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第10回日本中性子捕捉療法学会学術大会報告

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Academic year: 2021

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73  平成25年9月7日(土曜日)・8日(日曜日)に岡山 大学創立50周年記念館にて,第10回日本中性子捕捉療 法学会学術大会が,岡山大学大学院医歯薬学総合研究 科細胞生理学教授 松井秀樹大会長のもと,開催されま した.開催前には,西日本を中心とした豪雨や台風の 接近など,天候面で色々危惧しましたが,初日に少し 小雨が降った程度で,秋風が吹く爽やかな初秋の岡山 を満喫できる,素晴らしい天候のもと学会は行われま した.  この学術大会には全国の日本中性子捕捉療法学会に 所属する物理学,原子炉工学,化学,薬学,生物学, 医学の分野と,医療関係者を含めた200余名の研究者が 参加する,我が国最大の中性子捕捉療法の学会です. 学術大会では,初めて BNCT 版医学物理講習会を学術 大会と同時に開催することとなり,今後の BNCT の全 国への展開,標準医療への発展を見据えた大会となり ました.学術大会大会長の松井秀樹教授は,第10回の 節目となる本学会のテーマを「中性子捕捉療法の新時 代を切り開く」とし,BNCT の飛躍につながる学術大 会とすべく,開式の弁を述べました.  特別講演には,BNCT 学会に初登場の Drug Delivery System 分野と核薬学分野を代表するお二人の先生を お迎えし,参加者の方々に非常に大きな感動を与える 特別講演を頂戴しました.大会一日目の東京大学大学 院工学系研究科/医学系研究科の片岡一則先生は Drug Delivery System の世界の第一人者であり,「ナ ノバイオテクノロジーが拓く未来医療 ∼ 超分子ナノ デバイスによる薬物・遺伝子のピンポイントデリバリ ー ∼」と題して御講演を頂きました.片岡先生が実験 からデザインした薬剤の多くが,現在臨床治験されて おり,さらに Phase Ⅲの治験を推進されているデータ 等を提示されると,参加者の多くは BNCT と同様また はそれ以上のスピードで発展される Drug Delivery System を用いた新規薬剤の開発に,驚愕させられま した.大会二日目のランチョンセミナーでは,岡山大 学大学院医歯薬学総合研究科 榎本秀一先生に「次世代 分子イメージング装置としての複数分子同時イメージ ング法の確立とオミックスサイエンス研究:マルチト レーサー法と新規計測法の開発研究」と題して御講演 を頂きました.新しい positron emission tomography を用いたイメージング装置の開発や新規のイメージン グ用核種の開発に至るまで,すべての参加者が食い入 るように見つめる中,数多くのデータを出され,災害 復興でも利用されているイメージング技術も紹介され ました.

第10回日本中性子捕捉療法学会学術大会報告

The 10th Congress on Neutron Capture Therapy

大会長 松 井 秀 樹

(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 細胞生理学)

Hideki Matsui (Department of Physiology, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences)

岡山医学会雑誌 第126巻 April 2014, pp. 73ン74

平成25年12月受理

〒700-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1 電話:086-235-7104 FAX:086-235-7111 Eンmail:[email protected]

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74  また,シンポジウムのひとつとして日本中性子補足 療法学会 WG の在り方と今後について,日本中性子捕 捉療法学会会長の平塚純一先生座長のもと,3つの Working Group(WG)より,BNCT 版医学物理士 WG から責任者 丸橋晃先生,治療計画標準化 WG から責 任者 熊田博明先生,主治医資格 WG から責任者 宮武 伸一先生の発表を頂きました.いずれも,今後の BNCT 標準治療化への発展には必要不可欠な WG であり,議 論並びに講習会等の継続が必要であると考えられまし た.  特別講演2演題,シンポジウム5演題,一般演題47 演題の合計54演題とこれまでの日本中性子捕捉療法学 会の中で最も多い演題数となりました.学会より,毎 年贈られているベストプレゼンテーション賞には,物 理学分野より京都大学工学研究科原子核工学専攻 川 村徳寛先生,化学・薬学分野より学習院大学理学部 加 納大輔先生,臨床医学分野より京都大学原子炉実験 所 山本由佳先生が選ばれました.  演題数が非常に多く,タイトなスケジュールであり ましたが,座長並びに演者の方のスムーズな発表や参 加者の皆様のご協力により,滞りなく学術大会を行う ことが出来ました.  懇親会は,学会場より徒歩5分の岡山大学ピーチユ ニオンにて,140名もの参加を得て開催されました.会 中盤では,岡山県に古くから伝わる鬼神「温羅(う ら)」の伝説を元にした,うらじゃ踊りで大変盛り上が りを見せました.また,BNCT の未来を語る,非常に 有意義な場になったと思われます.  悪性腫瘍に苦しむ患者様の多くが,まだ自由に BNCT を受けられる状況ではありません.病魔に侵さ れ,苦しむ患者様にとっては,いかなる言い訳も出来 ないのが現状です.BNCT における世界最先端の日本 の技術が,標準治療となり,日本発の世界共通治療法 となる日が近づいていることを実感できた学術大会で した.今後,さらに BNCT が発展することを願い,第 10回学術大会の学会報告とさせていただきます.

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