分析 の 理論 に基 づ く子 ども への 対 応方 法 の講 義、 ア ドバ イザ ー によ るグ ルー プ 別演 習 、個 別の 指 導計 画の 作成 、日常 生 活で の実 践 、報 告 会( 実践 の評 価 )か らな る 。回 数は 4 回で 、 第 1∼3 回は 、講 義 と演 習を セ ット にし て 週 に 1 回行 い、 そ の後 親自 身 が第 3 回目 に作 成 した 個別 の 指導 計 画に 基づ い て家 庭で 指導 を 行い 、1 か 月後 に その 結果 を持 ち 寄っ て報 告 会(第 4 回目 )を 開 き 評価 する 。こ の プロ グラ ム の特 徴 は、 教職 経 験の あ るア ドバ イ ザー が個 別 対応 を行 うこ と にあ る 。限 られ た 時間 の演 習で 指 導計 画 の作 成、 記 録な どを 行 うた め、 親が 抱 えて い る事 例に つ いて 十分 検討 で きな い 問題 点が 報 告さ れて い るが 、資 質の あ るア ド バイ ザー が 子ど もの 特性 だ けで な く、 親の 養 育ス キル や ニー ズに 応じ て 個別 的 に支 援を 行 うこ とで プロ グ ラム の 効果 を上 げ てい る。 今 後は 、ア ドバ イ ザー 養 成プ ログ ラ ムの 開発 が求 め られ る。 (6)個 別ペ ア レン ト・ ト レー ニン グ のプ ロ グラ ム

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個別 に実 施 され るペ ア レン ト ・ト レー ニ ング のプ ログ ラ ムに つい て は、 行 動 療法 理論 の 学習 と個 別 指導 プ ログ ラム の 作成 、実 施、評 価 が組 み 込ま れて い る。 李・中野(1989)は行 動療 法 理論 とそ の 技法 に関 する 5 回の 勉 強会 と、実 際に 親が 子ど も に対 し て指 導し 、 フィ ード バ ック を受 ける 実 習、 さ らに 、家 庭 学習 教材 によ る 指導 を 組み 合わ せ て実 施し て いる 。実 習で の 指導 者 によ るフ ィ ード バッ クは 、 後に 日 常生 活場 面 での 母親 自 身の 自己 評価 報 告に 切 り替 えら れ る。 山上 ・伊 藤 ら( 1991) は、 子 ども の 行動 を 撮影 した VTR に基 づ いて 、母 親 と 一緒 に行 動 理論 によ る 課題 分 析を 行い 、ま ず 指導 者が 対 応の モデ リ ング を 行い、 そ れ を 見 て 母 親 が ス ー パー バ イ ズ ( SV) を 受 け な が ら 実 際 に 子 ど もに 対 応 し 、 SV を フ ェ イ デ ィ ン グ す る 方 法 を 実 施 し て い る 。 母 親 の 対 応 と そ れ に 伴 う 子ど もの 行動 の 変容 を VTR に 撮 影し てフ ィ ード バッ クす る こと によ り 、母 親 自身 を強 化し て いる 。野 坂・内田(2006)は 、親 自身 が自 力 で個 別指 導 プロ グ ラム を作 成で き るよ う にな るこ と を目 的に し たペ アレ ント ・ トレ ー ニン グの プ ログ ラム を実 施 して い る。 親に 対 し、 標的 行 動の 決め 方、 個 別指 導 プロ グラ ム の目 的、記録 の 取り 方、ABC 分 析 、指 導上 の 留意 点( リハ ー サル のし か た、子ど も のほ め方 、 自分 の 気持 ちの 伝 え方 、声 か けの しか た) な どに つ いて 指導 し 、完 成度を 50 %、100 %など 段 階的 に設 定 して 、個別 指導 プ ログ ラム を 親が 作 成で きる よう に して いる 。 これ らの 個 別ペ アレ ン ト・ ト レー ニン グ のプ ログ ラム に 共通 する の は、 プ ロ グラ ムの 初 期に 指 導者 が親 へ のフ ィー ド バッ クに よる 強 化を 頻 繁に 行う 点 であ る。 まず 指 導者 が丁 寧な SV を行 い、 そ れを 徐々 には ず して 、親 自 身が 自 立的 に子 ども の 指導 を行 う こと が でき るよ う にな る流 れを 取 り入 れて い る。 母親 の主 体 的な 子ど も への 指 導介 入を 検 討し た例 とし て は、 竹内 ・ 島宗 ・ 橋 本( 2002)によ る 子ど もの 行 動を 家庭 で 記録 する チェ ッ クリ スト を 用い た 研究 があ る 。自 閉 症児 の母 親 に対 し 、週 1 回の ペ ース で面 接 を行 い 、最 初の 6 回 の 面接 で標 的 行動 を 選定 し、 達 成の ため に 必要 な一 連の 行 動の 課 題分 析を 行 い、 それ を基 に 母親 が 家庭 で指 導 する 際の チ ェッ クリ スト を 作成 し た。 その 後 、約 2 ヶ 月間 標 的行 動 が形 成さ れ るま で、 母 親が チェ ック リ スト に従 っ て子 ど もの 行動 を「 自 発、声が け 、身 体 援助 」の 3 つに 分け て記 録 しな がら 家 庭で 指 導を

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